裁決事例 令和6年11月1日裁決
外国子会社合算税制の特定外国関係会社に該当するかどうかの判定における株式等保有割合は、「出資の金額」により判定すべきとした事例(平成31年4月1日から令和2年3月31日まで及び令和3年1月1日から令和3年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成31年4月1日から令和2年3月31日まで及び令和3年1月1日から令和3年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第137集
ポイント
本事例は、株式等保有割合における「株式又は出資の数又は金額」の読み方は、「株式の数」、「株式の金額」、「出資の数」及び「出資の金額」の4通りの組み合わせがあるが、本件における事業体(米国LLC)の組織形態などを考慮して解釈すると、「出資の金額」により判定すべきとしたものである。
要旨
請求人は、外国子会社合算税制上、請求人の外国関係会社である複数の米国LLC(本件各社員LLC)が有する、米国の州法であるLLC法に基づき設立された米国LLC(本件各LLC)の株式等の保有割合の判定において、「出資の数」又は「議決権のある出資の数」を用いて判定することができ、当該保有割合はいずれも25%以上であり、本件各社員LLCは、令和2年法律第8号による改正前の租税特別措置法第66条の6第2項第2号イ(3)に規定する外国子会社の株式等の保有を主たる事業とする外国関係会社に該当し特定外国関係会社には該当しないから、外国子会社合算税制の適用はない旨主張する。
しかしながら、「出資の数」においては、出資を均等の割合的単位に細分化する口数の定めがある場合において基準として用いることができると解されるところ、LLC法には持分を口数として均等の割合的単位によって細分化すべきことや、口数に応じて拠出がなされるべきことを定めた規定はなく、本件各LLCに係る契約書(本件各LLC契約書)にも本件各LLCの拠出資本及び持分に係る口数に関する定めはないことから、本件各LLCにおいては「出資の数」を観念することができない。また、本件各LLC契約書には出資に基づく議決権に係る定めがあるとは認められないことから、本件各LLCにおいては「議決権のある出資」を観念することはできず、本件各LLC契約書には株式に関する定めがないため、当該保有割合は「出資の金額」で判定することになる。これに基づき計算された当該保有割合は25%未満であると認められるため、本件各LLCは外国子会社に該当せず、本件各社員LLCは外国子会社の株式等の保有を主たる事業とする外国関係会社には該当しない。さらに、本件各社員LLCは、租税特別措置法第66条の6第2項第2号イに規定する各要件のいずれにも該当しないことから、本件各社員LLCは、請求人の特定外国関係会社に該当し、請求人は、本件各社員LLCに関して外国子会社合算税制の適用がある。
参照条文等
参考判決・裁決
最高裁令和5年11月6日第二小法廷判決(民集77巻8号1933頁) 大阪地裁令和3年9月28日判決(訟月69巻1号31頁) 平成30年12月14日裁決(裁決事例集No.113)
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