裁決事例 平成21年6月22日裁決

裁決事例 平成21年6月22日裁決

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平成21年6月22日裁決

国外向けに出航する船舶の外国人乗組員に対する中古車販売は、輸出の許可を受ける前に引渡しが完了していることなどから、輸出免税が適用される外国貨物の譲渡に該当しないとした事例

裁決事例集 第77集 508頁

要旨

 請求人は、国外に向け出港する船舶の外国人乗組員(以下「本件各購入者」という。)に販売した中古自動車等を、本船船側に移動することによって引渡し、消費税法基本通達9-1-2の定めに従って、継続的にこの引渡しの日を譲渡の日とする経理処理を行っており、この引渡しの時点では、当該中古自動車等は輸出の許可を受けた外国貨物であるから、その販売は、外国貨物の譲渡に該当し輸出免税の対象となる旨主張する。
 しかしながら、当該中古自動車等に係る取引は、請求人の中古自動車の展示場において売買価格を合意したことにより売買契約が成立し、本件各購入者が、代金の支払をしてそのフロントガラスにサインをしたときに引渡しが完了していると認められ、また、輸出の許可は、その後、本件各購入者が、当該中古自動車等を自己の携帯品等として旅具通関の手続により受けたものであり、単に請求人がそれを本船船側に移動した日を譲渡の日とすることは合理的とは認められないことから、当該中古自動車等の販売を外国貨物の譲渡ということはできない。

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平成21年6月22日裁決

国税徴収法第38条にいう「譲受財産」とは、積極財産のみをいい、消極財産を含まないと解するのが相当であるとした事例

裁決事例集 第77集 582頁

要旨

 請求人は、事業譲渡に係る財産には資産及び負債の双方が含まれることが前提であるから、国税徴収法第38条にいう「譲受財産」には、積極財産のみならず消極財産を含む旨主張するとともに、仮に、同主張が認められないとしても、請求人が本件滞納者から譲り受けた財産のうち、本件告知処分の日現在で実質的に残存している財産の額を限度として第二次納税義務を負うに過ぎないと主張する。
 しかしながら、国税徴収法第38条の趣旨は、事業の譲渡が行われるときは、通常、その事業用資産だけでなく、その事業に係る債務も譲受人に移転されるので、譲渡人の債権者が当該事業譲渡によって不利益を受けることはないが、租税債務については私人間の合意によって譲受人に移転させることができないので、譲渡人が納付すべき国税を譲受人から強制的に徴収することができず、また、事業の譲渡に伴ってそれまで滞納処分の引き当てとなっていた財産が譲受人に移転することによって、仮に譲受人から譲渡人に対して相応の対価が支払われたとしても滞納処分が困難となる結果、国税の確保に支障が生じることとなる一方、事業の譲渡に際しては、通常、譲受人から譲渡人に対して相応の対価が支払われるので、譲受人に対して譲渡人の国税についての第二次納税義務を負わせることが酷に過ぎることも考慮し、事業の譲受人が譲渡人の特殊関係者である場合に限って、譲受人に譲渡された財産を限度として、譲受人に対して譲渡人の国税についての納税義務を二次的に負わせることにより、国税の確保を図ることとしたものと解される。すなわち、同条は、事業の譲渡に伴い、譲渡人の国税の引き当てとなっていた財産が譲受人に譲渡されたことによって、国税の確保に支障が生じることから、譲受人が譲渡人の特殊関係者である場合に限り、その譲受人に対し、譲渡人の国税の引き当てとなっていた譲受財産を限度として、二次的に譲渡人の国税についての納税義務を負わせることとしたものと解されるのであるから、同条にいう「譲受財産」は、滞納処分の対象となっていた積極財産をいい、消極財産を含まないと解するのが相当である。
 また、国税徴収法第38条が第二次納税義務の責任の範囲として「譲受財産を限度」とする旨規定しているところ、同条は「譲受財産」という財産自体を限度としているのであって、財産の価額を限度とする規定ではなく、また、同条にいう「譲受財産」には、その財産の異動により取得した財産及びこれらの財産に基因して取得した財産が含まれ、さらに、同条は、第二次納税義務の限度を同法第39条のような「現に存する限度」としていないのであるから、同法第38条の規定による第二次納税義務の限度を「譲受財産」のうち第二次納税義務の納付告知処分時点において残存しているもののみを限度とするものと解することはできない。

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