裁決事例 令和5年12月21日裁決
一括払された金型等相当額を24か月にわたり収益計上した請求人の会計処理が公正処理基準に適合するものとした事例(令和2年4月1日から令和3年3月31日までの事業年度の法人税、令和2年4月1日から令和3年3月31日までの課税事業年度の地方法人税及び令和2年4月1日から令和3年3月31日までの課税期間の消費税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し)
裁決事例集 第133集
ポイント
本事例は、一括払された金型等相当額について、その全額を請求人が受領した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきとしてされた更正処分に対し、金型等相当額の負担に係る契約の法的性質等からすれば、24か月にわたり収益計上した請求人の会計処理は公正処理基準に適合すると判断したものである。
要旨
原処分庁は、請求人が、発注者から24回の月額均等分割払で受領し、部品の量産開始日を含む月から24か月に分割して毎月月末に収益に計上していた、請求人が所有権を有する金型等の製作費用相当額(金型等相当額)について、契約の変更により一括で受領しており、請求人が受領した時点で請求人の管理支配下に置かれ所得が実現したとして、金型等相当額を受領した日の属する事業年度において、全額を益金の額に算入すべき旨主張する。
しかしながら、金型等相当額の負担に係る請求人と発注者との契約の法的性質及び当該契約に係る各役務の特質からすれば、請求人が受領した金型等相当額は、請求人から発注者に対し、継続的に日々提供される役務に応じて、1か月を単位として対価が支払われる約定に基づき、各月末日の経過ごとに、24回にわたり、過去1か月分の役務に対する対価として代金が確定し、その支払期日を翌月とする発注者と請求人との間の契約に基づき支払われるものと認められること及び金型等相当額の支払に関する基本契約書の条項が変更されていないことから、請求人が、部品の量産開始日を含む月から24回にわたり、毎月末日に収益に計上した会計処理は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準(公正処理基準)に適合するものであり、一括で受領した金型等相当額の全額を受領した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきとは認められない。
参照条文等
参考判決・裁決
最高裁平成5年11月25日第一小法廷判決(民集47巻9号5278頁) 最高裁昭和53年2月24日第二小法廷判決(民集32巻1号43頁)
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