裁決要旨 7医療法人の出資持分
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人及びその配偶者が設立した法人(本件出資法人)が所有する医療法人(本件医療法人)に対する出資の持分(本件持分)の価額について、本件出資法人は、本件医療法人の社員ではないため持分払戻請求権を有していないこと、また、本件医療法人の解散時の残余財産から払戻し等を受けられる権利は、相続の開始時には潜在的な権利に過ぎず譲渡性もないことから、零円とすべきである旨主張する。しかしながら、本件医療法人は、定款において①退社した社員はその出資額の払戻しを請求することができる旨、②本件医療法人が解散した場合の残余財産は振込出資額に応じて分配する旨定めていることからすると、本件医療法人の出資者は、退社時又は残余財産分配時に本件医療法人の財産から総出資額中に当該出資者の出資額が占める割合に応じた額の分配を受ける権利を有していると認められ、本件出資法人は本件医療法人の財産を本件出資法人が所有する持分の口数において共同所有しているといえることからすると、本件出資法人が持分払戻請求権を有していなくとも、本件医療法人の財産を本件持分の割合で共同所有していることに変わりはないのであるから、本件持分の経済的価値が零円となることはない。また、相続税法が規定する「財産」とは、金銭に見積もることのできる経済的価値のある全てのものをいい、いまだ明確な権利とはいえない財産法上の法的地位なども含まれると解されていることからすると、本件持分は、相続の開始時に残余財産分配請求権を行使できないとしても金銭に見積もることができる経済的価値を有しているものといえる。 (令4. 7. 13 福裁(諸)令4-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240013
- 裁決年月日
- 平成24年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が退社した医療法人(本件医療法人)の出資持分(本件出資持分)の評価に当たり、請求人の退社当時、本件医療法人の定款(本件定款)は、払込済出資額を限度として払戻しを請求できる旨定め、その定めは、請求人の退社当時、社員の大半が出資持分を有していなかったことから、出資持分の割合に応じて出資の払戻しをする旨に変更される可能性はなかったなどとして、財産評価基本通達(評価通達)194−2《医療法人の出資の評価》の定める方法により本件出資持分を適切に評価することができない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、医療法の規定に照らせば、請求人の退社当時、本件定款を変更して、本件医療法人の財産全体につき自らの出資額の割合に応じて払戻し等をできる旨定めることは法的には可能であったものと認められるから、このような事情は、評価通達194−2の定める方法により本件出資持分を適切に評価することができない特別の事情には当たらない。(平24.11.27 広裁(諸)平24-13)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220030
- 裁決年月日
- 平成23年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 原処分庁は、医療法人K会の出資持分(本件出資持分)について、本件相続開始時点で本件被相続人名義でないものも存するが、実質的に支配・管理していたのは本件被相続人であるから、同人に帰属するのは910口である旨主張する。しかしながら、財産の帰属については、当該財産の名義のほか、運用状況・取得原資の出えん者と名義人及び管理運用する者との関係・贈与契約の有無等の諸要素を総合勘案して当該財産の実質的な帰属を判定すべきであり、私法上の行為によって当該財産の帰属が変更された場合、当該財産を取得した者は当該財産を自由に利用・処分することができるのであるから、総合勘案に当たっては、当該私法上の行為による担税力の変動を前提に課税関係を判定すべきであり、当事者の実体の伴わない意図で法律行為を行うなど、私法上も当該財産の帰属が変動しないと解すべき特段の事情のない限り、これを否定することは適切ではない。本件においては、K会の設立当初は、本件出資持分910口の全部が本件被相続人に帰属していたと認められるものの、その後、本件被相続人と各相続人との間で本件出資持分合計845口を贈与する旨の契約書が作成されており、当該契約書は真正に作成されたものと認められ、本件被相続人及び当該各相続人との間で実質的にも贈与契約に係る意思が存在していたと認められることから、当該贈与契約は有効に成立しているものと認められる上、当該贈与について社員総会の承認も得ていることからすると、本件出資持分845口については、当該各相続人に移転したと認めるのが相当である。これらのことからすると、本件相続開始時において本件被相続人に帰属する本件出資持分の口数は、65口(910口−845口)となる。なお、K会の定款の定めによれば、出資持分を有する社員は、退社により社員たる地位を喪失し、K会に対する出資持分を失うとともに、払込済出資額を限度とする出資金払戻請求権を取得することになるところ、当該各相続人は、いずれの者も本件相続開始前に退社していることからすると、当該各相続人は、本件相続開始時において、K会に対する出資持分を失っていることとなるから、本件相続開始時におけるK会の出資持分の総数は、本件被相続人が保有する65口となる。したがって、本件出資持分の評価は、本件被相続人が保有する65口を総口数として、財産評価基本通達194−2《医療法人の出資の評価》の定めにより評価することとなる。(平23. 6.28 広裁(諸)平22-30)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220011
- 裁決年月日
- 平成23年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人らは、出資額限度法人(定款において退社・解散時に払込出資額を限度として払戻し・分配等を行うことを決めた社団医療法人)であるT会(本件法人)に対する出資持分(本件出資持分)の価額について、本件法人の定款(本件定款)には、払込出資額を超えて払戻しをしないこと、本件法人が解散した場合の残余財産は払込出資額を限度とすることが定められており、請求人らはいずれの場合においても、払込出資額を超えて払戻し等を受けることはできないから、相続税法第22条《評価の原則》の時価、すなわち、本件出資持分の客観的交換価値は、本件払込出資額を上回るものではない旨主張する。 しかしながら、本件法人は出資額限度法人であるが、出資持分の定めのある社団医療法人であり、また、本件定款には払戻し等に係る定めの変更を禁止する条項が存するが、法令において、定款の再度変更を禁止する定めがない中では、このような条項があるからといって、法的に当該変更が不可能になるものではない。そうすると、本件出資持分の権利の内容の範囲については、本件相続時における定款の定めに基づく出資の権利内容がその後変動しないと客観的に認めるだけの事情はないといわざるを得ず、ほかに財産評価基本通達194−2《医療法人の出資の評価》の定める方法で本件定款の下における本件法人の出資を適切に評価することができない特別の事情も認められないから、本件出資持分について、同通達の定める方法により評価した原処分は相当である。(平23. 3.16 熊裁(諸)平22-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210041ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件新定款は、拠出金払戻請求権及び残余財産分配請求権について、自らが拠出した範囲に限定していることからすると、本件医療法人は出資額限度法人と認められる。しかしながら、定款変更により、出資額限度法人へ移行したとしても、定款の後戻り禁止規定や医療法人の運営に関する特別利益供与の禁止が法令上担保されておらず、また、出資額限度法人の出資者は、通常の持分の定めのある医療法人との合併により、当該医療法人の出資者となることが可能であり、合併や譲渡の場合には、法人内に留保されている利益の多寡も大きな要素であることからすれば、定款の後戻り禁止規定等が法令上担保されていないこと等を併せ考慮すると、本件医療法人の拠出金の価額は、通常の出資持分の定めのある医療法人と同様に財産評価基本通達194-2の定めに従い評価すべきである。(平21.11.19 関裁(諸)平21-41)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200018
- 裁決年月日
- 平成21年1月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・413ページ
要旨
○ 請求人は、本件相続の開始の際には、社員・役員全員の同意により出資持分権者がその有する請求人の出資持分を放棄することが決定済みで、その履行途中の段階にあったのであり、このような特別の放棄の意思決定及び特別の法的手続の拘束下にあり、不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれること自体が起こり得ない本件出資持分の価額は、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)に定める評価方法に基づいた評価額で評価すべきでなく、かかる取引が行なわれる場合に通常成立するとみられる価額は零円と評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達に定められた評価方法は合理的なものであり、これが形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平をも実現することができるといえるから、評価通達194−2に定める評価方法を適用したのでは適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるなど、評価通達194−2の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある場合を除き、評価通達194−2に定める評価方法により、取引相場のない株式に準じて評価することが相当であると認められるが、本件においては、このような特別な事情は認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-18)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成18年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・589ページ
要旨
○ 請求人らは、定款において退社・解散時に払込出資額を限度として払い戻すことを定めた医療法人(以下「出資額限度法人」という。)の出資持分の価額については、①医療法人は非営利法人であり営利法人とは異なること、②財産評価基本通達194-2に定める評価方法は出資額限度法人でないことを前提としたものであること、③出資限度額法人が出資持分の定めのある社団たる医療法人へ移行(後戻り)すること(以下「本件移行(後戻り)」という。)は厚生労働省医政局長から適当でない旨の通知により事実上禁止されており、本件移行(後戻り)を禁止している定款規定の変更を行う際に必要な知事の認可を受けることができないことから、同通達194-2による評価は著しく不適当であり、払込出資額によるべきである旨主張する。 しかしながら、①医療法人は、医療法で剰余金の配当を禁止しているものの、一般の営利法人とその性格を異にするものではなく、医療法人の出資の価額を取引相場のない株式の評価に準じて評価することについて特段の不合理は認められないこと、②同通達194−2は、出資額限度法人でないことを前提とした通達ではなく、また、同通達は合理的であると認められること、③厚生労働省医政局長通知には、本件移行(後戻り)をすることは適当でない旨の記載はあるが、禁止する旨の記載はなく、その通知の基となった厚生労働省医政局長から国税庁課税部長への照会文書は、本件移行(後戻り)ができることを前提としており、また、医療法その他関係法令上、これを禁止する規定がないことからすれば、本件移行(後戻り)をすることが絶対的な拘束力を有して禁止されるものとは認めることができず、医療法第50条によりその手続が法令又は定款に違反しない限り定款の変更も可能であると認められることから、本件法人の出資持分の価額について同通達194−2に基づき評価した原処分は相当である。(平18.11. 8 福裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140215
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件法人の出資の評価について、①監督官庁の認可を経て変更した定款は効力のあるものであるから、定款に定められた方式により評価すべきであり、②東京地裁八王子支部判決及び同事件の所轄税務署は、出資額限度方式に変更した定款に基づく評価を認容しており、方式の違いはあっても変更した定款による評価は認められるべきである旨主張する。しかしながら、①変更された定款において、運用財産をもって分配するとした定めのほかにも出資持分に関する定めがあるから、これらの定めを総合して相続税法第22条の時価を判断すべきであり、さらに監督官庁の答述等から定款の変更は随時可能であり、これらのことは財産評価基本通達に定めた評価が著しく不適当と認められる特段の事情に当たらないと解されるのであり、さらに、②東京地裁八王子支部判決は、本件とは明らかに事実関係の異なる事件であって、先例性はないから本件法人の出資について財産評価基本通達194−2に基づき評価した原処分は相当である。(平15.03.25.東裁(諸)平14-215)
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。