裁決事例 令和6年3月25日裁決

裁決事例 令和6年3月25日裁決

原文を表示
令和6年3月25日裁決

取引相場のない株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反するということはできないとした事例(平成29年7月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第134集

ポイント

 本事例は、会社の事業年度の変更及び剰余金の配当が、請求人の相続税の負担を著しく軽減し、これを意図してされたものであり、財産評価基本通達の定める画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するため、当該評価による価額を上回る価額とすることに合理的な理由があると判断したものである。

要旨

 請求人は、原処分庁が、財産評価基本通達(評価通達)6《この通達の定めにより難い場合の評価》の定めに基づき、請求人の祖母(本件被相続人)が保有していた取引相場のない株式(本件株式)の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額(原処分庁評価額)によるものとしたことが租税法上の一般原則としての平等原則に違反する旨主張する。
 しかしながら、①本件株式を発行する会社(本件会社)の事業年度の変更及びその決算期中の剰余金の配当(本件各行為)を行ったことによって、請求人の納付すべき税額は、本件各行為が行われなかった場合に比べて、約50%もの減少となることから、請求人の相続税の負担は著しく軽減されたといえ、また、②請求人は、本件各行為が近い将来発生することが予想される本件被相続人からの相続において請求人の相続税の負担を減じさせるものであることを知り、かつ、これを期待して、本件各行為に係る各々の臨時株主総会を開催し、本件被相続人らと意思を相通じて賛成の議決権を行使したと推認できるから、本件各行為は請求人の租税負担の軽減をも意図して行われたものということができ、上記①及び②の事情の下においては、本件株式の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが、本件各行為のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と請求人との間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであり、合理的な理由があると認められるから、本件株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが平等原則に違反するということはできない。

参照条文等

相続税法第22条 財産評価基本通達6

参考判決・裁決

最高裁令和4年4月19日第三小法廷判決(民集76巻4号411頁)

  •  
  •  
  •  
  •  
令和6年3月25日裁決

請求人は、会計伝票等を捨てることで、故意に真実の本件各年分の本件事業に係る売上金額及び必要経費を隠匿し、かつ、故意に真実の本件各課税期間に係る課税売上高を隠匿したといえるとして、国税通則法第68条第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったとした事例(平成27年分から令和3年分までの所得税及び復興特別所得税並びに平成27年課税期間から令和3年課税期間までの消費税及び地方消費税に係る重加算税の各賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第134集

ポイント

 本事例は、無申告加算税に代えて課される重加算税の課税等要件に係る主観的要件について、法令解釈の上、具体的にその該当性に係る事実認定をしたものである。

要旨

 請求人は、請求人には税務に関する相応の知識がなく、事業に係る売上金額は概算で把握していたにとどまり、本件事業に利益があったとは認識しておらず、帳簿書類等を作成せず、各会計伝票、感染拡大防止対策協力金に係る支払決定通知書及び事業に関する支払に係る領収書等(各会計伝票等)を保存せずに廃棄していたのは、ひとえに請求人の無知が招いた結果であり、意図的に申告をしなかったのではないから、請求人には国税通則法(令和4年法律第4号による改正前のもの)第68条《重加算税》第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はなかった旨主張する。
 しかしながら、請求人は、青色申告に係る帳簿の備付け、記録及び保存をしていなかった上、各会計伝票等を保管することなく全て捨てることで、各年分の事業に係る売上金額(雑収入を含む。)及び必要経費の金額を不明にしていたところ、請求人自身、当該各会計伝票等を捨てることで、各年分の事業に係る売上金額及び必要経費の金額を不明になることを認識していたといえるから、故意に真実の各年分の事業に係る売上金額(雑収入を含む。)及び必要経費を隠匿し、かつ、故意に真実の各課税期間に係る課税売上高を隠匿したというべきであり、「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったと認められる。

参照条文等

国税通則法第68条第2項

【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】

  • 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
  • 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
  • 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
  • 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
  • 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。