裁決事例 平成14年12月19日裁決

裁決事例 平成14年12月19日裁決

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平成14年12月19日裁決

住宅取得資金の借換えのための貸付けに係る債権の担保のために受ける抵当権設定の登記に関する登録免許税については、租税特別措置法第74条の適用はないとした事例

裁決事例集 第64集 583頁

要旨

 租税特別措置法第74条に規定する「住宅用家屋の新築若しくは取得をするための資金の貸付け」とは、住宅用家屋を新築又は取得をするために受ける資金の貸付けであり、住宅用家屋の新築または取得をした後に当該貸付けを返済して新たに資金の貸付けを受ける場合の貸付けとは、その目的が明らかに異なるものであるから、本件軽減規定の対象となる住宅用家屋の新築又は取得のための資金の貸付けには含まれないと解するのが相当である。
 請求人は、租税特別措置法第41条(所得税の特例である住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)の適用において、同条に既定する「当該住宅の取得等に係る借入金又は債務の金額」には、一定の条件を満たす住宅取得資金の借換えによる借入金を含むと解されていることから、本件軽減規定も同様に解釈すべきである旨主張する。
 しかしながら、個人の所得に担税力を認めて課される所得税と登記や登録の背後に担税力を認めて課される登録免許税とは、そもそも課税の仕組みが異なるものであり、それぞれの規定ぶりも異にするものである。
 また、措置法は特例的な制度であることからすれば、その解釈適用に際しては、むやみに類推解釈や拡大解釈をすべきものではない。

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平成14年12月19日裁決

旧養老保険契約から新養老保険契約への転換がその後取り消されても、転換に伴って発生した収益を転換時に遡って修正するのではなく、取り消されたときの事業年度の損金として処理するとした事例

裁決事例集 第64集 301頁

要旨

 請求人は、税務上の課税関係が発生しないとの認識で、旧養老保険契約から新養老保険契約への転換を行ったものであり、税務上の課税関係が発生することが判明した後、本件契約転換を取り消したことにより、旧養老保険契約が復元されて新養老保険契約は本件転換時に遡って取り消され、本件転換時には収益及び費用は発生していないと主張する。
 しかしながら、法人の各事業年度の収益の額及び費用、損失の額は、法人税法第22条第4項において一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されると規定されており、この場合の各事業年度の収益又は費用、損失については、その発生原因が何であるかを問わず、当該事業年度中に生じたものはすべて当該事業年度に属する損益として認識することになる。
 したがって、既往の事業年度において収益に計上された取引が当該事業年度において契約解除等により取り消されたとしても、収益に計上された事業年度に遡ってその収益を取り消すという修正処理をするのではなく、当該事業年度の損失として処理するというのが一般的な会計処理であり、これを本件についてみると、本件契約転換は本件事業年度において行われ、本件事業年度末までに取り消された事実はないことから、本件契約転換によって発生した収益及び費用、損失の額は本件事業年度の益金及び損金の額に算入されることになる。

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平成14年12月19日裁決

更正の理由書に簿外収入の年月日の記載が欠けていても、それだけでは理由附記に不備があるとはいえず、また、請求人の経理担当者が行った仮装行為は請求人の行為と同一視でき重加算税の賦課は適法であるとした事例

裁決事例集 第64集 367頁

要旨

 請求人が、コンビニエンスストアの開店に際し、受け取った開店祝い金及び支出した開店祝賀会費用を簿外としていたとしてなされた本件更正に係る更正通知書の理由付記につき、請求人は、更正の根拠となった大学ノートに記載された入金年月日が摘示されておらず、理由附記に不備があるため、更正処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、法人税法第130条第2項において、更正通知書に更正の理由を附記しなければならない旨が規定されているのは、青色申告制度の趣旨にかんがみ、原処分庁の判断の慎重、合理性を担保して、その恣意性を抑制するとともに、更正の理由を相手方に知らせて不服申立ての便宜を与える趣旨によるところ、本件通知書には、更正の原因となる事実を示す資料として大学ノートが、また、別紙において入金先及び入金額が摘示されおり、この趣旨を充足していると認められるため、入金年月日が摘示されていないことをもって、理由附記に不備があるということはできない。
 請求人は、活魚運搬車の水槽載替え(以下「本件取引」という。)に係る費用につき、本件取引の発注先(以下「本件取引先」という。)から収受した平成13年6月30日付の請求書(以下「本件請求書」という。)に基づいて平成13年6月期の修繕費としたものであって、請求人の経理担当者Lが、費用を繰上計上するため、本件取引先に依頼して本件請求書を発行してもらったとの事実はないから、重加算税を賦課した原処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、本件取引先に対する調査によれば、Lが、活魚運搬車の引渡しを受けていないにもかかわらず、本件取引先に対して前倒しでの本件請求書の作成を依頼していた事実が認められ、そして、納税者の申告行為に重要な関係を有する部門(経理部門等)に所属し、相当な権限を有する地位にある者の隠ぺい又は仮装の行為は、特段の事情がない限り、納税者本人の行為と同視すべきところ、Lは請求人の経理担当責任者であり、請求人の確定申告書には経理担当者として同人の記名押印がされており、Lは請求人の申告行為に重要な関係を有する部門に所属し、相当な地位に就いていると認められるから、同人が行った行為は請求人の行為と同視すべきである。したがって、重加算税の賦課決定処分は適法である。

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平成14年12月19日裁決

虚偽の仲介契約書を作成し、取引先の関係者に対する受注謝礼金を販売手数料に仮装していたと認定し、重加算税の賦課は適法であるとした事例

裁決事例集 第64集 102頁

要旨

 請求人は、本件送金額につき、正当な取引価額に上乗せして本件取引先から支払を受けた預り金を返金したものであり、それを売上及び販売手数料にしたとしても課税標準額に影響せず、また、本件仲介契約書は、不慣れな担当者が社内説明のために作成したもので、脱税の目的のために作成されたものではないから、本件金員に係る重加算税の賦課(原処分)は違法である旨主張する。
 しかしながら、本件取引に係る売買契約書、当時の取引担当者の答述等によると、請求人は、本件送金額について、本件取引の仲介の対価でなく、本件取引先の関係人個人に対して支払われる謝礼金であるとの認識を持ちながら、虚偽の仲介契約書を作成することにより、あたかも販売手数料を支出したかのように装って損金経理し、その結果、確定申告において交際費課税を免れたものと認められ、請求人のこれらの行為は、隠ぺい又は仮装の事実に基づいて納税申告書を提出していたときに該当するため、原処分は適法である。

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