裁決要旨 7取引相場のない株式
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070021ほか 2件
- 裁決年月日
- 令和7年9月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した同族法人(本件会社)の株式の評価に当たり、本件会社の借入れによる不動産の取得(本件借入れ・本件不動産の取得)は合理的な理由があるものであり、本件会社は財産評価基本通達(評価通達)189《特定の評価会社の株式》の(2)に定める株式等保有特定会社に該当しない旨主張する。しかしながら、本件会社の株式の贈与に本件借入れ・本件不動産の取得を近接させた一連の行為は、本件会社が株式等保有特定会社と判定されることを回避する目的があったと認められ、本件会社の株式の贈与日前に、本件借入れ・本件不動産の取得により本件会社の資産構成が変動したことについて合理的な理由は見当たらず、その変動は本件会社が株式等保有特定会社と判定されることを免れるためのものであると認められる。そうすると、評価通達189なお書により本件借入れ・本件不動産の取得による本件会社の資産構成の変動がなかったものとして株式等保有特定会社に該当するか否かを判定することになり、その判定の結果、株式等保有割合は50%以上となるから、本件会社は株式等保有特定会社に該当する。(令7. 9. 5 東裁(諸)令7-21)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令060013
- 裁決年月日
- 令和7年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人(本件被相続人)からの相続(本件相続)に係る相続税について、原処分庁が、本件被相続人の孫である請求人が本件被相続人から生前に相続時精算課税に係る贈与(本件贈与)により取得した株式(本件株式)の価額を財産評価基本通達(評価通達)6《この通達の定めにより難い場合の評価》の定めに基づき、評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとしたことが租税法上の一般原則としての平等原則に違反する旨主張する。しかしながら、①本件株式の発行会社(本件会社)が本件贈与前に多額の銀行借入れを原資に各資産の取得(本件各資産の取得)を行ったことにより、本件相続に係る租税負担は著しく軽減されたといえる。また、②本件被相続人の子である請求人(請求人子)は、本件各資産の取得に係る意思決定者である上、本件贈与の実行を決定した者であり、本件各資産の取得前に金融機関の担当者から説明などを受け、本件各資産の取得がいわゆる株特外しによる本件相続に係る節税効果を意図したものであることを認識していたことなどからすると、本件相続に係る租税負担の軽減の意図を有していたといえる。加えて、本件被相続人は、本件贈与の当事者である上、同人や請求人子などの意図に沿うように運営されていた本件会社の代表取締役であり、請求人子及び本件会社の行為を容認していたと認められるから、本件相続に係る租税負担の軽減の意図を有していた蓋然性が高いといえる。したがって、上記①及び②の事情の下においては、本件株式の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが、本件各資産の取得のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と請求人との間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであり、合理的な理由があると認められるから、本件株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが平等原則に違反するということはできない。(令7. 5.28 高裁(諸)令6-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060057
- 裁決年月日
- 令和7年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額について、本件株式の発行会社(本件会社)が継続企業を前提とした営利企業であることから、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)とマーケット・アプローチ(類似業種比準方式)との折衷法により評価した価額が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価であって、原処分庁のネットアセット・アプローチのみによる価額は同条に規定する時価を上回る旨主張する。しかしながら、本件会社が所有する有形固定資産は賃貸用不動産1棟のみで、その賃料収入が本件会社の唯一の収入であること、類似する上場会社もないこと、事業計画を作成していないこと、貸借対照表に計上されていない無形資産等が存在する事実も認められないことなどに照らすと、当該賃貸用不動産の価額を収益還元法によって時価評価した上で、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)のみによって評価した評価機関の株式算定は合理的で、客観的な交換価値を示すものと認められるから、同算定に基づく原処分庁の本件株式の価額は、相続税法第22条に規定する時価を上回るものではない。(令7. 4.16 関裁(諸)令6-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060170ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和7年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額について、本件株式の発行会社(本件会社)が継続企業を前提とした営利企業であることから、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)とマーケット・アプローチ(類似業種比準方式)との折衷法により評価した価額が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価であって、原処分庁のネットアセット・アプローチのみによる価額は同条に規定する時価を上回る旨主張する。しかしながら、本件会社が所有する有形固定資産は賃貸用不動産1棟のみで、その賃料収入が本件会社の唯一の収入であること、類似する上場会社もないこと、事業計画を作成していないこと、貸借対照表に計上されていない無形資産等が存在する事実も認められないことなどに照らすと、当該賃貸用不動産の価額を収益還元法によって時価評価した上で、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)のみによって評価した評価機関の株式算定は合理的で、客観的な交換価値を示すものと認められるから、同算定に基づく原処分庁の本件株式の価額は、相続税法第22条に規定する時価を上回るものではない。(令7. 4. 9 東裁(諸)令6-170)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060172
- 裁決年月日
- 令和7年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額について、本件株式の発行会社(本件会社)が継続企業を前提とした営利企業であることから、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)とマーケット・アプローチ(類似業種比準方式)との折衷法により評価した価額が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価であって、原処分庁のネットアセット・アプローチのみによる価額は同条に規定する時価を上回る旨主張する。しかしながら、本件会社が所有する有形固定資産は賃貸用不動産1棟のみで、その賃料収入が本件会社の唯一の収入であること、類似する上場会社もないこと、事業計画を策定していないこと、貸借対照表に計上されていない無形資産等が存在する事実も認められないことなどに照らすと、当該賃貸用不動産の価額を収益還元法によって時価評価した上で、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)のみによって評価した評価機関の株式算定は合理的で、客観的な交換価値を示すものと認められるから、同算定に基づく原処分庁の本件株式の価額は、相続税法第22条に規定する時価を上回るものではない。(令7. 4. 9 東裁(諸)令6-172)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060012
- 裁決年月日
- 令和6年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保有していた関係法人の株式(本件株式)の価額のうち、請求人の父が当該関係法人に対して債務を免除したこと(本件債務免除)により、本件株式の価額が増加した部分に相当する金額の計算において、本件債務免除の前後における本件株式に係る財産評価基本通達(評価通達)183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》の(1)、(2)及び(3)に定める各金額(判定要素)について、「1株当たりの利益金額」は、いずれも1円未満ではあるが少額でも利益はあるから零円ではなく、「1株当たりの配当金額」はいずれも零円、「1株当たりの純資産価額(帳簿によって計算した金額)」はいずれも零円でないことから、判定要素のうちいずれか2が0ではなく、評価通達189《特定の評価会社の株式》の(1)に定める評価会社(比準要素数1の会社)の株式に該当しない旨主張する。しかしながら、「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について(令和元年9月18日課評2-41ほかによる改正前のもの。)」は、「第4表 類似業種比準価額等の計算明細書」(第4表)の各欄の金額の単位を様式に定め、当該記載方法等の第4表の1のなお書で、「この表の各欄の金額は、各欄の表示単位未満の端数を切り捨てて記載」する旨定めているところ、第4表の「1株(50円)当たりの年利益金額」の「比準要素数1の会社・比準要素数0の会社の判定要素の金額」欄の単位は「円」であり、本件債務免除の前後における本件株式に係る同欄の計算式によって算出される各金額はいずれも1円未満の金額であることから、当該各金額の円未満の端数を切り捨てるといずれも零円となる。そうすると、本件株式は、本件債務免除の前後において、いずれも比準要素数1の会社の株式に該当する。(令6. 7. 9 東裁(諸)令6-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060013
- 裁決年月日
- 令和6年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)に係る財産評価基本通達(評価通達)183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》の(1)、(2)及び(3)に定める各金額(判定要素)について、「1株当たりの利益金額」は、1円未満ではあるが少額でも利益はあるから零円ではなく、「1株当たりの配当金額」は零円、「1株当たりの純資産価額(帳簿によって計算した金額)」は零円ではないことから、判定要素のうちいずれか2が0ではなく、評価通達189《特定の評価会社の株式》の(1)に定める評価会社(比準要素数1の会社)の株式に該当しない旨主張する。しかしながら、「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について(令和元年9月18日課評2-41ほかによる改正前のもの。)」は、「第4表 類似業種比準価額等の計算明細書」(第4表)の各欄の金額の単位を様式に定め、当該記載方法等の第4表の1のなお書で「この表の各欄の金額は、各欄の表示単位未満の端数を切り捨てて記載」する旨定めているところ、第4表の「1株(50円)当たりの年利益金額」の「比準要素数1の会社・比準要素数0の会社の判定要素の金額」欄の単位は「円」であり、本件株式に係る同欄の計算式によって算出される金額は1円未満の金額であることから、当該金額の円未満の端数を切り捨てると零円となる。そうすると、本件株式は、相続開始日において、比準要素数1の会社の株式に該当する。(令6. 7. 9 東裁(諸)令6-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和6年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の1株当たりの純資産価額の計算において、1株当たりの純資産価額を本件株式に係る評価会社(本件評価会社)の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合には、本件評価会社が直前期末より後で課税時期(相続開始日)より前に支払った固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)の税額は、相続開始日において支払済のため負債に含まれない旨主張する。しかしながら、評価会社が直前期末より後かつ相続開始日より前に固定資産税等を支払い、評価会社が相続開始日において仮決算を行っている場合には、相続開始日における資産の額は直前期末の資産である現金預金の額から、固定資産税等の税額に相当する分が減少し、これに基づいて1株当たりの純資産価額の計算が行われることになるのに対し、直前期末の資産の額は、固定資産税等の税額に相当する分が減少していないことに鑑みると、1株当たりの純資産価額を評価会社の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合に、直前期末において未払の固定資産税等の税額を負債に含めて計算しないと、仮決算を行って計算する場合と均衡を欠くことになる。また、賦課期日がその年の1月1日である固定資産税等について、本件評価会社が納税通知書の発付を受けたのは直前期末後であるため、本件評価会社の直前期の貸借対照表に負債として計上されていないが、仮に、納税通知書の発付が直前期末以前であり、本件評価会社の直前期の貸借対照表に負債としての記載があれば、当然に負債に含まれることになるのであるから、固定資産税等の税額について、納税通知書の発付の日によって負債として取り扱うか否かが異なるのは相当ではない。以上によれば、本件評価会社が直前期末にあった固定資産税等の税額は、本件株式の1株当たりの純資産価額の計算上、負債に含めて計算するのが合理的である。(令6. 7. 5 東裁(諸)令6-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050024
- 裁決年月日
- 令和6年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.135
要旨
○ 請求人は、その主張する相続により取得した事業協同組合の出資持分(本件持分)の価額は、当該組合の定款(本件定款)に定める脱退組合員の払戻金を根拠として組合員の間でも適正価額として流通していたものであるから、当該価額をもって評価すべき旨主張する。しかしながら、本件定款に当該組合を脱退した際の払戻金を定めていることを前提としても、当該組合の純資産価額を基礎とした持分の価額が出資額を上回っていれば、その差額は当該組合の内部に留保された状態であり、最終的に解散して清算することになれば、純資産価額に基づく財産が分配されることになるから、本件持分は究極的には当該組合の純資産価額を体現したものといえる。本件持分の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めを適用することが合理的であることに加え、本件持分の譲渡には当該組合の承諾が必要であり、市場を通じた不特定多数の当事者間の自由な取引が行われるものではなく、本件持分の価額が組合員の間において請求人が主張する価額と認識されていたとしても、その価額は当事者間において限定的に形成されたものであって、これを本件持分の時価と認めることはできない。(令6. 4.11 名裁(諸)令5-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050025
- 裁決年月日
- 令和6年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業協同組合の出資持分(本件持分)を親族から譲り受けた価額(本件譲受価額)について、当該組合の定款(本件定款)に定める脱退組合員の払戻金を根拠として組合員の間でも適正価額として流通していたものであるから、当該価額をもって評価すべき旨主張する。しかしながら、本件定款に当該組合を脱退した際の払戻金を定めていることを前提としても、当該組合の純資産価額を基礎とした持分の価額が出資額を上回っていれば、その差額は当該組合の内部に留保された状態であり、最終的に解散して清算することになれば、純資産価額に基づく財産が分配されることとなるから、本件持分は究極的には当該組合の純資産価額を体現したものといえる。本件持分の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めを適用することが合理的であることに加え、本件持分の譲渡には当該組合の承諾が必要であり、市場を通じた不特定多数の当事者間の自由な取引が行われるものではなく、本件持分の価額が組合員の間において本件譲受価額と認識されていたとしても、その価額は当事者間において限定的に形成されたものであって、これを本件持分の時価と認めることはできない。(令6. 4.11 名裁(諸)令5-25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050006
- 裁決年月日
- 令和5年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、無償譲渡を受けた取引相場のない株式(本件株式)の価額を純資産価額により評価するに当たり、本件株式を発行する株式会社(本件会社)には、当該譲渡の時点において、請求人の義父母からの借入金(本件借入金)は存在していたから、本件借入金を負債に計上して計算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、当該譲渡より前に、本件会社の債務への対応及び本件会社が所有する建物の多額の修繕工事費用等の工面について検討した上で、取引金融機関からの借入金を代位弁済し、当該工事費用等として本件会社に多額の資金を貸し付けることとしたものと認められ、さらに、本件会社には本件借入金があり、請求人は本件借入金への対応についても検討したものと推認されるところ、本件会社は多額の債務超過の状態であり、その原因が主に代表取締役であった義父によるこれまでの事業運営にあると考えられることも踏まえると、請求人が取引金融機関からの借入金の返済や当該建物の工事等のために高額の資金を支出するのに加え、本件会社が本件借入金の返済まで行うことを前提に、請求人が本件株式を譲り受けて本件会社の代表取締役となることを決意したとみるのは合理的ではなく、請求人は当該譲渡の前に本件借入金の債務免除を義父母に求めたとみるのが合理的である。そして、義父母もこの請求人の求めに応じたとみるのが自然であり、義父母が本件会社に対して本件借入金につき債務を免除する旨意思表示したことが合理的に推認できるから、本件借入金は、当該譲渡の時点において存在しなかったと認めるのが相当である。(令5.10.19 名裁(諸)令5-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和5年7月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが祖父から売買により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額の算定に当たり、本件株式の評価会社(本件会社)の資産及び負債の金額について、本件会社の既存の貸借対照表等を前提に、課税時期の直前期末(本件直前期末)から課税時期までの間に確定した配当金(本件配当金)を本件直前期末の負債に計上した上で本件直前期末と課税時期を比較すると、本件直前期末から課税時期までの間に著しい増減がないとは認められないから、本件直前期末の金額を基礎とするのは相当でなく、課税時期に近接した直後期末の金額を基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、①本件会社の既存の貸借対照表等は事実を適正に反映していないものであること及び②本件直前期末から課税時期までの間における資産及び負債の著しい増減の判断に当たっては、本件配当金を考慮すべきではないことから、本件会社の課税時期の直前期末の適正な資産及び負債の金額を審判所が認定した上で、本件配当金を本件直前期末の負債に計上せず、本件直前期末から課税時期までの間の資産及び負債の金額の増減を検討すると、著しい増減はないと認められる。したがって、本件株式の価額の算定に当たっては、審判所が認定した本件直前期末の資産及び負債の金額を基礎とするのが相当である。(令5. 7.24 大裁(諸)令5-2)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令050001
- 裁決年月日
- 令和5年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した取引相場のない株式(本件株式)の価額の算定に当たっては、財産評価基本通達(評価通達)によれば、本件株式の評価会社(本件会社)の課税時期の直前期末に係るLの割合、比準要素及び1株当たりの純資産価額を基礎とすることとされているが、本件の場合、課税時期に最も近接し本件会社の実績をより明確に示している課税時期の直後期末に係るLの割合、比準要素及び1株当たりの純資産価額を基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、評価通達においては、評価上の恣意性の排除や課税の公平、評価の安全性などに配意して、課税時期前の株価の変動を考慮したLの割合を用いる併用方式、類似業種比準方式及び純資産価額方式による評価方法を定めているのであり、こうした評価通達の定めは一般的合理性を有するものと認められる。また、本件株式の価額が当該評価方法によっては、本件株式の適正な時価を求めることができない結果となるなど、評価通達の定める評価方法によるべきではない特別の事情も認められない。したがって、本件株式の価額の算定に当たっては、評価通達に従い、課税時期の直前期末に係るLの割合、比準要素及び1株当たりの純資産価額を基礎とすべきであるから、請求人らの主張には理由がない。(令5. 7. 5 熊裁(諸)令5-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和5年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない本件株式につき、財産評価基本通達(評価通達)189《特定の評価会社の株式》の(1)及び評価通達189-2《比準要素数1の会社の株式の評価》の各定めにより、本件株式に係る評価会社(本件評価会社)を比準要素数1の会社(要素1の会社)として、純資産価額方式と類似業種比準方式の併用方式(併用方式)により評価した価額(本件株式評価額)をもって相続税の申告をしたが、①上記各定めには合理性がないこと及び②本件株式評価額では本件評価会社が赤字に転落したことが価値の増加要因として評価される結果となり、このことは評価通達に定める評価方法によるべきでない特別の事情に該当することなどから、本件株式評価額は過大となっている旨主張する。しかしながら、①評価通達においては、要素1の会社は、標本会社である上場会社と同様の正常な営業活動を行っていないことに鑑み、評価会社の実態に応じ、その株式を一般の評価会社の株式とは区分した上で、原則として純資産価額方式で評価を行うこととし、他方で納税義務者の選択により、収益性を一定程度加味した併用方式による評価も認めているのであり、こうした評価通達の定めは、一般的合理性を有するものと認められる。また、②仮に、本件株式の価額を要素1の会社の原則的評価方式である純資産価額方式で評価した額は、本件株式評価額を上回ることからすると、本件評価会社が赤字に転落したことにつき、本件株式の価値の増加要因として過大に評価している事情は見当たらないというべきである。(令5. 6.13 熊裁(諸)令4-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価額を算出する際に必要となる本件株式の発行法人の所有する各建物(本件法人各建物)の評価について、本件法人各建物に係る固定資産税評価額に東日本大震災の影響が反映されていないこと、また、本件法人各建物は現在利用可能とはいえ軟弱な地盤の上にあることから倒壊の危険があり、対処的修理が継続的に必須で、今後利用禁止処分を受ける可能性があることを理由に、本件法人各建物の相続税評価額は零円である旨主張する。しかしながら、本件法人各建物のうち、被災した建物に係る固定資産税評価額は、「東日本大震災により被害を受けた地方団体等における平成24年度の固定資産の評価替えについて(平成23年総税評第46号総務省自治税務局資産評価室長通知)」に基づく被害状況に応じた損耗残価率を用いて決定されていることから、財産評価基本通達の定めに基づいて算出された本件法人各建物の相続税評価額は東日本大震災の影響を考慮したものであると認められ、また、本件法人各建物に倒壊の危険があり、継続的な修理が必須で、今後利用禁止処分を受ける可能性があるという請求人らが主張する事情を裏付ける的確な証拠はないことから、本件法人各建物の相続税評価額は零円とは認められない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価について、本件株式の発行法人(本件法人)の所有する各建物(本件法人各建物)に倒壊の危険があること及び利用禁止処分を受ける可能性があることを理由に、本件株式を財産評価基本通達185《純資産価額》に基づき評価するに当たっては、本件法人各建物に係る解体費用を本件法人の負債に計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件法人各建物は、相続開始日以降、審査請求における調査の時点までにおいても取り壊されることはなく、本件法人の事業の用に供されており、また、本件法人各建物の解体工事に係る請負契約が締結されていたという事実は認められないことから、本件法人各建物の解体に係る債務が現に存していた事実は認められない。したがって、本件法人各建物に係る解体費用は、本件株式の純資産価額の計算上、負債に計上することはできない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価額を算出する際に必要となる本件株式の発行法人が所有する土地(本件法人土地)の評価について、本件法人土地に接する道路の路線価には、軟弱な地盤であることが考慮されていないことから財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価した本件法人土地の価額から30%の減額をすることが相当である旨主張する。しかしながら、軟弱な地盤が当該路線価の付されている路線に共通する事情であるか否かは明らかではないが、地盤が軟弱である可能性について一定の考慮がされたと認められる、本件法人土地と同じ工業団地に存する土地の売買実例における価額を基にして、時点修正及び土地価格比準表に準じて個別的要因の格差補正等を行い算定した本件法人土地の価額は、評価通達に定める方法により評価した本件法人土地の価額を上回っているから、本件法人土地の価額の評価に当たり、路線価に基づき算定された価額からの調整が必要となるだけの合理的な根拠は見いだし難く、評価通達の定めにより評価した本件法人土地の価額から30%の減額をすべきとは認められない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人及びその配偶者が設立した法人(本件出資法人)が所有する医療法人(本件医療法人)に対する出資の持分(本件持分)の価額について、本件出資法人は、本件医療法人の社員ではないため持分払戻請求権を有していないこと、また、本件医療法人の解散時の残余財産から払戻し等を受けられる権利は、相続の開始時には潜在的な権利に過ぎず譲渡性もないことから、零円とすべきである旨主張する。しかしながら、本件医療法人は、定款において①退社した社員はその出資額の払戻しを請求することができる旨、②本件医療法人が解散した場合の残余財産は振込出資額に応じて分配する旨定めていることからすると、本件医療法人の出資者は、退社時又は残余財産分配時に本件医療法人の財産から総出資額中に当該出資者の出資額が占める割合に応じた額の分配を受ける権利を有していると認められ、本件出資法人は本件医療法人の財産を本件出資法人が所有する持分の口数において共同所有しているといえることからすると、本件出資法人が持分払戻請求権を有していなくとも、本件医療法人の財産を本件持分の割合で共同所有していることに変わりはないのであるから、本件持分の経済的価値が零円となることはない。また、相続税法が規定する「財産」とは、金銭に見積もることのできる経済的価値のある全てのものをいい、いまだ明確な権利とはいえない財産法上の法的地位なども含まれると解されていることからすると、本件持分は、相続の開始時に残余財産分配請求権を行使できないとしても金銭に見積もることができる経済的価値を有しているものといえる。 (令4. 7. 13 福裁(諸)令4-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030049
- 裁決年月日
- 令和4年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、持分会社(本件会社)の社員であった被相続人の死亡退社により相続した持分払戻請求権(本件払戻請求権)は、出資持分のうち「出資」ではなく「持分」が転化したものであり、財産評価基本通達には「出資」の評価についての定めはあるが「持分」についての定めはないのであるから、「確定した払戻金額」に基づき課税されるべきものである旨主張する。しかしながら、持分払戻請求権は、社員の退社によって、その社員が有していた出資の持分が転化したものであって、実質は出資の持分の経済的側面と認められることからすると、持分会社の出資の評価について定める財産評価基本通達194《持分会社の出資の評価》に準じて評価するのが相当である。また、請求人が主張する「確定した払戻金額」とは、相続開始日より後に本件会社の社員が本件払戻請求権の払戻金額を零円とする旨同意したというものであって、被相続人が相続開始日に本件払戻請求権を取得したとの事実の存在に変わりはないから、その事後的に同意された金額をもって、本件払戻請求権の相続税法第22条《評価の原則》にいう相続開始時における客観的な交換価値としての時価と認めることはできない。(令4. 6. 2 名裁(諸)令3-49)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令030014
- 裁決年月日
- 令和4年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人甲が相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価に当たり、本件株式の発行会社が所有する一部の土地(本件各土地)が財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定めるその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大でない土地であるか、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要とは認められない土地であり、広大地に該当しないことを根拠として、本件株式の発行会社に係る財産評価基本通達189《特定の評価会社の株式》(2)に定める割合(株式等保有割合)が50%未満となるから、本件株式は同項に定める株式保有特定会社の株式として評価すべきでない旨主張する。しかしながら、本件各土地は、いずれもその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるため、いずれも広大地に該当し、これにより本件株式の発行会社に係る株式等保有割合は50%以上となるから、本件株式は株式保有特定会社の株式として評価するのが相当と認められる。(令4. 5.16 仙裁(諸)令3-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030003
- 裁決年月日
- 令和3年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続等により取得した同族法人(本件法人)の株式の評価に当たり、本件法人が財産評価基本通達(評価通達)189《特定の評価会社の株式》の(2)に定める株式保有特定会社に該当しない旨主張する。しかしながら、本件法人が相続直前にした本件被相続人への新株発行及び本件法人の資産の運用に係る一連の行為は相続税の課税価格の圧縮をして節税することを直接の主たる目的としてなされたものといえるから、本件法人の上記資産構成の変動は合理的な目的がなく、株式保有特定会社と判定されることを免れるためのものと認められる。そうすると、評価通達189なお書により当該変動がなかったものとして株式保有特定会社に該当するか否かを判定することになり、判定の結果、株式保有割合は50%以上となるから、本件法人は株式保有特定会社に該当する。(令3. 8.27 関裁(諸)令3-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020034
- 裁決年月日
- 令和2年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》括弧書に定める評価会社が課税時期前3年以内に取得したコンビニエンスストア(本件不動産)の敷地(本件土地)の価額について、①本件土地に係る帳簿価額の基となる売買価額(本件売買価額)は、投資採算価値を第一の目的とする投資家向けの市場で成立する特定価格であるから、事情補正せずに採用するのは不合理である、②公示価格等を規準し均衡を保つべきである、③貸家建付地としての減額をすべきであるとし、評価会社の帳簿価額に基づいて「通常の取引価額に相当する金額」を算定した原処分が違法であると主張する。しかしながら、①本件売買価額は、法令等による社会的要請という背景がない上、正常価格の前提となる諸条件を満たすものといえることから特定価格には当たらないため、特定価格であることを前提として事情補正をすべきこととはならないし、②公示価格を規準とするとは、評価対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる公示価格に係る標準地との間で位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき当該公示価格と評価対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいうのであって、公示価格等をそのままの価額を用いて評価することではないから、当該価額と帳簿価額の間に開きがあることをもって、当該帳簿価額が課税時期における「通常の取引価額」に相当しない理由があることにはならない。また、③本件不動産に係る家屋は、評価会社が取得する前から存在し、賃貸借契約が継続していたのであって、本件売買価額は、その契約期間が20年近く残っていることも前提として決定されたのであるから、本件不動産が貸家及び貸家建付地であることを前提にしたものにほかならず、本件売買価額に基づく本件土地の帳簿価額は、貸家建付地としての価額であるから、改めて同じ権利を減額すべき理由はない。したがって、評価会社の帳簿価格が本件相続開始日における本件土地の「通常の取引価格に相当する金額」であると認めるのが相当である。(令2.11.25東裁(諸)令2-34)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和2年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式について、財産評価基本通達(評価通達)に定める類似業種比準価額とすべきであり、原処分庁が、評価通達6を適用した評価額による更正処分は、①評価方法に合理性がない、②相続開始前における株式譲渡の協議は株式の売買予約ではなく、のれん等の無形資産の価値が顕在化したことを示すものではない、③申告した評価額と当該協議の価格との間にかい離があることをもって特別の事情があるとはいえないから違法である旨主張する。しかしながら、類似業種比準価額は、評価通達6を適用した評価額及び当該協議の価格と著しくかい離しており、相続開始時における相続した株式の客観的な交換価値を示しているものとみることはできない。そうすると、相続した株式については、評価通達の定める類似業種比準価額を形式的に全ての納税者に係る全ての財産の価額の評価において用いるという形式的な平等を貫くと、かえって租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、評価通達の定める評価方法以外の評価方法によって評価すべき特別な事情がある。そして、当該協議の価格をもって、主観的事情を捨象した客観的な取引価格ということはできないのに対し、評価通達6を適用した評価額は、合理性があり相続税法第22条に規定する時価であると認められる。(令2.7.8仙裁(諸)令2-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和2年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件相続株式)の相続税評価額について、財産評価基本通達(評価通達)に定める類似業種比準価額(本件通達評価額)とすべきであり、原処分庁が、評価通達6を適用した評価額(原処分庁評価額)による更正処分は、①原処分庁評価額には合理性がない、②相続開始前における被相続人とA社との株式譲渡の協議に係る基本合意(本件基本合意)は株式の売買予約ではないため、本件基本合意による価格(本件基本合意価格)はのれん等の無形資産の価値が顕在化したことを示すものではなく、本件通達評価額との比較対象にはならない、③本件通達評価額と本件基本合意価格との間にかい離があることをもって特別の事情があるとはいえない、ことから違法である旨主張する。しかしながら、本件通達評価額は、原処分庁評価額及び本件基本合意価格と著しくかい離しており、相続開始時における本件相続株式の客観的な交換価値を示しているものとみることはできず、本件通達評価額が合理性を有するものと見ることはできない。そうすると、本件相続株式については、評価通達に定める評価方法を形式的に全ての納税者に係る全ての財産の価額の評価において用いるという形式的な平等を貫くと、かえって租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、評価通達の定める評価方法以外の評価方法によって評価すべき特別な事情がある。そして、本件基本合意価格は、主観的事情を捨象した客観的な取引価格ということはできないのに対し、原処分庁評価額は合理性があることから、本件相続株式の相続税法第22条に規定する時価は、原処分庁評価額であると認められる。したがって、評価通達6の適用は適法である。(令2.7.8仙裁(諸)令2-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300034
- 裁決年月日
- 平成30年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件相続株式)の評価に当たり、相続開始時に当該株式の発行会社との間で請求人が従前贈与を受けた株式(本件贈与株式)の名義書換に関する訴訟の係属中であり、旧株主が本件贈与株式に係る議決権を行使していたため、相続開始時において本件贈与株式を除く請求人の有する議決権の割合は5%未満であるから、本件相続株式は財産評価基本通達(評価通達)188(2)《同族株主以外の株主等が取得した株式》に定める株式に該当し、評価通達188−2《同族株主以外の株主等が取得した株式の評価》に定める評価方法(配当還元方式)により評価すべき旨主張する。しかしながら、名義の書換えが会社に拒絶されたことをもって直ちに株式取得者の株主としての権利が失われるものではなく、相続開始時において、請求人は本件贈与株式に係る議決権を有するから、請求人が有する議決権の割合は5%以上となる。したがって、本件相続株式は評価通達188(2)に定める株式に該当せず、配当還元方式によって評価することはできないから、評価通達180《類似業種比準価額》に定める価額によるべきである。(平30. 9.12 東裁(諸)平30-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290024
- 裁決年月日
- 平成29年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、遺贈により取得した取引相場のない株式を類似業種比準方式で評価するに当たり、評価会社が行った賃貸用建設機具の売却に係る売却益(本件売却益)は財産評価基本通達183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》(2)に定める1株当たりの利益金額の計算上、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額である固定資産売却益に該当する旨主張する。しかしながら、評価会社が賃貸用建設機具の賃貸事業を維持するためには、一定台数の賃貸用建設機具を保有するとともに、賃貸用建設機具の状態を適正に保つべく適時に入れ替える必要性から、毎期、継続してその取得と売却を繰り返しているところ、評価会社の賃貸用建設機具の賃貸収入の収益では新たな賃貸用建設機具の取得資金を賄える状況にはなく、本件売却益が賃貸用建設機具の賃貸事業を継続するための重要な収益力になっていたと認められることからすると、評価会社は賃貸用建設機具の売却による収益を見越した上で、賃貸用建設機具の取得と売却を賃貸用建設機具の賃貸と一体をなすものとして捉え、当該賃貸事業の一環として、反復継続して当該売却を行っていたものと評価するのが相当であるから、本件売却益は、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額に該当しない。(平29.11.20 関裁(諸)平29-24)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290004
- 裁決年月日
- 平成29年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式を類似業種比準方式で評価するに当たり、評価会社が行った賃貸用建設機具の売却に係る売却益(本件売却益)は、財産評価基本通達183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》(2)に定める1株当たりの利益金額の計算上、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額である固定資産売却益に該当する旨主張する。しかしながら、評価会社が賃貸用建設機具の賃貸事業を維持するためには、一定台数の賃貸用建設機具を保有するとともに、賃貸用建設機具の状態を適正に保つべく適時に入れ替える必要性から、毎期、継続してその取得と売却を繰り返しているところ、評価会社の賃貸用建設機具の賃貸収入の収益のみでは新たな賃貸用建設機具の取得資金を賄える状況にはなく、本件売却益が賃貸用建設機具の賃貸事業を継続するための重要な収益力になっていたと認められることからすると、評価会社は賃貸用建設機具の売却による収益を見越した上で、賃貸用建設機具の取得と売却を賃貸用建設機具の賃貸と一体をなすものとして捉え、当該賃貸事業の一環として、反復継続して当該売却を行っていたものと評価するのが相当であり、本件売却益は、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額に該当しない。(平29. 9.12 関裁(諸)平29-4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280051
- 裁決年月日
- 平成29年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、その譲渡した各土地について平成23年に締結した賃貸借契約(平成23年契約)が、平成6年に締結した賃貸借契約(平成6年契約)の内容を変更又は追加するものと解することができず、借地上の建物(本件旧建物)を取り壊した時点で当該借地に係る借地権も消滅することを併せ考えると、平成6年契約についてされた「土地の無償返還に関する届出書」(無償返還届出書)の提出(本件無償返還届出)の効力は失われているから、当該各土地の時価の算定に当たっては、平成23年契約に基づく借地権をしんしゃくすべき旨主張する。しかしながら、無償返還届出書が提出された土地上の借地権等には経済的価値がなく、そのような土地を地主が借地人に譲渡した場合には、その価額は更地価額によるべきことになるから、無償返還の届出の対象となっている土地の時価の算定に当たっては、借地権等の価額を控除すべきではない。そして、①譲渡契約時において平成6年契約の賃貸借期間は満了しておらず、②平成6年契約及び平成23年契約は、賃貸人及び賃借人を同じくするものであり、その対象となる土地の大半が重複しており、③本件旧建物が取り壊される以前に、借地人が転借人に転貸借に向けた取決めをし、④借地人は被相続人に当該各土地に係る転貸の承諾を得ていることなどからすると、平成6年契約は、当該譲渡時においても有効であったと認められ、平成23年契約は平成6年契約の内容に必要な範囲で一部追加、変更を加えたものとみるべきである。さらに、当該譲渡までの間に本件無償返還届出と異なる合意がされたとの事情もないから、本件無償返還届出は、当該譲渡時においても有効と認められ、借地借家法第7条《建物の再築による借地権の期間の延長》第1項の規定からも借地上の建物が滅失しても直ちに借地権が消滅するとは認められない。したがって、本件無償返還届出の対象となっている当該各土地の時価の算定に当たり、借地権等の価額を控除する必要はない。(平29. 6.27 関裁(諸)平28-51)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280051
- 裁決年月日
- 平成29年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》括弧書きに定める「通常の取引価額」について、①評価通達に基づき評価し、土地については当該価額を0.8で割戻し、建物については各評価額をそのまま用いる方法により算定した価額(評価通達を準用した価額)によるべきであり、②予備的に、請求人らが依頼した不動産鑑定業者作成の各鑑定評価書(請求人ら各鑑定評価書)の価額によるべきと主張する。また、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定業者作成の各鑑定評価書(原処分庁各鑑定評価書)の価額によるべきであると主張する。しかしながら、請求人らが主張する評価通達を準用した価額の算定には誤りがあり、また、原処分庁各鑑定評価書及び請求人ら各鑑定評価書には、合理性に疑いがあることから、本件各不動産の時価として採用することはできない。そこで、当審判所が不動産鑑定業者に対して本件各不動産の鑑定評価を依頼したところ、当該業者が作成した各鑑定評価書(審判所各鑑定評価書)の鑑定評価は、不動産鑑定評価基準に基づく手法により鑑定評価を行っていることが認められ、その他不合理である点が認められないことから、審判所各鑑定評価書は合理的であると認められる。したがって、本件各不動産の通常の取引価額は、審判所各鑑定評価書の各価額であると認められる。(平29. 6.27 関裁(諸)平28-51)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成29年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)について、①本件株式の発行会社(本件評価会社)の一部の株主が経営陣に議決権行使を一括委任しているとして、法人税法施行令第4条《同族関係者の範囲》第6項が適用される結果、経営者及びその同族関係者(経営者グループ)の議決権割合が50%を超えることから、請求人は財産評価基本通達(評価通達)188《同族株主以外の株主等が取得した株式》に定める同族株主以外の株主等に該当し、評価通達188−2《同族株主以外の株主等が取得した株式の評価》に定める評価方法(配当還元方式)で評価すべき旨、②仮に、法人税法施行令第4条第6項が適用されないとしても、本件評価会社の株式の保有形態は特異な事例と認定すべきであるから、原則的に評価通達188を適用せず、同通達に定める「同族株主」の趣旨に沿って請求人を同族株主以外の株主と判断し、配当還元方式で評価すべき旨、③配当還元方式で評価できないのであれば、売買実例価格をもって時価とすべき旨主張する。しかしながら、当該一部の株主は、経営者グループに属する者やその関連法人と相互に株式を保有していないこと、議案ごとに決裁を了した稟議書に従い議決権を行使していることなど、経営者グループに属する者との関係で、法人税法施行令第4条第6項に規定する「当該個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者」に該当せず、相続開始日において、本件評価会社に議決権総数が50%を超える議決権を有する株主グループは存在しない。したがって、本件株式は、評価通達188に定める同族株主以外の株主等が取得した株式には当たらず、配当還元方式で評価することはできない。なお、評価通達が同族株主の範囲を形式的に支配従属関係が及ぶ一定の範囲のものとし、画一的に同族関係者の範囲を定めているのは、課税実務上の迅速な処理の要請及び課税の公平の観点からむしろ合理的であり、請求人グループが本件評価会社の株式を多数保有しながら経営権がないなどの事情をもって、評価通達の定めに従った評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情とは認められない。また、請求人が主張する売買実例価格は、特定の少数株主を株式の取得者とする前提で、配当還元方式に依拠して算定されたもので、本件株式の客観的な交換価値を的確に表したものとは認められない。(平29. 1.26 熊裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280030
- 裁決年月日
- 平成28年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件法人では、株主から株式の買取り希望があった場合、特別の事情が認められない限り、本件法人の従業員持株会が定額で買い取る慣行があり、その買取価額が不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額(時価)であって、他方、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法による評価額は、時価と大幅に乖離した価額である旨主張する。しかしながら、請求人のいう「取引慣行」は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価、すなわち、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる客観的交換価値を基礎付ける取引事例ではないことが明らかであり、そのような取引事例があることをもって、評価通達の定める評価方法による評価額が時価を超えているということはできない。(平28.12.13 大裁(諸)平28-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280030
- 裁決年月日
- 平成28年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達188(2)《同族株主以外の株主等が取得した株式》(本件通達)に定める中心的な同族株主の判定基準は絶対的なものではなく、実質的な支配力等を考慮して判定することが許容され、本件法人は、現社長が同族関係者及びその他の友好的株主とともに中心的な同族株主グループを形成して会社経営の実権を掌握しており、当該グループが有する議決権の割合は本件法人の議決権総数の25%以上であるから、中心的な同族株主が存在することとなる旨主張する。しかしながら、本件通達に定める中心的な同族株主の存否の判定に当たり、本件通達に定める「同族株主の1人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族(これらの者の同族関係者である会社のうち、これらの者が有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である会社を含む。)の有する議決権の合計数」が「その会社の議決権総数の25%以上である場合」との判定基準を、当該明文に定められたところと別異に解すべき根拠はなく、請求人の主張するような見解によったときには、判定が恣意に流れ、納税者間の公平を害し、課税処理に混乱を来たすおそれがあり妥当ではない。そして、本件相続開始日において、本件法人に中心的な同族株主がいるか否かをみると、本件法人の同族株主の1人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族等から成る、最も多くの議決権を保有するグループの議決権の合計数は、本件法人の議決権総数の25%以上ではないから、本件法人に中心的な同族株主はいないものと認められる。(平28.12.13 大裁(諸)平28-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260052
- 裁決年月日
- 平成27年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集NO98
要旨
○ 請求人は、実父(父H)から贈与により取得した同族会社(本件同族会社)の株式(本件株式)の評価に当たり、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60直資2−58ほか)(60年通達)の6の注書及び「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」(昭和43直資3−22ほか)は、いずれも相続税の課税上のみの取扱いであるから、20%の借地権相当額を本件同族会社の純資産価額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、60年通達の6の注書は、生前贈与の場合にも及ぼすべきであると考えられるところ、より一般的にいうなら、同族会社の株式を贈与する同族関係者からみて、相当程度年下の第1順位の推定相続人が受贈者である場合には、当該会社に借地権が設定されている土地の所有者との関係次第で、60年通達の注書の取扱いにより借地権相当額を当該会社の純資産価額に算入すべき場合があるということになる。本件においては、本件株式の贈与者である父Hが所有する土地を、相当の地代を収受して父Hが同族関係者となっている本件同族会社に貸し付けている状況において、本件株式を同人の実子である請求人に贈与していることから、本件株式の評価に当たり、借地権の価額を本件同族会社の純資産価額に算入することは相当である。(平27. 3.25 大裁(諸)平26-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260053
- 裁決年月日
- 平成27年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実父(父A)から贈与により取得した同族会社(本件同族会社)の株式(本件株式)の評価に当たり、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60直資2−58ほか)(60年通達)の6の注書及び「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」(昭和43直資3−22ほか)は、いずれも相続税の課税上のみの取扱いであるから、20%の借地権相当額を本件同族会社の純資産価額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、60年通達の6の注書は、生前贈与の場合にも及ぼすべきであると考えられるところ、より一般的にいうなら、同族会社の株式を贈与する同族関係者からみて、相当程度年下の第1順位の推定相続人が受贈者である場合には、当該会社に借地権が設定されている土地の所有者との関係次第で、60年通達の注書の取扱いにより借地権相当額を当該会社の純資産価額に算入すべき場合があるということになる。本件においては、本件株式の贈与者である父Aが所有する土地を、相当の地代を収受して父Aが同族関係者となっている本件同族会社に貸し付けている状況において、本件株式を同人の実子である請求人に贈与していることから、本件株式の評価に当たり、借地権の価額を本件同族会社の純資産価額に算入することは相当である。(平27.3.25 大裁(諸)平26‐53)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250036
- 裁決年月日
- 平成26年1月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続時精算課税の適用を受ける被相続人から贈与により取得したB社株式(本件株式)の相続税の課税価格に加算すべき価額は、B社から被相続人に退職慰労金が支払われたことから、当該贈与の日の価額ではなく、被相続人の相続開始日における財産評価基本通達186《純資産価額計算上の負債》(3)の定めにより評価し直した価額である旨主張する。しかしながら、相続税法第21条の9《相続時精算課税の選択》第3項、同法第21条の10《相続時精算課税に係る贈与税の課税価格》及び同法第21条の15第1項の規定からすると、相続税の課税価格に加算すべき相続時精算課税適用財産の価額とは、贈与税の課税価格の計算の基礎となる当該財産の贈与時の価額によることとなるのであるから、被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税適用者である請求人が、被相続人から当該贈与によって取得した相続時精算課税の適用を受ける本件株式について、相続税の課税価格に加算すべき価額は、当該贈与が行われた日における価額となる。(平26. 1.10 大裁(諸)平25-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250002
- 裁決年月日
- 平成25年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らが相続により取得した同族会社の株式の価額を純資産価額により評価するに当たり、当該同族会社が相続開始前3年以内に取得した本件不動産(土地及び建物)の相続開始日における通常の取引価額に相当する金額について、原処分庁は、当該土地は路線価を0.8で割り戻した価額に基づき各種補正をした金額により、当該建物は固定資産税評価額により、それぞれ算定すべきである旨主張し、請求人らは、①原処分庁主張の本件不動産の各金額に当該建物の新旧賃貸料に基づく下落率を加味して算定した金額、②請求人らの依頼による鑑定評価額、③原処分庁算定による本件不動産の各金額に財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》及び93《貸家の評価》の定めと同様の減額の計算をした金額のいずれかである旨主張する。しかしながら、請求人ら主張については、①の金額は、新旧賃貸料に基づく下落率が本件不動産の価額の下落を示すものではないこと、②の鑑定評価額は、積算価格及び収益価格の算定並びに鑑定評価額の決定において合理性を欠くなどの問題点を有する鑑定評価に基づくものであること、③の金額は、本件不動産が相続開始日において現実に貸し付けられておらず、借家権の設定に伴う制約がなく貸家建付地及び貸家としての減額の必要性がないことから、いずれも、相続開始日における通常の取引価額とは認められない。また、原処分庁の主張については、当該建物の固定資産税評価額(固定資産評価基準に従って決定された価額)は、当該建物の相続開始日における通常の取引価額に相当する金額であると推認されるが、路線価を0.8で割り戻した価額に基づく金額は、間接的に求めた公示価格水準の価格に基づく金額であり、必ずしも当該土地の通常の取引価額を示すものではない。そこで、当該土地については、状況が類似する地域に存する公示地の公示価格を基に土地価格比準表により格差補正をした金額によることが相当であり、当該金額が当該土地の相続開始日における通常の取引価額に相当する金額となる。(平25. 7. 1 東裁(諸)平25-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240051ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成25年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価額を類似業種比準方式で計算するに際して、評価会社が出資した匿名組合契約(本件匿名組合契約)に係る損益のうちリース物件である固定資産の売却利益は、非経常的な利益に該当するから、「1株当たりの年利益金額」を算定する上で、これを控除すべきである旨主張する。しかしながら、匿名組合員は、匿名組合契約に基づいて分配された利益が営業者の行った営業のうち、いかなる取引に起因する利益として生じたものであるかを認識することは匿名組合契約の法的性格上あり得ないし、営業者が匿名組合の目的である事業の範囲に属する限りどのような取引を行うとしても、匿名組合員にとって出資に対する利益の額の分配であるという性格が異なることはないところ、本件匿名組合契約は、固定資産の所有、賃貸及び売却が一体となった契約であり、固定資産の売却は、匿名組合の目的である事業の内容として契約締結時に予定されていたものであるから、本件匿名組合契約における固定資産の売却は、匿名組合の目的である事業の遂行そのものであって、臨時偶発的なものとはいい難く、当該固定資産の売却に起因して生じた匿名組合の事業の利益も臨時偶発的なものとはいい難いことからすれば、評価会社が本件匿名組合契約に基づき営業者から受ける利益は、本件匿名組合契約に係る固定資産の賃貸(リース)から生じたものであると当該固定資産の売却により生じたものであるとを問わず、いずれも本件匿名組合契約の締結(取引)という評価会社自身の経常的な事業活動から生じた経常的な利益とみるべきである。したがって、「1株当たりの年利益金額」を算定する上で、本件匿名組合契約に係る固定資産の売却利益を非経常的な利益として除外すべきではない。(平25. 2.14 大裁(諸)平24-51)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240030
- 裁決年月日
- 平成25年1月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続により取得した取引相場のない株式の評価に当たり、当該株式に適用される類似業種の株価(本件類似業種の株価)について、平成18年分の「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」通達(株価通達)に定める株価と平成19年分の株価通達に定める株価との差異及び類似業種の株価と東証業種別株価指数の騰落率との相関関係から導かれる年度間の格差並びに平成18年分の株価通達における業種間の格差などの理由から、平成18年分の株価通達に定める本件類似業種の株価は不合理なものである旨主張する。しかしながら、本件相続は平成18年5月に発生したものであるから、本件相続があった年度と異なる年度の類似業種の株価をもって本件相続があった年度の類似業種の株価の合理性を判断することはできず、また、株価通達に定める類似業種の株価は、東京証券取引所に上場している会社のみを標本会社として算定されるものではないから、東証業種別株価指数の騰落率との相関関係が認められないことをもって株価通達が不合理であるということはできない。さらに、特定の業種の株価の状況をもって株価通達が合理性を欠くというべき理由はない。したがって、本件類似業種の株価は、平成18年分の株価通達に定めるものによるのが相当である。(平25. 1. 8 関裁(諸)平24-30)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240013
- 裁決年月日
- 平成24年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が退社した医療法人(本件医療法人)の出資持分(本件出資持分)の評価に当たり、請求人の退社当時、本件医療法人の定款(本件定款)は、払込済出資額を限度として払戻しを請求できる旨定め、その定めは、請求人の退社当時、社員の大半が出資持分を有していなかったことから、出資持分の割合に応じて出資の払戻しをする旨に変更される可能性はなかったなどとして、財産評価基本通達(評価通達)194−2《医療法人の出資の評価》の定める方法により本件出資持分を適切に評価することができない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、医療法の規定に照らせば、請求人の退社当時、本件定款を変更して、本件医療法人の財産全体につき自らの出資額の割合に応じて払戻し等をできる旨定めることは法的には可能であったものと認められるから、このような事情は、評価通達194−2の定める方法により本件出資持分を適切に評価することができない特別の事情には当たらない。(平24.11.27 広裁(諸)平24-13)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240007
- 裁決年月日
- 平成24年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社である本件会社の帳簿に記載がない元役員らに対する未払金等の債務を本件会社の負債の額に含めて、その一株当たりの純資産価額を計算すべき旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格の算定の際に控除すべき債務は、確実と認められるものに限られており、当該確実と認められる債務とは、債務が存在するとともに、債権者による請求その他により、債務者である被相続人の負担に帰すことが確実な債務であると解され、これは、取引相場のない株式の評価を行う際の純資産価額の計算においても同様であるところ、請求人の主張する元役員らに対する債務は、①商行為により生じた債務と認められること、②商法第522条《商事消滅時効》の5年の短期消滅時効の規定が適用されること、③時効中断事由があったとは認められないことから、遅くとも相続開始の年の前年中には既に消滅時効が完成していたものと認められる。したがって、当該元役員らに対する債務は、確実と認められる債務に該当せず、本件会社の株式の評価上、負債の額に含めることはできない。(平24.10.17 福裁(諸)平24-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、同族会社の株式の評価に当たり、当該同族会社が相続開始前3年以内に取得した借地権(本件借地権)の価額は、通常の取引額として、請求人らが依頼した不動産鑑定評価に基づく価額(本件請求人鑑定評価額)によるべきである旨主張し、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定評価に基づく価額(本件原処分庁鑑定評価額)によるべきである旨主張する。しかしながら、本件請求人鑑定評価額は、取引事例比較法による価額の算定において、①取引事例として採用したことに合理性がないものがあること、②補正が必要と認められるにも関わらず補正をしていない取引事例があること及び③標準価格から対象地の試算価格を求める際の個別格差率の算定が合理的でないことが認められ、本件借地権の時価を適切にに示しているものとは認められない。他方、本件原処分庁鑑定評価額も、上記①及び②と同様のことが認められるほか、取引事例比較法による比準価格と比較考量される収益還元法による収益価格の算定に当たり、不合理な点があることから、本件借地権の時価を適切にに示しているものとは認められない。そこで、いずれの不動産鑑定評価額も採用することができないので、当審判所において、本件借地権の通常の取引価額を検討したところ、本件借地権の存する地域の近隣地域及び同一需給圏内の類似地域においては、適切な補正や地域要因の比較及び個別要因の比較が可能である取引事例が限られ、多数の取引事例による比較考量が困難であるが、本件借地権の存する地域と状況が類似する地域には、公示地の公示価格及び基準地の標準価格が認められた。そして、当該公示価格及び当該標準価格の根拠となる規定内容からすると、これらの価格はいずれも、相続税法第22条《時価》に規定する時価と共に、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格、すなわち客観的交換価値をいうものと解することができる。したがって、本件借地権の価額については、当該公示価格及び当該標準価格を基礎として算定するのが相当である。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、借地権が設定されている土地について、「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合には、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達(相当地代通達)の5《「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の価額》により、当該土地に係る借地権の価額は零として取り扱われることとなるから、同通達の8《「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価》及び「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」通達により、当該土地を借り受けている同族法人の株式の評価上、当該土地の価額の20%に相当する金額は、同法人の純資産価額に含められるとしても、それは借地権の価額ではなく、財産評価基本通達189《特定の評価会社の株式》の(3)のイに定める土地保有割合を算定する際の「土地等の価額」には該当しない旨主張する。しかしながら、相当地代通達5及び8の取扱いは、借地権が設定されている土地を前提としており、設定された借地権の存在を否定することなく、課税の各場面における借地権の価額の多寡を定めているものであり、相当地代通達8により純資産価額に算入される自用地としての価額の20%に相当する金額を借地権以外の価額と解することはできず、また、当該20%に相当する金額を当該「土地等の価額」から除外するとの特段の定めもないことから、当該20%に相当する金額は、借地権の価額として当該「土地等の価額」に含まれるものと解するのが相当である。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達185《純資産価額》かっこ書の定め及び189−4《土地保有特定会社の株式又は開業後3年未満の会社等の株式の評価》の定めは、旧租税特別措置法第69条の4《相続開始前3年以内に取得等をした土地等又は建物等についての相続税の課税価格の計算の特例》の規定の廃止に伴いその根拠法をなくしたものであるから、これらの定めによる課税は何ら法律の根拠を有しないものである旨主張する。しかしながら、旧租税特別措置法第69条の4の規定は、一定の期間内に取得した土地等及び建物等の相続税の課税価格に算入すべき価額は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」かかわらず、「取得価額」によるとするものであるのに対して、財産評価基本通達185かっこ書の定め及び189−4の定めは、相続税法第22条の規定に基づいて「時価」を算定するものであり、旧租税特別措置法第69条の4の規定とはその趣旨や根拠を異にするものであって、相続税法第22条の「時価」を算定する方法として合理的な取扱いであると解される。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、請求人が相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価に当たり、本件株式の発行会社は、子会社の株式を保有しているところ、当該子会社は債務超過の状況にあるから、当該子会社の株式は債務超過の額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該子会社の株式は財産評価基本通達185《純資産価額》に定める純資産価額方式で評価するのが相当であるところ、同方式はストックとしての純資産及び清算時に株主が受け取る会社財産に着目した評価方法であるといえるため、同方式による評価額が零円を下回ることはないというべきである。したがって、当該子会社の株式は、零円で評価するのが相当である。(平24. 7.24 高裁(諸)平24-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240001ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、贈与を受けた本件株式の評価に当たって、財産評価基本通達185《純資産価額》に定める純資産価額方式の計算上、本件株式の発行会社である本件評価会社が行っている、いわゆるスワップ取引及びオプション取引(本件各取引)のうち、直前期末現在において金利支払日又は権利行使期日が未到来の取引(本件未到来取引)に係る各取引額相当額を、本件評価会社の資産及び負債に計上すべきである旨主張する。しかしながら、純資産価額方式の計算上、「評価会社の各資産」とは、課税時期において現実に評価会社に帰属していると認められる金銭に見積もることができる具体的な経済的価値を認識できる全てのものをいうと解され、また、「評価会社の各負債」とは、課税時期までに債務が成立し、その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生しているものをいうと解されるところ、本件各取引は、各金利支払日が到来して、又は権利行使期日にオプションが行使されて初めて、取得する財物の価格より支払う対価の額が少なければ利益又は純資産として、その逆であれば損失又は負債として、個々の取引の経済的価値が認識されるものであることからすると、本件各取引は、本件評価会社が取得する資産が米ドルであることから、金利支払日又は権利行使期日が未到来の各取引についてその価値を認識しようとしても、その価値は、認識しようとした時点の為替レートに基づいて仮に決済又は取引が成立した結果の理論値(予測値)としていわば抽象的に認識されるにとどまるほかなく、具体的な経済的価値を認識した、あるいは、確実な債務であるということはできないから、本件株式の純資産価額の計算上、本件未到来取引に係る各取引額相当額を「評価会社の各資産」又は「評価会社の各負債」に計上することはできない。(平24. 7. 5 福裁(諸)平24-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230195
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の本件相続開始日を含む事業年度は本件相続開始日の翌日に終了し、かつ、本件相続開始日及びその翌日は本件会社の定休日であるから、本件会社の本件相続開始日を含む事業年度は、事実上、本件相続開始日の前日に終了しているといえることなどから、本件会社の株式(本件株式)の時価は、本件相続開始日を含む事業年度の利益金額等の数値を基に財産評価基本通達(評価通達)180《類似業種比準価額》により計算した価額というべきであり、このことは、評価通達により難い特別の事情に該当する旨主張する。しかしながら、評価通達180に定める類似業種比準価額の計算において、評価会社の相続開始日の直前期の利益金額等の数値を用いることとしているのは、類似業種比準価額の計算に当たって比準する標本会社の利益金額等の算定時期と評価会社の利益金額等の算定時期を近づけることが、より適正な株価の算定を可能にすると考えられるからであるところ、本件相続税に適用される、取引相場のない株式の類似業種比準価額を評価する場合において比準する業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額及び純資産価額等を定めた「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」において基礎としている標本会社の事業年度は、本件会社の本件相続開始日の直前に終了する事業年度の末日の2か月後のものであることからすると、本件会社の利益金額等の数値についても、本件相続開始日の直前に終了した事業年度のものを用いることについて不合理な点は認められず、また、評価通達が行政の公平性を担保する一般的基準であることからすれば、請求人の主張する事情を評価通達により難い特別な事情と認めることはできない。(平24. 3.28 東裁(諸)平23-195)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230047
- 裁決年月日
- 平成23年9月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、評価会社であるJ社は、同族株主がおらず、また、J社の株主であるK社は請求人の同族関係者ではないから、請求人とその同族関係者の議決権割合が15%未満となるので、請求人が本件被相続人からの相続により取得したJ社株式(本件株式)は、配当還元方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、①K社の設立経緯、資産内容、人的・物的実体及び株主総会や取締役会の開催状況からすると、K社の出資者がJ社の経営や意思決定に関心や興味を有していたとは考え難く、また、②K社の出資者は、いずれもJ社の役員等であり、J社を退社した後は、K社の出資者たる地位を失うことになっていたこと並びにK社の出資者及び出資の譲受人は本件被相続人にその決定権があったものと認められることからすると、K社の出資者がJ社の代表取締役であった本件被相続人の意に沿った対応をすることが容易に認められること、③そして、K社は、本件被相続人死亡後開催されたJ社の取締役を選任する重要なJ社の株主総会において、K社が所有しているJ社の株式に係る議決権を、K社の出資者でも役員でもない請求人(本件被相続人の妻)に委任していることからすれば、K社は本件被相続人に代表されるJ社の創業家の強い支配下にあり、K社の出資者は、同社の意思決定を、いずれも、本件被相続人及び請求人に代表されるJ社の創業者一族の意思に委ねていたものと認められるから、K社の株主総会等における議決権の行使についても、J社の創業者一族の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意していた者と認めるのが相当である。そうすると、請求人は、法人税法施行令第4条《同族関係者の範囲》第6項の規定により、K社の株主総会において全議決権を有し、かつ、K社の唯一の出資者であるとみなされることから、同条第3項により、K社を支配していることとなって、同条第2項により、K社は請求人と特殊関係にある法人に該当するので、請求人の同族関係者に該当することとなる。そうすると、J社における請求人とその同族関係者の議決権割合は15%以上となるから、本件株式を配当還元方式で評価することはできない。(平23. 9.28 東裁(諸)平23-47)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220032ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引相場のない株式である本件株式の譲り受けについて、相続税法7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合−低額譲受》の適用上、本件株式の時価を財産評価基本通達185《純資産価額方式》に定める方法により算定するに当たり、本件株式の発行法人(本件法人)の有する建物(本件建物)及び土地(本件土地)の価額は、いずれも本件法人の帳簿価額とすべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達に定める評価方法は、合理性を有するものであり、これを適用して財産を評価することが著しく不適当と認められる特別な事情が存する場合を除き、これによるべきであるところ、本件建物を財産評価基本通達に則して評価した価額、つまり本件建物の固定資産税評価額は、固定資産算定基準に則って適正に算定しているものと認められ、客観的交換価値を正確に反映していると認められるから、本件建物について、上記にいう特別の事情があるとは認められない。また、地価公示地の価格は客観的な交換価値を示しているものと認められること及び不動産鑑定理論に基づき取引事例価格を基に算定された価額も客観的交換価値を示すものとして合理性があると認められるところ、これらの価格及び価額に基づく本件土地の価額は、本件土地を財産評価基本通達に則して評価した価額を上回ることからすれば、本件土地についても、上記にいう特別の事情があるとは認められない。したがって、本件建物及び本件土地の価額は、財産評価基本通達に定める評価方法による価額とするのが相当である。(平23. 6.30 札裁(諸)平22-32)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220030
- 裁決年月日
- 平成23年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 原処分庁は、医療法人K会の出資持分(本件出資持分)について、本件相続開始時点で本件被相続人名義でないものも存するが、実質的に支配・管理していたのは本件被相続人であるから、同人に帰属するのは910口である旨主張する。しかしながら、財産の帰属については、当該財産の名義のほか、運用状況・取得原資の出えん者と名義人及び管理運用する者との関係・贈与契約の有無等の諸要素を総合勘案して当該財産の実質的な帰属を判定すべきであり、私法上の行為によって当該財産の帰属が変更された場合、当該財産を取得した者は当該財産を自由に利用・処分することができるのであるから、総合勘案に当たっては、当該私法上の行為による担税力の変動を前提に課税関係を判定すべきであり、当事者の実体の伴わない意図で法律行為を行うなど、私法上も当該財産の帰属が変動しないと解すべき特段の事情のない限り、これを否定することは適切ではない。本件においては、K会の設立当初は、本件出資持分910口の全部が本件被相続人に帰属していたと認められるものの、その後、本件被相続人と各相続人との間で本件出資持分合計845口を贈与する旨の契約書が作成されており、当該契約書は真正に作成されたものと認められ、本件被相続人及び当該各相続人との間で実質的にも贈与契約に係る意思が存在していたと認められることから、当該贈与契約は有効に成立しているものと認められる上、当該贈与について社員総会の承認も得ていることからすると、本件出資持分845口については、当該各相続人に移転したと認めるのが相当である。これらのことからすると、本件相続開始時において本件被相続人に帰属する本件出資持分の口数は、65口(910口−845口)となる。なお、K会の定款の定めによれば、出資持分を有する社員は、退社により社員たる地位を喪失し、K会に対する出資持分を失うとともに、払込済出資額を限度とする出資金払戻請求権を取得することになるところ、当該各相続人は、いずれの者も本件相続開始前に退社していることからすると、当該各相続人は、本件相続開始時において、K会に対する出資持分を失っていることとなるから、本件相続開始時におけるK会の出資持分の総数は、本件被相続人が保有する65口となる。したがって、本件出資持分の評価は、本件被相続人が保有する65口を総口数として、財産評価基本通達194−2《医療法人の出資の評価》の定めにより評価することとなる。(平23. 6.28 広裁(諸)平22-30)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220011
- 裁決年月日
- 平成23年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人らは、出資額限度法人(定款において退社・解散時に払込出資額を限度として払戻し・分配等を行うことを決めた社団医療法人)であるT会(本件法人)に対する出資持分(本件出資持分)の価額について、本件法人の定款(本件定款)には、払込出資額を超えて払戻しをしないこと、本件法人が解散した場合の残余財産は払込出資額を限度とすることが定められており、請求人らはいずれの場合においても、払込出資額を超えて払戻し等を受けることはできないから、相続税法第22条《評価の原則》の時価、すなわち、本件出資持分の客観的交換価値は、本件払込出資額を上回るものではない旨主張する。 しかしながら、本件法人は出資額限度法人であるが、出資持分の定めのある社団医療法人であり、また、本件定款には払戻し等に係る定めの変更を禁止する条項が存するが、法令において、定款の再度変更を禁止する定めがない中では、このような条項があるからといって、法的に当該変更が不可能になるものではない。そうすると、本件出資持分の権利の内容の範囲については、本件相続時における定款の定めに基づく出資の権利内容がその後変動しないと客観的に認めるだけの事情はないといわざるを得ず、ほかに財産評価基本通達194−2《医療法人の出資の評価》の定める方法で本件定款の下における本件法人の出資を適切に評価することができない特別の事情も認められないから、本件出資持分について、同通達の定める方法により評価した原処分は相当である。(平23. 3.16 熊裁(諸)平22-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220103
- 裁決年月日
- 平成22年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続又は遺贈により取得した取引相場のない株式の価額を純資産価額方式で評価するに当たり、評価会社が課税時期前3年以内に取得した建物の価額を「通常の取引価額」により評価する旨定めた財産評価基本通達185《純資産価額》かっこ書は、個人が家屋等を直接所有している場合の評価方法(同通達89《家屋の評価》)や評価会社が相続開始の3年以上前に家屋等を取得した場合の評価方法と比較し、不平等であるから、同通達によらないことが正当と是認される「特別な事情」があるので、同通達89の定めにより評価すべき旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と是認される特別な事情がある場合とは、同通達により評価することが、明らかに財産の客観的交換価値から乖離した結果を導き、そのため、実質的な租税負担の公平を著しく害し、法の趣旨及び同通達の趣旨に反することとなるような事情がある場合をいうものと解されるところ、請求人らの主張は、財産の固有の事情を主張するものではなく、同通達の定めによる不平等・不合理を主張するものであるから、同通達の定めによらないことが正当と是認される特別な事情には当たらない。また、財産評価基本通達89の定めは、家屋の評価方法の一般原則を定めているものに対し、他方、同通達185かっこ書の定めは、株式の評価の一層の適正化を図る目的で定められたものであって、同通達185が同通達89と異なる定めとなっていることは合理的であるから、これを不平等であるとする請求人らの主張には理由がない。(平22.11.10 東裁(諸)平22-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220103
- 裁決年月日
- 平成22年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達185《純資産価額》かっこ書の定めは、旧租税特別措置法第69の4条《相続開始前3年以内に取得等をした土地等又は建物等についての相続税の課税価格の計算の特例》を根拠とするものであり、同条が廃止された今日ではその成立根拠を失っているから、時価主義を原則とする相続税法22条《評価の原則》に反する旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185かっこ書は、株式を評価するための会社の純資産価額の計算において、評価会社が所有する土地等及び家屋等の「時価」を算定する場合には、個人が所有する土地等及び家屋等の相続税法上の評価を念頭においた同通達14《路線価》に定める路線価等によって評価することが唯一の方法であるとは言えず、適正な株式評価の見地からは、むしろ通常の取引価額によって評価すべきであると考えられること、特に、課税時期の直前に取得又は新築し、実際の取引価額が明らかに分かっている土地等や家屋等についてまで、路線価等によって評価を行うことは、「時価」の算定上、適切ではないと考えられることによる。このような趣旨にかんがみれば、財産評価基本通達185かっこ書の定めは、株式の「時価」を評価するための会社の純資産価額の計算において、土地等又は家屋等の「時価」を算定する方法として定められたものであると解するのが相当である。これに対し、旧租税特別措置法第69条の4の規定は、土地等又は建物等の相続税の課税価格に算入すべき価額について規定したものである上、相続税法第22条に規定する「時価」にかかわらず「取得価額」によるとするものであるから、財産評価基本通達185かっこ書の定めと旧租税特別措置法第69条の4の規定はその制定根拠を異にしている。したがって、財産評価基本通達185かっこ書の定めは、旧租税特別措置法第69条の4が廃止された今日では成立根拠を失っているとの請求人らの主張には理由がなく、財産評価基本通達185かっこ書の定めは、時価主義の例外を規定したものではないから、相続税法第22条の規定に反しているとはいえない。(平22.11.10 東裁(諸)平22-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220021
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の出資持分である本件出資持分の時価を算定するに当たっては、本件会社が同族関係者のみで支配されている会社であるとはいえず、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は50パーセント未満であるから、財産評価基本通達185《純資産価額》ただし書のとおり、純資産価額の20%の評価減を適用すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185ただし書は、小会社の中には、複数の同族関係者グループが存在し、一同族関係者グループだけでは、会社を完全に支配できない場合もあることから、このような支配力の差を考慮する趣旨と解されるところ、これを本件会社の社員についてみると、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は48%であるものの、他に同族グループはないこと、及び他の52%を有する複数の出資者が本件出資持分を保有していたのは、有力な取引先との関係強化のためであると認められることからすれば、A社、B社及びその同族関係者が本件会社を実質的に支配していたというべきであり、このことは、本件出資持分を評価するに当たり、同通達によらないことが正当と是認されるような特別の事情に当たるというべきである。したがって、本件出資持分の価額を純資産価額方式で算定するに当たっては、財産評価基本通達185ただし書を適用しないこととするのが相当である。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220022
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与を受けたB社の出資持分である本件B出資持分の評価方法は、純資産価額方式によるべきであるが、その純資産価額は、評価明細書通達に則して、課税時期の直前期末現在において所有する資産及び負債の金額を基礎として算出すべきである旨主張する。しかしながら、評価明細書通達第5表の2の(4)は、評価会社の1株当たりの純資産価額の計算は、課税時期における各資産及び各負債の金額によることとしているが、評価会社が課税時期において仮決算を行っていないため、課税時期における資産及び負債の金額が明確でない場合において、直前期末から課税時期までの間の資産及び負債の金額について著しく増減がないため評価額の計算に影響が少ないと認められるときは「相続税評価額」は直前期末の資産及び負債の課税時期の相続税評価額、「帳簿価額」は直前期末の資産及び負債の帳簿価額を基として計算しても差し支えないこととして取り扱う旨定めているのであって、B社の場合、直前期末から課税時期までの間に、他社の出資持分を時価より著しく低い価額の対価により譲り受けることによって、資産の金額が著しく増加していると認められるから、本件B出資持分の評価に当たり、直前期末の資産及び負債の金額を基礎として計算することは相当でなく、課税時期において仮決算をした資産及び負債の金額を基礎として評価するのが相当である。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220022
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の出資持分である本件出資持分の時価を算定するに当たっては、本件会社が同族関係者のみで支配されている会社であるとはいえず、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は50パーセント未満であるから、財産評価基本通達185《純資産価額》ただし書のとおり、純資産価額の20%の評価減を適用すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185ただし書は、小会社の中には、複数の同族関係者グループが存在し、一同族関係者グループだけでは、会社を完全に支配できない場合もあることから、このような支配力の差を考慮する趣旨と解されるところ、これを本件会社の社員についてみると、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は48%であるものの、他に同族グループはないこと、並びに他の52%を有する複数の出資者が本件出資持分を保有していたのは、有力な取引先との関係強化のためであると認められることからすれば、A社、B社及びその同族関係者が本件会社を実質的に支配していたというべきであり、このことは、本件出資持分を評価するに当たり、同通達によらないことが正当と是認されるような特別の事情に当たるというべきである。したがって、本件出資持分の価額を純資産価額方式で算定するに当たっては、財産評価基本通達185ただし書を適用しないこととするのが相当である。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210168
- 裁決年月日
- 平成22年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、組合等の出資の評価について、財産評価基本通達が法人の種類ごとに評価方法を区分していることからすると、本件組合は事業協同組合であるから、同通達195《農業協同組合等の出資の評価》により評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達195が農業協同組合等に対する出資の価額について、原則として、払込済出資金額により評価する旨定めているのは、農業協同組合等は、その組合員及び会員のために最大の奉仕をすることを目的として事業を行い、営利を目的としてその事業を行ってはならないことから、その行う事業によって当該組合の資産が蓄積されることがなく、その財産は出資総額に近似することによるものと解されるところ、本件組合は、設立の基となった中小企業等協同組合法に違反し、営利事業(不動産賃貸)を継続して行ったことにより、組合の財産が増加しているものと認められるから、本件組合の出資については、財産評価基本通達195によると適正な時価を算定することができないため、同通達196《企業組合等の出資の評価》により純資産価額で評価するのが相当である。(平22. 6. 2 東裁(諸)平21-168)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210017
- 裁決年月日
- 平成22年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父A及び弟Bからの債務(以下「Aら債務」という。)及び本件被相続人に対する債権(以下「本件被相続人債権」という。)をC社の株式(以下「本件株式」という。)の評価における一株当たりの純資産価額の算定に反映させるべき旨主張し、Aら債務及び本件被相続人債権の存在を証する資料として、①本件被相続人とC社を当事者とする「契約書」と題する書面の写し、②「C社の横領の手口」と題する書面の写し、③「資金の流れ」と題する書面を当審判所に提出しているところ、これらの記載内容からは、Aら債務及び本件被相続人債権の存在を認めることができない。また、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、Aら債務については、①C社が保存していた平成13年10月24日付の振替伝票によれば、C社は同日にAら債務を清算しており、②C社の平成14年8月期から本件相続開始の日を含む平成19年8月期までの各事業年度の法人税の確定申告書及び同申告書に添付された勘定科目内訳書にはAら債務の存在が確認できる記載はない。そして、C社は、平成19年9月1日から平成20年8月31日までの事業年度の法人税の確定申告書において、Aら債務として前期末に未払金及び仮受金が存在していたとしているものの、前記②のとおり、平成19年8月期の法人税の確定申告書にはその記載がなく整合性がないことからすれば、このことをもって直ちに本件相続開始の日にAら債務が存在していたと認めることはできない。加えて、請求人が存在するとするAら債務について、C社がその存在を認識した後においても、Aら債務を支払った事実も認められず、他にAら債務が本件相続開始の日において存在していたことを認めるに足りる証拠もない。また、本件被相続人債権は、Aら債務の存在を前提として、C社の平成14年8月期に発生したというものであるところ、C社の平成14年8月期ないし平成19年8月期までの各事業年度の法人税の確定申告書及び同申告書に添付された勘定科目内訳書において、本件被相続人債権の存在が確認できる記載はなく、他に本件被相続人債権が本件相続開始の日に存在していたことを認めるに足りる証拠もない。したがって、これらの事実を総合すると、本件相続開始の日において、Aら債務及び本件被相続人債権が存在していたと認めることはできず、本件株式の評価において、Aら債務及び本件被相続人債権があるとして本件株式を評価する必要はないこととなる。(平22. 3.15 福裁(諸)平21-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210041ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件新定款は、拠出金払戻請求権及び残余財産分配請求権について、自らが拠出した範囲に限定していることからすると、本件医療法人は出資額限度法人と認められる。しかしながら、定款変更により、出資額限度法人へ移行したとしても、定款の後戻り禁止規定や医療法人の運営に関する特別利益供与の禁止が法令上担保されておらず、また、出資額限度法人の出資者は、通常の持分の定めのある医療法人との合併により、当該医療法人の出資者となることが可能であり、合併や譲渡の場合には、法人内に留保されている利益の多寡も大きな要素であることからすれば、定款の後戻り禁止規定等が法令上担保されていないこと等を併せ考慮すると、本件医療法人の拠出金の価額は、通常の出資持分の定めのある医療法人と同様に財産評価基本通達194-2の定めに従い評価すべきである。(平21.11.19 関裁(諸)平21-41)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210023ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成21年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、パチンコ景品卸売業を営むA社のたな卸商品の評価について、原処分庁が認定したたな卸商品の相続税評価額は、未使用景品の数量を過少に認定した結果、たな卸商品の相続税評価額が過大であり、株式の評価に誤りがあると主張する。しかしながら、A社の取り扱う特殊景品は、同社が準備した特殊景品が巡回する方式であり、既流通景品と未使用景品は、仕入価額が異なることから、区分されているべきところ、直前期末の貸借対照表には区別することなく全て景品交換業者からの仕入価額で計上されており、請求人が主張する数量の未使用景品が直前期末にあったと確認できる証拠は見受けられない。一方、原処分庁は、証拠がないことから異議調査時に確認した未使用景品の数量を直前期末の未使用景品の数量として株式の評価をすべきと主張するが、当審判所の調査によれば、直前期末において、原処分庁が主張する未使用景品の数量のほか、未使用景品があったことが確認できた。よって、当審判所の調査結果に基づきたな卸商品の相続税評価額を算定すると、原処分の課税価格及び贈与税額等は過大であり、その一部を取り消すべきである。(平21.10.19 関裁(諸)平21-23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年10月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、○○社が行う医療に直接関係する補助業務(以下「本件業務」という。)が、請負先の病院の部屋に○○社の従業員が常駐して継続的に行うものであり、病院という事業所の一部であることから「医療業」に該当し、類似業種比準価額計算上の業種目(以下「本件業種目」という。)に医療業がないことから、本件業種目は、「その他の産業(業種目番号118)」となる旨主張する。しかしながら、○○社が行う本件業務は、その作業請負契約等の内容からすると、いずれも、同法人が主として病院に対するサービスを提供していることから、類似業種比準価額により評価する場合の業種目は大分類サービス業となり、このサービス業は、中分類①ホテル・旅館業(業種目番号114)、②劇場・興行場経営業(業種目番号115)、③遊園地・遊戯場・競技場・その他の娯楽施設経営業(業種目番号116)及び④その他のサービス業(業種目番号117)に区分されているところ、本件業務が上記①ないし③に該当しないことが明らかであることからすれば、本件業種目は、「その他のサービス業(業種目番号117)」となる。なお、類似業種比準価額により評価会社の株式の価額を算定する場合における同価額計算上の業種目の判定は、事業所において行われている経済活動により判定することとなるところ、同一の構内において種々の経済活動が営まれている場合のこの事業所とは、経済活動を営む経営主体ごとに別区画とし、それぞれを一事業所として判定することとなる。そうすると、本件業種目については、○○社が営むその経済活動をそれぞれの事業所が独立して行っているとして判定することとなることから、たとえ、病院の構内でその業務が行われ、その業務がその病院に不可欠なものであったとしても、そのことをもって同法人が「医療業」を行っていると認めることはできないから、請求人の主張には理由がない。(平21.10. 5 福裁(諸)平21-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200018
- 裁決年月日
- 平成21年1月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・413ページ
要旨
○ 請求人は、本件相続の開始の際には、社員・役員全員の同意により出資持分権者がその有する請求人の出資持分を放棄することが決定済みで、その履行途中の段階にあったのであり、このような特別の放棄の意思決定及び特別の法的手続の拘束下にあり、不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれること自体が起こり得ない本件出資持分の価額は、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)に定める評価方法に基づいた評価額で評価すべきでなく、かかる取引が行なわれる場合に通常成立するとみられる価額は零円と評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達に定められた評価方法は合理的なものであり、これが形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平をも実現することができるといえるから、評価通達194−2に定める評価方法を適用したのでは適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるなど、評価通達194−2の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある場合を除き、評価通達194−2に定める評価方法により、取引相場のない株式に準じて評価することが相当であると認められるが、本件においては、このような特別な事情は認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-18)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200033
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父から贈与を受けたP国Q区所在のA社の出資(以下「本件出資」という。)に係る贈与税について、同社が出資するR市所在のB社が有する土地使用権等の資産(以下「本件各資産」という。)がP国政府による開発や整理に遭遇した場合、同国政府から何らの補償を得ることなく即日退去等ということがあるので、本件各資産の相続税評価額は零円として本件出資に係る課税価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件出資の贈与を受けた当時にP国において施行されていた土地○○法及び都市○○管理法は、法に従って登記された土地使用権は法律の保護を受ける侵害できない権利であり、土地使用権は譲渡及び抵当権設定が可能である旨規定していることに加え、本件各資産は、現にB法人の製造活動に使用され、又は使用されることが予定されているものであることからすれば、本件各資産に財産価値があることが認められ、本件各資産の相続税評価額については、財産評価基本通達5−2《国外財産の評価》等の評価方法に準じたものとして、課税時期の直前期末のB社の貸借対照表に記載された金額に基づき計算した金額とするのが相当である。(平20.12. 1 名裁(諸)平20-33)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200034
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、叔父から贈与を受けたP国Q区所在のA社の出資(以下「本件出資」という。)に係る贈与税について、同社が出資するR市所在のB社が有する土地使用権等の資産(以下「本件各資産」という。)がP国政府による開発や整理に遭遇した場合、同国政府から何らの補償を得ることなく即日退去等ということがあるので、本件各資産の相続税評価額は零円として本件出資に係る課税価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件出資の贈与を受けた当時にP国において施行されていた土地○○法及び都市○○管理法は、法に従って登記された土地使用権は法律の保護を受ける侵害できない権利であり、土地使用権は譲渡及び抵当権設定が可能である旨規定していることに加え、本件各資産は、現にB法人の製造活動に使用され、又は使用されることが予定されているものであることからすれば、本件各資産に財産価値があることが認められ、本件各資産の相続税評価額については、財産評価基本通達5−2《国外財産の評価》等の評価方法に準じたものとして、課税時期の直前期末のB社の貸借対照表に記載された金額に基づき計算した金額とするのが相当である。(平20.12. 1 名裁(諸)平20-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200035
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・368ページ
要旨
○ 請求人は、父から贈与を受けたP国Q区所在のH社の出資(以下「本件出資」という。)に係る贈与税について、同社が出資するR市所在のK社及びL社が有する土地使用権等の資産(以下「本件各資産」という。)がP国政府による開発や整理に遭遇した場合、同国政府から何らの補償を得ることなく即日退去等ということがあるので、本件各資産の相続税評価額は零円として本件出資に係る課税価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件出資の贈与を受けた当時にP国において施行されていた土地○○法及び都市○○管理法は、法に従って登記された土地使用権は法律の保護を受ける侵害できない権利であり、土地使用権は譲渡及び抵当権設定が可能である旨規定していることに加え、本件各資産は、現にK社及びL社の製造活動に使用され、又は使用されることが予定されているものであることからすれば、本件各資産に財産価値があることが認められ、本件各資産の相続税評価額については、財産評価基本通達5−2《国外財産の評価》等の評価方法に準じたものとして、課税時期の直前期末のK社及びL社の貸借対照表に記載された金額に基づき計算した金額とするのが相当である。(平20.12. 1 名裁(諸)平20-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200075
- 裁決年月日
- 平成20年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、同族会社の株式の評価に係る純資産価額の計算において、同法人がゴルフ練習場の敷地として借りている本件土地に係る賃借権は、その権利自体が経済性の乏しいものであるから、株式の評価に当たってその価額は零とすべき旨主張する。ところで、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(以下「相当地代通達」という。)8において、被相続人所有の同族会社の株式評価上、無償返還届出書の提出されている土地の20%に相当する金額(借地権の価額)は、同社の純資産価額に算入する旨定めているところ、この取扱いは、被相続人が、80%評価した土地を賃借している法人の同族関係者である場合においては、被相続人に係る相続税の課税上、当該土地の評価額が個人と法人を通じて100%顕在化することが課税の公平上適当と考えるからあり、当審判所においても相当と認められる。本件土地の評価においては、同族会社である本件会社の構築物等の設置による使用収益の制約について相当地代通達8の取扱いとの均衡を考慮し、自用地としての価額から、100分の20の減価を行っている。そうすると、本件株式の評価における純資産価額の計算では、相続税の課税上の公平を図るためには、相当地代通達8の取扱いに準じて、本件土地の自用地としての価額から減じた100分の20相当の価額を本件会社の資産として計上するのが相当である。(平20.11.13 東裁(諸)平20-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200065
- 裁決年月日
- 平成20年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・336ページ
要旨
○ 請求人らは、贈与により取得した本件株式の価額の算定に当たり、1株当たりの純資産価額を算出する際の営業権の評価について、財産評価基本通達165に定める営業権の評価方法は、営業権の持続年数、平均利益金額を求める期間、総資産価額に乗ずる率等その計算要素について補正が必要であり、所要の補正をした上で本件株式の価額を算出すると原処分庁が算定した本件株式の価額を下回るから、原処分庁が算定した本件株式の価額は時価を超え違法である旨主張する。 しかしながら、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある場合を除き、財産評価基本通達の定めに基づき評価した価額をもって時価とすることが相当であるところ、請求人らの主張する計算要素の補正については、補正すべき合理的理由は見当たらず、請求人らの主張する補正をした後の価額が本件株式の時価であるとはいえない。したがって、本件株式の価額の算定上、営業権の価額は、財産評価基本通達の定めに基づき算定することが相当と認められる。なお、本件株式の贈与者は、本件贈与の直前に本件株式を財産評価基本通達の定めに基づき算定した価額を大きく上回る価額で一部上場の会社に譲渡しており、本件贈与後においても、一部上場の会社は株式交換により本件株式を取得しているが、この際の価額も財産評価基本通達の定めに基づき算定した価額を大きく上回っている。これらの譲渡価額や交換価額は、それぞれの時点の本件株式の客観的交換価値を示している可能性が高いから、財産評価基本通達の定めにより算定した本件株式の価額が時価を上回っているとは認められず、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別な事情は認められない。(平20.10.23 東裁(諸)平20-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200020ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年7月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達に従い取引相場のない株式の純資産価額を算定するに当たり、評価会社が匿名組合契約に係る出資をしていた場合において、営業者の資産状況が貸借対照表上損失になっているときには、当該匿名組合契約に係る出資は価値がないので評価額は零円となる旨主張する。しかしながら、匿名組合契約継続中に匿名組合員が営業者に対して有する権利は、営業者に対する利益配当請求権と匿名組合契約終了時における出資金返還請求権が一体となった権利と認めることができることから、その価額は、出資金を含めた匿名組合契約に基づく営業者のすべての財産及び債務を対象として、課税時期において、その匿名組合契約が終了した場合に匿名組合員が分配を受けることができる清算金の額に相当する金額と解するのが相当である。そして、この清算金の額を算出するに当たっては、財産評価基本通達185の定めを準用するのが相当である。なお、この金額は匿名組合契約の営業者の企業会計上の純資産価額と一致しないが、これは、事業継続期間中においては、営業者がその所有する固定資産を時価換算しないことによる当然の結果である。(平20. 7.25 東裁(諸)平20-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200009
- 裁決年月日
- 平成20年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株式を相互に持ち合う大会社と中会社については、各会社の株式の原則的な評価方式より評価した価額をもって株式保有割合を算定すべきである旨主張する。しかしながら、株式保有特定会社の判定は、評価会社の有する各資産を財産評価基本通達の定めるところにより評価した価額の合計額のうちに占める株式等の価額の合計額である株式保有割合で判定する旨定められていることから、評価会社が所有する株式の評価額が明らかでないと、株式保有割合を算定することができないところ、本件における中会社は、その所有する大会社の株式を類似業種比準方式で評価した価額をもって株式保有割合を算定すると、株式保有割合が50%以上となる。そうすると、当該中会社については、株式保有特定会社に該当することが明らかである。そして、当該中会社が株式保有特定会社に該当することから、当該中会社の株式をもつ当該大会社の株式保有割合の算定に当たっては、当該中会社の株式の価額は、財産評価基本通達189?3の定める純資産価額又はS1+S2方式により評価した価額をもって算定するのが相当である。(平20.7.16 東裁(諸)平20-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200010ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、2以上の取引相場のない株式の発行会社が相互に株式を持ち合っている場合の株価の調整計算は、財産評価基本通達に定めのない事項であるから、原処分庁が自らこれを解釈して課税処分を行うことは違法である旨主張する。しかしながら、株式を相互に持ち合っている場合、純資産価額方式で評価しようとすると、相互に持ち合う株式の評価額が連鎖する関係にあることから、その調整を図る必要があると解され、その調整方法は、これらの会社の資産及び資本の関係を数式化し、この数式に基づき評価額を算定することとなるのであって、このような関係は、株式を相互に持ち合っている場合の資産及び資本の関係を矛盾なく合理的に分析することで容易に判断することができる。本件の場合、ともに株式保有特定会社に該当する大会社と中会社が相互に株式を持ち合っていることから、純資産価額方式又はS1+S2方式で評価することとなり、相互に持ち合う株式の評価額が連鎖するので評価額の調整計算が必要となる。(平20. 7.16 東裁(諸)平20-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株式を相互に持ち合う大会社と中会社については、各会社の株式の原則的な評価方式より評価した価額をもって株式保有割合を算定すべきである旨主張する。しかしながら、株式保有特定会社の判定は、評価会社の有する各資産を財産評価基本通達の定めるところにより評価した価額の合計額のうちに占める株式等の価額の合計額である株式保有割合で判定する旨定められていることから、評価会社が所有する株式の評価額が明らかでないと、株式保有割合を算定することができないところ、本件における中会社は、その所有する大会社の株式を類似業種比準方式で評価した価額をもって株式保有割合を算定すると、株式保有割合が50%以上となる。そうすると、当該中会社については、株式保有特定会社に該当することが明らかである。そして、当該中会社が株式保有特定会社に該当することから、当該中会社の株式をもつ当該大会社の株式保有割合の算定に当たっては、当該中会社の株式の価額は、財産評価基本通達189−3の定める純資産価額又はS1+S2方式により評価した価額をもって算定するのが相当である。(平20. 7.16 東裁(諸)平20-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190221
- 裁決年月日
- 平成20年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・594ページ
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達に定める類似業種比準価額を算定する場合の「評価会社の1株当たりの年利益金額」を算出するに当たって、匿名組合契約に基づいて分配を受けたリース事業に係る最終分配金額は非経常的利益に該当するため、これを控除すべきである旨主張する。しかしながら、「評価会社の1株当たりの年利益金額」を算定するに当たっては、法人税の課税所得金額をその基礎とすることについては合理性があり、また、非経常的な損益か否かについては、法人の事業の内容、その利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮して判断するのが相当であるところ、匿名組合契約に係る損益については、①法人税の取扱いでは、営業者の計算期間の末日の属する匿名組合員の各事業年度の益金の額又は損金の額に算入することとされること、②匿名組合契約が存続する限り定期的に発生すること、③発生の源泉が異なるという性質を持っているとしても、リース事業は、リース物件の所有、賃貸及び売却が一体となった事業であるから、その一部分を取り出して非経常的な損益とすべき理由は見当たらないことから、そのすべてを経常的な損益とみるべきである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 6.26 東裁(諸)平19-221)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・481ページ
要旨
○ 原処分庁は、借地権の無償設定により同族会社の出資者である請求人が受けたとみなされる経済的利益の計算をするに当たり、当該同族会社の出資1口当たりの純資産価額を算定する場合には、当該同族会社が取得した借地権の価額は、財産評価基本通達185かっこ書きの定めを適用し、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によるべきである旨主張する。 しかしながら、評価会社が課税時期の直前に取得した土地等の評価については通常の取引価額によることが合理的であるとの同かっこ書きの趣旨に照らせば、本件のように同族会社に対し無償で財産の提供があり、その時に当該同族会社の出資者が当該財産を提供した者から贈与があったとみなされる場合には、同かっこ書きを適用することは予定されていないと解され、このことは同かっこ書きの「課税時期前3年以内に取得した土地及び土地の上に存する権利等」との規定振りからも明らかである。さらに、相続税法第9条の規定の趣旨が、法律上は贈与契約による財産の取得ではなくとも対価を支払うことなく実質的に贈与と同様の経済的効果が生じる場合には税負担の公平の見地からその経済的利益の価額を贈与により取得したものとみなして贈与税を課税するという点にあることに照らせば、個人が直接贈与により土地等を取得した場合には路線価等により評価し、法人が贈与により土地等を取得し当該法人の株主等にみなし贈与が発生する場合には同通達のかっこ書きを適用して通常の取引価額に相当する金額で評価するとすれば、それぞれの価額が異なることとなり合理的ではないことからも、同通達のかっこ書きの定めは適用しないとするのが相当である。(平20. 5.30 高裁(諸)平19-21)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、借地権の無償設定により同族会社の出資者が受けたとみなされる経済的利益の計算をするに当たり、当該同族会社の出資1口当たりの純資産価額を算定する場合には、当該同族会社が取得した借地権の価額は、財産評価基本通達185かっこ書きの定めを適用し、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によるべきである旨主張する。しかしながら、評価会社が課税時期の直前に取得した土地等の評価については通常の取引価額によることが合理的であるとの同かっこ書きの趣旨に照らせば、本件のように同族会社に対し無償で財産の提供があり、その時に当該同族会社の出資者が当該財産を提供した者から贈与があったとみなされる場合には、同かっこ書きを適用することは予定されていないと解され、このことは同かっこ書きの「課税時期前3年以内に取得した土地及び土地の上に存する権利等」との規定振りからも明らかである。さらに、相続税法第9条の規定の趣旨が、法律上は贈与契約による財産の取得ではなくとも対価を支払うことなく実質的に贈与と同様の経済的効果が生じる場合には税負担の公平の見地からその経済的利益の価額を贈与により取得したものとみなして贈与税を課税するという点にあることに照らせば、個人が直接贈与により土地等を取得した場合には路線価等により評価し、法人が贈与により土地等を取得し当該法人の株主等にみなし贈与が発生する場合には同通達のかっこ書きを適用して通常の取引価額に相当する金額で評価するとすれば、それぞれの価額が異なることとなり合理的ではないことからも、同通達のかっこ書きの定めは適用しないとするのが相当である。(平20. 5.30 高裁(諸)平19-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成18年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・589ページ
要旨
○ 請求人らは、定款において退社・解散時に払込出資額を限度として払い戻すことを定めた医療法人(以下「出資額限度法人」という。)の出資持分の価額については、①医療法人は非営利法人であり営利法人とは異なること、②財産評価基本通達194-2に定める評価方法は出資額限度法人でないことを前提としたものであること、③出資限度額法人が出資持分の定めのある社団たる医療法人へ移行(後戻り)すること(以下「本件移行(後戻り)」という。)は厚生労働省医政局長から適当でない旨の通知により事実上禁止されており、本件移行(後戻り)を禁止している定款規定の変更を行う際に必要な知事の認可を受けることができないことから、同通達194-2による評価は著しく不適当であり、払込出資額によるべきである旨主張する。 しかしながら、①医療法人は、医療法で剰余金の配当を禁止しているものの、一般の営利法人とその性格を異にするものではなく、医療法人の出資の価額を取引相場のない株式の評価に準じて評価することについて特段の不合理は認められないこと、②同通達194−2は、出資額限度法人でないことを前提とした通達ではなく、また、同通達は合理的であると認められること、③厚生労働省医政局長通知には、本件移行(後戻り)をすることは適当でない旨の記載はあるが、禁止する旨の記載はなく、その通知の基となった厚生労働省医政局長から国税庁課税部長への照会文書は、本件移行(後戻り)ができることを前提としており、また、医療法その他関係法令上、これを禁止する規定がないことからすれば、本件移行(後戻り)をすることが絶対的な拘束力を有して禁止されるものとは認めることができず、医療法第50条によりその手続が法令又は定款に違反しない限り定款の変更も可能であると認められることから、本件法人の出資持分の価額について同通達194−2に基づき評価した原処分は相当である。(平18.11. 8 福裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180012
- 裁決年月日
- 平成18年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の1株当たりの純資産価額を計算する場合の家屋の価額について、固定資産税評価額は税法の耐用年数と異なる経過年数によって算定されているなど相続税法にいう時価から乖離しており、また、本件建物の雨漏り等の状況が評価額に反映されていないことから、固定資産税評価額によらずに帳簿価額によって評価すべきである旨主張する。 しかしながら、固定資産の価格である適正な時価とは、正常な条件の下において成立する取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうものと解され、また、固定資産評価基準が採用している再建築価格方式は、再建築費を適切に算定することができない特別の事情等が存しない限り、家屋の適正な時価であると推認することができ、家屋の客観的な交換価値の算定方法として一般的な合理性を有するということができるから、財産評価基本通達による家屋の価額は、これにより決定された固定資産税評価額に基づき評価することとされているのであって、その評価額は、相続税法にいう時価に合致するものである。 そして、再建築価格方式の経過年数は、税法上の耐用年数と趣旨・目的を異にするものであり、また、本件建物に係る雨漏り等による損耗については、通常の維持管理を行っている場合の損耗度を超える状況にあったことを認めるに足りる証拠がなく、固定資産評価審査委員会に対する審査の申出もないから、請求人の主張は採用できないから、1株当たりの純資産価額を計算する場合の家屋の価額は、固定資産税評価額により評価するのが相当である。(平18.11. 6 金裁(諸)平18-12)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成18年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、類似業種比準方式における評価会社の①1株当りの配当金額、②1株当りの利益金額及び③1株当りの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)の各比準数値について、本件課税時期における評価会社の経営状態及び財産内容は、課税時期の直前に終了した事業年度より課税時期の属する事業年度の方が実態を的確に反映しているから、課税時期の属する事業年度の直前期末の数値ではなく、課税時期の属する事業年度末の数値を採用して類似業種比準価額を計算すべきである旨主張する。 しかしながら、請求人が主張する法人の各営業期の業績の良否は、企業活動の通例であり、本件株式の評価に当たり、財産評価基本通達に定める評価方法を適用することが著しく不合理であるとする特別な事情に該当するとは認められず、さらに、請求人の場合、贈与税の法定申告期限までに、請求人が主張する課税時期の属する事業年度末の数値を採用し類似業種比準価額を算定することは不可能であるから、請求人の主張は合理性を欠いた独自の見解というべきであって採用することはできない。(平18. 8. 1 金裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件法人税調査の結果に基づき行われた本件法人税更正処分は違法であるから、これを基礎としてなされた本件株式の評価額は誤りであり、この評価額に基づいて行われた本件更正処分は違法である旨主張する。 しかしながら、財産評価基本通達に基づいて株式を評価する際の比準要素である所得金額等は、当該法人の所得金額等であり、この所得金額等には、行政処分である税務署長の更正・決定に係る所得金額等も含まれる。 そして、行政処分である更正・決定といった課税処分がなされると、課税処分は、当然無効の場合を除くほか、正当な権限を有する行政機関又は裁判所により取り消されるまでは、相手方はもとより一般第三者も国家機関もこれを有効なものとして取り扱わなければならない。 そして、課税処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な暇疵が存することを要すると解される。 これを本件についてみると、本件法人税更正処分に重大かつ明白な瑕疵が存することについて、請求人は、具体的な事実の主張をせず、当審判所の調査の結果によっても、瑕疵が存することは認められないから、本件法人税更正処分等が当然無効であるとはいえない。 そうすると、本件審査請求において、本件法人税更正処分については、請求人も当審判所もこれを有効なものとして取り扱わなければならないこととなるから、本件更正処分の違法を理由とする請求人の主張は採用できない。(平18. 5.24 名裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170049
- 裁決年月日
- 平成18年5月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式の評価に当たり、類似業種比準方式による1株当たりの利益金額及び純資産価額の計算上、本件退職金等に相当する額を評価会社の課税時期の直前期の法人税の課税所得金額等から控除すべきであるのに、控除しないことは実質的な二重課税であると主張する。 しかしながら、類似業種比準方式は、類似業種の株価に評価会社の標本会社に対する各要素の比準割合等を乗じて、評価会社の1株当たりの比準価額を算出する方式であり、この比準割合の基となる各要素の数値は、標本会社及び評価会社ともに課税時期の直前期又は直前期末以前の決算数値を使用して算定することとされているところ、評価会社において課税時期後に確定した本件退職金等を、課税時期の直前期の法人税の課税所得金額等から控除することは、標本会社と評価会社の比準要素の同質性を失わせることになるから、請求人の主張は認められない。(平18. 5. 2 大裁(諸)平17-49)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・606ページ
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式の価額は、評価会社が土地の収用等に伴い取得した代替資産については、租税特別措置法第64条の2の規定を適用したことにより算定される圧縮記帳後の価額を、上場会社の発行した非上場の無額面株式については、当該上場会社の一般の株式と同様に評価した価額をそれぞれ基にして算定すべきである旨主張する。 しかしながら、当該代替資産に係る圧縮記帳後の価額は、法人税に関する法令の規定を適用する場合のものであること等から、これをもって客観的な交換価額であると認めることはできず、また、当該無額面株式の価額を、その払込金額と同額とすることは相当と認められるから、これらの点に関する請求人らの主張にはいずれも理由がなく、原処分は適法である。(平18. 4.11 札裁(諸)平17-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170043
- 裁決年月日
- 平成18年3月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が非上場株式の売買契約を締結し、当該株式の引渡しを受ける前に死亡したため、相続開始時においては、株式に係る権利関係がいまだ確定していないものであるから、相続財産は、株式ではなく、債権(株式引渡請求権)であるとした上で、債権としての評価に関する定めである財産評価基本通達204を準用し、その評価額を売買代金と同額であるとした。しかしながら、株式引渡請求権と株式の法的性格が異なることは、原処分庁の主張するとおりであるが、株式引渡請求権の相続財産としての経済的価値は、引渡しの対象である株式の価値と異なるところはないというべきであるから、株式引渡請求権の価額の評価方法も、引渡しの対象である株式の評価方法に準じるのが相当である。そして、財産評価基本通達は、取引相場のない株式を上場株式及び気配相場等のある株式とは区別し、評価会社の規模、業種、株主の実態等に応じて別の評価方法を定めているが、こうした評価方法は、当審判所においても合理的なものと認められるので、取引相場のない株式の価額は、財産評価基本通達によらないことが正当として是認され得るような特別な事情がある場合を除き、その定めるところにより評価するのが相当である。(平18.3.22名裁(諸)平17-43)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成18年3月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、採石業を営む評価会社に対する出資の評価に当たり、同社が法人税基本通達2−2−4に基づき未払金に計上している採石跡地の埋戻しに要する費用(以下「本件埋戻費用」という。)は、本来、採取及び販売の終わった後における事後的費用であり、あくまでも見積計上であるから、純資産価額計算上の負債には当たらない旨主張する。しかしながら、評価会社と採石地の所有者との間に埋戻しを条件とする採石契約が締結されており、採石法第8条により採石後の土地については原状回復等の義務が課されるから、評価会社は、採石地の所有者に対して埋戻し義務(債務)を負っていることが認められる。そして、評価会社は、M地方振興局長から「採取計画認可申請書」に記載されている方法に従い操業することを指示されているほか、S町長からS町環境保全条例の規定による基準の審査を受けた後、地域住民に対して採掘後は県道の高さまで埋め戻す旨説明していることからすると、評価会社は、採石地の所有者に対して埋戻しをしなければならないという債務を負っていることに加え、法的にその債務の履行が義務付けられ、社会生活上及び営業継続上からもその履行を避けることができない状況下にあることが認められるから、本件埋戻費用(本件相続開始日現在において埋め戻すとした場合に要する費用に限る。)は、債務の存在と履行の確実性の観点から相続税法上の「確実と認められる債務」であると判断するのが相当であり、評価会社の1口当たりの純資産価額の計算上、負債として資産の金額から控除すべき債務と認められる。(平18.3.10仙裁(諸)平17-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170025ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した株式の発行会社に対する法人税の更正処分は違法であるから、当該更正処分に係る所得金額等に基づいた評価額によるべきであるとしてなされた贈与税の本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達に基づいて株式を評価する際の比準要素である所得金額等は、当該法人の所得金額等であり、この所得金額等には、行政処分である税務署長の更正・決定に係る所得金額等も含まれる。そして、行政処分である更正・決定といった課税処分がなされると、課税処分は、当然無効の場合を除くほか、正当な権限を有する行政機関又は裁判所により取り消されるまでは、相手方はもとより一般第三者も国家機関もこれを有効なものとして取り扱わなければならず、また、課税処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な暇疵が存することを要すると解される。これを本件についてみると、法人税更正処分に重大かつ明白な瑕疵が存することについて、請求人は、具体的な事実の主張をせず、当審判所の調査の結果によっても、上記のような瑕疵が存するとは認められないから、法人税更正処分等が当然無効であるとはいえない。そうすると、本件審査請求において、法人税更正処分については、請求人も当審判所もこれを有効なものとして取り扱わなければならないこととなるから、法人税更正処分の違法を理由とする請求人の主張は採用できない。(平17.11.15名裁(諸)平17-25)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成17年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・353ページ
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式を類似業種比準方式により行うに当たって、1株当たりの配当金額及び利益金額を最大限5事業年度までさかのぼって算定すべき旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達における類似業種比準方式は、株式の価格形成の基本要素として考えられている3要素(配当金額、利益金額、純資産金額)を比準要素とし、標本会社の数値と評価会社の数値を同一の基準により算定するなど所定の措置を講じることにより、評価上の恣意性の排除、評価の統一性、画一性、安定性の担保に配意したものであるところ、評価会社の数値のみを課税時期の直前5年間の業績を基に算定するとすれば類似業種比準方式の合理性自体が失われるおそれがある等のため、請求人の主張には理由がない。(平17.10.4広裁(諸)平17-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の関係会社の株式評価額は1株当たりの残余財産の分配額に基づき申告しているが、関係会社が相続開始前に解散し清算中であることを理由に、その評価額は零円である旨主張する。しかしながら、関係会社の清算結了の申告書によれば、残余財産についての分配額があり、当該分配額は、いずれも相続開始後6か月までに分配がされているので、申告している関係会社の株式評価額は、時価として適正なものであると認められるから、請求人らの主張には理由がない。(平17.5.17大裁(諸)平16-84)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平160010
- 裁決年月日
- 平成17年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、増資の際に受贈した本件株式については財産評価基本通達168にいう新株引受権が発生しているが、当該新株引受権については、増資決議後に行われた本件株式の贈与後の保有株式数に対して割当てたのであるから、新株式の割当ては、保有株式数に対する1対1の株主割当てと同様になり、相続税法第9条でいう利益は受けていない旨主張する。しかしながら、取締役会や臨時株主総会において、請求人らがその時点で保有していた株式の割合を超えて新株式の割当てがされることで承認可決があり、その承認可決のまま、事後の手続がされているのであるから、当該承認可決の際に保有していた割合を超える部分の新株に係る引受権については、その評価額に相当する金額のうち払込金額を超える部分の金額について利益を受けたものと認めるのが相当である。(平17.2.3札裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150079
- 裁決年月日
- 平成16年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・696ページ
要旨
○ 取引相場のない株式の課税時期における1株当たりの純資産価額の計算を行う場合、退職手当金等も弔慰金も、課税時期、すなわち相続開始時において確定している債務ではないから、本来、評価会社の純資産価額を算定するについての負債とはならないものであるが、退職手当金等については、相続税法第3条第1項第2号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税価格に算入されて相続財産として課税されるため、負債に計上しなければ相続税において実質上の二重課税が生じることになるため、財産評価基本通達186において、負債に含まれるものとして取り扱われているもので、弔慰金は、退職手当金等と異なり相続財産とはみなされず、実質上の二重課税とはならないので、弔慰金を負債に算入する必要はない。(平16.4.22大裁(諸)平15-79)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150052
- 裁決年月日
- 平成16年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・679ページ
要旨
○ 請求人は、相続により取得したA株式及びB株式(いずれも取引相場のない株式)は、取得時点で既に合併契約及び株式交換契約が締結されているものであるところ、A株式及びB株式の価額は、合併及び株式交換の相手会社のC株式(店頭登録株式)の相続開始時の取引価格を基にそれぞれ合併比率及び株式交換比率を適用して合理的に算定することができるから、本件は、財産評価基本通達で定められた評価方式により難い特別の事情がある旨主張する。しかしながら、一般に、合併若しくは株式交換の一方の当事者が非上場会社である場合、当事者は、まず、当該非上場会社の株式を評価し、その価額を算定した上で、相手会社の市場価格(取引価格)と比較するなどして合併比率若しくは株式交換比率を算定することとなるが、この場合に、非上場株式の価額を算定する目的は、客観的交換価値を算定するためのものではなく、あくまでも合併比率若しくは株式交換比率を算定するためのものであり、評価時点における当事者の思惑が介在する余地も考えられるから、このようにして算定された合併比率若しくは株式交換比率が必ずしも純粋に株式の時価を反映しているとはいえないし、また、合併比率若しくは株式交換比率に沿った価額で株式の取引がなされるとも言い得ない。本件においては、合併比率若しくは株式交換比率を算定するに当たって採用した株式の評価方法について、純資産価額方式における評価時点や純資産価額方式と市場価額方式の比準割合などに問題があり、算定された価額が適正に時価を示していると評価し得るか疑問があるから、これにより算定された本件合併比率及び本件株式交換比率も、適正に時価が反映されたものとも言い切れず、また、合併比率及び株式交換比率に市場が従うとも限らないと認められるから、請求人の主張する評価方式が、財産評価基本通達による以上の合理性があるとも、同通達により難い特別の事情があるとも認められない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.3.30広裁(諸)平15-52)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・633ページ
要旨
○ 原処分庁は、一株当たりの年配当金額の計算について、直後期の普通配当が直前期の特別配当と普通配当を合計した金額と同額であること等から、特別配当を普通配当に含めて算定すべきである旨主張する。しかしながら、直後期の配当金額が同額であること等をもって、直前期の特別配当を普通配当に含めなければならないとの判断は相当ではなく、株式の評価会社は、従来から同額の普通配当を行っており、合併を奇貨として特別配当を行ったとしても不合理であるとはいえないから、原処分庁の主張は採用できない。また、請求人らは、一株当たりの年利益金額の計算について、修正申告ではないとの理由で直前期の年利益金額により計算しているが、財産評価基本通達183(2)の定めにより、直前々期の年利益金額も合せた平均の金額によるべきである旨主張する。しかしながら、同183(2)は、いずれか低い金額によるべきである旨の定めではなく、原則的に直前期の年利益金額による旨定めており、また、直前期の年利益金額によりがたい個別事情等も認められないから、請求人らの主張は採用できない。(平16.3.23熊裁(諸)平15-19)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・633ページ
要旨
○ 請求人らは、株主の保有する取引相場のない株式の評価方法を財産評価基本通達188の規定に基づいて判定(株主区分の判定)するに当たり、単位未満株式の取扱いが、同188の規定の適用上、発行済株式数から控除すべき株式を定めた同188−3及び188−4に含まれていないから、同188において発行済株式数から単位未満株式を控除せずに、その判定をすべきである旨主張する。しかしながら、株主区分の判定については、株式の保有割合を基として会社支配の可否を基本的な考え方としているから、商法第240条が株主総会の決議要件である発行済株式数に議決権のない株式等を算入しない旨を規定していることと符合させたものと解することが相当である。そうすると、同178における原則的な評価方法に対して設けられた同188の特例的評価方法についても、会社支配に関係する株式について比較すべきであり、株式の保有割合を判定する場合における発行済株式数についても、議決権を有しないこととされる株式及び議決権のない株式は、当然に含まれないと解すべきものである。したがって、同188の判定において、単位未満株式については、発行済株式数から除外すべき株式を定めた上記各通達に含まれていないから、発行済株式数から控除すべき株式ではないと限定的に解するのではなく、議決権のない株式であることから控除すべきであり、請求人らの主張は採用できない。(平16.3.23熊裁(諸)平15-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150146
- 裁決年月日
- 平成16年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、類似業種比準価額に係る類似業種の前年平均株価を課税時期の属する年分の前年の業種目別株価表の1月分から12月分までの単純平均値で求めるべきである旨主張する。しかしながら、業種目別株価表は、課税時期における評価会社の実態に即した比準価額を求めるように、前年平均株価、各月の株価、配当金額、利益金額及び簿価純資産価額を定めたものであるところ、請求人が主張するように前年平均株価を1月分から12月分までの単純平均値とすることは、課税時期の属する年分の標本会社に係る配当金額、利益金額及び簿価純資産価額とその前年分の標本会社に係る株価によって類似業種比準価額を計算することとなり、このことは、異なる標本会社に係る各数値で計算されることから、統一性に欠け、その計算された数値は評価会社の実態に即したものとは認められない。したがって、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平16.1.20東裁(諸)平15-146)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、賃借権に市場性はなく、また、本件土地の地域は、賃借権の取引価格が成立しない地域と判断されるから、同族法人が駐車場用地として被相続人から賃借している土地に係る賃借権は、同族会社の出資金の評価上、資産として計上する必要はない旨主張する。しかしながら、雑種地に係る賃借権は、借地借家法によって保護される借地権と比較するとその財産価値は低く、また、多種多様であるから、借地権のように同一需要圏内の類似地域における取引慣行とその成熟の程度等を考慮して、その地域における借地権割合を求めるというようなことはできないが、一般に雑種地に係る賃借権も財産的価値を有し、これを譲渡することができるものとされていることから、財産評価基本通達87は、雑種地に係る賃借権の価額は、原則として、その賃貸借契約の内容、利用状況等を勘案して個々に評価することとしている。したがって、市場性がないあるいは乏しいことから、賃借権の取引価格は成立しないので賃借権に経済的価値がないとする請求人らの主張には理由がない。(平15.03.25.仙裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140215
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件法人の出資の評価について、①監督官庁の認可を経て変更した定款は効力のあるものであるから、定款に定められた方式により評価すべきであり、②東京地裁八王子支部判決及び同事件の所轄税務署は、出資額限度方式に変更した定款に基づく評価を認容しており、方式の違いはあっても変更した定款による評価は認められるべきである旨主張する。しかしながら、①変更された定款において、運用財産をもって分配するとした定めのほかにも出資持分に関する定めがあるから、これらの定めを総合して相続税法第22条の時価を判断すべきであり、さらに監督官庁の答述等から定款の変更は随時可能であり、これらのことは財産評価基本通達に定めた評価が著しく不適当と認められる特段の事情に当たらないと解されるのであり、さらに、②東京地裁八王子支部判決は、本件とは明らかに事実関係の異なる事件であって、先例性はないから本件法人の出資について財産評価基本通達194−2に基づき評価した原処分は相当である。(平15.03.25.東裁(諸)平14-215)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140064
- 裁決年月日
- 平成15年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が保有していた有限会社の出資の額を純資産価額方式によって評価することについて、原処分庁は同社が相続開始前3年以内に取得した土地の価額を過大に評価した旨主張する。しかしながら、本件土地と極めて近接した場所にある基準地の各標準価格などからみると、原処分庁が算定した相続開始日現在の本件土地の1㎡当たりの通常の取引価額に相当する金額は相当と認められるから、これに基づき原処分庁が算定した本件出資の額は相当と認められる。(平15.02.06.関裁(諸)平14-64)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140022
- 裁決年月日
- 平成14年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・445ページ
要旨
○ 請求人らは、甲企業組合の脱退時の払戻金額は払込済出資金額50円であり、また、組合加入時の払込金額も1口当たり50円であるから、この金額が相続税法第22条に規定する時価、すなわち客観的交換価値に相当するので、甲企業組合の出資の価額は、1口当たり50円で評価すべきである旨主張する。一般に、市場を通じて不特定多数の当事者間における自由な取引が形成されている場合には、これを時価とするのが相当であるが、本件出資のように取引相場のない資産にあっては、市場価格が形成されていないから、その時価を把握することは困難である。したがって、合理的と考えられる評価方法によってその時価を算定するほかなく、その評価方法が合理性を有する限り、それによって得られた評価額をもって「時価」を推定することに妨げはないというべきであると解されているところ、財産評価基本通達に定められた評価方法が合理的である限り、その評価方法によって評価した財産の価額は、特段の事情のない限り、相続税課税における財産の時価と認めるのが相当である。この企業組合の出資の価額は、評価基本通達196の定めにより純資産価額に基づいて評価することとされており、この評価方法は企業組合の実態に照らして合理性を有するものと認められる。そして、請求人らは、当該出資の時価を立証するものとして、甲企業組合定款第13条《脱退者の持分の払戻し》の定めをいうにすぎず、これによってはその立証があったと認めるには足りない(評価通達に定める評価方法によりえない特別な事情はない)から、財産評価基本通達196の定めに基づき評価するのが相当である。(平14.12.16.名裁(諸)平14-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、T社の株式の価額については、評価通達に定める類似業種比凖価額で評価すると、本件直前期の業績がたまたま良好であったことから過大な評価となるため、類似業種比凖方式により算定した過去3期分の1株当たりの株価の平均値で評価すべきである旨主張する。しかしながら、①類似業種比凖方式は、評価の安全性の確保及び単年度の計算に伴う危険性の排除に十分配慮したものであること、及び②請求人らが主張する評価方法は、請求人らの独自の見解で、合理的な根拠がないと認められることから、T社の株式の評価については、評価通達に定める類似業種比凖価額で評価することが時価を算出する上で合理的な評価方法であるというべきである。また、法人の各営業期の業績の良否は、企業活動の通例であり、本件直前期の業績がたまたま良好であったという理由だけで、本件について評価通達に定める評価方法を適用することが著しく不合理であるとする特別な事情に該当するとは認められない。したがって、T社の株式の価額は、類似業種比凖価額によって評価するのが相当であるから、この点に関する請求人らの主張は採用することができない。(平14.07.16.大裁(諸)平14-8)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140002
- 裁決年月日
- 平成14年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1請求人らは、取引相場のない株式の評価に当たり、評価会社の利益金額等を、原処分庁の租税特別措置法第66条の6の誤った解釈により、株式の発行も出資もない外国会社を特定外国子会社等として行われた更正処分に基づいていることが違法である旨、また、仮に外国会社が特定外国子会社等に該当するとしても租税特別措置法第66条の6の適用により増加した所得金額は評価通達183の(2)でいう非経常的な利益の金額に該当するから、当該増加所得を利益金額に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、当該更正処分は既に確定しており、また、上記通達でいう「非経常的な利益の金額」とは、固定資産売却益、保険差益等の臨時偶発的なものをいうと解するのが相当であり、租税特別措置法第66条の6の規定の適用により増加した所得がこれに含まれると解することができないから、請求人らの主張には理由がない。また、請求人らは、租税特別措置法第66条の6の規定の適用は資本関係のある外国関係会社に限定されているにもかかわらず、株式の発行もなく出資もしていない外国会社を同条第1項に規定する特定外国子会社等と認定して、その外国会社の純資産価額を株式として、評価会社の株式勘定に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、株式等の意義を我が国商法の規定に従って解釈しなければならないとする合理的な理由はなく、むしろ当該規定が外国会社を対象とする規定であることからすると、その国の法人の設立準拠法に沿って解釈するのが相当である。そして、本件における評価外国会社はいずれもパナマ国に本店を有するものであるところ、パナマ国の会社法では、株式会社は定款の登記によって設立手続を終えるもので、定款には、資本の額、発行される株式の数や種類のほか、各発起人が引き受けることに合意した株式の数等が必要的記載事項とされているものの、株式の発行、引受け及び払込み等は必要的記載要件とされているものではなく、また、株式発行前の定款の変更は、発起人全員と株式の引受けを承諾した者全員によって署名されれば可能であること等とされていることからすると、株式の発行前においては株主は存在しないものの、発起人及び株式の引受けを承諾した者ないしその地位を承継した者が会社を支配し得る物的持分としての法的地位を保有しているものと解するのが相当であり、本件において、評価会社が外国子会社を支配していることを自認していると認めるのが相当であるから、上述のパナマ国の法制下において判断すると、原処分庁が会社を支配し得る法的地位を株式等と認めて、その純資産価値をもって株式の評価額としたことに違法、不当な点は認められないから、請求人らの主張には理由がない。(平14.07.09.高裁(諸)平14-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130091
- 裁決年月日
- 平成14年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・554ページ
要旨
○ 協業組合であるA社の出資の価額の評価方式について、請求人は、払込済出資金額に相当する金額又は配当還元方式により評価すべきである旨主張し、原処分庁は、財産評価基本通達196の定めを適用して純資産価額を基として評価すべきである旨主張する。しかしながら、協業組合の活動実態は、企業組合など他の営利事業を営む中小企業等協同組合と異なり、むしろ合名会社に近いものと認められることから、税法の解釈適用にも要請される租税負担公平の原則に照らし、合名・合資会社の出資に適用される、収益性が法人の規模に応じて反映される併用方式(財産評価基本通達179)によって評価することが相当である。ただし、協業組合においては、議決権等の配分が各組合員相互間の平等を原則とされているから、零細株主等に適用される特例的な評価方式である配当還元方式及び財産評価基本通達185に定める20%評価減の特例を採用することは相当でない。(平14. 6.21関裁(諸)平13-91)裁決事例集NO63・554ページ
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130042
- 裁決年月日
- 平成14年6月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取引相場のない株式の評価に当たり、評価会社の利益金額等を、原処分庁の租税特別措置法第66条の6の誤った解釈により、株式の発行も出資もない外国会社を特定外国子会社等として行われた更正処分に基づいていることが違法である旨、また、仮に外国会社が特定外国子会社等に該当するとしても租税特別措置法第66条の6の適用により増加した所得金額は財産評価基本通達183の(2)でいう「非経常的な利益の金額」に該当するから、当該増加所得を利益金額に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、当該更正処分は既に確定しており、また、上記通達でいう「非経常的な利益の金額」とは、固定資産売却益、保険差益等の臨時偶発的なものをいうと解するのが相当であり、租税特別措置法第66条の6の規定の適用により増加した所得がこれに含まれると解することができないから、請求人らの主張には理由がない。また、請求人らは、租税特別措置法第66条の6の規定の適用は資本関係のある外国関係会社に限定されているにもかかわらず、株式の発行もなく出資もしていない外国会社を同条第1項に規定する特定外国子会社等と認定し、その外国会社の純資産価額を株式として、評価会社の株式勘定に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、株式等の意義を我が国商法の規定に従って解釈しなければならないとする合理的な理由はなく、むしろ当該規定が外国会社を対象とする規定であることからすると、その国の法人の設立準拠法に沿って解釈するのが相当である。そして、本件における評価外国会社であるヘッドカンパニーはいずれもA国に本店を有するものであるところ、A国の会社法では、株式会社は定款の登記によって設立手続を終えるもので、定款には、資本の額、発行される株式の数や種類のほか、各発起人が引き受けることに合意した株式の数等が必要的記載事項とされているものの、株式の発行、引受け及び払込み等は必要的記載要件とされているものではなく、また、株式発行前の定款の変更は、発起人全員と株式の引受けを承諾した者全員によって署名されれば可能であること等とされていることからすると、株式の発行前においては株主は存在しないものの、発起人及び株式の引受けを承諾した者ないしその地位を承継した者が会社を支配し得る物的持分としての法的地位を保有しているものと解するのが相当である。また、当審判所の調査によれば、外国子会社を有する評価会社は、いずれも外国子会社の損益を合算して法人税の申告をしていることが認められる。このことは、各評価会社が外国子会社を支配していることを自認していると認めるのが相当であるから、上述のA国の法制下において判断すると、原処分庁が会社を支配し得る法的地位を株式等と認めて、その純資産価額をもって株式の評価額としたことに違法、不当な点は認められない。(平14. 6. 6.高裁(諸)平13-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130053
- 裁決年月日
- 平成13年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・380ページ
要旨
○ 請求人らは、本件出資及び本件株式を純資産価額方式で評価するに当たっては、評価基本通達の定めに従って、法人税額等相当額を控除して評価すべきである旨主張するが、本件のように、ことさら評価差額を人為的に作出して相続税の軽減を図っているような場合に、評価基本通達を形式的、画一的に適用し、法人税額等相当額を控除することは、評価基本通達の趣旨に沿わないのみならず、このような計画的な行為を行うことのない納税者との間での租税負担の公平を著しく害し、又、富の再分配機能を通じて経済的平等を実現するという相続税法の立法趣旨に反する著しく不相当な結果をもたらすこととなるから、財産評価基本通達によらないことが相当と認められる特別な事情があるとして、法人税額等相当額を控除しないで計算したものをもって当該株式の時価とみるのが相当である。(平13. 9.21東裁(諸)平13-53)裁決事例集NO62・380ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120075
- 裁決年月日
- 平成13年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の評価に当たり、原処分庁は類似業種の業種目をサービス業であるとしているが、評価会社の業種目の判定に当たっては、日本標準産業分類の考え方に基づくべきであり、そして、当該考え方に基づいて判定すれば、製作所を有し製品を製造する評価会社において、製品のレンタルに係る取引金額や、製品を使用して行う建設工事に係る取引金額についても製造業に係る取引金額に該当することから、評価会社の業種目は製造業に該当し、原処分の一部は取り消されるべきである旨主張する。当審判所が調査した結果によれば、製品のレンタルに係る取引金額は製作所以外の営業所で行われており、サービス業に該当し、製品を使用して行う建設工事に係る取引&金額は、製品を道具として使用するとはしても、建設業に該当するものと認められることから、評価会社の業種目は最も取引金額の割合が多いサービス業に該当するものと認められる。なお、請求人の主張する日本標準産業分類に基づく考え方は、統計調査のために事業所を単位として業種を判定するためのものであり、評基通にいう業種目は評価会社の業種目を判定するためのものであることから、評価会社、一事業所として行種目を判定することは合理的ではなく、請求人の主張を採用することはできない。(平13.2.14東裁(諸)平12−75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120001
- 裁決年月日
- 平成12年7月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・546ページ
要旨
○ 被相続人らが本件株式を取得した主たる目的は将来において発生する被相続人に係る相続税の負担の軽減を図るためであると認められる。すなわち、被相続人らが、一連の経済的に不合理な行為を繰り返した後、A社の株式を取得した目的は、A社がB社と合併することにより、B社に移転させていた上場会社株式を著しく低い価額で受け入れることにあり、これにより多額の評価差額を創り出し、これに形式的に本件通達を適用して法人税額等相当額を控除する方法で課税価格を著しく圧縮し、計画的に相続税の負担の軽減を図ったものであると認められる。評基通186−2が評価差額に対する法人税額等相当額を控除するのは、事業用資産を個人が直接所有する場合と株式を通じて間接所有する場合の均衡を図るものであるが、本件のような場合にまで法人税額等相当額を控除して評価することは、同通達の趣旨を著しく逸脱するものであるとともに、このような保有形態を利用していない他の納税者との間の租税負担の公平という観点からしても看過し難いといわざるを得ないものである。したがって、本件については、評基通6により評基通に定める評価方法によらないことについての特別な事情があると認められることから、本件株式の価額については、同通達に定める法人税額等相当額を控除せずに評価するのが相当である。(平12.7.12大裁(諸)平12−1)裁決事例集NO60・546ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110179
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・297ページ
要旨
○ 請求人は、取引相場のない本件株式について、原処分庁の当該株式の純資産価額の算定には一部誤りがある旨主張する。当審判所の調査によれば、原処分庁は、当該株式を類似業種比準価額(5,229円)及び純資産価額(16,919円)の併用方式で評価(8,150円)していることが認められるところ、評価会社は、評基通178に定める「大会社」に区分されることが認められ、類似業種比準価額(5,229円)で評価するのが相当であるから、請求人らの主張を判断するまでもなく、一部は取り消されるべきである。(平成12. 6.27東裁(諸)平11-179)裁決事例集 №59・297ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110179
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・297ページ
要旨
○ 請求人は、取引相場のない本件株式は、①評価会社は平成6年12月末日をもって業務を停止し、②同族株主以外の出資者と協議し、1株当たり30,000円で買い取ったものであり、また、③その買取先も15名であり、不特定多数とはいえないものの、極少人数の間で決められたものともいえないから、実際に売買が成立している1株当たり30,000円で評価すべきである旨主張する。しかしながら、当審判所が調査したところによれば、請求人らの主張する評価会社の譲渡価額は、概算によって算定した金額を株式を譲渡する者が承諾して決定したものにすぎず、本件相続開始日の客観的交換価値を表しているものとは認められない。(平成12. 6.27東裁(諸)平11-179)裁決事例集 №59・297ページ
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110025
- 裁決年月日
- 平成12年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件評価会社には高額配当や低額報酬の支払等事業運営において種々の事情が存在することから、本件評価会社は評基通で規制しようとしている同族会社とは別のものであり、評基通を画一的に適用するのは妥当でなく、また、額面より高い金額では取引できないことから、本件株式等の評価は額面により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らの主張する個別の事情は、実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであるなどの特別な事情に当たるとは認められず、また、原処分庁が評基通によって評価した価額に対して請求人らが不合理であると主張するには、評基通により算定された評価額が著しく妥当性を欠くことを立証し、かつ、これ以上により合理的な具体的算定方法を摘示して初めて認容されるところ、請求人らは、何らこれをなさず、加えて、額面で評価することが合理的であるとする具体的な理由、あるいは根拠書類の提出を一切行っておらず、他に請求人らの主張を認めるに足りる証拠もない。そうすると、本件株式等の評価は評基通に定められた評価方法によって評価することが相当である。(平成12. 6.23仙裁(諸)平11-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110093
- 裁決年月日
- 平成12年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式の評価について、純資産価額、平均配当基準、年利益金額基準の比準三要素の適用に当たり、二要素以上が零円となるため、純資産価額方式を採用することにより、類似業種比準方式により算定した価額に比べ何倍もの評価額になることから、評価会社は三期連続して利益の配当がないにもかかわらず、1株当たり1円の配当をしているものとして評価することも許されるべきであり、このような実情を無視し、すべて評基通をもって算定された本件更正処分は違法である旨主張するが、納税者間の公平の観点からみると、特別な事情がない限り、評基通が形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平が実現すると解され、純資産価額方式により算定した株式の価額が、類似業種比準方式により算定した株式の価額に比べ高いという理由だけで、特定の納税者あるいは特定の財産についてのみ評基通に定める方法以外の方法によってその財産の評価を行うことは、納税者間の実質的負担の公平を欠くこととなり、請求人の主張は採用できない。(平12. 6. 2関裁(諸)平11-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110118
- 裁決年月日
- 平成12年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引相場のない株式の評価につき、原則的評価(純資産価額方式)と特例的評価(配当還元方式)に区分する持分割合に合理性がないこと及び本件株式に市場性がなく、評価会社の役員から提示された買取価格が純資産価額よりも低額であることから、配当還元方式によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、①取引相場のない株式には市場価格が形成されていないから、合理的な評価方法によって、その時価を評価するほかはなく、また、評基通の評価方法は、一般的な合理性を有するものということができること、②評基通の区分する持分割合には合理性があること及び③市場価格がないことは、評基通が合理的でないとの理由にはならず、限られた当事者間の価額は時価というものではないことから、請求人の主張はいずれも採用することができず、本件株式を配当還元方式によって評価することはできない。(平12. 3.28東裁(諸)平11-118)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110073
- 裁決年月日
- 平成12年1月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件出資の価額の算定に当たり、評基通の純資産価額方式に定めている評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件出資の価額は、評基通に定める取扱いとは異なる特別の評価方法により純資産価額を算定したものであり、また、当該控除は、評基通上における課税財産上のしんしゃくであると解されていることからして、本件出資の価額の算定に当たり、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除することは認められない。(平成12. 1.18東裁(諸)平11-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110073
- 裁決年月日
- 平成12年1月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評価会社の出資の価額を評価するに当たり、被相続人が評価会社の出資を譲渡したことから、評価会社の出資割合は50%未満にすぎず、同社は請求人らの特殊関係法人にならず、同社の所有する本件株式はその発行法人の総株数の30%未満となることから、本件株式の評価を評基通に定める配当還元方式により算定した上、評価会社の出資を純資産価額方式によって評価したことは適法である旨主張する。しかしながら、評基通は課税実務上の財産評価の一般的基準として定められたものであり、同通達に定められた評価方式を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかである等の特別な事情がある場合には、他の合理的な評価方法によることができるものと解されるところ、当審判所の調査によれば、評価会社の出資の取得に要した価額と相続税評価額とにおいて、また、課税価格及び相続税の総額において著しい開差が生じていることが認められるから、同出資の価額を評基通によらず、別な評価方法によって算定した原処分は適法である。(平12. 1.18東裁(諸)平11-73)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110036
- 裁決年月日
- 平成11年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・241ページ
要旨
○ 本件組合は、人格のない社団としての実体を備えていると認められるが、評基通には、人格のない社団の出資の評価方法について定めがないことから、同通達5の定めにより、同通達に定める評価方法に準じて評価することになるところ、本件組合自体が一個の企業体として営利を目的として事業を行うことを禁止し、又は本件組合の組合員に出資口数に応じて議決権を与えなければならないことを定めた法令の規定はないことから、株式会社や有限会社などの法人格を有する団体の株式や出資の評価方法について定めた評基通169ないし196の定めのうち、組合自体が営利を目的とする事業を行うことができ、かつ、組合員が各々一個の議決権を有することとされている(出資持分の大小と関係なく議決権が与えられている)企業組合、漁業生産組合その他これに類似する組合等に対する出資の評価方法を定めた評基通196の定めを準用して評価するのが最も合理的な方法であるということができる。(平成11.11.11大裁(諸)平11-36)裁決事例集 №58・241ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110036
- 裁決年月日
- 平成11年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・241ページ
要旨
○ 請求人ら主張する本件組合の出資の売買実例価額は、譲渡人及び譲受人の双方が組合員という限定された市場において成立した稀少な事例によるものであり、しかも当該売買実例価額が客観的な交換価値を反映したものと認めるに足りる証拠もなく、売買当事者の主観的、個人的事情等の要素が影響しているというほかないものであるから、この価額を本件出資の時価として採用することはできない。(平成11.11.11大裁(諸)平11-36)裁決事例集 №58・241ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110032
- 裁決年月日
- 平成11年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が所有していた同族会社の株式については、同社が相続開始日に多大な累積赤字を有しており、また、業種転換のため3年間休業状態にあり、同株式に流通価値及び交換価値はなかったから、その評価は、純資産価額でなく、各資産に評価益が含まれていないところの帳簿価額によるべきと主張するが、帳簿価額は、評価時点における真の経済価値を表していないから、純資産価額により同株式を評価するのが相当である。(平11.11. 9東裁(諸)平11-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110024
- 裁決年月日
- 平成11年10月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・201ページ
要旨
○ 評基通で定める配当還元方式によることが不相当であると認められるような特別の事情が存する場合には、これ以外の評価方法によることができると解されるところ、本件においては、出資者が本件出資を取得したことに経済的合理性は認められず、また、評価会社は、設立後、出資割合を意図的に調整していること、額面金額と払込金額とが大きく乖離し、払込金額の1%しか資本金に組み入れていないことなどを総合すると、本件出資は、単に同社の社員たる地位を有するにとどまらず、評基通が定める配当還元方式を適用することによって、租税の負担を減少させることを目的としたものと認められる。そうすると、本件出資の評価は、配当還元方式によらないことが相当と認められる特別な事情があると認められるから、別の方法により評価することとなる。そして、評価会社は、課税時期現在において設立後3年を経過していない会社であるから、評基通189及び同通達189-3により、純資産価額によって評価することが相当である。(平成11.10.18大裁(諸)平11-24)裁決事例集 №58・201ページ、(平成11.10.18大裁(諸)平11-25〜27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100188
- 裁決年月日
- 平成11年6月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁の算定した価額は、①上場会社の株価との大幅な乖離、②評価会社が保有する上場株式の低額な平均取得価額及び③評価会社の6期連続の欠損計上にかんがみれば、実態を離れた価額であって時価とは認められず、本件株式の価額は類似業種比準方式か評基通6の定めにより評価すべきである旨主張する。しかしながら、類似業種比準方式は、評価会社と標本会社との間に資産の構成、収益の状況等において類似性が認められない場合には合理的な評価方式とはいえないから、資産の保有状況が著しく株式等に偏っている株式保有特定会社については、類似業種比準方式では適正な株価の算定を行うことはできない。そして、株式が会社資産に対する持分としての性質を有することからすると、本件株式については、会社の資産内容を最も的確に反映する純資産価額方式により評価すべきであるが、いわゆるS1+S2方式により評価することも合理的であると認められるから、両方式のうちいずれか低い方の価額により評価するのが相当である。(平11. 6.24東裁(諸)平10-188)、(平11. 6.24東裁(諸)平10-189〜199)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100113
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・504ページ
要旨
○ 請求人らは、原処分は、本件株式の価額の評価に当たり、本件課税時期から5か月余り経過後に行われた本件合併の事実を無視し評価通達を形式的かつ画一的に適用したもので、その価額は時価である客観的交換価額と乖離した実態にそぐわないものであるから評基通6を適用し、課税時期において本件合併後の法人を想定し、その純資産価額により算定するのが合理的である旨主張する。しかしながら、相法第22条に規定する評価の原則が、課税時期における時価であることからして請求人らの主張は到底認め難く、また、評価通達に定められた評価方式が合理的である限り原処分に違法、不当があるとはいえず、評基通179の定めにより算定した価額をもってした原処分は適法である。(平11. 3. 26大裁 (諸) 平10-113)裁決事例集 №57・504ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100019
- 裁決年月日
- 平成11年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評基通6が相法第22条に規定する時価の個別具体的評価規定であるから、評基通6の適用には客観的合理性が必要である旨主張するが、評価通達に定められた評価方法を形式的にすべての納税者に適用されることが望ましいとしても、他方、形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかである場合には、他の合理的な方法によることができるものと解すべきである。また、本件出資の評価に当たり、評価差額に対する法人税額等相当額を控除しないことは、評基通185及び186−2の予定していない利用によるし意的な租税負担の軽減防止という合理的目的を有するものであり、この点に客観的合理性のある理由が存在するというべきである。(平11. 3.17福裁(諸)平10-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100073
- 裁決年月日
- 平成11年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価について評基通185及び186−2に定める1口当たりの純資産価額の計算上、評価差額に対する法人税額等相当額を控除すべきであるのに、原処分庁が控除できないと認定したのは、違法である旨主張する。しかしながら、本件出資を行った会社は贈与税等の負担の軽減を図るという目的で意図的に作り出されたものであり、このような場合には、同通達に定められた評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかである特別な事情があると認められるから、当該出資の評価額は、評価差額に対する法人税額等相当額を控除せずに評価するのが相当である。(平11. 3.17名裁(諸)平10-73)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株式の取得の意図という課税時期前後の状況を基として、株式の評価方法及び価額を判断したことは財産評価の基本を覆す違法なものである旨主張する。しかしながら、配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり、限定的に用いるべき方法であって、原処分庁がその配当還元方式の適用の可否を判断するに当たって、株式の取得の意図等様々な見地から検討することは当然のことであるから、請求人らの主張には理由がない。(平11. 1.28福裁(諸)平10-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が株式投資というリスクを考慮しないで株式の評価を行ったことは、他の取引相場のない株式の評価と比較して、全く公平性を欠くものである旨主張する。しかしながら、本件株式の取得に際し、請求人らが主張するようなリスクが存しないことは明らかであり、また、株式の評価において、株式投資のリスクの有無が株式の評価方法を決定する唯一の要因ではないと解され、さらに、他の取引相場のない株式とはその発行システム等が著しく異なっていることから他の株式の評価と取扱いが異なったとしても、公平負担の原則の観点から是認されるものというべきである。(平11. 1.28福裁(諸)平10-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090129
- 裁決年月日
- 平成10年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、贈与により取得した本件出資の価額について、評基通185を適用して評価したことは、評価通達に定める法人税額等相当額の控除が、資産を個人が所有する場合と所有する株式等を通じて間接所有する場合との均衡を図るものであることからすると、贈与者がA社の出資持分を取得するために払い込んだ金額をはるかに下回る価額で当該出資持分をB社に現物出資することにより多額の評価差額を創り出した本件出資の価額について、法人税額等相当額を控除して評価することは、評価通達の趣旨及び実質的な租税負担の公平の観点から相当でなく、これを控除しないで評価することが本件出資の適正な時価を算定する上で合理的であるというべきである。(平10. 6.26大裁 (諸) 平 9-129)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090116
- 裁決年月日
- 平成10年6月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・581ページ
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価について、法人税額等相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人が本件出資を取得した目的は、A社に対して著しく低額な現物出資を行うことにより多額の評価差額を創り出し、これを形式的に本件通達を適用して法人税額等相当額を控除して計算することにより、課税価格を著しく圧縮し、相続税の負担の軽減を図るものと解されるところ、かかる目的のために取得した本件出資については、本件通達を適用して法人税額等相当額を控除することは、他の納税者との間の実質的な租税負担の公平という観点から看過し難いといわざるを得ない。したがって、本件については、評価通達に定める原則的な評価方法によらないことの特別な事情があると認められるから、本件出資の評価に当たっては、本件通達に定める法人税額等相当額を控除せずに評価することがその客観的な交換価値を算出する上で合理的な評価方法であると解すべきである。(平10. 6. 5大裁 (諸) 平 9-116) 裁決事例集No55・581ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090114
- 裁決年月日
- 平成10年6月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、A社の出資持分(以下「本件出資」という。)の評価に当たり、A社が保有するB社の出資の評価に際し、B社が所有する本件不動産の価額を帳簿価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達は、純資産価額の計算に当たり、各資産のうちに課税時期前3年以内に取得した資産がある場合、その価額は通常の取引価額により評価する旨定めており、取得価額が通常の取引価額に相当すると認められるときは帳簿価額に相当する金額によって評価する旨定めているところ、本件不動産が取得された時期は、いわゆるバブル崩壊後であり、本件相続開始日までの間に相当の地価の下落があったことなどから当該帳簿価額が本件相続開始日において通常の取引価額に相当するものとは解し難い事情があること及び本件不動産についての鑑定評価額はその算出根拠が合理的であり通常の取引価額を反映していると認められることなどから、本件出資の価額の評価に当たり、A社が所有するB社の出資の評価に際しては、B社が所有する本件不動産の価額は帳簿価額によらず、通常の取引価額と認め得る鑑定評価額により評価すべきである。(平10. 6. 3大裁 (諸) 平 9-114)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090102
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・556ページ
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価について、評基通185に定める要件を満たしているにもかかわらず、同通達を適用しないとした本件更正処分は租税法律主義に違背する違法なものである旨主張するが、原処分庁は、本件出資の取得行為自体を租税回避行為として否認したものではなく、相続税の負担軽減を目的として取得した本件出資について、同通達を適用することは不合理・不適正であるとした上で、同通達に定める法人税額等相当額を控除しない価額が相法第22条に規定する時価であるとしたものにすぎず、このように同通達によらないことが相当であると認められるような特別な事情がある場合に、他の合理的な評価方法により評価することは、何ら租税法律主義に違背するものではない。(平10. 4.24大裁 (諸) 平 9-102) 裁決事例集No55・556ページ、(平10. 3.13大裁 (諸) 平 9-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090102
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・556ページ
要旨
○ 請求人は、本件出資の価額については、評基通185を適用し、法人税額等相当額を控除して評価すべきである旨主張するが、被相続人が本件出資の取得に際し著しく低額な現物出資を行ったことは、多額の評価差額を創り出し、これを形式的に同通達を適用して法人税額等相当額を控除して計算することにより相続税の負担の軽減を図るためのものであると推認されるところ、この場合に法人税額等相当額を控除して評価することは、他の納税者との間の実質的な納税負担の公平という観点からして看過し難いといわざるを得ず、加えて、税負担の累進性を補完するとともに富の再配分機能を通じて経済的平等を実現するという相続税法の立法趣旨からしても著しく不相当というべきであるから、本件には、評価通達に定める原則的な評価方法によらないことの特別な理由があると認められる。(平10. 4.24大裁 (諸) 平 9-102) 裁決事例集No55・556ページ、(平10. 3.13大裁 (諸) 平 9-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090058
- 裁決年月日
- 平成10年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・533ページ
要旨
○ 請求人らは、本件贈与で取得した株式を評基通188及び188-2で定める配当還元方式に基づいて評価すべき旨主張するが、本件贈与者が取引相場のない本件株式を取得した目的は、事業から生じる配当を期待したものではなく、本件株式が評価通達の定めにより配当還元方式で評価されることを利用して贈与税の負担の軽減を図るものと解されるところ、かかる目的のために取得した本件株式については、単に配当を期待するにとどまる少数株主を対象とした特例的な評価方法である配当還元方式による評価は適さないし、このような場合にまで形式的に配当還元方式を適用すると実質的な租税負担の公平を著しく害することになるから、本件株式の評価に当たっては、当事者等が時価と認識し、それが不特定多数の当事者間でも通常成立すると認められる価額である時価純資産価額を基に評価するのが相当である。(平10. 1.29大裁 (諸) 平 9-58) 裁決事例集No55・533ページ、(平 9.12. 2東裁 (諸) 平 9-72,73)、(平10. 3. 5東裁 (諸) 平 9-123)、(平10. 1.26大裁 (諸) 平 9-56)、(平10. 1.29大裁 (諸) 平 9-58)、(平10. 1.30大裁 (諸) 平 9-59)、(平10. 2.25大裁 (諸) 平 9-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090054
- 裁決年月日
- 平成10年1月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人が取引相場のない本件株式を取得した目的は、事業から生じる配当を期待したものではなく、本件株式が評価通達の定めにより配当還元方式で評価されることを利用して相続税の負担の軽減を図るものと解されるところ、かかる目的のために取得した本件株式については、単に配当を期待するに止まる少数株主を対象とした特例的な評価方法である配当還元方式による評価は適さないし、このような場合にまで形式的に配当還元方式を適用すると実質的な租税負担の公平を著しく害することになるから、本件株式の評価に当たっては評価通達を適用すべきでなく、当事者等が客観的な時価と認識し、それが不特定多数の当事者間でも通常成立すると認められる価額である時価純資産価額を基に評価するのが相当である。(平10.1.14大裁(諸)平9-54〜56、59、66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090053
- 裁決年月日
- 平成9年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件出資の評価に当たっては、評基通188−2に定めるとおり配当還元方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件出資は、評基通188が定める同族株主以外の株主等に該当するように、被相続人の出資割合を調整した上で、同通達188−2の定める配当還元方式が1口当たりの資本金の額を基準に評価する旨定めていることを利用して、その額を低廉に設定することにより本件出資の評価額を減少させ、相続が発生した場合に請求人らの相続税の負担を軽減させることを主たる目的としてなされたものと解するのが相当であり、およそ同通達188において評価することを予定している出資に当たらず、また、同通達188-2の定める配当還元方式が単に配当を期待するにとどまる少数株主等を対象とした特例的な評価方法であることからみても、同通達を適用することはできず、本件出資については、本件相続開始日の客観的な交換価値で個別的に評価することが相当と解される。そうすると、A社は、本件相続開始時点において開業後約1年4か月程しか経ていない会社であり、かつ、被相続人の同社に対する本件出資が、専ら相続税の負担の軽減を図る目的としてなされたに過ぎないことにかんがみれば、評基通189−3の本文の定めるところにより、同通達185の本文の定めにより1株当たりの純資算価額により評価することが相当である。(平 9.12.18大裁 (諸) 平 9-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090072
- 裁決年月日
- 平成9年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件株式の評価に当たり、配当還元方式による評価を認めなかったことは財産評価の基本を覆す違法なものである旨主張する。しかしながら、請求人が適用した配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり、限定的に用いられるべき方法であって、本件株式の贈与契約の目的が実質的価値を含んだ財産の移転であること、また、実質上の取引価額と評価額とが著しくかい離していることからすれば、実質的な租税負担の公平の観点からして、原処分庁が本件株式の価額の算定において、配当還元方式を適用することができないと判断したことは相当と認められる。ところで、本件株式は、各月末、1株当たりの単価を客観的な時価による純資産価額を基に算定されており、この1株当たりの単価は同社に出資しようとする者であればだれもが適用される一般的な価額と認められること、また、相法第22条に規定する時価とは、課税時期においてそれぞれの財産の現況に応じ不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる客観的な交換価値を示す価額であると解されていることから、本件株式は、課税時期に最も近い時期の客観的な時価による純資産価額の1株当たりの単価を基に評価すべきである。そうすると、本件課税時期に最も近い平成6年2月28日現在の1株当たりの単価17,134円が相当と認められるから、この金額の範囲内でされた本件更正処分は適法である。(平 9.12. 2東裁(諸)平 9-72)、(平 9.12. 2東裁(諸)平 9-73)、(平10. 3. 5東裁(諸)平 9-123)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090032
- 裁決年月日
- 平成9年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件出資を純資産価額方式で評価するに当たっては、評価基本通達の定めに従って、法人税額等相当額を控除して評価すべきである旨主張するが、被相続人は、有限会社A及び有限会社Bを全額借入金により設立し、有限会社Bを設立するに当たって、有限会社Aの出資を著しく低い価額で現物出資することにより、本件相続に係る相続税の課税価格を約11億8千万円と大幅に圧縮させる結果を招いていることから、本件出資の取得は、資産として運用し収益を得るといった目的で行われたものではなく、経済的合理性を無視し、本件通達の定めを利用して、本件借入金と本件出資との差額に相当する課税価格を圧縮することにより、不当に相続税の負担の軽減を図るという目的のみで行われたものであることが推認できるので、このような場合、本件出資の評価に当たっては、評価基本通達の定めによらないことが相当と認められる特別事情がある場合に該当すると解すべきであるから、原処分は適法である。(平 9.11.13関裁(諸)平 9-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090017
- 裁決年月日
- 平成9年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が株式保有特定会社であると認定したA社が保有するB社の株式の評価について、(1)不動産管理会社であるB社の1株当たり利益金額の算定に当たっては不動産売却益を経常利益とすべき旨及び(2)業績の悪化により比準3要素のうちの2要素以上が零となった会社にまで評基通189−3を適用すべきでない旨主張する。しかしながら、本件不動産売却益は固定資産の売却益であり、特別利益として計上されているもので、経常的な利益に該当するものではないことから、1株当たり利益金額の算定の基礎とすることは相当でなく、また、本件通達の適用において利益操作によるものであるか否かといったことは直接関連しないものであるから、請求人の主張には理由がない。(平 9.10.28大裁 (諸) 平 9-17)、(平 9.12. 3大裁 (諸) 平 9-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090017
- 裁決年月日
- 平成9年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社が保有するB社の株式の評価は、A社がB社の発行済株式の100パーセントを保有していること等から、A社と合一して評価すべきである旨主張するが、仮にA社とB社が経済的実質的に一体のものとみるとしても、B社が法的に独立した会社である以上、B社の株式の評価については独立した評価を行うべきであり、請求人の主張には理由がない。(平 9.10.28大裁 (諸) 平 9-17)、(平 9.12. 3大裁 (諸) 平 9-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090043
- 裁決年月日
- 平成9年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が本件株式の取得の意図等課税時期前後の状況を基として本件株式の評価方法及び価額を判断し、配当還元方式による評価を認めなかったことは財産評価の基本を覆す違法なものである旨主張する。 しかしながら、請求人らが適用した配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり、限定的に用いられるべき方法であって本件株式の取得から売却に至る一連の行為により判断すれば、評価基本通達に定められた評価方法を利用し、相続税の負担の軽減を図る目的で本件株式が取得されたものと推認されるので、このような場合には、実質的な租税負担の公平の観点からして、原処分庁が本件株式の価額の算定において、配当還元方式を適用することができないと判断したことは相当と認められる。(平9.10.14東裁(諸)平9-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090009
- 裁決年月日
- 平成9年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・451ページ
要旨
○ 請求人らは、本件相続により取得した本件評価会社の株式について、評基通188及び188-2の定めを適用して、配当還元方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らが適用した配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり限定的に用いるべき方法であって、本件株式の取得から売却に至る一連の行為等により判断すれば、本件通達に定められた評価方法を利用し、相続税の負担の軽減を図る目的で本件株式を取得したものと推認されるので、このような場合には、実質的な租税負担の公平という観点からして、原処分庁が本件株式の価額の算定において、配当還元方式を適用することができないと判断したことは相当である。ところで、本件評価会社は、各月末、自社株式の1株当たりの単価を客観的な時価による純資産価額を基に算定しているところ、当該単価は、本件評価会社に出資する場合に適用される一般的な価額と認められること、また、相法第22条に規定する時価とは、課税時期においてそれぞれの財産の現況に応じ不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額であると解されていることから、本件株式の評価に当たっては、課税時期に最も近い時期における本件株式の客観的な時価による純資産価額の1株当たりの単価を基に評価すべきであり、そうすると、本件株式については、課税時期である本件相続開始日に最も近い平成5年11月25日の新株発行価額が相当と認められるので、この価額により算定された金額の範囲内でされた原処分は相当である。(平 9. 7. 4東裁(諸)平 9-9) 裁決事例集No54・451ページ、(平 9.10.14東裁(諸)平 9-43)、(平10. 3. 5東裁(諸)平 9-123)、(平10. 1.14大裁(諸)平 9-54)、(平10. 1.26大裁(諸)平 9-55)、(平10. 1.30大裁(諸)平 9-59)、(平 9.12.18名裁(諸)平 9-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080115
- 裁決年月日
- 平成9年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人がA社を設立し、その出資を現物出資して設立したB社の出資を相続したが、A社への払込金額とB社の受入金額に開差があることについて、請求人は、B社の事業目的が同族グループ法人の経理事務の代行で、資本金を多額にする必要はないことから、有限会社法に規定する最低資本金に近い資本金にした旨主張するが、(1)A社とB社が、同時に同一の所在地及び同一の役員により設立されたこと、(2)B社の設立が、すべて被相続人のA社に対する出資の現物出資によりなされたこと、(3)B社がA社の出資を40分の1という極めて低額で受け入れていることからすると、評基通185及び186−2の適用により、本件出資の評価を低くするという意図があったと認めざるを得ず、請求人の主張は採用できない。(平 9. 5.13大裁 (諸) 平 8-115)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080115
- 裁決年月日
- 平成9年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080130
- 裁決年月日
- 平成9年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・400ページ
要旨
○ 請求人は、相続財産のうち有限会社の出資の価額は、評基通(平成6年6月27日付直評2−8による改正前のもの)185及び186−2の定めに準じて、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除した価額で評価すべきである旨主張するが、当該評価差額は、恣意的に創り出されたものであり、このような場合には、同通達の定めによらないことが相当と認めらる特別な事情があると認められるから、当該出資の価額は、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除せずに評価するのが相当である。(平 9. 2. 6東裁(諸)平 8-130) 裁決事例集No53・400ページ、(平 9. 2. 7東裁(諸)平 8-131)、(平 9. 5. 7東裁(諸)平 8-192〜195)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080031
- 裁決年月日
- 平成8年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、合資会社の出資の評価額について、原処分庁が他の相続人より100倍も高く算定し、請求人に不利益を与えている旨主張するが、当該出資は未分割であることから、各相続人ともそれぞれ未分割のすべての出資を取得したとして計算する必要がある。そうすると、各相続人の出資割合はいずれも5パーセント以上になり、純資産価額により評価するのが相当であり、請求人が不利益を受けているとは認められない。(平 8. 9. 4東裁(諸)平 8-31)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080012
- 裁決年月日
- 平成8年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価に当たり、評価会社が設立(合併)1期目で直前期末がないこと及び課税時期において仮決算を行っていないことから、合併前の4法人の直前期末の公表決算に基づいて評価基本通達に定める純資産価額方式により合理的に評価した旨主張するが、請求人が評価した純資産価額方式による本件出資の評価額は、評価会社とは法人格を異にする合併前の4法人のうち実質的に2法人を評価会社として、相続税評価額と帳簿価額との評価差額に対する法人税等相当額を控除し算出したものであり、4法人が合併し設立された法人の出資の評価方法としては合理的ではない。(平 8. 8.30広裁(諸)平 8-12)
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