税務法規集裁決事例 昭和60年8月31日裁決
裁決事例 昭和60年8月31日裁決
要旨
請求人は、本件建物等の譲渡所得の金額の計算上取得費から控除する償却費の額の累積額には、不動産所得の金額の計算上必要経費の額に算入された新築貸家住宅等の割増償却費の額は含まれないと解すべきであると主張するが、所得税法第38条第2項第1号の規定により、譲渡所得の取得費の計算上控除される資産の売却費の累積額には、その資産の減価償却費の額の計算について租税特別措置法第14条第1項の規定により割増償却の適用を受けている場合には、同項の規定の適用を受けた期間に係る割増償却費の累積額が含まれると解するのが相当である。
昭和60年8月31日裁決
法人の代表者が法人の業務に関連してした保証債務を当該法人が無償で引き受けたことによる負担額は、債務の引受けの時ではなく、現実にこれを履行した時の損金の額に算入されるとした事例
裁決事例集 第30集 113頁
要旨
請求人は、主たる債務者の死亡等により連帯保証の名義人である請求人の代表者が履行すべきこととなった本件保証債務につき、請求人が負担することとした債務の損金計上時期について、その負担することとした債務は、請求人が債権者と交渉して負担額及び支払方法を決定したのであるから、民法第513条の規定により新たな債務というべきであり、仮に保証債務であるとしても、主たる債務者が存在せず、初めから求償権が発生しないのであるから、いずれにしても、債権者と負担額及び支払方法について合意した時に損金として確定していると主張するが、本件保証債務は、請求人の業務に関連するものと認められるものの、当事者間において債務の要素を変更する契約がなされた事実がないから、請求人の負う債務が新たな債務であるという主張は採用できず、請求人は本件保証債務を代位弁済するにすぎないこと及び代位弁済により生ずる代表者に対する求償権を放棄していることからすると、当該求償権が発生し、これを放棄することとなる代位弁済の実行時点ではじめて損金とすべきである。
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