裁決事例 平成25年11月27日裁決
海外の旅行者向けの訪日旅行のうち当該旅行者が国内において飲食等のサービスを受ける対価に相当する部分の金額は輸出免税の対象とはならないとした事例(平22.6.1~平23.5.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)
裁決事例集 第93集
ポイント
本事例は、争点に関する請求人の主張については排斥したものの、請求人が、当初申告において国内における飲食等のサービスの対価に相当する金額について、課税売上げ及び課税仕入れのどちらにも含めずに納付すべき消費税等の額を計算していたことから、当該金額を課税売上げ及び課税仕入れの双方に含めて再計算した結果、課税売上割合が変動したことに伴い、更正の請求の一部が認められるとしたものである。
要旨
請求人は、請求人が訪日旅行を主催する海外の旅行会社(本件海外旅行会社)に対して提供した当該訪日旅行の国内旅行部分(本件取引)は、旅行の企画、手配等とともに当該訪日旅行に参加した旅行者(本件旅行者)が国内において各種サービス提供機関から飲食、宿泊、輸送等の各種サービスを受けられるという地位を設定する包括的な役務提供であって、本件取引に係る対価の額には、飲食、宿泊、輸送等の役務の提供の対価に相当する金額は含まれていないこと、また、本件海外旅行会社は、国外において当該地位の設定を受け、訪日旅行を販売できるという便益を国外で享受していることから、消費税法施行令第17条《輸出免税取引の範囲》第2項第7号イないしハのいずれにも該当せず、消費税法第7条《輸出免税等》第1項に規定する輸出免税に該当し、原処分は違法である旨主張する。
しかしながら、請求人が本件海外旅行会社から受領する本件取引に係る対価の額には、本件旅行者が各種サービス提供機関から直接便益を享受する飲食、宿泊、輸送等の役務の提供に係る対価に相当する金額が含まれていると認められるところ、本件旅行者が飲食、宿泊、輸送等について国内において直接便益を享受していることは、消費税法施行令第17条第2項第7号ロ又はハに該当し、輸出免税の対象となるものから除かれる役務の提供に該当する。また、本件海外旅行会社が受ける便益に関し、仮に請求人から提供を受ける包括的な役務というものを考えるとしても、請求人が本件旅行者に対し各種サービス提供機関をして各種サービスを提供させるのは、請求人の本件海外旅行会社に対する役務の提供と評価することが適当であり、本件海外旅行会社が国内において直接享受していると評価されることから、本件取引に係る対価の額のうち、請求人が各種サービス提供機関に支払った飲食、宿泊、輸送等の役務の提供に係る対価の額に相当する金額は、輸出免税取引の対価の額に該当しない。
参照条文等
参考判決・裁決
画像診断ワークステーションは租税特別措置法第10条の3に規定する特定機械装置等には該当しないとした事例(平成21年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第93集
ポイント
本事例は、租税特別措置法第10条の3の規定の内容やその制定経緯等からすれば、同条が、器具及び備品について「事務処理の能率化等に資するもの」として財務省令で定めるものとしたのは、中小企業における不特定の事務の用に供し、その事務処理の能率化等に資する電子計算機等について特別償却ないし税額控除の対象とする趣旨であったものと解され、病院、診療所等において直接診療又は治療の用に供する医療用電子機器は、事務処理の能率化等に資するものではないから、画像診断ワークステーションは、同条に規定する特定機械装置等には該当しないと判断したものである。
要旨
請求人は、本件画像診断ワークステーションは、耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」の「医療機器」に含まれるとしても、耐用年数省令は減価償却資産の耐用年数及び償却方法を定めるものであり、資産の属性を定めるものではないから、租税特別措置法施行規則第5条の8《中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除》に規定する要件からすれば、同条に規定する「電子計算機」に該当し、また、租税特別措置法第10条の3《中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除》と同法第12条の2《医療用機器等の特別償却》の両方の規定を満たす資産はありえると解釈することができるところ、同法第10条の3に同法第12条の2の適用資産を除く旨の規定はなく、同法第12条の2に、両方において適用可能な資産がある場合には、同法第12条の2を優先する旨の規定もないことからすれば、本件画像診断ワークステーションについて、同法第10条の3に規定する所得税額の特別控除が適用できる旨主張する。
しかしながら、租税特別措置法第10条の3の規定の内容やその制定経緯等からすれば、同条が、工具、器具及び備品について「事務処理の能率化等に資するもの」として財務省令で定めるものとしたのは、中小企業における不特定の事務の用に供し、その事務処理の能率化等に資する電子計算機等について、特別償却ないし税額控除の対象とする趣旨であったものと解され、病院、診療所等において直接診療又は治療の用に供する医療用電子機器は、事務処理の能率化等に資するものではないから、同条に規定する特定機械装置等には該当しない。したがって、本件画像診断ワークステーションについて、租税特別措置法第10条の3に規定する所得税額の特別控除を適用することはできない。
参照条文等
租税特別措置法第10条の3(平成22年法律第6号による改正前のもの)、第12条の2 租税特別措置法施行規則第5条の8(平成24年財務省令第30号による改正前のもの)
請求人の父が代表取締役を務める同族会社に対し業務委託費として支払った金員は、提供される役務の価値を超えて支払われたものとは評価できないとした事例(平成19年分~平成22年分の所得税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分・一部取消し)
裁決事例集 第93集
要旨
原処分庁は、請求人が請求人の父が代表取締役を務める同族会社に対して支払ったとする委託費(本件委託費)について、①当該同族法人は、業務委託に係る契約金額を請求人又は請求人の妻が意のままに決定することを企図して設立された会社であること、②契約金額について客観的又は合理的な算定根拠が明らかでないこと、③請求人の業務を遂行する上で業務委託を行う必要がなかったことからすれば、委託契約の金額が請求人の主観的な判断あるいは恣意的に決定されているから、本件委託費が支払われていることをもって、直ちに事業所得の金額の計算上必要経費に算入することは認められない旨主張する。
しかしながら、請求人は、業務の一環として委託契約を締結し、本件委託費を支払っていることが認められ、本件委託費は、資料に基づき、契約当事者間の話合いの結果により決定されたものであって、提供される役務の価値を超えて代金が支払われたものとまでの評価ができるものではないというべきであることから、本件委託費は、その全額が事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。
参照条文等
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