裁決要旨 3使用貸借に係る家屋
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260020
- 裁決年月日
- 平成26年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400803030
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/3使用貸借に係る家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が親しい女性(D)に使用貸借により貸し付けている家屋(本件建物)及びその敷地(本件土地)の使用関係は、実質的には、被相続人がDに対して重婚的内縁関係における婚姻費用(被相続人が負担すべき生活費)を負担するという負担付の使用貸借関係であり、当該負担は公租公課の負担よりはるかに大きな負担であるとして、Dの本件建物及び本件土地(本件不動産)の使用権は、通常の使用借権よりも強い権利である旨、したがって、本件不動産の価額の評価について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情があるとして、本件不動産の評価額は零円である旨主張する。しかしながら、いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異なるものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げないというものであるところ、Dの答述等によれば、被相続人は、Dに対して、本件建物に無償で居住させたり、多額とまではいえない贈り物や小遣い程度の金銭を渡したりしており、被相続人とDは、約40年近くにわたり、親密な関係にあったものと認められる一方で、Dは、自らの収入で生計を立てており、被相続人から生活費の援助を受けたことはない。また、当審判所の調査の結果によっても、被相続人と被相続人の妻が事実上離婚状態にあったとは認められない。そうすると、そもそも被相続人とDが重婚的内縁関係にあったとは認められないから、請求人の主張はその前提を欠くものである。そして、被相続人とDの本件建物の使用に係る契約書をみると、Dが本件建物を使用貸借することについて定めたものと認められるから、本件不動産の評価につき財産評価基本通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情はない。(平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803030
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/3使用貸借に係る家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、長男の家族が居住の用に供している建物を、長男の家族が賃貸借による占有権で本件被相続人が死亡時以前より同居していることから、借家権付の建物として評価すべきである旨主張する。しかしながら、長男は本件被相続人との間でこの建物の賃貸借契約の締結や家賃を支払った事実はない旨及びこの建物の固定資産税は、本件被相続人が支払った旨答述をしているところで、財産評価基本通達93では、貸家は、評価した家屋の価額から借家権割合及び家屋に係る賃貸割合を連乗した金額を控除して評価する旨定めており、この通達でいう借家権とは、借地借家法の適用のある家屋賃借人の有する賃借権をいい、家屋の無償使用はこれに含まれないと解される。これは、使用貸借による建物の使用権は、借家権のように法律上の手厚い保護を与えられておらず、また、当事者の好意、信頼関係等にその基盤を持ち、交換経済の範囲外にあるものなので、借家権のように客観的な交換価値を有するものとみることが困難であることから、その価値は零として評価するのが相当であると解されているからであり、この通達の取扱いは、当審判所においても相当と認めるところである。そこで、上述の事実を通達の定めに照らして判断すると、本件被相続人と長男との間において賃貸借契約の締結及び家賃の授受もないので、この建物の使用権は使用貸借に基づくものと認められるから、この建物を借家権付の建物として評価することはできない。(平15.7.1高裁(諸)平15-1)
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