裁決事例 平成23年12月6日裁決

裁決事例 平成23年12月6日裁決

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平成23年12月6日裁決

「相続させる」旨の遺言の法的効果を前提として、未分割財産が分割されたことを事由とする相続税法第32条第1号の規定に基づく更正の請求は、その前提要件を欠くとした事例

裁決事例集 第85集

ポイント

 この事例は、遺産の全部を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言があった場合には、被相続人の死亡の時に直ちに遺産全部について分割の効果が発生し、当該遺産について再度の分割がなされる余地はないから、相続税法第32条第1号の規定の適用の前提を欠くと判断したものである。

要旨

 請求人らは、本件遺言は相続分の指定をしたものにすぎず、当初申告における課税価格は、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定に基づき本件遺言による指定相続分に従って計算したものであるから、請求人らを被告とする遺留分減殺請求訴訟において成立した本件和解により遺産分割が確定したとして、同法第32条《更正の請求の特則》第1号に規定する事由が生じた旨主張する。
 しかしながら、遺産全部を一部の相続人に「相続させる」旨の遺言は、遺言書の記載からその趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情がない限り、遺産の分割の方法を定めた遺言であり、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に直ちに遺産全部について分割の効果が発生し、もはや当該遺産について再度の分割がなされる余地はなく、また、当該相続人に法定相続分を超える遺産を相続させることになるから、遺産分割方法の指定と同時に相続分の指定がなされたものと解すべきであるところ、本件遺言では、不動産8件を個別に掲記した上で、それらを含む一切の財産を「請求人らに各2分の1の割合で相続させる」旨記載されていること、他の相続人らには財産を相続させない旨の被相続人の意思が明確に表示されていることからして、本件遺言は、遺産分割方法の指定と同時に相続分の指定をしたものと解すべきであり、そうすると、本件被相続人の死亡の時に遺産全部について直ちに分割の効果が発生し、当該遺産について再度の分割がなされる余地はない。
 したがって、相続税の申告書の提出時に本件被相続人の遺産の中に未分割のものはなく、相続税の課税価格が相続税法第55条の規定により計算されたものと認めるべき余地はないから、本件和解が、同条の適用があった場合に係る同法第32条第1号に規定する事由に該当しないことは明らかである。

参照条文等

相続税法第32条第1号第55条 民法第908条

参考判決・裁決

最高裁平成3年4月19日第二小法廷判決(民集45巻4号477頁)

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平成23年12月6日裁決

建物の一部が収用に伴い取り壊された前後を通じて、評価対象地の利用状況及び権利関係に変化がなかったことから、評価単位は1つとすべきとした事例

裁決事例集 第85集

要旨

 請求人は、本件土地は、その一部が過去の収用により買い取られたことに伴い、建物の一部が取り壊されており、当該収用後に未利用の状態であった空き地部分と建物の敷地として使用貸借していた部分との2つの利用単位からなっているので、それぞれ別の評価単位として評価すべきである旨主張する。
 しかしながら、本件土地は、当該収用以前から1棟の建物の敷地として一体として利用されており、当該収用に伴い建物の一部が取り壊された後も、その利用状況及び権利関係に変化がないことからすれば、財産評価基本通達7-2《評価単位》の定めに基づき1つの評価単位(1画地)として評価すべきである。

参照条文等

相続税法第22条 財産評価基本通達7-2

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平成23年12月6日裁決

戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に公共公益的施設用地の負担は必要ないことから広大地には該当しないとした事例

裁決事例集 第85集

ポイント

 この事例は、評価すべき財産(本件B土地)は、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であるとは認められるものの、請求人が主張する建築基準法第42条第1項第5号に規定する「位置指定道路」の拡幅のための用地提供が、公共公益的施設用地の負担と認められるか否かにつき判断したものである。

要旨

 請求人は、本件B土地において開発行為を行うとした場合に、本件B土地に接面する位置指定道路幅を拡幅する必要があり、当該拡幅のための用地提供は公共公益的施設用地の提供と同じであるので、本件B土地は、財産評価基本通達(評価通達)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。
 しかしながら、広大地通達を定めた趣旨は、開発行為により当該開発区域内に道路や公園等の公共公益的施設用地の開設が必要な場合には、相当規模の潰れ地が生じることになり、評価通達15《奥行価格補正》から20-5《容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価》までに定める減額補正では十分とはいえないので、相当規模の潰れ地が生じることを当該宅地の価額に影響を及ぼすべき客観的な個別事情として減額補正することとしたものであるところ、請求人が主張する位置指定道路に係る拡幅部分の提供は、開発区域内に新たな道路を提供する場合とは異なり、評価通達15から20-5までに定める減額補正では十分とはいえないほどの規模の潰れ地が生じたとは認められず、公共公益的施設用地を負担したものとみることはできない。したがって、本件B土地は、広大地通達に定める広大地には該当しない。

参照条文等

相続税法第22条 財産評価基本通達24-4

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平成23年12月6日裁決

評価対象地は、標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大とは認められないから広大地に該当しないとした事例

裁決事例集 第85集

ポイント

 この事例は、評価対象地(約1,100平方メートル)は国道沿線地域に所在し、その地域の標準的使用は、戸建住宅の敷地ではなく、1,000平方メートル以上の低層店舗等の敷地と認められ、標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大とは認められず、財産評価基本通達24-4に定める広大地に該当しないと判断したものである。

要旨

 請求人は、本件土地を戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に開発道路の設置という公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地が財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。
 しかしながら、本件土地は、その所在する地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であるとは認められない。仮に、本件土地の地積が著しく広大であるとしても、①本件土地を低層店舗等の敷地として区画割する場合に公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められず、また、②本件土地を戸建住宅の敷地として分譲開発したとしても、公共公益的施設用地の負担が必要ではない路地状開発による区画割の方が、開発道路を設置する区画割に比べて経済的に合理的であると認められる。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地には該当しない。

参照条文等

相続税法第22条 財産評価基本通達24-4

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