裁決事例 令和4年11月8日裁決

裁決事例 令和4年11月8日裁決

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令和4年11月8日裁決

一括して売買された土地及び建物の購入の対価は、合理的な基準によりあん分して算定すべきであるとされた事例( 平成28年分及び平成29年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、 平成30年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・ 棄却、 一部取消し)

裁決事例集 第129集

ポイント

 本事例は、土地と建物が一括して売買され、その土地及び建物の個別の購入の対価が明らかでない場合、所得税法施行令第126条第1項第1号イにいう「当該資産の購入の代価」は、合理的な基準により算定するのが相当であると判断したものである。

要旨

 請求人は、国外において一括取得した賃貸用の土地及び建物(本件各物件)に係る売買契約書に売買代金総額しか記載がなかった場合、本件各物件における各土地及び各建物の購入の代価は、請求人が取得した不動産鑑定評価書における各鑑定評価額の割合で区分すべきであり、個別的な事情が捨象され、米国e州(現地)の法令等に反する方法で評価された現地の固定資産税評価額の割合で区分すべきではない旨主張する。
 しかしながら、本件各物件については、建物の減価償却費の額の算出に当たり、合理的な方法によって本件各物件の土地及び建物の購入の代価を区分する必要があるところ、現地の固定資産税評価額は、同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準によって請求人が本件各物件の所有権を取得した時点の市場価値を評価したものであると推認され、かかる推認を妨げる特段の事情に当たると評価すべき事実があるとは認められない。したがって、本件各物件に係る建物の購入の対価を算定するに当たっては、現地の固定資産税評価額の割合によって区分して算定すべきである。
 また、原処分庁は、本件各物件のうち平成30年に取得した物件の変更後の固定資産税評価額については、請求人が弁護士を通じて自身に有利になるよう査定官に働きかけ、故意に作出させた可能性が排除できないため、変更前の固定資産税評価額を用いるべき旨主張する。
 しかしながら、現地では、固定資産の所有者がその固定資産税評価額に同意できない場合、その評価額の見直しを求める不服申立制度があり、一度評価された固定資産税評価額が事後に変更され得ることは予定されているため、査定官の職権により事後に変更されたことをもって故意に作出させたなどということができない。したがって、平成30年に取得した物件については、変更後の固定資産税評価額を用いるべきである。

参照条文等

所得税法第49条第1項 所得税法施行令第126条第1項

参考判決・裁決

東京地裁平成30年4月12日判決(税資268号順号13139)

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