裁決事例 平成28年6月3日裁決
開発許可を受けたのは受託者であって、不動産信託の受益者としての権利(受益権)の譲受人でないため、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用はないとした事例(平成25年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第103集
ポイント
本事例は、信託財産に属する資産が土地等である所得税法第13条第1項に規定する受益者等課税信託の信託受益権が譲渡された場合には、当該信託財産に属する資産である土地等が譲渡されたことになるところ、当該土地等の開発許可を受けたのは受託者であって、当該信託受益権の譲受人でないため、優良住宅他の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用はないと判断したものである。
要旨
請求人らは、信託法第16条《信託財産の範囲》第1項及び所得税法第13条《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》第1項の規定からすると、信託財産に関する受託者の行為は受益者の行為と同一人格の行為であるとみなされることから、当該信託の受託者が都市計画法第29条《開発行為の許可》第1項に基づく開発許可を取得すれば、当該許可を受けた地位は、信託受益権が譲渡された場合の受益者である譲受人も有するというべきであり、当該譲受人は、租税特別措置法第31条の2《優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例》第2項第13号(本件特例)の「開発許可を受けて住宅建設の用に供される一団の宅地の造成を行う」法人に該当するなどと主張する。
しかしながら、本件特例は本来課されるべき租税を政策的な見地から特に軽減するものであるから、租税公平主義に照らし、その解釈は条文の文言に即して厳格にされるべきであり、条文の文言を離れてみだりに拡張解釈や類推解釈をすることは許されないことに鑑みれば、本件が対象土地に係る信託受益権(本件受益権)の譲渡であり、本件受益権の譲受人自身が開発許可を取得していない以上は、開発許可を受けた者に対する譲渡との要件を満たさないものとして、本件特例の適用を受けることはできない。
参照条文等
参考判決・裁決
東京地裁平成13年3月29日判決(税資250号順号8869)
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。