裁決事例 平成20年4月1日裁決

裁決事例 平成20年4月1日裁決

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平成20年4月1日裁決

相続税の連帯納付義務についての督促処分前に行われた当該相続税を担保するための抵当権の抹消に当たり、その判断に誤りがあるとしても、当該督促処分が権利の濫用に当たるとはいえず、民法第504条の類推適用又は国税通則法第41条第2項の規定により連帯納付義務が免責されることもないとした事例

裁決事例集 第75集 633頁

要旨

 請求人は、本件相続税の延納担保であった本件担保不動産の売却代金から本件相続税を徴収することができたはずであるにもかかわらず、差替担保の設定や本件相続税の徴収をすることなく本件担保不動産に設定されていた本件抵当権を解約したことに重大な過失があるから、原処分庁が行った本件相続税の連帯納付義務についての本件督促処分は権利の濫用に当たると主張する。
  しかしながら、相続税の本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続が、本来的に別個独立の手続であることからすれば、国税当局が本来の納税義務者に対する徴収手続を適正に行わなかった結果、本来の納税義務者から徴収することができなくなったという事実があったとしても、その事実は相続税の連帯納付義務の存否又はその範囲に影響を及ぼすものではないから、国税当局が他の相続人等に対し連帯納付義務の履行を求めて徴収手続を進めたとしても、これをもって徴収権の濫用と評価することはできない。もっとも、相続税の連帯納付義務は、法が相続税の徴収を確保するために、相続人等に課した特別の責任であることからすれば、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から滞納に係る相続税を徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が本来の納税義務者又は第三者の利益を図る目的をもって恣意的に本来の納税義務者からの徴収を行わず、相続税法第34条第1項の規定に基づき、他の相続人等に対して滞納処分を執行したというような場合には、他の相続人等に連帯納付義務の履行を求めることが形式的には租税法規に適合するものであっても、正義公平の観点からみて徴収権の濫用に当たると評価すべき場合もあり得ると解される。
  本件においては、本件相続税の滞納者又は第三者の利益を図る目的をもって、差替担保の提供を受けず、必要額の支払も受けずに、恣意的に抵当権の抹消手続を行ったと評価すべき事実は認められないから、仮に抵当権の抹消の際の判断に誤りがあり、請求人が主張するとおりの事実によって本件相続税の徴収が図られなくなったとしても、そのことをもって本件督促処分が権利の濫用に当たるものということはできない。
  請求人は、民法第504条の類推適用又は国税通則法第41条第2項の適用により、連帯納付義務が免責される旨主張するが、相続税法、国税通則法及び国税徴収法のいずれにも民法第504条の準用又は類推適用による相続税の連帯納付義務の消滅を根拠付ける趣旨は見当たらず、連帯納付義務者はその徴収手続において本来の納税義務者と別個独立した関係にある点からも、同条を連帯納付義務者に類推適用することは相当でなく、また、国税通則法第41条第2項は、納税者に代わって国税を納付した者はその取得した求償債権の限度で納付した国税の担保たる抵当権につき国に代位することができる旨を規定するだけで、国に対して抵当権の保存を義務付けるものと解することはできないから、請求人の主張には理由がない。

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平成20年4月1日裁決

輸出予定先の事情により売買契約書どおりの船積みができなかった本件取引は、国内において引渡しが行われていたことから輸出免税は適用できないとした事例

裁決事例集 第75集 693頁

要旨

 請求人は、本件機械はいまだ国内に存しているものの輸出される予定であり、契約にある本件機械の指定港までの輸送、その輸出手続及び船積みが履行されていないことから、本件取引は、今現在(審判所調査時点)輸出途上にあるものであり、消費税法第7条第1項第1号に規定する輸出取引に該当する旨主張する。
  しかしながら、請求人において、R社との契約にある指定港までの輸送、輸出手続及びR社が手配した船舶への船積みが、輸出先予定のK国の事情によりできなかったとしても、①本件機械は製造が完了し、販売先であるR社の検収も了していること、②請求人はR社が検収した本件機械の一時保管を依頼され、保管料を受領して日本国内の倉庫に保管していること、③請求人とR社との間で交わされた交渉記録には引渡が行われた旨記載されていること、④請求人は本件機械の対価を事業年度末において売上げに計上していることから、本件取引は、国内において行われた課税資産の譲渡等に該当する。また、消費税法第7条第1項第1号に規定する「本邦から輸出として行われる資産の譲渡」とは、資産の譲渡取引のうち、当該資産を外国に仕向けられた船舶又は航空機に積み込むことによって当該資産の引渡しが行われるものをいうのであるから、本件取引はこの輸出取引に該当せず、輸出免税の適用はないため、請求人の主張には理由がない。

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