裁決事例 平成29年10月4日裁決
請求人は、本件発注者に対して、工事完了年月日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当であるとした事例( 平成26年7月1日から平成27年6月30日までの事業年度の法人税の更正処分、 平成26年7月1日から平成27年6月30日までの事業年度の法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分、 平成26年7月1日から平成27年6月30日までの消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分、 延滞税・ 一部取消し、 棄却、 却下)
裁決事例集 第109集
ポイント
本事例は、本件工事には設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等は含まれておらず、請求人は、本件発注者に対して本件竣工届を提出して、工事完了年月日付で本件工事の請負代金の残額を請求したこと、本件発注者は、請求人に対して本件検査通知書を発行し、同日以降、設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等をしていたことからすると、請求人は、本件発注者に対して、同日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるとしたものである。
要旨
請求人は、改修工事(本件工事)を請け負い、主要な工事を終えて発注者(本件発注者)に対し、竣工日を平成27年3月27日とする竣工届(本件竣工届)を提出し、本件発注者から工事完了年月日を同月31日とする工事検査通知書(本件検査通知書)を受領しているが、本件工事には、次期工事が開始されるまでの間、本件工事の完了箇所及び次期工事予定区域を囲うためにバリケードを設置して現場管理することが含まれ、それらを同年9月まで継続して行っていたのであり、本件工事は同年3月31日までに完了していなかったから、本件工事の請負代金の額は、同日を含む事業年度(本件事業年度)の益金の額に算入されない旨主張する。
しかしながら、本件工事には設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等は含まれておらず、請求人は、本件発注者に対して本件竣工届を提出して、同月31日付で本件工事の請負代金の残額を請求したこと、本件発注者は、請求人に対して本件検査通知書を発行し、同日以降、設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等をしていたことからすると、請求人は、本件発注者に対して、同日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当である。ただし、本件事業年度の益金の額に算入される本件工事の請負代金の額には、請求人が設置したバリケードの使用料が含まれており、それに個別対応する原価であるバリケードの賃借料の一部を本件事業年度の損金の額に算入すべきところ算入されていなかったことから、原処分の一部を取り消すべきである。
参照条文等
法人税法第22条第2項 民法第624条、第633条 法人税基本通達2-1-5、2-1-6
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