裁決要旨 9申告及び納付等
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070056
- 裁決年月日
- 令和7年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の共同相続人(本件各納税者)が提出した申告書の税額が、請求人が提出した申告書の税額よりも過大であることなどからその納税義務は確定していないとして、本件各納税者が納付すべき各滞納国税(本件各滞納国税)の連帯納付義務を負わない旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項は、各相続人に対し、自らが負担すべき固有の相続税の納税義務のほかに、他の相続人の固有の相続税の納税義務について、当該相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、連帯納付義務を負担させており、この連帯納付義務は、相続税法が相続税徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であって、その義務履行の前提条件となる連帯納付義務の確定は、各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであると解され、また、相続税は国税通則法第16条《国税についての納付すべき税額の確定の方式》第1項第1号で規定する申告納税方式の国税であるところ、本件各納税者が相続税の申告書を提出したことで本件各滞納国税の納付すべき税額及び納税義務は確定しているから、本件各滞納国税に係る請求人の連帯納付義務は法律上当然に生じている。(令7.11.10 東裁(諸)令7-56)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令070007
- 裁決年月日
- 令和7年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.141
要旨
○ 請求人らは、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定に基づく申告等(その後に更正があった場合にはその更正をいう。以下同じ。)により確定した二次相続(本件相続)に係る遺産が、一次相続に係る遺産分割により減少した場合であっても、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1項第1号の規定は適用されると解釈すべきであり、同号に規定する事由を理由とした更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、申告等により確定した遺産の価額を前提としない更正の請求は、相続税法第32条第1項第1号に基づく更正の請求に該当しないところ、請求人らは、相続に係る被相続人が一次相続に係る遺産を取得しないことなどを内容とする遺産分割の成立により、本件相続に係る遺産の総額が減少したという理由で更正の請求を行っているのであるから、同号に規定する事由に基づく更正の請求には該当しない。(令7.10.29 福裁(諸)令7-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070047
- 裁決年月日
- 令和7年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺言無効確認訴訟等の判決(本件判決)の確定により、租税特別措置法第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第1項(本件特例)の適用ができるとして相続税の更正の請求(本件更正請求)をしたところ、国税通則法第23条《更正の請求》第2項及び相続税法第32条《更正の請求の特則》第1項に定める期間内に、本件特例を適用する旨の更正の請求をしたのであるから、本件更正請求は認められるべき旨主張する。しかしながら、本件判決において、本件特例の基礎となる事実についての認定及び判断はされてないのであるから、本件判決があったことにより課税価格及び相続税額が過大となったとはいえない。したがって、本件更正請求は、いずれの法令によっても、更正の請求ができる場合に該当しない。(令7.10.27 大裁(諸)令7-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070002
- 裁決年月日
- 令和7年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する相続又は遺贈により「財産を取得した者」とは、遺産を実質的に取得した者、あるいは実質的に取得可能となった者と解すべきであるから、遺言の有効性に係る裁判が確定した日の翌日から10か月以内に提出された申告書は法定申告期限までに提出されたものに該当し、また、被相続人(本件被相続人)の遺産について、法定相続人が本件被相続人の相続に係る申告及び納付をしているにもかかわらず、受遺者である請求人らに対して同項の規定に基づく申告及び納付を課すのは、二重に相続税の納付を強制することになるため、遺言の有効性が裁判で確定した時点から請求人らの申告義務を認めれば不都合は生じない旨主張する。しかしながら、遺贈の効果は被相続人の死亡の時に発生するから、請求人らはこの時点で本件被相続人から遺贈により財産を取得し、同項に規定する「財産を取得した者」になることは明らかであること、相続税法は、訴訟で争われている場合の法定申告期限については特段の規定を置いておらず、他方、相続に特有の一定の事情が生じたためその事実が当該計算の基礎としたところと異なることとなった場合は、同法第31条《修正申告の特則》及び同法32条《更正の請求の特則》の各規定に基づく修正申告や更正の請求をすることを可能とする規定を設けていることからすると、遺言の有効性について係争中であることによって、法定申告期限が左右されるものではない。また、相続税の申告は、相続、遺贈等により財産を取得した者が自己の判断と責任において行うものであるから、法定相続人が相続税の申告をしていたとしても、そのことが、請求人らの納税義務の成否に影響を与えると解すべき根拠もない。したがって、請求人らが提出した相続税の申告書は、期限後申告書に該当する。(令7. 7. 4 大裁(諸)令7-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060245
- 裁決年月日
- 令和7年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、行政制裁としての無申告加算税(本件加算税)に連帯納付義務は及ばず、仮に、それが及ぶとしても、本来の納税義務者(本件納税者)は税理士であるところ、期限内に申告しなかったことは信用失墜行為として税理士法に違反する行為であり、また、原処分庁は税理士である本件納税者の監督責任があるにもかかわらず、これを怠ったことで期限内に申告をしなかったという事情があることから、請求人は本件加算税の連帯納付義務を負わないとして、その徴収のために行われた相続税の連帯納付義務に係る納付通知処分(本件通知処分)は違法な処分である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条≪連帯納付の義務等≫第1項の「相続税」について、相続税法その他の法令において附帯税を除く旨の別段の定めはないことから、本件加算税は連帯納付義務の対象となり、また、相続税の連帯納付義務は、各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであることから、請求人が主張するような事情の有無によって、請求人の本件加算税に係る連帯納付義務の存否が左右されるものではなく、これらの事情が存在するということをもって本件通知処分が違法な処分であるとは認められない。(令7. 6.13 東裁(諸)令6-245)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060245ほか 2件
- 裁決年月日
- 令和7年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不利益処分を行う行政庁には、その処分に関する説明責任があるところ、原処分庁が、相続税の連帯納付義務に係る納付通知処分(本件通知処分)を行うに際して、①本件通知処分が行われるに至った経緯、②本来の納税義務者(本件納税者)に対する滞納処分の状況、③本件納税者の相続税の申告内容及び④無申告加算税に連帯納付義務が生じる理由について、事前にも事後にも説明をしておらず、その説明責任が果たされずに行われた本件通知処分は、適正手続に反し、又は徴収権を濫用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、相続税の連帯納付義務は法律上当然に生ずるものであり、かつ、連帯納付義務に補充性はないものと解されるところ、相続税法第34条≪連帯納付の義務等≫第6項の規定による納付通知処分は、連帯納付義務者に不意打ちとなることを避けるために設けられた規定であって、請求人が主張するような事実を明らかにした上で納付通知処分をする旨又はそのような事実を納付通知書に記載しなければならない旨が定められているわけではなく、原処分庁がこれらの説明をしなければ連帯納付義務者への徴収手続を進めることができないというものではないことから、その説明がないということをもって、本件通知処分が、適正手続に反し、又は徴収権を濫用した違法な処分であるとは認められない。(令7. 6.13 東裁(諸)令6-245)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060246ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和7年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、行政制裁としての無申告加算税(本件加算税)に連帯納付義務は及ばず、仮に、それが及ぶとしても、本来の納税義務者と共同して相続税の申告書を提出した者(共同申告者)は税理士であるところ、期限内に申告しなかったことは信用失墜行為として税理士法に違反する行為であり、また、原処分庁は税理士である共同申告者の監督責任があるにもかかわらず、これを怠ったことで期限内に申告をしなかったという事情があることから、請求人は本件加算税の連帯納付義務を負わないとして、その徴収のために行われた相続税の連帯納付義務に係る納付通知処分(本件通知処分)は違法な処分である旨主張する。しかしながら、相続税法その他の法令において附帯税を除く旨の別段の定めはないことから、本件加算税は連帯納付義務の対象となるものであり、また、相続税の連帯納付義務は、各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであることから、請求人が主張するような事情の有無によって、請求人の本件加算税に係る連帯納付義務の存否が左右されるものではなく、これらの事情が存在するということをもって本件通知処分が違法な処分であることは認められない。(令7. 6.13 東裁(諸)令6-246)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040044
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№131
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした相続税の連帯納付義務の納付通知処分(本件通知処分)について、連帯納付責任限度額の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から①相続財産の不動産登記を行う場合の司法書士報酬、登録免許税及び印紙税等の各見積額、並びに②相続税申告等のための税理士報酬及び本件通知処分等に対応するための弁護士報酬の各負担額が控除されていないため、違法な処分である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項に規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」とは、相続人等が現実に取得した利益の価額に相当する金額であると解するのが相当であって、当該相続人等が現実に取得した利益の価額に相当する金額とは、相続等により取得した財産の価額から当該財産を取得したことに伴って現実に支払義務が生じた金額を控除した後の金額と解するのが相当である。そして、相続税法基本通達34-1《「相続又は遺贈により受けた利益の価額」の意義》(本件通達)において、「相続等により受けた利益の価額」とは、相続等により取得した財産の価額から、相続税法第13条《債務控除》に規定する債務控除の額のほか、相続等により取得した財産に係る相続税額及び登録免許税額を控除した後の金額をいう旨定められているところ、①相続財産である不動産は、いずれも相続による権利の移転の登記がされていないため、司法書士報酬等の各見積額は、請求人に現実に支払義務が生じたものとは認められず、②税理士報酬等は、相続税額のように納税義務に基づいて当然に負担が生じるものではないし、登録免許税額のように一般的に生じるものとも言い難いものであり、本件通達に定める債務控除の額等のいずれにも該当しないことから、請求人の主張する各金額は連帯納付責任限度額の算定に当たり控除することはできない。(令5. 6.21 関裁(諸)令4-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040044
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№131
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした相続税の連帯納付義務の納付通知処分(本件通知処分)について、相続税法(平成29年法律第4号による改正前のもの。)第2条《相続税の課税財産の範囲》第2項の規定によれば、同法第1条の3《相続税の納税義務者》第1項第3号に規定する相続税の納税義務者(制限納税義務者)には、日本国内に所在する相続財産に対してのみ相続税が課税されるところ、本件通知処分は、同法第1条の3第1項第2号イに規定する相続税の納税義務者(非居住無制限納税義務者)である共同相続人が相続により取得した日本国外に所在する財産に対して課税された相続税の納付不履行に基づいてされており、結果的に、日本国外に所在する財産に対する相続税を制限納税義務者である請求人に課税し、その納付を求めるものであるから違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項は、連帯納付義務を負う者について、制限納税義務者を除外する旨の規定を特に設けておらず、また、連帯納付義務の制度趣旨からすれば、連帯納付義務を負う者を無制限納税義務者である納税者のみに限定して解釈すべき理由があるとは認め難いことから、本件通知処分は違法なものとはいえない。(令5. 6.21 関裁(諸)令4-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040044
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№131
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした相続税の連帯納付義務の納付通知処分(本件通知処分)について、①本件通知処分に先立ち行われた各更正処分(本件各更正処分)に対する各審査請求(本件各審査請求)が認められれば、共同相続人の一人から納税義務を承継した滞納者(本件滞納者)の滞納国税(本件滞納国税)の額及び請求人の連帯納付責任限度額のいずれも減少する可能性があるにもかかわらず、これらの是正がされないうちに行われたこと、②原処分庁は、国外に居住する本件滞納者に対して、積極的な納付能力調査の実施や接触を図ることなく、本件滞納国税の負担を請求人に求めていることから不当である旨主張する。しかしながら、①本件各審査請求によって本件各更正処分の効力及び請求人に対する本件滞納国税の徴収手続が影響を受けることはないし、原処分庁は、本件滞納国税が督促後一月を経過しても完納されなかったことから、請求人に対して相続税法第34条《連帯納付の義務等》第5項の規定に基づく通知をした上で、請求人からの本件滞納国税の徴収に先立ち、請求人が不意打ちを受けるなどの事態を避けるために、同条第1項第1号に規定する時期の範囲内で本件通知処分をしたものと認められるから、本件通知処分は、連帯納付義務に関する相続税法の趣旨及び目的に照らして不合理なものであるということはできない。また、②連帯納付義務については、補充性がないものと解されることから、原処分庁は、本件滞納者又は請求人のいずれからも本件滞納国税を徴収することが可能であって、原処分庁が本件滞納者に対する積極的な納付能力調査等を行わなかったとしても、そのこと自体が本件通知処分の妥当性に影響を及ぼすものではない。(令5. 6.21 関裁(諸)令4-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040045
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№131
要旨
○ 請求人らは、原処分庁がした相続税の連帯納付義務の各納付通知処分(本件各通知処分)について、①本件各通知処分に先立ち行われた各更正処分(本件各更正処分)に対する各審査請求(本件各審査請求)が認められれば、共同相続人(本件相続人)から納税義務を承継した滞納者の滞納国税(本件滞納国税)の額及び請求人らの連帯納付責任限度額のいずれも減少する可能性があるにもかかわらず、これらの是正がされないうちに行われたこと、及び②請求人らは、本件相続人の死亡により開始された相続(本件相続)において、何らの利益も受けていないにもかかわらず、本件滞納国税の納付を求められていることから不当な処分である旨主張する。しかしながら、①本件各審査請求によって本件各更正処分の効力及び請求人らに対する本件滞納国税の徴収手続が影響を受けることはないし、原処分庁は、本件滞納国税が督促後一月を経過しても完納されなかったことから、請求人らに対して相続税法第34条《連帯納付の義務等》第5項の規定に基づく各通知をした上で、請求人らからの本件滞納国税の徴収に先立ち、請求人らが不意打ちを受けるなどの事態を避けるために、同条第1項第1号に規定する時期の範囲内で本件各通知処分をしたものと認められるから、本件各通知処分は、連帯納付義務に関する相続税法の趣旨及び目的に照らして不合理なものであるということはできない。また、②請求人らが本件相続によって利益を受けているか否かは、請求人らの本件滞納国税に係る連帯納付義務の存否や本件各通知処分の合理性に影響を及ぼすものではない。(令5. 6.21 関裁(諸)令4-45)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040045
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№131
要旨
○ 請求人らは、相続税の連帯納付義務の各納付通知処分(本件各通知処分)に係る連帯納付責任限度額(本件各限度額)について、その算定に当たり、①相続により取得した財産の価額から相続財産の不動産登記を行う場合の司法書士報酬、登録免許税及び印紙税等の各見積額、並びに相続税申告等のための税理士報酬及び本件各通知処分等に対応するための弁護士報酬の各負担額が控除されていないこと、②本件各通知処分に先立ち行われた各更正処分(本件各更正処分)において、相続財産が著しく過大に評価されていることから、本件各限度額も過大となっている旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項に規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から控除すべき金額は、相続等により財産を取得したことに伴って現実に支払義務が生じた金額と解するのが相当であるところ、①相続財産である不動産は、いずれも相続による権利の移転の登記がされていないため、司法書士報酬等の各見積額は、請求人らに現実に支払義務が生じたものとは認められず、また、税理士報酬等は、相続税額や登録免許税額のように納税義務に基づいて当然に負担が生じるものや一般的に生じるものとも言い難いものであり、相続税法基本通達34ー1《「相続又は遺贈により受けた利益の価額」の意義》に定める債務控除の額等のいずれにも該当しないことから、請求人らが主張する各金額は、本件各限度額の算定に当たり控除することはできない。また、②課税処分の違法性は徴収処分に承継されるものではないため、本件各更正処分の違法を理由として本件各通知処分の取消しを求めることはできない。(令5. 6.21 関裁(諸)令4-45)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040045
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№131
要旨
○ 請求人らは、原処分庁がした相続税の連帯納付義務の各納付通知処分(本件各通知処分)について、相続税法(平成29年法律第4号による改正前のもの。)第2条《相続税の課税財産の範囲》第2項の規定によれば、同法第1条の3《相続税の納税義務者》第1項第3号に規定する相続税の納税義務者(制限納税義務者)には、日本国内に所在する相続財産に対してのみ相続税が課税されるところ、本件各通知処分は、同法第1条の3第1項第2号イに規定する相続税の納税義務者(非居住無制限納税義務者)である共同相続人が相続により取得した日本国外に所在する財産に対して課税された相続税の納付不履行に基づいてされており、結果的に、日本国外に所在する財産に対する相続税を制限納税義務者である請求人らに課税し、その納付を求めるものであるから違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項は、連帯納付義務を負う者について、制限納税義務者を除外する旨の規定を特に設けておらず、また、連帯納付義務の制度趣旨からすれば、連帯納付義務を負う者を無制限納税義務者である納税者のみに限定して解釈すべき理由があるとは認め難いことから、本件各通知処分は違法なものとはいえない。(令5. 6.21 関裁(諸)令4-45)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040023
- 裁決年月日
- 令和5年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する「相続の開始があったことを知った日」とは、相続があることを実感した日と解するべきところ、法定相続人の代理人弁護士から受贈する遺産の金額に同意するか否かの意向確認に関する書面が届いて初めて遺贈があることを実感したのであるから、当該書面が届いた日の翌日から10月以内に提出した相続税の申告書(本件申告書)は期限後申告書に該当しない旨主張する。しかしながら、法定相続人以外の受遺者については、当該受遺者が、被相続人の死亡の事実及び自己のために遺贈があった事実の両方を知った日が「相続の開始があったことを知った日」であると解するのが相当であるところ、請求人は、上記書面が届く以前に、当該弁護士から被相続人が死亡した事実及び自己のために遺贈があった事実などが記載された書面を受け取り、当該遺贈を受ける意思がある旨記載した回答書を作成して当該弁護士に送付しているから、遅くとも当該回答書の作成日までには、被相続人が死亡した事実及び自己のために遺贈があった事実の両方を知ったというべきであり、当該回答書の作成日の翌日から10月経過後に提出された本件申告書は期限後申告書に該当する。(令5. 1.24 関裁(諸)令4-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺留分減殺請求を受けた受遺者が遺留分権利者と価額弁償をする旨の和解をした場合であっても、受遺者が価額弁償金の支払をしなければ、相続税法(平成23年法律第114号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第3号に規定する「遺留分による減殺の請求に基づき……弁償すべき額が確定した」に該当しない旨主張する。しかしながら、遺留分減殺請求を受けた受遺者と遺留分権利者との間において、遺留分減殺請求がされたにもかかわらず受遺者が財産の全部又は一部について遺言のとおり取得する代わりに、その弁償として遺留分権利者に対し具体的な金額を支払う旨の和解が成立した場合には、その和解の効力により、受遺者は遺言のとおり当該財産を取得する一方、遺留分権利者は当該財産について有していた権利等を喪失する代償として金銭支払請求権を確定的に取得することとなるから、当該和解の成立をもって、問題となる当該財産の権利関係及び弁償すべき具体的な金額が確定したことになり、これにより課税価格及び相続税額が過大となること並びにそれらの過大となる額も確定するといえる。したがって、受遺者と遺留分権利者との間で具体的な金額の価額弁償金を支払う旨の和解が成立した場合においては、成立した和解に基づく価額弁償金の支払がなくとも、相続税法第32条第3号に規定する「遺留分による減殺の請求に基づき……弁償すべき額が確定した」に該当する。(令4. 7. 8 東裁(諸)令4-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030131
- 裁決年月日
- 令和4年6月16日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法務局出張所の登記官が請求人を相続(本件相続)に係る相続人から除外した誤った内容の法定相続情報一覧図の写しを発行し、被相続人(本件被相続人)の死亡の日(本件相続開始日)の翌日から10月経過後に至って請求人を本件相続に係る相続人とする正しい内容の法定相続情報一覧図の写しが発行されたのであるから、当該法定相続情報一覧図の写しが発行された日が相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する「相続の開始があったことを知った日」となり、請求人はその日の翌日から10月以内に本件相続に係る相続税の申告書(本件申告書)を提出しているから、本件申告書は期限後申告書ではない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件被相続人の相続人であり、本件相続開始日に本件被相続人の死亡の事実を知ったものであって、請求人について、自己が本件被相続人の相続人であることを本件相続開始日現在において知り得なかったような特段の事情は認められないから、請求人は、本件相続開始日に自己のために相続の開始があったことを知ったものと認められ、本件申告書は、本件相続開始日の翌日から10月経過後に提出されているから、期限後申告書に該当する。(令4. 6.16 東裁(諸)令3-131)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020017
- 裁決年月日
- 令和3年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産を取得しておらず相続税額が算出されないことから、相続税の申告書(本件申告書)第1表には記載すべき内容を記載せず、本件申告書第15表に他の共同相続人とともに記名して提出したもので、本件申告書は請求人の期限内申告書である旨主張する。しかしながら、相続税の納税申告が公法上の効果の発生をもたらす要式行為であることに鑑みれば、相続税の納税申告をした者、すなわち相続税の申告書を提出した者を認定するに当たっては、相続税の申告書に表示されたところに従って判断すべきであり、本件申告書には請求人に係る所定の記載事項のうち住所、個人番号及び相続税額並びに押印がないことからすると、本件申告書は請求人が共同で提出した申告書と認めることはできない。したがって、本件申告書は、請求人の期限内申告書には該当しない。(令3. 3.10 仙裁(諸)令2-17)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令020007
- 裁決年月日
- 令和3年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺言公正証書(本件遺言公正証書)の謄本を入手したことにより、本件遺言公正証書に記載された遺言の内容を理解し、また、相続税額が過大となっていることを確認したのであるから、本件遺言公正証書の謄本を入手した日が、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1項第4号にいう遺贈に係る遺言書が発見されたことを知った日であり、原処分庁に提出した更正の請求書は、本件遺言公正証書の謄本を入手した日の翌日から起算して4か月以内に提出したものであるから、同項に基づく更正の請求(本件更正の請求)が認められる旨主張する。しかしながら、請求人が作成し地方裁判所に提出した書面によると、請求人は、本件遺言公正証書の謄本を入手したと主張する日以前に本件遺言公正証書の謄本を発見していた事実が認められるところ、本件更正の請求は、本件遺言公正証書を発見していたと認められる日の翌日から4か月以内にされたものでないから、相続税法第32条第1項に規定する更正の請求をすることができる期限を徒過してされた不適法なものである。 (令3. 1.15 高裁(諸)令2-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020039
- 裁決年月日
- 令和2年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№121
要旨
○請求人らは、被相続人と生前締結した死因贈与契約について、相続人不存在の場合、相続債権者・受遺者に対する債権申出催告の公告に係る請求申出期間満了日以前は、当該契約に基づく権利は未確定であり、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する「その相続の開始があったことを知った日」は当該催告期間満了日となるから、その翌日から10月を経過する日までに提出した相続税の申告書は期限内申告書である旨主張する。しかしながら、請求人らは、被相続人の相続開始日に、死因贈与契約に基づく権利を取得することが確定したのであり、被相続人の死亡を知った日の翌日から10月を経過する日までに相続税の申告書を提出しなければならなかったところ、当該経過する日までに相続税の申告書を提出しなかったのであるから、請求人らが提出した相続税の申告書は期限後申告書である。(令2.12.14東裁(諸)令2-39)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令020001
- 裁決年月日
- 令和2年7月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、平成24年分の贈与税の期限後申告書が関与税理士の請求人に対する虚偽の説明に基づき作成され提出されたものであるとの理由により、課税価格が零円であったとして行った更正の請求(本件更正の請求)は適法である旨主張する。しかしながら、相続税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第2項により読み替えられた国税通則法(平成27年法律第9号による改正前のもの)第23条《更正の請求》第1項は、更正の請求の期限について、法定申告期限から6年以内である旨規定しているから、本件更正の請求は、更正の請求の期限である平成31年3月15日を徒過してされた不適法なものである。なお、請求人には、国税通則法第23条第2項各号に規定する理由及び相続税法第32条第1項各号に規定する一定の事由に該当する事実は認められない。(令2.7.14高裁(諸)令2-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010006
- 裁決年月日
- 令和元年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務を負わなくなる時期が切迫している事情がないなどにもかかわらず行われた相続税法第34条《連帯納付の義務等》第6項の規定に基づく納付通知処分(本件納付通知処分)は不当である旨主張する。しかしながら、本件納付通知処分は、同条第5項の規定に基づく通知をした上で、請求人から相続税を徴収することも考慮し、その徴収に先立ち、請求人が不意打ちを受けるなどの事態を避けるために行われたものと認められ、同項の趣旨及び目的に反してされたものではないから不当ではない。(令元. 8.27 関裁(諸)令元-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010014
- 裁決年月日
- 令和元年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同相続人である異母姉兄と共に遺産が未分割であるとして相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定に基づき相続税の申告をしていたところ、原処分庁が、訴訟上の和解(第2和解)により全ての遺産の分割が確定したとする同法第32条《更正の請求の特則》第1項に基づく異母姉兄の更正の請求を認容し、請求人に対しては同法第35条《更正及び決定の特則》第3項に基づく更正処分(原処分)を行ったのに対して、第2和解以前に成立した別訴の和解(第1和解)における和解条項に「相続分が各3分の1であることを相互に確認する」旨の記載があり、これは相続財産全てを3分の1づつの割合で各相続人に包括的に帰属させる意図にあり、既に相続財産全ての分割は確定しているから、異母姉兄の更正の請求は法定の期間を徒過した不適法な請求であり、当該不適法な請求を前提とした原処分も違法である旨主張する。しかしながら、訴訟上の和解をその表示された文言と異なる意味に解すべきとすることは、その文言自体相互に矛盾し、又は文言自体によってその意味を了解し難いなど和解条項それ自体に瑕疵を内包するような「特別な事情」のない限り許されないところ、①第2和解の和解条項には、「遺産分割に関し、分割未了の遺産につき各自3分の1づつ取得する」旨の記載があり、上記「特別な事情」は認められないから、相続財産の一部については、その文言どおりに分割が行われたと認めるのが相当であり、②第1和解の「(相続財産の一部については)相続分が各3分の1であることを相互に確認する」旨の和解条項を、その文言とは異なる請求人主張の趣旨と解することもできない。したがって、異母姉兄の更正の請求の一部は、第2和解による遺産分割の確定から法定の期間内にされたものであり、当該更正の請求を前提とした原処分は、相続税法第35条3項に基づき行われたものと認められる。(令元. 7.29 東裁(諸)令元-14)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300028
- 裁決年月日
- 令和元年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産の範囲確定等請求事件において成立した和解(本件和解)によって、未分割であった相続財産(本件各財産)が分割されたといえる旨主張する。しかしながら、本件和解の和解調書には、本件各財産の分割について別個独立に分割する旨記載されているが、具体的な分割の内容は記載されていないから、本件和解により、本件各財産について、遺産分割が行われたと認めることはできない。(令元. 6.21 広裁(諸)平30-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300028
- 裁決年月日
- 令和元年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税通則法第23条《更正の請求》第2項第1号に規定する「訴えについての判決(判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含む。)」と相続税法施行令第8条《更正の請求の対象となる事由》第2項第1号に規定する「財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決」は、同義と解することができるから、相続財産の範囲確定等請求事件において成立した訴訟上の和解(本件和解)により、相続税法第32条《更正の請求の特則》に基づく更正の請求ができる旨主張する。しかしながら、相続税法施行令第8条第2項第1号は、判決に和解を含むとは規定していないから、本件和解は、相続税法施行令第8条第2項第1号に規定する「判決」に該当せず、相続税法第32条に基づく更正の請求は認められない。(令元. 6.21 広裁(諸)平30-28)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平300008
- 裁決年月日
- 令和元年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁には、請求人の姉及び請求人に対し徴収手続を適正に行わなかった不作為があり、その結果、請求人の姉の滞納国税(本件滞納国税)の本税額とほぼ同額の延滞税を発生させているから、相続税法(平成23年法律第82号による改正前のもの)第34条《連帯納付の義務》第4項の連帯納付義務に係る督促処分(本件各督促処分)に国税徴収権を濫用した違法がある旨主張する。しかしながら、①同項の連帯納付義務は、贈与税の徴収確保を図るため、贈与者に課した特別の責任であるから、受贈者の納税義務の成立と同時に成立し、その税額の確定と同時に納付額が確定するものであって、法律上当然に生ずるものであり、贈与者が、贈与から長期間を経過した後に受贈者の贈与税について連帯納付義務に基づく国税徴収権の行使を受ける場合が生じることは、相続税法が当然予定した事態というべきであるから、原処分庁が、本件滞納国税の法定納期限から9年以上経過した後に本件各督促処分を行ったからといって、そのことをもって直ちに国税徴収権の濫用があったということはできない。また、②同項に規定する贈与税の連帯納付義務は、補充性がなく、国税徴収法に規定する第二次納税義務のように、本来の納税義務者に対する滞納処分を執行しても徴収すべき額に不足すると認められる場合に限って納税義務を負担するものではないから、本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続は、本来的に別個の手続というべきであり、仮に、原処分庁が請求人の姉に対し徴収手続を適正に行っていれば、同人から本件滞納国税を徴収することが可能であったにもかかわらず、原処分庁がこれを怠った結果、同人から本件滞納国税を徴収することができなくなったとしても、これをもって国税徴収権の濫用があったということはできない。(令元. 6.13 仙裁(諸)平30-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300072
- 裁決年月日
- 令和元年5月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割調停において請求人の相続分を全部譲渡(本件相続分譲渡)したことは、代償分割に該当し、加えて、請求人が当該遺産分割調停事件から排除されたことからしても、本件相続分譲渡が相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号に規定する「財産の分割」に該当することは明らかである旨主張する。しかしながら、同号の「財産の分割」とは、相続財産の帰属を確定させる民法上規定された「遺産の分割」(民法第906条《遺産の分割の基準》以下)を指すものと解するのが相当であり、本件相続分譲渡は、譲渡当事者間で遺産分割の前提となる具体的相続分を変更したにとどまり、相続人全員の合意ないし家庭裁判所の審判によって相続財産の帰属自体が確定する遺産分割とはその法的性質も異なるから、本件相続分譲渡をもって、被相続人の未分割財産について、遺産分割としての代償分割が成立したとは認められず、相続税法第32条第1号に規定する「財産の分割」に該当しない。(令元.5.7 大裁(諸)平30-72)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300071
- 裁決年月日
- 平成31年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の更正の請求の期限までに、更正の請求(本件更正請求)ができなかったのは、原処分庁所属の相談担当職員ら(本件相談担当職員ら)により、誤った期限を指導されていたためであるから、本件更正請求は適法とされるべきである旨主張する。しかしながら、更正の請求の期限は法律によって定められているところ、本件更正請求は、国税通則法第23条《更正の請求》第2項及び相続税法第32条《更正の請求の特則》に規定する更正の請求期限をいずれも徒過していること、また、一般に税務署の窓口における税務相談は、申告納税制度を適正かつ円滑なものにするための行政サービスの一環として、相談担当職員が相談者の提示した資料及びその相談内容の範囲内で検討して一応の判断を説明するものであって、当該税務相談によって更正の請求の期限が定まるものではないことからすれば、仮に、本件相談担当職員らの指導が請求人の主張どおりであったとしても、本件更正請求の適法性の判断に影響を及ぼすものではない。(平31. 4.25 大裁(諸)平30-71)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300023
- 裁決年月日
- 平成31年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続に係る遺言書(本件遺言書)は、請求人が被相続人(本件被相続人)に認知されたことが証明可能となった場合に遺贈するという停止条件付遺言であると解釈すべきであり、本件被相続人を父とする請求人の戸籍が編製された日が、「相続の開始があったことを知った日」であるから請求人が提出した相続税の申告書(本件申告書)は期限内申告書であるなどと主張する。しかしながら、本件遺言書は、その文言からは、請求人の認知と請求人に対する財産の遺贈とが、それぞれ別個独立のものとして意思表示されているものと解するのが自然であって、認知と遺贈とが相互に関連付けられているとは解し難い。そして、遺贈により財産を取得した者における「相続の開始があったことを知った日」とは、自己のために遺贈があったことを知った日を意味し、遺贈を受けた本人が未成年者である場合については、本人が弁識能力のない場合は法定代理人が、本人が弁識能力を有している場合は本人又は法定代理人が、その遺贈があったことを知った日と解すべきである。そうすると、請求人の法定代理人である母(本件母)は、本件遺言書の検認に立ち会ったというのであるから、遅くともこの日には、本件被相続人が請求人を認知したこと及び請求人のために遺贈があったことを知ったと認められるから、本件における「相続の開始があったことを知った日」は、本件母が本件遺言書の検認に立ち会った日となる。したがって、本件申告書は、法定申告期限経過後に提出された期限後申告書である。 (平31. 2. 8 名裁(諸)平30-23)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300026
- 裁決年月日
- 平成30年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の弟が原処分庁の相談担当職員から誤指導を受けた結果、相続人らは、相続税法第32条《更正の請求の特則》に定める更正の請求の期限内に更正の請求をすることができなかったのであるから、本件更正の請求は適法とされるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が誤指導の証拠として提出した請求人の弟が作成した手紙の内容からは、相談担当職員が請求人の主張するような誤指導をしたとは認められず、その他請求人が主張する誤指導を認めるに足りる証拠はないから、当該誤指導があったとは認められない。仮に請求人が主張する内容の誤指導があったとしても、租税法律関係では租税法律主義の原則が貫かれるべきであることからすると、信義則の適用には、納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別な事情が必要であり、少なくとも、税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したことが不可欠というべきであるが、請求人が主張する誤指導は、税務官庁の公的見解の表示とはいえないから、信義則を適用すべき場合には当たらない。したがって、本件更正の請求は、信義則により適法となるものではない。(平30.10.19 大裁(諸)平30-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290062
- 裁決年月日
- 平成30年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母(本件被相続人)の相続(本件二次相続)に係る遺留分の額について、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)第35条《更正及び決定の特則》第3項の規定により相続税の決定処分(本件決定処分)を受けていたところ、請求人の父の相続(本件一次相続)に係る遺産分割調停(本件調停)の成立により、請求人の父名義の財産については請求人の姉が単独所有権者となる旨の分割が確定したのであるから、本件決定処分に係る課税価格から当該財産の価額は除かれるべきであり、原処分庁は更正の請求(本件更正の請求)を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件決定処分の前にされた判決により、請求人が遺留分として有する権利が確定しているところ、本件調停は、請求人の父名義の財産に係る請求人の権利を請求人の姉に移転し、請求人に代償金を取得させたにすぎないと認められるから、本件調停により、請求人の遺留分の額が確定したとはいえない。そうすると、本件更正の請求は、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号及び同条第3号の規定に基づくものとは認められず、ほかに、同法第32条第2号及び第4号から第8号までの規定、又は国税通則法(平成23年法律第114号による改正前のもの)第23条《更正の請求》の規定に該当する事由も認められない。(平30. 6.19 関裁(諸)平29-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290062
- 裁決年月日
- 平成30年3月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が法定相続人以外の受遺者であり、家庭裁判所の審判により、本件遺言書に基づく包括遺贈について承認又は放棄の期間(熟慮期間)を伸長されていたのであるから、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項にいう「相続の開始があったことを知った日」は、熟慮期間満了日であり、その日の翌日から10月以内に請求人が提出した相続税の申告書(本件申告書)は、期限内申告書であると主張する。しかしながら、法定相続人以外の受遺者について「相続の開始があったことを知った日」は、当該受遺者が被相続人の死亡の事実と自己のために遺贈があったという事実を知った日をいうものと解するのが相当であるから、請求人が遺贈があったという事実を知った日の翌日から10月を超えて提出された本件申告書は、期限後申告書と認められる。(平30. 3.20 大裁(諸)平29-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290074
- 裁決年月日
- 平成30年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人がした相続税に係る物納の許可の申請(本件物納申請)につき、相続税法施行令第17条《物納の許可限度額》に規定する物納許可限度額が零円であるとして却下処分(本件物納申請却下処分)したことに対し、原処分庁がした臨時的収入額などの認定には誤りがあるなどと主張する。確かに、原処分庁がした臨時的収入額の認定には矛盾が認められその計算は相当ではないが、当審判所において「金銭納付を困難とする理由書」等に定める方法により本件物納申請に係る物納許可限度額を検討した結果、請求人のその他の主張はいずれも採用することはできず、当該物納許可限度額は零円となる(延納によっても金銭で納付することを困難とする事由は認められない)。したがって、本件物納申請却下処分は適法である。(平30. 1.26 東裁(諸)平29-74)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務に係る督促状(租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成24年法律第16号)附則第57条第2項参照)が発せられていないから、平成24年改正後の相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項第1号の規定により、連帯納付義務は消滅した旨主張する。しかしながら、税務署長は、原処分庁に徴収の引継ぎを行う前に、請求人に対し、連帯納付義務に係る督促状を発したものと認められるから、相続税の法定申告期限から5年を経過する日までに連帯納付義務に係る督促状を発していない場合には当たらない。(平29. 7.11 大裁(諸)平29-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)による代償金債権(本件代償金債権)の履行は実現していないから、相続により受けた利益はない旨主張する。しかしながら、相続により受けた利益の価額に相当する金額の算定の基準時は、相続開始時であると解されるところ、本件代償金債権が履行されなかったのは、基本的には、相続開始後の事情によるものであり、そのような事態が本件遺産分割協議の成立当時から既に想定されていたとか、本件代償金債権の回収が不可能ないし著しく困難であることが見込まれていたなどといった事情はうかがわれないことからすれば、結果的に本件代償金債権の履行が実現しなかったとしても、相続により受けた利益がないということはできない。(平29. 7.11 大裁(諸)平29-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法の平成24年改正によって、連帯納付義務の性質が民法上の連帯債務と同様になるよう修正され、連帯債務者の一人について生じた時効中断事由は他の債務者に影響を与えない旨主張する。しかしながら、相続税法の平成24年改正は、連帯納付義務者にとって過酷となる事態の発生を防止しつつ、一般納税者との公平を確保するとの観点から、本来の納税義務者の申告期限から5年を経過する日までに連帯納付義務者に連帯納付義務の履行を求める通知をするなどしなければ連帯納付義務の全部又は一部が解除される旨の規定を設ける措置が採られたのであり、同改正によって、連帯納付義務の性質が変更されたわけではない。(平29. 7.11 大裁(諸)平29-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代償金債権の取得原因である遺産分割協議を解除したから、解除の遡及効により、相続により受けた利益は消滅した旨主張する。しかしながら、連帯納付義務は、各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して確定するものであるから、相続により受けた利益の価額は、相続により取得した財産の価額と常に連動するものである。そうすると、申告の基礎とした法律関係が解除されたことにより相続により受けた利益が消滅したと主張して同利益の価額を争うことは、必然的に、請求人の固有の相続税額を争うことにつながるのであるから、申告内容を自己に有利に是正することを求めるものとして、更正の請求の手続によるべきであり、これを連帯納付義務に係る徴収処分の違法事由として主張することは認められない。(平29. 7.11 大裁(諸)平29-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280025
- 裁決年月日
- 平成29年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、遺産分割が確定した日は、相続財産管理人報酬等支払訴訟の判決確定日(平成27年10月○日)であるから、請求人らが平成28年2月○日に提出した更正の請求は、相続税法第32条《更正の請求の特則》に定める提出期限内にされたものである旨主張する。しかしながら、同条第1項第1号に規定する「当該財産の分割が行われた」ときとは、遺産分割が成立することによって相続財産についての権利関係が変動したと解され、「当該事由が生じたことを知った日」は、遺産分割の審判等が確定したことにより財産の分割が行われたことを知った日となる。本件の場合、その日は、裁判所の決定が請求人らに送達された日(平成20年5月○日)であると認められ、したがって、請求人らが行った更正の請求は、同号に規定する期限(平成20年9月○日)を徒過しているから、相続税法第32条に基づく更正の請求は認められない。(平29. 6.22 広裁(諸)平28-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280146
- 裁決年月日
- 平成29年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の亡夫の遺産分割協議が裁判により無効である旨の判決(本件判決)が確定したことから、被相続人の遺言に基づき取得した財産に異動があったとして相続税の更正の請求(本件更正請求)をしたのに対し、国税通則法(平成23年法律第114号による改正前のもの)第23条《更正の請求》第2項第1号の適用がないなどとして更正をすべき理由がない旨の各通知処分(本件通知処分)を受けたところ、国税通則法第23条第2項及び相続税法(平成23年法律第82号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》は一般法と特別法の関係にあり、双方を適用できる場合においては、後者が優先適用されるとして、本件通知処分は、本件更正請求が相続税法第32条第6号の要件を具備するか否かを判断すべきであった旨主張する。しかしながら、同号に規定する政令で定める事由に該当する相続税法施行令(平成23年政令第380号による改正前のもの)第8条《更正の請求の対象となる事由》第2項第1号の「相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決」とは、相続財産に含まれる権利の存在を前提とした上で、相続人等の間の帰属に関する訴えについての判決に限られ、本件判決のような相続、遺贈又は贈与の対象である権利の存否についての訴えに係る判決は含まれない。したがって、本件更正請求は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する更正の請求であり、同号の要件を具備するか否かを判断した本件通知処分は適法である。(平29. 6.21 東裁(諸)平28-146)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280034
- 裁決年月日
- 平成29年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡母の相続(本件相続)に関して、請求人の法定相続分が3分の1であることを前提とした遺産分割審判(本件審判)がなされた後、請求人が本件審判以前に相続放棄の申述をしていたことを理由に本件審判を無効とする判決(本件判決)がなされたため、本件判決によって、本件相続に係る請求人の相続分が3分の1から零になったとして、相続税法第32条(平成23年法律第114号による改正前のもの)《更正の請求の特則》第6号及び相続税法施行令(平成23年12月政令第380号による改正前のもの)第8条《更正の請求の対象となる事由》第2項第1号に規定する更正の請求が認められるべき事由に該当すると主張する。しかしながら、相続税法第32条第6号及び相続税法施行令第8条第2項第1号も、国税通則法(平成23年法律第114号による改正前のもの)第23条《更正の請求》第2項と同様に、申告時には予測し得なかった事態その他やむを得ない理由に基づくものであることが必要であるところ、請求人は、自ら相続放棄の申述を行い、これが家庭裁判所に受理されたにもかかわらず、これに反し期限後申告を行っていることからすると、請求人において、同条第1項の所定の期間内に更正の請求をしなかったことについてやむを得ない理由があるとはいえず、本件判決は、相続税法施行令第8条第2項第1号に規定する「判決」に該当しない。(平29. 1.12 大裁(諸)平28-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280034
- 裁決年月日
- 平成29年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡母の相続(本件相続)に関して、請求人の法定相続分が3分の1であることを前提とした遺産分割審判(本件審判)がなされた後、請求人が本件審判以前に相続放棄の申述をしていたことを理由に本件審判を無効とする判決(本件判決)がなされたため、本件判決によって、本件相続に係る請求人の相続分が3分の1から零になったとして、相続税法第32条(平成23年法律第114号による改正前のもの)《更正の請求の特則》第1号に規定する更正の請求が認められるべき事由に該当すると主張する。しかしながら、同号の「財産の分割」とは、共同相続人間の協議又は遺産分割調停若しくは遺産分割審判に基づく遺産分割の実行をいうところ、本件判決は、本件審判の無効を確認するとともに、本件審判に基づいてされた所有権移転登記の抹消登記手続を命じることなどを内容とするものであり、共同相続人の協議又は遺産分割調停若しくは遺産分割審判に基づく遺産分割の実行のいずれにも該当しないことから、本件判決は、同号に規定する「財産の分割」に該当しない。(平29. 1.12 大裁(諸)平28-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280033
- 裁決年月日
- 平成29年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法(平成23年12月法律第114号による改正前のもの。)第32条《更正の請求の特則》の規定に基づく更正の請求は、同条各号に規定する「事由が生じたことを知った日」の翌日から4か月以内に行う必要があるところ、租税特別措置法施行令(平成25年政令第169号による改正前のもの。)第40条の2《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第13項が準用する相続税法施行令第4条の2《配偶者に対する相続税額の軽減の場合の財産分割の特例》第1項第2号は、「分割ができることとなった日」について、調停の取下げの日と規定していることから、本件において相続税法第32条に規定する「事由が生じたことを知った日」は、本件調停を取り下げた日である旨主張する。しかしながら、相続税法施行令第4条の2第1項は、租税特別措置法(平成25年法律第5号による改正前のもの。)第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第4項の「分割できることとなった日」について規定したものにすぎず、同項の要件を充足し、更正の請求が可能となった場合における相続税法第32条所要の「事由が生じたことを知った日」は、飽くまでも、現実に遺産分割が行われたことにより、既に申告した相続税に係る課税価格及び相続税額が過大となったことを知った日、すなわち遺産分割の日である。(平29. 1. 6 大裁(諸)平28-33)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成28年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務に係る督促状(租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成24年法律第16号)附則第57条第2項参照)が発せられていないから、平成24年法律第16号による改正後の相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項第1号の規定により、連帯納付義務は消滅した旨主張する。しかしながら、請求人に対し、相続税の法定申告期限から5年を経過する日までに連帯納付義務に係る督促状が発せられたものと認められるから連帯納付義務は消滅していない。(平28. 9. 2 大裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成28年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代償金債権の取得原因である遺産分割協議を解除したから、解除の遡及効により、相続により受けた利益は消滅し、連帯納付義務も消滅した旨主張する。しかしながら、連帯納付義務は、各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して確定するものであるから、相続により受けた利益の価額は、相続により取得した財産の価額と常に連動するものである。そうすると、申告の基礎とした法律関係が解除されたことにより相続により受けた利益が消滅したと主張して同利益の価額を争うことは、必然的に、請求人の固有の相続税額を争うことにつながるのであるから、申告内容を自己に有利に是正することを求めるものとして、更正の請求の手続によるべきであり、これを連帯納付義務に係る徴収処分の違法事由として主張することは認められない。(平28. 9. 2 大裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成28年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)による代償金債権(本件代償金債権)の履行は実現していないから、相続により受けた利益はない旨主張する。しかしながら、相続により受けた利益の価額に相当する金額の算定の基準時は、相続開始時であると解されるところ、本件代償金債権が履行されなかったのは、基本的には、相続開始後の事情によるものである。そして、このような事態が本件遺産分割協議の成立当時から既に想定されていたとか、本件代償金債権の回収が不可能ないし著しく困難であることが見込まれていたなどといった事情はうかがわれないことからすれば、結果的に本件代償金債権の履行が実現しなかったとしても、相続により受けた利益がないとはいうことができない。(平28. 9. 2 大裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270019
- 裁決年月日
- 平成28年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第39条《延納手続》第1項の規定に基づいて期限内に行った相続税の延納申請(一回目延納申請)を取り下げた後、期限後に改めて延納申請(二回目延納申請)を行ったところ、原処分庁が、二回目延納申請は期限後の申請であるとして却下した(原処分)ことについて、一回目延納申請に係る取下書は原処分庁所属の職員の強要に基づき誘導されて提出したもので無効であるから、一回目延納申請は取り下げられておらず、二回目延納申請はなかったものとして取り扱うべきであって原処分は不当である旨主張する。しかしながら、原処分は二回目延納申請に対してされたものであり、一回目延納申請は取り下げられていない旨の主張は、原処分の取消理由とはならず、また、仮に二回目延納申請がなかったものとして取り扱うべきであるならば、原処分は請求人に不利益をもたらすものではないから、請求人が原処分の取消しを求める法律上の利益はない。(平28. 6.10 広裁(諸)平27-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270089
- 裁決年月日
- 平成28年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第1号の規定に基づく更正の請求又は同法第35条《更正及び決定の特則》第3項第1号の規定に基づく更正において、適正な価額を基に課税を受けることは当然の利益であり、遺産分割により取得した財産の価額が更正の請求前の課税価格及び相続税の計算に用いられていた価額で固定しておかなければならないなどという根拠は全くないのであるから、申告における財産の価額が誤ったものである場合、申告における価額に拘束されず、適正な価額により計算すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第32条第1号の規定に基づく更正の請求は、同号に規定する事由に該当した場合に限って認められるものであり、同号は、未分割の財産につき、一旦、同法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定による計算で税額が確定した後、遺産分割が行われ、その結果、既に確定した相続税額が過大になるという相続税に固有の後発的事由について規定したものであって、申告に存在するとされる過誤の是正を求めることを目的とするものではない。そうすると、未分割の財産を分割した結果、既に確定した課税価格及び納付すべき税額が過大になるか否かの判断に当たって、算定の基礎となる財産の価額は、申告により確定した価額とすべきである。また、相続税法第35条第3項第1号の規定に基づく更正は、同法第32条の規定による更正の請求に基づいて減額の更正処分が行われたことを前提とするものであるから、同法第32条第1号の規定に係る更正の請求と同様の理由により、算定の基礎となる財産の価額は、申告により確定した価額とすべきである。(平28. 2.12 東裁(諸)平27-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270090
- 裁決年月日
- 平成28年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第1号の規定に基づく更正の請求又は同法第35条《更正及び決定の特則》第3項第1号の規定に基づく更正において、適正な価額を基に課税を受けることは当然の利益であり、遺産分割により取得した財産(本件財産)の価額が更正の請求前の課税価格及び相続税の計算に用いられていた価額で固定しておかなければならないなどという根拠は全くないのであるから、申告における本件財産の価額が誤ったものである場合、申告における価額に拘束されず、適正な価額により計算すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第32条第1号の規定に基づく更正の請求は、同号に規定する事由に該当した場合に限って認められるものであり、同号は、未分割の財産につき、一旦、同法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定による計算で税額が確定した後、遺産分割が行われ、その結果、既に確定した相続税額が過大になるという相続税に固有の後発的事由について規定したものであって、申告に存在するとされる過誤の是正を求めることを目的とするものではない。そうすると、未分割の財産を分割した結果、既に確定した課税価格及び納付すべき税額が過大になるか否かの判断に当たって、算定の基礎となる財産の価額は、申告により確定した価額とすべきである。また、相続税法第35条第3項第1号の規定に基づく更正は、同法第32条の規定による更正の請求に基づいて減額の更正処分が行われたことを前提とするものであるから、同法第32条第1号の規定に係る更正の請求と同様の理由により、算定の基礎となる財産の価額は、申告により確定した価額とすべきである。(平28. 2.12 東裁(諸)平27-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270092ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成28年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第1号の規定に基づく更正の請求において、適正な価額を基に課税を受けることは当然の利益であり、遺産分割により取得した財産の価額が更正の請求前の課税価格及び相続税の計算に用いられていた価額で固定しておかなければならないなどという根拠は全くないのであるから、申告における財産の価額が誤ったものである場合、申告における価額に拘束されず、適正な価額により計算すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第32条第1号の規定に基づく更正の請求は、同号に規定する事由に該当した場合に限って認められるものであり、同号は、未分割の財産につき、一旦、同法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定による計算で税額が確定した後、遺産分割が行われ、その結果、既に確定した相続税額が過大になるという相続税に固有の後発的事由について規定したものであって、申告に存在するとされる過誤の是正を求めることを目的とするものではない。そうすると、未分割の財産を分割した結果、既に確定した課税価格及び納付すべき税額が過大になるか否かの判断に当たって、算定の基礎となる財産の価額は、申告により確定した価額とすべきである。(平28. 2.12 東裁(諸)平27-92)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270010
- 裁決年月日
- 平成28年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の延納許可の取消処分(本件取消処分)は、その前提であるA市長が行った差押え(本件差押え)は違法な処分であること、本件取消処分を行う前に、延納条件の変更や担保物の差替えの教示等及び本件取消処分についての説明を行っておらず、相続税法第40条《延納申請に係る徴収猶予等》第2項の規定に違反していること、相続税延納許可取消通知書(本件通知書)に本件取消処分の理由が詳細に記載されておらず、相続税法第40条第3項の規定に違反していることから違法である旨主張する。しかしながら、本件差押えに係る違法性の判断は当審判所の権限に属さないため審理の限りではない上、本件差押えが権限ある機関により取り消された事実もなく、また、本件取消処分に当たって事前の説明を行わなければならない旨の規定はない。さらに、本件通知書の記載内容は理由付記の趣旨及び目的に照らして必要十分なものである。(平28. 1.27 広裁(諸)平27-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270015
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、課税要件及び租税の賦課徴収の手続は、法律で明確に定めることが必要であるところ、相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)第34条《連帯納付の義務》第1項に規定する連帯納付義務は、相続税の徴収が確保されるための特別の責任であって、特に、法の文言に従って厳格に解釈される必要があり、①延滞税の根拠法が相続税とは明確に区別されていること、②相続税法第34条第1項には相続税に延滞税を含む旨明記されていないことからすれば、相続税法第34条第1項の「相続税」に延滞税は含まれない旨主張する。しかしながら、国税についての基本的事項及び共通的事項を規定する国税通則法は、第60条《延滞税》第4項において、延滞税はその計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする旨規定しており、相続税法その他の法令において別段の定めがない限り、相続税法第34条第1項の「相続税」に延滞税が含まれると解するのが相当である。(平27.11. 4 関裁(諸)平27-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法の改正により、相続税の申告期限から5年を経過する日までに相続税法第34条《連帯納付の義務等》第6項の通知が連帯納付義務者に発せられていない場合には連帯納付義務を負わないとされたことに伴い、本来の納税義務者に対する時効の中断措置がされていたとしても、請求人に対してはされていないことになるから、本件連帯納付義務は既に時効により消滅している旨主張する。しかしながら、相続税法第34条第1項の連帯納付義務は、本来の納税義務と別個に消滅することは予定されていないと解され、本来の納税義務者に対する徴収権の消滅時効の中断及び停止の効力は、連帯納付義務者に及ぶと解するのが相当であり、同改正後もこれに変更はない。(平27. 8.17 大裁(法・諸)平27-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、家庭裁判所の審判による代償分割では、相続財産を現物で取得する相続人に代償債務の支払い能力があることが要件となっていることを挙げ、遺産分割協議がそもそも不成立である旨主張する。しかしながら、当該要件は、飽くまで家庭裁判所の審判による分割の要件であって、私的自治の原則が妥当する相続人間の協議による代償分割の場合における要件とは解することはできず、このような事情をもって遺産分割協議が成立していないということはできない。(平27. 8.17 大裁(法・諸)平27-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)を法定解除ないし合意解除しており、民法第545条《解除の効果》第1項に基づく解除の遡及効により、連帯納付義務は当初から発生していない旨主張する。しかしながら、連帯納付義務に係る連帯納付責任額は、各相続人の固有の相続税の納付義務の確定という事実に照応して確定するものであって、連帯納付義務の存否及び連帯納付責任額について争うのであれば、自己の固有の相続税額の確定手続について、更正の請求をするほかないところ、請求人の更正の請求に対しては、更正をすべき理由がない旨の通知処分がされ、その判断が取り消されたとは認められない以上、請求人の連帯納付責任額が変わることもない。(平27. 8.17 大裁(法・諸)平27-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)の代償債権(本件代償債権)の履行を受けていないのだから、相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項に規定する「受けた利益」はなく、連帯納付義務を負わない旨主張する。しかしながら、本件代償債権は相続により取得した財産とするのが相当であり、その取得時点でその履行が不可能又は著しく困難であると見込まれるのでなければ当該債権の額面額を「相続により受けた利益の価額」の算出の基礎とすべきである。そして、本件遺産分割協議は、請求人が、本件代償債権の履行が可能であると判断し、自らの意思で行ったものであり、その取得時点で回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる事情があったとはうかがえないことから、本件代償債権についての履行が現在に至るまで実現していないとしても、請求人が相続により受けた利益の価額の算定に影響することはない。(平27. 8.17 大裁(法・諸)平27-8)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平260006
- 裁決年月日
- 平成27年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本来の納税義務者(本件滞納者)が相続税を滞納していたところ、原処分庁が、連帯納付義務者である請求人らの還付金を、本件滞納者が納付すべき延滞税に充当した処分は、相続税の連帯納付義務の範囲に延滞税が含まれるとの法律や規定はないので違法である旨主張する。しかしながら、延滞税は、国税通則法第15条《納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定》第3項第6号及び同法第60条《延滞税》第1項各号の規定により所定の要件を充足することによって法律上当然に納税義務が成立し、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税であり、同条第4項の規定により、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とされているから、延滞税の計算の基礎となる税が相続税であるときは当該延滞税も相続税となる。また、国税通則法は、その税に係る附帯税を含まない場合には、同法第2条《定義》第2号のように、その旨明記しているところ、連帯納付義務に係る相続税については、延滞税を除くという特別の規定がない。したがって、相続税法第34条《連帯納付の義務》(平成23年法律第82号による改正前のもの)第1項の規定により連帯納付義務を負う相続税の範囲に延滞税は含まれる。(平27. 3.16 熊裁(諸)平26-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260022
- 裁決年月日
- 平成26年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った延納許可の取消処分(本件取消処分)について、相続税法第40条《延納申請に係る徴収猶予等》第2項の「延納税額に係る担保物につき国税徴収法第2条《定義》第12号に規定する強制換価手続が開始されたとき」とは、延納許可に係る担保物全てについて強制換価手続が開始されたときをいうことから、複数の担保物の一部のみに強制換価手続きが開始されたことをもってなされた本件取消処分は適切な弁明聴取を欠いた違法な処分である旨主張する。しかしながら、延納許可に係る担保物の一部について第三者による強制換価手続が開始された場合においても、弁明の聴取を行っていては、当該強制換価手続によって担保物の一部が換価され、延納税額等の徴収を確保できなくなるおそれがあることから、相続税法第40条第2項に基づき、弁明を聴取することなく延納許可を取り消すことができる。したがって、適切な弁明聴が行われたか否かについて判断するまでもなく、本件取消処分が適切な弁明聴取を欠くことを理由に違法な処分であるとはいえない。(平26.11.25 関裁(諸)平26-22)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260023ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成26年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№97
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った相続税の延納許可の取消処分(本件取消処分)は、請求人に滞納国税の納付の意思があったにもかかわらず、それを待たずに一方的になされたものであり、裁量権の逸脱又は濫用があった旨主張する。しかしながら、請求人の資産の状況等によれば、請求人が滞納国税を納付できる見込みはなかったものといえるから、本件取消処分は、国税を適切に徴収するために合理性があったものと認められる上、原処分庁が二度にわたって延納条件の変更を許可し任意の納付を待ったこと等に鑑みると、裁量権の逸脱又は濫用があったとはいえない。(平26.11.25 関裁(諸)平26-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260023
- 裁決年月日
- 平成26年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№97
要旨
○請求人は、原処分庁が行った延納許可の取消処分(本件取消処分)について、相続税法第40条《延納申請に係る徴収猶予等》第2項の「延納税額に係る担保物につき国税徴収法第2条《定義》第12号に規定する強制換価手続が開始されたとき」とは、延納許可に係る担保物全てについて強制換価手続が開始されたときをいうことから、複数の担保物の一部のみに強制換価手続が開始されたことをもってなされた本件取消処分は適切な弁明聴取を欠いた違法な処分である旨主張する。しかしながら、延納許可に係る担保物の一部について第三者による強制換価手続が開始された場合においても、弁明の聴取を行っていては、当該強制換価手続によって担保物の一部が換価され、延納税額等の徴収を確保できなくなるおそれがあることから、相続税法第40条第2項に基づき、弁明を聴取することなく延納許可を取り消すことができる。したがって、適切な弁明聴取が行われたか否かについて判断するまでもなく、本件取消処分が適切な弁明聴取を欠くことを理由に違法な処分であるとはいえない。(平26.11.25 関裁(諸)平26-23)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)の代償債権(本件代償債権)の履行を受けていないのだから、相続税法第34条《連帯納付の義務等》第1項に規定する「受けた利益」はなく、連帯納付義務を負わない旨主張する。しかしながら、本件代償債権は相続により取得した財産とするのが相当であり、その取得時点でその履行が不可能又は著しく困難であると見込まれるのでなければ当該債権の額面額を「相続により受けた利益の価額」の算出の基礎とすべきである。そして、本件遺産分割協議は、請求人が、本件代償債権の履行が可能であると判断し、自らの意思で行ったものであり、その取得時点で回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる事情があったとはうかがえないことから、本件代償債権についての履行が現在に至るまで実現していないとしても、請求人が相続により受けた利益の価額の算定に影響することはない。(平26. 8.29 大裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)を法定解除ないし合意解除しており、その解除によって利益を害される第三者は存在しないから、民法第545条《解除の効果》第1項が認めている解除の遡及効により、連帯納付義務はなかったものとなる旨主張する。しかしながら、連帯納付責任額は、各相続人の固有の相続税の納付義務の確定という事実に照応して確定するものであって、連帯納付義務の範囲を争うことは、必然的に共同相続人の固有の各相続税額を争うこととなり、請求人のこのような主張は、基本的に、連帯納付義務の存否及び税額が確定する段階、すなわち固有の相続税額の確定手続の段階においてすべきものである。そして、本件遺産分割協議の解除を理由とした請求人の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の処分が取り消されたとは認められないことから、請求人の固有の相続税が是正されることはない。したがって、本件合意解除による遡及効が、固有の相続税額を是正できない以上、これに連動する請求人の連帯納付責任額が変わることもないから、請求人の主張を採用することはできない。(平26. 8.29 大裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、家事審判規則第109条《現物をもってする分割に代わる債務負担》の取扱いなどに基づき、代償分割を行うに当たっては、相続財産を現物で取得する相続人に代償債務の支払能力があることが要件となっているところ、遺産分割協議(本件遺産分割協議)がされたとしても、本件遺産分割協議の代償債権(本件代償債権)の履行を受けていないのだから、実質的には遺産分割が終了したとはいえないから、いまだ連帯納付義務は発生していない旨主張する。確かに、遺産分割の審判にあっては、代償金の支払を命ぜられる相続人に債務の支払能力のあることが、同条に規定する「審判による分割において特別の事由があると認めるとき」に該当するかの判断にあたり考慮されるべきものとされているが、このような事情は、飽くまで家庭裁判所の審判による分割の場合に考慮されるべきものであって、私的自治の原則が妥当する相続人間の協議における代償分割の要件と解することはできない。(平26. 8.29 大裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250063
- 裁決年月日
- 平成26年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、相続税の調査時に相続開始後に発生した事情に基づいて被相続人の債務を認めない前提で指導し、請求人は当該指導に基づいて修正申告したのだから、被相続人の積極財産についてもその債務と同様に相続開始後に発生した事情に基づいて評価額を零円とするか大幅に減額すべきであることから、請求人の連帯納付責任限度額は零円である旨主張する。しかしながら、相続税の課税が、遺産全体を各相続人が民法に定める相続分に応じて取得したものとした場合における各取得金額に所定の税率を適用して相続税の総額を算出した上、その相続税の総額を、各相続人の取得した財産の価額に応じてあん分する仕組みを採った結果、各相続人がその相続により取得した財産とその額を確定することで、各相続人が固有に納税義務を負う額が確定するとともに、各相続人の連帯納付義務も確定し、連帯納付責任に係る連帯納付責任限度額も確定することになるから、請求人が、相続により取得した財産の評価額が過大であるという主張は、相続財産の額、ひいては、請求人が相続により得た利益の額を争うものであるところ、このような主張は、基本的に、連帯納付義務の存否及び限度額が確定する段階、すなわち請求人固有の相続税の確定手続の段階においてすべきものということになる。そして、納税申告書を提出した者が、その申告内容を自己に有利に是正することを求める手続としては、更正の請求及び税制改正に伴う措置として運用上認められた更正の申出によるしかないところ、これらの期限は既に経過しており、また、後発的事由による更正の請求が認められる場合があるが、請求人らにこれらに該当する事由や事実は見当たらない。したがって、本件において、請求人の連帯納付責任限度額を争うことができないというべきであるから、この点に関する請求人の主張は、その余の主張について判断するまでもなく、採用することができない。(平26. 6.25 大裁(諸)平25-63)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250063
- 裁決年月日
- 平成26年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人は、本来の納税義務者には滞納相続税を納付できる十分な資力等があり、同人から徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、原処分庁が請求人に対して恣意的に相続税法第34条《連帯納付の義務等》第6項に規定する連帯納付義務の納付通知処分を行ったことは徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、同法第34条第1項に規定する連帯納付義務は補充性を有しないのであって、連帯納付義務者は第二次納税義務等のように本来の納税義務者に滞納処分を執行しても徴収すべき額に不足すると認められる場合に限って納付義務を負担するというものではない。したがって、原処分庁が徴収手続を怠った結果、本来の納税義務者から滞納相続税を徴収することができなくなったという事実があったとしても、同人又は第三者の利益を図る目的をもって恣意的に当該滞納相続税の徴収を行わず、他の相続人に対して徴収処分をしたというような事情がない限り、徴収権の濫用には当たらない。本件の場合、このような事情は認められないことから、請求人の主張は採用することができない。(平26. 6.25 大裁(諸)平25-63)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250035
- 裁決年月日
- 平成26年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議が無効であることを確認する旨の判決が確定したこと及びそれから数年後に新たな遺産分割の審判が確定したことを理由とする相続税の更正の請求(本件更正の請求)につき、相続税法第32条《更正の請求の特則》は、課税価格等が確定した後に新たに生じた事由に基づき、課税価格等が過大になった者に更正の余地を与えようとする特則規定であり、同条第1号の趣旨は、①未分割である相続財産が後に遺産分割され、②当該遺産分割の前に既に申告が行われ、③その申告の課税価格が後の遺産分割によって過大となったことであるから、同号の準用又は類推適用により、認められるべきである旨主張する。しかしながら、同号の規定に基づく更正の請求は、単に相続財産の分割が行われ、相続財産の帰属が決まり、その結果に従って相続税の課税価格を計算すると申告に係る課税価格と異なるというだけでは足りず、①相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定により民法(第904条の2を除く。)の規定による相続分に従って課税価格が計算された申告が行われていること、②当該申告において未分割とされていた財産の分割が行われたことが必要であると解される。これを本件についてみると、当初申告後、遺産分割協議が無効であることを確認する旨の判決が確定したことにより、未分割の状態が明らかにされたものといえるところ、かかる相続財産について、請求人は、民法の規定による相続分に従って課税価格が計算された修正申告又は更正の請求をしておらず、また、民法の規定による相続分に従って課税価格が計算され更正処分が行われた事実も認められないから、上記①の要件を満たさない。したがって、本件更正の請求は、同法第32条第1号に規定する事由に該当するものとは認められない。(平26. 6. 4 名裁(諸)平25-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成25年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)の代償分割債権(本件代償分割債権)の履行を受けていないのだから、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項に規定する「受けた利益」はなく、連帯納付義務は負わない旨主張する。しかしながら、本件代償分割債権は相続により取得した財産とするのが相当であるところ、金銭債権を取得した場合、その発生時点でその履行が不可能又は著しく困難であると見込まれるのでなければ当該債権の額面額を「相続により受けた利益の価額」の算出の基礎とすべきである。そして、本件遺産分割協議は、請求人が、本件代償分割債権の履行が可能であると判断し、自らの意思で行ったものであり、その発生時点で回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる事情があったとはうかがえないことから、本件代償分割債権についての履行が現在に至るまで実現していないとしても、請求人が相続により受けた利益の価額の算定に影響することはない。(平25.10. 2 大裁(諸)平25-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成25年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、家事審判規則第109条《現物をもってする分割に代わる債務負担》の取扱いなどに基づき、代償分割を行うに当たっては、相続財産を現物で取得する相続人に代償債務の支払能力があることが要件となっているところ、遺産分割協議(本件遺産分割協議)がされたとしても、本件遺産分割協議の代償分割債権(本件代償分割債権)の履行を受けていないのだから、実質的には遺産分割が終了したとはいえないから、いまだ連帯納付義務は発生していない旨主張する。確かに、遺産分割の審判にあっては、代償金の支払を命ぜられる相続人に債務の支払能力のあることが、同条に規定する「審判による分割において特別の事由があると認めるとき」に該当するかの判断にあたり考慮されるべきものとされているが、このような事情は、飽くまで家庭裁判所の審判による分割の場合に考慮されるべきものであって、私的自治の原則が妥当する相続人間の協議における代償分割の要件と解することはできない。(平25.10. 2 大裁(諸)平25-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成25年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議(本件遺産分割協議)を法定解除ないし合意解除しており、その解除によって利益を害される第三者は存在しないから、民法第545条《解除の効果》第1項が認めている解除の遡及効により、連帯納付義務はなかったものとなる旨主張する。しかしながら、連帯納付責任額は、各相続人の固有の相続税の納付義務の確定という事実に照応して確定するものであって、連帯納付義務の範囲を争うことは、必然的に共同相続人の固有の各相続税額を争うこととなり、請求人のこのような主張は、基本的に、連帯納付義務の存否及び税額が確定する段階、すなわち固有の相続税額の確定手続の段階においてすべきものである。そして、本件遺産分割協議の解除を理由とした請求人の更正の請求に関する審査請求の裁決は、合意による解除(本件合意解除)の成立は認めたが、本件合意解除は、相続税の連帯納付制度の根幹を揺るがしかねない目的でなされたものであり、国税通則法施行令第6条《更正の請求》第1項第2号に規定する「やむを得ない事情」に当たらないことを理由に更正の請求の要件を満たさない旨の判断をしており、他に同判断を覆すに足りる新たな事実を認めることもできないから、請求人の固有の相続税額が是正されることはない。したがって、本件合意解除による遡及効が、固有の相続税額を是正できない以上、これに連動する請求人の連帯納付責任額が変わることもないから、請求人の主張を採用することはできない。(平25.10. 2 大裁(諸)平25-16)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平250001
- 裁決年月日
- 平成25年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、共同相続人Eが原告となって提起した、相続財産として申告していた貸付金のうち原告の法定相続分に相当する金員の支払を求める貸金請求訴訟において、当該貸付金の存在を認めることはできないとして原告の請求を棄却する旨の判決(本件判決)が確定し、本件判決は相続税法施行令(平成17年政令第37号による改正前のもの)第8条《更正の請求の対象となる事由》第1号に規定する判決に該当するから、相続税法(平成16年法律第147号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第5号の規定に基づいて行った更正の請求を認めるべきである旨主張する。しかしながら、国税通則法第23条《更正の請求》第2項第1号は、判決が確定したことを要件としており、同号に規定する判決は、更正の請求をする者が訴訟当事者である判決に限られるものと解されるところ、相続税法施行令第8条第1号が、平成15年度税制改正により相続税法第32条の更正の請求の特則事由として追加された改正趣旨は、同号の事由が、国税通則法第23条第2項の規定により、期限なしに更正の請求ができる事由であることから、税額の減額には対応できるが、その影響で他の相続人の税額が増加することとなる場合の増額の処分を可能とする規定が国税通則法にはないため、相続税法第32条においてこれを更正の請求の特則事由として特記することにより、相続税法第35条《更正及び決定の特則》第3項の規定による他の相続人に対する増額処分も可能とするためであると解されることからすれば、相続税法施行令第8条第1号に規定する判決は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する判決と同義のものといえるから、更正の請求をする者が訴訟当事者である判決に限られるものと解される。これを本件についてみると、本件判決は、共同相続人Eが提起した貸金請求事件の判決であり、請求人が訴訟当事者ではない判決であるから、請求人にとって相続税法施行令第8条第1号に規定する判決には該当しない。(平25. 8.22 札裁(諸)平25-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240220
- 裁決年月日
- 平成25年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身は被相続人の法定相続人であるが、遺留分がないため、第三者に対する被相続人の相続財産全ての死因贈与があれば、請求人が相続財産を取得することはできないので、当該第三者から当該死因贈与に基づき、請求人に対して、被相続人の有していた預貯金等の支払いを求める訴状(本件訴状)を受領した時点では、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する申告書の提出義務はなく、そして、遺留分のない請求人については、当該第三者との間において、本件訴状に係る訴訟(本件訴訟)についての和解(本件和解(訴訟上の和解))があった日に初めて相続財産の取得が確定したものと認められ、同日が同条に規定する「相続の開始があったことを知った日」であるので、請求人が提出した相続税の申告書(本件申告書)は期限内申告書である旨主張する。しかしながら、当該死因贈与は、書面によらないものとみるのが相当であり、書面によらない贈与は、その履行が終わるまでは各当事者が自由にこれを撤回することができる(民法第550条《書面によらない贈与の撤回》)ところ、実際、請求人は本件訴訟において、当該死因贈与を撤回する旨主張し、当該第三者が取得する財産を除く被相続人の財産を取得していることからすると、その取得した財産は、本件の相続の開始の日(被相続人が死亡したと推定される日)から請求人に帰属していたものと認められる。そして、請求人は、本件訴状の送達を受けた日に被相続人の死亡の事実を知ったものであるところ、被相続人の全財産は、相続税の基礎控除額を明らかに超えるものであり、本件訴状には被相続人の全財産の内容が記載されていたことからすると、請求人は、遅くとも本件訴状の送達を受けた日において、同日に自己のために相続の開始があったことを知ったものと認められる。したがって、本件申告書は、本件訴状の送達を受けた日の翌日から10月を経過した後に提出されたものであるから、期限後申告書である。(平25. 6. 4 東裁(諸)平24-220)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240221
- 裁決年月日
- 平成25年6月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№91
要旨
○ 原処分庁は、請求人と相続人との間に死因贈与(本件死因贈与)契約の効力に係る争いがあっても、相続税法上、租税債権の成立を妨げるものではなく、また、死因贈与の効力発生時期は贈与者の死亡時であり、死因贈与には民法第554条《死因贈与》により遺贈の規定が準用されることなどからすると、請求人が被相続人の死亡を知った日が、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する「相続の開始があったことを知った日」であるので、請求人が提出した申告書(本件申告書)は期限後申告書である旨主張する。しかしながら、本件死因贈与は、書面によらないものとみるのが相当であり、書面によらない贈与は、その履行が終わるまでは各当事者が自由に撤回することができる(民法第550条《書面によらない贈与の撤回》)ところ、実際、相続人は、請求人から相続人に対して被相続人の有していた預貯金の支払を求める訴訟(本件訴訟)において、本件死因贈与契約を撤回する旨主張していた。そうすると、本件訴訟に係る和解(本件和解(訴訟上の和解))の成立前の時点においては、被相続人の全財産を本件死因贈与により取得したとする請求人の権利は、極めてぜい弱なものであるといえることから、本件和解の成立前において請求人が自己のために相続の開始があったことを知ったものとは認められない。そして、本件和解により、請求人は預金の一部についてのみ本件死因贈与により取得することとなったものであるところ、このことは、相続人が、被相続人がその全財産を請求人に死因贈与する旨の本件死因贈与契約について、その一部を撤回したものとみるのが相当であり、本件和解により、当該一部撤回後の本件死因贈与の履行が確定したと認めるのが相当である。したがって、請求人が自己のために相続の開始があったことを知ったのは、その履行が確定した本件和解の日というべきであるから、本件和解の日の翌日から10日以内に提出された本件申告書は、期限内申告書である。(平25. 6. 4 東裁(諸)平24-221)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240025ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成25年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が連帯納付義務に係る課税の内容等の説明を一切せずに、請求人には弟の相続税に関して連帯納付義務があるからという理由だけで、請求人の不動産及び債権の差押処分を行ったことに違法又は不当がある旨主張する。しかしながら、徴収手続を行う際に、連帯納付義務者に対し課税の内容等を説明しなければならないとする法令上の規定はないから、請求人の主張には理由がない。(平25. 2.20 名裁(諸)平24-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240054
- 裁決年月日
- 平成25年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240133
- 裁決年月日
- 平成25年1月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 原処分庁は、請求人以外の共同相続人ら(本件遺留分権利者ら)が、遺産である土地(本件土地)について、①請求人に対して、遺留分減殺請求訴訟において、価額弁償の請求をしながら、同時に、②本件土地について請求人の債務に係る譲渡担保権に基づき所有権移転登記を受けていたK社に対して、共有持分移転登記請求訴訟において、現物返還の請求として所有権一部移転登記手続の請求をしており、K社が当該請求を認諾(本件認諾)したという事実関係の下、請求人が本件認諾を事由としてした更正の請求(本件更正の請求)は、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第3号事由(遺留分減殺請求に基づき返還すべき又は弁済すべき額が確定したこと)に該当しないものである旨主張する。しかしながら、本件認諾は、K社が、本件土地に設定されていたK社の譲渡担保権に基づく所有権移転登記について、本件遺留分権利者ら各共有持分10分の1の所有権移転登記手続をすることを認めたものであり、また、本件認諾の前に、請求人が本件遺留分権利者らの遺留分割合が各10分の1であると認めていたことからすると、本件遺留分権利者らは、本件認諾により、本件土地の遺留分に係る各共有持分の登記を回復することができたものと認められる。そして、民法第1040条《受贈者が贈与の目的を譲渡した場合等》第1項本文の規定は、遺留分権利者が、遺留分減殺請求によって目的物を取り戻して登記を回復することができた場合に、これに加えて価額弁償の請求も認めるものと解することはできないことからすると、本件遺留分権利者らは、本件認諾の後本件土地に係る価額弁償を請求することはできないから、本件認諾の日に、本件土地について遺留分に相当する共有持分権を取り戻すことが確定し、これにより、請求人が遺留分減殺請求に基づき返還すべき又は弁償すべき額が確定したというべきである。したがって、本件更正の請求は、相続税法第32条第3号に規定する事由に該当するものである。(平25. 1. 8 東裁(諸)平24-133)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240116
- 裁決年月日
- 平成24年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、売却された相続財産(本件売却物件)に係る遺産分割協議が成立したのは、平成22年10月であるから、その4月以内である平成23年1月にした本件各再更正の請求は、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1項第1号に該当する適法なものである旨主張する。しかしながら、請求人らの主張する平成22年10月の遺産分割協議の成立は、本件売却物件の売買契約をいうものであるが、当該売買契約は、平成22年7月に作成された遺産分割協議書に係る遺産分割協議に基づき締結されたものであり、当該遺産分割協議がその当時存在した包括受遺者の1名を除外して行われたものであるから無効なものであることに照らすと、当該売買契約をもって遺産分割協議が成立したとみることはできない。そして、本件売却物件の売買代金については、平成23年4月に包括受遺者を含む共同相続人全員によって取得割合の合意が成立したものと推認され、ほかに本件売却物件を対象とする遺産分割協議の成立を認めることはできないことからすると、本件各再更正の請求がされた時点では、相続税法第32条第1項第1号に規定する遺産分割は行われていないから、本件再更正の請求は同号の適用要件を欠くものである。(平24.12. 4 東裁(諸)平24-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240078
- 裁決年月日
- 平成24年10月17日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第43条《物納財産の収納価額等》第1項は、物納財産の収納価額は課税価格計算の基礎となった当該財産の価額によることを原則としつつ、例外的に、収納の時までに当該財産の状況に著しい変化が生じたときは、税務署長は収納の時の現況により当該財産の収納価額を定めることができる旨規定しているものの、物納財産の価額が物納申請時から物納許可処分までの間に増加したとしても、物納申請者にその増加した価額での物納許可処分を求める権利を付与する旨の法令上の規定はなく、同法第43条の文言からすれば、税務署長はその増加した価額で物納許可処分を行う義務を負うものではないと解される。したがって、納税者が、相続税の課税価格計算の基礎となった価額で物納財産についての物納申請をした場合、物納許可処分までの間に当該財産の価額が増加したとしても、申請どおりに物納許可処分がされたときは、当該納税者の権利又は利益が侵害されたということはできず、当該物納許可処分の取消し又は変更を求める不服申立ての利益はないというべきである。(平24.10.17 東裁(諸)平24-78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240047
- 裁決年月日
- 平成24年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁に相続税の延納申請(本件延納申請)を充足する不動産を担保として提供しようとしているのだから、本件延納申請は認められるべきであると主張する。しかしながら、相続税法第38条《延納の要件》第4項及び国税通則法第52条《担保の処分》第1項の規定からすると、相続税の延納の許可に当たり担保として徴する財産は、その担保に係る相続税額を確実に徴収することができる金銭的価値を有するものでなければならず、また、滞納処分の例により処分することがことができない財産は担保として適当でないと解するのが相当であり、さらに、国税通則法施行令第16条《担保の提供手続》第3項の規定からすると、相続税の延納申請許可に当たり、担保として提供される不動産は、税務署長が抵当権の設定の登記を関係機関に嘱託することに適するものでなければならないと解される。請求人が担保として提供しようとする不動産は、不動産登記法第25条《申請の却下》第7号(登記(嘱託)情報に記載すべき登記義務者の住所又は氏名が登記記録と合致しないとき)に該当するため、税務署長が抵当権の設定の登記を登記所に嘱託することに適さないものであるから、原処分庁が相続税法第39条第5項の規定に基づき行った延納申請却下処分は適法である。(平24. 9. 5 東裁(諸)平24-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230198
- 裁決年月日
- 平成24年4月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺産総額に異動が生じた結果、請求人の相続税額が減少した事実は、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号に規定する更正の請求の事由になる旨主張する。しかしながら、相続税法第32条第1号に基づく更正の請求は、同号に規定する事由に該当した場合に限って認められるものであり、同号は、未分割の遺産につき、一旦相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定による計算で税額が確定した後、遺産の分割が行われ、その結果、既に確定した相続税額が過大になるという相続税に固有の後発的事由について規定したものであるところ、未分割の遺産を分割した結果、既に確定した課税価格及び相続税額が過大になるか否かの判断に当たって、算定の基礎となる遺産の価額は、原則として、申告(その後に更正があった場合にはその更正)により確定した価額を基礎とすべきであり、申告により確定した遺産の価額を前提としない更正の請求は、相続税法第32条第1号に基づく更正の請求に当たらないというべきである。したがって、請求人の主張は、相続税法第32条第1号に基づく更正の請求の事由に該当するとはいえない。(平24. 4. 5 東裁(諸)平23-198)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230086
- 裁決年月日
- 平成24年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000※原文では「4009003000」との番号ですが、誤表記だと思われます。
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の亡夫(被相続人)の相続税の更正処分等に係る異議決定において、相続税の納付すべき税額がなくなったので、相続税の課税対象者ではなく、相続税の連帯納付責任がないにも関わらず、請求人の財産を被相続人の二男の滞納国税に充当したことは違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項に規定する連帯納付義務は、相続人が2人以上ある場合に、同法が相続税の徴収確保を図るため、各相続人に対して相互に課した特別の責任であり、その義務履行の前提条件をなす連帯納付義務の確定は、各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであると解するのが相当であるから、請求人及び被相続人の長女の相続税の各更正処分等に係る各異議決定並びに二男の相続税の更正処分等により、各相続人の固有の相続税の納税義務が確定し、これに対して、被相続人の長女及び二男の各滞納国税が生じている以上、たとえ請求人の相続税の納付すべき税額がなくなったとしても、連帯納付義務が消滅するものではなく、当該納税義務の確定に照応して、法律上当然に、請求人は、被相続人の相続により受けた利益の価額を限度に、連帯納付義務を負うこととなる。(平24. 3.15 名裁(諸)平23-86)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230017ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年3月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 原処分庁は、本件相続財産の遺産分割に係る和解成立を内容とする民事調停法上の決定(本件民事調停決定)がなされたことを基因として請求人以外の共同相続人から提出された各更正の請求(本件各更正の請求)は、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号の事由に該当する適法なものであるから、請求人に対して同法第35条《更正及び決定の特則》第3項の規定に基づき行った本件更正処分は適法なものである旨主張する。しかしながら、相続税法第35条第3項の規定に基づく更正処分が適法になされるためには、前提として、他の共同相続人につき、同法第32条の規定による適法な更正の請求に基づく(減額)更正処分が行われなければならず、当該更正の請求が同条第1号に基づくものである場合には、①まず、同条第55条《未分割遺産に対する課税》の規定に基づいて、未分割財産について、民法の規定による相続分の割合に従って課税価格が計算されていること、②次に、当該未分割財産が分割されたこと、③そして、当該分割の結果に従って相続税の課税価格を計算すると上記①の課税価格と異なることとなったこと、という要件をいずれも充足する必要があるところ、本件各更正の請求についてみると、本件相続財産のうち、本件民事調停決定によりW会が取得することとなった財産(W会財産)以外の財産については、そもそも同法第55条が適用されていないから上記①の要件を満たさず、また、本件相続財産のうちW会財産については、同条の規定に基づいて法定相続分で課税価格が計算されており、本件民事調停決定をもって分割されたと認められるから、上記①及び②の各要件を満たすものの、本件民事調停決定によって法定相続分で分割されたとみるのが相当であるから、上記③の要件を満たさない。したがって、本件各更正の請求は、相続税法第32条第1号の事由に該当しない不適法なものであるから、本件更正処分は、同法第35条第3項の要件を満たさない違法なものである。(平24. 3.13 福裁(諸)平23-17)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230076
- 裁決年月日
- 平成24年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母親(本件被相続人)の相続(本件二次相続)に係る相続税の申告において、相続財産とした、本件被相続人よりも先に死亡した請求人の父親(亡父)の相続(本件一次相続)により本件被相続人が取得した土地(本件一次相続各土地)の持分について、本件被相続人の相続人らが本件一次相続各土地が未分割であったため、本件二次相続に係る上記申告の約18年後に遺産分割協議(本件分割協議)を行い、亡父から請求人他2名の子が取得することとなり、当該持分が本件被相続人の相続財産から減少することとなったのは、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号の規定に該当する旨主張する。しかしながら、相続税法第32条第1号が適用されるのは、分割されていない財産について民法の規定による相続分の割合に従って課税価格が計算されていた相続税の申告であるところ、仮に、請求人が主張するとおり、本件一次相続各土地が未分割であったとしても、本件分割協議の内容が、亡父の相続人らの共有であった本件一次相続各土地を、分割して請求人他2名の子のそれぞれの単独所有とするものであり、本件一次相続に係る相続財産の分割である以上、上記の分割されていない財産について民法の規定による相続分の割合に従って課税価格が計算されていた相続税の申告に当たるのは、本件一次相続に係る相続税の申告以外になく、本件二次相続に係る相続税の申告でないことは明らかであるから、本件分割協議の結果をもって、本件二次相続に係る相続税において、相続税法第32条第1号が適用されることはない。(平24. 1.26 名裁(諸)平23-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230093
- 裁決年月日
- 平成23年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務は、同法が相続税徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であるから、その性質に照らせば、相続の開始後、長期間を経過した後に、他の相続人が本来的な納付義務を負う相続税について、連帯納付義務に基づく徴収権の行使を受けることは、相続税法が予定していた事態としてやむを得ないものいうべきである。したがって、相続税の法定納期限から16年を経過した後に連帯納付義務の責任を追及したとしても、これをもって直ちに徴収権の濫用であると認めることはできず、この点に関する請求人らの主張には理由がない。なお、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から相続税に係る滞納税額の徴収をすることが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が、同人又は第三者の利益を図る目的をもって、し意的に相続税の徴収を行わず、相続税法第34条第1項の規定に基づき、他の相続人に対して滞納処分を執行したような場合においては、正義公平の観点からみて徴収権の濫用に当たると評価すべき場合も考えられるところ、○○税務署長及び原処分庁は、本件滞納者らから徴収すべく催告を行うほか、本件滞納者らが所有する不動産について差押え等を行うなどの措置を講じていることなどから、原処分庁が本件滞納者ら又は第三者の利益を図る目的でし意的に相続税の徴収を行わなかったとは認められない。(平23.12.13 東裁(諸)平23-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230093
- 裁決年月日
- 平成23年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税通則法第74条の2《行政手続法の適用除外》は、行政手続法第3条《適用除外》第1項に定めるもののほか、国税に関する法律に基づき行われる処分その他公権力の行使に当たる行為については、行政手続法第2章及び第3章の規定は適用しない旨規定していることから、行政手続法第3章以下に規定されている手続は、連帯納付義務者に対する徴収手続には適用されない。また、行政手続法第1条《目的等》は、同法の目的を定めた規定にすぎず、同条の存在をもって直ちに連帯納付義務に基づいて差押処分等を行う際に事前告知をする義務があると認めることはできないから、請求人の主張には理由がない。なお、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項に基づく連帯納付義務制度が憲法に違反しているかどうかについての判断は、当審判所の権限に属さないことであり、審理の限りではない。(平23.12.13 東裁(諸)平23-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230088
- 裁決年月日
- 平成23年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人らは、本件遺言は相続分の指定をしたものにすぎず、当初申告における課税価格は、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定に基づき本件遺言による指定相続分に従って計算したものであるから、請求人らを被告とする遺留分減殺請求訴訟において成立した本件和解により遺産分割が確定したとして、同法第32条《更正の請求の特則》第1号に規定する事由が生じた旨主張する。しかしながら、遺産全部を一部の相続人に「相続させる」旨の遺言は、遺言書の記載からその趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情がない限り、遺産の分割の方法を定めた遺言であり、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に直ちに遺産全部について分割の効果が発生し、もはや当該遺産について再度の分割がなされる余地はなく、また、当該相続人に法定相続分を超える遺産を相続させることになるから、遺産分割方法の指定と同時に相続分の指定がなされたものと解すべきであるところ、本件遺言では、不動産8件を個別に掲記した上で、それらを含む一切の財産を「請求人らに各2分の1の割合で相続させる」旨記載されていること、他の相続人らには財産を相続させない旨の被相続人の意思が明確に表示されていることからして、本件遺言は、遺産分割方法の指定と同時に相続分の指定をしたものと解すべきであり、そうすると、本件被相続人の死亡の時に遺産全部について直ちに分割の効果が発生し、当該遺産について再度の分割がなされる余地はない。したがって、相続税の申告書の提出時に本件被相続人の遺産の中に未分割のものはなく、相続税の課税価格が相続税法第55条の規定により計算されたものと認めるべき余地はないから、本件和解が、同条の適用があった場合に係る同法第32条第1号に規定する事由に該当しないことは明らかである。(平23.12. 6 東裁(諸)平23-88)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230019
- 裁決年月日
- 平成23年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件相続に係る遺産分割協議では、第一遺産分割協議後に成立した第二遺産分割協議において、第一遺産分割協議後に判明した新たな財産はすべて請求人Aが相続するする旨の合意が整ったから、このことを基因とする本件各更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件相続に係る相続税については、本件各更正の請求がなされる前に各更正処分等(本件各更正処分等)がなされているところ、①本件各更正の請求の請求内容からすると、本件各更正の請求は、本件各更正処分等に係る相続財産のうち請求人らが自認する財産(本件自認財産)についての遺産分割が成立したことを前提としているものと認められ、②第二遺産分割協議に係る協議書(第二遺産分割協議書)の作成日付及び本件各更正の請求の日からすると、第二遺産分割協議書は、本件各更正処分等に対して本件各更正の請求を行うことを前提として作成されたものと推認されることに加え、③請求人らは、本件各更正処分等の取消訴訟において、本件自認財産以外は相続財産として認めることはできない旨答述していることなどからすると、請求人らは第二遺産分割協議書の作成をもって、本件自認財産のみを対象とする遺産分割協議を成立させたものとみるのが相当である。そうすると、第二遺産分割協議の成立をしんしゃくしたとしても、本件各更正処分等に係る請求人らの課税価格及び税額に変更はないから、本件各更正の請求は、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号に該当しないものとなる。(平23.11. 2 大裁(諸)平23-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230074
- 裁決年月日
- 平成23年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税は財産の無償取得によって生じた経済的価値の増加に担税力を認めてこれに課せられる租税であるから、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項に規定する「相続又は遺贈により受けた利益」とは、相続に基づく権利義務の承継による現実の財産と相続がなかったならば存したであろう財産との差額をいうものと認められる。相続税法基本通達34−1《相続又は遺贈により受けた利益の価額》は「相続又は遺贈により受けた利益」について規定しており、同通達は当審判所においても適当と認められるところ、上記の趣旨に鑑みれば、同通達により控除の対象とされている「相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税額及び登録免許税額」とは、相続による財産の取得に直接関連して課されるものであると解するのが相当である。そして、利子税は、相続財産取得後に相続人による相続税の納付に当たって、延納の許可を受けた者に課されるものであり、本税が法定納期限を経過しても納付されないことが要件となるから、相続による財産の取得に直接関連して課されるものとはいえない。よって、利子税は、「相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税額」には妥当しないものであるといえ、相続又は遺贈により取得した財産の価額から控除することはできない。(平23.11. 2 東裁(諸)平23-74)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230074
- 裁決年月日
- 平成23年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が14年もの間、徴税を放置した挙げ句、請求人に連帯納付義務を追及したものであるから、原処分は、徴収権の濫用に該当し、違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務は、同法が相続税徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であるから、その性質に照らせば、相続の開始後、長期間を経過した後に、他の相続人が本来的な納付義務を負う相続税について、連帯納付義務に基づく徴収権の行使を受けることは、相続税法が当然に予定した事態であるというべきである。したがって、延納許可の取消しから14年を経過した後に連帯納付義務の責任を追及したとしても、これをもって直ちに徴収権の濫用であると認めることはできず、この点に関する請求人の主張には理由がない。なお、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から相続税に係る滞納税額の徴収をすることが極めて容易であるにも関わらず、国税当局が、同人又は第三者の利益を図る目的をもって、し意的に相続税の徴収を行わず、相続税法第34条第1項の規定に基づき、他の相続人に対して滞納処分を執行したような場合においては、正義公平の観点からみて徴収権の濫用に当たると評価すべき場合もあり得るが、認定事実及び関係各証拠に照らせば、原処分庁及び担当職員は、本件滞納者らから徴収すべく催告を行うほか本件滞納者らが所有する不動産の差押えを行うなどの措置を講じており、原処分庁が本件滞納者ら又は第三者の利益を図る目的でし意的に相続税の徴収を行わなかったとは認められない。(平23.11. 2 東裁(諸)平23-74)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230074
- 裁決年月日
- 平成23年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第13条《債務控除》第1項は、相続税の課税価格の算定上、被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの及び被相続人に係る葬式費用のうち、その者の負担に属する金額の控除を認めている。そして、債務控除が認められるのは、相続税の課税価格の計算において、相続によって取得した財産の価額から、その者が負担した被相続人の債務の額を控除して、相続人が現実に取得した経済的価値の増加額を把握し、これを担税力として課税しようとする趣旨によるものであるところ、相続後に発生した葬式費用については、葬式費用が、被相続人の債務ではないものの、相続という性質上当然に発生し、また、道義的に履行が義務付けられていることから、債務控除と同様に控除を認めたものである。したがって、相続税法基本通達34−1《相続又は遺贈により受けた利益の価額》は、相続という性質上当然に発生し、また、道義的に履行が義務付けられているという特殊性に鑑み、葬式費用を「相続又は遺贈により受けた利益の価額」に含めないものとしたのであり、相続後の事情により生じた費用についてもこれを「相続又は遺贈により受けた利益の価額」から控除することを認めたものではない。よって、相続開始後の経済情勢の変化により生じた相続財産の下落額について、「相続又は遺贈により受けた利益の価額」から控除することはできないから、請求人の主張には理由がない。(平23.11. 2 東裁(諸)平23-74)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230074
- 裁決年月日
- 平成23年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の定める連帯納付義務は、各相続人等の固有の相続税の納税義務が確定し、各相続人等がそれを負担していることを前提に、相続税の徴収を確保するために、当該相続税の本来の納税義務者でない相続人等に対し、自らが負担すべき固有の相続税のほかに、他の相続人等の相続税についての納税義務を相互に課すものであって、徴収確保のために相続税法が特に定めた特別の責任である。このような制度趣旨に鑑みれば、延納期間中の経済情勢により連帯納付義務者の相続財産の評価額が変動する事態は、相続税法の定める連帯納付制度が当然に予定するところであって、そのように連帯納付義務者の相続財産の評価額に変動があったからといって、相続税法第34条第1項の「相続又は遺贈により取得した財産」の価額について、相続財産の価額と別異に考える理由はない。そして、相続税法第22条《評価の原則》は、相続財産の価額を、当該財産の取得の時、すなわち、相続開始時の時価である旨規定しているから、連帯納付義務における「相続又は遺贈により取得した財産」の価額もまた、相続開始時の時価と解すべきである。この点、請求人は、連帯納付義務の責任限度額を判断するに当たり、「相続または遺贈により取得した財産」の価額は、相続開始時点ではなく、徴収手続がされた平成22年の価額を基礎として計算されるべきである旨主張するが、上記のとおり延納期間中の相続財産評価額の変動は連帯納付義務制度が当然に予定しているものである上、請求人主張のように解することは、徴収手続開始前に相続税を納付した相続人との間で税負担の不公平が生じることとなり相当ではない。(平23.11. 2 東裁(諸)平23-74)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230048
- 裁決年月日
- 平成23年9月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、附帯税は連帯納付義務の対象とならないから、これを含めて行われた本件各督促処分は違法である旨主張する。しかしながら、加算税は、国税通則法第15条《納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定》第2項第13号の規定により、法定申告期限の経過の時に納税義務が成立する国税であり、延滞税及び利子税は、同条第3項第6号の規定により、納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税である。また、加算税、延滞税及び利子税はいずれも、国税通則法第60条《延滞税》第4項、同法第64条《利子税》第3項及び同法第69条《加算税の税目》の各規定により、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とされている。したがって、各税法中「・・・税」と規定されている場合は、特別の定めがない限り、その税の延滞税が含まれる。そして、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項に規定する連帯納付義務に係る相続税はこれらの附帯税を除くという特段の定めもないことからすれば、本件各滞納国税には当該附帯税が当然に含まれるのであって、その納付を求めることが違法に当たるということはできない。(平23. 9.28 東裁(諸)平23-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230048
- 裁決年月日
- 平成23年9月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁の本件滞納者の滞納国税に係る徴収手続は、不十分かつ怠慢なものであるから、本件各督促処分は、正義公平の観点から許容できず、裁量権の範囲を逸脱した違法なものであり、徴収権の濫用に該当する旨、また、仮に違法でないとしても、およそ国家の行う徴収処分としては異常で、徴収過程において不適切な判断が積み重なって生じた不当な処分であるなどと主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項が規定する連帯納付義務は、法が相続税の徴収確保を図るために各相続人等に相互に課した特別の責任であって、その義務履行の前提条件をなす連帯納付義務の確定は、各相続人等の固有の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生じるものであって、相続人が、相続開始後長期間を経過した後に他の相続人の相続税について連帯納付義務に基づく徴収権の行使を受ける場合があることは、相続税法が当然予定した事態である。また、当該連帯納付義務については、補充性がなく、本来の納税義務者に対する徴収手続を適正に行っていれば、本来の納税義務者から滞納相続税を徴収することが可能であったにも関わらず、結果的に、本来の納税者から滞納相続税を徴収することができなくなったという事実があったとしても、この事実は、連帯納付義務の存否又はその範囲に影響を及ぼすものではなく、これをもって国税徴収権の濫用とすることはできない。さらに、原処分庁が行った本件滞納者に係る徴収手続については、これをもって請求人の連帯納付義務にかかる原処分を取り消さなければならないと評価できるほどの事情とは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平23. 9.28 東裁(諸)平23-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230043ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産が借地権で制限のある不動産の場合には、現状有姿のまま引渡しと移転登記がなされれば十分であって、それ以上に測量、権利関係の整備をしなかったとしても、物納申請を却下すべき事由には当たらない旨主張するが、相続税は金銭納付が原則であり、物納制度は金銭納付が困難な場合、相続税納付の手段として国が物納申請財産を換価し、その代金を相続税納付に充てるものであるから、物納申請財産は金銭による納付と同等の経済的利益を国が将来現実に確保することができるものでなければならず、測量、権利関係の整備が行われない場合、当該財産は物納不適格財産に該当するといわざるを得ず、請求人の主張は独自の見解であり採用できない。(平23. 9.27 東裁(諸)平23-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230044ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税の納付は金銭納付が原則であるから、物納申請財産は金銭による納付があった場合と同等の経済的利益を国が将来確保することができるものでなければならない。そのため、税務署長等は、物納申請書の提出があった場合、相続税法(平成4年3月法律第16号による改正前のもの)第42条《物納手続》第2項の規定により、同法第41条《物納》に規定する物納の要件に該当するか否か、物納財産が管理又は処分をするのに不適当であると認められる場合に該当するか否かについて調査を行う必要がある。そしてそのためには、物納申請財産が特定されていなければならならず、かつ、その財産に係る権利関係等が明らかでなければならないから、税務署長等が物納申請者に対し、物納申請に係る財産の特定や権利関係を明らかにするための必要書類の提出を求め、また、不備がある場合に補完等を求めることは合理的な理由があると解される。さらに、税務署長等は、物納申請者が必要書類の提出を行わない場合、その不足する必要書類の提出に手を尽くし、それでも正当な理由がなく必要書類の提出が行われず、また、提出された書類の範囲内では物納申請財産の特定を欠き権利関係が明らかにされない場合には、管理又は処分をするのに不適当な財産に該当するとして却下することができるものと解される。そして相続税法が物納申請について許可又は却下の期限を定めていないことからすると、どの時点で却下するかについては税務署長等の裁量に委ねられていると解するのが相当である。(平23. 9.27 東裁(諸)平23-44)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230005ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続により取得すべき財産がないことに同意しており、原処分庁に対して法定申告期限内に提出された本件相続に係る相続税の申告書(本件申告書)に押印はしていないが、共同相続人として氏名及び住所を記載し、本件相続により取得した財産がないとの共同申告をしていることから、本件決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、相続税の申告書を提出すべき者が二人以上ある場合には、相続税法第27条《相続税の申告書》第5項の規定によりこれらの者は当該申告書を共同して提出することができるとされているところ、他方で、相続税の申告書は、例えばそのうちの一人が単独で申告する場合であっても、相続税の総額の計算の必要上、他の共同相続人の住所、氏名、取得財産等を記載することとなるから、提出された申告書が共同申告書であるか否かは、共同申告書を提出すべき者が申告する意思を有していることを明確にする押印の有無で判断せざるを得ないものである。もっとも、単なる押印漏れの場合には、押印を遺脱した者との関係において申告書は無効であると直ちに解すべきではなく、なお補正の余地があると解される。本件申告書の場合、①請求人の氏名は、他の共同相続人Aが委任した税理士によって記載されたものであること、②A以外の共同相続人及び請求人の押印は、いずれもなされていないこと、③請求人は、異議調査担当職員に対して、遺産の分割についてはAに全部任せる旨、また、相続税の申告書を原処分庁に提出していないと思う旨申述していることを併せ考えると、本件申告書は、Aの相続税の申告書に単に他の共同相続人の一人として請求人の氏名等が記載されたものにすぎないものと認められる。したがって、本件申告書を請求人の申告書として認めることはできないから、請求人は本件相続に係る相続税の申告書を法定申告期限までに提出しなかったものと認められる。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230036ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の法定申告期限は、相続の開始を知った日の翌日を起算日として10月目、すなわち、11月に満たない日までとなるから、この日までに提出した本件相続税の申告書は期限内申告書に該当する旨主張する。しかしながら、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければならない旨規定しており、国税通則法第10条《期間の計算及び期限の特例》第1項第1号ただし書の規定により、相続の開始があったことを知った日の翌日を起算日として、同項第2号及び第3号の規定により、当該起算日の10月後の応答日の前日が相続税の法定申告期限となるから、この期限後に提出された本件相続税の申告書は、期限後申告書に該当する。(平23. 8.24 東裁(諸)平23-36)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230001
- 裁決年月日
- 平成23年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①原処分庁は、相続税の納付制度の趣旨を踏まえ、また、最近の経済情勢等を勘案し、延納条件の変更を前提に対応すべきにもかかわらず、延納条件の変更申請書を交付しなかったこと、②原処分庁は、連帯納付義務者に対する納付意思の確認、納付指導をして延納許可が取り消されないように努めるべきであるが、電話連絡すら行わなかったこと、③原処分により請求人の滞納の状態が長期化するから、原処分庁の判断は滞納の未然防止及び早期完納を図るという税務当局の方針に反することを理由に原処分が取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人には相続税法第40条《延納申請に係る徴収猶予等》第2項に規定する延納許可の取消事由が生じていたと認められ、同項に規定する弁明の手続は適正に行われていると認められるところ、請求人が滞納している分納税額を早期に完納できる見込みはなく、その後の延納税額についても延納条件に従って納付がなされるとは認め難いのであって、請求人の上記主張を考慮したとしても、請求人の延納許可を継続した場合には、相続税の確実かつ効率的な徴収が損なわれる可能性が高いと認められるとともに、法定納期限内に相続税を完納した納税者及び分納期限を守って相続税を納付している納税者との権衡を欠くことになると認められるから、仮に、請求人が相続税を早期に納付する意思を有していたとしても、延納許可の取消処分をした原処分庁の判断が不合理であるということはできない。(平23. 7. 1 福裁(諸)平23-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220229ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務者が納付する延滞税額が巨額にならないよう配慮し、誠実かつ適時に国税徴収権を行使する義務があるにもかかわらずこれを怠ったものであるから、本件督促処分には徴収権の濫用がある旨主張する。しかしながら、①共同相続人が、相続開始後、長期間を経過した後に他の共同相続人が納付すべき相続税について、連帯納付義務に基づく徴収権の行使を受けることは相続税法が当然予定した事態というべきである。②相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務には補充性がなく、仮に本来の納税者から滞納相続税を徴収することが可能であったにもかかわらず、結果的に、本来の納税者から徴収することができなくなったとしても、この事実は連帯納付義務の存否又はその範囲に影響を及ぼすものではない。③原処分庁が、本来の納税者が現に十分な財産を有し、同人から滞納税額を徴収することてが極めて容易であるにもかかわらず、滞納者又は第三者の利益を図る目的をもって、し意的に滞納者から相続税の徴収を行わなかった場合には、正義公平の観点からみて徴収権の濫用に当たると評価すべき場合も考えられるが、そのような事実は認められない。したがって、本件督促処分が徴収権の濫用に当たるとする請求人の主張には理由がない。(平23. 6.21 東裁(諸)平22-229)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220213
- 裁決年月日
- 平成23年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の債務の担保となっている本件預金は、相続税法施行令第12条《延納の許可限度額》第1項第2号に規定する「相続税額に係る納期限又は納付すべき日において有する現金・預貯金その他換価の容易な財産」として扱うべきではない旨主張する。本件被相続人は、本件相続時において、被担保債権について連帯保証債務を負い、本件預金には、本件相続時において、質権が設定されているが、被担保債権は、金融機関の請求人に対する貸付金であり、被相続人の債務ではない。そして、本件相続時において、主たる債務者である請求人が、当該債務につき弁済不能の状態にあるとは認められず、当該債務は、相続財産から控除すべき債務には当たらないから、相続税の物納申請に際し納期限までに納付することができる金額の計算において控除する支払費用等に含まれない。したがって、相続税に係る納期限において有する現金、預貯金その他換価の容易な財産から本件預金を控除することはできず、請求人の主張には理由がない。(平23. 5.30 東裁(諸)平22-213)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220213
- 裁決年月日
- 平成23年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納許可限度額の算定に当たり、相続税法施行令第17条《物納の許可限度額》第1号に規定する「納期限又は納付すべき日以後において見込まれる納税義務者の収入の額として合理的に計算した額」には請求人の報酬を含めるべきでない旨主張する。収入とは、外部からの経済的価値の流入と解されていところ、当該報酬は、本件相続の納期限の時点で生じており、また、請求人は、特別な事情がないかぎりその任期満了まで勤めると見込まれることから、現任期期間に係る報酬が、相続税法施行令第17条第1号に掲げる納税義務者の収入の額に含まれることは明らかであるが、任期満了後再雇用されるか否かは不確実であることから、同号に掲げる納税義務者の収入の額として、任期満了後も当然に再雇用され、報酬の発生が見込まれるとして算定することは合理性に欠けると見込まれることから、現任期期間に係る報酬を収入の額として算定するものと解するのが相当である。(平23. 5.30 東裁(諸)平22-213)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220215ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第41条《物納の要件》第1項は、物納の許可をする場合において、物納財産の性質、形状、その他の特徴により政令で定める額を超える額の物納財産を収納することについて、税務署長がやむを得ない事情があると認めるときは、政令で定める額を超えて物納の許可をすることができる旨を規定しているが、同条の定める物納の要件を満たさない場合にも税務署長の裁量で物納許可をすることは認めておらず、請求人の主張はその前提を欠くもので採用できない。(平23. 5.30 東裁(諸)平22-215)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220215
- 裁決年月日
- 平成23年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納許可限度額の算出に際し、相続税法施行令第12条《延納の許可限度額》第1項第2号に規定する「請求人及び請求人と生計を一にする配偶者その他の親族の生活のために通常必要とされる費用に相当する額」には、請求人の父の借入金の返済額を含む旨主張する。しかしながら、所得税法第56条《事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例》の定める生計を一にする親族とは、同一の生活共同体に属して日常生活の資を共通にしているものと解されるところ、相続税法施行令第17条《物納の許可限度額》第2号の生計を一にする親族の意義をこれと別異に解すべき事由もない。そして請求人は会社に勤務し給与所得を得、父は議員報酬及び不動産収入を得ていることからすれば、それぞれ独立して生計を営んでいたものと認めるのが相当であるから、請求人の父の借入金の返済額は、本件借入金の目的や使途を判断するまでもなく、生活のために通常必要とされる費用に相当する額とは認められない。(平23. 5.30 東裁(諸)平22-215)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220072
- 裁決年月日
- 平成23年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①原処分庁が本来の納税者から徴収する努力をしていないこと、②他の相続人全員に公平に課すべき連帯納付義務を請求人にのみ追及し、相続人間であん分した金額を超える履行となったことを理由に、原処分が請求人に対し連帯納税義務の履行を求めたことが徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、①連帯納付義務は、本来の納税者に対する滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足が生ずると認められる場合に限って本来の納税者の納税義務を負担するという補充性を持つものではなく、また、本件では、原処分庁は、延納担保の不動産を公売に付した事実が認められること、②連帯納付義務については個々の相続人ごとに分割して徴収を制限する旨の法律上の規定はなく、請求人が連帯納付義務の履行として納付した額及び充当された額の合計は、請求人の連帯納付義務の限度額を下回っており、また、請求人にのみ連帯納付義務の履行を求めたとする事実も認められないことから、請求人の主張は採用することができない。(平23. 4.12 大裁(諸)平22-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220175
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁がした滞納相続税の納期限から15年も経過した後の連帯納付義務の督促処分は徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務は、同法が相続税の徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であるから、その性質に照らせば、相続の開始後、長期間を経過した後に、他の相続人が本来的な納付義務を負う相続税について、連帯納付義務に基づく徴収権の行使を受けることは、相続税法が当然に予定した事態であるというべきであり、また、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から相続税に係る滞納税額の徴収をすることが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が、同人又は第三者の利益を図る目的をもって、し意的に、相続税の徴収を行わず、相続税法第34条第1項に基づき、他の相続人に対して滞納処分を執行したような場合には、正義公平の観点からみて徴収権の濫用に当たると評価すべき場合もあり得るが、関係各証拠を精査しても、原処分庁が本件滞納者又は第三者の利益を図る目的でし意的に相続税の徴収を行わなかった事実を認めるに足る証拠はないから、請求人の主張は採用できない。(平23. 3.25 東裁(諸)平22-175)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220175
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件督促処分に係る本件相続税の連帯納付義務が時効により消滅している旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務は、同法が相続税の徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であり、本来の相続税の納税義務なくして成立せず、本来の納税義務が消滅すれば連帯納付義務も消滅するという点で付従性を有し、各連帯納付義務者が相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として負担するものである点において、民法の連帯債務と異なり、また補充性を有しない点において納税保証債務や第二次納税義務とも性質を異にするものであって、その本質は、民法の連帯保証債務に類似する特殊な法定の人的担保であると解するのが相当である。したがって、本来の納税義務者に対して生じた時効の中断の効力は、連帯納付義務者にも及び、本来の納税義務者が延納の許可を受ければ、その効果は連帯納付義務者にも及ぶと解するのが相当であるところ、本件滞納者に係る滞納国税の徴収権は、時効中断の効力が生じ消滅時効は完成しておらず、本件滞納者について生じた時効の中断及び停止の効力は請求人らにも及ぶから、請求人らの本件相続税連帯納付義務に係る国税の徴収権についても消滅時効は完成していない。(平23. 3.25 東裁(諸)平22-175)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220176
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁がした滞納相続税の納期限から20年も経過した後の連帯納付義務の督促処分は徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務は、同法が相続税の徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であるから、その性質に照らせば、相続の開始後、長期間を経過した後に、他の相続人が本来的な納付義務を負う相続税について、連帯納付義務に基づく徴収権の行使を受けることは、相続税法が当然に予定した事態であるというべきであり、また、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から相続税に係る滞納税額の徴収をすることが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が、同人又は第三者の利益を図る目的をもって、し意的に、相続税の徴収を行わず、相続税法第34条第1項に基づき、他の相続人に対して滞納処分を執行したような場合には、正義公平の観点からみて徴収権の濫用に当たると評価すべき場合もあり得るが、関係各証拠を精査しても、原処分庁が本件滞納者又は第三者の利益を図る目的でし意的に相続税の徴収を行わなかった事実を認めるに足る証拠はないから、請求人の主張は採用できない。(平23. 3.25 東裁(諸)平22-176)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220091
- 裁決年月日
- 平成22年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件における遺産分割が確定した日は、遺産分割審判に係る最高裁判所の特別抗告の棄却決定の決定調書の日付である平成20年9月8日であるから、請求人らが平成21年1月8日に提出した更正の請求は、相続税法第32条《更正の請求の特則》に定める提出期限内になされたものである旨主張する。しかしながら、相続税法第32条第1号にいう「当該財産の分割が行われ」たときとは、遺産分割が成立することによって相続財産についての権利関係が変動したときと解するのが相当であるところ、財産の分割が審判又は判決によって行われた場合は、当該審判等が確定したときに財産の分割が行われたと認められることから、「当該事由が生じたことを知った日」は、審判等が確定したことにより財産の分割が行われたことを知った日となる。また、特別抗告は、通常の不服申立て方法が尽きた後、さらに憲法違反等を理由として認められた特別の不服申立て方法であり、原裁判の確定に影響しない(確定遮断効はない。)から、即時抗告に対する高等裁判所の決定により、審判は確定していることとなる。そうすると、本件の場合、審判は高等裁判所の決定により確定し、その確定日は、当該決定に係る決定正本が当事者に送達された日のうち最も遅い日の平成20年4月5日であると認められることから、財産の分割が行われたことを知った日は、当該決定が当事者に告知されたことにより、審判の効力が生じた平成20年4月5日と認めるのが相当である。したがって、相続税法第32条第1号による更正の請求をすることができる期限は、平成20年8月5日となるところ、本件の更正の請求は、その期限を徒過しているから、同条に基づく更正の請求は認められない。(平22.10.27 東裁(諸)平22-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220063
- 裁決年月日
- 平成22年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第34条第1項の連帯納付義務の義務の確定は、各相続人等の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生じるものであるから、連帯納付義務につき賦課決定処分等の格別の確定手続を要するものではないと解するのが相当である。また、延納期間中の経済情勢による相続財産の評価等に異動が生じるということは、相続税法の定める連帯納付制度が予定するところであり、これをもって、「相続によって受けた利益の価額」を相続時における評価額で計算することが、連帯納付責任の限度を定めた相続税法第34条第1項に違反しているということはできない。(平22. 9.27 東裁(諸)平22-63)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220063
- 裁決年月日
- 平成22年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第34条の定める連帯納付義務は、相続税法が相続税徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であると解され、本来の納税義務者なくして成立せず、本来の納税義務が消滅すれば連帯納付義務も消滅する点で付従性を有し、各連帯納付義務者が相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として負担するものである点において、民法の連帯債務とは異なり、また、補充性を有しない点において納税保証債務や第二次納税義務とも性質を異にするものであるから、その本質は民法上の連帯保証債務に類似する特別な人的担保であると解するのが相当であるところ、連帯保証債務の時効の中断に関しては、保証債務の付従性から、民法第440条の準用ではなく、同法第457条第1項が適用されると解されているから、相続税法34条の連帯納付義務の時効の中断に関しては、連帯保証債務と同様に、国税通則法第8条により民法第440条が準用されることはないと解すべきである。そして、国税通則法73条第3項は、民法を準用すると定めているところ、相続税法第34条の連帯納付義務が民法の連帯保証債務に類似することをかんがみれば、民法457条第1項が準用されると解され、本来の納税義務者に対して生じた時効の中断の効力は、連帯納付義務者にも及ぶと解するのが相当である。また、相続税法第34条の連帯納付義務が、相続税徴収の確保を目的として各人に課した特別な責任であることからすれば、本来の納税義務者が延納の許可を受ければ、その効果は、連帯納付義務者にも及ぶと解するのが相当である。(平22. 9.27 東裁(諸)平22-63)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210192
- 裁決年月日
- 平成22年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が、本件滞納者に対し適正な徴収手続等を行わず、長期間経過してから連帯納税義務に係る本件督促処分をしたことは、行政の怠慢であり徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、相続税法第34条の連帯納付義務については、仮に国税当局が、本件滞納者に対する滞納処分等を適切に行っていれば滞納国税を徴収することが可能であり、その徴収をしなかった結果、徴収できなかったとしても、その存否又は範囲に影響を及ぼすものではなく、相続税の連帯納付義務が、相続税の徴収の確保を図るために各相続人に課された特別の責任であることに照らせば、相続の開始後長期間を経過した後に、他の相続人に対して連帯納税義務に基づく徴収権を行使することは、相続税法が当然に予定した事態であるというべきである。もっとも、国税当局が本来の納税者からの相続税の徴収を怠ったということに加え、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、本来の納税義務者から当該相続税の徴収を図ることが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が同人又は第三者の利益を図る目的をもって、し意的に相続税の徴収を行わず、連帯納付義務者に対してその義務の履行を求めたような場合には、徴収権の濫用に当たると評価できる場合があり得ると解されるが、これを本件についてみると、A税務署長及び原処分庁が本件滞納者又は第三者の利益を図る意思をもって、し意的な徴収手続を行ったとは認められず、他にそのような事実を認めるに足る証拠もないから、本件各督促処分は徴収権の濫用には当たらず請求人の主張は採用できない。(平22. 6.25 東裁(諸)平21-192)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210031
- 裁決年月日
- 平成22年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が贈与税の申告書用紙の事前送付や相続時精算課税の特例についての事前説明を行わなかったことをもって本件決定処分が違法若しくは不当である旨主張する。しかしながら、原処分庁には、請求人に対し、贈与税の申告期限までに贈与税の申告書用紙を送付し、あるいは、当該特例についての説明を行う義務があるわけではないから、請求人の主張には理由がない。(平22. 4.22 福裁(諸)平21-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210055
- 裁決年月日
- 平成22年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人は本件滞納者が納付すべき相続税の連帯納付義務を負うとして請求人の所得税の還付金等を請求人の相続税法第34条第1項の連帯納付義務に係る相続税額に充当したことに対し、請求人の養母から死因贈与を受けた本件滞納者は請求人の親兄弟でも何でもない他人であり、請求人は自己の固有の相続税を全額納付しており、連帯納付義務の説明を受けておらず承服もしていないから、連帯納付義務を負うことはない旨主張するとともに、仮に連帯納付義務があるとしても、原処分庁は、何ら本件滞納者から徴収する努力もせず、本件滞納者からの徴収の状況等を説明もしないで、請求人から徴収するのは、徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、連帯納付義務が生じる遺贈の相手方を制限する規定はなく、請求人固有の相続税額に未納がないことは連帯納付義務の存在に何ら影響を与えるものではなく、連帯納付義務者への説明義務や承服を得る必要がある旨を定めた規定は存しない。また、原処分庁の徴収手続において、徴収努力を怠っていた事実や、し意的に請求人に納税義務を求めたような事実も認められず、本来の納税者からの徴収の状況等を連帯納付義務者に説明しなければならないとする法令上の規定もない。(平22. 4.21 大裁(諸)平21-55)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210054
- 裁決年月日
- 平成22年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務の限度額は法定相続割合ではなく遺産分割協議後の相続財産取得割合に基づき本件滞納国税をあん分して算定すべきであるところ、請求人はその金額を既に履行している旨主張する。しかしながら、連帯納付義務の限度額は、相続又は遺贈により受けた相続財産の価額を基に算定するのであって、本件滞納国税を各相続人の相続財産の取得割合であん分するものではない。そして、請求人の履行した金額は審判所認定額を下回るから、連帯納付義務の限度額を履行したとする請求人の主張は採用することはできない。(平22. 4. 2 大裁(諸)平21-54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210039
- 裁決年月日
- 平成22年2月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第一次相続において、借地権を相続財産として相続税の申告をしたが、共同相続人の一人が請求人を含む他の共同相続人を相手に行った遺産分割申立て審判(以下「本件審判」という。)により、借地権は請求人の所有物で、被相続人の遺産でないことが共同相続人の間で合一的に確認されたのであるから、本件審判の確定により行った更正の請求を認めない原処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、第一次相続において被相続人の遺産の全部について分割が確定したとする相続税の申告書を原処分庁に提出しており、また、本件審判は第一次相続に係る遺産を分割の対象とし当該遺産の分割が確定した審判とみることもできないことから、相続税法第55条の規定による計算で税額が確定し、当該申告において未分割とされていた財産が分割されたことが要件とされている相続税法第32条第1号の要件を具備しないもので、請求人の主張は認めることができない。(平22. 2.24 大裁(諸)平21-39)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210039
- 裁決年月日
- 平成22年2月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件審判により、第一次相続に係る遺産分割が初めて確定したもので、これにより第二次相続に係る被相続人が取得した財産は減少し、第二次相続の総遺産額が減少するから相続税法第32条第1号による更正の請求が認められる旨主張する。しかしながら、本件審判で第一次相続に係る遺産が分割された事実はないことから、請求人の主張には理由がない。(平22. 2.24 大裁(諸)平21-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210119
- 裁決年月日
- 平成22年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議は、申出と応諾があってはじめて成立するところ、請求人は、本件各手紙に対して応諾する旨の手紙を平成20年7月8日に発送したから、遺産の分割協議が成立したのは当該発送日であり、本件更正の請求の期限の起算日は、当該発送日の翌日(平成20年7月9日)であるから、本件更正の請求は期限内にされた適法なものである旨主張する。しかしながら、仮に、本件各手紙の写しが、「財産の分割の協議に関する書類の写し」に該当するとしても請求人以外の共同相続人は、本件協議書及び本件各手紙によって、自己の相続分を放棄する意思を表示したものと認められるから、請求人が本件各手紙の内容を知った平成20年7月7日の時点で、本件相続に係る相続財産の全部が請求人に帰属するとの分割の協議が成立し、かつ、請求人はそのことを知ったというべきである。そうすると、相続税法第32条に基づく本件更正の請求は、その財産が分割されたことを知った日の翌日から4か月以内である平成20年11月7日までに行わなければならなかったこととなるから、同月10日に行われた本件更正の請求は、期限を徒過した不適法なものとなる。(平22. 2.17 東裁(諸)平21-119)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210036
- 裁決年月日
- 平成22年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、請求人には贈与の意思がなく、本件預貯金の解約金を本件滞納者が取得したことについても、請求人の意思によるものではなく、本件滞納者の代理人弁護士が請求人の意向を無視して勝手に引き渡したものであって、贈与の履行の事実もないため、贈与税の連帯納付義務を負うものではないことから本件督促処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人と本件滞納者との関係、請求人が一旦相続放棄の申述をし、その後これを取りやめるに至った経緯、請求人らと本件滞納者らとの話合いの内容、これを受けて、請求人が本件預貯金の解約手続及び解約金の受領を委任する旨の委任状を本件滞納者の代理人弁護士に交付し、請求人が同弁護士と共に金融機関に赴き、解約手続を行い、解約金が同弁護士の預金口座に振り込まれるのを認識していたこと等を総合して考慮すれば、上記話合いにおいて請求人と本件滞納者との間で、本件解約金を贈与する合意があり、これにより本件預貯金の解約金を本件滞納者が取得したものと認めるのが相当である。(平22. 2. 4 大裁(諸)平21-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210027
- 裁決年月日
- 平成21年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①加算税は行政上の一種の制裁であり、滞納した納税者に対してのみ課すことができる属人的なものと解するべきであるから、無申告加算税を本件連帯納付義務の対象とすべきではなく、②仮に無申告加算税が連帯納付義務の対象となるとしても、請求人としては受贈者がどのような行動をとるか把握することもコントロールすることはできず、また、滞納者への贈与に関する情報提供も行なっているのであるから、このような事情の下では、期限内申告書の提出がないことについて「正当な理由」があるので、無申告加算税を本件連帯納付義務の対象とすべきでない旨主張する。しかしながら、無申告加算税は国税通則法第69条の規定によりその計算の基礎となる税額の属する税目の国税とされており、その計算の基礎となる税が贈与税であるときは、その無申告加算税も贈与税として取り扱われることから、贈与税に係る連帯納付義務を負う者は、無申告加算税についても連帯納付の責めに任ずると解される。また、「正当な理由」がある場合とは、真に納税者の責めに帰すことのできない客観的な事情があり、加算税の趣旨に照らしても、なお、納税者に加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうことと解されるところ、申告を行った滞納者にはこのような事情はなく、また、「正当な理由」がある場合には加算税を連帯納税義務の対象とはしない旨の規定はないことから、請求人の主張はいずれも理由がない。(平21.11.27 大裁(諸)平21-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210051
- 裁決年月日
- 平成21年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第42条ただし書の「管理又は処分をするのに不適当」な財産のうち、所有権の帰属について係争中の財産とは、当該財産が被相続人の遺産かどうかを争っているものである旨主張する。しかしながら、仮に本件各土地を物納財産として収納した後、請求人が本件訴訟で敗訴すれば、物納許可そのものが無効となるのであるから、争う当事者が誰であるかについては管理又は処分をするのに不適当か否かを判断する際の要素にはならないというべきであり、したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.11. 5 東裁(諸)平21-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210051
- 裁決年月日
- 平成21年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件物納申請を却下することなく約2年4か月もの長い期間相続税の徴収を猶予してきたことは、請求人の特殊な事情及び物納が実行可能となる時期について理解を示し、直ちに物納申請の却下処分を行わないとの公的見解を表示したものであり、事情の変更がないにもかかわらず却下したことは信義則に違反する旨主張する。しかしながら、原処分庁が請求人に対して再三にわたり物納財産の変更又は補正を求める書面を送付していたことからすれば、原処分庁が本件各物納申請の却下処分を行わないことの公的見解を表したものとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平21.11.5東裁(諸)平21-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年8月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 滞納者の滞納相続税についての連帯納付義務を負う請求人らは、原処分庁が滞納者に参加差押通知書を送達したと主張する時期に、滞納者は行方不明であり、当該通知書を受け取っていないと思われることから、当該滞納相続税についての時効の中断の効力は生じておらず、当該滞納相続税に係る徴収権は時効により消滅したとみなされるべきである旨主張する。この点、国税通則法第12条第1項によれば、国税に関する法律の規定に基づいて発する書類は、送達を受けるべき者の住所又は居所に送達するものとされているところ、滞納者が、平成13年11月○日、○○家庭裁判所に対し、亡母の相続に係る限定承認の申述をした際の「相続の限定承認申述書」に記載されていた住所地、滞納者の住民登録の住所地、及び申告書に記載された住所地によれば、参加通知書が送付された住所地は滞納者の住所地であったと認められ、国税通則法第12条第2項によれば、普通郵便により発送された参加差押通知書は、その発送後通常到達すべきであった時に送達があったものと推定されるのに対し、請求人らは、滞納者が行方不明になった時期などについて具体的な主張をせず、滞納者が参加差押通知書を受け取っていないことを窺わせる証拠も提出しないのであって、当審判所の調査の結果によっても、当該参加差押通知書や、これに先立ち滞納者の住所地あてに送付された各督促状が返戻されたなどの事実は認められず、他に上記推定を覆すに足る事実も見当たらない。そして、請求人らの連帯納付義務は、固有の納税義務との関係において附従性があり、滞納者について生じた時効の中断及び停止の効力は、請求人らにも及ぶから、各連帯納付義務に係る徴収権についても、消滅時効は完成していない。よって、請求人らの主張には理由がない。(平21. 8. 3 東裁(諸)平21-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200162
- 裁決年月日
- 平成21年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第40条第2項に規定する「弁明を聴く」とは、単に当事者から意見や異議を言わせればよいというものではなく、当事者の意見や異議に対し、原処分庁としての回答や見解が示されなければならないところ、原処分庁は請求人の弁明に対し一切応答をしていないから弁明手続に違法がある旨主張する。しかしながら、同項に規定する「弁明を聴く」趣旨は、延納許可を受けた者に、延納税額の滞納その他延納条件に違反したこと及びその者のその後の資力の状況等について、その存否及びその事情を弁明する機会を与え、これをもって、税務署長が延納許可を取り消すか否かを判断する資料とすることにより、納税者の権利保護と取消処分の適正手続を図ることにある。このような趣旨からすれば、弁明の機会を与えない場合には、延納許可の取消処分は違法となると解されるが、弁明を聴いた後に、これに回答すべき義務を定めた規定はないから、税務署長が弁明に対して回答を要するものとは解されない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 4.13 東裁(諸)平20-162)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200064
- 裁決年月日
- 平成21年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割調停の成立に基づいてされた相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号による更正の請求に対してされた更正処分について、相続財産とされている本件貸付金は存在せず、本件預り金債務等はその金額が過少であるから、当該更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、上記更正の請求は、いずれも国税通則法第23条第1項の更正の請求期間である本件相続に係る相続税の法定申告期限から1年を経過した後にされたものであるから、同号該当事由を理由としてすることはできず、同条第2項各号、相続税法第32条各号等が規定する事由がなければすることができないところ、請求人が主張する相続財産の存否及び債務控除の対象となる債務の価額の誤りは、当初申告時から生じていた事由であって国税通則法第23条第1号に該当する事由であり、同項の更正の請求期間の経過後も更正の請求をすることができる場合を規定する同条第2項各号、相続税法第32条各号等の事由に該当しない。したがって、これらを上記更正の請求の理由とすることはできず、上記更正の請求に対してされた更正処分の違法事由とすることはできない。(平21. 3.30 大裁(諸)平20-64)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200064
- 裁決年月日
- 平成21年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の修正申告書用紙を使用した書面(本件書面)に共同相続人全員の押印があることをもって、遺産分割協議が成立しているから相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号の規定による更正の請求は適法であり、本件書面をもって分割協議は成立しているとはいえないとしてされた更正をすべき理由がない旨の通知処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件書面は飽くまで相続税の修正申告書用紙を使用した書面であり、また分割の日付の記載もないことから、本件書面を遺産分割協議書とみなして遺産分割が成立したと認めることは困難である。また、共同相続人間で本件書面とは別に三度にわたり遺産分割協議書を作成していることからして遺産分割協議書の作成をもって遺産分割協議を成立させるとの意思を有していたものと推認されること、また上記更正の請求に係る更正の請求書及び本件書面とともに提出した「確約書」と題する書面には、遺産分割協議書は作成中であり出来上がり次第提出することを確約する旨の記載があることから、上記更正の請求書を提出した時点では、遺産分割協議書は作成されていないものと推認されるから、この点の請求人の主張は採用できない。(平21. 3.30 大裁(諸)平20-64)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200065
- 裁決年月日
- 平成21年3月30日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号の規定による更正の請求に対してされた更正すべき理由がない旨の本件通知処分及び調査に基づく増額更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分について、違法を理由に、いずれもその全部を取りすべきである旨主張する。しかしながら、上記各処分の後に、請求人が遺産分割調停が成立したとして相続税法第32条第1号の規定に基づいて更正の請求したところ、原処分庁は同更正の請求の全部を認め本件相続に係る納付すべき税額を零円とする減額更正処分をするとともに過少申告加算税の額を零円とする加算税の変更決定処分した。したがって、本件通知処分、上記増額更正処分及び上記賦課決定処分は、上記減額更正処分及び上記変更決定処分により、それぞれその効力を失っているから、請求人はこれらの処分につきいずれも審査請求の利益を失っている。そうすると、本件審査請求は不適法なものであり、却下すべきである。 (平21. 3.30 大裁(諸)平20-65)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200066
- 裁決年月日
- 平成21年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の修正申告書用紙を使用した書面(本件書面)に共同相続人全員の押印があることをもって、遺産分割協議が成立しているから相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号の規定による更正の請求は適法であり、本件書面をもって分割協議は成立しているとはいえないとしてされた更正をすべき理由がない旨の通知処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件書面は飽くまで相続税の修正申告書用紙を使用した書面であり、また分割の日付の記載もないことから、本件書面を遺産分割協議書とみなして遺産分割が成立したと認めることは困難である。また、共同相続人間で本件書面とは別に三度にわたり遺産分割協議書を作成していることからして遺産分割協議書の作成をもって遺産分割協議を成立させるとの意思を有していたものと推認されること、また上記更正の請求に係る更正の請求書及び本件書面とともに提出した「確約書」と題する書面には、遺産分割協議書は作成中であり出来上がり次第提出することを確約する旨の記載があることから、上記更正の請求書を提出した時点では、遺産分割協議書は作成されていないものと推認されること、本件書面の分割が確定した財産として記載している内容と、上記更正の請求の後に成立した遺産分割調停の調停条項に異なる点があることなどの事情に照らすと、上記更正の請求がされた時点で本件書面の記載内容どおりの遺産分割が確定的に成立していたと認めるのは困難である。したがって、請求人の主張は採用できない。 (平21. 3.30 大裁(諸)平20-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200142
- 裁決年月日
- 平成21年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は、請求人の相続不動産の任意売却を待つか、物納を認めるべきであり、それを待たずに一方的になされた延納許可取消処分は、原処分庁の処分権の濫用である旨主張する。しかしながら、延納許可取消処分の手続は適正に行われているところ、①請求人の延納許可に係る分納税額の滞納は一時的とは認められないこと、②請求人の弁明によれば、相続した不動産の売却により分納税額の納付資金を捻出しようとしていたが、相続した不動産の任意売却の目処が立っていなかったこと、③他に納付資金を調達する具体的な方法があるとはいい難い上、具体的な納付計画の呈示が不可能であったといえることからすれば、原処分庁が、延納許可取消処分時において、請求人には延納許可に係る分納税額等を延納条件に従って納付する見込みはないと判断したことには合理性があると認められる。したがって、原処分庁が延納許可取消処分を行うに当たって、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえないし、その行使に適切さを欠いているともいえない。そして、上記事情に照らせば、処分権の濫用があったとも認められない。(平21. 3.16 東裁(諸)平20-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200143
- 裁決年月日
- 平成21年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は、請求人の相続不動産の任意売却を待つか、物納を認めるべきであり、それを待たずに一方的になされた延納許可取消処分は、原処分庁の処分権の濫用である旨主張する。しかしながら、延納許可取消処分の手続は適正に行われているところ、①請求人の延納許可に係る分納税額の滞納は一時的とは認められないこと、②請求人の弁明によれば、相続した不動産の売却により分納税額の納付資金を捻出しようとしていたが、相続した不動産の任意売却の目処が立っていなかったこと、③他に納付資金を調達する具体的な方法があるとはいい難い上、具体的な納付計画の呈示が不可能であったといえることからすれば、原処分庁が、延納許可取消処分時において、請求人には延納許可に係る分納税額等を延納条件に従って納付する見込みはないと判断したことには合理性があると認められる。したがって、原処分庁が延納許可取消処分を行うに当たって、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえず、その行使に適切さを欠いているともいえない。そして、上記事情に照らせば、処分権の濫用があったとも認められない。(平21. 3.16 東裁(諸)平20-143)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200049
- 裁決年月日
- 平成21年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の相続人甲との間で甲が相続した土地を物納する旨の合意をしており、この合意によって請求人の連帯納付義務は消滅している旨及び仮に請求人の連帯納付義務が消滅していないとしても、甲は他の相続人乙の滞納相続税(以下「本件滞納国税」という。)を納付できる財産を有しているのだから、請求人に対してのみ負担を強いることは著しく公平性を欠くものである旨主張する。しかしながら、租税法は強行法規であるから、納付や徴収があった場合のように、その効果として当然に納税義務が消滅する場合を除き、法律の根拠に基づくことなく納税義務を減免することは許されないと解されており、各連帯納付義務者間の合意によって納税義務が消滅する旨の法令上の規定はないから、請求人は相続により受けた利益を限度として本件滞納国税に係る連帯納付義務を負うことは明らかである。そして、相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項に規定する連帯納付義務は、各相続人等相互に相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として課すものであり、請求人に対してのみ負担を強いるものではない。したがって、この点に関する請求人の主張には、いずれも理由がない。(平21. 2.13 名裁(諸)平20-49)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200045
- 裁決年月日
- 平成21年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同相続人である滞納者らが原処分庁から適法に相続税の延納許可を受けた時点で当該相続税債権が十分確保されていることから、その時点で当該相続税の連帯納付義務は消滅しており、また、同延納許可を取り消した直後に担保物件を換価処分していれば、連帯納付義務の問題も発生しなかったのであるから、長期間放置したことは職務怠慢であり徴収権の濫用である旨主張する。しかしながら、延納許可と連帯納付義務は異なる租税法規を根拠とするものである上、相続税法、国税通則法及び国税徴収法のいずれにも、延納許可によって連帯納付義務が消滅する旨を規定した条文は存在しない。また、原処分庁が担保物件の換価処分をせずに長期間放置したとしても、滞納者らから滞納に係る相続税を徴収することや担保物件の換価により滞納に係る相続税を徴収することが極めて容易であったといえず、徴収権の濫用と評価できるほどの事実は認められない。したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平21. 1.30 名裁(諸)平20-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200046
- 裁決年月日
- 平成21年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同相続人である滞納者らが原処分庁から適法に相続税の延納許可を受けた時点で当該相続税債権が十分確保されていることから、その時点で当該相続税の連帯納付義務は消滅しており、また、同延納許可を取り消した直後に担保物件を換価処分していれば、連帯納付義務の問題も発生しなかったのであるから、長期間放置したことは職務怠慢であり徴収権の濫用である旨主張する。しかしながら、延納許可と連帯納付義務は異なる租税法規を根拠とするものである上、相続税法、国税通則法及び国税徴収法のいずれにも、延納許可によって連帯納付義務が消滅する旨を規定した条文は存在しない。また、原処分庁が担保物件の換価処分をせずに長期間放置したとしても、滞納者らから滞納に係る相続税を徴収することや担保物件の換価により滞納に係る相続税を徴収することが極めて容易であったとはいえず、徴収権の濫用と評価できるほどの事実は認められない。したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平21. 1.30 名裁(諸)平20-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200029
- 裁決年月日
- 平成20年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件物納申請から本件各処分までに約16年もの年月が経過しており、処分までにこのように長期にわたったことは、原処分庁の不作為による違法性があり、このことは、いかなる理由があろうとも正当化されるものではなく、原処分を変更及び取消すべきである旨主張する。ところで、物納申請に基づく調査に関しては、相続税法第42条第2項に規定しているが、当該調査の範囲、程度及び調査の期間等などは、税務署長等又は税務署長等から委任を受けた担当職員の合理的な裁量にゆだねられていると解される。本件においては、本件各処分が①本件物納申請土地に抵当権及び根抵当権が設定されていたこと、②請求人が、本件申請時から本件土地の測量等を含む補完作業に相当の日数を要したことを原因として、本件各処分は長期の時間を要したものであると認められる。そうすると、本件各処分は、税務署長等又は税務署長等から委任を受けた担当職員が、合理的な裁量の範囲を逸脱して行われたものであると評価できず、変更すべき違法はないというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平20.12. 8 大裁(諸)平20-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200029
- 裁決年月日
- 平成20年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が物納財産である本件土地の収納価額を相続時点における貸家建付地としての価額ではなく、貸宅地としての価額で定めて行った物納許可及び収納価額の改定により物納申請額に不足した価額をもって行った物納却下の各処分は違法である旨主張する。しかしながら、当該土地上には建物が存在しており、当該土地が物納されたとしても当該土地には建物の収去及び同土地の明渡し等の問題が内在し、これを処分することは容易でないことから、当該土地については、金銭の納付があった場合と同等の経済的利益を確保することが困難であるとして相続税法第42条第2項ただし書でいう管理又は処分するのに不適当な財産であった。このため、請求人から国有財産借受確認書の提出を受け、同書に基づいて原処分庁が物納を許可する場合にあっては、「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化」を生じたものであり、当該物納財産の収納と同時に上記賃貸借契約の効力が発生したということができる。同法第43条第1項ただし書の規定は、この収納の時の現況により物納財産の収納価額を定めることができると解するのが相当である。そうすると、本件土地は、収納時の状態である借地権が存在する貸宅地として、本件土地の収納価額を算定した本件許可処分に違法はない。また、過去に物納許可処分した土地についても同趣旨の収納価額の改定を行ったものであり、物納申請額に不足した額についての本件物納却下処分に違法はない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平20.12. 8 大裁(諸)平20-29)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平200002
- 裁決年月日
- 平成20年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・440ページ
要旨
○ 請求人は、本件申告は分割されていない遺産について相続税法第55条の規定により計算したものであるから、本件更正の請求は、同法第32条第1号に規定する要件を備えた適法なものである旨主張する。しかしながら、本件遺言が無効である旨の本件判決が確定したことにより、すべての相続財産は未分割の状態にあることが明らかにされたものと認められ、その後、審判によりその未分割の状態にあった財産の分割が行われたのであるから、本件判決により未分割の状態にあることが明らかになった相続財産について、相続税法第55条の規定に基づく申告又は更正若しくは決定がなされていたかどうかで、本件更正の請求が同法第32条第1号の更正の請求の要件を満たすか否かを判断すべきこととなる。この点、本件申告は、本件判決の前になされているものであって、本件更正の請求の直前における請求人の相続税の課税価格は、本件判決により未分割の状態にあった相続財産について相続税法第55条の規定に基づき民法の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って計算されていたものでないことは明らかである。したがって、本件更正の請求は、相続税法第32条第1号に規定する要件を欠くものであるから、本件更正の請求に対して更正をすべき理由がないとしてなされた通知処分は適法である。(平20.10.29 金裁(諸)平20-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200059
- 裁決年月日
- 平成20年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした本件滞納相続税の連帯納付義務についての本件督促処分は、法定納期限の翌日から5年を経過しているから、連帯納付義務の徴収権が時効により消滅しており、また、本来の納税者に対する長期間の徴収の猶予は相続税法、国税通則法の趣旨、目的に反し違法であるから、時効は停止せず、本来の納税義務も時効により消滅している、さらに、連帯納付義務が生じてから長期間経過しての連帯納付義務者への督促処分は、国税通則法の目的に反するとして、違法又は不当である旨主張する。しかしながら、相続税の連帯納付義務は、本来の相続税の納税義務との関係において付従性を有するものと解され、本来の納税義務について時効の停止事由が生じたときは、連帯納付義務の時効も停止すると解するのが相当であるところ、本来の納税義務は徴収を猶予されており、その徴収の猶予については、重大明白な瑕疵はなく有効に行われた処分であると認められ、その期間についても制限される法令等の規定はないから、徴収の猶予期間について、時効の進行は停止していると認められる。したがって、本来の納税義務は時効消滅しておらず、連帯納付義務も時効による消滅はしていない。また、本来の納税義務の法定納期限から連帯納付義務の督促処分までの期間が長期にわたったことをもって本件督促処分を違法とする規定も不当とすべき理由も認められない。(平20.10. 8 東裁(諸)平20-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190223
- 裁決年月日
- 平成20年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、A税務署長は本来の納税義務者から延納に係る相続税に見合う適正な担保を徴していなかった可能性があり、その結果本来の納税義務者に請求できなくなったと考えられ、また、少なくとも平成5年3月ころから本来の納付義務者から徴収できないことが明らかになっていたのにもかかわらず、本来の納付義務者に対し、何らの権利を行使していなかった可能性があり、このような事情の下で本件各督促処分を行うことは、国税徴収権の濫用に当たり、違法であると主張する。しかしながら、相続税法第34条第1項に規定する相続税の連帯納付義務者に対する連帯納付義務の徴収手続において、どのような場合が徴収権の濫用に当たるのかについては、相続税の連帯納付義務が、相続税の徴収の確保を図るために課された特別の責任であることから、国税当局が単に本来の納税義務者から相続税の徴収を怠ったというにとどまらず、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、当該相続税の徴収を図ることが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が同人又は第三者の利益を図り、あるいは連帯納付義務者に損害を与える目的をもって、恣意的に、本来の納税義務者からの徴収を行わず、連帯納付義務者に対してその義務の履行を求めたという事情が存する場合には、徴収権の濫用に当たると評価できる余地がないわけではないと解されている。これを本件についてみると、本件滞納国税の納期限から長期間経過していることが認められるところ、A税務署長及び原処分庁の徴収手続において、上記のように恣意的で徴収権の濫用に当たると評価できる事実はなく、原処分庁が請求人らに連帯納付義務の履行を求めて徴収手続を進めたとしても、これをもって徴収権の濫用とはいえない。(平20. 6.26 東裁(諸)平19-223)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190204
- 裁決年月日
- 平成20年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地について、遺産の分割のために実測をした結果、地積等に異動が生じたのであるから、この評価誤りは相続税法第32条第1号に規定する更正の請求の事由に該当し、本件更正の請求は同条の期限内に行われている旨主張する。しかしながら、同号の更正の請求の事由とは、未分割財産について同法第55条の規定に基づき、民法の規定に従って相続税の申告等が行われていた場合において、その後に遺産の分割が行われ遺産の帰属が確定したことに伴い、実際に取得した財産を基礎として算出した課税価格等に異動が生じた場合をいい、実測による面積の異動までを含むものではないと解される。したがって、本件各土地について、実測をしたことに伴う土地の評価誤りの是正は、国税通則法第23条第1項の規定によることとなるが、本件更正の請求は、本件相続に係る相続税の申告期限(平成15年10月○日)から1年という同項の提出期限を経過した後である平成19年1月9日に行われているので、更正をすべき理由がない旨の通知をした原処分は適法である。(平20. 6.12 東裁(諸)平19-204)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190204
- 裁決年月日
- 平成20年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件相続に係る遺産分割は、遺産分割調停の中間合意及び同調停の成立と段階的に行われているが、遺産分割が最終的に完了したのは、本件遺産分割協議書を作成した平成18年12月14日であり、本件更正の請求は相続税法第32条に規定する期限内である平成19年1月9日に行われているから、同更正の請求を認められるべきである旨主張する。しかしながら、共同相続人全員で遺産の一部について分割協議を行い、時期を異にして残りの遺産についても分割協議をした場合には、それぞれの遺産について別個に分割が行われたと解されている。そして、その場合の相続税法第32条第1号に規定する更正の請求は、遺産の分割が行われた都度行うべきものである。また、本件遺産分割協議書に係る分割協議は、積極財産の分割については相続人の一部を除いて行われた無効な分割協議であり、結局債務の負担者を定めているにすぎない。相続税法第32条第1号に規定された同法第55条の「相続により取得した財産」とは積極財産のみを指すと解されているので、本件更正の請求の起算日は、遺産分割調停の中間合意がされた日又は当該調停が成立した日となる。したがって、相続税法第32条に規定するこれらの日から4か月を経過した後に行われた本件更正の請求は認められず、更正をすべき理由がない旨の通知をした原処分は適法である。(平20. 6.12 東裁(諸)平19-204)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190195ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、滞納者の滞納相続税を徴収するため、請求人に対し、当該滞納相続税に係る連帯納付義務の督促処分を行ったところ、請求人は、A税務署長が原処分庁に滞納国税の徴収の引継ぎをする以前から滞納者に対する延納許可を取り消して、担保不動産を直ちに公売しておれば、平成14年当時の延納担保不動産の実勢価格からみて、滞納国税の未納はなく、請求人に対し督促処分を行う必要は全くなかったものであり、原処分庁が、滞納者に対する徴収手続を怠っていたのであるから、連帯納付義務者として請求人にその損害(責任)を負わせるということは徴収権の濫用に当たると主張する。しかしながら、請求人が徴収権の濫用である旨主張する原処分庁の徴収手続について、当審判所が調査した結果によれば、A税務署長は本件担保不動産について差押えをするなど滞納者に対する徴収手続を進めており、当該徴収手続に関してA税務署長又は原処分庁が滞納者又は第三者の利益を図る目的を持って恣意的に本件相続に係る相続税の徴収を行わずに、請求人に対して滞納処分を執行したというべき事実は認められない。したがって、請求人に対する連帯納付義務の徴収手続が徴収権の濫用であるとはいえない。そして、本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続がそれぞれ別個の手続であることから、滞納者に対する徴収手続の内容が、請求人の連帯納付義務の存否又は内容に影響を及ぼすものではなく、徴収権の濫用というべき事実も認められないのであるから、本件督促処分は適法な処分であると認められる。(平20. 6. 3 東裁(諸)平19-195)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平190012ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、民法第255条《持分の放棄及び共有者の死亡》の規定に基づき未分割遺産である株式に係る請求人の持分を放棄し、他の共同相続人が当該株式を単独で取得することになったことは、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1号にいう「当該財産の分割が行われ」た場合に該当する旨主張する。しかしながら、共有持分の放棄につき、他の共有者の受諾なくして当然に他の共有者にその持分が帰属することを認める趣旨は、持分の放棄が相手方に利益を与えるに過ぎないものであるためと考えられるところ、他の共有者としては法律関係を一方的に押し付けられることになるから、持分の放棄によって当該他の共有者に著しい不利益が生ずるなどの特別の事情が存する場合には、単独行為であっても自由に行うことは制限され、その効果は生じないと解すべきである。本件においては、①当事者間で利害が対立し、請求人による当該株式の持分の放棄が単に他の共同相続人に利益を与えることを意図したものとは認めることができず、かえって、他の共同相続人に不利益が生ずることを承知した上でのものであると認められること、及び②当該持分の放棄の意思表示を他の共同相続人が受諾する意思のないことが明らかであるという事情が存することから、当該持分の放棄は自由に行うことが制限され、その放棄の効果は生じないと解すべきである。そうすると、当該持分の放棄があったことが、相続税法第32条第1号に規定する「当該財産の分割が行われ」た場合に該当することにならないから請求人の主張には理由がない。(平20. 4.15 札裁(諸)平19-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190142
- 裁決年月日
- 平成20年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・633ページ
要旨
○ 原処分庁が、受遺者の滞納した相続税を徴収するために、同一の被相続人から相続した請求人に当該相続税についての連帯納付義務の督促処分をしたのに対し、請求人は、滞納者が所有していた延納担保物件の売却代金から必要担保額を回収できたはずの原処分庁が、延納相続税額の徴収や差替担保の徴取を行わずに延納担保物件についての抵当権を抹消したことには極めて重大な過失があり、当該督促処分は国税徴収権の濫用に当たると主張する。しかしながら、本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続が本来的に別個独立の手続であることからすれば、国税当局が本来の納税義務者に対する徴収手続を適正に行わなかった結果、本来の納税義務者から相続税を徴収することができなくなったという事実があったとしても、その事実は相続税の連帯納付義務の存否又はその範囲に影響を及ぼすものではないから、これをもって徴収権の濫用と評価することはできず、本来の納税義務者に十分な財産があり、同人から滞納に係る相続税を徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、同人又は第三者の利益を図る目的をもって、恣意的にその徴収を怠り、連帯納税義務の追及をするような場合には、徴収権の濫用に当たると評価すべき場合もあり得ると解されるところ、仮に請求人の主張事実を前提としても、当審判所の調査によれば、本件においては、本件滞納者又は第三者の利益を図る目的をもって、延納相続税額の徴収や差替担保の徴取を行わずに、恣意的に、本件抵当権の抹消手続を行ったと評価すべき事実は認められないから、請求人に対して行われた督促処分が国税徴収権の濫用に当たるものということはできない。(平20. 4. 1 東裁(諸)平19-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190142
- 裁決年月日
- 平成20年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・633ページ
要旨
○ 請求人は、民法第504条の類推適用又は国税通則法第41条第2項の規定により、連帯納付義務が免責されると主張するが、相続税法、国税通則法及び国税徴収法のいずれにも民法第504条の準用又は類推適用による相続税の連帯納付義務の消滅を根拠付ける趣旨は見当たらず、連帯納付義務者はその徴収手続において本来の納税義務者と別個独立した関係にある点からも、同条を連帯納付義務者に類推適用することは相当でなく、また、国税通則法第41条第2項は、納税者に代わって国税を納付した者はその取得した求償債権の限度で納付した国税の担保たる抵当権につき国に代位することができる旨を規定するだけで、国に対して抵当権の保存を義務付けるものと解することはできないから、請求人の主張には理由がない。(平20. 4. 1 東裁(諸)平19-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190143ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、受遺者の滞納した相続税を徴収するために、同一の被相続人から相続した請求人に当該相続税についての連帯納付義務の督促処分をしたのに対し、請求人は、滞納者が所有していた延納担保物件の売却代金から必要担保額を回収できたはずの原処分庁が、延納相続税額の徴収や差替担保の徴取を行わずに延納担保物件についての抵当権を解約したことには極めて重大な過失があり、当該督促処分は国税徴収権の濫用に当たると主張する。しかしながら、本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続が本来的に別個独立の手続であることからすれば、原処分庁が本来の納税義務者である滞納者に対する滞納処分等の徴収手続を適正に行っていれば、滞納国税を徴収することが可能であったにもかかわらず、原処分庁がその徴収手続を怠った結果、本来の納税義務者から相続税を徴収することができなくなったという事実があったとしても、これをもって徴収権の濫用と評価することはできず、本来の納税義務者に十分な財産があり、同人から滞納に係る相続税を徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、同人又は第三者の利益を図る目的をもって、恣意的にその徴収を怠り、連帯納税義務者に対して追及するような場合には、徴収権の濫用に当たると評価すべき場合もあり得ると解されているところ、仮に請求人の主張事実を前提としても、当審判所の調査によれば、本件においては、本件滞納者又は第三者の利益を図る目的をもって、延納相続税額の徴収や差替担保の徴取を行わずに、恣意的に、本件抵当権の抹消手続を行ったと評価すべき事実は認められないから、請求人に対して行われた督促処分が国税徴収権の濫用に当たるものということはできない。(平20. 4. 1 東裁(諸)平19-143)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190075
- 裁決年月日
- 平成20年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各相続人の遺産の取得割合が当初申告の内容と変わったことによる相続税の更正処分によって請求人に生じた相続税の還付金を、他の共同相続人が新たに納付すべきこととなった相続税に係る連帯納付義務に充当した本件充当処分は、本来の納税義務者である他の共同相続人の資力を十分調査することなく行われたもので、職権の濫用に当たり違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条第1項の連帯納付義務に補充性はないと解され、本来の納税義務者に対し徴収手続を尽くした後でなければ、他の共同相続人に対し徴収手続を行うことができないものではないと解されることから、本件充当処分は職権の濫用には当たらず、また、本件充当処分は相続税法第34条第1項及び国税通則法第57条第1項の規定に基づき行われているのであるから適法である。(平20. 3.27 名裁(諸)平19-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190039
- 裁決年月日
- 平成20年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の連帯納付義務に係る督促処分(以下「本件督促処分」という。)について、①早期に連帯納付義務等について知らせなかったこと、②連帯納付義務に係る滞納相続税の本来の納税義務者(以下「本件滞納者」という。)に対する徴収手続を漫然と放置していたこと、③相続財産を多く取得した相続人から徴収すべきであることを理由に、本件督促処分が不当である旨主張する。しかしながら、①連帯納付義務者に対して他の相続人の滞納の事実や連帯納付義務を負っていることを通知しなければならない旨定めた法令の規定はなく、本件督促処分に手続上の暇疵はないこと、②本件滞納者に対する徴収手続は徴収職員の合理的な裁量の範囲内で行われていることが認められること、③連帯納付義務を負う相続人から徴収するに当たり、相続財産を多く取得した者から徴収しなければならない旨定めた法令の規定はないことから、受けた利益の価額に相当する金額の限度で原処分庁が請求人に対して行った本件督促処分に取り消すべき不当はない。(平20. 3.10 大裁(諸)平19-39)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190040
- 裁決年月日
- 平成20年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税の連帯納付義務の承継に基づく督促処分について、第一次相続及び第二次相続のいずれについても受けた利益がないから、請求人らが負うべき連帯納付責任額はなく、同処分は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、被相続人Aは、第一次相続において滞納相続税を上回る利益を受けていることが認められ、第二次相続においてAを単純相続した請求人らは、第二次相続において受けた利益の有無にかかわらず、第一次相続により、Aが負っていた連帯納付責任額について、それぞれ法定相続分であん分した金額を承継したのであり、さらに第二次相続において受けた利益を限度として、請求人らの間で他の者が承継した金額についても納付責任を負うのであるから、原処分に取り消すべき違法又は不当はない。(平20. 3.10 大裁(諸)平19-40)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190109
- 裁決年月日
- 平成20年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の連帯納付義務に係る督促処分について、原処分庁が行った当該相続税の本来の納税者に対する徴収手続に瑕疵ないし判断誤り又は徴収手続を怠った事実があるから、請求人に対して当該相続税の延滞税を含む滞納国税の納付を求めることが違法である旨主張する。しかしながら、相続税の本来の納税者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続はそれぞれ別個の手続であり、仮に相続税の本来の納税者に対する徴収手続に瑕疵ないし判断誤り又は徴収手続を怠ったということがあったとしても、その連帯納付義務の存否又は範囲に影響を及ぼすものではない。また、延滞税は、国税通則法第60条第4項の規定により、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とされているから、延滞税の計算の基礎となる税が相続税であるときは当該延滞税も相続税となるのであり、連帯納付義務に係る相続税について延滞税を除くという特別の規定もない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 2.14 東裁(諸)平19-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190109
- 裁決年月日
- 平成20年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納相続税は本来の納税者に対して適正な徴収手続を行わなかったため徴収できなくなったものであるから、原処分庁が請求人に対して延滞税を含む当該滞納相続税の連帯納付義務の履行を求めることは徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、仮に徴収の所轄庁が相続税の本来の納税義務者に対する徴収手続を行わなかったゆえに本来の納税義務者から当該相続税を徴収することができなくなったという事実があったとしても、単に当該事実だけでなく、例えば、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から滞納に係る相続税を徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、徴収の所轄庁が同人又は第三者の利益を図る目的をもって恣意的に当該相続税の徴収を行わず、他の相続人等に対して滞納処分を執行したというような場合でない限り、連帯納付義務者に対する徴収手続が徴収権の濫用であるということはできないと解すべきである。したがって、仮に請求人が主張する事情があったとしても、当該事情だけをもって原処分庁に徴収権の濫用があるということはできず、その他に相続税の本来の納税者に対する徴収手続に関し、原処分庁が当該納税者又は第三者の利益を図る目的をもって恣意的に相続税の徴収を行わず、請求人に対して滞納処分を執行したというような事実は認められないから、請求人に対する連帯納付義務の徴収手続が徴収権の濫用であるとはいえない。(平20. 2.14 東裁(諸)平19-109)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190066
- 裁決年月日
- 平成20年1月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・624ページ
要旨
○ 原処分庁は、家庭裁判所に対し遺産分割審判事件から脱退する旨の届出書を提出した請求人が相続税法第32条に規定する「当該事由が生じたことを知った」のは、遅くとも当該事件の審判がなされた平成16年11月○日であるから、その日の翌日から4月を経過した後になされた本件更正の請求は、請求の期限を徒過したものであると主張する。しかしながら、相続税法第55条の規定に基づく相続税の申告書の提出後に共同相続人の一人が相続分放棄証書を添付して脱退届出書を家庭裁判所に提出し、その後他の共同相続人に対して審判の告知がされた場合において、相続税法第32条第1号に規定する「その後当該財産の分割が行われ、共同相続人が当該分割により取得した財産に係る課税価格が当該相続分又は包括遺贈の割合に従って計算されていた課税価格と異なることとなった」のがいつかを判断するに当たっては、当該脱退届出書の提出行為の法的性質、法的効果のみならず、他の共同相続人についてはいつ最終的な遺産分割の合意が成立し、あるいはこれに変わる審判の効力が生じたか等を斟酌してなすのが相当であるところ、本件においては、請求人以外の共同相続人が複数であるとともに、当該審判の告知がなされるのは他の共同相続人に対してであることを踏まえれば、たとえ共同相続人のうちの一人に相続分の放棄をした者があったとしても、他の共同相続人間で遺産分割が確定したときに、当該相続分の放棄をした者を含めて全体として最終的な遺産分割と同様の効果を生ずると判断するのが相当であって、本件において当該効果を生ずる事実が発生したのは、他の共同相続人に対して抗告の棄却決定がなされたときであると解するのが相当であることに加え、相続税法第32条が「当該各号に規定する自由が生じたことを知った日」と定めていることに照らせば、請求人について上記「知った日」とは、他の共同相続人間において審判が確定したことを知った日と解するのが相当である。そして、当該日は、平成18年8月29日と認められるから、請求人が平成18年9月にした更正の請求は、相続税法第32条に規定する更正の請求の期限内になされた適法なものであり、請求内容も相当と認められるから、更正をすべき理由がない旨の通知処分はその全部を取り消すべきである。(平20. 1.31 名裁(諸)平19-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190098
- 裁決年月日
- 平成20年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、「原処分庁らが、本件滞納者に対して適時に適切な徴収手段を何ら講ずることなく長期間にわたって放置して、本件担保不動産の価値を減少させ、徴収不足を生じさせるとともに、請求人らに対して、本件滞納国税の存在等について何ら連絡せず、請求人らの納付の機会を奪い、いたずらに延滞税及び利子税を膨らませた上で、その負担を連帯納付義務者であるとの理由で請求人らに強いることは、まさに恣意的ともいえるものであり、徴収権の濫用に当たる」旨主張する。 しかしながら、相続税の連帯納付義務の追及において、どのような場合が徴収権の濫用に当たるのかについては、相続税の連帯納付義務が、相続税の徴収の確保を図るために課された特別の責任であることから、国税当局が単に本来の納税義務者から相続税の徴収を怠ったというにとどまらず、例えば本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から固有の相続税の徴収を図ることが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が同人又は第三者の利益を図り、あるいは連帯納付義務者に損害を与える目的をもって、恣意的に、本来の納税義務者からの徴収を行わず、連帯納付義務者に対してその義務の履行を求めたという事情がすべて存する場合には、徴収権の濫用に当たると評価できる余地がないわけではないと極めて限定的に解されており、これを本件についてみると、原処分庁らの徴収手続において、上記のように恣意的で徴収権の濫用に当たると評価されるべき事実の存在を裏付ける証拠はないから、徴収権の濫用に当たるとする理由はない。また、本件滞納国税には当然に延滞税及び利子税が含まれるのであるから、連帯納付義務の追及が違法とはいえない以上、延滞税及び利子税を課すことが徴収権の濫用に当たるとする理由はない。 また、法令上、連帯納付義務者に対する督促処分の前後を問わず、本来の納税義務者の各事情について連帯納付義務者に対して連絡しなければならない旨の規定はなく、請求人らに本件滞納者に対する滞納手続等に関する情報を開示しなかったとしても、そのことが本件各督促処分の違法事由となるものではない。(平20. 1.21 東裁(諸)平19-98)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190079
- 裁決年月日
- 平成19年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務に係る督促処分について、①連帯納付義務の成立に告知の手続が必要である旨及び②本来の納税者と原処分庁との間の合意により連帯納付義務が消滅する旨を主張し、取消しを求めている。 しかしながら、連帯納付義務は、その義務履行の前提要件をなす連帯納付義務の確定という事実、すなわち、相続税申告書の提出又は更正・決定等という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであるから、各相続人固有の相続税の納付義務が確定すれば、各相続人は、同時に当該連帯納付義務を負い、徴収の所轄庁は、格別の確定手続を要することなく、直ちに連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができると解される。 また、連帯納付義務は、本来の納税義務者の履行責任を補充的に負わせるものではなく、本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続は別個の手続であると解されているから、本来の納税義務者に対する徴収手続の効果は、納税により義務が消滅するなど、本来の納税義務そのものの消長に係るものでない限り、他の各相続人等の連帯納付義務の存否又は範囲に影響を及ぼすものではないと解される。 したがって、請求人の主張は、上記法令の解釈によらない主張であって、督促処分の取消しを求める理由とはならない。(平19.12. 6 東裁(諸)平19-79)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190030ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第34条第1項に定める連帯納付義務について、格別の税額確定手続を要することなく行った参加差押処分及び交付要求処分は違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条第1項に規定する連帯納付義務は、同法が相続税徴収の確保を図るため、相互に各相続人等に課した特別の責任であり、その義務履行の前提条件となる連帯納付義務は、各相続人等の固有の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであるから、連帯納付義務につき格別の確定手続を要するものではないと解されている。したがって、各相続人の納税義務が確定すれば、直ちに連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができると解される。 これを本件についてみると、共同相続人らの相続税の納税義務は、申告により税法上有効に確定しているから、請求人の連帯納付義務は格別の手続を要することなく、確定しているとするのが相当である。そうすると、請求人の上記主張は採用できない。(平19.11.28 大裁(諸)平19-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190070
- 裁決年月日
- 平成19年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、本来の納税者が滞納していた相続税について連帯納付義務を負う請求人に発生した還付金等を当該相続税に充当する充当処分をしたところ、請求人は、相続税法第34条に規定する相続税の連帯納付義務は本来の納税義務と主たる債務と従たる債務の関係にあるから、本来の納税義務者の滞納国税は当該納税者から優先的に徴収すべきであり、当該充当処分は徴収権の濫用に当たる旨主張する。 しかしながら、当該連帯納付義務は、本来の納税義務者に対する滞納処分を執行しても徴収すべき額に不足すると認められる場合に限って、連帯納付義務者が補充的に本来の納税義務者の履行責任を負担するというような補充性を有する義務ではなく、本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続は別個の手続であると解されているところ、① 請求人は還付を受けるべき者であるとともに、②上記滞納国税について、相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、相続税法第34条第2項の規定に基づく連帯納付義務を負っていたことが認められ、③当該滞納国税は上記充当処分時において完納されていなかったのであるから、原処分庁は、国税通則法第57条に基づき、当該還付金を当該滞納国税に充当したものと認められ、本件において、徴収の所轄庁が、本来の納税義務者に対する徴収手続を怠ったゆえに本来の納税義務者から同相続税を徴収することができなくなったという事実も、本来の納税義務者が現に十分な財産を有し、同人から滞納に係る相続税を徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、本来の納税者又は第三者の利益を図る目的をもって恣意的に当該相続税の徴収を行わず、他の相続人等に対して滞納処分を執行したというような連帯納付義務者に対する徴収手続が徴収権の濫用であるといえる場合に当たる事実も見当たらないから、当該充当処分は適法である。(平19.11.27 東裁(諸)平19-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190061
- 裁決年月日
- 平成19年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務の督促処分について、①当該督促処分に係る相続税の更正処分等が違法であり、また、②同処分等から原処分に至る一連の状況には、連帯納付義務の規定をそのまま適用すべきではない特段の事情があるから、行政庁は相続税法第34条第1項の規定を機械的に適用せず、連帯納付義務に係る徴収権を行使しないよう裁量権を行使すべきであることを理由に当該督促処分が違法である旨主張する。 しかしながら、①課税処分と滞納処分とは、それぞれ別個の法律的効果を有する独立した行政処分であって、仮に課税処分に違法があったとしても、当該課税処分が権限のある機関によって取り消されるか、又はその瑕疵が重大かつ明白なものであって無効であるという場合でない限り、課税処分の瑕疵が直ちに滞納処分の効力に影響を及ぼすものではなく、当該更正処分等については、同処分等に係る当審判所の裁決を経た後に権限ある行政機関による取消しもされておらず、かつ、当審判所の調査の結果によれば重大かつ明白な瑕疵も認められない。 また、②相続税の連帯納付義務は、相続税徴収の確保を図るための特別の責任であって、相続税の確定により法律上当然に生じ、格別の確定手続を要さないから、当該連帯納付義務の督促処分が連帯納付義務の成立及び確定等の効力を有する処分ではないことはもとより、連帯納付義務の成立及び確定について請求人が主張するような特段の事情を要件として原処分庁が裁量権を行使することができるという法律上の根拠はない上、上記趣旨及び目的からもそのように裁量権を認める余地はなく、また、不当でもないものと解され、請求人が利益を受けた限度において連帯納付義務に係る徴収を図ることは適法に成立していた連帯納付義務の履行を求めたものである。 したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平19.11. 5 東裁(諸)平19-61)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190009
- 裁決年月日
- 平成19年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税の連帯納付義務者である請求人らは、本件各督促処分について、①滞納者は自己の相続税を支払える資金を有していたにもかかわらず、わずかな税額しか支払っておらず、原処分庁が、収納に真剣に取り組み、適正に処理していれば、連帯納付義務は消滅しており、徴収処分を尽くしていないことは職務怠慢である、②原処分庁から唐突に督促状が送られてきたが、納期限から7年6月経過するまでの間、一度たりとも滞納者の税金未納状況等の情報を受け取ったことはないことなどを理由に、本件各督促処分は国税徴収権の濫用であり、違法であると主張する。 しかしながら、相続税の連帯納付義務は、相続税の徴収の確保を図るために相互に各相続人等に課した特別な責任であり、各相続人等の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生じるものであって、第二次納税義務のような補充的な性格を持つものではないから、各相続人等の固有の納税義務が確定すれば、直ちに連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができ、本来の納税者への徴収手続を尽くした後でなければできないというものではない。 また、本来の納税者に対する徴収手続の状況を連帯納付義務者に開示しなければならない旨を定めた法令上の規定はない上、本件滞納者が現に十分な財産を有し、その者から固有の相続税の徴収を図ることが極めて容易であったとはいえず、さらに、恣意的な徴収手続を行ったとする事実は認められない。 したがって、原処分庁が請求人らに対して行った本件各督促処分は、国税徴収権の濫用に当たるとはいえず適法である。(平19.10.31 広裁(諸)平19-9)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、本件相続税について内容不一致の申告書の提出を受けていたにもかかわらず、調査・指導等を行うことなく放置し、また、本件申告の過誤を是正する指導等も行わなかった旨主張する。しかしながら、申告納税制度の下においては、相続人である納税者は、自ら認識するところに従い、遺産及び相続税額の申告をなす義務を負うのであるから、申告書の記載内容の適否については、課税庁による指導等の有無にかかわらず、納税者自らの責任と判断においてなされるべきものである。また、相続税の申告及び課税は、各相続人ごとに別個独立に行われ、その効力も個別的に判断すべきであって、ある相続人の申告又は課税における瑕疵は、原則として、他の相続人の申告又は課税に影響を及ぼさないと解される。 したがって、上記いずれの点も、本件更正の請求に対して更正をすべき理由がないとしてなされた本件通知処分を取り消す理由とはならない。(平19. 8.30 金裁(諸)平19-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190003ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成19年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第32条に規定する「当該各号に規定する事由が生じたことを知つた日」及び同条第1号に規定する「当該財産の分割が行われ」た時とは、本件においては、土地の測量により、相続人が取得する土地の面積が確定し、納付すべき税額の算定が可能となった日と解すべきである旨主張するが、「当該財産の分割が行われ」た時とは、遺産分割が成立することによって相続財産についての権利関係が変動した時と解すべきであり、「当該各号に規定する事由が生じたことを知つた日」は、権利関係の変動があったことを知った日と解するのが相当であり、本件では、遺産分割に係る審判が確定した日となる。(平19. 8.27 大裁(諸)平19-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180083
- 裁決年月日
- 平成19年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件物納土地の収納価額を自用地としての価額ではなく貸宅地としての価額であるとしたことは違法であるから変更すべきである旨主張する。 しかしながら、当該土地上には使用貸借に基づいて建物が存在しており、当該土地が物納されたとしても当該土地には建物の収去及び同土地の明渡し等の問題が内在し、これを処分することは容易でないことから、当該土地については、金銭の納付があった場合と同等の経済的利益を確保することが困難であるとして相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの。以下同じ。)第42条第2項ただし書でいう管理又は処分するのに不適当な財産であったと認めるのが相当である。 そして、請求人から提出された国有財産借受確認書に基づいて国税局長が物納を許可した本件にあっては、本件物納土地の収納時点で、国と請求人との間において当該土地に係る賃貸借契約の効力が生じたと認められる。 そうすると、本件物納土地は、収納時点において、借地権の設定がされた場合に該当し、相続税法第43条第1項ただし書に規定する「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化」があるとして、同規定により、収納の時の状態である借地権が存在する貸宅地として、相続時点に請求人が取得したとして算出される価額をもって収納価額とした原処分に違法はないというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 5.25 大裁(諸)平18-83)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180083
- 裁決年月日
- 平成19年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件物納申請から本件各処分までに約14年半もの年月が経過しており、処分までにこのように長期にわたったことは、原処分庁の不作為による違法性があり、このことは、いかなる理由があろうとも正当化されるものではなく、原処分を変更すべきである旨主張する。 ところで、物納申請に基づく調査に関しては、相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)第42条第2項に規定しているが、当該調査の範囲、程度及び調査の期間等などは、税務署長等又は税務署長等から委任を受けた担当職員の合理的な裁量にゆだねられていると解される。 本件においては、本件各処分が①本件物納申請土地に抵当権及び根抵当権が設定されていたこと、②当該土地上の請求人の所有建物が全壊し、その後、当該土地上に請求人の長男が建物を建築したこと、③当該土地について、土地区画整理事業が施行されたこと、④当該土地の隣地所有者と境界争いが生じ、その紛争が訴訟に持ち込まれたことにより、当該土地の基準地積更正に相当の日数を要したこと等を原因として長期の時間を要したものであると認められる。 そうすると、本件各処分は、税務署長等又は税務署長等から委任を受けた担当職員が、合理的な裁量の範囲を逸脱して行われたものであると評価できず、変更すべき違法はないというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 5.25 大裁(諸)平18-83)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180060ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納許可の取消事由である担保不動産に対する差押が同許可の取消処分後に解除されたこと、条件どおりに分納税額及び利子税を分納期限までに納付し、今後もその意思があること及び延納税額に見合う十分な担保を提供しているから、同許可を取り消すのであれば、不要な担保は返還すべきことを理由に、延納許可取消処分は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、差押の解除は、将来に向けて差押の効力を失わせるものであるから、これにより延納許可取消処分が違法又は不当になるものではなく、請求人が十分な担保を提供しているか否かにより、同処分が違法又は不当になるものでもない。そして、請求人が延納許可取消処分を受けた理由は、延納税額の滞納にあるのではないから、延納許可の条件どおりに納税義務を履行し、今後もその意思があるとしても、同処分が違法となるものではない。もっとも、相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)第40条第2項の趣旨からすると、国税の徴収を確保すべき責務を負う税務署長は、延納許可を受けた者の当該延納税額に係る担保物につき強制換価手続が開始された場合には、原則として、延納の許可を取り消すべきこととなるが、その者が当該延納税額に相応する他の担保の提供を申し出たり、延納税額の残額が少額で任意の履行が見込まれるなどの場合には、税務署長の裁量により、国税の徴収の確保に支障を来さないと判断して延納の許可を取り消さずにおくことも許容されるというべきである。これを本件についてみると、請求人は、原処分庁に対して他の担保を提供する意思を示すことはなく、原処分庁が延納許可を取り消すことなく請求人の延納税額を確保できる状況にあったとも認められないから、同許可を取り消した原処分庁の判断は相当というべきである。(平19. 3.13 大裁(諸)平18-60)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180058
- 裁決年月日
- 平成19年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、地価が大幅に下落し、土地をすべて売却しても相続税額を完納することが不可能であったから、このような状況下では、地価が回復し納税が可能となるまで徴収を猶予すべきであり、それにもかかわらずされた延納許可取消処分は不当である旨主張する。しかしながら、そのように徴収を猶予するという法律上の規定はない上、請求人に滞納税額等の納付が見込めないとして税務署長が行った延納許可取消処分に、請求人の主張する不当はないというべきであり、請求人の主張は採用できない。 また、請求人は、地価の大幅な下落に対する緊急避難的措置としての特例物納の制度を規定した租税特別措置法(平成7年法律第55号による改正前のもの)第70条の10(以下「旧措置法第70条の10」という。)の適用がなくなった後も、地価の大幅な下落は続き、毎年、国会に同条と同様の趣旨の法改正を請願しているから、これが実現するまで徴収を猶予すべきであるにもかかわらずされた本件延納許可取消処分は不当である旨主張する。しかしながら、仮に請求人が法改正を国会に請願していたとしても、そのことが同人に対する法律の適用関係に影響を及ぼすものではないことは明らかである。そして、請求人には旧措置法第70条の10及び平成18年の相続税法の改正で創設された同税法第48条の2《特定の延納税額に係る物納》の規定の適用はない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 3. 9 大裁(諸)平18-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180049ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納税額の滞納は、はるか以前から延滞状態になっていたのであり、同滞納を原因として延納許可を取り消すことは、原処分庁と請求人とが協議により分割支払額等を決定し、納付してきたというこれまでの経緯に照らせば、信義則に反し違法である旨主張する。 しかしながら、延納税額が、長期にわたって滞納となってきた経緯があったとしても、このような経緯により、原処分庁が請求人に対し、黙示的にも同滞納を原因として延納許可を取り消さないという見解を表示したことにはならないというべきである。そうすると、このような場合に信義則の法理が適用される余地はないから、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-49)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180049ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁との間で納付計画のとおり納付することに合意し(納税の猶予の合意)、その後原処分庁から納税の猶予の打切り行為はなかったこと、及び原処分庁は請求人による担保不動産の解除及び任意売却による納付の申し出に全く応じなかったことから、延納税額が滞納になったものであるから、当該滞納は相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの。以下同じ。)第40条第2項に規定する滞納には該当しない旨主張する。 しかしながら、原処分庁が延納許可を取り消す場合には、相続税法第40条第2項により請求人の弁明を徴することを要するが、原処分庁による滞納税額の猶予の打切り行為などが要求されているわけではない。また、原処分庁が請求人から延納税額に相当する以上の評価額の担保を複数徴している場合には、原処分庁の裁量において、その超過する評価額に相当する一部の担保を解除することは可能と解されるが、担保の評価額が必要担保額に不足する場合には、担保を解除する理由がないところ、本件においては、担保の評価額が必要担保額に不足していると認められるので、原処分庁が請求人の担保不動産の解除及び任意売却の申出に応じなかったとしても、何ら違法又は不当ではない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-49)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180049ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った弁明の手続は、担保提供した不動産の売却や新たな担保提供予定の不動産があることまで具体的に述べた請求人の弁明を実質的に全く聞こうとせず、ただ機械的、形式的に終始したもので、相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの。以下同じ。)第40条第2項に規定する弁明手続に該当しない旨主張する。 しかしながら、請求人の主張は、要するに、原処分庁が請求人の弁明の内容を容れなかったことを非難するものであるところ、納税者の弁明は、税務署長がそれを聴取することにより、延納の許可を取り消すか否かについて判断する際の資料となるものであり、その弁明を必ず容れなければならないものではないと解されるから、原処分庁が請求人の弁明を容れなかったとしても、当該弁明の聴取が相続税法第40条第2項に規定する弁明手続に該当しないことにはならない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-49)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180049ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、担保不動産や追加提供予定の不動産の売却等により納付する旨の請求人の弁明を一顧だにせず、突然延納許可の取消処分をしたのは違法である旨主張する。 しかしながら、請求人の弁明の内容は具体的な納付計画ということはできないこと、及び請求人は利子税等を長期にわたり納付していないことから、今後延納の条件に従った納付の再開が見込まれるとは認められないから、原処分庁が、請求人の滞納税額、弁明の内容、納付事績等を考え併せ、延納許可の取消処分をしたことには違法はない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-49)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180052
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・464ページ
要旨
○ 請求人は、延納税額の滞納は少額であり、これを原因として延納許可を取り消すことは、原処分庁と請求人とが協議により分割支払額等を決定し、納付してきたというこれまでの経緯に照らせば、信義則に反し違法である旨主張する。 しかしながら、仮にそのような経緯があったとしても、原処分庁が請求人に対し、黙示的にも同滞納を原因として延納許可を取り消さないという見解を表示したことにはならないというべきである。そうすると、このような場合に信義則の法理が適用される余地はないから、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180052
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・464ページ
要旨
○ 請求人は、延納税額の滞納は少額であり、原処分庁は請求人による担保不動産の解除及び任意売却による納付の申出に全く応じなかったので、延納税額が滞納になったものであるから、当該滞納は、相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの。以下同じ。)第40条第2項に規定する滞納には該当しない旨主張する。 しかしながら、相続税法第40条第2項に規定する延納税額の滞納に該当するか否かは、滞納金額の多寡によって左右されるべきものではない。また、担保の解除については、原処分庁が請求人から延納税額に相当する以上の評価額の担保を複数徴している場合には、原処分庁の裁量において、その超過する評価額に相当する一部の担保を解除することは可能と解されるが、担保の評価額が必要担保額に不足する場合には、担保を解除する理由はない。本件においては、担保の評価額が必要担保額に不足していると認められるので、原処分庁が請求人の担保不動産の解除及び任意売却の申出に応じなかったとしても、何ら違法又は不当ではない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180052
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・464ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の所得金額に比べて滞納額が少額であるから、その滞納のみを理由として延納許可を取り消すことは、権利の濫用であり違法である旨主張する。 しかしながら、仮に、請求人主張のとおり所得金額に比べて滞納額が少額であれば、請求人がこれを納付しなかった合理的な理由は存在しない。また、仮に滞納につき何らかの理由があったとしても、請求人はこれを原処分庁に対して明らかにしなかったのであるから、原処分庁は、把握し得る事項を考慮の上、延納許可の取消処分を行ったというべきであり、その判断に裁量権の逸脱や濫用は認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180052
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・464ページ
要旨
○ 請求人は、送達すべき場所に継続して居住しており、かつ書類の受領を拒んだ事実はないから、国税通則法第12条第5項第2号に規定する要件(差置送達の要件)を満たしておらず、弁明通知書の送達の効力が生じていないので、結局、請求人には相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)第40条第2項に規定する弁明の機会が付与されていないから、本件弁明手続は違法である旨主張する。 しかしながら、国税通則法第12条第5項第2号に規定する「書類の送達を受けるべき者(中略)が送達すべき場所にいない場合」とは、単なる不在の場合も含むと解され、本件の場合、原処分庁所属職員は、2度にわたり請求人の自宅を訪れたものの、いずれも請求人が不在であったので、弁明通知書を請求人の自宅に差置送達したものであるから、弁明通知書は適法に送達されていると認められる。請求人は、これに対し、いずれも弁明の期限までに弁明をしなかったものであるから、本件弁明手続は適法に行われたと認められる。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 2.13 大裁(諸)平18-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180165
- 裁決年月日
- 平成19年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・453ページ
要旨
○ 請求人は、延納申請に係る担保として提供した財産(土地)は、担保として適当であり、原処分庁が行った相続税に係る延納申請却下処分は違法である旨主張する。 しかしながら、延納の担保に提供する財産は、その担保に係る相続税額を確実に徴収することができる金銭的価値を有するものでなければならないと解されるところ、請求人から担保として提供された土地は、共同相続人間の訴訟でその所有権の一部の帰属について係争中で、処分禁止の仮処分の登記がされていて換価が困難であったと認められるから、担保として不適格であるとした原処分庁の判断には合理的理由があり、延納申請却下処分は適法である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平19. 1.31 東裁(諸)平18-165)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180101
- 裁決年月日
- 平成18年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税に係る物納申請却下処分について、原処分庁は物納申請に係る補完を求めたが、これに対し、請求人には応じることができなかった相当な理由があり、書類の不提出を理由とした当該処分は違法であるとして取消しを求めている。物納申請において税務署長等に提出された書類等だけでは、物納に係る財産の特定や権利関係等を明らかにできないなど、相続税法第41条に規定する物件の要件に係る判断ができない場合には、税務署長等は、物納申請者に対してこれを明らかにするための書類の提出等を要請することができ、さらに、他に調査の方法がない場合で、物納申請者がその要請に対し正当な理由なく応じないときには、当該物納申請財産が管理又は処分をするのに不適当な財産であると判断し、物納申請を却下することは適法であると解される。本件において請求人の主張するこれらの書類を提出することができない相当な理由とは、相続税について、いまだ把握されていない相続財産の解明について課税調査が不足していることなどをいうものであって、当該物納申請に係る財産の適否を判定するための補完について障害となるものでないから、請求人の主張には理由がない。(平18.12. 8 東裁(諸)平18-101)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180013
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割等に係る調停が成立した日の翌日から10月以内に提出された本件申告書は期限内申告書である旨主張する。 しかしながら、請求人は、本件相続開始日当日に被相続人が死亡した事実を知り、本件遺言書の存在を知った後に、遺留分減殺請求書を受遺者に対し送付していることからすれば、当初から相続財産の一定額を不可侵的に取得し得る地位に立ったことを認識していたと認められ、また、被相続人の遺産総額が遺産に係る基礎控除額を超えることを認識していたということができるから、遺留分による減殺の請求及び未分割財産の分割につき調停中であったとしても、本件相続開始日の翌日から10月以内に、本件遺言書に記載のない未分割財産について、相続税法第55条の規定に基づき法定相続分の割合に従って当該財産を取得したものとして、課税価格を計算して申告書を提出しなければならなかったことになる。したがって、その後に提出された本件申告書は期限後申告書に該当する。(平18.11.29 金裁(諸)平18-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180079
- 裁決年月日
- 平成18年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第34条の規定による連帯納付義務に基づき徴収処分を行うには、①滞納者の財産を優先的に処分し、それでもなお滞納税額に不足する場合において初めて連帯納付義務者に対して滞納税額の徴収を行うべきであり、②連帯納付義務者が複数の場合には、滞納税額を相続財産等で合理的にあん分した金額に相当する額を各連帯納付義務者に対し平等に負担させるべきで、その合理的にあん分した額を超えて特定の者の財産のみを徴収対象とすることは不当である旨主張する。 しかしながら、相続税法第34条に規定する連帯納付義務は補充的な性格を持つものではないものと解され、本来の納税義務者である滞納者に対して徴収手続を尽くした後でなければ連帯納税義務者に対し徴収処分を行ってはならないというものではない。また、連帯納付義務が徴収の確保を目的として設けられたとの趣旨からすれば、各連帯納付義務者に対して平等に徴収しなければならないというものでもないから、請求人の主張には理由がない。(平18.11.10 東裁(諸)平18-79)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180032
- 裁決年月日
- 平成18年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、納税の意思があり、平成17年1月から月々均等額を1年間納付すると第15回分の分納税額を納付できるのに、原処分庁が、第15回分以降の分納税額を延納条件に従って納付される見込みがないと判断し、しかも少額の滞納で延納許可取消処分をしたことは違法である旨主張する。しかしながら、延納許可取消しに関する判断は、滞納者の滞納に至った理由や今後の納付意思及び支払能力の有無等を総合考慮した税務署長の合理的な裁量にゆだねられていると解される。請求人は、催告書による納付のしょうようなどが繰り返されたにもかかわらず、4年以上の長期にわたり、過納金の充当を除いて延納税額を納付せず、弁明の機会においても、滞納国税を完納するに至るまでの具体的な金額を提示した納付計画などは提案しなかった。また、請求人の平成17年1月から同年6月21日までの延納税額の納付状況は、月々納付されるべき金額の合計額に満たず、仮に請求人が主張するように、同年1月から月々の均等額が納付されていたとしても、同年7月7日に分納期限が到来する第15回分の分納税額に満たず、第11回分ないし第14回分の延納税額に係る滞納国税を早期に完納できないし、これを少額ということもできない。そうすると、原処分庁が、請求人の滞納状況、弁明の内容、納付事績等を考え併せ、延納許可取消処分をしたことは、裁量権の逸脱や濫用には当たらず、請求人の上記主張は採用できない。(平18.11. 6 大裁(諸)平18-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180025
- 裁決年月日
- 平成18年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する「相続の開始があったことを知った日」は、一般的には被相続人の死亡を知った日をいい、遺贈により財産を取得した者については、当該受遺者が、被相続人の死亡の事実と自己のために遺贈があったという事実を知った日と解されるところ、受遺者が未成年者である場合は、親権者が未成年者に対し遺贈があったことを知った日をもって、受遺者たる未成年者が自己のために遺贈があったことを知った日と解すべきである。 請求人らは、遺言の効力に争いがあり、また、法定相続人でなく遺産の内容が不明であったため、本件遺言書により遺産を取得できず、遺産分割協議の確定により初めて遺産を取得したのであるから、遺産分割協議が成立した平成17年8月18日が「相続の開始があったことを知った日」であると主張する。 しかしながら、①請求人の親権者は被相続人の生前に本件遺言書を預かっており、その内容を知っていたこと、②被相続人の死亡後本件遺言書が不明であったところ、請求人らの親権者は、平成14年11月14日に被相続人から預かっていた本件遺言書を発見したことから、請求人らにとって当日が「相続の開始があったことを知った日」となる。 そうすると、平成15年9月○日が相続税の法定申告期限となるところ、請求人らが、相続税の申告書を提出したのは平成17年9月22日であるから、当該申告書は期限後申告書となり、無申告加算税を賦課した原処分に違法はない。(平18.10. 2 大裁(諸)平18-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170212
- 裁決年月日
- 平成18年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の連帯納付義務に基づいてなされた督促処分について、①督促状に、その前提となる適法な課税内容の表示がないこと、②原処分庁には本来の納税義務者が納付すべき国税について、租税徴収のための管理責任・説明責任の懈怠があること、③請求人に対して直接時効中断の措置を講じていないから、請求人の連帯納付義務に基づく相続税の徴収権は時効により消滅していること、④昭和55年7月1日の最高裁判決における補足意見は、納税者に対する不意打ち防止と適正な立法を期待している旨示唆しているが、その手続が尽くされていないこと、⑤請求人に対する督促処分は相続開始から10年以上も経過した後にされており、不意打ちを超えて徴収権の濫用である旨を主張する。 しかしながら、①督促状の書式については、国税通則法施行規則第6条が規定する内容の表示がなされていること、②本来の納税義務者に対する徴収手続と連帯納付義務者に対する徴収手続とは別個の手続であり、また、滞納者が相続税を滞納していること等について、請求人に対して通知することを定めた法令上の規定はないこと、③本来の納税義務と連帯納付義務とは、主たる債務と連帯保証債務との関係に類似するものであり、附従性の理論に従うことになるから、本来の納税義務者に係る国税の徴収権について時効が完成していない以上、連帯納付義務に基づく相続税の徴収権についても時効は完成していないこと、④昭和55年7月1日の最高裁判決の補足意見に対する立法措置はとられていないこと、⑤原処分庁が連帯納付義務者に損害を与える目的で、恣意的に本来の納税義務者に対する徴収手続を行わなかったとするなどの事実は認められず、徴収権の濫用には当たらないことから、請求人の主張には理由がない。(平18. 6.29 東裁(諸)平17-212)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170207
- 裁決年月日
- 平成18年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・626ページ
要旨
○ 請求人は、遺留分減殺請求により土地建物に請求人の持分に相当する所有権移転登記を行っているが、これは権利保全のためのものにすぎず、このことで相続により受ける利益の額が確定するものではなく、相続税の連帯納付義務はまだ発生していないことから、請求人に対する連帯納付義務に係る督促処分は違法であり、また、仮に、持分移転登記をしたことが「相続等によって得た利益の額」であるとしても、請求人の法定相続分に相当する債務控除がなされておらず、「相続等によって得た利益の額」に算定誤りがある旨主張する。 しかしながら、請求人が遺留分減殺請求の意思表示をしたことによって、法律上当然に減殺の効力が生ずるものと解され、請求人が遺留分減殺請求権を行使し、さらに訴訟でそのことが認められたことから持分移転登記ができたのであって、そのことからすれば、請求人は相続時にさかのぼって土地建物の持分を当然に取得したものと認められる。 そして、請求人が相続により取得した財産の価額から控除する債務の額は、実際に負担することが確定した金額であるところ、確かに持分移転登記した土地建物には金融機関の抵当権が設定されてはいるものの、その債務者は請求人ではないから、そのことをもって債務控除する理由となるものではなく、また、実際に請求人の負担に属する部分の債務の額があるという証拠もない。さらに、請求人は相続に係る申告をしていないことから、相続により取得した財産に係る相続税として控除すべき額もない。 したがって、相続により受けた利益の価額に相当する金額から、相続に伴う登録免許税を考慮したとしても、請求人が相続により受けた利益が存することは明らかであり、相続税の連帯納付義務に係る督促処分は適法である。(平18. 6.26 東裁(諸)平17-207)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170197
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・674ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が求める物納申請に係る必要書類はすべて提出しているから、その提出がないことを理由としてなされた物納申請却下処分は、取り消されるべきである旨主張する。 しかしながら、税務署長等は、物納申請書の提出があった場合、相続税法第41条に規定する物納の要件に該当するか否か及び同法第42条第2項に規定する物納申請財産が管理又は処分するのに適当な財産であるか否かについて調査を行い、許可又は却下の処分をすることになるところ、その物納申請財産の適否の判断に当たっては、物納申請財産の特定や、その財産に係る権利関係等が明らかにされていなければならないことから、その調査の一態様として、物納申請者に対し、①物納申請に係る財産を特定するために必要な書類及び②物納申請財産に係る権利関係等を明らかにするために必要な書類の提出及び補完等を求めることができると解される。そして、これらの必要書類の提出等の要請に対して、物納申請者が、正当な理由なく応じなかった場合には、当該物納申請は、物納財産の特定を欠き、あるいはその権利関係等が明らかにされない結果、物納申請財産が管理又は処分するのに不適当な財産となるから、却下することは相当であると解される。 本件は、原処分庁が提出を求めた必要書類には合理的理由が認められ、これに対して、請求人はその一部しか提出しておらず、その提出された必要書類も不備なものであり、他の提出されない書類についても提出されないことについて正当な理由は認められず、各物納申請財産は管理又は処分するのに不適当な財産となるから、物納申請却下処分は適法である。 したがって、請求人の主張を採用することはできない。(平18. 6.20 東裁(諸)平17-197)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成18年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・659ページ
要旨
○ 請求人の相続税物納申請に係る物納財産が、管理又は処分をするのに不適当な財産に該当するとして、原処分庁が行った相続税物納財産変更要求通知処分に対し、請求人は①当該物納財産が管理又は処分するのに不適当となった原因は国にあること、②当該物納財産は、相続税の申告においては、国の評価に基づいて申告していること、③原処分庁に提出を求められた当該物納財産における隣接地通行権に関する承諾書は、本来必要のないものであること、④当該物納財産は、利用価値のあるものであること等を理由に、現状のまま物納を許可すべきであると主張する。 しかしながら、物納財産が管理又は処分をするのに適当であるかどうかは、不適当となった原因における国の責任及び相続税が課税されたことをもって判断するものではなく、その財産が金銭で相続税の納付があった場合と同等の経済的利益を将来現実に確保することができるか否かの観点から判断するものである。 また、当該物納財産を管理又は処分するのに適当な財産とするためには、隣地通行権に関する承諾書等が必要であり、それらの補完がされない状況において、当該財産を管理又は処分するのに不適当なものであるとした原処分庁の認定は相当である。(平18. 6.14 熊裁(諸)平17-18)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成18年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・641ページ
要旨
○ 請求人らは、相続税の延納許可の取消処分は、請求人らの滞納となった事情や滞納が一時的なものであることについての弁明の内容を十分検討することなく行われたものであり、弁明の聴取の手続が適法に行われたとはいえない旨主張する。しかしながら、弁明の聴取の手続は適正に行われていると認められるところ、相続税法第40条第2項に基づいて弁明の聴取が行われても、その聴取した内容に拘束されるものではないと解され、また、請求人の主張する事情が相続税の延納許可の取消処分の適法性に影響を与えるものとも認められないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平18.2.14札裁(諸)平17-11)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170029
- 裁決年月日
- 平成18年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納担保物件の処分予定価額は本来の納税義務者の滞納国税を十分に充足しているから、請求人に対し連帯納付義務まで負わせる必要はなく、本件差押処分がなされたことには納得できない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件相続により得た相続財産の価額の範囲内において相続税法第34条《連帯納付の義務》第1項の連帯納付義務を負っていることが認められ、また、本来の納税義務者に対する滞納処分の適否が、連帯納付義務者である請求人に対する徴収手続の適法性に影響を及ぼすものではないから、請求人の主張には理由がない。なお、本件差押処分は、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号の規定に基づき、適法に行われている。(平18.1.25金裁(諸)平17-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170020
- 裁決年月日
- 平成17年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第34条第3項に基づく連帯納付義務が発生するとしても、①寄附を受けてから13年が経過しており時効であり、②寄附を受けた財産は非課税財産であるから連帯納付義務を負うものではない。③仮に、連帯納付義務を負うとしても、寄附を受けた財産以外の財産への差押えは不当である旨主張する。しかしながら、①本来の納税義務者に対する徴収権は時効が中断しており、その効果が請求人に及ぶこと、②寄附された土地は非課税財産とは認められないとして、訴訟において確定していることから、請求人は連帯納付義務を負うことは明らかである。また、連帯納付義務者に対する滞納処分の執行に当たって、寄附を受けた財産に限定されるとする法令はないことから、請求人の固有の財産に対する差押えは正当である。(平17.7.25東裁(諸)平17-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170021
- 裁決年月日
- 平成17年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①贈与を受けるときに相続税法第34条第3項に基づく連帯納付義務が生じることは想定していないことから、贈与契約に重大な要素の錯誤があり、贈与契約は無効であること、②贈与を受けてから10年が経過しており時効であること、③贈与を受けた財産は非課税財産であることなどから連帯納付義務を負うものではない。④仮に、連帯納付義務を負うとしても、贈与を受けた財産以外の財産への差押えは不当である旨主張する。しかしながら、①連帯納付義務を負う場合には贈与を受けない旨の表示がないことから、贈与契約における要素の錯誤には当たるものではないこと、②本来の納税義務者に対する徴収権は時効が中断しており、その効果が請求人にも及ぶこと、③贈与された土地は非課税財産とは認められないとして、訴訟において確定していることなどから、請求人が連帯納付義務を負うことは明らかであること。また、④連帯納付義務者に対する滞納処分の執行に当たって、贈与を受けた財産に限定されるとする法令はないことから、請求人の固有の財産に対する差押えは適法であり、不当性は認められない。(平17.7.25東裁(諸)平17-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160291ほか 5件
- 裁決年月日
- 平成17年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・300ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の連帯納付義務について、①請求人に対する時効中断措置が講じられていないから、徴収権の時効が完成している。また、②連帯納付義務の通知を10年以上放置したしたこと、及びその間バブル崩壊により本来の納税義務者から徴収不能となったことの責任を請求人に転嫁する処分であり、請求人の固有財産に対する差押処分は不合理である旨主張する。しかしながら、①相続税の連帯納付義務は、自らが負担すべき固有の相続税の納税義務のほかに負う特別の責任であり、本来の納税義務者に対する時効の中断の効力は連帯納付義務者にも及ぶことになる。また、②相続税の連帯納付義務について告知を要する旨の法令はなく、連帯納付義務に係る通知の遅延によって、請求人に対する処分が違法となるものではない。仮に、経済情勢の変化により相続財産以外の請求人の固有の財産から支弁することになったとしても、そのことが相続税の連帯納付義務に影響を与えるものではない。(平17.6.27東裁(諸)平16-291)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160289
- 裁決年月日
- 平成17年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・252ページ
要旨
○ 請求人は、平成14年の調停期日では、遺産分割についての基本的な合意があっただけで、更正の請求のために相続税の課税価格を具体的に把握できるようになったのは調停調書が作成されてからであるから、相続税法第32条に規定する「事由が生じたことを知った日」は、調停調書の正本の作成日付である平成15年である旨主張する。しかしながら、家事調停手続きにより遺産分割がなされた場合には、①共同相続人間に遺産分割の調停が成立したことによって、課税価格は未分割のときのそれとは異なることになること、②調停期日において遺産分割の合意が成立したことによって、各相続人が取得する遺産の範囲が明らかになり、調停期日に出頭した各相続人はこれを認識し、分割後の課税価格が未分割のときのそれとは異なることとなったことを認識することからすれば、この場合の相続税法第32条に規定される「事由が生じたことを知った日」とは、特段の事情がない限り、遺産分割の合意が成立した調停期日の日と解するのが相当である。なお、家事審判法第21条第1項は、「調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決(審判)と同一の効力を有する。」と規定しているが、調停は、当事者間の合意によってなされるという私法行為としその性格とそれが裁判所においてなされ確定判決と同一の効力を有するという訴訟行為としての性格を併せ有するものと解されるから、当事者間の遺産分割の合意の内容が調停調書に記載される前においても、当事者間の合意が成立した調停期日の日には、相続税法第32条第1号に規定される当該財産の分割が行われて課説価格が相続分等の割合に従って計算された課税価格と異なることとなったということができる。(平17.6.24東裁(諸)平16-289)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160273
- 裁決年月日
- 平成17年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納に係る相続税の滞納税額については、借入れによる納付及び分納によって減らしており、また、新規の分納税額についても分納期限内に納付可能であり、原処分庁が新規の分納税額についても延納条件に従って納付される見込みがないことを理由に延納を取り消したことは違法である旨主張する。しかしながら、延納許可の取消しをする理由としては延納税額の滞納その他延納条件に違反する等の事由が当たるところ、本件延納許可取消通知書の「取消しをする理由」欄には「第4回から第11回分納税額11,663,100円について滞納し、次回以降の分納税額についても、延納条件に従って納付される見込みがないため、相続税法第40条第2項の規定により、延納の許可を取り消します。」と記載されているところであり、原処分庁は、請求人には本件滞納国税を早期完納するだけの資力を有しないと判断して、本件延納許可を取り消したものである。(平17.6.7東裁(諸)平16-273)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160224
- 裁決年月日
- 平成17年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・324ページ
要旨
○ 請求人は、当初の遺産分割協議に誤りがあるとしてされた再度の遺産分割協議により、相続税法第38条《延納》に規定する、相続により取得した財産で当該相続税額の計算の基礎となったものの価額の合計額のうちに不動産等の価額が占める割合(以下「不動産等の割合」という。)が50%を超えることから、本件延納許可処分に係る延納期間は15年に変更するべきである旨主張する。しかしながら、本件延納許可処分に係る相続税は、本件延納許可処分をした時点において、本件更正処分によって最終的に納付すべき税額が確定しているから、不動産等の割合の算定に当たっては、本件更正処分における相続税額の計算の基礎となった財産の価額が基準となるところ、本件更正処分における不動産等の割合は50%を下回るから、本件延納許可処分における延納期間は5年以内となる。したがって、本件延納許可処分は、適法と認められるから、この点に関する請求人の主張には理由はない。(平17.3.30東裁(諸)平16-224)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160045
- 裁決年月日
- 平成17年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特例物納申請を取り下げたのは、脱税詐欺グループにだまされたからであり、錯誤によるものであるから、その後に行われた公売公告処分は不当であり取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、①脱税詐欺グループが作成した申告書が税務署に提出された事実はないこと、②特例物納申請の取下げについての請求人の動機が税務当局に表示された事実はないことから、特例物納申請を取り下げる書類の提出に際して、その取下げの動機が請求人から原処分庁に表示されていないことが認められ、そうすると、当該取下げについて民法第95条を類推適用することはできないから、同条の規定に基づき特例物納申請の取下げは錯誤により無効であり、原処分は不当であるとの請求人の主張には理由がない。(平17.2.15関裁(諸)平16-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160060
- 裁決年月日
- 平成17年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割に係る審判について即時抗告を行い、当該即時抗告に対する高裁決定を不服として許可抗告の申立て及び特別抗告を行ったものであるところ、許可抗告の申立て及び特別抗告には高裁決定の確定を遮断する効力はなく、当然の執行停止の効力もないことから、即時抗告に対する高裁決定により審判は確定し、審判の確定によって遺産分割の内容が終局的に定まることとなる。そして、即時抗告に対する高裁決定は、告知することによって効力を生じるから、この場合の相続税法第32条1号に規定する更正の請求をすることができる「事由が生じたことを知った日」は、即時抗告に対する高裁決定に係る文書が請求人に送達された日となる。(平17.2.1名裁(諸)平16-60)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160054
- 裁決年月日
- 平成17年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、全財産を継ぐ者は請求人であるとする被相続人作成の覚書(以下「本件覚書」という。)と配偶者にすべての財産を相続させるという公正証書遺言(以下「本件遺言」という。)の有効性を争っていたところ、平成11年の判決(以下「本件判決」という。)により本件遺言が有効であると確定したため、配偶者に対して遺留分の減殺請求をしていたが、平成15年1月に成立した請求人と他の相続人との家事調停により被相続人に係る遺産分割が解決したことから、当該調停の成立の日の翌日から4月以内にした相続税法第32条の規定に基づく更正の請求(以下「本件更正請求」という。)は、適法である旨主張する。ところで、本件更正請求は、相続税法第32条第1号又は第3号の規定に基づくものが考えられるので、両規定の要件該当性を検討すると、同条第1号は、未分割財産について分割により取得財産が確定したことを要件とするのであり、相続財産の取得者について争いがあり、それが解決した場合の当初の申告により既に確定している相続税額の是正方法を予定したものではない。したがって、相続財産の取得者について争いがあり、それが解決した場合に、同条第1号に基づく更正の請求を認めるとしても、本来、未分割財産が分割されたことにより取得財産が確定したことを要件としていることとの対比上、相続財産の取得者についての争いが解決したことにより取得財産が確定したことをその要件とするのが相当である。請求人の場合、本件判決の確定に伴い、本件相続財産の取得者についての争いが解決したことにより、請求人の取得財産がないことが確定したものといえるから、同条第1号の規定による更正の請求の期限は、本件判決の確定日の翌日から4月以内となり、本件更正請求は、その期限を徒過したものとなる。また、同条第3号は、受遺者が遺留分減殺請求を受けたことにより、当初の申告に係る課税価格及び相続税額が過大となったときの当該相続税額の是正方法を定めた規定であり、遺留分権者が、遺留分減殺請求権を行使したことによって、当初の申告に係る課税価格及び相続税額に変動を生じた場合の当該相続税額の是正方法を定めた規定ではないから、本件遺留分減殺請求を行った請求人は、同条第3号により更正の請求をすることができる主体とはなり得ない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平17.1.17名裁(諸)平16-54)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160027
- 裁決年月日
- 平成16年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納申請に係る担保として共有財産の持分を提出したが、本件担保財産を延納の担保として不適当と判断したことは、①担保の判断に当たり、換価が困難である事情は考慮すべきでないこと、②①を考慮するとしても法的困難性に限定すべきであること、③共有財産の持分を担保として認めない場合に、納付困難な相続人を救済する延納制度の利用が制限される不合理があることなどから、税務署長の裁量権を逸脱している旨主張する。しかしながら、延納の担保に提供する財産の適否は、その担保に係る相続税額を確実に徴収できる金銭的価値を有するか否か及び延納許可が取り消された場合に換価して国税に充当することが困難であるか否かを基準として判断すべきであるところ、担保が共有財産である場合、共有持分を独立して処分することは通常の場合容易でないと認められるから、原処分庁が本件担保財産を不適当と判断し、その変更を求めたことは、何ら裁量権を逸脱するものではない。そして、延納制度は、一括納付の原則に対する特例としての制度であり、延納許可が取り消された場合には、国が担保財産を換価し国税に充てることが前提であるから、延納制度の利用に当たり、その前提を崩してまで救済する機能を優先すべきではないと解される。したがって、指定された変更期限までに請求人は担保の変更等をしなかったのであるから、延納申請の却下処分は適法である。(平16.12.6関裁(諸)平16-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160099
- 裁決年月日
- 平成16年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した財産は既に競売されており、相続税法第34条第1項に規定する相続により受けた利益の価額に相当する金額(以下「利益相当金額」という。)は失われていること、及び請求人は自らの相続税は完納しており、他の相続人に係る滞納国税は各相続人がそれぞれ納付すべきものであることから、請求人には連帯納付義務はない旨主張する。しかしながら、請求人は、相続により財産を取得しており、相続による請求人の利益相当金額の限度において、当然に滞納国税に係る連帯納付義務を負うことは明らかである。また、原処分庁は、請求人の利益相当金額を請求人の相続税の課税価格から納付すべき税額を控除して算定しているところ、この金額は、当審判所の調査の結果によっても不相当とは認められない。したがって、請求人は、当該利益相当金額の範囲内において、連帯納付の責めに任ぜられることは明らかであり、相続により取得した財産が、その後の競売等により消費等されたとしても当該利益相当金額に影響を及ぼすものではなく、請求人の主張は採用することはできない。(平16.11.19東裁(諸)平16-99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160032
- 裁決年月日
- 平成16年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・203ページ
要旨
○ 請求人は、未分割財産についてその後分割により確定したことによる更正の請求について、相続税法第32条第1号は、提訴されている場合の遺産分割の日を具体的に規定しておらず、遺産分割の審判において許可抗告の申立て及び特別抗告により執行力のある決定が変更される可能性がある以上、遺産分割の方法を覚知できないから、同条に規定する「事由が生じたことを知った日」は、不服申立権の尽きた日すなわち最高裁決定がなされた日であり、本件更正の請求は相続税法第32条に規定する期限内に行われた適法な請求である旨主張する。しかしながら、相続税法第32条は、ひとたび確定した課税価格等を新たに生じた事由に基づき、既に確定している課税価格及び相続税額が過大となった者に更正の余地を与えようとする特則規定であることにかんがみ、財産の分割が、協議、調停、審判あるいは判決により解決した場合には、そのときに財産の分割が行われたと解するのが同条の趣旨に沿う解釈といえる。本件においては、請求人は、審判の申立てについての決定を不服として即時抗告を行い、当該即時抗告について高裁決定がされ、この高裁決定に対し、許可抗告の申立て及び特別抗告を行ったが、許可抗告の申立ては許可されず、特別抗告は棄却されたというものである。そうすると、許可抗告の申立て及び特別抗告の提起に原裁判である高裁決定の確定を遮断する効力はなく、当然の執行停止の効力もないから、即時抗告に対する高裁決定のときが審判が確定した日となり、この日は「事由が生じたことを知った日」と同一日となるから、この日の翌日から4月を徒過してなされた本件更正の請求は不適法な請求となる。(平16.11.8名裁(諸)平16-32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160043ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件延納許可取消処分は弁明の聴取が行なわれていない無効な処分であり、その後になされた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、弁明の聴取は、延納許可取消処分の必要性を判断するための資料としての役割を有しており、延納許可を取り消すかどうかは専ら税務署長の裁量に属し、その判断に当たり聴取した弁明の内容に拘束されるものではないことを考慮すると、本件延納許可取消処分にはその無効を来たすような重大かつ明白な瑕疵があるとは認められず、請求人の主張は採用できない。(平16.9.2東裁(諸)平16-43)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160008
- 裁決年月日
- 平成16年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の自筆証書遺言についての争いがあり、判決の確定によりその要件が充足されたのであるから、相続の開始のあったことを知った日は、相続人に遺贈の目的の金銭の給付義務があることを認めた判決の確定した日である旨主張する。しかしながら、遺言による財産取得の効果は遺言書の死亡の時に発生し(民法第985条)、他の者が遺言の有効性について争っていることのみによって左右されるものではないことからすれば、受遺者が相続税法第27条1項に規定する「相続の開始があったことを知った日」とは、遺贈の効力に関する訴訟が係属中か否か等にかかわらず、当該受遺者が、被相続人の死亡の事実と自己のために遺贈があったという事実を知った時と解するのが相当であるから、本件においては、自筆証書遺言の検認のあった日であり、請求人の主張は採用できない。(平16.8.30大裁(諸)平16-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により受けた利益の額から、①本来の滞納者Aが相続した債務の代位弁済としての支払、②貸金請求事件の判決による年5分の利息、③請求人自身の相続税額、④Aの滞納に係る連帯納付義務履行分として充当された還付金、⑤裁判に要した弁護士費用を控除した残額が連帯納付責任額になる旨主張するが、①、②及び⑤については、相続後の事情により支出されたものであり、債務控除の額、相続税額及び登録免許税額のいずれにも該当せず、請求人の主張には理由がない。(平16.7.7大裁(諸)平16-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150102
- 裁決年月日
- 平成16年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各相続人間で被相続人の遺産分割の争いが係属していたのであるから、遺産分割が2回以上にわたって行われたとしても、遺産全体について分割協議が成立しなければ相続税法第32条第1号に基づく更正の請求をする余地がない旨主張するが、遺産全体について分割協議が成立しなければ更生の請求をすることができないものではないところ、当初申告財産については、本件判決で昭和55年9月23日に遺産分割が有効に成立していることが確定し、当該遺産分割成立時は、本件申告書提出時(昭和55年10月13日)より前であるから、相続税法第32条第1号にいう「その後当該財産の分割が行われ」た場合に該当せず、同号に基づく更正の請求をいう請求人の主張は失当である。(平16.6.30大裁(諸)平15-102)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150092
- 裁決年月日
- 平成16年6月8日
- 裁決結果
- 変更
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、相続税の延納許可において、遺産分割協議書の代償分割の項目の記載内容から、相続財産全部を対象に代償分割が包括的に行われたとして、延納を許可したが、請求人は代償分割の事実はないとし、延納許可処分を変更すべきである旨主張した。そこで、遺産分割協議書及び本件申告書をみると代償分割及び代償財産の記載はあるが、被相続人の預貯金の解約後の状況からみると、実質は換価分割であって、代償分割には当たらない。また、請求人が預貯金の現物全部を取得しているという形式を重視して代償分割とみるとしても、代償分割の対象は本件預金等に限られ、不動産等の他の財産を含めて包括的に代償分割の方法がとられたものではないことは明らかであるから、原処分は変更すべきである。(平16.6.8大裁(諸)平15-92)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150015
- 裁決年月日
- 平成16年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納財産が担保権の目的となっている不動産である場合には財産価値が認められないとして物納申請が却下されるが、請求人が本件相続により取得した本件土地が同じく担保権の目的となっているにもかかわらず、本件土地に財産価値があるとして連帯納付義務まで課せられるのは不当である旨主張する。ところで、相続税法第42条第2項は、ただし書で、税務署長は、物納申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不適当であると認める場合においては、その変更を求め、申請者が同条第4項の規定による申請書を提出するのを待って、当該申請の許可又は却下をすることができる旨規定している。そして、この管理又は処分をするのに不適当であると認める財産の一つとして相続税法基本通達42−2では、「質権、抵当権その他の担保権の目的となっている財産」を例示している。そうすると、物納財産が担保権の目的となっている不動産である場合は、財産価値を認めていないのではなく、単に担保権の目的となっているという事実のみをもって、管理又は処分に適さず物納財産として不適当であると判断されるのである。一方、相続税法第34条第1項に規定する相続により受けた利益の価額を算定する場合には、相続により取得した不動産に担保権が設定されているか否かにかかわらず、被相続人の債務で相続開始の際現に存するものの金額及び被相続人に係る葬式費用の金額のうちその者の負担に属する部分の金額が、相続により取得した財産の価額から債務控除の額として控除されるのである。したがって、この点についての請求人の主張には理由がない。(平16.5.31金裁(諸)平15-15)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150015
- 裁決年月日
- 平成16年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続により取得した本件土地には根抵当権が設定されているため、本件土地に実質的な財産価値がない旨主張する。しかしながら、本件土地に設定されている根抵当権に係る債務の額は、共同相続人であるAの負担に属するものと認められるから、仮に本件土地を売却し、本件土地の売却代金をAの債務の返済に充てた場合、請求人はAに対して当該返済に充てられた額の返還を請求する権利を有することになるのであるから、本件相続により受けた利益の価額を算定する上においては、財産価値がないということはできないから請求人の主張には理由がない。(平16.5.31金裁(諸)平15-15)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150015
- 裁決年月日
- 平成16年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代償財産に係る金員等を受領していないから、請求人の固有の相続税納付による負の遺産を受け入れさせられた旨主張する。しかしながら、遺産分割協議において、Aが請求人の固有の相続税額を支払う旨の合意があったとしても、請求人は請求人の固有の相続税の本来の納税義務者であるから、請求人が請求人の固有の相続税を納付したことは、単に請求人が負う納税義務を履行したにすぎないというべきである。また、遺産分割協議書には請求人を含む共同相続人全員の署名押印がなされていることから、本件相続における遺産分割協議が有効に成立していると認められるところ、請求人は、Aに対して、代償財産の価額に相当する金員の支払い等を求める権利を有しているのであるから、請求人とAとの間の合意内容の履行に関する問題として解決されるべきものであり、請求人が本件相続により受けた利益の価額を算定する上においては、考慮されるべきものではない。(平16.5.31金裁(諸)平15-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150310
- 裁決年月日
- 平成16年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・707ページ
要旨
○ 請求人は、第一次更正処分の取消訴訟を提起しているところ、その判断がなされる前に本件相続の遺産分割が確定したのであるから、本件更正の請求に当たり相続税に係る基礎となる財産の合計額は、申告の総遺産価額によるべきである旨主張する。しかしながら、行政事件訴訟法第25条第1項に、行政処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない旨規定され、行政処分の取消しを求める争訟の提起があっても正当な権限に基づく取消しがない以上有効な行為としてその効力を否定することはできないとされているから、本件第一次更正処分は、取消訴訟の判断がなされていない以上、有効な行為としてその効力は否定されない。したがって、第一次更正処分により確定した総遺産価額が基礎となる。(平16.5.28東裁(諸)平15-310)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150080
- 裁決年月日
- 平成16年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、平成8年に成立した請求人とAとの和解(以下「本件和解」という。)により支払った金員(以下「本件金員」という。)に係る更正の請求については、本件和解のときから4月を経過しているから期限徒過である旨主張するが、本件和解は、請求人とAとの間の本件相続に関する紛争を解決することを目的として、Aが請求人に自己の相続分を譲渡し、請求人がAにその代償を与えることなどを約した合意である。そうすると、遺産分割は、全部分割又は一部分割を問わず共同相続人全員の合意がなければできないところ、本件和解は、被相続人の共同相続人の一人を除いてされていることから、被相続人の遺産が分割されたものではなく、代償を伴う未分割財産に対する相続分の譲渡と評価すべきである。したがって、本件和解のときに相続税法第32条第1号に規定する事由が生じたとすることはできない。次に、請求人は、本件金員に係る更正の請求については、平成14年に成立した請求人とBとの調停(以下「本件調停」という。)のときにその事由が生じた旨主張するが、Aが、共同相続人たる地位を相続分の譲渡という方法で請求人へ譲渡したことにより被相続人の遺産分割における当事者としての地位を有しないこととなり、本件調停時における本件相続に係る共同相続人は、請求人とBの2名となるところ、本件調停は、請求人とBとの間で被相続人の遺産が分割されたものであって、遺産分割における当事者としての地位を有しないAとの間で遺産分割があったとすることはできず、また、本件金員は、請求人がAの相続分を譲り受けたことによる対価の支払であって、本件調停による遺産分割に基因して支払われたものではないことから、本件金員に係る更正の請求については、相続税法第32条第1号に規定する事由が本件調停により生じたとすることはできない。(平16.4.27大裁(諸)平15-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150243
- 裁決年月日
- 平成16年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の延納許可の取消処分に当たり、弁明の聴取が適法に行われていないから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、6度にわたり延納条件の変更により分納期限の繰延べを受けていたものの、平成14年12月19日時点においては本税も含め多額の滞納が累積した状況であり、今後の分納税額も多額であったところ、原処分庁は、同日以降、担当者が請求人の滞納原因、納付資力の状況、今後の納付見込み等を確認し、延納許可取消しについての説明も行ったうえで、本件お知らせによって弁明を求め、請求人から、税理士も関与して作成され、滞納原因、納付資金の確保策等が記載されている本件弁明書の提出を受け、その内容を検討して原処分を行ったことが認められ、本件の弁明の聴取は、法の趣旨に沿った適正なものであると認められ、原処分は適法に行われている。(平16.3.26東裁(諸)平15-243)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150065
- 裁決年月日
- 平成16年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が本件相続により算定した連帯納付責任額は、請求人が本件相続で取得した財産の価額を上回るものであり、不当である旨主張する。しかしながら、相続税法第34条第1項は、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得したすべての者は、その相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について、当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責任を負う旨規定している。ところで、請求人の修正申告が適法に確定しているところ、当審判所の調査によっても連帯納付責任額の算定には誤りが認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平16.3.25大裁(諸)平15-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150204
- 裁決年月日
- 平成16年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は延納許可に係る延納税額を滞納し、相続税法第40条第2項の「滞納その他延納の条件に違反したとき」に該当しており、原処分庁は原処分を行う前にあらかじめ請求人の弁明を聞いているから、手続にも瑕疵はなく、原処分は適法である。請求人は、当初延納許可に係る最終分納期限まで期限の利益があるとの前提に立って、原処分の取消理由は不合理であると主張するが、既に滞納となっている利子税についてはそのような期限の利益はなく、請求人が延納許可条件に反して滞納し、弁明の結果、滞納国税の早期完納の見込みがないことは明らかであるから、原処分の取消理由に不合理な点はない。また、請求人は、本件担当職員がこれまでの経緯を無視し、高圧的な指導に終始した等主張するが、平成11年以降の各担当者は請求人に対し、滞納利子税の納付を繰り返し指導したにもかかわらず、請求人は本税の繰上納付をするという状態が事実上継続したにすぎず、本件担当職員の対応に、原処分の適法性に影響を及ぼすような違法、不当な点はない。(平16.3.5東裁(諸)平15-204)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150050
- 裁決年月日
- 平成16年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①一方的に連帯納付責任による差押を行うのは違法であること、②相続発生から10余年が経過していることから、連帯納付義務に係る徴収権の時効が成立していること、③他の相続人の滞納状況等を開示せず、突如、差押を行ったのは徴収権の濫用であることを理由に、相続税法第34条第1項及び第4項の連帯納付義務に基づく差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、①連帯納付義務は、相続税及び贈与税の納税義務の確定という事実に基づいて法律上当然に生じるものであって、格別の確定手続を要するものではないと解するのが相当であり、また、②連帯納付義務に係る徴収権の時効は、本来の納税義務者の徴収権の時効中断の効力は連帯納付義務者についても及ぶものと解されているところ、審判所の調査によっても、連帯納付義務者の徴収権の時効は完成しておらず、さらに、③他の相続人の滞納状況等を開示しなければならない旨の法律上の規定もなく、原処分庁には守秘義務が課せられていることから、情報を開示しなかったとしても徴収権の濫用があったとはいえないことなどから、請求人の主張には理由がない。(平16.2.26大裁(諸)平15-50)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150036ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、収納価額の改訂要因が生じた時点において、収納価額を改訂すべきであり、その結果、超過物納となっているから、相続税法基本通達43−4に定める算式を適用して、物納申請土地の収納価額を算定すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第43条に規定する収納価額の改訂は、物納許可時点において、物納許可財産について生じた改訂要因の有無に基づいて行なうものであり、本件においては、超過物納の状態も生じていないから、請求人の主張には理由がない。(平16.2.6広裁(諸)平15-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150092
- 裁決年月日
- 平成15年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人らの物納申請土地(本件土地)上には第三者所有の建物が存在するところ請求人らが補完を求められた本件土地の使用貸借関係を明らかにする書類及び国が底地を収納し請求人らが土地賃借人となることにつき当該建物所有者に異議がないことを確認する本件借受確認書を提出しないことから、原処分庁が、本件土地については、国と請求人らとの間で借地契約の円滑な締結、継続が困難であるため、管理又は処分するのに不適当であると認めたことは相当である。請求人らは、国が本件土地を収納しても、国と本件建物所有者との間には何ら契約関係は生じず、請求人らによる賃料支払や国が公売等により底地割合に見合う財産的価値について経済的利益を確保することに問題は生じないことから、本件借受確認書を提出できないことを理由に借地契約の円滑な継続が困難として本件物納申請を却下したことは不当である旨主張する。しかしながら、本件借受確認書によって国が請求人らと新たに土地賃貸借契約を締結することについて本件建物所有者に異議がないことの確認が取れない以上、収納後に本件土地の使用権を巡って紛争が生じ、国が安定的に賃料を得られないおそれがあるばかりか、その紛争解決のため余計な費用の支出を強いられるおそれがあり、また、土地使用権について紛争を抱えた土地を売却することは現実問題として困難であるから、本件土地は、金銭で相続税の納付があった場合と同等の経済的利益を将来現実に確保することができる財産ということはできず、請求人の主張は採用できない。(平15.10.31東裁(諸)平15-92)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150017
- 裁決年月日
- 平成15年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件判決により遺留分割合が確定したことのほか、相続財産の減少や、本件事件を進行するなかで判明した評価誤り等についても、相続税法第32条第3号の規定に該当するから本件更正の請求を認めるべきである旨主張するが、本件更正の請求のうち、本件判決により相続財産でないとされた財産、評価誤り等は、国税通則法第23条の規定により、いずれもその請求期限が渡過してなされた不適法なものであり、また、更正の請求の特則である相続税法第32条第3号の規定は、遺留分による減殺の請求があったことを事由とし、遺留分割合に応じて当初申告の課税価格を是正するものであって、請求人の当初申告に存在する過誤の是正を求めることを目的とするものではない。さらに、請求人は、同一の相続でありながら、相続人間で、評価時点が異なれば、課税価格が異なることは、実質的に見ても公平の観点から見ても不合理である旨主張する。しかしながら、相続財産の価額は、当該財産の取得の時における時価であり、この取得の時とは、被相続人が死亡した相続開始の時をいうものであって、その他の時点における時価を財産の価額とすることはできず、請求人もその他の相続人も相続財産の評価時点は、被相続人の死亡した日である。また、相続税法では、個別申告を原則とし、相続税の申告及び課税は各相続人ごとに別個独立に行われ、その効力も個別的に判断すべきであって、ある相続人の申告又は課税における暇疵は、原則として、他の相続人の申告又は課税に影響を及ぼさないと解されているから、請求人と他の相続人との課税価格の合計額が異なることとなったとしても違法とは言えない。以上のとおりであるから、請求人の主張にはいずれも理由がなく、本件更正処分は適法である。(平15.10.21名裁(諸)平15-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150064
- 裁決年月日
- 平成15年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法第32条の規定に基づき本件更正の請求をしたのであり、本件各土地を相続する経緯等を何ら考慮していない更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件更正の請求の請求事由は、①調停和解に基づきAが相続財産を取得したこと、及び②本件各土地の価額を本件各鑑定評価額にすべきであることであると認められるところ、上記①の遺産分割事由の部分は、相続税法第32条第4号に規定する事由に該当するものと認められ、本件更正の請求の提出日が、調停和解が成立した日の翌日から4月以内に提出されていることから、当該事由の部分は適法な更正の請求となるが、上記②の土地評価事由の部分は、同法第32条各号に規定する請求事由に該当するとは認められず、国税通則法第23条第1項第1号に規定する請求事由であると認められる。そして、当該土地評価事由による更正の請求期限は、本件相続税の法定申告期限から起算して1年以内であるところ、本件更正の請求はこの更正の請求期限を徒過した不適法な更正の請求となり、また、この請求事由による更正の請求は、他の更正の請求をすることができるとする規定にも該当するとは認められないので、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平15.9.25東裁(諸)平15-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150062
- 裁決年月日
- 平成15年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納許可の取消しは、個別の事情を勘案してなすべき行政の裁量行為であるが、①特例物納申請がなされている本件では、その納税者救済の趣旨に配慮するべきであること、②延納税額の担保物たる土地は、破産財団から放棄される予定であったのに、原処分庁が詳細に調査をすべき義務を怠ったこと、③請求人の延納を取り消すことは、同人の特例物納申請を却下する原因になるだけでなく、さらに共有者の特例物納申請をも却下することにつながるから、共有者の人権にも配慮すべきであることという事情が考慮されておらず、裁量の範囲を逸脱した判断であると主張する。しかしながら、延納許可を受けた者について破産手続が開始された以上、原則として延納許可を取り消すべきであって、破産手続が開始されてもなお徴収の確保に支障を来たさず延納許可の取消しを猶予すべき特段の事情があるという極めて例外的な場合でない限り、その延納許可の取消処分が裁量権の範囲を逸脱することはないと解される。そして、請求人の主張する事情はここでいう特段の事情には当たらないから、原処分に裁量の範囲を逸脱した違法はない。(平15.9.18東裁(諸)平15-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150018ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃料債権が差し押さえられた本件特例物納土地に係る借地契約については、物納時又は物納後に合意解除を行い、その後、国の管理に適する借地契約を締結することができるから、本件特例物納土地は、管理又は処分をするのに不適当とはいえない旨主張する。しかしながら、物納財産は、金銭の納付があった場合と同等の経済的利益を確保しうるものでなければならないところ、国が本件特例物納土地の物納許可後に借地人と従前の借地契約を合意解除し、国の管理に適する新たな借地契約を締結できるとする保証があるとはいえず、管理又は処分をする上で支障が生じるおそれがある。よって、本件特例物納土地は、現状のままでは借地、借家契約の円滑な継続が困難な不動産と認められ、管理又は処分するのに不適当な財産であるとの原処分庁の認定は正当であるから、本件特例物納変更要求処分は適法である。(平15.7.9東裁(諸)平15-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150003
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・289ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行ったAに対する延納の許可から延納許可の取消しまでの徴収手続に違法があるとして、請求人の連帯納付義務は消滅している旨主張する。しかしながら、延納の許可と連帯納付義務は異なる租税法規を根拠とするものである上、相続税法、国税通則法及び国税徴収法のいずれにも、請求人が主張するような延納の許可に関する違法等の存在によって連帯納付義務が消滅する旨を規定した条文は存在しない。むしろ、連帯納付義務は、法が相続税の徴収の確保をするために各相続人等に課した特別の責任であること、延納の許可に当たって十分な担保を徴していても、担保価値の変動によって担保物を処分しても相続税が徴収できなくなる可能性があることをかんがみれば、原処分庁は、延納の許可の際に徴した担保を処分して徴収を確保する方法と、連帯納付義務者にその履行を求めて徴収を確保する方法を、併存的に有していると解するのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.7.3大裁(諸)平15-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150003
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・289ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が連帯納付義務に係る賦課決定通知書を送付していないから、請求人の連帯納付義務は確定していない旨主張する。しかしながら、相続税法第34条第1項に規定される連帯納付義務は、相続税徴収の確保を図るため相互に各相続人等に課した特別の責任であり、各相続人等の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずると解されているから、本件相続の共同相続人であるAの相続税の納付義務が有効に確定している以上、請求人の連帯納付義務は、格別の手続を要することなくAの納付義務の確定に照応して確定している。(平15.7.3大裁(諸)平15-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150004
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続の被相続人Yの孫に当たるいわば第二次的相続人であって、亡母Aが負うべき連帯納付義務の範囲である「Yの相続により受けた利益の価額」は、Aさえ客観的に知りえず、まして請求人らは全く知ることのできない立場にあるのだから、請求人は法的に保護されなければならない旨主張する。しかしながら、Aは、Yほかの相続人と共同して本件相続に係る相続税の申告をし、また更正の請求により更正処分を受けていることからしても、「本件相続により受けた利益の価額」を知り得る状態にある上、請求人はAの相続人であり同人の相続に関して単純承認をしている以上、Aが負うべき連帯納付義務は請求人に承継されるといわざるを得ず、連帯納付義務に関しては、格別の確定手続を要しないから、請求人の主張には理由がない。(平15.7.3大裁(諸)平15-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150005
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続の被相続人Yの孫に当たるいわば第二次的相続人であって、亡母Aが負うべき連帯納付義務の範囲である「Yの相続により受けた利益の価額」は、Aさえ客観的に知りえず、まして請求人らは全く知ることのできない立場にあるのだから、請求人は法的に保護されなければならず、請求人に対し連帯納付義務の確定手続が行われなければならない旨主張する。しかしながら、Aは、Yほかの相続人と共同して本件相続に係る相続税の申告をし、また更正の請求により更正処分を受けていることからしても、同人の連帯納付義務の範囲である「本件相続により受けた利益の価額」を知り得ないわけではない。確かに、本件相続について発生した連帯納付義務がAの死亡により請求人にまで課されるのは酷と思われる面もあるものの、請求人はAの相続人であり同人の相続に関して単純承認をしている以上、Aが負うべき連帯納付義務は請求人に承継されると言わざるを得ず、連帯納付義務に関しては、格別の確定手続を要しないから、請求人の主張には理由がない。(平15.7.3大裁(諸)平15-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140129
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件調停は被相続人の遺産以外のものについて分割を行っていること及び多額の遺産の分割が漏れていることから錯誤により無効であり、相続人全員の合意により本件調停を解約した上で改めて行った本件遺産分割協議に基づいてした本件更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、相続人らは、本件調停時に存在する財産及び相続開始後に相続財産から生じた家賃を分割対象とすることにつき了解していたと認められるところ、家事審判の実務において遺産から生じた収益を分割審判の対象とすることにつき相続人全員の同意がある場合にはこれが認められているから、本件調停は無効とはならない。また、認定事実によれば、調停調書に未記載の財産は、相続開始日から調停成立までの間に処分等され相続人らの相続税等の支払に充てられたもので、調停成立時には存在しないものであることから記載されなかったものと解されるところ、本件調停は、これら未記載財産を含めて本件遺産分割協議の分割内容と同様の合意が相続人らの間で成立していたものと認められる。したがって、本件更正の請求は、その請求期限を徒過してなされた不適法なものであるから、原処分庁がした更正をすべき理由がない旨の通知処分は相当である。(平15.06.30.関裁(諸)平14-129)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140009ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務の限度となる「相続又は遺贈に因り受けた利益の価額」は、相続により取得した財産の価額から、相続法第19条の2第1項の規定による配偶者に対する相続税の軽減がないものとして計算した相続税額を控除した額であると主張する。しかしながら、同法第34条第1項の「相続又は遺贈に因り受けた利益の価額」とは、相続又は遺贈により取得した財産の価額から同法第13条の規定による債務控除の額並びに相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税額及び登録免許税額を控除した後の額をいうものと解され、更に、相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税額とは、連帯納付義務が相続税の徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であるという趣旨に照らせば、現に納付することになった相続税額であると解するのが相当である。(平15.05.22.金裁(諸)平14-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140030
- 裁決年月日
- 平成15年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・833ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の申告に当たって、相続税法の規定等に従って、相続財産を評価し、抵当権等の権利関係のない財産をもって物納申請をしたものであり、原処分庁が本件物納申請土地について、現状の維持・管理のために多大な費用が必要であること及び金銭で納付があった場合と同等の経済的利益を確保できないことを理由として行った本件変更要求通知処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件物納申請土地内には、現に農業用水の取水の用に供されている流水路があり、その実質において地役権等の用役権が設定されている土地と同様の状況にあると認められ、また、当該流水路は、一部についてはヒューム管が埋設されているが、他の部分についてはなんら整備がされておらず、農業用水路として利用する上で、維持・整備のための新たな費用を要すると認められる。さらに、本件物納申請土地は市街化調整区域内に所在し、また、土地のほぼ中央部に高圧線が架設されていることから、その開発及び利用におのずと制限を受けることとなり、国がその管理又は処分を通じて金銭で納付があった場合と同等の経済的利益を確保することは困難であると認められる。以上のとおり、本件物納申請土地は、管理又は処分をするのに不適当な財産であると判断するのが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平15.05.20.仙裁(諸)平14-30)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140094
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・788ページ
要旨
○ 更正の請求による租税特別措置法第69条の3(平成11年法律第9号改正前)の適用は相続税法第32条の規定により、本件土地の遺産分割が行われた日の翌日から4か月以内になされる必要があるところ、本件の更正の請求はこの期限を経過した後になされたものであるから、不適法である。請求人は本件土地についての遺産分割の日から4か月以内に行った修正申告において同条の適用を失念したことは同条第6項に規定する「やむを得ない事情」に該当するものと解するべきである旨主張するが、この「やむを得ない事情」とは、例えば、災害、交通や通信の途絶等、納税者の責めに帰すことのできない客観的事情によるものをいい、本件のように請求人が同条の適用を失念したことはこれに当たらない。(平15.04.24.関裁(諸)平14-94)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140061
- 裁決年月日
- 平成15年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・993ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人の遺産は、同人の遺言書である本件書面によって、そのすべてをAが取得したものであり、また、Bは自らの申告に基づく相続税の納付を怠っていることから見ても、Bが法定相続分7分の1の割合で被相続人の遺産を取得したとする本件申告書は、Bの錯誤に基づく無効なものであると主張する。ところで、相続税について、その申告書の記載内容について錯誤があるときには、錯誤による無効を主張しうる場合があり得るが、それは、相続税法の定める申告及び修正申告、更正の請求等の制限の趣旨を考慮すると、当該錯誤が客観的に明白かつ重大であって、国税通則法等に定める是正方法以外にその是正を許さないとすると、納税義務者の利益を著しく害すると認められる特段の事情がある場合に限り許されるものと解すべきである。これを本件について見ると、①Bは法定相続分である7分の1の割合で遺産を取得した旨を本件申告書に記載していること、②本件書面の内容は、Aが被相続人の遺産のほとんどを取得するものであること、③Bが本件申告書に係る相続税を納付していないことが、それぞれ認められるものの、他方で、Bが本件書面の内容を争い、遺産の一部の帰属についての訴訟が係属中であることに照らすと、これら①ないし③の事情が認められるからといって、直ちにBの申告について客観的に明白かつ重大な錯誤がある場合に該当するとはいえない。また、本件申告書は、請求人らの平成12年10月13日付の申告書に遺産の一部申告漏れのあることに気付いたBが、A及び請求人らと遺産分割協議中であったため、相続税法の規定に従い、Bの取得財産を記載し、法定申告期限後に、提出したものであり、その時点において、遺産の取得者に関して、客観的に明白かつ重大な錯誤があったと容易に判断しうる場合に当たらないことは明らかである。さらに、Bにおいて、本件訴訟又は遺産分割協議等の結果、課税価格及び相続税額が過大になったときは、税務署長に対する更正の請求の方法により本件申告書を是正することも可能であるから、納税義務者の利益を著しく害すると認められる特段の事情があるとは認められない。以上により、本件申告書が錯誤により無効であるとの請求人らの主張には理由がない。(平15.03.24.大裁(諸)平14-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140204
- 裁決年月日
- 平成15年3月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・818ページ
要旨
○ 原処分庁は、相続税の延納許可の取消処分に当たり、相続税法第40条第2項の規定するあらかじめ弁明を聞く手続を適法に行ったと主張するが、原処分庁が弁明の聴取に当たり、聴取を受ける者において、それが延納取消しの判断のための弁明の機会であるとの認識を持ちうるような機会の付与の仕方をせず、その結果として、聴取を受ける者が同項の弁明であるとの認識を持たないまま、原処分庁において事情聴取をしたとしても、そのような事情聴取をもって同項に規定するあらかじめ弁明を聞く手続を行ったということはできないと解されるから、本件の事実関係においては、原処分庁が原処分に当たって適法に同項の弁明を聞く手続を行ったと認めることはできない。したがって、原処分は相続税法第40条第2項に違反し違法であるから、いずれもその全部を取り消すべきである。(平15.03.20.東裁(諸)平14-204)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140018
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者の納付すべき相続税の本税は、他の共同相続人により納付済みであり、連帯納付の義務は履行されているから、本件延滞税まで連帯納付義務とする督促処分は違法であり、また、本件延滞税が膨らんだ背景には、滞納者が延納申請を取下げた日から5年にわたり放置した原処分庁の怠慢がある旨主張する。しかしながら、連帯納付義務の制度の趣旨を考慮すれば、税務署長は、すべての相続人がその固有の相続税の納税を完了するまで、他の相続人に対して連帯納付義務の履行を求めることができると解され、また、すべての相続人の固有の相続税について、その徴収権が消滅しない限り連帯納付義務が消滅することはなく、滞納者が延納申請を取下げた日から督促までの期間の長短によって、連帯納付義務の効果が左右されるものではないと解されるところ本件延滞税は、共同相続人が相続税を滞納した結果、納付義務が生じたものであるから、相続税法第34条により納付責任を負わなければならないことは明らかであり、請求人の主張には理由がない。(平15.02.19.仙裁(諸)平14-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140165
- 裁決年月日
- 平成15年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・800ページ
要旨
○ 請求人らは、本件各延納許可に係る分納期限までに分納税額を納付できないことには、相続財産のほとんどが底地であり売却が進まなく、納付資金がないなど、やむを得ない事情があるにもかかわらず、請求人らが本件土地の売却によって本件相続税を納付しようと努力しているときになされた原処分は違法であり、かつ、請求人らの納税姿勢を削ぐ不当なものである旨主張する。しかしながら、請求人らは本件各延納許可の係る分納税額を滞納しており、原処分庁は、弁明を聴取した上、滞納状況、弁明の内容及び請求人らの納付事績等を基に本件各延納許可の取消しの適否について検討した結果、滞納となっている本件各延納許可に係る税額を完納する見込みはなく、延納の条件に違反していると認めて、原処分を行ったものであり、原処分庁の判断は相当で、原処分は適法であり、違法又は不当な点はない。(平15.02.13.東裁(諸)平14-165)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続財産の95パーセントが不動産であることなどから、相続した不動産自体で本件相続税を納めることが必要かつ合理的であり、本件物納申請を安易に却下することは許されない旨主張する。しかしながら、本件物納申請財産は、本件却下処分時において、当該財産を含めた本件相続財産の全部について遺産分割協議が整わないため、共同相続人全員による共有財産となっており、かつ、本件物納申請は共同相続人全員からされていないことから、物納財産として管理又は処分をするのに不適当な財産に該当する。また、このように、物納財産としての要件を具備していない場合に、当該物納申請を却下せずに租税の納付を遅延させることは相当でないところ、原処分庁は、請求人らの要請に基づき本件相続財産に係る遺産分割協議の状況を相当の期間見守ったにもかかわらず、近いうちに当該遺産分割協議が整う見込みはなく、さらに、期限までに補正及び本件物納申請財産の変更が行われなかったため、本件却下処分を行ったのであるから、本件却下処分に請求人が主張するような違法な点はないというべきである。(平14.12.12.福裁(諸)平14-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140108
- 裁決年月日
- 平成14年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・492ページ
要旨
○ 請求人らは、延納申請に係る担保として提供した財産(土地)は、担保として適当であり、原処分庁が行なった相続税に係る延納申請却下処分及び督促処分は違法である旨主張する。しかしながら、延納の担保に提供する財産は、その担保に係る相続税額を確実に徴収することができる金銭的価値を有するものでなければならないと解されるところ、請求人らから担保として提供された土地は、共同相続人間の訴訟でその所有権の帰属について係争中であり、所有権抹消予告登記がされているから、担保として不適格であるとした原処分庁の判断は合理的理由があり、延納申請却下処分及び督促処分は適法である。(平14.12.04.東裁(諸)平14-108)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140038
- 裁決年月日
- 平成14年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の共同相続人の一人との間で取り交わした本件和解は、相続税法第32条第1号又は第3号の規定に該当するから、本件更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件和解は、請求人から他の共同相続人の一人に返還すべき金額と義務を確定したものにすぎず、遺産の分割又は遺留分の減殺請求に関する紛争を解決したものとは認められない。また、本件更正の請求は、遺言の内容に従ってなされたものであり、①未分割財産について法定相続分の割合に従って課税価格が計算された後、財産の分割が行われた結果、分割により取得した財産の価格が法定相続分の割合に従った課税価格と異なることとなった場合に該当するわけではなく、②遺留分による減殺の請求があった場合に該当するわけでもない。したがって、本件更正の請求は、相続税法第32条第1号及び第3号の規定に該当せず、原処分庁がした更正をすべき理由がない旨の通知処分は適法である。(平14.11.29.関裁(諸)平14-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140071
- 裁決年月日
- 平成14年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税徴収法及び地方税に基づく滞納処分としての差押えは、滞納者の特定財産の法律上又は事実上の処分を禁止する効力を有するから、差押え後におけるその財産の譲渡又は権利設定等の法律上の処分は、差押債権者に対抗することができず、差押え後に担保権が設定された財産を換価した場合には、滞納処分による差押え後に設定した担保権については配当しないものと解される。そうすると、請求人が延納申請の担保として提供しようとした本件不動産にはいずれも滞納処分としての差押えがされているから、原処分庁が本件延納申請に係る相続税を担保するために本件不動産に抵当権等の担保権を設定したとしても、差押え後に設定された担保権として差押債権者に抵抗できず、本件不動産が換価処分に付された場合に配当を受けることはできない。したがって、本件延納申請に係る相続税の徴収の確保を図ることはできないから、本件不動産が担保として不適当であることは明らかである。(平14.10.22.東裁(諸)平14-71)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140013
- 裁決年月日
- 平成14年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人以外の相続人(弟)が、法定申告期限内に提出した相続税の申告書について請求人の押印がない場合であっても、共同して提出した申告書と認めるべき旨主張する。しかしながら、請求人は弟の申告書を見ておらず、弟から申告書に押印するよう依頼もされていないこと、弟は相続に係る相続税の申告やその申告書への押印について請求人と話し合いをしていないこと、弟が依頼した税理士は弟の申告書に請求人の押印がなかった点について請求人に確認することなく弟の申告書を原処分庁に提出していることから、弟の提出した相続税の申告書は、共同して提出された申告書と認めることはできない。(平14.10.17.名裁(諸)平14-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140018
- 裁決年月日
- 平成14年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、公売によって、既に本件相続に係る取得財産を失っており、連帯納付義務に基づく負担額が存しなくなったから、請求人らに連帯納付義務はない旨主張するが、連帯納付義務の限度額は、相続により取得した財産の相続開始時点における価額に基づいて計算すべきものであり、その後、当該財産の権利関係に異動が生じたとしても、いったん確定した連帯納付義務の限度額を増減させたり、消滅させたりすることはできないから、請求人らが、本件督促日において、本件相続により取得した財産を所有していなかったとしても、そのことをもって請求人らの連帯納付義務が消滅すると解することはできない。(平14.10.09.関裁(諸)平14-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140057
- 裁決年月日
- 平成14年10月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・505ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件物納申請土地(マンションの底地)の賃貸借契約の内容が、借地権譲渡に際し地主の承諾不要及び承諾料も徴さないことになっていて、原契約のまま収納すると貸主となる国が著しく不利益を被ることになるから、相続税法基本通達42−2の(3)のカの(注)1に該当し、「管理又は処分するのに不適当な財産」となる旨主張する。しかしながら、本件物納申請土地の賃貸借契約においては、賃借料の支払が各区分所有者の連帯債務とされ、かつ、マンション管理組合も賃借料の支払義務を負い、特に賃借料の安定した徴収の確保が図られているため、賃借人の変更による賃借料滞納のおそれが見込まれないこと、マンションの底地の借地権譲渡に際しての承諾料の授受は一般的とはいえないことなどから、借地権譲渡の際の貸主の事前承認や承諾料の授受の条項がないからといって貸主が著しく不利益を被るとはいえない。よって、原処分庁の主張する理由をもって管理又は処分をするのに不適当な財産であるとはいえず、原処分庁の主張は理由がないから、原処分は取り消すのが相当である。(平14.10.08.東裁(諸)平14-57)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140005
- 裁決年月日
- 平成14年9月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人ら及び原処分庁は、いずれも本件更正の請求は相続税法第32条に規定する更正の請求に該当するものであることを前提に、原処分庁は法に定める期間を経過するもので不適法と主張し、請求人らは法に定める期間内であり適法であると主張する。しかしながら、本件更正の請求は、確かに未分割であった本件被相続人に係る相続財産及びこれに先だつ甲に係る相続財産についてのそれぞれの遺産分割調停の成立を契機になされたものではあるが、本件被相続人に係る未分割財産の分割が行われて、請求人らがその分割により取得した財産に係る課税価格が請求人らの申告した課税価格と異なることとなったことから、当該申告に係る課税価格及び税額が過大となったことを理由とするのではなく、本件各土地は本件被相続人の相続財産ではないとして申告の是正を求めるのであるから、本件更正の請求は、相続税法第32条各号所定の事由が生じたことにより、請求人らの申告に係る課税価格及び税額が過大となったことを理由とするものではない。そうすると、本件更正の請求は、相続税法第32条に規定する更正の請求の期間内になされたものか否かを判断するまでもなく、同条が定める更正の請求を適用する要件を欠くものというべきである。(平14.09.25.高裁(諸)平14-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年9月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、遺産分割協議を通じて本件財産がA法人に帰属することが確定したものであるから、相続税法第32条第1号の規定に基づき、当初申告における相続財産から本件財産を除外して相続税を計算すべき旨主張する。しかしながら請求人らが本件更正の請求により求めているところは、要するに、本件財産を相続財産に含めて計算した当初申告の過誤を是正する趣旨であるといえることからすると、本件更正の請求は、相続税法第32条第1号に基づくものであると認めることはできない。また、本件更正の請求は、その内容から判断すると、国税通則法第23条第1項の規定による更正の請求であると認められるところ、同条同項に規定する更正の請求期限を徒過してなされた不適法なものというべきであり、原処分庁が、更正をすべき理由がないとして行った本件通知処分は適法である。(平14.09.19.名裁(諸)平14-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130280
- 裁決年月日
- 平成14年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件取消処分時において延納税額を滞納していたのであるから、相続税法第40条第2項に規定する延納許可の取消事由に該当し、原処分庁は、請求人の弁明を聞いているから本件延納許可取消処分は適法である。また、請求人は、延納税額を完納する意思があり今後も引き続き納税する努力をしていくと主張しているにもかかわらずなされた本件取消処分は不当である旨主張するが、相続税法第40条第2項は、延納の許可を受けた者が滞納等の延納許可取消事由に該当することとなった場合、延納の許可を取り消すかどうかを税務署長の裁量にゆだねているところ、本件においては、延納税額の滞納が累積し、今後も、延納税額について延納の条件に従った納付がなされる見込がないと認められるから、原処分庁の判断は相当である。(平14. 6.26東裁(諸)平13-280)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130092
- 裁決年月日
- 平成14年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・601ページ
要旨
○ 請求人は、現在のようにバブル崩壊後の地価の大幅な下落をしているような時期に、滞納を理由に延納許可を取消しすることは、過酷な処分であり、税務署長に許容される裁量権の範員を逸脱した著しく不合理なものである旨主張する。しかしながら、本件延納許可取消処分に手続上の瑕疵は存しないところ、原処分庁が、請求人からの弁明を受けて、分納税額を早期に完納する見込みがないと認定し、本件取消処分を行なったことは相当である。確かに、請求人の納税のための資金繰りが困難な事情は認められないわけではないが、原処分庁は、これらの事情を考慮して、請求人からの延納条件変更申請に対し、分納期限の延長、再延長又は再々延長の措置をそれぞれ講じていることが認められることから、原処分庁が請求人の資金繰りの実情を無視した過酷な処分を行ったとする請求人の主張には理由がない。(平14. 6.21関裁(諸)平13-92)裁決事例集NO63・601ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130092
- 裁決年月日
- 平成14年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・601ページ
要旨
○ 請求人は、本件延納許可取消処分に係る通知書に記載の金額にはそごがあり、納税者の死命を制する重要な法定文書である本件延納許可取消処分に係る通知書はずさんなものであることから本件延納許可取消処分は違法である旨主張する。確かに、本件取消処分に係る通知書の一部に誤りが認められるところ、記載全体に照らせば、上記金額も単なる記載誤りであることは明らかであり、当該通知書により通知すべき「延納許可取消額」を含むその他の事項は正しく認識することができると認められるから、当該通知書に上記のような記載誤りがあったとしても、本件取消処分を取り消すほどの重大な瑕疵があったとはいえない。(平14. 6.21関裁(諸)平13-92)裁決事例集NO63・601ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130049
- 裁決年月日
- 平成14年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1.請求人は、弁明聴取に当たり、原処分担当者がその趣旨を説明せずに行ったことは違法であり、弁明聴取の内容も、以前からの説明内容と同じであったので、延納許可の取消を前提とした弁明聴取であるとの認識もなかった旨主張する。しかしながら、請求人は、弁明聴取の目的を認識しており、かつ、延納の許可を取り消され、本件土地を差し押えられる状況にあると十分認識して弁明していると認められ、また、弁明聴取の内容が過去からの説明と同一であったとしても、弁明聴取の手続の適否を左右するものではないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。2.請求人は、一部ではあるが本税額を納付しており、本件土地を売却して全額納付するように努力しているにもかかわらず、原処分庁が、一方的に将来を予見して第7回以降も納付見込みがないと判断して延納許可を取り消したことは違法である旨主張する。しかしながら、原処分時までに分納税額が滞納になっており、当該事実が相続税法第40条第2項に規定する延納許可の取消し事由に該当することは明らかであるし、また、相続税の申告をしてから原処分時まで7年経過しても本件土地の売却が実現できなかったこと、及び請求人の納付状況・資力等を併せ考えると、請求人が本件土地の売却による納付に固執する限り、分納税額の納付は見込めず、結局、第7回以降も納付が見込めないから、延納許可を取り消す必要があると原処分庁が判断したことは相当であると認められ、原処分は適法であるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 5.29広裁(諸)平13-49)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130049
- 裁決年月日
- 平成14年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1.請求人は、延納許可取消処分に至った原因が、相続税の申告前の物納の相談が原処分庁において無視されたことにある旨主張するが、原処分庁がいかなる指導をしたかは不明であるが、結果的には、請求人は、物納の申請をせず、延納の申請をしているのであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。2.請求人は、延納から物納への変更の相談に対して、原処分庁が一旦可能である旨の回答をしておきながら、後日、請求人を欺まんするかのように、既にその期限を経過しているのでできないと回答してきた旨主張するが、延納から物納への変更の相談の事実及びその内容を確認できないが、請求人の相続開始が平成4年12月1日であることから、平成6年法律第22号に基づく租税特別措置法70の10の規定には該当しないので、この点に関する請求人の主張には理由がない。3.請求人は、原処分庁が守秘義務に違反して他人に相続税の申告書を閲覧させたために、仕組まれた借入れをせざるを得なくなり、その返済のために、本件外土地を手離さざるを得なくなり、このことも、延納税額の一部しか納付できなかった要因である旨主張するが、延納許可の取消事由は、相続税法第40条第2項のとおりであり、その延納税額が滞納となった原因は、原処分に影響を及ぼすものではないから、守秘義務違反があったかどうかを判断するまでもなく、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 5.29広裁(諸)平13-49)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130050
- 裁決年月日
- 平成14年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1.請求人は、本件弁明書は他の取消し処分に対するものであって、原処分の前提としての弁明ではないので、弁明聴取に係る手続が違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、請求人に対して、本件お知らせにより弁明を聴取する旨を通知しており、請求人は、これに対して本件弁明書を提出したと認められ、相続税法第40条第2項に規定する弁明聴取に係る手続は適正に行われていると認められるから、請求人の主張には理由がない。2.請求人は、一部ではあるが本税額を納付しており、本件土地を売却して全額納付するように努力しているにもかかわらず、原処分庁が、一方的に将来を予見して第8回以降も納付見込みがないと判断して延納許可を取り消したことは違法である旨主張する。しかしながら、原処分時までに分納税額が滞納になっており、当該事実が相続税法第40条第2項に規定する延納許可の取消し事由に該当することは明らかであるし、また、相続税の申告をしてから原処分時まで7年経過しても本件土地の売却が実現できなかったこと、及び請求人の納付状況・資力等を併せ考えると、請求人が本件土地の売却による納付に固執する限り、分納税額の納付は見込めず、結局、第8回以降も納付が見込めないから、延納許可を取り消す必要があると原処分庁が判断したことは相当であると認められ、原処分は適法であるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 5.29広裁(諸)平13-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130077
- 裁決年月日
- 平成14年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・586ページ
要旨
○ 請求人は、贈与に基づく連帯納付義務について、原処分庁から送付された連帯納付義務のお知らせと称する文書を受領するまで滞納が生じていることを全く知らなかったのであり、滞納が生じたことに何の責任もないから、請求人に延滞税の納付義務はないと主張する。しかしながら、相続税第34条第4項の連帯納付義務は、受贈者の贈与税の納税義務の確定という事実に基づいて法律上当然に生じるものであって、格別の確定手続を要するものではなく、またその連帯納付義務の範囲は、受贈者が負っている本税及び延滞税のすべてについて贈与した財産の価額を限度として負担すべきと解されるから、請求人の主張には理由がない。(平14. 5.10名裁(諸)平13-77)裁決事例集NO63・586ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130228
- 裁決年月日
- 平成14年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は租税特別措置法第70条の10第5項ただし書に規定する「管理又は処分をするのに不適当」な土地には該当せず、本件特例物納申請の却下処分は不当である旨主張する。しかしながら、(1)本件土地には、根抵当権・差押え等の登記がされていること、(2)原処分庁は、補完通知書により補完を求めたこと、(3)請求人は、補完期限までに結局補完できなかったことが認められることから、本件土地は、現状のままでは売却できる見込みのない土地であり、管理又は処分をするのに不適当というべきである。(平14. 4.24東裁(諸)平13-228)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130210
- 裁決年月日
- 平成14年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件担当職員は一方的に延納許可の取消しに関する話をするだけで、請求人の弁明を聞かなかったから、本件各取消処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、原処分庁から弁明を求めるためのお知らせの送付を受け、弁明をするために原処分庁に出向き、本件区画整理事業や納税に関して申述していることが認められるところ、この申述の内容は、請求人が本件審査請求において、弁明しようとしたができなかったと主張する内容そのものであると認められるから、請求人は、弁明をしたと認めるのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 3.28東裁(諸)平13-210)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130210
- 裁決年月日
- 平成14年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、弁明聴取書の作成がなく、相続税法基本通達40−1に違反しているから、原処分庁は請求人の弁明を聞いたことにはならず、したがって本件各取消処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件通達において、弁明聴取書を作成することとしている趣旨は、同通達にもあるように、「後日の紛争を避ける等のため」であって、弁明聴取書の作成をもって弁明の聴取があったこととするものではないと解するのが相当であるし、相続税法第40条第2項は、延納の許可を取り消す場合においては、あらかじめ納税者の弁明を聞かなければならない旨規定するものの、その方法や弁明聴取書の作成といった事項については特に規定していないのであるから、弁明聴取書が作成されていないことをもって弁明がなかったとすることはできないといわざるを得ない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 3.28東裁(諸)平13-210)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130195
- 裁決年月日
- 平成14年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の延納に係る分納税額の納付が困難になったため、請求人が相続税本税を減額して納付していくことで原処分庁の担当者と合意していたにもかかわらず、原処分庁が請求人の滞納を理由に延納許可取消処分を行ったことは、信義則に反する旨主張する。しかしながら、請求人の主張するような合意があったことは認められず、また、請求人が、分納税額を滞納していることから、延納許可取消処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平14. 3.19東裁(諸)平13-195)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130016
- 裁決年月日
- 平成14年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が訴訟上の和解により共同相続人から取得した遺留分減殺請求に係る価額弁償金(以下「本件財産」という。)の実質は、慰謝料請求権の行使に基づき取得した慰謝料であるから、本件財産は相続税法第34条第1項に規定する「相続又は遺贈に因り取得した財産」ではない旨主張するが、(1)民事訴訟法第267条の和解調書の記載は確定判決と同一の効力を有する旨の規定及び(2)それを覆す本件財産の実質が慰謝料であるとする証拠がないことから、本件財産を民法第1041条の価額弁償金と認めるのが相当であり、その財産は相続税法第34条第1項に規定する「相続又は遺贈に因り取得した財産」に該当する。(平14. 3.15金裁(諸)平13-16)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130016
- 裁決年月日
- 平成14年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)相続税の申告等がないから、請求人固有の相続税の納税義務の確定手続がなされていない連帯納付義務は負わないこと、(2)共同相続人に対し原処分庁等がした徴収手続には重大かつ明白な瑕疵があり、原処分はこの責任を請求人に転嫁するもので国税徴収権の濫用であることなどを理由に、相続税法第34条第1項の連帯納付義務に係る督促処分の違法を主張する。しかしながら、相続税の連帯納付義務は、相続又は遺贈に因り財産を取得した者であればその者の固有の納税義務の有無にかかわらず、他の相続人等の固有の納税義務の確定という事実に照応して格別の確定手続を要せず法律上当然に生ずるものと解するのが相当であり、また、国税徴収権の濫用に当たる徴収手続を原処分庁が行ったとは認められないことなどから、連帯納付義務者に係る督促処分は適法である。(平14. 3.15金裁(諸)平13-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130181ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁から、担当者が替わったので話を聞かせてほしいと言われたため、例年どおり聞かれるままに現状の収益状況及び今後においても納付困難な状況が継続する旨の話をしたが、その際、担当者からは、延納許可の取消しについては何ら話がなく、突然、延納許可取消処分がなされたもので違法である旨主張する。しかしながら、本件延納取消処分時には、請求人は延納税額について滞納しており、これは、延納許可の取消事由に該当するものであり、また、原処分庁は請求人から弁明を聴取した上で延納許可取消処分を行っているのであるから、原処分は適法である。(平14. 3. 8.東裁(諸)平13-181)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130052
- 裁決年月日
- 平成14年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納申請財産の全部が遺留分減殺請求訴訟の係争中財産であるが、いずれは解決すること、また、物納申請財産の一部には根抵当権設定財産もあり、その抹消に向けて権利者と折衝中であることから、物納申請財産が物納財産としての要件を充足する可能性があるのにもかかわらず、その推移を見守らずにされた本件却下処分は不当である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件物納申請財産が本件訴訟において、その帰属について係争中であるなどの複数の物納財産不適格事由が存在することにより、管理又は処分をするのに不適当な財務に該当するので、請求人に対し、本件訴訟などの解決見込みについて再三説明を求め、相当期間見守ってきたもののその求めに応じず、また、物納財産不適格事由の是正も行われなかったことから、本件却下処分をしたことが認められ、本件却下処分に請求人が主張するような不当な点はない。(平14. 3. 4.大裁(諸)平13-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130020ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)本件物納不動産には第三者名義の持分登記があるが、実体的権利関係において本件共同相続人の共有財産であり、(2)本件共同相続人のうち1名については、異議申立てができない事情があったこと及び同人が相続人欠格者となったことから、同人の物納申請却下処分の確定を理由として請求人の本件物納申請を却下することはできない旨主張する。しかしながら、(1)本件物納不動産は、所有権の帰属について係争中であること、また、現に本件共同相続人以外の第三者の持分登記がされていることから、本件共同相続人の共有財産であるとは認めがたく、(2)仮に本件物納不動産を物納財産として認めたとしても、第三者の持分登記が抹消されない限り、国へ所有権移転の登記をすることはできないから、本件物納不動産は管理又は処分をするのに不適当な財産に該当する。(平13.11. 5.名裁(諸)平13-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130022
- 裁決年月日
- 平成13年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)本件物納不動産に係る第三者名義の持分登記は無効であるから、本件共同相続人の共有財産であり、(2)本件物納不動産に係る第三者名義の持分登記が無効ならば、原処分庁は本件共同相続人のうち1名に対し物納申請却下処分を行うことはなかったのであるから、同人の物納申請却下処分の確定を理由として請求人の本件物納申請を却下することはできない旨主張するが、(1)本件物納不動産は、所有権の帰属について係争中であること、また、現に本件共同相続人以外の第三者の持分登記がされていることから、本件共同相続人の共有財産であるとは認めがたく、(2)仮に本件物納不動産を物納財産として認めたとしても、第三者の持分登記が抹消されない限り、国へ所有権移転の登記をすることはできないから、本件物納不動産は管理又は処分をするのに不適当な財産に該当する。(平13.11. 5.名裁(諸)平13-22)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130007
- 裁決年月日
- 平成13年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税の申告等がない請求人に相続税法第34条第1項の連帯納付義務があるとして行った督促処分について、請求人は、(1)請求人固有の相続税の納税義務の確定手続がなされていないから連帯納付義務は負わないこと、(2)税務署長が本件延納許可に際して徴した担保が不十分であったことを理由に連帯納付義務に係る督促処分の違法を主張するが、相続税の連帯納付義務は、相続又は遺贈に因り財産を取得した者であればその者の固有の納税義務の有無にかかわらず、他の相続人等の固有の納税義務の確定という事実に照応して、格別の確定手続を要せず法律上当然に生ずるものと解するのが相当であり、徴収手続にも問題がないことから、連帯納付義務者に係る督促処分は適法である。(平13.10.31金裁(諸)平13-7)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130008
- 裁決年月日
- 平成13年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税の申告等がない請求人に相続税法第34条第1項の連帯納付義務があるとして行った督促処分について、請求人は、(1)請求人固有の相続税の納税義務の確定手続がなされていないから連帯納付義務は負わないこと、(2)共同相続人に対する原処分庁の徴収手続の怠慢のつけを一方的に請求人に押しつけるもので不当であることなどを理由に連帯納付義務に係る督促処分の違法を主張するが、相続税の連帯納付義務は、相続又は遺贈に因り財産を取得した者であればその者の固有の納税義務の有無にかかわらず、他の相続人等の固有の納税義務の確定という事実に照応して、格別の確定手続を要せず法律上当然に生ずるものと解するのが相当であり、徴収手続にも問題がないことなどから、連帯納付義務者に係る督促処分は適法である。(平13.10.31金裁(諸)平13-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130075ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成13年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納税額の納付のために精一杯の努力をしているのであって、請求人の実情を何も知らないか知ろうとしないでなされた本件延納許可取消処分は不当である旨主張する。しかしながら、相続税法第40条第2項は、延納の許可を受けた者が延納税額の滞納その他延納の条件に違反した場合に、延納の許可を取り消すかどうかを税務署長の裁量にゆだねているところ、本件においては、延納税額の滞納が累積し、しかも、今後も、延納税額について延納の条件に従った納付がされる見込みがないことが認められるのであるから、原処分庁の判断は相当であって、本件延納許可取消処分を不当ということができない。(平13.10.31東裁(諸)平13-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130023ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が(1)高齢等のため判断能力が低く、物納財産変更要求への対応にも多大の時間を要するにもかかわらず、物納財産変更要求通知処分を行ったこと、(2)納税資金もなく、申請をした物件以外に物納できる財産がないにもかかわらず、物納申請却下処分をしたことは、不当である旨主張する。しかしながら、物納申請した物件は、(1)地方庁が差し押さえていること、(2)申告書と登記簿との持分割合が相違すること、(3)相続登記が未了であることから、いずれの物件も物納財産として不適当と判断した原処分は相当である。また、請求人が主張する事情をもってしても、当該財産の物納が認められないことはやむを得ない。(平13.10. 2.大裁(諸)平13-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130003
- 裁決年月日
- 平成13年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、すでに担保提供した不動産以外、他に本件増担保要求に応じることができる財産等はなく、また、これ以上の増担保要求は相続財産以上の相続税を負担することになるから、請求人が本件増担保要求に応じなかったことを理由としてされた本件延納取消処分は不当である旨主張するが、担保として提供し得る財産は、相続によって得た財産だけに限られず、共同相続人又は第三者の所有する財産であっても、担保提供することが認められると解され、また、延納期間中に相続財産の価額が下落して延納税額に不足する事態となったとしても、それにより、すでに確定した相続税額を減額すべき旨の規定又は相続財産を限度として相続税を徴収すべき旨の規定は存しないから、本件担保財産の価額が延納税額に不足する以上、請求人は本件増担保要求に応じていないというべきであって、さらに、本件においては、原処分庁は、2回にわたって延納条件の変更を許可し、請求人の事情にも配慮していることが認められるのに対し、請求人は、4回分の延納利子税を滞納し、本件増担保要求日から本件延納許可取消日に至るまで相当期間を経過しても、なお本件増担保要求に応じて延納税額に足る担保を提供せず、弁明においても、具体的な納付の計画等を明らかにしていないから、本件延納許可取消処分を不当ということはできない。(平13. 7.24関裁(諸)平13-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120128ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代償分割により財産を取得した者は相法第34条第1項に規定する「相続に因り財産を取得したすべての者」に該当しないから、連帯納付義務がない旨主張するが、「相続に因り財産を取得したすべての者」に代償分割により財産を取得した者も含まれることは明らかであるから、請求人の主張には理由がない。請求人は、仮に連帯納付義務があるとしても、代償分割財産の評価額は現在零円である旨主張するが、代償分割財産の評価額は相続開始の時における評価額をいうのであるから、請求人の主張には理由がない。(平13.6.29大裁(諸)平12−128)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120116
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが納付すべき相続税について延納の許可を受けていたが、当該延納に係る分納税額を滞納したことから、原処分庁は、「相続税の延納分納税額に係る納税催告書」により催告し、また、「相続税延納取消に対する弁明を求めるためのお知らせ」により期限を定めて弁明を求めたが、請求人は当該期限までに何の弁明もしなかった。このため、原処分庁は延納の許可を取り消したのであるから、当該延納許可取消しは相法第40条第2項の規定に基づく適法な処分である。(平13.6.20大裁(諸)平12−116)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120117
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが納付すべき相続税を完納しているにもかかわらず、相続開始から10年も経過した現在に至って、他の相続人に対する相続税まで納付せよとの督促処分は不当である旨主張する。しかしながら、相法第34条第1項に規定する連帯納付義務は、相続税徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であって、連帯納付義務の確定は各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して法律上当然に生じるものでから、連帯納付義務につき特別の確定手続を要するものではないと解されている。したがって、各相続人の一部に相続税を滞納した者がある場合には、税務署長は、他の相続人に対し、その相場により受けた利益の価額に相当する金額を限度として連帯納付義務の履行を求めることができることになるから、請求人の主張には理由がない。(平13.6.20大裁(諸)平12−117)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120159
- 裁決年月日
- 平成13年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件更正の請求のうち、本件土地の価額が過大であるとする部分について、更正をすべき理由がないとした本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件土地の価額が過大であるとする部分は、通則法第23条第2項の規定又は相法第32条の規定に基づくものと認められず、不適法なものであるから、本件更正処分は適法である。(平13.5.23東裁(諸)平12−159)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平120010ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成13年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相法第34条第1項に規定する連帯納付義務に基づき、請求人に対して行われた督促処分について、請求人は、(1)遺留分減殺請求権を行使して価額弁償金を取得した者は同項に規定する「相続又は遺贈に因り財産を取得した者」に該当しないこと、(2)相続税の申告をしていない者に対しては同項の適用がないこと、(3)連帯納付義務に対する確定手続がとられていないこと、(4)国税の徴収権は時効により消滅していること、(5)本来の納税義務者に対する延納許可等に瑕疵があり、公平性、正当性を欠き国税徴収権の濫用に当たり違法であること等を理由に、連帯納付義務の不存在を主張するが、遺留分減殺請求権を行して取得した価額弁償金は相続により取得した財産に該当すること、同項の規定の趣旨から連帯納付義務につき格別の手続を要しないこと、時効は延納により停止されているので完成していないこと、徴税手続等に問題がないこと等から、連帯納付義務は存在しており、連帯納付義務者に対する督促処分は適法である。(平13.3.27金裁(諸)平12−10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120086
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の物納申請を行った土地について、一方で相続税の規定に基づき課税を行い、もう一方で財産と認めながら物納を認めないのは不合理である旨主張するが、相続税の課税は相続による財産の取得という事実についてその財産的価値に担税力を認めて行なわれるものであり、一方、物納財産の管理又は処分の適否は、国が当該財産の管理又は処分により金銭による納付があった場合と同等の経済的利益を将来現実に確保することができるという観点から判断されるのであって、ある相続財産について、それが課税計算の基礎となった財産であっても、そのことから直ちに当該財産が物納財産として管理又は処分に適するということにはならず、管理又は処分をするのに不適当であるとされることもあり得るというべきである。(平13.3.22大裁(諸)平12−86)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120086
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・614ページ
要旨
○ 請求人は、相続税を金銭で納付する資力がないからこそ物納申請したのであり、原処分庁が却下処分をしたことは不合理である旨主張するが、物納財産は、国が物納された財産の管理又は処分を通じて、金銭の納付があった場合と同等の経済的利益を確保し得るものでなければならないことからすると、物納申請した財産が管理又は処分をすることが不適当なものである場合、当該財産が不適当なものになったことについて納税者に帰責事由がなく、また、当該財産を物納することによって相続税を納付する必要性が高いとしても、国は当該財産の管理又は処分を通じて金銭納付があった場合と同等の経済的利益を確保することができないから、当該財産の物納が認められないことはやむを得ないというべきであり、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平13.3.22大裁(諸)平12−86)裁決事例集NO61・614ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120090ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は管理又は処分するのに適当であるし、賃貸借契約書や隣地所有者との境界確認書等を現に保有し、また、本件土地の測量等も終了していたなどとして、特例物納申請の却下処分は不当である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件申請書に本件土地の登記簿上の所在及び地積等を記載しているものの、物納担当職員から、現地調査の結果によっても、当該土地の特定が不十分でありその権利関係も不明確であるとして、再三、補完書類を提出するよう求められたにもかかわらず、一部を除きこれを提出せず、そのため原処分庁としても、本件土地を特定してその権利関係を確認することができなかったというのであるから、たとえ、実際には、特例物納土地について地積の測量や隣地所有者との境界確認等がなされ、これが管理又は処分するのに適当であったとしても、結局、本件申請書は措法第70条の10第3項及び措令第40条の11第2項に規定する事項の記載のないものというほかなく、したがって、原処分庁としては、物納を許可することができるか否か判断することもできないのであるから、本件却下処分は相当であり、請求人の主張には理由がない。(平13.3.6東裁(諸)平12−90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120083
- 裁決年月日
- 平成13年2月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 業種
- 建物貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・604ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件遺贈によって農地を取得したことによる「相続の開始があったことを知った日」は農業委員会が農地転用の届出書を受理した平成9年7月23日であり、相続税の法定申告期限は平成10年1月23日であるとして、昭和63年2月16日相続開始に係る相続税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分をした。しかしながら、本件農地は平成3年2月15日に非農地化し、請求人がその事実を知ったのは平成3年10月であり、この日が請求人の「相続の開始があったことを知った日」となり、請求人の法定申告期限は遅くても平成4年4月末日であるから、同日から5年を経過した日以後である平成10年6月30日付で行われた決定処分は違法であり、その全部を取り消すべきである。(平13.2.27東裁(諸)平12−83)裁決事例集NO61・604ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120078
- 裁決年月日
- 平成13年2月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が負っていた保証債務については、相法通14−5の(1)ただし書に定める「主たる債務者が弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければならない場合」に当たり、当該債務は相法第14条に規定する確実な債務と認められるから、更正の請求を認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人のした更正の請求は、通則法第23条第1項に規定する更正の請求であり、同項に規定する期限を経過してなされた不適法なものであることは明らかである。もっとも、請求人は、更正の請求において、その他の借入金等についても分割が行われたとして、当該借入金等については、期限内申告書において、相法第55条の規定により法定相続分の割合に従って課税価格を計算していたところ、その後の遺産分割協議書(更正の請求前4か月以内)により分割が行われたのであるから、同法第32条第1号に規定する更正の請求に該当し、その限りにおいて理由があることとなり、更正をすべき理由がないとした原処分はその一部を取り消すべきである。(平13.2.21東裁(諸)平12−78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120068
- 裁決年月日
- 平成13年2月6日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の当初申告書が当初より無効である旨主張し、当初申告書の取消しを求めているが、相続税の申告は、納税者が自ら行う行為であって、通則法第75条第1項に規定する国税に関する法律に基づく処分に当たらないから、当該申告の取消しを求める審査請求は審査請求の対象となる処分の存在を欠く不適法なものである。(平13.2.6東裁(諸)平12−68)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平120004
- 裁決年月日
- 平成12年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相法第40条第2項において、税務署長は、延納の許可を受けた者が延納税額(当該税額に係る利子税又は延滞税に相当する額を含む。)の滞納…中略…の許可を取り消すことができ、この場合においては、…中略…あらかじめその者の弁明を聞かなければならない旨、また、同条第3項は、税務署長は、同条第2項の規定により延納の許可を取り消した場合においては、その旨及びその理由を記載した書面により、これを納税義務者に通知する旨規定されている。しかしながら、請求人が主張するように、弁明書に対する税務署長の検討結果について、請求人に説明を要するとの明文上の規定はなく、税務署長が請求人に検討結果について説明をしなかったとしても違法となるものでなく、請求人の主張には理由がない。なお、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、それぞれの相続税延納許可取消通知書には取消しをする理由が記載されており、何が原因で本件延納許可取消処分となったのか不明であるとの請求人の主張には理由がない。したがって、本件延納許可取消処分に係る手続きに瑕疵があり違法である旨の請求人の主張は、採用することができない。(平12.12.13金裁(諸)平12−4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120044
- 裁決年月日
- 平成12年12月7日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 400905990
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の物納財産変更要求通知処分を受けた後に当該通知処分の前提となる物納申請自体を取り下げており、請求人には当該通知処分の取消しを求める利益はないというべきであるから、本件審査請求は不適法である。(平12.12.7東裁(諸)平12−44)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平120002
- 裁決年月日
- 平成12年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相法第34条第1項に規定する連帯納付義務に基づき、請求人に対して行われた督促処分について、請求人は、(1)滞納者の相続税の申告内容等を不知であること、(2)本来の納税義務者に対する徴税が怠慢であること、(3)相続財産の現存価値が減少していること、(4)連帯納付義務者に対する確定手続がとられていないこと、(5)国税の徴収権は時効により消滅していること等を理由に、連帯納付義務の不存在を主張するが、同法の規定の趣旨から、連帯納付義務につき格別の手続を要しないこと、徴税手続等に問題がないこと、連帯納付義務は受けた利益の価額の範囲内であること、時効は延納により停止されているので完成していないこと等から、連帯納付義務は存在しており、連帯納付義務者に対する督促処分は適法である。(平12.11.20金裁(諸)平12−2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120004
- 裁決年月日
- 平成12年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 業種
- 不動産賃貸
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相法第40条第2項について、納税者が延納の条件に違反したときは延納の許可を必ず取り消さなければならない旨規定しているものでなく、延納税額の滞納が請求人の責に帰すべき事由によるものでないこと及び本件各延納許可の取消しが請求人の生活を破綻させることに照らすと、本件各取消処分は不当である旨主張する。しかしながら、国税は金銭で一時に納付することが原則であり、延納の制度は相続税が一時に多額の税額となることが多いことを考慮して特に認められた例外的な制度であることに照らすと、相法第40条第2項が、延納の条件に違反した場合に、延納の許可を取り消すかどうかを税務署長の裁量に委ねているとしても、その延納税額の滞納が一時的なもので、近い将来、延納の条件の従った納付の再開が確実に見込まれるのであればともかく、延納税額の滞納が累積し、今後も延納税額の納付の見込みのない本件の場合においては、納税者の責に帰すべき事由がなく、あるいは、延納許可の取消しにより請求人の生活が逼迫するからといって、当該取消しを不当ということはできない。(平12.8.24東裁(諸)平12−4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110187
- 裁決年月日
- 平成12年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成4年の延納許可に係る延納税額について、第1回目から第4回目分納期限までの分納税額及び利子税の合計71,351,900円を滞納しており、弁明書に記載した納付計画についても、一部を履行しただけであることが認められるから、相法第40条第2項の規定により、上記延納許可の取消処分は適法である。請求人は、上記滞納は、不況による収入減と、相続税として納付した500,000円を原処分庁が所得税に充当したことによるもので、不可抗力である旨主張するが、収入減を不可抗力ということはできないし、上記充当は、納付の際に税目等の指定がなかったことから、民法の規定に基づいてなされたもので、充当手続に瑕疵があるともいえない。請求人は、最終延納期限までに自主納付が可能である旨の主張もするが、そうであったとしても、延納税額の滞納その他延納の条件に違反した事実には変わりはなく、請求人の主張には理由がない。(平成12. 6.30東裁(諸)平11-187)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110187
- 裁決年月日
- 平成12年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、昭和61年及び昭和62年の各延納許可に係る担保物について、地方税の滞納処分による差押を受け、強制換価手続が開始されたのであるから、これを理由とする上記各延納許可の取消処分は適法である。請求人は、上記差押は、区役所の担当職員の誤解によりなされたもので、その後差押は解除された旨主張するが、当該差押の解除は、請求人が滞納税額の一部を納付した上、残額の納付計画を提示したことによるもので、差押が誤解によりなされたことを理由とするものではないし、差押が解除されたからといって、当該差押が無効であったことになるわけでもないから、強制換価手続が開始されたことに変わりはなく、請求人の主張には理由がない。(平成12. 6.30東裁(諸)平11-187)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110176
- 裁決年月日
- 平成12年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税の延納申請税額が50万円を超えているにもかかわらず、延納申請書に担保関係書類を添付せず、原処分庁からの補正要求にも応じないで、結局、延納の許可に必要な担保を提供しなかったことが認められるから、本件延納申請は、延納の許可の要件を欠いており、本件却下処分は適法である。請求人らは、担保を提供することができないのは、他の共同相続人が不当に遺産分割協議を遅延させていることによるもので、本件延納申請を却下することは、原処分庁において請求人らに不当な遺産分割協議に応じるように強いることとなり、相続人としての権利及び財産権を侵害する旨主張するが、相法の規定に従い、担保の提供がないことを理由に本件延納申請を却下したからといって、請求人らの相続人としての権利や憲法上の権利を不当に侵害することになるわけではない。また、請求人らは、相法第40条第1項の規定により、本件延納申請税額の徴収を猶予すべきである旨主張するが、延納の許可に必要な担保の提供をしない請求人らについて、徴収を猶予することはできないし、そもそも、徴収の猶予をすべきであったからといって、本件却下処分が違法不当となるわけではないから、請求人の主張には理由がない。(平成12. 6.26東裁(諸)平11-176)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110177
- 裁決年月日
- 平成12年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税について本件土地による物納の許可を申請しているが、本件土地については、相続を原因として請求人への所有権移転登記がされているものの、共同相続人間において、遺言の無効確認等を求める訴訟が係属中で、遺産分割協議も成立しておらず、しかもこの争いが近々に解決する見込みないことが認められる。そして、このように所有権の帰属について争いのある財産を国が取得しても、国が、これを管理又は処分することにより、金銭で国税の納付があった場合と同等の経済的利益を将来現実に確保することが困難であることは明らかであるから、本件土地は、相法第42条第2項ただし書に規定する管理又は処分をするのに不適当な財産に該当する。(平成12. 6.26東裁(諸)平11-177)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110106
- 裁決年月日
- 平成12年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・344ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者に対する滞納処分を十分に行っておらず、誠実な職務を遂行したとはいえないこと及び本件滞納国税の負担を請求人に一方的に求め、租税負担の公平性を阻害していることから、本件督促処分は不当である旨主張する。しかしながら、連帯納付義務は、相続税の徴収の確保を図るために相互に各相続人に課した特別な責任であり、連帯納付義務の確定という事実に照応して法律上当然に生じるものであるから、各相続人の固有の納税義務が確定すれば、直ちに連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができ、また、第二次納税義務のような補充的な性格を持つものではない。したがって、原処分庁が請求人に対し本件滞納国税に係る連帯納付義務の履行を求め徴収手続を進めたとしても、これが本来の納税者である滞納者に徴収手続を尽くした後でなければできないというものではないから、請求人の主張には理由がない。(平成12. 4.19大裁(諸)平11-106)裁決事例集 №59・344ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110134
- 裁決年月日
- 平成12年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 取引相場のない株式については、公開の市場において不特定多数の当事者間で取引されるものではないから、その売却はもとより困難であるが、そうであるからといって、このような株式を、相法第41条第2項第3号が物納に充てることのできる財産として挙げる「株式」におよそ該当しないとまでいえないことは、相基通41-14に定めるとおりである。しかしながら、取引相場のない株式の譲渡性の低さからすると、当該株式については、現に買受希望者がいるか、買受希望者がいなくても、発行会社の経営内容、将来の収益性及び配当見込み等からして、近い将来、売却できる見込みがあるなどの事情がない限り、原則として売却の見込みがないものといわざるを得ず、したがって、相法第42条第2項ただし書に規定する管理又は処分をするのに不適当な財産に該当するというべきである。そして、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、本件物納財産変更要求通知処分の時点において、本件株式の買受希望者はなかったと認められるのであり、また、本件株式について譲渡制限があったこと及び本件株式の発行会社の損益の状況等からすると、当該株式が近い将来売却できる見込みもなかったといわざるを得ないから、本件株式が管理又は処分をするのに不適当であるとしてなされた本件物納財産変更要求通知処分は適法である。(平成12. 4.18東裁(諸)平11-134)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110084
- 裁決年月日
- 平成12年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺産の分割は遺産分割調停に係る調停条項の一部が無効であること等の確認を求めた裁判の判決により確定したのであるから、本件更正の請求は相法第32条に規定する期限内にした適法なものである旨主張する。しかしながら、本件調停は、当事者が当該遺産の範囲及び内容を確認して個別に取得する者を定めており、当事者の合意に基づき成立したその手続が終了したことは明らかであり、また、請求人が当該裁判で無効を主張した条項は、本件調停の中で解決が図られた事項であるものの、被相続人の遺産の分割に関する争いと直接に関連する事項とは認められず、当該裁判の判決が当該遺産の分割に影響を及ぼすものではないから、当該遺産は、本件調停の成立の日にその分割が行われたというべきである。(平成12. 3.22大裁(諸)平11-84)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110083
- 裁決年月日
- 平成12年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が一方的に本件解除を行っておきながら、本件担保要求通知処分を行ったことは違法、不当であり、それに基づいて行われた本件延納許可取消処分は無効である旨主張する。しかしながら、本件担保要求通知処分は適法であり、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、請求人は、本件延納許可を存続させるための正当な弁明を行っていないことが認められるから、本件延納許可取消処分は適法である。(平成12. 3.17大裁(諸)平11-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110100
- 裁決年月日
- 平成12年3月13日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の物納財産変更要求通知処分の取消しを求めている。しかしながら、請求人は、本件通知処分を受けて、本件物納申請を取り下げ、他の財産による物納の許可を申請していることが認められ、そうすると、本件通知処分は、その前提となる本件物納申請の取下げにより当然に失効したものといわざるを得ず、本件審査請求は取消しの対象を欠く不適法なものである。(平成12. 3.13東裁(諸)平11-100)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110094
- 裁決年月日
- 平成12年2月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地は、細長い不整形調査で、しかも雑木雑草が繁茂した平坦部のない急峻ながけ地であり、これを単独で通常の用途に供することができないことから、相法第42条第2項但し書に規定する管理又は処分をするのに不適当な財産に当たる。請求人らは、本件土地は、相続税評価額が1㎡当たり83,546円と高額であるから、管理又は処分をするのに不適当とはいえない旨主張する。確かに、相続税評価額すなわち時価の算定が可能である以上、当該財産の処分が絶対的に不可能であるとはいえないが、管理又は処分をするのに不適当であるか否かの判断は、単に管理又は処分が可能であるか否かの判断ではなく、当該財産を国において管理又は処分することにより、金銭で国税の納付があった場合と同等の経済的利益を将来現実に確保することができるか否かという観点からなされる判断である。そして、本件土地についてみると、たとえ本件土地を国において多大な費用と手間をかけて管理し、運用したとしても、これに見合う十分な経済的利益を確保することは困難であるし、これを早期に売却することもまた困難であると認められ、金銭で国税の納付があった場合と同等の経済的利益を将来現実に確保することができるとはいえないから、たとえ相続税評価額が高額であるとしても、やはり、本件土地は管理又は処分をするのに不適当というべきである。また、請求人らは、本件土地を建築場所とする建築確認申請が受理されていること、及び本件土地と同じ状況にある隣接地について現に売買が成立し建物が建築されていることからも、本件土地は管理又は処分をするのに不適当とはいえない旨主張する。しかしながら、建築確認は、申請書に記載された計画が建築基準法等の規定に適合するか否かを判断してなされるものであるから、当該申請書が受理され確認通知が行われたからといって、本件土地が管理又は処分をするのに適することになるわけではないし、管理又は処分をするのに不適当であるか否かは、当該財産の状況に照らして個別に判断すべきものであるから、隣接地の利用状況により、本件土地が管理又は処分をするのに適することになるわけでもない。そして、本件土地が管理又は処分をするのに不適当と認められることは上記のとおりである。したがって、本件物納財産変更要求通知処分は適法である。(平成12. 2.29東裁(諸)平11-94)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110069
- 裁決年月日
- 平成12年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした相続税の充当処分について、①相続財産の帰属を巡って、請求人と他の相続人との間で訴訟中であり、②相続税を滞納している他の相続人に差し押さえ等を行わず、請求人に連帯納付責任を求めることは、徴税のバランスを欠くことから違法または不当と主張するが、相法第34条第1項及び通則法第57条第1項に基づいて行われた充当処分は適法であって、請求人の主張には理由がない。(平成12. 2. 4大裁(諸)平11-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110051
- 裁決年月日
- 平成11年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 連帯納付義務は、相続税徴収の確保を図るため、各相続人相互に課した特別の責任であって、各相続人の納税義務の確定という事実に伴ってその都度当然に生ずるものであるから、他の相続人に滞納税額がある以上、連帯納付義務が単独で消滅することはない。また、本件督促処分が、請求人に対する権利の濫用に当たるということはできない。(平成11.12.15大裁(諸)平11-51)、(平成11.12.15大裁(諸)平11-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110014
- 裁決年月日
- 平成11年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務者は、催告及び検索の抗弁権を有しているところ、請求人以外の共同相続人であるKらに容易に執行できる財産があるにもかかわらず、請求人に本件滞納国税の納付義務を負わせた本件督促処分は違法である旨主張する。しかしながら、連帯納付義務は、同一の被相続人の相続について、各相続人の固有の相続税の納税義務が確定すれば、他の共同相続人が法定納期限までに納付しない場合は、直ちに連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができ、また、第二次納税義務者や国税の保証人の規定にあるような、国税を徴収するための前提要件もないことから、他の相続人の固有の相続税の納税義務について補充的に履行責任を負わせるものではない。したがって、本件督促処分は有効である。(平成11. 9.21大裁(諸)平11-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100170
- 裁決年月日
- 平成11年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・515ページ
要旨
○ 請求人は、相法第32条第2号に規定する事由に民法第910条に規定する価額請求に基づく金銭の交付をしたことを含むとするのは、同条の規定の拡張解釈であり適当ではない旨主張する。しかしながら、相法第32条の規定は、既に確定している課税価格及び相続税額が、その後新たに生じた事由により過大となった者に対して更正の請求を認めるという特則規定であるから、本件規定を認知裁判の確定により相続人の数に異動が生じたことに基因した課税価格及び相続税額の異動という理由だけに限定して解釈するべきものではなく、同条の規定の趣旨から、認知裁判が確定した後において民法による価額請求があったことによりその価額金を交付することが具体的に確定した場合も、本件規定により更正の請求ができると解するのが相当である。(平11. 5.24東裁(諸)平10-170)裁決事例集 №57・515ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100084
- 裁決年月日
- 平成11年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904010
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/1延納許可の取消し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、「相法第40条第2項では、…延納許可を取り消すことができる。」と規定しているが、これを反対解釈すれば、取り消さない場合もありうることになり、現在の請求人の立場を斟酌すれば、取消しをしないことが妥当である旨主張するが、本件は、①請求人が相続税延納の前提である年賦による分割納付をせず、滞納があること、②原処分庁は本件延納取消処分をする前に請求人から弁明を聞いていること、③本件延納取消処分に係る通知書には取消しの理由が記載されていることの手続上の要件を具備しており、この場合における延納許可の取消処分が税務署長の裁量行為に属するとしても、今後の延納税額も履行される見込みがないなど延納条件に違反すると認められる事実があることから、税務署長の裁量権の範囲を逸脱した違法な処分とは認められず、本件延納取消処分が違法、不当であるとはいえない。(平11. 5. 11名裁(諸)平10-84)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平100044
- 裁決年月日
- 平成11年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である本件農地の不動産登記簿上の所有者がいまだ請求人になっておらず、確定的に本件農地を取得していないから、申告書の提出義務がない旨主張する。しかしながら、①前の遺言である公正証書遺言の本件農地を実兄に相続させる旨の部分は、後の遺言である自筆証書遺言により取り消されたものとみなされるので、請求人は後の遺言である自筆証書遺言によって本件農地を遺贈により取得したことになること、②そして、その効力は相続開始の時にさかのぼって生じること、③不動産の登記は第三者に対する対抗要件であること、④農地法による名義変更の許可は、単に、不動産(農地)の登記手続の上で必要とされているものであることからすれば、本件農地の不動産登記簿上の所有者が請求人になっていなくても、本件農地の所有者は、相続開始の時にさかのぼって、請求人が有しているとするのが相当である。(平11. 3.16高裁(諸)平10-44)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100100
- 裁決年月日
- 平成11年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、日本の裁判では韓国の親子関係に関する判決に左右されることなく、請求人が相続資格を有するか否かの判断がされるものである以上、これが確定しないにもかかわらず相続税の申告義務が発生すると解するのは誤りである旨主張する。しかしながら、相法第27条に規定する相続の開始があったことを知った日とは、自己が相続人であること及び被相続人の死亡を知った日をいうものと解するところ、韓国民法に規定する財産相続においても、財産相続が死亡によって開始し、相続開始の時から被相続人の財産に関する包括的権利義務を承継する旨定められていることから、相続に関して韓国民法が適用される請求人についても同様に解すべきであるところ、請求人は、戸籍には自分が被相続人の子として記載されていないものの、自分が被相続人の子であること及び自己以外にも兄弟姉妹がいることを知っていたのであり、韓国の親子関係に関する判決が確定する相当以前から自己が相続人であることを知っていたというべきである。そして、請求人は韓国に居住していたことから、被相続人の死亡をいつ知ったか明らかではないが、請求人は平成6年8月に被相続人が有していた韓国の預金に関し、自己の相続権をも主張して、返還請求権の確認を求める訴訟を提起していることからすると、遅くともこの時点において被相続人の死亡の事実を知っていたということになる。そうすると、請求人にとって本件相続の開始があったことを知った日とは、遅くとも平成6年8月頃となるから、本件申告書の提出は法定申告期限後にされたものということになる。(平11. 3. 5大裁 (諸) 平10-100)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平100004
- 裁決年月日
- 平成10年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904020
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/2延納許可の取消しの理由
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当該延納税額に係る担保物につき徴収法第2条第12号に規定する強制換価手続が開始されたとする本件延納許可取消処分の取消理由について、本件差押処分の基礎となった本件所得税に係る租税債権の変動の可能性を理由に、取消理由として妥当でない旨主張する。しかしながら、本件差押処分は、その基礎となった本件所得税に係る処分の違法性を承継しないものと解され、しかも、本件延納許可取消処分の時点において、本件所得税の更正処分等が無効であるか、あるいは、権限のある者によって取り消されない限り、本件所得税は、通則法第16条第1項第1号の規定により納付すべき税額として有効に確定していることが認められ、本件差押処分はそれ自体に瑕疵がない限り、本件差押処分の効力に影響を及ぼすものといえない。請求人は、本件差押処分の手続自体の違法を主張しないところ、本件延納許可取消処分の時点において、本件所得税に係る滞納国税等は現に消滅していないことから、本件差押処分の効力が存続しているものと認められる。したがって、必ずしも原処分庁が本件差押処分を本件延納許可取消処分の取消理由としたことについて、本件所得税の納税義務の存否や税額の多寡に関する判断を含むものではないことから、税務署長の裁量権の範囲を逸脱した違法な行為すなわち、裁量権の濫用ということはできず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平10.12.16沖裁(諸)平10-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100060
- 裁決年月日
- 平成10年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400901000
- 争点
- 9申告及び納付等/1申告
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相法第27条第1項に規定する「相続の開始があったこと実に相続又は遺贈による財産を取得したか、少なくとも確定的に取得できる状況になったことを知った日と解すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法が採用する申告納税方式においては、申告義務は財産の取得という課税要件事実の存在によって当然に発生することから、確定申告期限の起算点たる「相続の開始があったことを知った日」とは、現実に財産を取得できる状況になったことまでを要件として必要とせず、自己のために相続の開始があり、かつ、相続又は遺贈により取得した財産があることを知った日であると解するべきである。(平10.11.30東裁(諸)平10-60)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100028
- 裁決年月日
- 平成10年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・396ページ
要旨
○ 相法第34条第1項の連帯納付義務は、相続税徴収の確保を図るため、各相続人に課した特別の責任であって、その履行義務の前提条件をなす連帯納付義務の確定は、各相続人の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して法律上当然に生じるものであり、連帯納付義務に格別の確定手続を要するものではないと解されるところ、請求人の主張する連帯納付義務に対する確定手続又は納税告知の必要性、延納許可に係る担保の評価の不当性及び国税の徴収権の消滅時効の完成などによって、連帯納付義務が発生したり、消滅したりすることはないから、連帯納付義務者に対して、通則法第37条第1項の規定に基づいて行われた督促処分は適法である。(平10.11. 9大裁 (諸) 平10-28)裁決事例集 №56・396ページ、(平10.11. 9大裁 (諸) 平10-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100020
- 裁決年月日
- 平成10年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・435ページ
要旨
○ 共同相続人は、本件滞納国税の納税資金ないし納税資金調達能力を有しているにもかかわらず、原処分庁は、本来の納税義務者である共同相続人に対して強制的な徴税の執行を行うことなく、自己の相続税を完納した請求人に対して本件差押処分を行ったことは、違法、不当である旨主張する。しかしながら、相続税の連帯納付義務は、格別の確定手続を要するものではなく、各相続人の固有の相続税の納税義務が確定すれば当然に生ずるものであり、本来の納税義務についての履行責任を連帯納付義務者に補充的に負わせるものではなく、国税の徴収に当たる所轄庁は直ちに連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができると解され、また、差押時における各相続人の資力の多寡が差押順位に影響を及ぼすものではないから、連帯納付義務者に対する滞納処分の前に、本来の納税義務者に対して強制的な徴税の執行を行わなければならないとするものではない。(平10.10.21大裁 (諸) 平10-20)裁決事例集 №56・435ページ
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平100001
- 裁決年月日
- 平成10年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・389ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090123
- 裁決年月日
- 平成10年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090119
- 裁決年月日
- 平成10年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、相続税延納申請の際に、担保として提供しようとした本件土地に係る本件根抵当権は、本件相続税の法定納期限以前の平成2年7月31日に設定されており、本件根抵当権に係る被担保債権は本件相続税に優先することになる。そして当該債権額は本件土地の評価額を上回っていることから、原処分庁が本件土地には担保力がないと判断し、担保変更要求を行ったことは相当であり、本件却下処分は適法である。(平10. 6.16大裁 (諸) 平 9-119)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090178
- 裁決年月日
- 平成10年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・615ページ
要旨
○ 請求人は、本件物納申請株式が相法第41条第2項第3号の規定に係る財産に該当し、当該株式が物納に充てるべき唯一の財産である旨及び本件物納申請株式を担税力がある財産として課税しながら、物納財産として認めないことは不当である旨主張する。しかしながら、法令の規定及び物納制度の趣旨からすれば、株式による物納は、相法第41条第2項に該当するか否かのみならず、申請財産の順位に係る同条第3項の規定に従っているか否か及び管理又は処分をするのに適当な財産か否かを審査することにより、その許否を決すべきところ、物納制度の趣旨が国がこれを換価してその代金を財政収入に充てることにあるのに対して、本件物納申請株式は売却できる見込みがない以上、本件物納申請株式が管理又は処分をするのに不適当であると認める場合に該当することは明らかである。また、物納財産の管理又は処分の適否は、金銭の納付があった場合と同等の経済的利益を将来現実に確保することができるという観点から判断されるものであるから、ある相続財産が課税価格計算の基礎となった財産であっても、管理又は処分をするのに不適当とされることもあり得るというべきであるから、請求人の主張はいずれも採用できない。(平10. 6.10東裁(諸)平 9-178) 裁決事例集No55・615ページ、(平10. 6.10東裁(諸)平 9-179)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090179
- 裁決年月日
- 平成10年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納申請に係る株式を相続により取得していないとはいえ、本件株式を担税力がある財産として課税しながら、本件株式を物納財産として認めないことは不当である旨主張するが、相法第41条第2項により、物納に充てることができる財産は納税義務者の課税価格計算の基礎となった財産に限定されているところ、請求人は本件株式を相続により取得していない以上、本件株式は物納に充てることができる財産には該当しない。また、請求人は、本件不動産物納申請について、金銭納付及び延納が不可能で、相続財産のほとんどが抵当権の設定された土地であり、他に物納に充てる財産がないから、物納を認めるべきである旨主張するが、物納制度の趣旨が相続税の納付の単なる手段であり、国がこれを換価し、その代金をもって財政収入に充てることにあることを考慮すると、抵当権が設定されている本件不動産が、国が管理又は処分するのに不適当であることは明らかである。(平10.6.10東裁(諸)平9-179)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090107
- 裁決年月日
- 平成10年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・623ページ
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議の促進に最大限尽力しているにもかかわらず、申請からわずか2年2か月で行った本件却下処分は、物納制度を否定し排斥するもので違法・不当である旨主張するが、本件物納申請財産は、本件相続財産の全部について遺産分割協議が整わないため、共同相続人全員による共有となっており、さらに、本件物納申請が共同相続人の一部の者のみからされていることから、物納財産として管理又は処分をするのに不適当な財産に該当すると解されるところ、物納財産としての要件を具備していない場合に、当該物納申請を却下せずに租税の納付をいたずらに遅延させることは相当ではないし、また、原処分庁は、請求人の要請に基づき遺産分割協議の状況を相当の期間見守り、さらに、請求人が申し立てた期日まで処分を保留した上で、それでもなお、遺産分割協議が整わなかったことから本件却下処分を行ったものであることが認められるのであって、当該却下処分に請求人が主張するような違法・不当な点はなく適法というべきである。(平10. 5.27大裁 (諸) 平 9-107) 裁決事例集No55・623ページ、(平10. 5.27大裁 (諸) 平 9-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090151
- 裁決年月日
- 平成10年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・608ページ
要旨
○ 請求人は、(1)相法第34条第1項は、本来の納税義務者が納税するのが原則であり、あらゆる手法を尽くしても徴税不可能となった場合のみ、他の相続人に納税義務が生じると解されるところ、原処分庁は、徴税を尽くしたことの根拠を示していないこと及び(2)職務怠慢により担保割れを招いた責任は税務署長にあることから、本件督促処分は違法である旨主張するが、同条同項に規定する連帯納付義務は、本来の納税義務者の固有の納税義務が確定すれば、格別の確定手続を要することなく他の相続人に対して法律上当然に生じ、国税の徴収に当たる所轄庁は、連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができると解されており、請求人の主張は、いずれも理由がない。(平10. 4. 2東裁(諸)平 9-151) 裁決事例集No55・608ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090145
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件物納申請財産について、地積測量図や境界に関する確認書等必要な資料を整え、必要な措置を講ずるべく努力してきたが、隣接地主の協力が得られない等の事情があって原処分庁が補完期限とした日までに補完できなかったものであるから、その変更を求める原処分は違法である旨主張するが、原処分庁は、本件物納申請財産について、請求人から地積測量図や境界線・工作物等に関する確認書等の提出がないので、本件物納申請財産が相法第42条第2項ただし書に規定する「管理又は処分をするのに不適当な財産」に当たるとして、事前に個別具体的な指導をした上、補完期間を定めて補完要求を行い原処分に及んだもので、その間の一連の措置等からみて、請求人が補完期限までに補完できなかった以上、原処分庁が法令の定めるところにより本件物納申請財産を国が収納し、管理又は処分をするのに不適当であると判断し、原処分を行ったことは適法である。(平10. 3.31東裁(諸)平 9-145)、(平10. 3.31東裁(諸)平 9-147)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090021
- 裁決年月日
- 平成10年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400903000
- 争点
- 9申告及び納付等/3連帯納付義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相法第34条第1項の規定を適用するに当たっては、滞納者の資産保有の状況、日常の生活状態、通常の収入程度を十分に調査、検討した上で、かつ、納税の能力、意思等がないと判断した後に行うべきであり、たとえ法令があるとしても、直ちに連帯納付義務の履行を請求することは、承服できない旨主張するが、同条の連帯納付義務は、相続人の固有の相続税の納税義務が確定すれば、同一の被相続人から相続により財産を取得した他の相続人は、法律上当然に連帯納付責任があるのであるから、請求人は、自らが負担すべき納税義務のほかに、滞納国税について、当該相続により受けた利益を限度として、連帯して納付する責任がある。(平10. 3.24仙裁(諸)平 9-21)、(平10. 3.24仙裁(諸)平 9-22〜44)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090068
- 裁決年月日
- 平成10年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件物納申請財産については、公図の訂正がされていないため、公図と求積図とが土地の形状、隣接地との境界形成及び地積とも著しく異なっており、本件同意書等に記載された隣接地所有者が真の隣接地所有者であるかどうかが明確ではなく、物件の特定ができないことから、本件物納申請財産を物納財産として不適当と判断し、その変更を求めた本件通知処分は相当である。(平10. 2.27大裁 (諸) 平 9-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090054
- 裁決年月日
- 平成10年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、別件の所有権移転登記等請求事件に係る第一審判決で、請求人が遺贈を受けたとする本件不動産は、遺留分算定の基礎となる財産に含めるのは相当ではないとの判決を受けたこと等を理由に、本件通知処分を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、同判決は、原告である相続人が控訴をしていることから確定していないこと、また、相法第32条第3号に規定する遺留分の減殺の請求があった日とは、遺留分の減殺の請求が判決等により解決した時と解されていることから、本件更正の請求は通則法第23条及び相法第32条のいずれの規定にも該当しないので、本件通知処分は適法である。(平10. 1.26関裁(諸)平 9-54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090047
- 裁決年月日
- 平成9年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件財産については、その共有状態を解消し、物納財産として適当なものとするために共有物分割請求の訴訟が係属中であり、まもなく和解が成立する見込みであること及び請求人は他に物納に充てる財産を有していないことから、本件通知処分は取り消すべきである旨主張する。しかしながら、本件財産については、本件訴訟が係属中であって判決の確定あるいは和解の成立はなく、具体的な和解の方法、時期等も確定していないことから、依然として共有財産のままであり、管理又は処分することが困難な財産であると認められる。また、請求人が他に物納に充てる財産を有していないとしても、本件財産が管理又は処分をするのに適当な財産と認めることはできない。(平 9.12.16大裁 (諸) 平 9-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090007
- 裁決年月日
- 平成9年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が延納申請書に担保提供書等が添付されていなかったことを請求人に知らせず、また、何ら補正の指示もしないまま半年余りの間放置し却下したのは不当であり、仮に、補正の教示があれば、その時点において税額に見合う担保提供が可能であった旨主張する。しかしながら、相続税の延納許可を受けようとする者は、相続税延納申請書を提出するほか、担保の提供を要し、当該担保として土地、建物等を提供する場合には、土地、建物等を目的物件とする抵当権の設定登記のために必要な書類を当該延納申請書に添付して税務署長に提出しなければならないとされているところ、請求人は、原処分庁の再三にわたる指導及び催促にもかかわらず担保提供書等を提出しなかったことが認められる。そうすると、本件延納申請書は相法第39条第1項に規定する申請の要件を充足していないというべきであり、原処分庁が行った本件延納却下処分は適法である。(平 9. 9. 3大裁 (諸) 平 9-7)、(平 9. 9. 3大裁 (諸) 平 9-8)、(平 9. 9. 3大裁 (諸) 平 9-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090002
- 裁決年月日
- 平成9年7月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・109ページ
要旨
○ 請求人は、相法第32条第3号に規定する更正の請求をすることができる期間の起算日は、同条に定める「遺留分による減殺の請求があったこと」を知った日であり、本件においては、既に期間が徒過してなされた違法な更正の請求であることから、このような違法な更正の請求を前提としてなされた原処分も違法である旨主張する。しかしながら、同条に定める「遺留分による減殺の請求があったこと」を知った日の期間の起算日は、遺留分減殺請求訴訟の和解が成立した日と解されることから、本件更正の請求は適法な更正の請求であり、原処分庁が本件更正の請求があったことにより相法第35条第3項第1号の規定に基づき原処分を行ったことは適法である。(平 9. 7.18大裁 (諸) 平 9-2) 裁決事例集No54・109ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080120
- 裁決年月日
- 平成9年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・59ページ
要旨
○ 請求人は、本件和解は、本件土地の所有権が請求人らにあることを確認して本件土地を遺産から除外したところで遺産分割を確定させたものであり、これにより計算した請求人の課税価格等が未分割遺産として計算していた課税価格等を下回る結果となったから、相法第32条第1号及び通則法第23条第2項第1号の両規定の適用があり、そのうちいずれか有利な方で更正の請求を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地を相続により取得した財産であるとした当初申告を是正するための更正の請求は、相法第32条第1号の規定ではなく、通則法第23条第2項第1号の規定によるべきであり、既に当該規定による更正の請求期限を徒過した不適法なものであるから、原処分庁が更正をすべき理由がないとして行った通知処分は適法である。(平 9. 6. 3大裁 (諸) 平 8-120) 裁決事例集No53・59ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080173
- 裁決年月日
- 平成9年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 物納申請財産である共同住宅は、老朽化した建築物であると認められること、また、同宅地は、建築基準法及び東京都建築安全条例の各規定の内容からみて共同住宅を取り壊し更地とした場合であっても新たに建物を建築することができる土地ではなく、かつ、間口狭小の土地であることから、単独では通常の用途に供することができないと認められる。したがって、物納申請財産は、「売却できる見込みのない不動産」に該当するというべきであるから、相法第42条第2項に規定する「管理又は処分するのに不適当な財産」に該当し、協議管理官庁と協議の上行われた相続税物納財産変更要求通知処分は適法である。(平 9. 4.11東裁(諸)平 8-173)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080170
- 裁決年月日
- 平成9年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・456ページ
要旨
○ 請求人は、本件物納申請土地について、売却可能と判断される価格として相続税法の規定に基づき課税を行い、もう一方で売却できる見込みのない不動産であるとして物納を認めないのは不合理である旨及び本件物納申請土地は相法第42条第2項ただし書及び措法第70条の10第5項ただし書に規定する「管理又は処分をするのに不適当」な財産ではない旨主張する。しかしながら、相続税の課税は、相続による財産の取得という事実についてその財産的価値に担税力を認めて行われるものであり、一方、物納財産の管理又は処分の適否は、国が当該財産の管理又は処分により、金銭による納付があった場合と同等の経済的利益を将来確保することができるかという観点から判断されるのであって、ある相続財産について、それが課税価格計算の基礎となった財産であっても、そのことから直ちに当該財産が物納財産として管理又は処分に適するということにはならず、不適当であるとされることもあり得るというべきである。また、本件物納申請土地は、(1)いわゆる間口が狭小であって、建築物の敷地あるいは駐車場への転活用も困難であること、(2)原処分庁は、現状のままでは管理又は処分をするのに不適当と判断し、補完通知により、請求人に対して補完を求めたが、結局補完できなかったことが認められることから、本件物納申請土地は、現状のままでは売却できる見込みのない不動産であり、管理又は処分をするのに不適当なものと判断せざるを得ない。(平 9.4.9東裁(諸)平 8-170) 裁決事例集No53・456ページ
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平080025
- 裁決年月日
- 平成9年4月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400902000
- 争点
- 9申告及び納付等/2更正の請求の特則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、遺留分の減殺請求があったことを知った日は(1)家庭裁判所における最終審理日に調停が成立していること、(2)最終審理日に請求人らとその代理人に対し調停調書に記載した内容と同じ内容のことを読み聞かせていること、(3)最終審理日の合意内容は、家庭裁判所から平成6年12月9日に請求人らの弁護士に交付され、同月12日に請求人らが受け取った調停調書の記載内容と同一であること、(4)調停調書は、調停期日が最終審理日となっており、「下記条項により調停が成立した」との記載があることから、最終審理日である平成6年11月17日であり、平成7年4月4日にされた更正の請求は、4か月を経過した後にされた不適法なものである旨主張する。しかしながら、遺留分の減殺請求に基づく調停があった場合、調停は調書に記載することにより成立するので、記載した日が不明である以上、調停調書が代理人に交付された日が相法第32条第3号に規定する「遺留分の減殺請求があったことを知った日」とするのが相当であり、原処分庁の主張は採用できない。(平 9. 4. 8高裁(諸)平 8-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080083
- 裁決年月日
- 平成9年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400904990
- 争点
- 9申告及び納付等/4延納/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産の分割が未了の状態である等の理由により担保を提供できないにもかかわらず、原処分庁が延納申請の却下処分をしたことは違法、不当であるとし、その違法、不当をもって、督促処分の違法を主張するが、担保の提供は、延納申請を許可するための要件となるから、その提供がされない以上、原処分庁が延納申請の却下処分をしたことに何ら不相当な点は認められず、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平 9. 3.19大裁 (諸) 平 8-83)、(平 9. 3.19大裁 (諸) 平 8-84)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080006
- 裁決年月日
- 平成8年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400905010
- 争点
- 9申告及び納付等/5物納/1物納財産の適否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件物納申請財産は、地形狭長等極度に不整形の形状及び低地であるなど単独利用困難な土地である上、河川法上の利用制限を受けることから、物納財産として管理又は処分をするのに不適当であり、原処分庁が物納不適当として物納申請財産変更要求通知処分をしたことは適法である。(平 8. 9. 6大裁 (諸) 平 8-6)
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