裁決事例 平成21年11月6日裁決

裁決事例 平成21年11月6日裁決

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平成21年11月6日裁決

請求人が構成員となっているLLCから受ける配当に係る収入金額は、請求人に配分されたインセンティブ配分額の全額であるとした事例

裁決事例集 第78集 95頁

要旨

 LLCの構成員である請求人は、オフショア投資ファンドから当該LLCに対して配分されたインセンティブ再配賦額につき請求人に配分されたインセンティブ配分額は当該LLCの内部計算にすぎず、配当支払請求権として独立した債権として成立するものではないから、当該インセンティブ配分額のうち現実に払戻しを受けた金額のみが請求人の配当所得の収入金額となる旨主張する。
 しかしながら、①請求人はその年分に配賦を受けるインセンティブ配分額の見込額等につき毎年当該LLCの担当者から連絡を受けること、②通知されたインセンティブ配分額については、たとえ投資ファンドの成績が悪化したとしても返還する義務はないこと、③請求人は通知を受けたインセンティブ配分額について確定額の範囲内であれば払戻金額を自由に設定することができ、申し出る金額に上限はないこと、④請求人が払戻しを要求した額について送金に応じられなかったことはないことなどの事実が認められ、これらを併せかんがみれば、請求人には、当該インセンティブ配分額の全額について払戻しを受ける権利が生じたというべきである。

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平成21年11月6日裁決

請求人が監査役に対して支出したとする役員報酬は、取締役に対する報酬を監査役に対する報酬と仮装して経理したと認められることから、損金算入は認められないとした事例

裁決事例集 第78集 349頁

要旨

 請求人は、その監査役である代表者の父及び義姉に対する役員報酬について、両監査役が監査役として就任し登記されている以上、報酬の支給が行われて当然であり、両監査役は、商法上の責任の対価としても報酬を受給する権利があるから、当該報酬の額は損金の額に算入されるべきであり、また、当該報酬を代表者の妻である常務が費消していたのは、当該報酬の額の一部を常務を通じて実際に両監査役に対して支給し、その残額を両監査役から代表者が借り受けていたものである旨主張する。
 しかしながら、監査役に対する報酬として請求人が支出した金員の全額について、常務は、現金で直接受領し、自己の預貯金口座に入金するなどして管理し、自らの支払に費消していたこと、本件金員は常務の意思により管理し自由に費消可能な状態にあったこと、代表者と両監査役との間に本件金員に関する金銭消費貸借の事実も認められず、両監査役が実際に監査業務に従事しておらず、常務が監査業務を行っていることなどの諸事情を併せ考慮すれば、本件金員が、常務に対して支給されたものであり、請求人から常務に対する報酬と認めるのが相当であり、また、本件金員を請求人が両監査役に対して支給したとしていたことは、常務に対する報酬を監査役に対する報酬に仮装して経理していたと認められる。

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平成21年11月6日裁決

請求人について、売上げの減少や経費の増加の程度が著しいとは言い難く、利益については赤字の状態に陥ったとは認められないから、国税通則法第46条第2項第5号に規定する同項第4号に類する事実(事業についての著しい損失に類する事実)があったとは認められないとした事例

裁決事例集 第78集 30頁

要旨

 請求人は、①国税庁が定める納税の猶予等の取扱要領(以下「猶予取扱要領」という。)第2章第1節1の(3)のヘの(ハ)では、「納税者に事業上の著しい損失に類する事実があったこと」とは、「従前に比べ売上げの減少等の影響を受けたこと」と定めているから、比較の対象は調査日前1年間(調査期間)の直前の1年間(基準期間)より広いことは明らかであり、売上げの減少等の程度が著しいことまでを要件とするものではないところ、②平成19年分と平成13年分を比較すると、売上金額及び粗利益金額が明らかに減少した事実があるので、国税通則法第46条第2項第5号に規定する同項第4号に類する事実(以下「5号該当(4号類似)事実」といい、第4号で規定する事実を「4号該当事実」という。)がある旨主張する。
 しかしながら、猶予取扱要領にいう「従前」とは、4号該当事実の原則的な判定方法と例外的な判定方法の基礎となる期間を示していると解するのが相当であり、5号該当(4号類似)事実とは、自己の責に帰すことができないやむを得ない事由による著しい売上げの減少や著しい経費の増加をいい、利益の現象による5号該当(4号類似)事実があるというためには、著しい赤字の状態が生じたとまではいえないが、それに近い赤字の状態が生じていることが必要であると解されるところ、本件調査期間と本件基準期間を比較すると、売上げの減少や経費の増加の程度が著しいとは言い難く、利益については赤字の状態に陥ったとは認められないから、請求人には、5号該当(4号類似)事実があるとは認められない。

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