裁決事例 平成19年1月31日裁決
中小企業者について同族会社の留保金課税が不適用となる要件である「自己資本比率(前事業年度終了の時における総資産の額に占める自己資本の額の割合)50%以下」という基準の判定に当たり、貸借対照表に注記された受取手形割引高は、「前事業年度終了の時における総資産の額」の算定上加算することはできないとした事例
裁決事例集 第73集 363頁
要旨
請求人は、手形割引は消費貸借であるから、前事業年度終了の時における受取手形割引高(以下「本件割引高」という。)は資産として認識し、租税特別措置法第68条の2第1項第4号に規定する自己資本比率の計算において、貸借対照表の資産の部の合計額に加算して計算すべきである旨主張する。
しかしながら、租税特別措置法第68条の2第1項第4号及び同法施行令第39条の34の2第8項によれば、自己資本比率の算定上、「前事業年度終了の時における総資産の額」とは、請求人の前事業年度の確定した決算に基づく貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額の合計額とされているところ、本件の手形取引は、手形割引すなわち手形の売買であり、割引された受取手形は請求人からA銀行に所有権が移転しており、請求人の資産を構成するものではなく、本件割引高を資産と認識すべきであるとする請求人の主張には理由がない。また、請求人は本件割引高を貸借対照表の資産の部にも計上していない。
そうすると、本件割引高は資産の部の合計額に加算することはできず、これに基づき自己資本比率を計算すると100分の50を超えることから、本件において、租税特別措置法第68条の2の規定は適用されない。
要旨
請求人は、本件担保申請物件に係る処分禁止の仮処分の登記は所有権の4分の1のみについてされたにすぎず、その余の4分の3に係る価額でも担保価値としては十分であるから、担保として適格である旨主張する。
しかしながら、相続税の延納担保として提供される財産は、その担保に係る相続税額を確実に徴収することができる金銭的価値を有するものでなければならず、かつ、延納許可が取り消された場合に、滞納処分の例により換価することが困難と考えられる事情を有する財産は、延納の担保としては適当でないと解するのが相当である。
これを本件についてみると、本件担保申請物件には処分禁止の仮処分の登記があるところ、仮に、当該仮処分権者が保全すべき登記請求権に係る登記をした場合には、原処分庁のした抵当権の設定登記又は延納が不履行になって公売した場合の買受人の所有権移転の登記は抹消されることになることから、抵当権も所有権も権利の実現が不確実で不安定な状態にあると認められる。
したがって、たとえ数額上担保価値の算出が可能であり、当該仮処分の登記が所有権の一部のみについてされていたものであったとしても、本件担保申請物件は、事実上極めて換価が困難な財産といわざるを得ないから、担保物件として不適当なものである。
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。