裁決事例 平成6年3月23日裁決
要旨
請求人は、相続した本件土地の持分の譲渡代金から支払った本件調整金は、本件土地の換価分割による支払であるから請求人の譲渡代金から控除すべきであると主張するが、[1]請求人は、相続税の修正申告において本件調整金を代償分割に基づく債務として控除していること、[2]他の相続人らは、当該金員を譲渡収入金額に含めないで確定申告していること、[3]請求人は請求人の長女の確定申告書の作成に当たって親権者として関与し、その内容を熟知しているにもかかわらず[2]と同様の申告をしていること、[4]遺産分割協議書等によれば、本件土地について各相続人の持分を定めた上で、別途、調整金として他の相続人らは各500万円の相続をすることとし、この金員は請求人の持分に相当する譲渡代金のうちから支払うこととなっており、また、被相続人のその他の財産の全部を請求人が相続することになっていたことからみれば、本件調整金は、請求人から他の相続人らへの代償分割による代償債務のための支払と認めるべきである。
したがって、本件調整金相当額を請求人の譲渡収入金額から控除することはできない。
請求人が、従前家族とともに居住していた借家の近くに取得したマンションは、譲渡時点においては、生活の本拠として認められないので租税特別措置法第35条の適用はないが、かつての居住状態から、同マンションを生活の本拠と理解していたことは相当の理由があると認められる等から、重加算税の賦課は相当でないとした事例
裁決事例集 第47集 216頁
要旨
昭和53年に取得した本件マンションについては、請求人は長男が未成年のころは、その世話のため、本件マンションを主として居住の用に供していたといえる状況にあったとしても、[1]夫と義母が残ったと主張する従前居住していた借家を、請求人が資金を出して取得していること、[2]長男は既に独立した生計を営んでいること等から、本件マンションの譲渡の時点では、これを生活の本拠とする理由等は認められず、上記の取得した借家が請求人の居住の用に供していた家屋と認められる。
しかし、[1]本件マンションを請求人名義で取得し、かつ長男を居住させて、一時的にではあっても長男とともに居住の用に供していたことから、これを生活の本拠と理解していたことには、相当の理由があり、[2]本件マンションの譲渡直前に住民登録を本件マンションの所在地に移したのは、登記簿上の住所に住民登録上の住所を符号させるためにしたもので、そのことをもって仮装行為とは認められない等から、重加算税を賦課することは相当でない。
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