裁決事例 平成12年10月31日裁決
要旨
請求人が作成した輸出承認申請書の記載内容のみをもって、原処分庁は、請求人がフィリピンの現地法人あてに輸出した中古の機械装置は、輸出承認申請書の記載価額148百万円で譲渡されたと認められるから、その対価が増資の支払債務と相殺されているとしても、その譲渡益は111百万円であると主張するが、[1]請求人における当該機械装置の取得価額が72百万円であり、輸出直前の帳簿価額が18百万円であったこと、[2]フィリピン政府の輸入許可が、株式投資のための輸入で為替取引を伴わないものであることを前提としていること、[3]本件機械装置の輸出に関係した荷役業者との通信文書によれば、本件機械装置は現地法人への現物出資資産として手続きが進められてきたことが容易に読み取れるから、本件は、日本における現物出資そのものではないとしても、フィリピン政府当局から指摘された資本金不足を回避するため、本件機械装置の評価額を水増しして増資に係る払込み資産としたものと認めるのが相当である。そうすると、法人税法施行令第38条の規定により、時価を超える払込み価額はなかったものとされるところ、本件機械装置の時価は、その帳簿価額に相当する金額と認められるので、請求人は、この取引による譲渡損益は生じないから、原処分は取り消すのが相当である。
要旨
請求人は、相続した土地区画整理事業施行中の本件土地については、相続開始時に仮換地は行われているものの、事業の遅れから使用収益ができない状況にあるから、評価基本通達24-2により仮換地に基づいて評価すべきではなく、従前の市街化調整区域に存する農地として評価すべきである旨主張する。
しかしながら、評価基本通達24-2の本文及びただし書に定める仮換地の指定がなされている土地に関する評価方法は合理性を有することが認められ、また、審判所の調査によれば、本件土地は、相続開始時点で区画整理事業が進行中で、実際に本件相続開始日のおよそ1年後に造成工事が完了し、請求人に対し使用収益の開始ができる旨通知されている事実が認められることから、同通達に定める評価方法によることは相当であり、請求人の主張には理由がない。
要旨
国税通則法第46条第5項及び国税徴収法第152条には、税務署長等が換価の猶予をする場合には担保を徴さなければならない旨規定されており、国税通則法第50条には、担保の種類として第3号に土地が、第6号に税務署長等が確実と認める保証人の保証が掲げられている。
また、国税通則法施行令第16条第2項は、担保として土地を提供しようとする者は、抵当権を設定するために必要な書類を国税庁長官等に提出しなければならない旨、同条第3項は、保証人の保証を担保として提供しようとする者は、納税保証書を国税庁長官等に提出しなけれならない旨規定している。
これを本件についてみると、次のとおりである。
原処分庁は、請求人から約束手形の提供を受けて換価の猶予をしていたが、その後、さらなる担保として土地の担保の提供において必要とされる抵当権設定登記承諾書等の書類の提出を受けて換価の猶予期間を延長したこと、及び本件訴訟においてこれらの書類の真偽について争われたが真正に作成されたものと認定されたことから、原処分庁のした抵当権の設定に係る手続は適法に行われていると認められる。
また、本件判決において抵当権設定行為が否認されたのは、物上保証人が抵当権を設定するに際して請求人から債務の免除を受けるなどの経済的利益を受けていないことによるものであって、納税保証書を徴さなかったことではないのであるから、原処分庁の手続上の瑕疵によるものとは認められない。
なお、納税保証書は担保提供者たる請求人の意思により提出するものであると解されるところ、既に担保の提供を受けている原処分庁が徴さなければならない理由も認められず、物上保証人による滞納者の租税債務の負担を証する合意書を徴さなければならないとする法令上の規定もない。
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