裁決事例 平成10年12月18日裁決
本件旧家屋と新家屋の水道と電気の使用量の状況、ガス会社との供給契約の終了時期や電話の移設の状況等から判断すると、本件の課税の特例が適用される期限を徒過した以後に本件譲渡が行われているものと認められるとして、居住用財産の課税の特例は適用されないとした事例
裁決事例集 第56集 220頁
要旨
請求人は、旧家屋から新家屋に家財道具等を搬出したのは、祖母が死亡した日(平成6年9月14日)以降であり、平成6年に生活の本拠が新家屋に移っているので、本件の旧家屋について租税特別措置法第35条第1項で規定する「居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日」は、平成9年12月31日となるところ、本件旧家屋の譲渡はこれ以前に行われているから、居住用財産の特別控除の適用が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、[1]旧家屋と新家屋の水道と電気の使用状況をみると、平成3年3月以降は旧家屋での使用実績はなく、同年1月以降の新家屋の使用量は、新家屋に生活の本拠を移したことに争いのない時期である平成7年の使用量と同程度であると認められること、[2]旧家屋におけるガス会社との間の取引は平成3年2月28日で終了していること、[3]旧家屋の電話は、平成2年11月20日に他の場所に移されていることの各事実を総合すれば、請求人が平成3年3月以降旧家屋に居住していた事実はなく、生活の本拠は、遅くとも同月までに新家屋に移っていたと認めるのが相当である。
したがって、旧家屋が請求人の「居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日」は、平成6年12月31日となり、甲土地はこの日以前(同月2日)に譲渡契約がなされ、乙土地はこの日以後(平成7年1月10日)に譲渡契約がなされているが、これらの土地の引渡しは、いずれも平成7年1月になされており、また、本件土地の譲渡所得についての確定申告も平成7年分の所得として申告されていることからみて、本件譲渡は、平成6年12月31日までに行われた取引とは認められず、本件土地等の譲渡所得に居住用財産の課税の特例は適用できない。
被相続人名義の普通預金等の存在を承知した上で、税理士にこれらに相当する金額を含めて納付すべき税額を計算させ、その後、同税理士から資料の提示を求められると、残高証明書等を所持していたにもかかわらず、ない旨の回答をし、本件預金等の存在を明らかにしないで本件確定申告書を作成、提出させた行為は、事実の隠ぺいに当たるとした事例
裁決事例集 第56集 34頁
要旨
請求人は、本件各預金が被相続人の相続開始日現在において存在し、それが被相続人名義であることを承知した上で、M税理士事務所に勤務するT税理士に指示して、いったんは本件各預金とも思われる金額を含めて納付すべき税額を算定させ、その後、同税理士から当該金額に係る資料の提示を求められると、本件残高証明書及び本件各預金のうち定期預金証書を所持していたにもかかわらず、当該資料がない旨の回答をして、同税理士に本件各預金の存在を明らかにせずに本件申告書の作成を依頼し、同申告書をE税務署長に提出したことが認められる。
請求人の上記行為は、国税通則法第68条第1項に規定する「隠ぺい」に該当するから、本件重加算税の賦課決定処分は相当であり、請求人の主張には理由がない。
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