裁決事例 裁決事例集 第2集
要旨
法人税法第70条第1項は減額更正に係る過納金のうち仮装経理に係るものについて、直ちに還付することなく、当該更正の日以後の「各事業年度の所得に対する法人税」の額から順次控除する旨を規定しているのであるから、解散している法人について、同項の規定を適用し、「清算所得に対する法人税」の額から順次控除することとした原処分は取消しを免れない。
要旨
船舶の現物出資により設立されたこととなっている請求人(法人)は、船腹調整規程による代替船舶の建造承認を得るための単なる手段として設立されたものにすぎず、当該船舶はその現物出資者となっている個人から当該法人の設立前に直接相手方に譲渡されたものと認められるから、当該船舶の譲渡に係る所得は、当該個人に帰属するものと認めるのが相当である。
要旨
請求人が契約した野球場の予約席には、請求人の社名看板が掲示されているとしても、それは小型のものであって入場者の目安のための社名表示にすぎないものと認められるから、野球場予約席料は、広告宣伝効果を意図したものとは認め難く、野球場入場券を取引先に贈答するために支出した費用と認められるので、交際費等に該当する。
要旨
山林からは継続して収益をあげていないこと、所有山林の面積、植林の実施状況等からみて、山林業と称するに足る事業を営んでいるとは認められないので、譲渡した山林素地は事業用資産とはならない。
要旨
営利を目的とする継続的行為に当たらない一時的な資金の貸付けであり、かつ、利息の定めがない場合においても、その貸付けの時点において、その貸付先の資金の運用により相当額の利益の分配があることを予測し得る状態におかれ、かつ、これを予期して貸付けを行ったと認められるときは、その貸付金の元本額を超えて返済を受けた部分の金額は、所得源泉を有しない臨時的な所得である一時所得ではなく、雑所得とするのが相当である。
要旨
請求人が本件扶養料、学費を支払うこととなったのは、被相続人の生存中から係争中の認知請求の訴えに関連があるとしても、その支払債務は、請求人を被告として被相続人の死亡後に提起された相続権確認等の訴えにおいて職権和解によって発生したものであり、被相続人の相続開始の時に債務として存在していたものとは認められない。
要旨
現物出資は金銭に代えて現物を提供して株式ないしは持分を得るという有償双務契約による譲渡であって、譲渡所得計算上の収入金額は、その資産の現物出資により取得した株式ないしは持分を時価とするのが相当である。
要旨
同族会社である請求人の元社長は、社長として在職中請求人の業績向上に貢献があったこと、社長引退直後から準禁治産の状態にあったが、その私財を取引関係業者に担保として提供していることなどの事実が認められ、かつ、その弔慰金等の名義で支出した金額も他の法人のそれに比して不当に高額とは認められないことから、当該支出額を相続人である請求人の代表者に対する賞与と認定することは相当でなく、請求人の経理どおり雑損失として認めるべきである。
要旨
外部から認識することのできる面接調査等が行われておらず、申告案内書及び申告書用紙の送付を受けたにとどまる請求人の期限後申告書の提出は、「調査があった」ことにより決定があることを予知してなされたものであるとすることはできない。
要旨
裁判上の和解により、両当事者は譲渡所得課税(原処分)の基となった売買契約の無効を確認し、この和解条項のとおり、いったん受領した譲渡代金の返済、所有権移転登記の抹消をしているので、原処分を取り消すのが相当である。
要旨
法人の代表者が、個人名義で木材(素材)の取引を開始した動機及びその資金の出所等からみて、実質的にも個人の取引と認められ、かつ、既に1年を経過しているため、商法上の競業避止義務違反の行為として介入権を行使していない場合にあっては、その取引による所得を法人の所得と認定することは妥当でない。
要旨
請求人は債権回収の方法として、かねて抵当権を設定していた土地の譲渡を受けたのであるが、その土地の価額は、債権額を著しく超えているから、その差額に相当する部分について、請求人が贈与を受けたものとみなし、贈与税を課した原処分は相当である。
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