税務法規集裁決事例 令和7年3月7日裁決
裁決事例 令和7年3月7日裁決
令和7年3月7日裁決
同族会社に対する無利息貸付けは、所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると判断した事例(①平成30年分から令和2年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分、②令和3年分から令和4年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分、③平成30年分から令和4年分までの所得税及び復興特別所得税に係る過少申告加算税の各賦課決定処分・①一部取消し、②③棄却)
裁決事例集 第138集
ポイント
本事例は、請求人の同族会社に対する金員の無利息貸付けは、融資条件や無利息としたことの理由等の諸事情を総合的に考慮すると経済合理性を欠くものであって、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると認められるとしたものである。
要旨
請求人は、同族会社(本件同族会社)に無利息で貸付け(本件貸付け)を行ったのは、役員の同族会社に対する貸付けは無利息で行われることが一般的であったこと、請求人の自己資金を用いて実行したものであること、本件同族会社は債務超過であったこと、多額の収入が見込める状況になかったこと等を考慮したものであることから、本件貸付けを無利息としたことは、所得税法第157条《同族会社の行為又は計算の否認等》第1項に規定する所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものに該当しない旨主張する。
しかしながら、本件同族会社の財務状況等を踏まえると、本件貸付けには、請求人が本件同族会社に対して無利息で貸付けをすることに合理的な理由を見出すことはできないから、本件貸付けを無利息としたことは、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると認められる。
参照条文等
参考判決・裁決
最高裁平成16年7月20日第三小法廷判決(集民214号1071頁) 最高裁令和4年4月21日第一小法廷判決(民集76巻4号480頁)
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