裁決要旨 5その他の給付

裁決要旨 5その他の給付

支部名
大阪
裁決番号
令040062
裁決年月日
令和5年6月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、父である被相続人(本件被相続人)が所有し、第三者に賃貸していた駐車場用地(本件各駐車場)について、本件被相続人と請求人との間で、有効な使用貸借契約(本件各使用貸借契約)が締結されたことなどにより、本件被相続人から本件各駐車場の使用収益権を与えられ、賃貸人の地位に基づき本件各駐車場の賃貸に係る収入(本件収益)を得ていたのであるから、本件収益について、相続税法第9条に規定する「利益を受けた」場合に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件各使用貸借契約の締結を含む一連の取引(本件各取引)において、請求人が特段の出捐をした状況は認められず、本件各取引は、本件被相続人が本件各駐車場の所有権の帰属を変えないまま、何らの対価も得ることなく、そこから生じる法定果実の帰属を請求人に移転させたものと評価できること、②本件被相続人は、自己所有の土地建物に請求人を無償で居住させるなどして、請求人に対してこれら不動産の使用収益の利益を付与しており、請求人は、本件被相続人から親族間の情ぎにより相当の援助を受けていたというべきであるところ、本件各取引に基づく本件各駐車場に関する法定果実収取権の付与も、これと同質のものであると認められること、③本件各使用貸借契約が締結された経緯をみると、賃料収入の蓄積による本件被相続人名義の将来の遺産の増加抑制を企図するとともに、当面の所得税等の節税も企図したものであると認められること、④本件各使用貸借契約の締結前後において、本件各駐車場の利用状況や、不動産管理業者を介しての管理状況自体に特段の変更があったとも認められないことなどを考慮すれば、本件収益を支配していたのは本件被相続人というべきであり、本件収益は本件被相続人に帰属する。したがって、本件収益を受領し請求人の財産が増加していることは、相続税法第9条に規定する「利益を受けた」場合に該当する。(令5. 6.13 大裁(諸)令4-62)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
令020001
裁決年月日
令和2年11月17日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人らは、請求人ら名義の各預金口座へ入金した現金は、被相続人名義の各預金口座から出金した現金ではなく、請求人らに対する援助者から受領し、保管していた現金等であり、被相続人からの贈与ではない旨主張する。しかしながら、援助者からの援助を裏付ける客観的な証拠の提出がなく、当審判所の調査によっても、これを認めるに足る証拠がないこと、請求人らのうちの1名の請求人が被相続人名義の各口座から出金し、その使途が不明な現金(本件現金)については、被相続人が費消した生活費相当額及び申告した現金の額を大きく上回っていること、また、同時期に当該請求人名義の各預金口座に同人の収入等から賄うことができない多額の現金入金があること、被相続人は当該請求人が被相続人の各預金口座から出金することを承諾していたと認められること等から、被相続人から当該請求人に対し、財貨が移動したものと認められる。さらに、その後に同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実である等、特別な事情も存在しないと認められから、本件現金については、被相続人から上記の請求人に対する贈与であると認めるのが相当である。(令2.11.17広裁(諸)令2-1)

支部名
広島
裁決番号
令020002
裁決年月日
令和2年11月17日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人及び他の2名の相続人(相続人ら)の名義の各預金口座へ入金した現金は、被相続人名義の各預金口座から出金した現金ではなく、相続人らに対する援助者から受領し、保管していた現金であり、被相続人からの贈与ではない旨主張する。しかしながら、請求人が援助者からの援助を受けていたことを裏付ける客観的な証拠が請求人から提出されておらず、当審判所の調査によっても、これを認めるに足る証拠がないこと、請求人が被相続人名義の各口座から出金し、その使途が不明な現金(本件現金)については、被相続人のが費消した生活費相当額及び相続税の申告した現金の額を大きく上回っていること、また、同時期に請求人名義の各預金口座に同人の収入等から賄うことができない多額の現金入金があること、被相続人は請求人が被相続人の各口座から出金することを承諾していたと認められること等から、被相続人から請求人に対し、財貨が移動したものと認められる。さらに、その後に同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実である等、特別な事情も存在しないと認められるから、本件現金については、被相続人から請求人に対する贈与であると認めるのが相当である。(令2.11.17広裁(諸)令2-2)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010024
裁決年月日
令和2年4月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人名義の預金口座(本件口座)に入金された請求人の関係者(本件関係人)による出捐が原資となる金員(本件金員)について、①本件口座は本件関係人の借名口座であること、②同居している請求人及びその家族らの生活費や子の学費等の支払に充てられていることに加え、本件関係人が自ら費消し又は本件関係人が負担すべき債務の弁済等に使われていることから、本件関係人が請求人に本件金員を贈与したとは認められない旨主張する。しかしながら、①本件口座は、その外観及び管理状況等に鑑みれば、請求人に帰属する口座であること、②本件関係人及び請求人は、本件金員を請求人及びその家族の日常生活のために費消することを認識及び認容した上で、本件金員を授受していること等からすれば、本件金員は、本件関係人が請求人に対し無償で交付し、請求人がこれを受諾したものと認められるから、贈与に該当する。(令2.4.16名裁(諸)令元-24)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
仙台
裁決番号
平300010
裁決年月日
令和元年6月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集№115

要旨

○ 原処分庁は、請求人の父(甲)の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座(本件請求人口座)に入金されたこと(本件資金移動)について、請求人と甲との間で金銭消費貸借契約が締結された事実及び請求人が主張する本来甲が従事すべき医療業務に請求人が代理人として従事した際に立て替えて支払った費用の精算等の事実は認められないから、請求人と甲との間には、民法第549条《贈与》に規定する贈与契約の要件事実について黙示の合意があったと認めるのが相当であり、請求人は、本件資金移動により、甲からの贈与により財産を取得したものといえる旨主張する。しかしながら、本件資金移動について、請求人と甲との間で金銭消費貸借契約が締結されていた事実は認められないものの、本件資金移動に係る出金及び入金の各手続は、甲又は請求人の母により行われていると認められ、請求人は、原処分庁所属の調査担当職員に対して、甲の指示により月1回から2回程度の頻度で医療専門団体の会議に出席していた旨申述し、本件請求人口座から交通費等の支払がされていることなどを併せ考慮すれば、甲は、当該会議に出席した際の交通費等を支弁する目的で本件資金移動をしていたとみるのが自然であり、請求人に、本件資金移動によって贈与と同様の経済的利益が生じていたと認めることはできないから、請求人は甲からの贈与により財産を取得したと認めることはできない。(令元. 6.27 仙裁(諸)平30-10)

支部名
名古屋
裁決番号
平300022
裁決年月日
平成31年2月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 兄弟(被相続人)の死亡により審査請求人の地位を承継した請求人らは、被相続人の父母の預金口座から出金された金銭が被相続人の預金口座に入金されたこと(本件資金移動)及び母の預金口座から出金された金銭を原資として被相続人が納付すべき相続税額が納付されたことについて、前者は父所有の不動産に係る管理業務の対価等であり、後者は後で返還することを約した上で立て替えてもらったにすぎないから、いずれも贈与ではない旨主張する。しかしながら、前者について、請求人らは、その主張するような管理業務を行っていたことや本件資金移動が当該管理業務と対価関係にあることを裏付ける証拠を提出していない。後者について、被相続人は、自分で納税資金を準備することが困難であったとは認められず、また、被相続人と母との間にその返還約束はなかったと認められる。したがって、いずれについても、被相続人は、贈与により財産を取得したものと認められる。(平31. 2. 7 名裁(諸)平30-22)

支部名
大阪
裁決番号
平290056
裁決年月日
平成30年3月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が本件各不動産の所有者から受領した金員(本件金員)は、請求人が所有者の代わりに立替払いした本件各不動産に係る固定資産税等の費用の返済を受けたものであって、贈与により取得したものではない旨主張する。しかしながら、請求人と所有者との間には、黙示の使用貸借契約が成立していたものと認められ、固定資産税等の公租公課は、民法第593条《使用貸借》第1項にいう借用物の通常の必要費に当たるから、請求人が負担すべきものである。そして、その余の支出については、支出の事実及び内容に係る客観的な証拠がなく、返還を請求することができるような支出をしたとは容易に認めがたいことから、本件金員は、請求人が贈与により取得したものと認めるのが相当である。(平30. 3. 7 大裁(諸)平29-56)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平280061
裁決年月日
平成28年12月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、父親らとの間で取り交わした合意書に沿う合意(本件合意)に基づき、父親から取得した金員(本件金員)について、父親らの請求人らに対する不法行為等を巡る紛争を包括的に解決するため、父親が請求人に対し本件金員を支払うことで合意したものであるから、贈与により取得したものには当たらない旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件合意の履行の条件として遺留分放棄の許可の申立てを家庭裁判所にしているところ、家庭裁判所は、その合理性や妥当性を代償性の有無の観点も含めて審査、判断したと考えられること、②遺留分の放棄は期待的利益たる遺留分の消滅にとどまるから、本件金員が何らかの反対給付として支払われたとはいえないこと、③本件金員の名目は紛争解決金であるが、相続問題のほかに本件金員を支払う必要性があったとまでは認めらないことからすれば、本件金員は、遺留分の放棄を条件とする停止条件付贈与契約により、請求人が父親から相続財産の前渡しとして取得したものと認めるのが相当である。(平28.12. 1 東裁(諸)平28-61)

支部名
名古屋
裁決番号
平270039
裁決年月日
平成28年6月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、父母の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたこと(本件資金移動)及び母の預金口座から出金された金銭を原資として請求人が納付すべき相続税額が納付されたことについて、前者は請求人と父母との間で贈与契約が締結されておらず、後者は後で返還することを約した上で立て替えてもらったにすぎないから、いずれも贈与ではない旨主張する。しかしながら、前者について、請求人は、その主張を裏付ける証拠資料を何ら提出せず本件資金移動の理由や事情についても説明していない。後者について、請求人は、自分で納税資金を準備することが困難であったとは認められず、また、請求人と母との間にその返還の約束はなかったと認められる。したがって、いずれについても、請求人は、贈与により財産を取得したものと認められる。(平28. 6.27 名裁(諸)平27-39)

支部名
名古屋
裁決番号
平270040
裁決年月日
平成28年6月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、父母の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたこと(本件資金移動)及び母の預金口座から出金された金銭を原資として請求人が納付すべき相続税額が納付されたことについて、前者は父所有の不動産に係る管理業務の対価等であり、後者は後で返還することを約した上で立て替えてもらったにすぎないから、いずれも贈与ではない旨主張する。しかしながら、前者について、請求人は、その主張するような管理業務を行っていたことや本件資金移動が当該管理業務と対価関係にあることを裏付ける証拠を提出していない。後者について、請求人は、自分で納税資金を準備することが困難であったとは認められず、また、請求人と母との間にその返還の約束はなかったと認められる。したがって、いずれについても、請求人は、贈与により財産を取得したものと認められる。(平28. 6.27 名裁(諸)平27-40)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平240164
裁決年月日
平成25年2月28日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集№90

要旨

○ 原処分庁は、請求人の母名義の預貯金口座からの各出金に係る金員が請求人名義の預貯金口座への各入金に係る金員に対応する関係(本件対応関係)にあるとして、請求人が、母から、当該各出金に係る金員を取得した旨主張する。しかしながら、①当該各出金日から当該各入金日までの間隔は、長いものでは約1年10か月もあいている上、②当該各出金に係る金員の管理・保管状況は明らかではなく、③当該各入金日と同日に、請求人名義の預金口座からそれぞれの日の入金額を上回る出金がされている場合もあることのほか、④本件対応関係にない請求人名義の預貯金口座への入金の事実があることも踏まえると、当該各入金の事実のみから、直ちにその原資の全てが当該各出金に係る金員であると推認することはできない。ところで、本件対応関係の存在を認めることができるか否かは、請求人の母の相続税の調査段階における請求人の申述又は提出資料の信用性を認めることができるか否かに帰着するが、当該調査段階における請求人の申述又は提出資料の内容は、そもそも当該調査段階においてさえ変遷がみられるものである上、当該申述又は提出資料の内容を裏付ける客観的な証拠や当該変遷に合理的な理由があることをうかがわせる証拠の存在は見当たらないから、原処分庁がその主張の根拠とした当該申述又は提出資料についてはその信用性を認めることはできず、本件対応関係の存在を認めることもできない。そして、当審判所の調査の結果によっても、他に母から請求人に対する金員の受渡しがされた事実を認めるに足りる証拠は見当たらない。したがって、請求人が母から当該各出金に係る金員を取得したとは認められない。(平25. 2.28 東裁(諸)平24-164)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220224
裁決年月日
平成23年6月10日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集№83

要旨

○ 請求人は、請求人及び本件被相続人が本件相続開始の約2か月半前に入居した老人ホーム(本件老人ホーム)の入居金(本件入居金)を本件被相続人が支払ったことについて、本件入居金の性質は終身利用権の対価であり、請求人は本件被相続人から終身利用権を死因贈与により取得したことになるところ、終身利用権は一身専属権であるから贈与税の対象とはならず、したがって本件相続税において、相続開始前3年以内の贈与として課税価格に加算されない旨主張する。しかしながら、本件被相続人は、自らに支払義務のない請求人に係る入居金のうちの一部に相当する金額を支払ったものであり、これによって請求人は、入居金全額の支払によって初めて取得することのできる施設利用権を、低廉な支出によって取得したものと認められることからすると、請求人は著しく低い対価で本件老人ホームの施設利用権に相当する経済的利益を享受したものということができ、本件被相続人と請求人との間に実質的に利益の移転があったことは明らかであるから、相続税法第9条により、請求人は、その利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を本件被相続人から贈与により取得したものとみなすのが相当である。なお、本件入居金は極めて高額であり、請求人に係る居室面積も広く、本件老人ホームの施設の状況等をかんがみれば、本件老人ホームの施設利用権の取得のための金員は、社会通念上、日常生活に必要な住の費用であるとは認められないから、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号の規定する「生活費」には該当せず、贈与税の非課税財産に該当しない。したがって、贈与により取得したものとみなされた金額は、相続開始前3年以内の贈与として本件相続税の課税価格に加算されることとなる。(平23. 6.10 東裁(諸)平22-224)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平220042
裁決年月日
平成23年3月23日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、母親の貯金口座から請求人の貯金口座への資金(本件資金)の移動(本件資金移動)について、母親が請求人の借入金債務の代位弁済を行うためなされたものであり、母親は請求人に対する求償権を取得したのであるから、贈与には該当しない旨主張する。しかしながら、そもそも、請求人の借入金債務の返済は、母親の代位弁済による返済とは認められない上、本件資金移動は母親と請求人の協力によって行われており、母親が本件資金を含む金員の全額の管理を請求人に任せ、その後も請求人に対し返還を求めていないことからすれば、母親と請求人との間で本件資金の返還に関し、何らかの合意をしていたとは認められない。加えて、税理士である請求人自身、本件資金移動が贈与によるものであることを認識していなかったとは認め難いことからすれば、本件資金は、親子間において、返還を約すことなく無償で供与されたものであり、母親と請求人との間では、本件資金の贈与に関する黙示の合意があったと認めるのが相当である。(平23. 3.23 名裁(諸)平22-42)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平220002
裁決年月日
平成22年7月6日
裁決結果
棄却
争点番号
400402039
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件相続の開始前に本件被相続人の預貯金口座から出金された金員である本件払戻金を、請求人が代表取締役を務めるA法人の預金口座に入金し、これをA法人が請求人からの長期借入金として経理処理したことについて、本件払戻金は、本件被相続人の生前中の立替金の返済として本件被相続人から支払を受けたものであるから、請求人が本件被相続人から贈与により取得したものとはいえない旨主張する。しかしながら、A法人は、請求人との金銭消費貸借を前提として、A法人の口座への入金を請求人からの長期借入金として経理処理したものと認められるから、本件払戻金は、本件被相続人と請求人との間の資金の移動を経て、請求人がA法人に貸し付けたものと認められること、本件被相続人は当該資金の移動の事実を追認していることからすれば、本件被相続人と請求人との間で行われた資金の移動は、親子間における財産的利益の付与と評価すべきものといえる。そして、親族間で財産的利益の付与がされた場合には、後にその利益と同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実であるなどの特別の事情のない限り、相続税法第1条の4《贈与税の納税義務者》の贈与であると認めるのが相当であるところ、請求人の上記主張を前提にすると、本件被相続人と請求人との間では、移動した金員の額と同等の価値が将来返還されることを予定しなかったものであり、また、本件払戻金が出金された日から本件相続の開始までの期間、請求人から本件被相続人に本件払戻金に相当する金員の移動があった事実も認められないから、財産的利益の付与について、特別の事情が存在するとは認められない。さらに、請求人の主張する立替金の存在も認められない。そうすると、本件被相続人と請求人との間の資金移動は、相続税法第1条の4の贈与と認めるのが相当であり、本件払戻金は、請求人が本件被相続人から同条の贈与により取得したものといえる。(平22. 7. 6 広裁(諸)平22-2)

【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】

  • 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
  • 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
  • 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
  • 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
  • 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。