裁決要旨 1分割財産に係る課税価格
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030056
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各相続人が被相続人の資産及び負債を法定相続分どおり相続又は負担することとしたのであるから、当該相続人全員の合意内容に基づいて相続税の額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法と遺産分割の制度とでは、対象となる財産の範囲、財産の評価時点及び評価方法等が相違するから、遺産分割が民法の規定する法定相続分に従ってなされたとしても、相続税法においては各相続人間の相続税額が法定相続分どおりになるとは限らないものであり、請求人が主張する相続人全員の合意内容とは、飽くまでも各相続人が取得する財産の分割時の時価を基礎とするものであるから、これにより分割時の時価に基づいて法定相続分の割合をもって遺産分割が成立したとしても、当該割合と相続税評価額により算定される課税価格を基礎とする相続税法第17条《各相続人等の相続税額》に規定する割合が異なることは、相続税法と遺産分割の制度の違いから生じ得るものであり、かかる相違が生じても不合理とはいえないから、請求人の主張には理由がない。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030056
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、調停条項の文言の解釈において、調停の成立に至るまでの当事者間の交渉経緯等の審理経過や当事者の意思などを踏まえるべきではなく、調停条項の文言を離れて相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》の(2)の定めにより代償金の価額を計算すべきではない旨主張する。しかしながら、調停条項に調停等を求めた結論部分以外に記載がないとしても、その記載がないところにおける合意はあり得るため、同通達に定める代償金の価額を算定する上でも、調停条項以外の事実関係を前提にできると解するのが相当であり、本件においては、調停事件の当事者間で当該合意が存在し、これに基づいて代償金の額が決定されたのであって、相続税法基本通達11の2-10の(2)の定めによる代償金の価額の算定においても、基礎とすべきものである。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030056
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調停条項により不動産等を取得したことで請求人にも代償金が発生しており、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》の(2)の定めによる代償金の価額の算定に当たっては、このことを考慮すべきである旨主張する。しかしながら、代償分割は、遺産の中の特定の財産について、現物分割の方法によることが困難である等の事情が存在する場合に、相続人の一人又は数人に具体的相続分を超えて当該財産を現物で取得させ、当該相続人に代償金を負担させる分割方法というべきものであるから、遺産分割審判(調停)において、通常、具体的相続分を超える現物の財産を取得した相続人以外の相続人について、その取得した財産が代償分割対象財産となることはあり得ないと解するのが相当であるところ、請求人が調停条項のとおり調停が成立したことで取得した財産は、その具体的相続分を超えるものではなく、また、請求人が代償金を支払う負担を負っていたという事実も認めることはできない。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-56)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030011
- 裁決年月日
- 令和3年12月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人と被相続人の養子(本件養子)との間における遺留分減殺請求に関する合意(本件合意)は、裁判所が後見的に関与していない上、価額弁償の対象財産の本件合意の時における価額は、時点が混在したものであるから通常の取引価額とは認められないとして、請求人の相続税に係る取得財産の価額に算入すべき価額弁償金の金額を相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(本件通達)(2)の定めに準じた計算をすることはできない旨主張する。しかしながら、本件合意に裁判所が後見的に関与していないとしても、対立する当事者が交渉及び調整を重ね、両者が歩み寄って合意した価額を通常の取引価額とみることには一般的な合理性があるところ、価額弁償の対象財産の本件合意の時における価額は、請求人及び本件養子が交渉及び調整を重ね、鑑定評価額等も踏まえて歩み寄った結果として合意したものであり、通常の取引価額と認められるから、本件通達(2)の定めを準用することができる。(令3.12.21 関裁(諸)令3-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030022
- 裁決年月日
- 令和3年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の亡母の相続(本件相続)に伴う相続税の計算において請求人が行った代償財産の価額の計算方法は、共同相続人全員の協議に基づくものではなく、相続税法基本通達(本件通達)11の2-10《代償財産の価額》ただし書(1)の要件を満たしていないことから、本件における代償財産の価額は、本件通達11の2-10ただし書(2)に定める計算方法により算出すべき旨主張する。しかしながら、請求人及び他の相続人の意思に基づいて作成された合意書(本件合意書)に記載された代償財産の価額を算出するための計算方法は、共同相続人間における相続税の課税価格及び税額が等しくなるよう代償財産の価額を計算するものであり、相続税の総額を不当に減少させるものではなく合理性が認められる。したがって、本件相続に伴う相続税の計算における代償財産の価額は、本件通達11の2-10ただし書(1)の定めにより、本件合意書に基づく計算方法により算出するべきである。(令3.12.13 大裁(諸)令3-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和2年8月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№120
要旨
○原処分庁は、遺留分減殺請求訴訟の和解(本件和解)の際に、共同相続人の間で相続税の取得財産の価額に算入又は控除する価額弁償金(本件価額弁償金)の金額について何らかの合意があったと考えるのが自然であるとして、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する本件価額弁償金の金額は、相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》(本件通達)(1)の要件を満たしており、本件通達(2)によるべきとする更正の請求は認められない旨主張する。しかしながら、訴訟中から申告までの間に直接やり取りをしていた訴訟代理人間において、本件価額弁償金をいくらとして申告するかについて協議がされていないことについては、同人らを含む関係者の答述が一致しており、訴訟中から申告に至るまでの経緯等に照らしても、本件価額弁償金については、その申告額を具体的に協議した事実は認められず、他に申告額についての具体的な協議の事実が認められるような事情もないことからすれば、その協議はなかったと認められるから、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する本件価額弁償金の金額は、本件通達(1)の場合には該当しない。そして、本件価額弁償金の金額は、対象財産が特定され、かつ、本件和解時に合意された当該対象財産の通常の取引価額を基として決定されたものであるから、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する金額は、本件通達(2)に定める方法により計算すべきである。(令2.8.11東裁(諸)令2-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010032
- 裁決年月日
- 令和2年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、裁判上の和解(本件和解)により他の相続人から請求人に対して支払われることが確定した金員(本件金員)は、遺留分減殺請求に対する価額弁償として支払われる弁償金ではないから、請求人が相続により取得した財産に該当しないなどとして、請求人に対して行われた更正処分(本件更正処分)は相続税法第35条《更正及び決定の特則》第3項に規定する要件を充足していない旨主張する。しかしながら、本件和解に係る和解調書上、本件金員が遺留分減殺請求に対する価額弁償として支払われる弁償金であることは明らかであり、本件金員を請求人の課税価格に算入すべきであることなどによれば、本件更正処分は、同項に規定する要件を充足しているといえる。(令2. 2. 6 関裁(諸)令元-32)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280029
- 裁決年月日
- 平成29年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割審判(本件審判)により遺産の分割が確定したとして、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。)第32条《更正の請求の特則》第1号の規定に基づく更正の請求をしたところ、原処分庁が、本件審判により取得した代償金(本件代償金)は相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》ただし書(2)(本件通達)を適用し課税価格に算入すべきなどとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分をするとともに、相続税法第35条《更正及び決定の特則》第3項第1号の規定に基づき更正処分をしたことに対し、請求人の課税価格については、本件審判においては遺産(特別受益を含む。)を法定相続分の割合で公平に分割したのであるから、原処分庁の計算では税負担が平等ではなく、請求人が合理的と考える本件審判における遺産の取得割合に応じて計算すべきなどと主張する。しかしながら、本件代償金は代償財産に該当し、本件代償金については、代償財産の価額について、共同相続人の全員の協議に基づき合理的と認められる方法等で計算して申告があった場合とは認められないから、本件通達に定める計算方法によって調整計算されることになり、また、相続税法第11条の2《相続税の課税価格》第1項は、相続により取得した財産の価額の合計額をもって相続税の課税価格とする旨規定していることから請求人の主張には理由がない。(平29. 5.22 名裁(諸)平28-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250009
- 裁決年月日
- 平成25年10月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺留分減殺請求に係る共有持分確認等請求訴訟(本件訴訟)の和解(本件和解)によって取得した各土地の持分(本件各土地持分)について、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》ただし書(2)に定められた算式により相続税の課税価格を計算(本件調整計算)すべきである旨主張する。しかしながら、本件調整計算を行うことができるのは、価額弁償の額が、①価額弁償の対象となった財産が特定されて決定されていること、及び②価額弁償の対象となった財産の価額弁償の時における通常の取引価額を基として決定されていることの2つの要件を満たす場合に限られるところ、①本件訴訟及び本件和解に至る経緯においては、遺留分算定の基礎財産となる本件訴訟の相手方の特別受益の事実や金額について請求人と当該相手方との間で合意が形成された事実は認められず、また、②本件各土地持分などの不動産の評価額は、請求人と当該相手方との間の合意により通常の取引価額で決定された事実は認められないことから、本件各土地持分の決定は、上記2つの要件を満たしていない。したがって、本件調整計算を行うことはできない。(平25.10. 1 関裁(諸)平25-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250027
- 裁決年月日
- 平成25年8月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 原処分庁は、請求人が提起した遺留分減殺請求訴訟(本件訴訟)の判決(本件確定判決)において、①価額弁償の対象となった不動産(本件分割対象不動産)は特定されているが、②価額弁償金の額は、価額弁償の時ではなく、相続開始日における本件分割対象不動産の通常の取引価額を基に決定されていることから、相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》(2)の定めは適用できない旨主張する。しかしながら、遺留分減殺請求訴訟において、受贈者又は受遺者が遺留分権利者に対し事実審口頭弁論終結前に裁判所が定めた価額により民法第1041条《遺留分権利者に対する価額による弁償》の規定による遺留分の価額の弁償をなすべき旨の意思表示をした場合、相続税法基本通達11の2−10 (2)を準用する際に用いる上記②の「価額弁償の時」とは、「事実審口頭弁論終結の時」と解されるところ、本件確定判決において、本件分割対象不動産の価額につき、「この価額は、請求人提出の相続開始日を価格時点とする不動産鑑定評価書等における価額であり、現時点で、同価額と異なる証拠はないことから、同証拠により価額を認定する」旨判示されていることからすると、本件確定判決において認定された「現時点」の価額は、本件訴訟の控訴審の口頭弁論終結の時を基準日とする価額であると認められ、また、その価額は、その基準日における通常の取引価額であると認められる。そうすると、本件確定判決は、価額弁償の対象となった財産の価額弁償の時における通常の取引価額を基に価額弁償金の金額を決定しているということができるから、相続税法基本通達11の2−10(2)の定めを適用することが相当である。(平25. 8.29 東裁(諸)平25-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240116
- 裁決年月日
- 平成24年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各不動産を取得した原因は、請求人らが請求人らの兄弟である本件被相続人に対して亡父の遺産について遺留分減殺請求を行った結果によるものである旨主張する。しかしながら、本件各不動産の登記の状況に照らすと、本件被相続人は亡父以外の第三者からの売買等により本件各不動産を取得していると認められ、そもそも、亡父が本件各財産を所有していたことを認めるに足りる証拠は見当たらないことなどから、本件被相続人が亡父の処分行為により本件各不動産を所有したとはとは認められない。また、本件各不動産に係る登記原因証書の記載及び本件各不動産の所有権移転登記申請に係る司法書士の答述からすると、本件各不動産の所有権又は持分の移転登記がされた時点においては、請求人ら及び本件被相続人はその移転原因を贈与(死因贈与を含む。)とする意思であったと認められること並びに請求人らの贈与税の申告から認められる請求人らの行動に照らすと、請求人らは、本件各不動産を本件被相続人からの贈与又は死因贈与により取得したものであると認識していたものと認められる。これらのことからすると、請求人らが本件被相続人から本件各不動産を取得した原因は、贈与又は死因贈与であると認められる。(平24.12. 4 東裁(諸)平24-116)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230001ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産を代償分割の方法により分割した際、代償対象財産を不動産のみとして代償債務の額を決定したのであるから、このことを前提に、相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》を適用して課税価格の調整計算をすべきである旨主張する。しかしながら、相続税法基本通達11の2−10(2)の調整計算が認められるためには、①代償債務の額が代償分割対象財産が特定された上で決定されていること及び代償債務の額が当該財産の代償分割時の時における通常の取引価額を基として決定されていることの2つの要件を満たすことが必要とされており、これに該当しない場合であっても、②共同相続人全員の協議に基づいて代償財産の価額を当該調整計算の方法に準ずる方法その他合理的と認められる方法によって計算して申告があったときはこれを認めることとしているところ、本件においては、①遺産分割協議では、共同相続人から相続税の申告について全面的な委任を受けた税理士の主導の下に、不動産を含むすべての相続財産を対象に、相続税の額が最も低くなるように代償債務の額を定めたものと認めるのが相当であり、また、②共同相続人全員の協議に基づいて代償債務の額を当該調整計算の方法に準ずる方法その他合理的と認められる方法によって計算して申告をしたとは認められないから、請求人の主張する課税価格の調整計算をすることはできない。(平23. 7. 4 大裁(諸)平23-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220063
- 裁決年月日
- 平成23年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺留分減殺請求をしたことにより成立した和解(本件和解)において遺留分侵害者から支払われることとなった和解金(本件和解金)について、その一部に遺留分侵害者から返還を受けるべき修繕費等立替金が含まれているから、当該立替金相当額を控除した残額が、遺留分として取得した金額となる旨主張する。しかしながら、本件和解に係る合意書には、請求人の遺留分侵害者に対する遺留分に基づく減殺額が、本件和解金の金額であることを確認する旨明記されている一方で上記立替金に関する記載はない。加えて、請求人が主張する立替金の一部については、請求人がこれを支払ったことを認めるに足りる証拠はなく、また、請求人は、本件和解後に、遺留分侵害者を相手に上記立替金の返還を求める民事調停の申立てをするなどしていることからすると、請求人の答述をにわかに信用することはできない。したがって、本件和解金に上記立替金が含まれているとは認められないから、請求人の主張は採用できない。(平23. 3. 7 大裁(諸)平22-63)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220166
- 裁決年月日
- 平成23年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501990
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 原処分庁は、本件遺言書記載の各相続人名義の預貯金等(本件預貯金等)が、本件相続開始日現在では請求人によって換金されて現金として保管されていたという事実の下、本件遺言書は、不動産以外の財産については、請求人及び二男に相続させることを原則とする趣旨であると解される旨主張する。しかしながら、本件遺言書第4項ただし書には、預貯金等で本件被相続人名義になっていないものは、各名義人の所有である旨記載されているところ、①当該記載及び追加遺言書に「三女がこのお金をおろす時は」と記載されていることからすると、本件被相続人は、本件預貯金等については、各名義人以外の者がこれを換金することは予定しておらず、本件相続開始日まで本件預貯金等がそのまま維持されていることを想定していたものと認められること、②本件預貯金等は、本件被相続人が亡夫から相続したものであり、本件被相続人の意思で各人名義の預貯金等としたものであること、③本件預貯金等の換金は請求人が行ったことであり、本件被相続人は当該換金の事実を知らなかったことを併せかんがみれば、本件遺言書第4項ただし書は、同書作成時に本件被相続人が各人名義で預貯金等としていたものは、換金のいかんにかかわらず、これを各名義人に遺贈する趣旨であると認めるのが相当である。(平23. 3. 7 東裁(諸)平22-166)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220068
- 裁決年月日
- 平成22年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501030
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/3特別縁故者への財産分与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、家庭裁判所において本件被相続人の相続財産から分与された金員について、相続税の課税対象には当たらない旨主張する。しかしながら、相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの。以下同じ。)第2条《相続税の課税財産の範囲》は、相続税の課税財産の範囲につき、その者が相続又は遺贈により取得した財産の全部と規定し、同法第3条の2《遺贈に因り取得したとみなす場合》は、民法第958条の3《特別縁故者に対する相続財産の分与》第1項の規定により同項に規定する相続財産の全部又は一部を与えられた場合においては、これを被相続人からの遺贈により取得したものとみなして、相続税の課税財産とする旨を規定しているところ、当該金員は、民法第958条の3第1項に規定する相続財産の一部の分与によって取得した財産に該当することが明らかであるから、相続税の課税対象となる。(平22. 9.29 東裁(諸)平22-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210039
- 裁決年月日
- 平成22年2月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501990
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は、分割協議がなされておらず、本件審判により共同相続人に均等に分割することが確定したことから、法定持分割合であん分したところにより課税価格を算出すべきであり、本件更正の請求は認められる旨主張する。しかしながら、第二次相続に係る相続税申告書では、本件貸付金について貸付先である請求人を含む5名の相続人が取得する旨の記載があり、その他の財産については未分割であるとして課税価格の計算がなされていることから、本件貸付金が未分割財産として課税価格が計算された申告がなされておらず、相続税法第32条第1号に基づく更正の請求の要件を満たさないことから、請求人の主張は認められない。(平22. 2.24 大裁(諸)平21-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200117
- 裁決年月日
- 平成21年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金員は遺留分減殺請求に対する価額弁償金として受領したものではなく、本件被相続人の異父妹から包括遺贈により取得した預託金返還請求権に基づきその一部の弁済を受けたものである旨主張する。しかしながら、本件金員が支払われた趣旨についてみると、次のとおりである。請求人は本件被相続人の相続人の一人であったところ、本件被相続人はその財産のほとんどを同人の配偶者に相続させる旨の本件遺言をしていたから、本件遺言が請求人の遺留分を侵害する可能性が高かった。そこで、請求人は代理人である弁護士を通して本件遺言執行者に対し、平成17年2月4日付の本件通知書において、本件遺言は請求人の遺留分を侵害しているとして、遺留分減殺請求の意思表示をするとともに、請求人の遺留分相当額の遺産の交付を要求した。これに対して、本件遺言執行者は、平成17年2月8日、本件遺産総額に対する請求人の遺留分相当額として、請求人の代理人である弁護士の普通預金口座に本件金員を振り込み、更に、本件遺言執行者は請求人に対して、平成17年3月31日付の本件報告書において、請求人に送金した金額は請求人の遺留分相当額であるとして、本件遺言の執行が完了した旨報告した。以上の事実からすると、本件金員は、請求人が遺留分減殺請求の意思表示をして、遺産の返還を求めたことに対し、その価額弁償として支払われたものと認めるのが相当である。したがって、請求人は本件金員を相続により取得したこととなるから、本件決定処分は適法である。(平21. 1.21 東裁(諸)平20-117)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150266
- 裁決年月日
- 平成16年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、交付した代償財産について、原処分庁が相続税法基本通達11の2−10により代償財産の価額を修正したことは違法である旨主張する。しかしながら、同通達11の2−10の取扱いは、遺産分割が代償分割の方法により行なわれた場合、交付した代償財産の価額を遺産分割の時の代償債務の額そのものとして当事者の課税価格を計算することは、相続により取得した財産の価額が相続開始の時の時価(相続税評価額)とされていることから、評価の時点が異なることとなり相当でないため、代償債務の額を代償分割の対象となった財産の相続開始の時の相続税評価額ベースに調整するものであり、各相続人の課税価格ひいては相続税額の負担割合の公平・適正化を図ることを目的としているもので、当審判所も相当と認めるところである。(平16.4.15東裁(諸)平15-266)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140054ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続人間で授受した本件合意書に基づく本件解決金は、慰謝料であるから、相続税の課税財産に当たらない旨主張する。しかしながら、本件合意書には、本件解決金が慰謝料であることをうかがわせる文言は見当たらず、請求人らが別件訴訟において、本件解決金は他の相続人が請求人らの遺留分を侵害したことに対する代償金である旨主張していることからみても、代償分割による代償財産と認定するのが相当である。(平15.03.03.大裁(諸)平14-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140134
- 裁決年月日
- 平成14年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、代償分割の対象となった財産が特定されているとして、第一次相続と第二次相続のそれぞれの年分の相続税評価額を基に代償債務の額をあん分しているが、本件遺産分割協議書において、本件各相続人合意の下、本件代償債務の額を第一次相続と第二次相続にそれぞれ2分の1ずつにするとしているのであるから、当該遺産分割協議が無効でない限り、本件は当該遺産分割協議に基づいて第一次相続及び第二次相続の相続財産の計算を行うのが相当である。また、請求人は、代償債務の額を相続税法基本通達11の2−10の(2)により評価換えすることは違法である旨主張するが、当該通達は代償債務と相続財産の評価時点が異なることから代償債務の額を代償分割の対象となった財産の相続開始時の相続税評価額ベースに調整するものであり、本件については代償分割の対象となった財産は、相続開始時の相続税評価額に基づき相続税の課税価格が計算されているのであるから、代償債務の額についてもその評価時点の価額に調整することは相当である。(平14.12.20.東裁(諸)平14-134)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120099
- 裁決年月日
- 平成13年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金員には遺留分減殺請求による弁償額以外の性格のものが含まれている旨主張するが、本件調停申立事件の相手方は、一貫して、請求人の主張を不合理である旨申し立てていたのであるし、また、本件調停においても、本件相続に係る遺留分の価額弁償として本件金員を支払うものとされ、この中に請求人の主張する性格の金員が含まれていることについて何ら記載されていない。以上によれば、請求人と相手方との間において、請求人の主張する金員の支払いについて、遺留分の価額弁償に加算して支払う旨の合意が成立したと認めることはできず、他に本件金員に遺留分減殺請求による価額弁償以外の性格の金員が含まれていると解すべき余地もないから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.9東裁(諸)平12−99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110112
- 裁決年月日
- 平成12年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501990
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・262ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人のすべての財産を請求人に遺贈する旨記載された遺言書が存在するが、他の相続人から当該遺言の無効の主張及び遺留分減殺請求の意思表示があり、遺産分割の家事審判が係属中の場合は、法定相続分の割合に従ってその課税価格を計算するべきである旨主張するが、①請求人は、当該遺言書の検認時に、それが被相続人の自書と押印によるものである旨陳述していること、②請求人は、遺贈の放棄をしていないこと及び③当該遺言の効力につき訴え等は提起されていないことが認められること等を考慮すれば、原処分庁が請求人は被相続人のすべての財産を遺贈により取得したものとし、かつ、遺留分減殺請求がなかったものとしてその課税価格を計算したところにより更正処分をしたことは適法である。(平12. 6.23名裁(諸)平11-112)裁決事例集 №59・262ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110075
- 裁決年月日
- 平成12年1月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501990
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第二次遺産分割協議によって本件定期預金の2分の1を取得した旨主張する。 しかしながら、相続財産の分割は、いかなる場合でも全相続財産を一括して行わなければならないものではないから、その一部の分割も許されるが、特に既になされた分割がその一部の分割と認められない限りは、その分割当時において相続人全員が相続財産と認識している財産全部について分割が行われたと解するのが相当であるところ、請求人は、本件相続開始日に本件定期預金の解約を他の共同相続人に依頼し、その共同相続人は、その依頼に基づき同人の妻とともに同預金の解約を行った上、その解約金を請求人に渡しており、さらに、請求人らは、本件申告書においてA普通預金の払戻金額8,000,000円を手元現金として記載していることからも明らかなとおり、本件定期預金については本件相続開始日に預金あるいは手元現金として存在していたことを十分認識していたというべきである。そうすると、請求人らは、本件定期預金が本件被相続人の相続財産であることを認識した上で、第一次遺産分割協議を行ったと認めるのが相当であるから、同預金については、第一次遺産分割協議によって請求人がそのすべてを相続により取得したと認めるのが相当である。(平12. 1.19東裁(諸)平11-75)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100069
- 裁決年月日
- 平成11年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501990
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、家庭裁判所の審判に基づき、相続財産に代わる財産(代替財産)を取得したことから、相続税の課税価格の計算は、代替財産の買付価額とすべきである旨主張するが、代替財産は、相続開始後、相続財産の一部を解約し取得したものであり、相続税の課税価格の基となる財産は、相続開始時に存在し、その後、解約された財産(転換前財産)であり、この転換前財産の相続開始時の価額が課税価格となる。(平11. 3.15名裁(諸)平10-69)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090030
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501010
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・452ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人の先代の共同相続人の一人から取得した代償債権の評価の時期は、相法第55条の規定から、先代の相続開始の日とすべきである旨主張するが、本件相続に係る分割協議は、請求人らの間で有効に成立しており、先代の不動産に係る法定相続分については、請求人らの相続分が確定し、本件相続に係る財産には未分割の財産は存在しないのであるから、同条の規定の適用はなく、また、請求人らは、本件調停によって本件被相続人に代位して代償債権を取得したのであり、本件被相続人が先代から相続により取得したものを、本件被相続人の死亡を原因として、この時点で代償債権を本件被相続人から取得したと解するのが相当であるので、その評価の時期は、同法第22条の規定により本件被相続人の相続開始の日とすべきである。(平10. 6.23福裁(諸)平 9-30) 裁決事例集No55・452ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090089
- 裁決年月日
- 平成10年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400501020
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、遺留分減殺請求権の行使により受遺者から取得した価額弁償金は、受遺者の固有の財産から受領したものであり、被相続人の遺産から取得したものでないから、相続税の納税義務者に該当しない旨主張するが、請求人らは、被相続人が作成した本件遺言公正証書により請求人らの遺留分が侵害されたとして、受遺者に対し遺留分の減殺請求を行い、その結果、本件調停に基づき受遺者から遺留分の減殺請求による価額弁償金として、本件金員を受領したものである。そうすると、本件金員は、被相続人の死亡に基因して、被相続人から相続財産を承継したことになるから、請求人らは、相続税の納税義務者に該当し、その課税価格は、本件金員の額になると解するのが相当である。(平10. 4. 7関裁(諸)平 9-89)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090068
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400501990
- 争点
- 5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・425ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人の亡父名義の出資証券は、未分割財産であるから、被相続人の遺産とするのは、亡父の相続に係る被相続人の法定相続分に相当する部分である旨主張するが、被相続人の亡父に係る遺産分割協議書の記載から、本件出資証券は、被相続人が亡父から相続により取得したものと認められ、同出資証券の全部が被相続人の遺産と認められる。また、請求人らは、被相続人の亡父の相続人から、本件出資証券の遺産分割の申出がある旨主張するが、当審判所にその主張に沿う資料の提出がなく、また、別訴相続財産確認請求事件について、被相続人の亡父の相続人は応訴せず、同出資証券の全部が被相続人の遺産であるとの判決言渡しがあったことから、請求人らの主張には理由がない。(平10.3.31名裁(諸)平 9-68) 裁決事例集No55・425ページ
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