裁決事例 平成19年10月3日裁決

裁決事例 平成19年10月3日裁決

原文を表示
平成19年10月3日裁決

審査請求人が架空仕入れ等を計上して支出した現金について、審査請求人の代表者に支給した臨時の給与であり、役員賞与に該当すると認定した事例

裁決事例集 第74集 111頁

要旨

 請求人は、零細企業で、賞与を支給できる財務内容ではなく、請求人の代表者(以下「本件代表者」という。)が自由に費消できる資金などは全くないこと、また、請求人には本件代表者に対して賞与を支給する意思はなく、同人も賞与を受けた認識はないことから、請求人が仕入れ等のために振り出した小切手を本件代表者が現金化し、同人が所持していた現金(以下「本件各現金」という。)を本件代表者への賞与とする納税告知処分は取り消されるべきである旨主張する。
 しかしながら、①本件代表者は、請求人の事業経営及び経理の実権を有する唯一の者であると認められること、②請求人は、青色申告法人であり、取引に関係する帳簿の記録及び資料の保存が必要であるところ、本件各現金の使途を明らかにする帳簿の記録や資料等の保存が一切なく、当該小切手を現金化した後の本件各現金の使途が不明であること、及び③本件代表者が、当該小切手を現金化した後に本件各現金に相当する金員を会社のために支出した事実が認められないことからすれば、本件各現金は、本件代表者が取得したとみるほかなく、請求人から本件代表者に対して支給された臨時的な給与、すなわち役員賞与に当たるものと認められる。したがって、本件各現金を本件代表者に対する賞与とした原処分は適法である。

原文を表示
平成19年10月3日裁決

税務調査において消費税法第30条第7項に規定する課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等の提示がされなかったとして仕入税額控除の適用が認められないとした事例

裁決事例集 第74集 450頁

要旨

 請求人は、帳簿を保存していたのに、調査担当者が第三者の立会い排除要求に請求人が応じないことを理由に帳簿を確認せず仕入税額控除を否認したのは違法である旨主張する。
 しかしながら、消費税法第58条は事業者に課税仕入れ等に関する帳簿等の保存を義務付け、同法第62条は税務職員にこれらの帳簿等を検査することを認めている。このように課税仕入れ等に係る帳簿等が税務職員による検査の対象となることを前提に、同法第30条第7項は、事業者が課税仕入れ額に係る帳簿等の保存をしている場合において、税務職員がこれらの帳簿等を検査することができるときに限り、同条第1項の仕入税額控除を適用できる旨明らかにしたものである。
 この趣旨からすれば、事業者が仕入税額控除の適用を受けるには、法が定める帳簿等を整理し、これらを所定の期間及び場所において、税務職員による検査に当たり適時に提示することが可能なように態勢を整えて保存することを要し、事業者がこれを行っていなかった場合には、仕入税額控除は適用されないというべきである。
 これを本件についてみると、調査担当者は再三にわたって、帳簿等の提示がない場合には仕入税額控除の適用が認められない旨の説明をした上で、第三者を退席させた上で帳簿等を提示することを求めていたところ、これらの提示要求に違法な点は認められない。そして、請求人が専ら立会いなしでは調査に応じられないという理由で帳簿等の提示を拒んでいたことに照らすと、請求人は、帳簿等の提示要求に応じ難いとする格別な理由がなかったにもかかわらず提示しなかったというべきである。
 これらから判断すると、本件は同法第30条第7項に規定する「事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿又は請求書等を保存しない場合」に当たり、原処分庁が同条第1項の規定を適用せず仕入税額控除を否認した更正処分は適法である。

【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】

  • 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
  • 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
  • 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
  • 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
  • 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。