裁決事例 令和6年3月14日裁決
外国子会社合算税制の適用において法人税法第12条第1項の規定が適用されるとした事例( 令和2年1月1日から令和2年12月31日までの連結事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 令和2年1月1日から令和2年12月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・ 一部取消し)
裁決事例集 第134集
ポイント
本事例は、外国私法により成立した法律関係が信託に該当し、外国子会社合算税制の適用において法人税法第12条第1項の規定が適用されることから、特定外国関係会社の基準所得金額の計算上、信託財産たる株式に係る配当に相当する金額は、子会社から受ける配当等の額として控除されると判断したものである。
要旨
原処分庁は、オランダ王国で設立された財団が株式(本件株式)と引き換えにデポジタリー・レシートを発行する契約(本件発行契約)により成立した法律関係は、法人税法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第12条《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》第1項に規定する信託に該当せず、また、外国子会社合算税制における基準所得金額の計算において、同項の規定は適用されないから、本件株式に係る配当(本件配当)に相当する金額は、租税特別措置法施行令(令和2年政令第207号による改正前のもの)第39条の115第1項第4号に規定する子会社から受ける配当等の額に該当せず、請求人の特定外国関係会社(本件h法人1)の基準所得金額の計算上控除することはできない旨主張する。
しかしながら、本件発行契約等における合意のうち我が国の信託法第3条《信託の方法》第1号に規定する内容に当てはまる部分については、我が国の信託法上の信託契約に相当し、本件発行契約等により成立した法律関係は、法人税法第12条第1項に規定する信託に該当するものと認められる。また、外国子会社合算税制における基準所得金額を計算する場合においても、法人税法第12条第1項本文の規定の適用により、同項本文に規定する信託の受益者が当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされると解される。したがって、本件h法人1は、同項本文の規定により、信託財産に属する資産である本件株式を有するものとみなされ、かつ、本件配当は受益者である本件h法人1の収益とみなされるから、本件h法人1の基準所得金額の計算上、本件配当に相当する金額は、租税特別措置法施行令第39条の115第1項第4号に規定する子会社から受ける配当等の額に該当し、控除される。
参照条文等
法人税法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第12条第1項 租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第68条の90第1項 租税特別措置法施行令(令和2年政令第207号による改正前のもの)第39条の115第1項第4号 信託法第2条、第3条、第4条
参考判決・裁決
名古屋地裁平成23年3月24日判決(訟月60巻3号655頁)
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