裁決事例 令和7年6月24日裁決
請求人が売却した車両は「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当するとした事例(令和元年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第139集
ポイント
本事例は、請求人の売却した車両の価値が、その属する類型の資産に求められる本来的な目的・効用とは異なる面に置かれていることが社会通念上確立しているといえるような例外的な場合には該当しないから、当該車両が「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当するとしたものである。
要旨
請求人は、①売却した車両(本件車両)は、請求人が専ら観賞用に取得し、メンテナンスをせずに製造当時の状態のまま保管していたことなどから、自動車の本来の効用を果たさなかったことが客観的に明らかであること、②本件車両は、希少価値を有し、かつ、代替性のないものであること及び③本件車両のようなスーパーカーはその希少性に基づく価格がその価値として定着し、著しく高い価格で取引されることが社会通念化していることから、本件車両は、所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第2項に規定する「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当しない旨主張する。
しかしながら、①車両の機能は、経年や使用によって一般的・類型的に逓減すること、②本件車両の価格は、その希少性だけでなく自動車本来の機能にも価値が置かれて形成されていることは明らかであること及び③本件車両は製造から28年程度しか経過しておらず、本件車両と同種の車両の価格推移は未だ不確定な面があることからすると、鑑賞以外の実用的な目的又は機能が想定される本件車両が、「骨とう」に類するといえる程度の長期間を経てもなお確立した高い価値を維持しているような場合に当たると解することはできず、その価値が、当該類型の資産に求められる本来的な目的・効用とは異なる面に置かれていることが社会通念上確立しているといえるような例外的な場合には該当しないから、本件車両は「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当する。
参照条文等
参考判決・裁決
東京地裁令和5年3月9日判決(訟月70巻11号1255頁) 東京高裁令和5年11月30日判決(訟月70巻11号1223頁)
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