裁決要旨 2資産の低額譲受け
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070074
- 裁決年月日
- 令和7年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が株式(本件譲受株式)を譲り受けた価額(本件譲受価額)は、純然たる第三者間で交渉を行い種々の経済性を考慮して決められた価額であるから相続税法上の時価であり、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価」に該当しない旨主張する。しかしながら、本件譲受株式の価額(時価)は、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとは認められないから、評価通達に定める評価方法により評価した価額(本件通達評価額)とするのが相当であって、本件譲受価額に経済合理性はなく、本件譲受価額は本件通達評価額を下回り、その開差は著しいものであることを考慮すれば、本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当する。(令7.12. 8 東裁(諸)令7-74)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050047
- 裁決年月日
- 令和6年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、額面金額で譲渡を受けた取引相場のない株式(本件株式)の価額(本件譲受価額)は、適正な時価であり、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価」とはいえない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達によれば、本件株式は、配当還元方式により評価すべきところ、配当還元方式によっては本件株式の客観的交換価値を適切に算定することができない特別の事情があるとは認められず、配当還元方式によって算定した本件株式の評価額(本件評価額)は、本件株式の客観的交換価値(時価)を超えるものではないと推認されることから、本件株式の譲受日における時価とするのが相当である。そして、本件譲受価額は、本件評価額の僅か4%程度に過ぎず、本件譲受価額と本件評価額の開差は社会通念上著しいものと認められ、本件譲受価額には経済合理性のないことが明らかであるから、本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当すると認められる。(令6. 6.12 関裁(諸)令5-47)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050025
- 裁決年月日
- 令和6年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業協同組合の出資持分を親族から譲受価額(本件譲受価額)により譲り受けたこと(本件譲受け)について、その親族が従前の組合員から別の出資持分を譲り受けた際に支払った譲受価額を当該組合が承認したものと認識して、その価額により本件譲受けを行ったものであり、請求人が意図的に本件譲受価額を低く設定したものではないから、本件譲受けは、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」には該当しない旨主張する。しかしながら、出資の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めに基づき当該組合の純資産価額を考慮すべきところ、本件譲受価額は、当該組合の純資産価額を考慮しない組合の定款の定めを根拠に算定されている上、財産評価基本通達に基づく評価額と本件譲受価額との開差は著しいものと認められ、本件譲受価額には経済合理性がないことから、本件譲受けは、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」に該当する。そして、相続税法第7条は、租税回避行為の意図及び目的があったか否かを問わず、また、当事者に贈与の意思があったか否かを問わずに適用されるべきである。(令6. 4.11 名裁(諸)令5-25)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和6年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》の規定が適用された請求人の夫からの株式の譲受けについて令和元年分の贈与税の決定(原処分)がされたことにつき、当該株式の一部は平成30年に第三者から譲り受けたものであるから、原処分において同条が適用された株数が過大である旨主張する。しかしながら、当該株式の譲渡契約に至る経緯や動機、その譲渡代金の支払状況及び株主総会の決議の状況は、いずれも、原処分における株数と同数の記載のある当該譲り受けに係る契約書の内容に符合しており、その記載と異なる事実を認めることができない。したがって、請求人は、原処分における株数と同数を平成31年に請求人の夫から譲り受けたものであり、相続税法第7条が適用された株数が過大であったとは認められない。(令6. 3.22 沖裁(諸)令5-2)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200003
- 裁決年月日
- 平成20年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・60ページ
要旨
○ 請求人は、同族会社の株式を著しく低い価額の対価で譲り受けたとして、相続税法第7条の規定に基づき、当該対価と当該株式を譲り受けた時の当該株式の時価との差額に相当する金額を贈与により取得したとみなして原処分庁が行った贈与税の決定処分に対し、当該株式の譲渡契約は民法第95条の規定により無効な契約となるから、当該無効な法律行為を原因とした贈与税の決定処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件譲渡契約の締結に当たり、請求人にとって1株当たりの実際の価値が重要な要素であったとすれば、課税関係を十分に検討するなど、通常の注意義務を尽くしていれば、錯誤に陥ることはなかったにもかかわらず、これを行わず請求人の不注意から錯誤に陥ったものと認めるのが相当であり、請求人には看過することができない過失があったことは明らかであるから、請求人が主張する錯誤をもって直ちに当該譲渡契約を無効とすることはできない。(平20.10.21 札裁(諸)平20-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200002
- 裁決年月日
- 平成20年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の時価は、請求人鑑定評価額34,500,000円であるから、本件土地に根抵当権が設定されていること等の個別事情を加味すれば、本件譲受価額30,000,000円による本件土地の譲り受けは、「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」に当たらない旨主張する。しかしながら、請求人鑑定評価額及び原処分庁鑑定評価額53,400,000円は、本件土地の適正な時価を示しているとはいえず、当審判所が土地価格比準表に準じて時点修正、標準化補正、地域格差及び個別格差の補正を行って本件譲受日における本件土地の時価を算定したところ、本件土地の時価は69,328,301円となるから、本件譲受価額は本件土地の時価水準を大きく下回るのみならず、公表されている、当時の路線価額による相続税評価額56,984,289円をも大きく下回る価額であり、本件譲受価額の決定過程には合理的な根拠がなく、「著しく低い価額の対価」に当たると判断するのが相当である。(平20. 7. 4 関裁(諸)平20-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190096
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がA社の株式8,000株(以下「本件株式」という。)の名義人Bへ額面金額を支払った取引は、名義株の整理を行ったものであり、Bへの金銭の支払は借入金の返済であるから、原処分庁が、当該取引は請求人がBから株式を譲り受けたものであり、相続税法第7条の規定により時価との差額に相当する金額はBから贈与を受けたとみなされるとして行った贈与税の決定処分は違法であると主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、請求人は、A社の設立資金の一部に充てるため、Bから現金を受け取り、Bを募集株主として、昭和57年3月にA社を設立したと認められ、A社が保管していた法人税確定申告書の控え及び決算配当金明細書並びにBが保管していたBの所得税確定申告書の控えから、A社は少なくとも昭和58年2月期から平成2年2月期まで利益配当を行っており、Bは昭和59年分から平成2年分までA社から利益配当を受けたとして所得税の確定申告をしていたことが認められることから、BがA社から利益配当を受けていたことは明らかであり、本件株式の株主は名義人Bであったと認められる。また、当該取引に際して作成された有価証券譲渡契約書には、請求人及びBの署名、押印があり、同契約書は、B名義の株式を額面価額で売買することについて、双方が合意の上で作成したものと認められ、Bは、同契約書に基づく売却代金について譲渡所得の確定申告を行っている。以上から、請求人が、A社の株式をBから売買により譲り受けたことは明らかであり、Bへ額面金額を支払った取引は名義株の整理であるとする請求人の主張には理由がない。なお、原処分庁のA社の株式の一株当たりの純資産価額の算定には、未納県民税を負債に計上していないなどの誤りが認められ、これを見直した結果、A社の株式の一株当たりの純資産価額の審判所認定額は原処分の額を下回り、これに伴い、課税価格及び納付すべき税額も審判所認定額が原処分の額を下回るから、原処分の一部を取り消す。(平20. 5.30 名裁(諸)平19-96)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170052
- 裁決年月日
- 平成18年4月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の時価を正面路線価に基づく相続税評価額によるべきである旨、また、下落が続く土地の売買においては、売買後数年間分の下落率を想定して購入価額を決定するのが普通であることから、さらに下落率20%を認めるべきである旨主張するが、その算定方法は、本件土地の譲受け時点における客観的な時価を求めるにおいて合理的な根拠を欠くものである。 また、原処分庁が本件土地の時価の算定に当たり採用した地域要因の格差補正率及び個別的要因の格差補正率の算定方法は、それぞれ路線価の格差を基としているが、路線価は地域要因の格差も反映されており、結果として、地域要因の格差補正を2度行うこととなるから、本件土地の時価を求めるための方法としては合理性を欠くものである。 したがって、請求人及び原処分庁が主張する価額は、いずれも本件土地の時価であるということはできない。そこで、当審判所が、取引事例比較法及び公示価格を規準する方式と同様の手法により試算した価格を基に本件土地の時価を算定し、当該価額を基に本件贈与税の課税価格を計算すると、本件決定処分の額を下回ることから、本件決定処分の一部を取り消すべきである。(平18. 4.12 関裁(諸)平17-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170083
- 裁決年月日
- 平成17年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が主催する法人(以下「主催法人」という。)の子会社(以下「子会社」という。)の同族株主以外の株主等であるから、主催法人の社員から子会社の株式を配当還元価額の2倍の価額で譲り受けたことは、相続税法第7条の低額譲受には該当しない旨主張する。しかしながら、本件においては、請求人が子会社の事業経営に対して影響力を有していない、請求人が子会社の株式を保有する目的が単に配当を受けるところにある、あるいは、子会社株式保有に係る主たる権利の要素が配当を受けるところにあるとは認められず、むしろ、請求人は、請求人、請求人の同族関係者及び主催法人の意思決定等を介して、本件譲渡後においても、引き続き、子会社の経営に関する支配権を有していると認めるのが相当である。よって、請求人が保有する子会社の株式に係る経済的実質が配当還元方式の前提とする株式保有に係る経済的実質と全く異なるものであることは明らかであり、本件では、請求人が譲り受けた子会社の株式を配当還元方式で評価した場合、相続税法の趣旨や財産評価基本通達(評価方法)の趣旨に反して、実質的な租税負担の公平を害することが明らかであるという特別の事情が存在していると認められるから、子会社の株式については、配当還元方式ではなく、原則的評価方式により評価するのが相当である。したがって、本件譲受は、相続税法第7条に規定する低額譲受に該当すると認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がなく、本件処分は適法である。(平17.12.20東裁(諸)平17-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150162
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続人である請求人らは、被相続人から相続人への株式の移転(本件移転)はA社株式の単純贈与である旨主張し、原処分庁は、A社の商号変更後のB社株式の売買であり、当該株式の価額から売買価額を差し引いた金額が相続税法第7条《低額譲受け》の規定及び相続税法第19条の規定に基づき請求人の課税価格に算入される旨主張する。しかしながら、株式譲渡契約書、有価証券取引書、被相続人が会社に提出している譲渡承認請求書、法人税の確定申告書に記載されている株主及び株数、会社から譲受人が受領している配当金などから、本件移転はA社株式の売買であると認められる。そして、A社株式の売買に伴う譲受け対価はA社の時価に比して著しく低い価額であることは明らかであり、当該価額と当該譲受け対価との差額に相当する金額は相続税法第7条の規定に基づき譲受人は被相続人から贈与によって取得したものとみなされ、また、本件移転は相続開始日と同年中であるから、当該差額は相続税法第19条により請求人の課税価格に算入される。(平16.1.29東裁(諸)平15-162)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150167
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件株式を時価より低額で譲り受けたとして、その差額が相続税法第7条(みなし贈与)に該当すると認定し決定処分をしたが、請求人は、本件株式の実質的な所有者はAであり、当該取引に名義を貸したにすぎないことから本件決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人から提出された関係書類によると、本件株式が請求人の名義株式とは認められず、本件株式は請求人が取得した実株式と認めるのが相当であることから、この点に関する請求人の主張は採用できない。ただし、請求人が受けたみなし贈与の額を算出すると、本件決定処分の額を下回ることから、本件決定処分の一部を取消すべきである。(平16.1.29東裁(諸)平15-167)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成15年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、更正処分が行われる前に売買契約を合意解除し、売買代金及び不動産の登記名義を前所有者に戻したから、当該売買契約に係る相続税法第7条の規定による贈与税の更正処分は取り消されるべきである旨主張するが、既に履行された売買について行われる合意解除は、税法上既に成立した課税要件事実を遡及して消滅させる効力を有するものではないから、法定申告期限において当該売買契約が有効適法に存続していた以上、たとえ、その後に合意解除し、売買代金を返還したとしても、当該合意解除が贈与税の納税義務に何ら影響を与えるものではない。また、請求人は、本件不動産の取得は過誤に基づき、又は軽率に行ったものであり、名義変更通達5に該当するから、贈与がなかったものとして取り扱われるのが相当である旨主張するが本件の場合は有効に成立した売買契約に基づき本件不動産を取得した結果が低額譲受に当たるとして贈与税の課税が行われたものであり相続税法基本通達9−9に定める場合には該当しないことから、名義変更通達の適用はないものと解するのが相当である。(平15.10.21大裁(諸)平15-19)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140028
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法第7条の規定の適用について、仮に、医療法人の出資の価額が原処分庁主張のとおりであったとしても、①本件出資の売買に関して、売買当事者には売買価額が時価よりも低額であり、その間に贈与があるとの意識はなかった、②多額の贈与税が課税されることがわかっておれば売買しなかったのであるから、当該売買契約は錯誤により無効である、③医療法人の非営利性及び医療法人化の際の認可の状況を考慮すればみなし贈与課税の画一的な適用は不合理であるので、本件には同条の規定を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、相続税法第7条の規定は、時価より著しく低い価格で売買が行われた場合には、当事者に贈与の意思があったかどうかを問わず、その対価と時価との差額に相当する金額の贈与があったこととみなすこととしているものと解されるので①の主張には理由がない。次に、請求人の母と請求人らの間で、医療法人の出資の贈与契約及び売買契約は有効に成立しており、これらの契約等に基づいて、請求人らは贈与税の申告書を、請求人の母は所得税の確定申告書をしており、また、これらの契約が取り消され又は解除された事実が認められないことから、請求人らの主張する錯誤が、これらの契約の無効事由となるか否かを判断するまでもなく、②の主張は採用することができない。なお、相続税法7条は、医療法人の出資の低額譲渡を除外する旨を規定しておらず、また、同条の趣旨に照らしても、医療法人の出資の低額譲受に同条を適用しないとする特別の事情も認められないことから、③の主張には理由がない。(平15.06.30.熊裁(諸)平14-28)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140034
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売買契約により譲り受けた同族会社の出資口について、本件売買契約に当たっては、請求人に新たな課税関係が生じないことが重要な要素となっていたのであるから、重要な要素の錯誤により当該契約を解除し、当該出資口等の返還をしたにもかかわらず、低額譲受であるとしてされた贈与税の決定処分は違法である主張する。しかしながら、当該契約の要素の錯誤は、①当該契約は口頭で行われ、請求人の主張する事情が売買契約の条件として表示されていたものとは認められないこと、②当該契約の背景には次世代への事業承継及び経営基盤の安定があったものと認められること、③出資口の時価の算定方法に財産評価基本通達に明示されていることから、当該契約を成すに当たっての動機が民法95条の規定により、当該契約の重要な要素として保護しなければならないものとまで解することはできない。そして、当事者の無効確認は、①価額があまりにも低いと贈与税等の問題が起きると認識しながらも財産評価基本通達による評価をしていないのであるから、同業種の上場企業や近隣の同業法人の株価などを参考に算出して実際の評価の7分の1の価格としたのは評価方法の不知による個人的判断に基づいた計算方法の誤りであって、②請求人に新たな課税関係が発生しないことが本件売買契約の最重要な関心事であったとするならば、不正確であることを自認しながら、著しく低い価額で当該契約を成したのは法の不知である。したがって、請求人が原処分庁からの指摘後に契約無効の主張をしていることから、本件売買契約の無効確認は贈与税の負担を免れるために行われた親族間における当事者の合意による契約解除であると認めるのが相当である。そうすると、この合意解除は、国税庁長官通達に定める法定取消権又は法定解除権に基づく場合以外の合意解除の取扱いに該当するところ、請求人は贈与税の申告書の提出期限までに当該契約の解除をしていないのであるから課税を免れることはできない。(平15.06.20.高裁(諸)平14-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140271
- 裁決年月日
- 平成15年6月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・576ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件土地の譲受けは、相続税法第7条にいう「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」に該当すると主張するが、①譲渡人は高齢となり、借入金を弁済するために譲渡したものであり、一方、請求人は自身の将来のことを考えて金融機関から取得資金を借り入れて本件土地を取得したこと、②売買価額は固定資産税評価額を参考に、利用形態を考慮して決定したこと、③譲渡人(譲受人の祖母)は本件土地を相続により取得し、長期間保有していたものであること、④建物の譲受対価の額と本件土地の譲受対価の合計額は、これらの不動産の相続税評価額を上回っていること、を総合勘案すると、本件土地の譲受は相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」による譲受けには該当しないとするのが相当であるから、原処分庁がした贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分は違法であり、その全部を取り消すべきである。(平15.06.19.東裁(諸)平14-271)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140137
- 裁決年月日
- 平成14年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・383ページ
要旨
○ 請求人は、取引相場のない本件株式を、評価基本通達に定める配当還元方式により算定した価額で譲り受けたのであるから、相続税法第7条の適用はない旨主張し、原処分庁は、本件株式の価額が金融機関等の売買事例の価額より著しく低額であること、及び譲渡人が請求人の本件株式の取得資金である借入金について危険負担を負っていることから、配当還元方式により難い特別な事情が存在し、この金融機関等の取引事例を基に算定した金額に相当する金額を時価とし、当額金額と譲渡価額との差額は相続税法第7条の規定に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は本件株式の1回の取引で持株割合10.8%の数量の株式を取得して、個人株主の筆頭となり、また、譲受代金の原資である借入金の保証人は譲渡人であるなど、本件株式の取引には親族と同様の立場の便宜が図られていることが認められることから、単に配当金を期待しうるにすぎない零細株主に適用するという配当還元方式の趣旨に照らして、本件にこの方式を適用することは相当でなく、また、金融機関等に係る取引事例がほぼ同じ単価であることのみを理由に、その単価が時価であるとはいえない。そうすると、本件株式の価額は、原則的評価方式である類似業種比準方式により算定した価額とすべきであり、当該価格と譲受価額との差額は相続税法第7条に規定する著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合に該当する。(平14.12.20.東裁(諸)平14-137)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130208
- 裁決年月日
- 平成14年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・508ページ
要旨
○ 請求人は、父から譲り受けた本件土地の持分部分(請求人の持分を除いたもの)には、父が所有する建物(請求人の夫が賃借)があること及び請求人の所有持分部分に対し、賃貸借契約を締結し、父が賃貸借料を支払っていることから、請求人が父から譲り受けた本件土地の持分は底地の譲受けである旨主張する。しかしながら、本件土地の持分の譲渡者と本件建物の所有者とは同一人であることから、父が借地権を有していたとは認められず、また、支払われている賃貸借料は、固定資産税額と同額であることから、請求人と父との本件土地の貸借は使用貸借と解すべきである。そして、本件土地は貸家の用に供されている土地であるから、その価額につき、国税局長が定める財産評価基準書において示されているその土地に係る借地権割合とその貸家の借家権割合との相乗積を当該更地価額に乗じて計算した金額を、更地価額から控除した価額とすることを不相当とする理由は認められないことから、これらを基に本件土地の貸家建付地価額を算定すると、本件譲受価額は当該貸家建付地価額に比して著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。(平14. 3.28東裁(諸)平13-208)裁決事例集NO63・508ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130015
- 裁決年月日
- 平成13年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与税は相続税の補完税で、相続税の課税回避として贈与する場合に受贈者に課税しなければ相続税の納税者との課税の公平が保たれないために規定されているのであるから、完全な第三者にまで相続税法第7条は適用されない旨及び同条の適用に関しては受贈者である請求人に贈与の意思が必要である旨主張する。しかしながら、贈与税は、沿革的には相続税の補完税としての性質を有しているとしても、理論的には、贈与による財産の取得が取得者の担税力を増加させるため、それ自体として課税の対象となると解されている。そして、相続税法第7条は、法律的にみて贈与契約によって財産を取得したのではないものの、経済的にみて当該財産の取得が著しく低い対価によって行われた場合に、その対価と時価との差額については、実質的には贈与があったものと同視することができるため、この経済的実質に着目して、税負担の公平の見地から、課税上、対価と時価との差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨の規定である。そうすると、租税回避を目的とした行為に適用されるのは当然、それに限らず、著しく低い対価によって財産の取得が行われ、それにより取得者の担税力が増しているのに、これに対しては課税がされないという税負担の公平を損なうような事実があれば、当事者の贈与の意思の有無や具体的な租税回避の意図の有無を問わずに、相続税法第7条が適用される。(平13.10.11関裁(諸)平13-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120149
- 裁決年月日
- 平成13年4月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・533ページ
要旨
○ 相続税法第7条は、著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合には、法律的には贈与といえないとしても、経済的には対価と時価との差額について実質的に贈与があったと同視することができるため、この経済的実質に着目して、課税負担の公平の見地からその差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨のものと解されるところ、請求人及び原処分庁の主張する時価額はいずれも採用できない。そこで、当審判所において、公示価格を基に土地価格比準表に準じて地域要因及び個別的要因等の格差補正をして本件土地の時価額を算定したところ、その価額は45.661.363円と算定された。そうすると、本件土地の時価と売買価額との差額は18.501.363円に達するものであるから、本件土地の売買価額は相法第7条に規定する著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。(平13.4.27東裁(諸)平12−149)裁決事例集NO61・533ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110184
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・226ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の課税の公平を図ることを目的とする贈与税の趣旨からすれば、本件土地については、既に相続は発生しており、相続財産を不当に減少させることとはならないから、決定処分は、贈与税の趣旨に反する誤ったものである旨主張する。しかしながら、請求人の本件土地の譲受けは、被相続人からではなく、相続人らからのものであるから、請求人の主張はその前提を欠くものである。なお、請求人の主張が、本件土地を相続人らから取得したことを前提とするものであるとしても、相法第1条の2は、贈与税の納税義務者を相続税の納税義務者とは別個に定めており、沿革的には贈与税が相続税の補完税としての性格を有しているとしても、理論的には贈与による財産の取得が取得者の担税力を増加させるため、それ自体として課税の対象になるというべきであるから、贈与税と相続税とはその課税原因を別個にすることを前提としているものと解され、被相続人の相続財産が不当に減少するか否かには左右されない。(平12. 6.29東裁(諸)平11-184)裁決事例集 №59・226ページ
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