裁決要旨 1自用家屋

裁決要旨 1自用家屋

支部名
関東信越
裁決番号
令060019
裁決年月日
令和6年11月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続人が相続(本件相続)により取得した建物(本件建物)及び本件建物などの敷地(本件各土地)については、本件建物が耐震基準を満たさない上、建築当初から構造的に欠陥のある建物であり、県によって倒壊又は崩壊の危険性がある旨公表されたことや、本件各土地を売却する場合には、多額の本件建物の取壊し費用を要するところ、財産評価基本通達(評価通達)にはこれを補正する定めがないから、評価通達の定める方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、本件建物は、本件相続開始時において、昭和56年6月1日以降の建築確認において適用される耐震基準(新耐震基準)を満たしていないとはいえるものの、同年5月31日以前に適用される耐震基準(旧耐震基準)を全く満たしていないなど、建築当初から構造的に欠陥を有していたに等しいといえる事情があるとは認められない上、震度6強から7に達する程度の大規模地震に対しては倒壊又は崩壊の危険性があるとしても、震度5強程度の中規模地震によって直ちに倒壊するおそれがあるとまでは認められないから、本件建物の強度が同時期に建築された同種の建物等と異なる脆弱なものであるとも認められず、また、請求人らが本件各土地を売却するためには本件建物の取壊しを要すると考えていたとしても、このことは、請求人らが考える主観的要因にとどまり、本件各土地の価額に影響を及ぼすべき客観的な財産固有の事情とはいえないから、本件建物及び本件各土地のいずれにおいても、評価通達の定める方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められない。(令6.11.25 関裁(諸)令6-19)

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支部名
関東信越
裁決番号
令040036
裁決年月日
令和5年5月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続により取得した建物(本件建物)の評価について、①本件建物の敷地に放置された有害物質を含有したコンデンサー(本件機器)から有害物質が漏えいしていること、②本件建物の敷地内に本件機器が放置されていることにより本件建物が売却できないこと、③本件建物に居住する請求人らの健康被害の可能性や心理的不安があることなどにより財産評価基本通達(評価通達)89《家屋の評価》の定めにより算出した価額から70%の減額をすべきである旨主張する。しかしながら、本件機器から有害物質が漏えいしていた事実は認め難く請求人らの主張は前提を欠く上、本件機器は本件建物の定着物ではなく、本件機器の存在により本件建物の売却ができない事実は認められず、また、請求人らが本件機器による心理的不安を感じていることなどは請求人らに係る事情であって客観的な本件建物固有の事情といえるものではなく、評価通達1《評価の原則》(3)に定める「その財産の価額に影響を及ぼすべき事情」には当たらないから、評価通達89の定めにより算出した価額から70%を減額すべき理由はない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)

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支部名
東京
裁決番号
平280062
裁決年月日
平成28年12月2日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続により取得した家屋(本件家屋)の価額について、本件家屋は、東日本大震災後、部屋の天井に亀裂が入るなど、多数の損耗が多く見られる状態にあることなど、財産評価基本通達(評価通達)の定める方法によらないことが正当として是認されるような特別の事情があるから、本件家屋の価額は、評価通達89《家屋の評価》に基づいて固定資産税評価額と同額とするのではなく、零円である旨主張する。しかしながら、市長村長が地方税法第388条《固定資産に係る総務大臣の任務》第1項に規定する固定資産の評価基準並びに評価の実施の方法及び手続(固定資産評価基準)に従って決定した家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができないなどの特別の事情が存しない限り、同法第341条《固定資産税に関する用語の意義》第5号に規定する価格すなわち適正な時価と推認するのが相当であり、これに依拠して家屋を評価する評価通達は相当と認められる。そして、本件家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準の定めに基づき算定した価額であり、その算定過程に不合理な点は認められない。また、本件家屋の固定資産税評価額は、東日本大震災の影響を考慮した上で決定されたものであり、当審判所が調査したところ、天井等におおむね請求人の主張する損傷は認められるものの、本件家屋の躯体は保持されていることや、本件建物が築40年を優に超えていることなどの事情を総合的に考慮すれば、このような損耗状況につき、経年減点補正を超えて更なる減価を要すると認められるものはない。これらを踏まえると、本件家屋について特別の事情があるとは認められず、請求人らの主張は、適正な時価であるという推認を妨げ、あるいは推認を覆すものではない。したがって、本件家屋の固定資産税評価額は適正な時価と推認され、相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」として相当である。(平28.12. 2 東裁(諸)平28-62)

支部名
大阪
裁決番号
平280025
裁決年月日
平成28年11月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続財産である家屋(本件家屋)に相続開始前に施された工事(本件工事)は、主として本件家屋のバリアフリー化を企図した生活に通常必要な修繕であり、本件家屋の価値を高めるための改築とはいえないから、財産評価基本通達(評価通達)89《家屋の評価》(本件通達)を適用する基礎となる本件家屋の固定資産税評価額(本件家屋評価額)は、相続開始時の状況に応じて付されたものである旨主張する。しかしながら、本件工事は、本件家屋の既存の基礎、柱、梁及び屋根を残し、それ以外の部分については解体・撤去した上で、新たに外壁、床、建具、天井、室内壁等を構築し、内装の仕上げをし、設備を設置するなど、家屋全般にわたり改築を施されたものであり、その工事請負代金に照らしても、その価値を相当に増加させるものであったと認められる。しかるに、本件家屋評価額は、本件工事が施された後も現在に至るまで変更がなく、本件工事による価値の増加が本件家屋評価額に反映されていないことからすれば、本件家屋は、本件相続開始日において、増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋であったと認めるのが相当である。このような場合、本件通達の定めにより評価しても、適正な時価を算定することはできないから、本件家屋は、評価通達5《評価方法の定めのない財産の評価》の定めに基づき、家屋に固定資産税評価額が付されていない場合等の評価方法を定めた評価通達89−2《文化財建造物である家屋の評価》の定めを参考に評価することが合理的である。(平28.11.17 大裁(諸)平28-25)

支部名
札幌
裁決番号
平240006
裁決年月日
平成24年12月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、贈与により取得した家屋(本件家屋)の価額は、本件家屋は減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)に規定する耐用年数を経過しているものであるから、同省令に規定する残存価額(取得価額に残存割合である100分の10を乗じて算定した価額)を基礎として評価すべきであり、財産評価基本通達89《家屋の評価》(本件通達)の定めにより固定資産評価額を基礎として算定した価額(本件評価額)は時価を上回るものである旨主張する。しかしながら、固定資産税における価格とは時価をいうから、家屋の固定資産評価額が合理的な評価方法により算定されていると認められる限り、これを家屋の客観的交換価値と認めるのが相当であるところ、本件家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準に基づき、一般的な合理性を有するものと解されている評価方法(家屋の再建築費評点数を基礎としてこれに家屋の損耗の状態等による減点を行う評価方法)により適正に算定されていることから、客観的な交換価値を正確に反映したものと認められる。したがって、本件通達の定めにより当該固定資産税評価額を基に算定した本件評価額が時価を上回るとは認められない。また、耐用年数省令は減価償却費を計算するためのものであって、客観的交換価値を計算するためものではないから、請求人の主張する耐用年数省令が規定する残存価額は、本件家屋の客観的な交換価値を反映したものとは認められない。(平24.12.13 札裁(諸)平24-6)

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支部名
大阪
裁決番号
平210067
裁決年月日
平成22年6月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件建物の評価に当たり、①著しい損耗、②収益物件としての価値の無さ、③廃業後長年経過している病院という心証の悪さが、財産評価基本通達89《家屋の評価》を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情に当たる旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達89においては、家屋は固定資産税評価額に基づき評価することとされており、その固定資産税評価額については、3年ごとの基準年度に、再建築価格を基準として、これに家屋の減耗の状況による補正及び需給事情による補正を行って評価する方法が採られているところ、本件建物についても、これらの補正が必要であるか否かを判断した上で必要な補正が行われているから、請求人指摘の事情等はすべて固定資産税評価額において考慮されていることとなり、財産評価基本通達89においても、請求人指摘の事情等はすべて考慮されていることになる。したがって、本件建物について、財産評価基本通達89を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情があるとは認められない。(平22. 6. 7 大裁(諸)平21-67)

支部名
東京
裁決番号
平200049ほか 2件
裁決年月日
平成20年10月2日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件物件は、車庫として賃貸していることなどの特別の事情が存するから、その敷地権及び建物の価額を財産評価基本通達に基づいて画一的に、居住用マンション等と同じ方法で評価するのは不適当であり、不動産鑑定士による鑑定評価額によるのが相当である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達による画一的な評価は、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減という見地からみて合理的であり、これを形式的にすべての納税者に適用して財産の評価を行うことは、租税負担の実質的公平をも実現することができ租税平等主義にかなうものであるから、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるなどの特別の事情がある場合を除き、財産評価基本通達の定めに基づき評価した価額をもって時価とすることが相当である。本件についてみると、本件建物は固定資産税評価額が居住用のマンションと比較して30%程度低く定められており、本件建物の構造が固定資産税評価額に反映されていると推認できる。そして、本件建物は周辺のマンションにおいて一般的な構造の車庫である。また、本件土地の利用方法は、本件土地の存する地域において標準的なマンション敷地であり、本件被相続人の有する持分が他の区分所有者が有する共有持分と質的に異なることはない。したがって、財産評価基本通達により評価したのでは適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるとはいえない。請求人は2件の取引事例を掲げるが、この事例は、その所在地も異なり、本件物件と類似性もないことから、これらの取引事例をもって、本件物件の客観的交換価値が低いことが明らかであるとはいえない。以上のことから、請求人が主張する上記事情のみによって、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別な事情があるとは認められない。また、請求人が示した本件鑑定評価額についても、収益価格を鑑定評価額としていることについて明確な根拠がないこと等から本件物件の時価であるともいえない。(平20.10. 2 東裁(諸)平20-49)

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支部名
関東信越
裁決番号
平190035
裁決年月日
平成20年3月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、建物の固定資産税評価額は、経年による減価、敷地内における建物の配置、建物と敷地の規模の対応関係等による価値の差等の特殊な場合の建物の減価が反映されていないため、適正な時価を反映していないから、財産評価基本通達を適用して本件各建物等を評価することが著しく不適当であり、評価額は鑑定評価額による価額の零円である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達による家屋の価額は、客観的交換価値を正確に反映しているものであると認められ、また仮に、請求人らが主張するように、固定資産税評価額に、敷地内における建物の配置、建物と敷地の規模の対応関係等による価値の差等による建物の減価が反映されていないとしても、このことをもって財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情があるとはいえず、このような事情を考慮して特定の納税者あるいは特定の財産についてのみ評価通達に定める方法以外の方法によって評価を行うことは、かえって納税者の租税負担の実質的公平を欠くことになるから、本件各建物等の評価については、財産評価基本通達の定めに基づき評価するのが相当である。(平20. 3.25 関裁(諸)平19-35)

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支部名
大阪
裁決番号
平180010
裁決年月日
平成18年7月11日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
裁決事例集 №72・534ページ

要旨

○ 財産評価基本通達上の家屋とは、住宅、店舗、工場その他の建物を指称しており、固定資産税の課税客体となる家屋、つまり、不動産登記法の建物とその意義を同じくするもので、建物登記簿に登記されるべき建物と同趣旨であると解される。 そして、地方税法第341条及び「地方税法の施行に関する取り扱いについて」(昭和29年5月13日自乙発第22号、自治庁次官通達)並びに不動産登記事務取扱手続準則第136条第1項の定めを総合すると、「建物」の認定基準としては、①土地の定着性、②外気遮断性及び③用途性を一応要求してはいるものの、②については、少なくとも周壁については、必ずしも完全な外気遮断性があることまでをも要求するものではなく、その建築物の用途や利用状況を勘案して、完全な周壁を設けないことがその建造物の効用上合理的であり、完全な周壁を設けると帰って不都合が生じると認められる場合には、要件を緩和して認定することを妨げない趣旨であると解するのが相当である。 ところで、請求人は、本件土地に存する建物は、壁も床もない作業場を覆うだけの設備であり家屋に該当しない旨主張し、現に本件建物は東側の周壁がなく開放されている。 しかしながら、本件建物は、事務所兼居宅部分と造船等のための作業場で構成され、作業場は屋根を有しており、また、本件建物は、二方に周壁を有し、一方は居宅兼事務所に接しているから、外気遮断性を有しているとみるのが相当であり、さらに、柱を有し土地に定着した造船施設との用途性も満たしているのであるから、本件建物は家屋と認定するのが相当であるところ、周壁がないのは、船の陸揚げや造船等のために作業場としての効用上必要かつ合理的であるからであり、これら必要性及び合理性が認められる以上、本件建物のこのような構造は、家屋に該当するかどうかの判定に影響を与えるものではないから、請求人の主張は採用できない。(平18. 7.11 大裁(諸)平18-10)

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支部名
東京
裁決番号
平160284
裁決年月日
平成17年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、建物の評価に当たっては、相続税の法定申告期限の日の属する年度の固定資産税評価額を基に評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時、すなわち、相続開始日を基準とすることに照らせば、建物の価額を財産評価基本通達の定めに基づいて評価するに当たり、相続税の法定申告期限の日の属する年度の固定資産税評価額を基とすることはできない。(平17.6.21東裁(諸)平16-284)

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支部名
関東信越
裁決番号
平150035
裁決年月日
平成15年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400803010
争点
8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、本件家屋は相続開始日において使用されておらず、また、使用される見込みもないから、収益性に着目して評価された固定資産税評価額を基に評価するという財産評価基本通達の定めによらず、鑑定評価額で評価すべきである旨主張する。しかし、財産の評価は、特別な事情がない限り財産評価基本通達の定めに従い行うことが合理的であると解されている。本件においては、①家屋が使用されていないことが本件家屋の客観的な交換価値に影響を及ぼすということはできず、②相続開始時において本件家屋を取り壊す予定があったとは認められないから、本件家屋を取り壊すことを前提として本件家屋の価額をないものとする鑑定評価により本件家屋を評価することには合理性が認められないことからすれば、財産評価基本通達の定めにより本件家屋を評価し難い特別な事情があるとは認められない。本件家屋の固定資産税評価額は、所有者に認知され争いのないものであることから、財産評価基本通達89の定めに従い本件家屋を評価することが相当であり、請求人らの主張には理由がない。(平15.12.19関裁(諸)平15-35)

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