税務法規集裁決事例 令和4年6月2日裁決
裁決事例 令和4年6月2日裁決
令和4年6月2日裁決
持分会社の社員の死亡退社に伴う持分払戻請求権の価額相当額のうち、出資した金額を超える部分はみなし配当に該当するとした事例(平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第127集
ポイント
本事例は、持分会社の社員が死亡退社した場合には、その社員の有していた社員権が死亡と同時に持分払戻請求権に転換し、その転換した時点において、持分払戻請求権の価額のうち元本(出資)を超える部分が、所得税法第25条第1項の規定により剰余金の配当等(みなし配当)として当該死亡社員の所得を構成すると判断したものである。
要旨
請求人らは、持分会社の社員(本件被相続人)の死亡退社に伴う持分払戻請求権(本件払戻請求権)について、その払戻額を零円とすることが持分会社の総社員による同意で決定されており、相続人である請求人らに対し金銭その他の資産の交付はされていないから、所得税法第25条《配当等とみなす金額》第1項の規定によって配当等とみなされる金額はない旨主張する。
しかしながら、当該持分会社の定款には会社法第608条《相続及び合併の場合の特則》第1項に規定する持分の承継に関する定めがないことからすれば、本件被相続人は死亡退社により本件払戻請求権を取得したものと認められ、本件被相続人が有していた社員権(出資)が本件払戻請求権に転換した時点、すなわち、相続開始日において本件払戻請求権の価額相当額の経済的価値が本件被相続人にもたらされたといえる。したがって、当該価額相当額のうち、出資に対応する部分の金額を超える金額は、本件被相続人のみなし配当と認められる。
参照条文等
所得税法第24条,第25条第1項第6号 会社法第607条第1項第3号、第608条第1項、第611条第1項、第2項
参考判決・裁決
神戸地裁平成4年12月25日判決(税資193号順号7054) 東京地裁平成20年7月15日判決(税資258号順号10990)
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