裁決事例 昭和63年12月15日裁決
国内事業に関して発生した為替差益の付替え相当額は、親会社との契約に基づき同社に帰属すべきものであるから、国内事業の所得の計算上損金の額に算入されるべきであるとの請求人の主張を排斥した事例
裁決事例集 第36集 113頁
要旨
国内事業に関して生じた為替差損益部分に相当する額を収益金又は負担金として親会社に帰属させることを内容とする契約は、請求人の事業の特殊性からみて経済的合理性のあるものであり、この契約に基づき負担した金員は、国内事業の所得の計算上損金の額に算入されるべきであると請求人は主張するが、請求人の日本支店が親会社へ邦貨又は外貨で支払ったとする事実も認められず、単に会計帳簿上の振替処理であることなどからみて、本件為替決済差益等の額について請求人の日本支店から親会社に至るまでの付替え経理は、当事者間における単なる資金移転取引であると解されるから、当該資金の移転に関連して請求人及び親会社の双方に損失又は利益は生じないと認めるのが相当である。
要旨
請求人及び請求人の代表取締役であるA(以下「請求人ら」という。)は、持分2分の1で共有する本件土地の譲渡先はE社であり、このことは、本件甲契約書(譲渡人を請求人ら、譲受人をE社、譲渡価額を148,247,190円とする昭和60年3月16日付の売買契約書)から明らかである旨主張するが、E社その他本件土地の売買取引に関係のある多数の者を調査したところによれば、E社は本件土地に係る売買の仲介人に依頼され、本件甲契約書及び本件乙契約書(譲渡人をE社、譲受人をD社、譲渡価額を207,744,390円とする昭和60年3月20日付の売買契約書)に譲受人及び譲渡人として押印したものであり、いわゆる名義貸しをしたにすぎず、本件甲契約書及び本件乙契約書は、Aが本件土地の譲渡利益を圧縮するために当該仲介人等に形式的な中間譲渡人を入れるように要求し、E社を形式的な中間譲渡人として作成されたものであって、本件土地は、請求人らが本件土地を直接D社に譲渡したものと認めるのが相当である。
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