裁決要旨 3売買契約に係る土地
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人を売主とする土地及び立木(本件土地等)に係る売買契約(本件売買契約)は、その契約締結時において被相続人が意思無能力者であったから当然に無効であり、また、仮に、本件売買契約が民法第113条《無権代理》第1項の規定による無権代理行為により締結されたものであったとしても、請求人ら共同相続人全員による追認がなく無効なものといえるから、相続税の課税価格に算入すべき財産は、本件売買契約に係る売買残代金請求権(本件売買残代金請求権)ではなく、本件土地等である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、無権代理行為により締結されたものと認められるところ、請求人ら全員の遺産分割協議によって、本件土地等の所有権を取得した相続人ら(本件相続人ら)が無権代理行為により締結された本件売買契約を追認又は拒絶する権利を相続により取得したものとみるべきであり、これを前提として、本件売買契約の売主たる地位は、本件相続人らに承継され、本件相続人らと買主との間で本件売買契約の履行を継続することを確認したことが認められる。その後、本件売買契約の履行手続は全て完了したことから、本件売買契約は、本件相続人らにより追認され、民法第116条《無権代理行為の追認》の規定により、本件売買契約の締結時に遡って有効であったことが認められる。したがって、被相続人の相続開始時において、本件売買契約は有効なものであり、また、相続開始後3か月以内に本件売買契約の履行手続が全て完了していることを踏まえると、本件売買契約の履行が相当程度確実になっていたものと認められることから、相続税の課税価格に算入すべき財産は、本件土地等ではなく、本件売買残代金請求権である。(令4.10. 4 熊裁(諸)令4-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300087
- 裁決年月日
- 平成31年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である売買契約中であった不動産及び借地権には請求人が代表取締役を務める会社(本件法人)を債務者とする根抵当権が設定されており、①その売買代金によって本件法人の債務を代位弁済すべき義務が付着していたから、当該代位弁済により取得した求償権のうち、後に債権放棄した金額(本件債権放棄額)については、当該売買に係る残代金請求権の評価上控除すべきである旨、そうでなければ、②相続開始日において本件法人は破産状態にあったから、本件債権放棄額は被相続人の確実と認められる債務として相続税の課税価格の計算上控除すべきである旨それぞれ主張する。しかしながら、①については、相続開始日において、被相続人が当該売買代金をもって本件法人に代位して弁済すべき義務を負っていたとまでは認めらないから、請求人の主張はその前提を欠いており、採用できず、また、②については、本件法人は債務超過ではあったものの、相続開始日において、破産・会社更生若しくは強制執行等の手続の開始を受け、又は、事業閉鎖・経営者の行方不明・刑の執行等の事実はなく、債権者において催告書の発行や根抵当権の実行が具体的に検討された事実もないこと等からすれば、本件債権放棄額は確実な債務とは認められず、相続税の課税価格の計算上控除することはできない。(平31. 2. 1 東裁(諸)平30-87)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290115
- 裁決年月日
- 平成30年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、租税特別措置法(平成27年法律第9号による改正前のものをいう。)第37条の5《既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建築のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例》の適用を前提とする売買契約及び取得契約の実態からすると、買換資産に係る契約上の権利義務は譲渡契約を締結したときに当事者双方に発生しているところ、本件では、相続開始前に締結した売買契約に係る特約条項(本件特約条項)等に基づき、被相続人に譲渡土地上に計画しているマンション(本件買換資産)に係る契約上の権利義務が発生していることから、買換資産の給付を受ける権利及びこれに係る未払金が相続税の課税財産及び債務控除の対象となる旨主張する。しかしながら、買換資産の給付を受ける権利及び未払金の支払義務は、その取得契約が成立したときに発生すると考えられるところ、本件特約条項は、本件買換資産の取得契約をその建築確認取得後に締結できる旨定めたにすぎず、これをもって本件買換資産の取得契約が成立したとまではいえない。他方、請求人の一人が相続開始後に本件買換資産の取得契約を締結していることからすると、本件買換資産に係る取得契約は、本件の相続開始後に成立したものと認められる。したがって、本件買換資産の給付を受ける権利及び未払金の支払義務は、本件相続開始の時においてその権利義務が発生していないことから、相続税の課税財産及び債務控除の対象とはならない。(平30. 4.18 東裁(諸)平29-115)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290111
- 裁決年月日
- 平成30年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が売主として売買契約(本件売買契約)を締結していた土地(本件土地)について、被相続人と買主との間で本件売買契約の合意による解除が成立していた結果、本件売買契約は、被相続人の相続開始(本件相続開始)前に消滅し、本件売買契約に係る残代金債権(本件残代金債権)は、本件相続開始時において既に消滅しているから相続税の課税対象となる財産は本件土地である旨主張し、仮に本件売買契約が本件相続開始後に合意による解除がされたとしても当該解除にはやむを得ない事情があるから相続税の課税対象となる財産は本件土地である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、請求人らの本件相続開始後に生じた税務面の負担軽減等の個人的な事情を理由として、請求人らと買主との間で合意により解除されたものと認められる。そして、本件売買契約の本件相続開始時までの履行状況をみるに、本件売買契約の履行手続は円滑に進められ、本件売買契約の履行に係る客観的な障害があったことを示すような事実は認められない状況からすれば、本件相続開始日において、本件売買契約が履行されることが相当程度確実になっていたものと認められ、そのような状況下においては、本件土地の所有権が被相続人に残っていたとしても、もはやその実質は本件残代金債権を確保するための機能を有するにすぎず、また、本件売買契約の解除の理由は、請求人らの本件相続開始後に生じた税務面の負担軽減のためなどの個人的な事情であって、やむを得ない事情によるものと認められないことからすれば、相続税の課税財産は、本件残代金債権と解するのが相当である。(平30. 4.12 東裁(諸)平29-111)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290112
- 裁決年月日
- 平成30年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が売主として売買契約(本件売買契約)を締結していた土地(本件土地)について、相続税の課税対象となる財産は本件土地である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は相続開始後に請求人と買主の合意により解除されたものと認められ、そして、相続開始時までの本件売買契約の履行状況をみるに、本件売買契約の履行手続は円滑に進められ、本件売買契約の履行に係る客観的な障害があったことを示すような事実は認められない状況からすれば、相続開始日において、本件売買契約が履行されることが相当程度確実になっていたものと認められ、そのような状況下においては、本件土地の所有権が被相続人に残っていたとしても、もはやその実質は本件売買契約に係る売買残代金債権を確保するための機能を有するにすぎず、また、本件売買契約の解除の理由は、請求人の相続開始後に生じた税務面の負担軽減のためなどの個人的な事情であって、本件売買契約成立後に生じたやむを得ない事情によるものとは認められないことからすれば、相続税の課税財産は、本件売買契約に係る売買残代金債権と解するのが相当である。(平30. 4.12 東裁(諸)平29-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280095
- 裁決年月日
- 平成29年3月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が売主として売買契約(本件売買契約)を締結していた土地及び建物について、相続税の課税対象とすべき財産は、引渡時まで所有権が留保する特約が存する本件売買契約の下においては、売買残代金請求権ではなく土地及び建物である旨主張する。しかしながら、相続の開始時に、本件売買契約の履行に係る客観的な障害があったことを示す事実は認められず、本件売買契約を解除すべき事情もなかったことからすると、相続の開始時において、本件売買契約に係る売買は履行されることが相当程度確実になっていたものと認められ、たとえ土地及び建物の所有権が売主である被相続人に留保されていたとしても、もはやその実質は売買残代金請求権を確保するための機能を有するにすぎないのであり、相続税の課税対象とすべき財産は、売買残代金請求権であると解するのが相当である。(平29. 3. 3 東裁(諸)平28-95)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230014
- 裁決年月日
- 平成23年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が売主として締結していた売買契約(本件売買契約)の目的物である土地(本件譲渡土地)について、相続開始時に農業委員会への届出がされておらず、その所有権が買主に移転していないことなどから、相続財産は本件譲渡土地である旨主張する。しかしながら、本件譲渡土地の譲渡に当たり必要な生産緑地地区の解除手続については、相続開始前に買取りの申出が行われ、それに基づき相続開始後、生産緑地地区が解除されていること、また、開発行為の許可申請及び農業委員会への届出手続についても、その後遅滞なく行われていることからすれば、売主及び買主双方において、相続開始時点で本件売買契約の履行に向けて支障なく手続を進めていたものと認められるから、相続開始時に農業委員会への届出がされていなかったことは被相続人に所有権を留保しておく必要があったためではなかったといえる。のみならず、本件売買契約の履行及び農業委員会への届出手続に当たって障害となるべき事情もなかったといえることからすると、相続開始時において本件売買契約が履行されることが確実である状況と認められ、そのような状況下にあっては本件譲渡土地の所有権が被相続人に残っていても、もはやその実質は本件売買契約に係る売買残代金請求権を確保するための機能を有するにすぎないのであるから、相続税の課税対象とすべき財産は、本件譲渡土地の所有権ではなく、本件売買契約に係る売買残代金請求権であると解するのが相当である。(平23. 9.13 関裁(諸)平23-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平220006
- 裁決年月日
- 平成23年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の成年後見人が相続開始前に売買契約(本件売買契約)を締結し、相続開始後に引き渡した被相続人が所有していた土地(本件土地)及び建物等について、成年後見人から相続開始後に「売買代金決済日が契約成立日となる」旨の説明を受けていたこと及び本件売買契約には「本件土地とその隣接地との一体不可分の売買」を解除条項とする定めのあることから、相続開始日時点においてはまだ本件売買契約が成立しておらず、本件相続により取得したのはあくまでも土地建物等である旨主張する。しかしながら、本件売買契約の代理権を有していた成年後見人が家庭裁判所に報告した「後見等事務報告書」の内容及び手付金の決済状況などからすると、本件売買契約は、契約日付のとおり成立したと認められ、さらに、本件土地及びその隣接地の売買当事者は契約条項を誠実に履行しており相続開始日までの間に本件売買契約の解除事由が発生することはなかったと認められることからすると、本件相続税の課税財産は本件売買契約における売買残代金請求権であると認めるのが相当である。(平23. 2. 3 仙裁(諸)平22-6)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年9月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人から承継した本件売買契約に係る解除権を行使した結果、本件売買契約は本件相続の開始前に遡及して消滅し、売買残代金請求権は本件相続の開始時において法律上存在していないことになるから、本件相続に係る相続税の課税対象とすべき財産は本件各土地建物である旨主張する。しかしながら、相続税の課税上、相続により取得した財産について相続開始後に生じた事情は、これを考慮すべき特段の事情と認められない限り考慮すべきものではないと解されるところ、本件のように、本件相続の開始時において、本件売買契約が履行されることが確実であると認められるような状況下にあっては、本件各土地建物の所有権が本件被相続人に残っているとしても、もはやその実質は売買残代金請求権を確保するための機能を有するにすぎないものといえ、請求人らが相続した本件各土地建物は、独立して相続税の課税財産を構成しないというべきである。そして、請求人らが本件相続の開始後に行った本件売買契約の解除により、本件売買契約の当事者間において契約の効力が遡及的に消滅すると解したとしても、当該解除は請求人らの意思によるものであり、これをもって、相続開始後に生じた考慮すべき特段の事情ということはできないから、本件相続の開始時において、売買残代金請求権は確定的に本件被相続人に帰属しているものと認めるのが相当である。以上からすれば、本件相続に係る相続税の課税対象とすべき財産は売買残代金請求権であると認められるから、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平21.9.16 広裁(諸)平21-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180014
- 裁決年月日
- 平成18年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の売買契約は、買主である同族法人が銀行からの融資を受けられなかったころ実質的に解除されているから、相続財産は当該契約に係る残代金請求権ではなく本件土地そのものであり、被相続人が受領した手付金等は債務に当たる旨主張する。 しかしながら、当該契約は具体的に解除の手続が何らとられておらず、同族法人が残代金の資金繰りに窮していなかったこと、手付金の返還が請求人が主張する解約時期の8年後(相続後)に行われたことなどからすると、当該契約は被相続人の死亡時までに合意解除されたとは認められず、したがって、残代金請求権を課税財産とした原処分は相当である。(平18.10.27 広裁(諸)平18-14)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140005
- 裁決年月日
- 平成15年1月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・566ページ
要旨
○ 原処分庁は、土地の売買契約締結後、契約完了までの間に相続が発生した場合、同土地の価額は売買残代金請求権(債権)として評価すべきと主張し、確かに当該売買契約が、売主、買主の双方が誠実に義務を履行され、同債権が確定的に被相続人に帰属していることを肯定できる場合であれば、そのように解釈すべきである。しかしながら、本件の場合は、当該不動産売買契約は、売主(被相続人)側の責めに帰すべき理由が何等ないにもかかわらず、もっぱら買主側の事情により履行が遅延し、契約締結後約2年8か月経過した相続発生の日においても履行遅延の状態にあり、最終的に契約締結後約4年4か月、予定された契約履行の日から約3年4か月、相続開始から約1年7か月経過後に解除されたことからすれば、相続開始時点において、同契約に係る売買残代金請求権が確定的に被相続人に帰属していたことを肯定できないため、土地として評価するのが相当である。(平15.01.24.金裁(諸)平14-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110068
- 裁決年月日
- 平成12年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件売買契約は本件相続開始後に締結をしたものであるから、請求人らが本件相続により取得したのは本件土地そのものである旨主張するが、①売買契約は、本件相続開始前に授受された金員がその領収書の記載や売買残代金の決済額などからみて手付金の一部というべきであり、当該金員が授受された日に当事者の合意により成立したと認められること、②相続開始前に農地法第5条1項第3号の規定による届出が受理されていること及び③相続開始の約50日後に売買残代金を決済していることから、たとえ土地の所有権が相続開始時に売主である被相続人に残っているとしても、もはやその実質は売買代金債権を確保するための機能を有するにすぎないものであり、独立して相続税の課税財産を構成しないというべきであるから、本件相続において相続税の課税財産となるのは、売買契約に係る売買残代金請求権であると解するのが相当である。(平12. 1.31大裁(諸)平11-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100117
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意書及び本件覚書の作成は本件相続開始の後であり、本件売買契約が本件相続開始の時点において有効に成立していたとはいえないから、売買代金債権は確立していない旨主張する。しかしながら、本件売買契約は結果的に約定どおり履行されたものと認められ、同契約は解約されずに継続していたものとみるのが相当であり、本件合意書及び本件覚書は、本件売買契約を解約し賃貸借契約に変更したように仮装するために作成されたものと推認されることから、本件売買契約は本件相続開始の時点において有効に成立していたものと認められる。したがって、本件土地は、本件相続開始の時において所有権の移転が完了していないが、もはやその実質は売買代金債権を確保するための権能を有するにすぎないものであり、請求人の相続した本件土地は独立して相続税の課税財産を構成しないというべきであって、本件相続の課税財産となるのは、本件土地に係る本件売買残代金債権であるから、請求人の主張には理由がない。(平11. 6.30関裁(諸)平10-117)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090055
- 裁決年月日
- 平成10年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の売買契約は成立後3年経過しても進展がなく、売買取引が完了する見込みも予想できず、残代金を受領する期日も確定していなかったのであるから、相続財産は残代金請求権ではなく、本件土地そのものであり、評価基本通達により評価すべきである旨主張するが、売買契約は成立時から完了時まで継続して有効であったこと及び相続開始時までに本件土地の引渡しがなされていないことから、相続税の課税上、本件土地の売買契約中に本件相続が発生したと認められ、そうすると、本件土地の所有権は、本件相続開始の時点において本件売買契約上の売主に残っているとしても、その実質は、本件残代金請求権を確保するための機能を有しているに過ぎないものであり、原処分庁が、本件残代金請求権を課税財産としたことは相当と認められる。(平10. 2.27名裁(諸)平 9-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090064
- 裁決年月日
- 平成9年11月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、第一次本件土地売買契約書は、被相続人の二男の配偶者Aが自己の借入金返済のため、被相続人所有の本件土地を売却するおそれがあったことから、本件土地の保全を目的として、土地に条件付所有権移転の仮登記をするため、形式的に作成されたものであり、本件土地の売買があったものとは認められないから、本件土地の相続税の課税価格に算入される価額は路線価方式により評価した価額となる旨主張する。しかしながら、Aは被相続人の相続人の地位になく、被相続人が同人の債務を保証していたとの事実も認められないから、本件土地の保全を目的として当該契約書が作成されたとの原処分庁の認定は根拠に乏しいものといわざるを得ない。そして、本件土地については、相続開始前に当該土地売買契約が成立し、相続開始後にこの契約を確認するために第二次本件土地売買契約を締結したと解するのが相当であるので、本件相続開始日において本件土地の所有権がまだ売主である被相続人に残っていたとしても、もはやその実質は売買代金債権を確保するための機能を有するにすぎないものであるから、本件土地の所有権は、独立して相続税の課税財産を構成せず、相続税の課税財産となるのは、売買残代金であると解するのが相当である。 よって、原処分はその全部を取り消すべきである。(平 9.11.19東裁 (諸)平 9-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080203
- 裁決年月日
- 平成9年5月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・334ページ
要旨
○ 請求人らは、売買契約締結後に相続が開始した借地権及び建物については、第一回中間金受領の際に建物は買主に所有権移転登記をしたが、建物には引き続き被相続人等が居住しており、さらに、相続開始後も妻や長男等が居住して建物を明け渡すまでの間地代を支払い、明渡しと同時に土地の賃借権の敷金の返還を受けたので、相続開始時には借地権及び建物は引渡し未了であるから、被相続人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、相続開始時までに売買代金の総額の7割を受領していること並びに建物の所有権移転登記及び移転登記に伴う固定資産税の負担等が売買契約の定めのとおり履行されていることから判断すれば、相続開始時において、借地権及び建物は既に買主に帰属しているものと解され、請求人らが明渡しまでの間地代として支払った金員は、借地権が譲受人へ移転した以降は、建物の家賃に実質的に変化したもの又は借地権等の引渡遅延損害金とみるのが相当であり、敷金の返還の時期については、当事者間の賃貸借の一切が終了した時期として据えるのが相当である。そうすると、請求人らが相続により取得した財産は、この売買契約に基づく残代金請求権と認められるから、請求人らの主張は採用できない。(平 9. 5.14東裁(諸)平 8-203) 裁決事例集No53・334ページ
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