裁決事例 平成14年10月25日裁決
住宅借入金等特別控除の対象となる家屋に該当するか否か(床面積基準)の判定に当たり、同一人の所有に属する一棟の建物は、区分所有建物として表示登記又は保存登記がなされていない限り、一個の建物であると解するのが相当であるとした事例
裁決事例集 第64集 274頁
要旨
請求人は、本件家屋(鉄筋コンクリート造陸屋根7階建ての建物)は、その構造上区分された数個の部分を独立して住居、その他の用途に供することができるものであるから、住宅借入金等特別控除の対象となる家屋の床面積基準の判定に当たっては、本件家屋の登記簿等の形式的な記載ではなく、実質主義に照らし、本件居住用部分(本件家屋の6階及び7階部分)の床面積により判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、一棟の建物につき区分所有が成立するためには、建物の各部分が独立の構造を有し、構造上区分された各部分が独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用に供することができるだけでは足りず、その各部分が所有権の客体として、取引上、別個のものとされることが必要で、その前提として、所有者において各部分を別個の建物とする意思が必須の要件であるとされている。
そして、その意思が客観的に外部から認識され得るものでなければ、区分された部分が別個のものとして取引の対象とはなり得ないから、一棟の建物が同一人の所有に属するときは、区分された部分が別個のものであることを客観的に認識し得るものとして区分建物の表示登記又は保存登記がなされることを要すると解される。
したがって、その登記がなされていない限り、同一人の所有に属する一棟の建物は一個の建物であるとするのが相当である。
本件において請求人は、本件居住用部分を区分せず、本件家屋を一棟の建物として表示登記をし、請求人を所有者とする所有権保存登記をしているのであるから、本件居住用部分につき区分所有が成立していると解することはできず、本件家屋が一棟の建物を区分したものであると認めることはできない。
そうすると、本件家屋が租税特別措置法施行令第26条第1項に規定する要件に該当するか否かの判定に当たっては、本件居住用部分のみで判断すべきでなく、本件家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されているか否かにより判断することとなる。
集合債権譲渡担保契約に基づき譲渡された債権は譲渡担保財産として存続しているとして、国税徴収法第24条の譲渡担保権者に対する告知処分が適法であるとした事例
裁決事例集 第64集 593頁
要旨
請求人は、債権の譲渡担保契約においては、契約時点で確定的に譲渡債権が譲渡担保権者に帰属し、第三者対抗要件を備えた時点、あるいは遅くとも担保権の実行通知をした時点で「譲渡担保財産」でなくなったとの主張をするが、いわゆる集合債権譲渡担保契約において、その担保権の実行方法や実行完了時期について特段の合意がない場合には、譲渡担保権者が譲渡債権を現実に第三債務者から取り立てて被担保債権の弁済に充当するまでは担保権の実行は完了しないと解され、その時点までは担保とされた譲渡債権は国税徴収法第24条にいう「譲渡担保財産」として存続すると解するのが相当である。
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