裁決事例 平成5年4月19日裁決

裁決事例 平成5年4月19日裁決

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平成5年4月19日裁決

株主が一堂に会して株主総会が開催されなかったとしても、請求人のように役員が90パーセント以上の株式を有している同族会社において、当該役員により作成された議事録は、実質的に株主総会が開催され、決議が行われた上で作成されたものとみるべきであり、過大な役員報酬の判定はこの議事録に基づいて行うのが相当であるとした事例

裁決事例集 第45集 213頁

要旨

 請求人は当初、株主総会の議事録であるとして甲議事録を提示し、その後に至って乙議事録を正規のものであるとして提示した。さらに請求人は、実際には株主総会は開催されておらず、株主総会の決議も存在しないので、役員報酬の額が相当な金額であるか否かは株主総会の議事録によるべきではなく、当該役員の職務内容からみて判断すべきであると主張した。しかし、本件においては、請求人の株主が一堂に会して株主総会が開催され決議が行われたと判断することはできないとしても、[1]請求人は、議事録の原案の作成を代理人に依頼していること、[2]代理人は、原案を作成するに当たって代表者に対し、あらかじめ「各事業年度の計算書類の承認は行われたか、役員報酬の額が前事業年度に比べて変更されたか否か、変更後の金額はいくらか」の点について確認していること、[3]原案を請求人の代表者は代理人から受け取り、代表者は原案に押印した後、他の役員にもこれを回付し、同人らも代表者と同様に押印し、議事録を作成していること、[4]役員の有する株式数の合計は、発行済株式総数の90パーセントを超えていること等からみると、実質的に株主総会が開催され、決議に基づいて議事録が作成されたとみるのが相当である。
 そして、株主総会の決議に基づいて作成された議事録は、甲議事録であると認められ、原処分庁が役員報酬が過大かどうかの判断を甲議事録に基づき行ったことは相当である。

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