裁決事例 令和7年6月5日裁決
外国子会社合算税制における「非関連者基準」の規定である「当該各事業年度の収入保険料」のうちに「関連者以外の者から収入する収入保険料」の占める割合が50%を超えないと判断した事例(平成30年9月21日から令和3年9月20日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分並びに平成30年9月21日から令和3年9月20日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第139集
ポイント
本事例は、請求人の自社キャプティブ保険会社(主たる事業は保険業)である外国関係会社に係る外国子会社合算税制の「非関連者基準」の判定における租税特別措置法施行令第39条の14の3《特定外国関係会社及び対象外国関係会社の範囲》第28項第5号に規定する「当該各事業年度の収入保険料」の金額については、本事例の事実関係の下、同社が引き受けた請求人の保険リスクに係る収入保険料とすべきであり、当該保険リスクの一部を他社へ移転するための保険料を差し引いて計算すべきではないと判断したものである。
要旨
請求人の自社キャプティブ保険会社である外国関係会社(K社)は、スポンサードキャプティブ保険会社(M社)を通じて第三者である各U社と請求人に係る保険リスクを引き受ける再保険契約を締結し、さらにM社を通じて第三者であるR社と引き受けた請求人に係る保険リスクの一部を非関連者に係る保険リスクと交換する契約を締結しているところ、請求人は、K社が外国子会社合算税制の非関連者基準を満たすか否かの判断に当たって、租税特別措置法施行令第39条の14の3《特定外国関係会社及び対象外国関係会社の範囲》第28項第5号に規定する「当該各事業年度の収入保険料」の金額については、①d州法上、K社は直接保険リスクを引き受けることができないこと、M社は受け取った収入保険料の全額をK社に支払っていないという金銭の流れや、K社はそれを前提とした会計処理を行っていること、また、②関係当事者が真に意図していたのは、最終的にK社は請求人に係る保険リスクのうち一部のみを引き受けるものであったため、監督官庁の承認を得た上で、再保険契約等の内容を遡及的に修正したことなどからすれば、請求人に係る保険リスクの一部をR社に移転するための保険料(本件保険料)を除いた金額(再保険契約修正後の収入保険料の金額と同額となる。)とすべきである旨主張する。
しかしながら、①K社が請求人に係る保険リスクを引き受けるために締結した再保険契約等においては、K社が引き受ける請求人に係る保険リスクが一部であるとの記載がないことなどからすれば、K社の各事業年度の収入保険料の計算において本件保険料を除く理由はなく、また、②再保険契約が変更されたのは、K社の各事業年度の終了後であって、K社の各事業年度において有効に存在していたのは変更前の再保険契約であることなどからすれば、本件においては、変更前の再保険契約に基づいて、K社の収入保険料の金額を判断するのが合理的であると認められる。
参照条文等
租税特別措置法第66条の6(令和2年法律第8号による改正前のもの)第2項第3号柱書及び同号ハ 租税特別措置法施行令第39条の14の3(令和2年政令第207号による改正前のもの)第28項柱書、同項第5号柱書及び同号イ
参考判決・裁決
最高裁令和6年7月18日第一小法廷判決(民集78巻3号1097頁)
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