裁決事例 平成19年2月14日裁決
いわゆる個別対応方式により課税仕入れに係る消費税額を計算する場合における「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」、「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」及び「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」の区分は個々の課税仕入れについて行う必要があるとした事例
裁決事例集 第73集 536頁
要旨
請求人が、本件不動産を信託財産とする信託受益権を取得し、本件不動産の取得に係る本件付随費用の消費税額について、個別対応方式により仕入控除税額を計算するに当たり、本件付随費用の総額を、本件不動産を構成する本件個々の資産の取得価額の比で本件個々の資産に配賦し、本件個々の資産の取得目的に応じ「課税対応」及び「共通対応」に区分したところ、原処分庁は、本件付随費用はいずれも「共通対応」に区分すべきであるとして消費税等の更正処分を行った。
これに対し、請求人は、消費税の課税対象となる一の取引金額の内訳又は複数の取引金額の合計の内訳について、個別対応方式における対応区分が明らかにされていれば、その明らかとなっている区分に応じて対応関係を判定すべきであり、本件付随費用は本件個々の資産にそれぞれの取得価額の比で配賦されているから、個別対応方式における区分は明らかである旨主張する。
しかしながら、課税仕入れとは、「事業者が、事業として他の者から資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けること」のそれぞれの取引を指すことから、消費税法第30条第2項第1号に規定する「課税仕入れにつきその区分が明らかにされている場合」とは、課税仕入れである個々の取引についての対応区分が明らかにされている必要があるものと解される。
そうすると、請求人は、本件付随費用について、その総額を一つの単位とし、各付随費用の合計額を本件個々の資産の取得価額により按分した結果をもって「課税対応」及び「共通対応」に係る課税仕入れの額として集計したに過ぎず、個々の課税仕入れにつきその区分を判定していないことは明らかであるから、請求人の主張は採用できない。
雑所得の基因となった金融商品を外貨で取得するに当たり支出した金額のうち、通貨交換の際に適用された電信売相場と電信売買相場の仲値との差額に相当する部分の金額は、雑所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないとした事例
裁決事例集 第73集 216頁
要旨
請求人は、本件差額相当額は、円をドルに交換するために銀行に支払った手数料であり、商品Dを取得するために必要な費用であるから、本件利息収入を得るための必要経費に算入されるべきである旨主張する。
しかしながら、所得税法第37条第1項に規定する必要経費とは、売上原価等の直接の費用はもとより、販売費や一般管理費等の間接の費用もこれに含まれるが、それはあくまでも費用に限定されるのであって、費用に当たらない支出は、必要経費に含まれない趣旨と解すべきであるところ、本件差額相当額は、商品Dを取得する際の投資金額の一部分であって、当該投資金額は満期時に返金される金員であるから、同相当額は商品D取得時に費消されておらず、それを費用ということはできない。
また、通貨交換を行う金融機関にとっては、本件差額相当額が手数料としての性格を有するものであるとしても、顧客が円をドルに交換する際には、あくまでも電信売相場が適用されるのであって、電信売買相場の仲値が適用されるのではないから、同相当額の部分のみをとらえて手数料に当たるというのは相当ではない。
したがって、本件差額相当額は、本件利息収入に係る雑所得の必要経費には当たらない。
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