裁決事例 平成16年3月31日裁決

裁決事例 平成16年3月31日裁決

原文を表示
平成16年3月31日裁決

居住の用に供していた建物が法人の所有である場合には、その敷地の譲渡について居住用財産を譲渡した場合の課税の特例の適用はないとした事例

裁決事例集 第67集 421頁

要旨

 居住の用に供している家屋とその敷地の所有者が異なっている場合においては、居住用財産を譲渡した場合の課税の特例の解釈上、その適用範囲を、その両所有者が親子又は夫婦等の親族関係にあり、かつ、所得税の計算上同一の共同体にあって、その所有形態が同一人の所有形態と同視し得る場合までは許されるとして居住用財産を譲渡した場合の課税の特例に関する租税特別措置法関係通達が定められたものと解されるところ、当審判所においても、その定めは合理的であって相当なものと認められる。
 本件譲渡において、本件建物の所有者はA社であって、その敷地である本件土地の所有者である請求人とは、親族関係を有するものでないことはもとより、別人格の法人であるから、そもそも租税特別措置法関係通達の定めには該当しない。したがって、A社が所有する本件建物とともにその敷地の用に供されている請求人所有の本件土地が譲渡されていても、本件譲渡所得には、居住用財産を譲渡した場合の課税の特例を適用することはできない。

原文を表示
平成16年3月31日裁決

相続により取得した土地は、宗教法人である寺院の尊厳を維持するための土地であるから非課税財産である旨の請求人の主張を排斥した事例

裁決事例集 第67集 491頁

要旨

  1.  相続税法第12条第1項第2号の適用について
     民法第896条は、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると規定するが、同法第897条第1項において、系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継すると規定し、一般の相続財産とは別個に承継されるべきことを規定している。この民法第897条第1項に規定する「系譜、祭具及び墳墓」と相続税法第12条第1項第2号に規定する「墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」とは、その範囲を同じくすると解される。
     これを本件についてみると、本件甲土地はK寺の境内地と同様に管理している山林であり、請求人らの祖先を祭祀するための墓所等の尊厳の維持に要する土地として利用されている事実は認められないから、本件甲土地は同号に規定する非課税財産に該当しない。
  2.  相続税法第12条第1項第3号の適用について
     相続税法第12条第1項第3号は、宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が相続等により取得した財産であることが要件であるところ、請求人らは、本件相続開始日において、請求人らが個人として公益を目的とする事業を行っていた事実は認められないから、本件甲土地は同号に規定する財産に該当するとは認められない。
     租税特別措置法第40条は、所得税法第59条の適用による譲渡所得を、一定の要件(受贈者の公益性、事業性等)を満たした場合に非課税とするものであって、また、相続税法第12条第1項第3号は、相続財産が一定の要件を満たした場合に相続税を非課税とする規定であり、各々非課税とする対象が異なり、また各々に規定する非課税となるための要件も異なるのであるから、租税特別措置法第40条の規定をもって、同号の適用を判断することはできない。

【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】

  • 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
  • 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
  • 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
  • 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
  • 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。