裁決事例 平成22年1月7日裁決
免税事業者が控除不足額の記載をして提出した還付申告書は、国税通則法第24条に規定する納税申告書に該当し、かつ、課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったときに該当するものであるから、仕入れに係る消費税額の控除不足額がないものとしてされた更正処分は適法であるとした事例
裁決事例集 第79集
要旨
請求人は、課税事業者選択届出特例承認申請の却下通知処分が取り消されないのであれば、請求人は免税事業者であることになるから、申告そのものが認められないはずであり、本件更正処分がされること自体が誤りである旨主張する。
しかしながら、国税通則法第24条は、納税申告書(還付金の還付を受けるための申告書を含む。以下同じ。)の提出があった場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったときは、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する旨規定している。
そして、免税事業者については、消費税法第30条第1項及び同法第52条第1項の規定の適用はなく、課税仕入れに係る消費税額を控除することはできないから、当該申告書に仕入れに係る消費税額の控除不足額の記載があっても、当該不足額に相当する消費税額の還付を受けることはできないところ、請求人が提出した本件還付申告書は、国税通則法第24条に規定する納税申告書に該当し、かつ、課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったときに該当するものであるから、仕入れに係る消費税額の控除不足額がないものとしてされた本件更正処分は適法である。
参照条文等
国税通則法第38条第1項各号に掲げる繰上請求事由があるときは、納税の猶予申請に係る国税がその猶予期間内に完納されることが確実であるとか、当該国税の徴収確保の上で全く支障がないなどの特段の事情がない限り、納税の猶予は認められないとした事例
裁決事例集 第79集
要旨
納税の猶予申請時点において、既に納税の猶予取消事由がある場合には、猶予に係る国税の確実な徴収ができなくなるおそれがあるのであるから、その猶予期間内に猶予に係る国税が完納されることが確実であるとか、徴収確保の上で全く支障がないなどの特段の事情がない限り、納税の猶予は認められないと解するのが相当であるところ、本件の納税の猶予申請時において、請求人には、国税通則法第49条第1項が規定する納税の猶予の取消事由としての同法第38条第1項第6号に該当する事実があり、上記の特段の事情は認められないから、本件の納税の猶予申請は認められないというべきである。
参照条文等
要旨
請求人は、請求人が業務及び管理を委託したD社の取締役であるEが行った車両売却による横領行為をその事実を了知していない請求人の行為と同視することはできない旨主張する。
しかしながら、Eは、請求人の代表取締役であるXと遠縁に当たり、D社の株主の中においては、Xに準ずる株式数を有し、D社の取締役として新車購入の見積りや車両売却処理などを含め車両に関する業務に従事していたことからすると、D社と密接な関係にあり、業務の運営上、D社において重要な地位・権限を有し、重要な役割を果たしていたものと認められる。
また、請求人は、その業務の大部分をD社に委託し、それにより経済活動を行っていたと認められるところ、Xは、売却される車両の車種や売却額などの内容を把握せずにEに処理を任せていた。
また、当該車両売却処理のほかには原始資料なしに起票するような経理処理は一切行われていない中で、D社の経理担当者らの間で同経理処理について疑問や注意が提起され、話題に上がっていたのであるから、D社の代表取締役であり請求人の代表取締役でもあるXにおいて、直接、Eや売却の相手方に具体的な売却額を聞き、確認を取れば容易に横領行為が発覚するものであり、請求人においてEが隠ぺい仮装行為を行ったことを容易に認識することができ、申告期限までにその是正や過少申告防止の措置を講ずることができたにもかかわらず、かかる横領行為を防止するための措置を講じた事実も認められない。
以上の各事実に照らし合わせると、Eによる隠ぺい行為は、D社の行為と同視できることはもちろん、業務の大部分をD社が行うことで経済活動を行っていた請求人の行為とも同視できるものと認めるのが相当である。
参照条文等
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