裁決事例 平成23年3月8日裁決

裁決事例 平成23年3月8日裁決

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平成23年3月8日裁決

外注費として支出した工事代金等につき対価性がなく寄附金に該当するとした原処分の一部を取り消した事例

裁決事例集 第82集

ポイント

 一般に、会計帳簿は業務上の金員の動きがそのまま記載されるものであるから、特段の事情のない限り、会計帳簿に記載されたとおりの事実を認めることができるところ、原処分庁が会計帳簿に記載された事実(費用)について対価性がないと認定する場合には、原処分庁がその立証責任を負うことになる。
 この事例では、請求人が会計帳簿に記載された事実と異なる事実を主張したことから、請求人において、かかる事実の存在や異なる事実を会計帳簿に記載することとなった事情などの特段の事情を立証する必要があるとしたものである。

要旨

《裁決の要旨》
 請求人は、各事業年度に追加の外注費として支出し損金の額に算入した金員(本件支出金)は、①過去に施工された工事に係る追加の支払を現場名を付け替えて支出したもの、及び②実際の工事対価の支払として支出したものであり、対価性があることから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張し、一方、原処分庁は、本件支出金にはいずれも対価性がなく寄附金に当たる旨主張する。
 上記①に係る本件支出金については、請求人の会計帳簿等に記載された現場と関係がない上、請求人が主張する追加支払に合理的理由や支払うべき特段の事情があったとはいえず、対価性のない支出であると認められることから寄附金に該当する。一方、②に係る本件支出金については、実際に工事が行われており、当該工事に係る対価であると認められることから寄附金に該当しない。

参照条文等

法人税法第37条第7項

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平成23年3月8日裁決

稲作の休作期間中に売却を目的として整地工事をした土地の譲渡は、事業の用に供していた資産の譲渡として、「資産の譲渡等」に該当するものとした事例

裁決事例集 第82集

ポイント

 資産の譲渡等には、事業活動の一環として又はこれに関連して行われる資産の譲渡を含み、事業の用に供している土地等の譲渡は、事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡に該当するものと解される。
 この事例は、秋の収穫後の冬季の休作期間に売却を目的として整地工事をした稲作農地であった土地につき、売却時点において、事業の用に供する資産に当たるか否かが争われたものである。

要旨

 請求人は、稲作農地であった本件土地は、宅地に整地した時点で稲作ができなくなり、その時点で家庭用資産になったのであるから、本件土地の譲渡は「資産の譲渡等」に当たらない旨主張する。
 しかしながら、本件土地は稲作農地として請求人の事業の用に供されていた土地であって、例年どおり冬季の休作状態にあった時期に、本件土地の売却の話があり、それを受けて宅地に整地するための工事が行われたことからすれば、当該工事は、請求人の事業用資産である本件土地の売却を目的として行われたものにすぎず、事業用資産としての性格を失わせる事情にはならない。また、他に本件土地の事業用資産としての性格を失わせる事情は認められないことを併せて考えると、本件土地は、売却時点において、請求人が営む事業の用に供していた資産であったと認めるのが相当であり、本件土地の譲渡は、請求人の事業活動に関連して行われる資産の譲渡であって、「資産の譲渡等」に該当するものと認められる。

参照条文等

消費税法第2条第1項第8号 消費税法施行令第2条第3項

参考判決・裁決

富山地裁平成15年5月21日判決(税資253号9349)

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