裁決要旨 2贈与税の納税義務者
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060064
- 裁決年月日
- 令和6年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400102000
- 争点
- 1納税義務者/2贈与税の納税義務者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の法定相続人らから相続分の譲渡を受けており、これにより法定相続人らの地位を承継し、相続人として預金等(本件預金等)を相続したといえること及び被相続人から不動産の遺贈を受けているため相続税の納税義務者であり、これとは別に相続分の譲渡により取得した本件預金等のみを取り出して相続税ではなく贈与税を課するのは不合理である旨主張する。しかしながら、請求人は、相続分の譲渡により相続人という身分までをも取得するものではなく、民法が定める相続人になるわけでもないことから、請求人が取得した本件預金等は相続により取得したとは認められず、また、請求人は法定相続人らから無償で相続分の譲渡を受けたのであるから、対価を支払わないで法定相続人らから受けた経済的利益であって、経済的実質において贈与と同じであり、仮に、贈与でないとしても、少なくとも相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合―その他の利益の享受》に該当するというべきであるから、請求人は、本件預金等を贈与により取得したと認められ、贈与税が課されることとなる。(令6.11.11 東裁(諸)令6-64)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和3年5月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400102000
- 争点
- 1納税義務者/2贈与税の納税義務者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№123
要旨
○ 原処分庁は、請求人の責任役員は前住職及びその子である現住職で3分の2が占められていること、前住職の親族を請求人の新築の建物(本件建物)に居住させていること、請求人の収入から前住職及びその親族(前住職ら)に対する毎月の生活費が支出されていること、請求人の解散時の財産は請求人の規則(本件規則)によれば最終的に前住職らに帰属することなどからすれば、前住職らは請求人を私的に支配しているといえるから、前住職から請求人への贈与により相続税法第66条《人格のない社団又は財団等に対する課税》第4項に規定する贈与者の親族等の相続税の負担が不当に減少する結果となる旨主張する。しかしながら、本件建物は現住職の子が僧侶として職務を遂行するに当たり必要な庫裏とみるのが相当であって、前住職又は現住職は、本件建物の建設や親族の居住につき、本件規則に沿って総代全員の同意を得ているほか、請求人の業務や財政状況等に関する報告を総代に対して随時行っていることが認められる一方、請求人の財産から前住職らの私的な生活費が支出されていた事実を裏付ける証拠もない。また、本件規則によれば、請求人の解散には、責任役員の定数の全員及び総代並びに門徒の3分の2以上の同意を得る必要があるなど、前住職らの意思のみで恣意的に解散等を行うことは事実上、困難と認められる。以上のことから、前住職らが、請求人の業務、財産の運用及び解散した場合の財産の帰属等を実質上私的に支配している事実は認められないから、前住職から請求人への贈与により前住職の親族等の相続税の負担が不当に減少する結果となるとは認められない。(令3. 5.20 金裁(諸)令2-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230033
- 裁決年月日
- 平成23年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400102000
- 争点
- 1納税義務者/2贈与税の納税義務者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父名義預金口座から請求人名義預金口座(本件請求人口座)に金員(本件資金)が振替入金されている(本件資金異動)ことについて、本件請求人口座のキャッシュカード等は請求人の姉による盗難に遭っており、本件請求人口座は請求人の管理下になかったため、本件資金異動によって請求人が利益を受けた事実はない旨主張する。しかしながら、キャッシュカード等の盗難にあったと主張する請求人が直ちに警察や金融機関に通報・連絡をしなかったことは、盗難に遭った者の行為として不自然であること及び同居していない請求人の姉が、キャッシュカードを盗める状況にあったとは認められないことなどのことからすると、本件請求人口座のキャッシュカード等が請求人の姉による盗難に遭っていたとは認められない。また、本件請求人口座の入出金の状況によれば、本件請求人口座が開設されて以降本件資金移動の日までの間において、本件請求人口座が請求人以外の者によって使用されていたとは認められないこと及び本件資金移動の日において、本件資金が請求人以外の者によって流用されたとも認められないことからすれば、本件請求人口座の名義人である請求人は、本件資金移動によって利益を受けたといえ、相続税法第9条の規定により本件資金を父からの贈与によって取得したものとみなされることとなる。(平23.11. 2 名裁(諸)平23-33)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200015
- 裁決年月日
- 平成21年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400102000
- 争点
- 1納税義務者/2贈与税の納税義務者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件定款変更により請求人がB及びCから経済的利益を受けたとしても、本件は相続税法第66条第4項に規定する「相続又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合」に該当しない旨主張する。しかしながら、同項所定の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるというためには、公益法人等に対して財産の贈与等があり、その時点において、その法人の社会的地位、寄附行為・定款等の定め、役員の構成、収入支出の経理及び財産の管理状況等からみて、財産の提供者等ないしはその特別関係者が、当該法人の業務、財産の運用及び解散した場合の財産の帰属等を実質上私的に支配している事実があれば足り、その結果現実にだれにどれだけの相続税等の負担の減少を来たしたかが確定的に明らかになる必要はないものと解すべきところ、本件においては、B及びCから請求人に対し相続税法第9条に該当する経済的利益の供与があり、Aの相続人であるC及びDが設立する医療法人に対する出資金としてC及びDの管理下にある預金口座に振込まれた多額の金員は、平成○年○月○日に振り込まれてから現在に至るまで、C及びDが無利息で私的に運用・使用できる状態にあり、現に、両名が私的に運用していると認められ、これは「負担が不当に減少する結果となると認められる場合」に該当するか否かの判断基準として合理的と認められる「贈与税の非課税財産(公益を目的とする事業の用に供する財産に関する部分)及び公益法人に対して財産の贈与等があつた場合の取扱」の14の(2)に該当するものということができる。したがって、請求人が、C及びDに高額の金員を私的に運用、使用させていると認められる本件は、「相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合」に該当する。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170191
- 裁決年月日
- 平成18年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400102000
- 争点
- 1納税義務者/2贈与税の納税義務者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外滞在期間中は国外に居住しており、外国法人の出資の贈与(以下「本件贈与」という。)を受けた時における請求人の住所は国外であることから、本件贈与について納税義務を負わないので、原処分は違法である旨主張する。 しかしながら、住所とは、生活の本拠をいい、その生活の本拠については、客観的事実を総合勘案して判断すべきであるところ、請求人の場合、①確かに、国外滞在期間中は、日本に滞在した日数よりも国外に滞在した日数の方が多いものの、請求人の父が計画した租税回避スキームにより請求人に事業を承継させるためには請求人が国外に滞在することが前提条件であったために居住していたものであること、②請求人の職業については、国外での勤務実態が極めて稀薄である一方、日本国内に存する法人の役員としての同法人の職責を果たしていたこと、③請求人の住居については、請求人の国外での住居が長期滞在者向けの宿泊施設であるのに対し、請求人は、国外に赴任する以前は、日本国内の住居で家族とともに生活しており、国外滞在期間中も日本に滞在している時は、同住居に居住していたこと、④請求人の資産については、国外よりも日本国内に多額の財産を有していることが認められることなどからすれば、請求人の住所は、国外滞在期間においても、国外に赴任する以前に請求人が居住していた日本国内の住居であると認めるのが相当である。 したがって、請求人の主張には理由がなく、請求人は、本件贈与について納税義務を負うこととなるから、原処分は適法である。(平18. 6. 7 東裁(諸)平17-191)
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