裁決要旨 1贈与財産の範囲

裁決要旨 1贈与財産の範囲

支部名
東京
裁決番号
令070074
裁決年月日
令和7年12月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が株式(本件譲受株式)を譲り受けた価額(本件譲受価額)は、純然たる第三者間で交渉を行い種々の経済性を考慮して決められた価額であるから相続税法上の時価であり、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価」に該当しない旨主張する。しかしながら、本件譲受株式の価額(時価)は、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとは認められないから、評価通達に定める評価方法により評価した価額(本件通達評価額)とするのが相当であって、本件譲受価額に経済合理性はなく、本件譲受価額は本件通達評価額を下回り、その開差は著しいものであることを考慮すれば、本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当する。(令7.12. 8 東裁(諸)令7-74)

支部名
関東信越
裁決番号
令050047
裁決年月日
令和6年6月12日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、額面金額で譲渡を受けた取引相場のない株式(本件株式)の価額(本件譲受価額)は、適正な時価であり、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価」とはいえない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達によれば、本件株式は、配当還元方式により評価すべきところ、配当還元方式によっては本件株式の客観的交換価値を適切に算定することができない特別の事情があるとは認められず、配当還元方式によって算定した本件株式の評価額(本件評価額)は、本件株式の客観的交換価値(時価)を超えるものではないと推認されることから、本件株式の譲受日における時価とするのが相当である。そして、本件譲受価額は、本件評価額の僅か4%程度に過ぎず、本件譲受価額と本件評価額の開差は社会通念上著しいものと認められ、本件譲受価額には経済合理性のないことが明らかであるから、本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当すると認められる。(令6. 6.12 関裁(諸)令5-47)

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支部名
名古屋
裁決番号
令050025
裁決年月日
令和6年4月11日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、事業協同組合の出資持分を親族から譲受価額(本件譲受価額)により譲り受けたこと(本件譲受け)について、その親族が従前の組合員から別の出資持分を譲り受けた際に支払った譲受価額を当該組合が承認したものと認識して、その価額により本件譲受けを行ったものであり、請求人が意図的に本件譲受価額を低く設定したものではないから、本件譲受けは、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」には該当しない旨主張する。しかしながら、出資の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めに基づき当該組合の純資産価額を考慮すべきところ、本件譲受価額は、当該組合の純資産価額を考慮しない組合の定款の定めを根拠に算定されている上、財産評価基本通達に基づく評価額と本件譲受価額との開差は著しいものと認められ、本件譲受価額には経済合理性がないことから、本件譲受けは、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」に該当する。そして、相続税法第7条は、租税回避行為の意図及び目的があったか否かを問わず、また、当事者に贈与の意思があったか否かを問わずに適用されるべきである。(令6. 4.11 名裁(諸)令5-25)

支部名
沖縄
裁決番号
令050002
裁決年月日
令和6年3月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》の規定が適用された請求人の夫からの株式の譲受けについて令和元年分の贈与税の決定(原処分)がされたことにつき、当該株式の一部は平成30年に第三者から譲り受けたものであるから、原処分において同条が適用された株数が過大である旨主張する。しかしながら、当該株式の譲渡契約に至る経緯や動機、その譲渡代金の支払状況及び株主総会の決議の状況は、いずれも、原処分における株数と同数の記載のある当該譲り受けに係る契約書の内容に符合しており、その記載と異なる事実を認めることができない。したがって、請求人は、原処分における株数と同数を平成31年に請求人の夫から譲り受けたものであり、相続税法第7条が適用された株数が過大であったとは認められない。(令6. 3.22 沖裁(諸)令5-2)

支部名
名古屋
裁決番号
令040014
裁決年月日
令和5年3月10日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
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要旨

○ 請求人らは、請求人らを株主とする同族会社(本件会社)が、請求人らのうち本件会社の役員(本件各役員)から受けた債務免除(本件債務免除)により本件会社の株式の価額が増加し、その増加した部分に相当する金額を贈与により取得したものとみなされた贈与税の課税(修正申告)についての更正の請求が認められるべきであるとして、①本件各役員による本件債務免除の意思表示があったということができないこと、②本件債務免除について通知書などの書類が作成されていないこと、③訴訟における判決でも、本件債務免除の意思表示は存在しないことが確認されたこと、④他の訴訟でも本件債務免除の意思表示をしていなかったことなどを含む訴状等に記載された事実を全て認める内容の和解が成立したことから、本件債務免除は存在せず、請求人らが贈与により取得したものとみなされる金額はない旨主張する。しかしながら、①本件会社の総勘定元帳及び法人税申告書の記載状況などによれば、本件各役員が本件会社の役員として本件債務免除に係る会計処理を承諾していたと考えるのが自然であるし、税務職員による調査に際しては、本件債務免除の存在自体については特に争うことなく修正申告に至ったことが認められる。また、②本件債務免除の基となった貸付金は、多額であるにもかかわらず、金銭消費貸借契約書などの書類が一切作成されていなかったことからすれば、本件債務免除について、その意思表示そのものを示す書類が作成されていなかったとしても、本件債務免除の意思表示自体がなかったことを裏付ける事実とはいえない。ついで、上記③の訴訟は、本件各役員と本件会社の間で、実質的な主張立証が何も行われなかったものであり、上記④の和解の内容は、当事者の一貫する申述及び答述に反しているなど、本件債務免除が無かった事実が明らかにされたとはいえない。以上のことからすると、本件債務免除が存在しないと認めることはできず、請求人らが贈与により取得したものとみなされる金額がないことにはならない。(令5. 3.10 名裁(諸)令4-14)

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支部名
東京
裁決番号
令040055
裁決年月日
令和4年12月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400401010
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
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要旨

○ 請求人は、①贈与税の対象となった生命保険契約(本件保険契約)に係る保険料(本件保険料)は、請求人の夫から金銭の贈与を受け、その贈与された金銭で請求人が本件保険料を負担していたものとみるべきである旨、②本件保険料の負担者が請求人でない場合には、本件保険契約に係る満期保険金(本件保険金)は、便宜上、請求人の名義で受け取られたにすぎないものであるから、請求人は、本件保険金に係る保険金受取人ではない旨主張する。しかしながら、①本件保険料は、その全額が請求人の夫の普通預金口座から振替の方法により支払われているから、本件保険料を負担していた者は請求人の夫である。また、②請求人は、本件保険契約において受取人とされ、本件保険金は、請求人の普通預金口座への振込みの方法により支払われているから、請求人は、相続税法第5条《贈与により取得したものとみなす場合》第1項に規定する「保険金受取人」に該当する。(令4.12.13 東裁(諸)令4-55)

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支部名
関東信越
裁決番号
令040014
裁決年月日
令和4年10月26日
裁決結果
棄却
争点番号
400401010
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、亡母が受け取った生命共済契約に係る満期共済金について、当該契約に係る掛金(本件掛金)は亡母の配偶者(亡父)名義の普通貯金口座から口座振替により支払われていたが、これは、亡父に一旦立て替えてもらっていたものであって、亡父の立替えによる本件掛金に相当する額は、亡母が夫婦の応分負担の額を超えて負担した生活費等と精算してきたのであるから、本件掛金は亡母が負担したものである旨主張する。しかしながら、口座振替により共済掛金の支払がされている場合、その共済掛金の実質上の負担者は、特段の事情のない限り、当該口座の名義人であると解するのが相当であるところ、請求人らは、亡母の支払った生活費等が応分負担の額を超えていた事実について明確にしておらず、また、その精算方法に関する説明も具体性を欠くほか、当該精算がされたこと及び亡母によって本件掛金が負担されたことを認めるに足りる証拠もないことから、本件掛金の実質上の負担者は亡父であると認められる。(令4.10.26 関裁(諸)令4-14)

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支部名
大阪
裁決番号
令030038
裁決年月日
令和4年3月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
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裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、他の相続人(本件共同相続人)が株式を保有する会社(同族会社)に対して被相続人がした債権放棄(本件債権放棄)に伴い、本件共同相続人の保有する当該株式の評価額が増加したことについて、①本件債権放棄は、被相続人の同族会社に対する意思表示であり、本件共同相続人は本件債権放棄との関係では完全な第三者であるから、被相続人から本件共同相続人へのみなし贈与を論じる余地はないこと、また、②同族会社に対する債務免除であることのみをもって相続税法第9条を適用することは合理的根拠がないこと、さらに、③同族会社等の行為又は計算を否認するには個別否認規定によらなければならないことから、本件債権放棄による株式の評価額の増加に相続税法第9条の規定を適用することは認められない旨主張する。しかしながら、①相続税法第9条の規定は、経済的利益の取得が贈与契約による取得でない場合に、これを理由に課税することができないこととなる不合理を補うための規定であり、その経済的利益の取得が贈与契約その他これに類する法律行為によるものであることを要するとは解されず、同族会社が対価を支払わないで債務免除等を受けたことによる当該会社の株式の価額の増加によって当該会社の株主が取得した経済的利益は、贈与と同様の実質を有するものであること、また、②相続税法第9条に基づき法人が債務の減少による経済的利益を取得したことによって生じた当該法人の株主の株式等の価値の増加を当該株主の経済的利益の取得として贈与とみなすことについては、同族会社に限ったものではないこと、加えて③請求人に対する更正処分は、同族会社等の行為又は計算を否認したものではないことから、本件共同相続人は、本件債権放棄に伴い、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた」と認められる。(令4.3.17大裁(所・諸)令3-38)

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支部名
大阪
裁決番号
令030038
裁決年月日
令和4年3月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人を委託者、被相続人及び請求人以外の他の相続人(本件共同相続人)を受益者とする信託(本件信託)に関し、本件共同相続人が被相続人の死亡後に、被相続人の本件信託における受益割合2分の1の受益権(本件受益権)を取得したこと(本件取得)は、平成19年法律第6号による改正前の相続税法(旧相続税法)第4条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》第2項第1号に該当しない旨主張する。しかしながら、本件信託について、①被相続人の死亡を条件に本件受益権を本件共同相続人が単独取得することとされていたのであれば、これは委託者が受益者である部分についての受益者の変更あるいは本件受益権を本件共同相続人に与えることについての条件の成就といえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第4号に該当するといえる。また、②受託者が本件受益権に係る受益者として本件共同相続人を指定したことにより本件共同相続人が本件受益権を取得して唯一の受益者となったのであれば、受託者の指定による受益者の変更あるいは被相続人の死亡によって存在しないことになった本件受益権に係る受益者が存在するに至ったものといえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第3号に該当する。さらに、③ジャージー島信託法の下で、受益者の一人が死亡した場合には当然に他の受益者の受益割合が死亡した受益者の有していた受益割合の限度で均等に拡張するのであれば、これは相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで」「利益を受けた場合」に該当する。以上によれば、本件取得は、旧相続税法第4条第2項第1号、同項第3号若しくは同項第4号又は相続税法第9条の規定のいずれかに該当し、いずれの場合も、本件受益権ないしその価額に相当する金額を贈与又は遺贈により取得したものとみなされ、本件共同相続人に係る相続税の課税価格や納付すべき相続税額は異なるものではないため、本件受益権の価額を相続時精算課税の対象として加算したことは正当である。(令4. 3.17 大裁(所・諸)令3-38)

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支部名
大阪
裁決番号
令030038
裁決年月日
令和4年3月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額は、当該財産の贈与の時における価額によることとされており、その後の価額の変動は捨象されるところ、他の相続人(本件共同相続人)が被相続人から贈与を受けた株式(本件株式)について、相続税の課税価格に加算すべき価額は、本件株式の贈与の時の価額であるから、被相続人の同族会社に対する債権放棄(本件債権放棄)により本件株式の評価額が増加したことについて、相続税法第9条の規定を適用して贈与とみなし、相続時精算課税の対象とすることは認められない旨主張する。しかしながら、相続時精算課税の制度は、民法上の贈与契約のみならず、これに当たらない資産移転、経済的利益の付与であっても相続税の規定により贈与とみなされて課税されるものは全て適用の対象となるところ、本件債権放棄による本件株式の評価額の増加は相続税法第9条の規定の適用がある財産の増加なのであるから、本件債権放棄に伴う本件株式の評価額の増加は相続時精算課税の対象となる。(令4.3.17大裁(所・諸)令3-38)

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支部名
大阪
裁決番号
令030037
裁決年月日
令和4年3月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①被相続人の同族会社に対する債権放棄(本件債権放棄)は、被相続人の同族会社に対する意思表示であり、請求人は本件債権放棄との関係では完全な第三者であるから、被相続人から請求人へのみなし贈与を論じる余地はないこと、また、②同族会社に対する債務免除であることのみをもって相続税法第9条を適用することは合理的根拠がないこと、さらに、③同族会社等の行為又は計算を否認するには個別否認規定によらなければならないことから、本件債権放棄による株式の評価額の増加に相続税法第9条の規定を適用することは認められない旨主張する。しかしながら、①相続税法第9条の規定は、経済的利益の取得が贈与契約による取得ではない場合に、これを理由に課税することができないこととなる不合理を補うための規定であり、その経済的利益の取得が贈与契約その他これに類する法律行為によるものであることを要するとは解されず、同族会社が対価を支払わないで債務免除等を受けたことによる当該会社の株式の価額の増加によって当該会社の株主が取得した経済的利益は、贈与と同様の実質を有するものであること、また、②相続税法第9条に基づき法人が債務の減少による経済的利益を取得したことによって生じた当該法人の株主の株式等の価値の増加を当該株主の経済的利益の取得として贈与とみなすことについては、同族会社に限ったものではないこと、加えて③請求人に対する更正処分等は、同族会社等の行為又は計算を否認したものではないことから、本件債権放棄に伴い、請求人は、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた」と認められる。(令4.3.16大裁(所・諸)令3-37)

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支部名
大阪
裁決番号
令030037
裁決年月日
令和4年3月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、被相続人の死亡に伴い、相続税の更正処分等の対象となった信託(本件信託)における被相続人の受益割合を2分の1とする受益権(本件受益権)を取得したこと(本件取得)は、平成19年法律第6号による改正前の相続税法(旧相続税法)第4条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》第2項第1号に該当せず、相続時精算課税に係る贈与に該当しない旨主張する。しかしながら、本件信託は、①被相続人の死亡を条件に本件受益権を請求人が単独取得することとされていたのであれば、これは委託者が受益者である部分についての受益者の変更あるいは本件受益権を請求人に与えることについての条件の成就といえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第4号に該当するといえる。また、②受託者が本件受益権に係る受益者として請求人を指定したことにより請求人が本件受益権を取得して唯一の受益者となったのであれば、これは受託者の指定による受益者の変更あるいは被相続人の死亡によって存在しないことになった本件受益権に係る受益者が存在するに至ったものといえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第3号に該当する。さらに、③ジャージー島信託法の下で、受益者の一人が死亡した場合には当然に他の受益者の受益割合が死亡した受益者の有していた受益割合の限度で均等に拡張するのであれば、これは相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで」「利益を受けた場合」に該当する。以上によれば、本件取得は、旧相続税法第4条第2項第1号、同項第3号若しくは同項第4号又は相続税法第9条の規定のいずれかに該当し、いずれの場合においても、被相続人の死亡の時に、本件信託における本件受益権ないしその価額に相当する金額を贈与又は遺贈により取得したものとみなされる。したがって、本件取得は、相続時精算課税に係る贈与又は遺贈に該当する。(令4.3.16大裁(所・諸)令3-37)

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支部名
大阪
裁決番号
令030037
裁決年月日
令和4年3月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額は、当該財産の贈与の時における価額によるとされているところ、請求人が被相続人から贈与を受けた株式(本件株式)の相続税の課税価格に加算すべき価額は、本件株式の贈与の時の価額であるから、当該贈与後に行われた被相続人による同族会社に対する債権放棄(本件債権放棄)によって本件株式の評価額が増加したことについて、相続税法第9条の規定を適用して贈与とみなし、相続時精算課税の対象とすることは認められない旨主張する。しかしながら、相続時精算課税の制度は、民法上の贈与契約のみならず、これに当たらない資産移転、経済的利益の付与であっても相続税法の規定により贈与とみなされて課税されるものは全て適用の対象となるところ、本件債権放棄による本件株式の評価額の増加は相続税法第9条の規定の適用がある財産の増加なのであるから、本件債権放棄に伴う本件株式の評価額の増加に相続時精算課税制度を適用して課税することは相当である。(令4.3.16大裁(所・諸)令3-37)

支部名
広島
裁決番号
平290010
裁決年月日
平成29年12月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
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要旨

○ 請求人は、①出資する同族会社が不動産を無償で譲り受けた結果、当該出資の価額が増加(本件増加益)したとしても、請求人は「贈与により財産を取得した者」ではないから、本件増加益は贈与税の課税財産とはならない旨及び②相続税法基本通達9−2《株式又は出資の価額が増加した場合》(本件通達)をもって本件増加益を課税財産とすることは、通達による課税であり許されない旨主張する。しかしながら、上記無償譲渡によって上記法人に対する出資の価額は実際に増加し、請求人は、対価を支払わないで経済的利益を得たのであるから、相続税法第9条の規定により、本件増加益に相当する金額を贈与により取得したものとみなされ、本件増加益は、贈与税の課税財産となる。また、本件通達は、同条の適用される事例を例示したものにすぎず、本件通達により課税が行われたものではない。(平29.12. 1 広裁(諸)平29-10)

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支部名
名古屋
裁決番号
平280030
裁決年月日
平成29年5月24日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
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裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の母が工事費用を負担した請求人所有の居宅(本件居宅)の改修工事(本件改修工事)は、建築確認申請が必要となるものではなく、固定資産税評価額が増加していないから民法第242条《不動産の付合》は適用されず、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで…利益を受けた」とはいえない旨主張する。しかしながら、本件改修工事のうち、本件居宅から容易に取り外せず、本件居宅の構成部分となっているもの、又は社会通念上本件居宅の一部分と認められる部分は、取引上の独立性を有しないといえるから本件居宅への付合(本件付合)が成立する。また、請求人の母は、請求人に対し、民法第248条《付合、混和又は加工に伴う償金の請求》に基づく費用償還請求権を行使する意思はおよそなく当該権利を放棄していたと認められることから、請求人は、付合による所有権取得に見合う債務を何ら負担していないということができる。したがって、本件付合が成立した時点で、請求人は、請求人の母から「対価を支払わないで…利益を受けた」といえ、相続税法第9条の規定を適用するのが相当である。(平29. 5.24 名裁(諸)平28-30)

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支部名
大阪
裁決番号
平270056
裁決年月日
平成28年4月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が交際相手から交付を受けた現金(本件金員)は、交際相手から本件金員の返還等を求める訴え(本件訴訟)を提起されたころから請求人が受けた損害に対する慰謝料や賠償金であり、損失を受けた部分に対する補填であるから、本件金員の取得は相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する利益を受けた場合には当たらない旨主張する。しかしながら、本件金員は、請求人と交際相手が共有で取得し同居生活を送るためのマンションの購入代金等に充てるために、交際相手が請求人に贈与したものであると認められるところ、配偶者と別居して交際相手と同居生活を送るための建物の購入資金等を交際相手に贈与することは、現在の社会における倫理、道徳に反することが明らかであるから、当該贈与は、公序良俗に反する事項を目的とする法律行為として無効というべきである。もっとも、請求人は、本件金員を、請求人が管理する預金口座に入金して自己の管理下に置き、現に、その後、本件金員を随意に出金しているのであるから、本件金員は、預金口座に入金された時点で、請求人に帰属したものと認められる。したがって、請求人は、本件金員につき、対価を支払わないで利益を受けたものと認めるのが相当であるから、相続税法第9条の規定により、交際相手から本件金員を贈与により取得したものとみなされる。(平28. 4.22 大裁(諸)平27-56)

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支部名
名古屋
裁決番号
平260026
裁決年月日
平成27年3月10日
裁決結果
棄却
争点番号
400401010
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の夫が保険会社との間で締結した個人年金保険契約に基づいて支払われた保険料(本件保険料)のうち、送金の方法により支払われた保険料は請求人が支払ったものであり、請求人の夫名義の口座から口座振替の方法により支払われた保険料は請求人が夫婦間の生活費の大半を負担することで当該保険料相当額を清算したものであるから、本件保険料の実質的な負担者は請求人である旨主張する。しかしながら、保険料の実質的な負担者は、特に反証のない限り、保険契約者であると事実上推定されるところ、当該個人年金保険契約の保険契約者は請求人の夫であるから、特に反証のない限り、本件保険料の実質的な負担者は請求人の夫であると事実上推定される。そして、請求人が主張する上記各事実を裏付ける証拠は、請求人及び請求人の夫の答述であるが、各答述は、具体性を欠くことや、請求人の夫の確定申告書に本件保険料を支払ったことに基づく生命保険料控除をする旨記載されていることからすると、直ちに信用することはできず、また、他に上記推定を覆すに足りる証拠もない。したがって、本件保険料の負担者は請求人の夫と認められる。(平27. 3.10 名裁(諸)平26-26)

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支部名
大阪
裁決番号
平250036
裁決年月日
平成26年1月10日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 原処分庁は、被相続人名義の預金口座(本件被相続人口座)から請求人名義の預金口座(本件請求人口座)に振り込まれた金員(本件振込金)は、請求人が被相続人から贈与により取得したものとみなされるところ、請求人は被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税適用者であるから、本件振込金の額に相当する金額は、被相続人の相続に係る相続税の課税価格に加算される旨主張する。しかしながら、本件振込金は、本件被相続人口座の預金が引き出されて、本件請求人口座に振り込まれたとみるべきであるが、同預金は、被相続人の親族が、A社の民事再生法に基づく再生計画の履行に必要な資金を、便宜上一旦本件被相続人口座に預け置いたものにすぎず、そもそも被相続人の財産ではなかったと認められる。また、本件振込金が本件請求人口座に振り込まれた翌日には、これに相当する額等が同口座から引き出されて当該再生計画に係る被相続人や請求人の債務の弁済としてA社に対して支払われているから、本件振込金の振込みについても、当該資金を便宜上本件請求人口座に一旦預け置いたものにすぎないとみるべきであって、本件振込金の振込み自体によって請求人が本件振込金相当額の利益を受けたものとはいえない。したがって、本件振込金の額に相当する金額は、被相続人の相続に係る相続税の課税価格に加算することはできない。(平26. 1.10 大裁(諸)平25-36)

支部名
大阪
裁決番号
平250033
裁決年月日
平成25年12月6日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 原処分庁は、被相続人名義の普通預金口座(本件預金口座)は同人の固有の財産であるので、被相続人の親族から本件預金口座に金員(本件振込金)が振り込まれた時点において、その全額が被相続人の財産となり、被相続人は当該親族から利益を受けたこととなるから、被相続人は、当該親族から本件振込金の額に相当する金額を贈与により取得したものとみなされる旨主張する。しかしながら、本件振込金は、被相続人ら一族の経営する会社の民事再生法に基づく再生計画(本件再生計画)において、本件再生計画の履行のための資金に充てる目的で便宜上本件預金口座に振り込まれたものであって、当事者間に、振込の時点において本件振込金を被相続人に帰属させる意思はなかったものと認められる。そして、本件再生計画の履行のために必要な資金の額が確定し、被相続人及びその子A(請求人)が、再生債務者である当該会社から会社分割により事業の譲渡を受けた会社に、事業承継の対価の支払資金として本件振込金を貸し付けることとなった時点で、被相続人及び請求人が当該親族からそれぞれ利益を受けたものと認めるのが相当である。したがって、本件振込金のうち請求人が利益を受けたものと認められる金額については、被相続人が贈与により取得したものとは認められない。(平25.12. 6 大裁(諸)平25-33)

支部名
沖縄
裁決番号
平240006
裁決年月日
平成25年4月24日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、母親が所有する各土地(本件各土地)を権利金等を支払わずに賃貸借により借り受け、本件各土地上に建物を建築したが、本件各土地が所在する地域には借地権の取引慣行がないため、財産評価基本通達27《借地権の評価》のただし書により借地権は評価しないことから、相続税法第9条に規定する利益は受けていない旨主張する。しかしながら、本件各土地の所在する地域は、財産評価基準書において借地権割合が定められているところ、この借地権割合は、不動産鑑定士等の精通者による借地権の取引慣行がある地域であるとの意見を基に評定されていると認められ、さらに、本件各土地の所在する市内においては、借地権の設定された土地は、借地権相当額を控除した価額で売買されていることからすると、本件各土地の所在する地域は借地権の取引慣行のある地域、すなわち、借地権の設定に際し権利金の授受の取引慣行がある地域と認められる。請求人の場合、上記賃貸借により本件各土地上の借地権(本件各借地権)を取得したと認められ、本件各借地権は、権利金の支払をせずに取得しているものであるから、請求人は、本件各土地の所有者である母親から借地権の価額に相当する利益を受けたと認められる。(平25. 4.24 沖裁(諸)平24-6)

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支部名
東京
裁決番号
平240153
裁決年月日
平成25年2月12日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、被相続人の死亡に伴い支払われた同人が入居していた老人ホームの入居一時金に係る返還金は相続税の課税対象とはならない旨主張する。しかしながら、請求人は、被相続人が死亡時の老人ホームの入居一時金に係る返還金受取人であり、その入居契約により、受益者として、入居者である被相続人の死亡を停止条件として当該ホーム設置会社に対して直接、入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を取得したものであるところ、この取得原因についてみると、本件における入居契約の内容のみをもって、被相続人と請求人との間に入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を贈与する旨の死因贈与契約が成立していたと認めることはできないし、その他当審判所の調査の結果によっても、相続開始時より前に、当該当事者間でその旨の死因贈与契約が成立していた事実や、被相続人がその旨の遺言をしていた事実を認めることはできないものの、入居一時金の原資は被相続人の定期預金の一部であると認められることからすれば、実質的にみて、請求人は、第三者(請求人)のためにする契約を含む入居契約により、相続開始時に、被相続人に対価を支払うことなく、同人から入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利に相当する金額の経済的利益を享受したというべきである。したがって、請求人は、当該経済的利益を受けた時、すなわち、相続開始時における当該利益の価額に相当する金額を被相続人から贈与により取得したものとみなす(相続税法第9条)のが相当である。そして、請求人は、被相続人から相続により他の財産を取得していることから、被相続人から贈与により取得したものとみなされる当該利益の価額は、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項の規定により、当該他の財産に加算され、相続税の課税対象となる。(平25. 2.12 東裁(諸)平24-153)

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支部名
東京
裁決番号
平240154
裁決年月日
平成25年2月12日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、被相続人の死亡に伴い請求人の弟に支払われた被相続人が入居していた老人ホームの入居一時金に係る返還金は相続税の課税対象とはならない旨主張する。しかしながら、請求人の弟は、被相続人が死亡時の老人ホームの入居一時金に係る返還金受取人であり、その入居契約により、受益者として、入居者である被相続人の死亡を停止条件として当該ホーム設置会社に対して直接、入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を取得したものであるところ、この取得原因についてみると、本件における入居契約の内容のみをもって、被相続人と請求人の弟との間に入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を贈与する旨の死因贈与契約が成立していたと認めることはできないし、その他当審判所の調査の結果によっても、相続開始時より前に、当該当事者間でその旨の死因贈与契約が成立していた事実や、被相続人がその旨の遺言をしていた事実を認めることはできないものの、入居一時金の原資は被相続人の定期預金の一部であると認められることからすれば、実質的にみて、請求人の弟は、第三者(請求人の弟)のためにする契約を含む入居契約により、相続開始時に、被相続人に対価を支払うことなく、同人から入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利に相当する金額の経済的利益を享受したというべきである。したがって、請求人の弟は、当該経済的利益を受けた時、すなわち、相続開始時における当該利益の価額に相当する金額を被相続人から贈与により取得したものとみなす(相続税法第9条)のが相当である。そして、請求人の弟は、被相続人から相続により他の財産を取得していることから、被相続人から贈与により取得したものとみなされる当該利益の価額は、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項の規定により、当該他の財産に加算され、相続税の課税対象となる。 (平25. 2.12 東裁(諸)平24-154)

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支部名
福岡
裁決番号
平240007
裁決年月日
平成24年10月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が、被相続人が同族会社である本件会社への貸付金(本件貸付金)を免除したことにより請求人の保有する本件会社の株式等の価額が増加したとして、当該増加額が相続税法第9条の規定により贈与とみなされるとし、さらに、当該免除の時期が相続開始の年であったことから、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項の規定により、当該増加額を相続税の課税価格に加算して原処分をしたという課税経緯の下、本件貸付金の一部は、本件会社から被相続人に交付された資金(本件交付金)が本件会社に戻されただけで、貸付けの実体を欠くものであるから、被相続人が債務免除したのは本件貸付金の一部にすぎない旨主張する。しかしながら、実際の資金の動きによれば、被相続人は本件会社から本件交付金を取得した後それを本件会社に改めて交付したものと認められるところ、本件会社はこれを本件貸付金として帳簿に記帳した上で法人税の確定申告書に記載して原処分庁に提出し、被相続人はその確定申告書に代表取締役として署名していることからすると、本件交付金について、当事者である本件会社と被相続人の双方が金銭の貸付けであると認識しているものと認められる。そして、被相続人が本件交付金を受領した後で改めて本件会社に貸し付けることも法律上可能であり、本件会社が銀行借入金の返済資金を本件貸付金により賄ったことに不自然な点はないことから、本件貸付金に係る貸付けは実体を備えた有効なものと認められる。したがって、被相続人が債務免除したのは、本件貸付金の全部であると認められる。(平24.10.17 福裁(諸)平24-7)

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支部名
東京
裁決番号
平220022ほか 1件
裁決年月日
平成22年7月26日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件会社の出資持分である本件出資持分の本件譲渡に係る本件譲渡価額は、仮に、相続税評価額よりも低い価額であったとしても、経済的に独立した当事者間における正常な取引価額であって、別件譲渡価額に比しても、時価に相当する価額であるから、相続税法基本通達9−2《株式又は出資の価額が増加した場合》(4)にいう「著しく低い価額」に該当しない旨主張する。しかしながら、贈与税の課税処分の適否が争われている本件においては、本件出資持分の時価の算定は、特別の事情がある場合を除き、財産評価基本通達に定める方法により行うべきであるところ、本件出資持分の売買実例は、別件譲渡及び本件譲渡以外には見当たらず、別件譲渡は、別件譲渡の譲渡者における取引先会社との関係強化を目的とした売買であり、また、本件譲渡は、グループ企業の組織再編の一環を目的としたものであったことなどの事情に照らせば、別件譲渡及び本件譲渡は、いずれも正常な第三者間取引とはいい難く、ほかに、本件出資持分の評価について財産評価基本通達によらないことが正当と是認される特別の事情もない。したがって、本件出資持分の本件譲渡時の時価は、財産評価基本通達の定めにより難い特別の事情のある部分を除き、同通達の定めにより算出すべきである。そして、本件出資持分について、財産評価基本通達の定めにより算出した価額と本件譲渡価額とを比較すると、本件譲渡価額は、社会通念上、「著しく低い価額」に該当するものと認められるから、相続税法基本通達9−2(4)にいう「著しく低い価額」に該当するものというべきである。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-22)

支部名
大阪
裁決番号
平210060
裁決年月日
平成22年5月12日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、被相続人が、生前に同族会社に債務免除を行ったことにより生じた株式等の価額の増加額に相当する金額について、原処分庁が、相続税法第9条及び相続税基本通達9−2(以下「本件通達」という。)を適用して原処分をしたのに対し、本件通達は同族会社に限って債務免除があった場合の取扱いを示しており、相続税法第64条に規定されている同族会社に対する課税の取扱いに対応しているから、同条と同様に、本件通達についても、相続税や贈与税の負担を不当に減少させる結果がある場合に限って適用されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、要するに、本件通達に定める場合に該当するときは、相続税法第9条に基づく課税要件について、さらに、「その株主等の相続税又は贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがある」ことを課税要件として付加して解釈すべきであるとの主張にほかならないが、①同条には、相続税法第64条とは異なり、「その株主等の相続税又は贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがある」ことを適用要件とする文言はないし、相続税法第9条の適用に当たり、同族会社の場合には相続税法第64条を準用することを定めた規定もない上、②本件通達は、確かに同族会社の債務免除等の場合についての定めとなっているものの、その趣旨は、同族会社の債務免除等の場合は同社の株式又は出資を保有している同族関係者が債務免除等をした者から直接財産の移転等を受けた場合等と同様の「利益を受けた場合」に該当するからなどというものであり、本件通達の文言自体から見ても、相続税法第9条の課税要件に新たな課税要件を付加した定めであるとみることもできない。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平22. 5.12 大裁(諸)平21-60)

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支部名
大阪
裁決番号
平210056
裁決年月日
平成22年4月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、①関係する法人に対する被相続人名義の貸付金の返済金の一部が、被相続人の夫の絵画購入代金に充てられたこと及び被相続人の夫の預金に入金されたこと、②被相続人名義の預金からの出金が、被相続人の夫の預金に入金されたこと及び被相続人の夫から関係会社の代表者への貸付けに充てられたことについては、これらの被相続人名義の貸付金及び預金は、被相続人が被相続人の夫の預金を使い込んだという事実関係の下、被相続人の夫が被相続人の退職金により弁済を受けた金員が原資となっているのであって、もともと被相続人の夫に帰属するものであるから、①②いずれの資金移動についても、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合には該当せず、贈与により取得したものとみなされることはなく、相続税法第19条の規定により相続開始前3年以内に贈与により財産を取得したことがある場合に当たるとして被相続人の相続開始に係る相続税の計算上被相続人の夫の課税価格に算入することもできない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、被相続人が被相続人の夫の預金を使い込んだというのは被相続人の夫の憶測に過ぎず、具体的な証拠も見当たらないから、請求人らの主張は採用することができない。したがって、①②の資金移動は、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当し、被相続人の夫が贈与により取得したものとみなされることとなり、相続税法第19条の規定により相続開始前3年以内に贈与により財産を取得したことがある場合に当たるとして被相続人の相続開始に係る相続税の計算上被相続人の夫の課税価格に算入することとなる。(平22. 4.22 大裁(諸)平21-56)

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支部名
大阪
裁決番号
平210057
裁決年月日
平成22年4月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
No.79

要旨

○ 請求人は、?関係する法人に対する請求人の妻名義の貸付金の弁済金の一部を請求人の預金口座へ入金したこと、?請求人の妻名義の預金からの出金を、請求人名義の預金に入金したこと及び請求人から関係会社の代表者への貸付けに充てたことについては、これらの請求人の妻名義の貸付金及び預金は、請求人の妻が請求人の預金を使い込んだという事実関係の下、請求人が妻の退職金により弁済を受けた金員が原資となっており、もともと請求人に帰属するものであるから、??のいずれの資金の移動についても、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合には該当せず、贈与により取得したとみなされることはない旨主張する。しかしながら、請求人の妻が請求人の預金を使い込んだというのは請求人の憶測に過ぎず、具体的な証拠書類も見当たらないことから、請求人の主張は採用することができない。したがって、??の資金移動は、同条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当し、贈与により取得したものとみなされる。(平22. 4.22 大裁(諸)平21-57)

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支部名
熊本
裁決番号
平200015
裁決年月日
平成21年1月9日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、相続税法第66条第4項に規定する贈与は、民法第549条《贈与》に規定する贈与契約に係るもののみをいい、同法第8条及び第9条等に規定するいわゆるみなし贈与は含まれないから、本件贈与税の決定処分は、課税要件を満たさない違法な処分である旨を主張する。しかしながら、相続税法第66条第4項に規定する贈与には、同法第8条及び同法第9条等に規定するいわゆるみなし贈与が含まれると解される。そして、本件においては、出資者であるAらを含む請求人の社員全員は、臨時社員総会において、請求人が特定医療法人の承認申請を行うこと、及び出資持分の定めのない医療法人に組織変更をするための定款変更の認可の手続をすることについて承認可決していた。そして、請求人の定款変更が、臨時社員総会、覚書等作成などの手続を経て県知事の認可により行われたことからすれば、出資者であるAらはこの定款変更によりその出資が消滅することを認識した上で、それが進められてきたことは明らかである。このようにAら出資者を含む請求人の社員全員の意思により、請求人は、出資持分の定めのある医療法人から公益法人等に該当する出資持分の定めのない医療法人になったのであり、本件定款変更の認可により、本件出資持分は消滅し、一方、請求人はB(Aの相続分を含む)及びCに対する出資の払戻義務を免れることになったのであり、このことは、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で収益を受けた場合」に該当するものと認められることから、本件定款変更があった時に、公益法人等である請求人に対し、B及びCから「財産の贈与があった」ものと認めることができる。したがって、本件贈与税の決定処分は適法である。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-15)

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支部名
札幌
裁決番号
平200003
裁決年月日
平成20年10月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集No.76・60ページ

要旨

○ 請求人は、同族会社の株式を著しく低い価額の対価で譲り受けたとして、相続税法第7条の規定に基づき、当該対価と当該株式を譲り受けた時の当該株式の時価との差額に相当する金額を贈与により取得したとみなして原処分庁が行った贈与税の決定処分に対し、当該株式の譲渡契約は民法第95条の規定により無効な契約となるから、当該無効な法律行為を原因とした贈与税の決定処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件譲渡契約の締結に当たり、請求人にとって1株当たりの実際の価値が重要な要素であったとすれば、課税関係を十分に検討するなど、通常の注意義務を尽くしていれば、錯誤に陥ることはなかったにもかかわらず、これを行わず請求人の不注意から錯誤に陥ったものと認めるのが相当であり、請求人には看過することができない過失があったことは明らかであるから、請求人が主張する錯誤をもって直ちに当該譲渡契約を無効とすることはできない。(平20.10.21 札裁(諸)平20-3)

支部名
関東信越
裁決番号
平200002
裁決年月日
平成20年7月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件土地の時価は、請求人鑑定評価額34,500,000円であるから、本件土地に根抵当権が設定されていること等の個別事情を加味すれば、本件譲受価額30,000,000円による本件土地の譲り受けは、「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」に当たらない旨主張する。しかしながら、請求人鑑定評価額及び原処分庁鑑定評価額53,400,000円は、本件土地の適正な時価を示しているとはいえず、当審判所が土地価格比準表に準じて時点修正、標準化補正、地域格差及び個別格差の補正を行って本件譲受日における本件土地の時価を算定したところ、本件土地の時価は69,328,301円となるから、本件譲受価額は本件土地の時価水準を大きく下回るのみならず、公表されている、当時の路線価額による相続税評価額56,984,289円をも大きく下回る価額であり、本件譲受価額の決定過程には合理的な根拠がなく、「著しく低い価額の対価」に当たると判断するのが相当である。(平20. 7. 4 関裁(諸)平20-2)

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支部名
名古屋
裁決番号
平200001
裁決年月日
平成20年7月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件信託契約による信託行為は、P国の法律に準拠して設定され、信託財産の分配等に関する限定的権限保持者が存在するなど、日本の信託にはない仕組みになっており、日本の相続税法が前提としている信託とは明らかに異なるから、相続税法第4条第1項に規定する信託行為に該当しない旨主張する。しかしながら、本件信託契約はP国の法律に準拠して締結されたものではあるが、その内容は、委託者であるAが、受託者であるBにP国債を引き渡し、受益者である請求人が信託の利益を受けるものとされており、平成18年法律第108号による改正前の信託法(以下「旧信託法」という。)の規定に基づく信託行為とその法形式、性質、内容がおおむね同様ないし類似するものと認めることができるから、本件信託契約による信託行為は、相続税法第4条第1項に規定する信託行為に該当するものとするのが相当である。なお、請求人は、本件信託契約は信託財産の分配等に関する限定的権限保持者が存在するなど、日本の信託にはない仕組みになっている旨主張するが、旧信託法においても、受益者を指定し又は変更する旨の権利を有する者の定めのある信託を設定することができると解されるから、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)

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支部名
名古屋
裁決番号
平200001
裁決年月日
平成20年7月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401010
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、委託者たるAがP国債を信託した後に受託者たるBが生命保険契約を締結した本件信託契約は、相続税法規本通達4−2で定める生命保険信託であり、信託行為のあった時において課税関係は生じない旨主張する。しかしながら、受託者が締結したP国の生命保険会社6社は、保険業法に基づく外国生命保険業免許を受けていないのであり、本件生命保険契約の保険金については相続税法第3条及び第5条の規定は適用されないのであるから、本件信託契約の内容が生命保険信託に該当するといえないことは明らかである。また、本件信託契約書において、受託者は、あらゆる投資対象に対して投資、再投資できると定められ、必ずしも生命保険契約で運用しなければならないとは解されず、より目的に合致した運用方法があれば、臨機に生命保険契約以外の投資も可能であり、本件の場合は、たまたま投資先として生命保険証券への投資が選択されたにすぎず、信託財産である本件P国債の運用として、生命保険契約以外にP国債を取得していることからも、本件信託契約における信託財産の運用は、生命保険証券への投資に限られたものでないことが認められる。したがって、本件信託契約は相続税法基本通達4−2にいう生命保険信託と認めることはできず、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)

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支部名
名古屋
裁決番号
平200001
裁決年月日
平成20年7月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件信託契約は、限定的権限保持者の意思により受益者の変更が可能であり、請求人が本件信託契約の意図する人物に成長しなければ限定的権限保持者により受益者たる地位から外されてしまうことから、停止条件付信託であり、受益者が確定していない場合について規定した相続税法第4条第2項第3号又は第4号に該当する旨主張する。しかしながら、本件信託契約に基づき委託者AがP国債を受託者に引き渡した時点において、受益者が請求人と確定しているのであるから、本件信託契約上、受益者の変更が可能であることをもって、相続税法第4条第2項第3号に規定する「受益者が特定していない信託」又は「受益者が存在しない信託」、あるいは同項第4号に規定する「停止条件付で信託の利益を与えることとしている信託」に該当するということはできない。なお、請求人は、請求人が本件信託契約の意図する人物に成長しなければ、限定的権限保持者により受益者たる地位から外されるから、本件信託契約は停止条件付信託である旨主張するが、これは、停止条件ではなく解除条件であると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)

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支部名
名古屋
裁決番号
平200001
裁決年月日
平成20年7月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件信託契約における信託受益権は、本件信託契約において生命保険契約がP国に本店又は事務所が所在する生命保険会社6社との間で締結されているから、相続税法第10条第1項第5号に該当し、P国に所在する財産である旨主張する。しかしながら、信託行為が行われた場合において受益者が有することとなる信託の利益の全部又は一部を受ける権利の所在は、相続税法第10条第3項の規定に基づき、信託行為の委託者である贈与者、すなわち、委託者Aの住所の所在によって判断することになるところ、Aの生活の本拠は国内にあるから、その住所は相続税法の施行地にあるとするのが相当であり、請求人が贈与により取得したものとみなされた信託の利益を受ける権利、すなわち、本件信託契約における信託受益権の所在は、この法律の施行地である国内にあることとなる。したがって、請求人の住所がこの法律の施行地にあるか否かにかかわらず、請求人には、贈与税が課税されることとなる。なお、請求人は、当該信託受益権の所在は、保険金の所在について規定した相続税法第10条第1項第5号に該当すると主張するが、P国に本店又は事務所が所在する当該生命保険会社6社は、保険業法に基づく外国生命保険業免許を受けていないことから、保険事故が発生した場合に生命保険契約に基づき支払われることとなる保険金は相続税法第3条及び第5条に規定する保険金に該当せず、また、課税時期において生命保険契約に基づき保険金が支払われているものでないことも明らかであるから、当該保険金の所在につき相続税法第10条第1項第5号の規定により判定することはできず、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)

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支部名
名古屋
裁決番号
平190096
裁決年月日
平成20年5月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、請求人がA社の株式8,000株(以下「本件株式」という。)の名義人Bへ額面金額を支払った取引は、名義株の整理を行ったものであり、Bへの金銭の支払は借入金の返済であるから、原処分庁が、当該取引は請求人がBから株式を譲り受けたものであり、相続税法第7条の規定により時価との差額に相当する金額はBから贈与を受けたとみなされるとして行った贈与税の決定処分は違法であると主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、請求人は、A社の設立資金の一部に充てるため、Bから現金を受け取り、Bを募集株主として、昭和57年3月にA社を設立したと認められ、A社が保管していた法人税確定申告書の控え及び決算配当金明細書並びにBが保管していたBの所得税確定申告書の控えから、A社は少なくとも昭和58年2月期から平成2年2月期まで利益配当を行っており、Bは昭和59年分から平成2年分までA社から利益配当を受けたとして所得税の確定申告をしていたことが認められることから、BがA社から利益配当を受けていたことは明らかであり、本件株式の株主は名義人Bであったと認められる。また、当該取引に際して作成された有価証券譲渡契約書には、請求人及びBの署名、押印があり、同契約書は、B名義の株式を額面価額で売買することについて、双方が合意の上で作成したものと認められ、Bは、同契約書に基づく売却代金について譲渡所得の確定申告を行っている。以上から、請求人が、A社の株式をBから売買により譲り受けたことは明らかであり、Bへ額面金額を支払った取引は名義株の整理であるとする請求人の主張には理由がない。なお、原処分庁のA社の株式の一株当たりの純資産価額の算定には、未納県民税を負債に計上していないなどの誤りが認められ、これを見直した結果、A社の株式の一株当たりの純資産価額の審判所認定額は原処分の額を下回り、これに伴い、課税価格及び納付すべき税額も審判所認定額が原処分の額を下回るから、原処分の一部を取り消す。(平20. 5.30 名裁(諸)平19-96)

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支部名
大阪
裁決番号
平180019
裁決年月日
平成18年9月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400401010
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の資金から、Fを介して保険料(以下「本件保険料」という。)を含め毎月10万円(以下「本件金員」という。)を保険契約者であるYに手渡していたから、本件保険料の負担者は、被保険者又は請求人であり原処分(保険金につき贈与税を課税したこと)は違法である旨主張するとともに、仮にその主張が認められないとしても、請求人からYに対し金銭の移動があるため、保険金等のうち、資金移動分に相当する部分については、請求人が負担者と評価できる旨主張する。 しかしながら、保険契約者は、契約日から保険事故の発生日までの間Yであること、本件保険料は、契約日から保険事故の発生日までY名義の普通預金口座から振替により支払われており、その間の振替口座の変更手続もYが行ったこと、Y名義の普通預金口座への入金は、Y自身の厚生年金や給与などの振込入金であり、現金での入金はなく、本件金員も入金されていないことなどの事実及びY並びにFの答述によれば、本件保険料は保険契約者であるYが、自らの収入を受け取っていた口座に存する金員を用いてN生命に支払っており、本件保険料の負担者はYであると解するのが相当である。請求人の資金移動に相当する部分について請求人が負担者と評価できるとの主張は、前述のとおり、Yが本件保険料を全額負担していたと認められるから採用できない。(平18. 9. 4 大裁(諸)平18-19)

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支部名
金沢
裁決番号
平170035
裁決年月日
平成18年6月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、所有株式の評価益は相続税法第9条に規定する利益に当たらず、相続税法第9条を逸脱し、また、不当に同族会社の株主に限定した相続税法基本通達9−2を適用して、請求人らが所有している株式の評価益を経済的利益とし、利益でない株式の評価益を財産の取得であるとした本件決定処分は違法である旨主張する。しかし、直接、財産の移転があった場合に贈与税の課税が行われ、会社に対して贈与を行ったことによる間接的な株主の利益すなわち株式の価額が増加した部分に相当する利益に贈与税の課税が行われないとすれば、課税の公平を失することとなる。このため、財産の無償提供等により会社の純資産が増加した場合に、株式の価額が増加した部分に相当する利益を財産上の利益として相続税法第9条により、財産の無償提供等を行った者から贈与により取得したものとみなして贈与税の課税財産とするのが相当であり、相続税法基本通達9−2は、同法同条の規定の趣旨に沿って、比較的典型的な事例として同族会社の例を挙げて具体的な取扱いについて例示しているものである。そこで、本件における請求人らの所有する同族会社の株式についてみると、本件債務免除により対価を支払わないでその価額が増加していることが認められ、請求人らが受けたかかる経済的利益は、相続税法第9条に規定するみなし贈与財産に該当すると認めるのが相当である。したがって、請求人らの主張にはいずれも理由がない。(平18. 6. 8 金裁(諸)平17-35)

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支部名
関東信越
裁決番号
平170052
裁決年月日
平成18年4月12日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件土地の時価を正面路線価に基づく相続税評価額によるべきである旨、また、下落が続く土地の売買においては、売買後数年間分の下落率を想定して購入価額を決定するのが普通であることから、さらに下落率20%を認めるべきである旨主張するが、その算定方法は、本件土地の譲受け時点における客観的な時価を求めるにおいて合理的な根拠を欠くものである。 また、原処分庁が本件土地の時価の算定に当たり採用した地域要因の格差補正率及び個別的要因の格差補正率の算定方法は、それぞれ路線価の格差を基としているが、路線価は地域要因の格差も反映されており、結果として、地域要因の格差補正を2度行うこととなるから、本件土地の時価を求めるための方法としては合理性を欠くものである。 したがって、請求人及び原処分庁が主張する価額は、いずれも本件土地の時価であるということはできない。そこで、当審判所が、取引事例比較法及び公示価格を規準する方式と同様の手法により試算した価格を基に本件土地の時価を算定し、当該価額を基に本件贈与税の課税価格を計算すると、本件決定処分の額を下回ることから、本件決定処分の一部を取り消すべきである。(平18. 4.12 関裁(諸)平17-52)

支部名
東京
裁決番号
平170083
裁決年月日
平成17年12月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、請求人が主催する法人(以下「主催法人」という。)の子会社(以下「子会社」という。)の同族株主以外の株主等であるから、主催法人の社員から子会社の株式を配当還元価額の2倍の価額で譲り受けたことは、相続税法第7条の低額譲受には該当しない旨主張する。しかしながら、本件においては、請求人が子会社の事業経営に対して影響力を有していない、請求人が子会社の株式を保有する目的が単に配当を受けるところにある、あるいは、子会社株式保有に係る主たる権利の要素が配当を受けるところにあるとは認められず、むしろ、請求人は、請求人、請求人の同族関係者及び主催法人の意思決定等を介して、本件譲渡後においても、引き続き、子会社の経営に関する支配権を有していると認めるのが相当である。よって、請求人が保有する子会社の株式に係る経済的実質が配当還元方式の前提とする株式保有に係る経済的実質と全く異なるものであることは明らかであり、本件では、請求人が譲り受けた子会社の株式を配当還元方式で評価した場合、相続税法の趣旨や財産評価基本通達(評価方法)の趣旨に反して、実質的な租税負担の公平を害することが明らかであるという特別の事情が存在していると認められるから、子会社の株式については、配当還元方式ではなく、原則的評価方式により評価するのが相当である。したがって、本件譲受は、相続税法第7条に規定する低額譲受に該当すると認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がなく、本件処分は適法である。(平17.12.20東裁(諸)平17-83)

支部名
東京
裁決番号
平170023
裁決年月日
平成17年7月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件不動産を取得する際に、知人(故人)から借り入れた金員(以下「本件債務」という。)については、知人が本件債務に係る債権を放棄する前に知人に弁済していることから、贈与とみなされる債務免除による利益はない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件債務について知人に対して弁済する具体的な予定を立てておらず、これを直ちに支払う意思はなく、また、知人もこれを了解していたものと認められることから、請求人の本件債務を弁済したとの答述は、知人からの借入れの経緯について認定できる事実、請求人の説明の変遷及び内容のあいまいさに照らして信用することができない。また、請求人が知人宅を訪問したことを示す証拠も、それだけでは、その際に請求人が本件債務を弁済したことを裏付けるものとはいえず、本件債務の返済資金としての収入があったとする証拠も、本件債務を返済したことの証明とはならない。そうすると、知人が本件債務に係る債権放棄をする前に、請求人が本件債務を弁済したとは認められないから、請求人の主張には理由がなく、請求人は知人の本件債務に係る債権放棄によって、本件債務を免除される利益を受けたと認められ、そのことは相続税法第8条に規定する債務免除による利益を受けた場合に該当するから、原処分は適法である。(平17.7.27東裁(諸)平17-23)

支部名
広島
裁決番号
平160010
裁決年月日
平成16年11月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、同族会社の第三者割当増資の方法による新株発行に係る経済的利益の存否の判定に当たっては、取締役会で新株の発行を決議した日の時価(本件においてはその直前期末日の貸借対照表等を基準として算定した価額)と本件発行価額を比較して判定すべきであり、本件発行価額は当日の会社の1株当たりの株式の時価に比し、相続税法第9条に規定する「著しく低い価額」に該当しない旨主張する。しかしながら、商法上、新株の払込期日までにその払込みがされない場合には、新株引受人は当然にその権利を失うことになるから、取締役会の決議の時点では、請求人が新株を引き受けるか否かは確定的なものと解することはできず、未だ請求人に経済的利益は帰属していないというべきである。また、請求人は、新株の時価と本件発行価額との差額相当分の利益を、何らの対価を支払うことなく享受しているから、本件においては、「著しく低い価額」であるか否かは問題とならない。したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.11.17広裁(諸)平16-10)

支部名
東京
裁決番号
平150162
裁決年月日
平成16年1月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
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要旨

○ 相続人である請求人らは、被相続人から相続人への株式の移転(本件移転)はA社株式の単純贈与である旨主張し、原処分庁は、A社の商号変更後のB社株式の売買であり、当該株式の価額から売買価額を差し引いた金額が相続税法第7条《低額譲受け》の規定及び相続税法第19条の規定に基づき請求人の課税価格に算入される旨主張する。しかしながら、株式譲渡契約書、有価証券取引書、被相続人が会社に提出している譲渡承認請求書、法人税の確定申告書に記載されている株主及び株数、会社から譲受人が受領している配当金などから、本件移転はA社株式の売買であると認められる。そして、A社株式の売買に伴う譲受け対価はA社の時価に比して著しく低い価額であることは明らかであり、当該価額と当該譲受け対価との差額に相当する金額は相続税法第7条の規定に基づき譲受人は被相続人から贈与によって取得したものとみなされ、また、本件移転は相続開始日と同年中であるから、当該差額は相続税法第19条により請求人の課税価格に算入される。(平16.1.29東裁(諸)平15-162)

支部名
東京
裁決番号
平150167
裁決年月日
平成16年1月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
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要旨

○ 原処分庁は、請求人が本件株式を時価より低額で譲り受けたとして、その差額が相続税法第7条(みなし贈与)に該当すると認定し決定処分をしたが、請求人は、本件株式の実質的な所有者はAであり、当該取引に名義を貸したにすぎないことから本件決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人から提出された関係書類によると、本件株式が請求人の名義株式とは認められず、本件株式は請求人が取得した実株式と認めるのが相当であることから、この点に関する請求人の主張は採用できない。ただし、請求人が受けたみなし贈与の額を算出すると、本件決定処分の額を下回ることから、本件決定処分の一部を取消すべきである。(平16.1.29東裁(諸)平15-167)

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支部名
広島
裁決番号
平150021
裁決年月日
平成15年12月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
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要旨

○ 請求人は、和解調書に記された数字は条項表現上の修辞であるので、そこに課税根拠となる利益の発生はあり得ないのであって、原処分庁がその記載内容をもって贈与税を課税したのは違法である旨主張する。しかしながら、訴訟上の和解を記載した調書である和解調書は、確定判決と同一の効力をもつとされており、その効力は極めて大きく、当事者が紛争している中で成立した和解をその表示された文言と異なる意味に解することは、そこに記載された文言自体相互に矛盾し、又は文言自体によってその意味を了解しがたいなど、和解条項それ自体に内包するかしを含むような特別の事情がない限り許されないと解されるところ、本件において、そのような特別の事情は認められないから、当該和解調書に記された数字が条項表現上の修辞であるとすることはできない。(平15.12.4広裁(所・諸)平15-21)

支部名
大阪
裁決番号
平150019
裁決年月日
平成15年10月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、更正処分が行われる前に売買契約を合意解除し、売買代金及び不動産の登記名義を前所有者に戻したから、当該売買契約に係る相続税法第7条の規定による贈与税の更正処分は取り消されるべきである旨主張するが、既に履行された売買について行われる合意解除は、税法上既に成立した課税要件事実を遡及して消滅させる効力を有するものではないから、法定申告期限において当該売買契約が有効適法に存続していた以上、たとえ、その後に合意解除し、売買代金を返還したとしても、当該合意解除が贈与税の納税義務に何ら影響を与えるものではない。また、請求人は、本件不動産の取得は過誤に基づき、又は軽率に行ったものであり、名義変更通達5に該当するから、贈与がなかったものとして取り扱われるのが相当である旨主張するが本件の場合は有効に成立した売買契約に基づき本件不動産を取得した結果が低額譲受に当たるとして贈与税の課税が行われたものであり相続税法基本通達9−9に定める場合には該当しないことから、名義変更通達の適用はないものと解するのが相当である。(平15.10.21大裁(諸)平15-19)

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支部名
関東信越
裁決番号
平150019ほか 2件
裁決年月日
平成15年10月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続分を譲り受けることは、相続税法第9条の「利益を受けた場合」に当たらない旨主張する。しかしながら、相続税法第9条の「対価を支払わないで利益を受けた場合」とは、対価を支払わないで経済的利益を受け、それが贈与と同様の実質を有する場合をいうと解される。これを本件についてみると、請求人は共同相続人から相続分を譲り受け、それによって、遺産に対する財産的地位を取得している。そして、その後の遺産分割により、土地及び家屋に対する共有持分権という財産を取得するとともに債務も引き継ぎ、請求人の財産が増加している。請求人の受けたかかる経済的利益は、私法上の贈与契約によって取得したものではないが、対価を支払わないで共同相続人から受けた経済的利益であって、経済的実質において、贈与と同じような実質を有すると判断されるから、相続税法第9条の「対価を支払わないで利益を受けた場合」に当たり、贈与税が課税されるべきである。(平15.10.7関裁(諸)平15-19)

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支部名
熊本
裁決番号
平140028
裁決年月日
平成15年6月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続税法第7条の規定の適用について、仮に、医療法人の出資の価額が原処分庁主張のとおりであったとしても、①本件出資の売買に関して、売買当事者には売買価額が時価よりも低額であり、その間に贈与があるとの意識はなかった、②多額の贈与税が課税されることがわかっておれば売買しなかったのであるから、当該売買契約は錯誤により無効である、③医療法人の非営利性及び医療法人化の際の認可の状況を考慮すればみなし贈与課税の画一的な適用は不合理であるので、本件には同条の規定を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、相続税法第7条の規定は、時価より著しく低い価格で売買が行われた場合には、当事者に贈与の意思があったかどうかを問わず、その対価と時価との差額に相当する金額の贈与があったこととみなすこととしているものと解されるので①の主張には理由がない。次に、請求人の母と請求人らの間で、医療法人の出資の贈与契約及び売買契約は有効に成立しており、これらの契約等に基づいて、請求人らは贈与税の申告書を、請求人の母は所得税の確定申告書をしており、また、これらの契約が取り消され又は解除された事実が認められないことから、請求人らの主張する錯誤が、これらの契約の無効事由となるか否かを判断するまでもなく、②の主張は採用することができない。なお、相続税法7条は、医療法人の出資の低額譲渡を除外する旨を規定しておらず、また、同条の趣旨に照らしても、医療法人の出資の低額譲受に同条を適用しないとする特別の事情も認められないことから、③の主張には理由がない。(平15.06.30.熊裁(諸)平14-28)

支部名
高松
裁決番号
平140034
裁決年月日
平成15年6月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、売買契約により譲り受けた同族会社の出資口について、本件売買契約に当たっては、請求人に新たな課税関係が生じないことが重要な要素となっていたのであるから、重要な要素の錯誤により当該契約を解除し、当該出資口等の返還をしたにもかかわらず、低額譲受であるとしてされた贈与税の決定処分は違法である主張する。しかしながら、当該契約の要素の錯誤は、①当該契約は口頭で行われ、請求人の主張する事情が売買契約の条件として表示されていたものとは認められないこと、②当該契約の背景には次世代への事業承継及び経営基盤の安定があったものと認められること、③出資口の時価の算定方法に財産評価基本通達に明示されていることから、当該契約を成すに当たっての動機が民法95条の規定により、当該契約の重要な要素として保護しなければならないものとまで解することはできない。そして、当事者の無効確認は、①価額があまりにも低いと贈与税等の問題が起きると認識しながらも財産評価基本通達による評価をしていないのであるから、同業種の上場企業や近隣の同業法人の株価などを参考に算出して実際の評価の7分の1の価格としたのは評価方法の不知による個人的判断に基づいた計算方法の誤りであって、②請求人に新たな課税関係が発生しないことが本件売買契約の最重要な関心事であったとするならば、不正確であることを自認しながら、著しく低い価額で当該契約を成したのは法の不知である。したがって、請求人が原処分庁からの指摘後に契約無効の主張をしていることから、本件売買契約の無効確認は贈与税の負担を免れるために行われた親族間における当事者の合意による契約解除であると認めるのが相当である。そうすると、この合意解除は、国税庁長官通達に定める法定取消権又は法定解除権に基づく場合以外の合意解除の取扱いに該当するところ、請求人は贈与税の申告書の提出期限までに当該契約の解除をしていないのであるから課税を免れることはできない。(平15.06.20.高裁(諸)平14-34)

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支部名
東京
裁決番号
平140271
裁決年月日
平成15年6月19日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集No.65・576ページ

要旨

○ 原処分庁は、本件土地の譲受けは、相続税法第7条にいう「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」に該当すると主張するが、①譲渡人は高齢となり、借入金を弁済するために譲渡したものであり、一方、請求人は自身の将来のことを考えて金融機関から取得資金を借り入れて本件土地を取得したこと、②売買価額は固定資産税評価額を参考に、利用形態を考慮して決定したこと、③譲渡人(譲受人の祖母)は本件土地を相続により取得し、長期間保有していたものであること、④建物の譲受対価の額と本件土地の譲受対価の合計額は、これらの不動産の相続税評価額を上回っていること、を総合勘案すると、本件土地の譲受は相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」による譲受けには該当しないとするのが相当であるから、原処分庁がした贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分は違法であり、その全部を取り消すべきである。(平15.06.19.東裁(諸)平14-271)

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支部名
東京
裁決番号
平140215
裁決年月日
平成15年3月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
裁決事例集No.65・743ページ

要旨

○ 請求人らは、①医療法人が商法上の株式会社とは性格を異にするから贈与税の課税や新株引受権の解釈は医療法の趣旨に反しており、財産評価基本通達9−4等にあるように相続税法第9条は同族会社のみに適用されるのであり、同族会社ではない医療法人には適用はない。また、②平成7年高裁判決では、医療法人の場合、増資持分の権利は、増資をした後の期間に及ぶと判断しているから、本件増資に係る評価額は出資額と同額となり経済的利益は生じないから相続税法第9条は適用されない旨主張する。しかしながら、①本件法人は、持分の定めのある社団医療法人であり、財産権たる出資持分としての価額が現に存する以上、本件増資における出資による利益の享受が生ずることとなり、相続税法上に医療法人を除く旨の規定もないから、相続税法第9条の規定が適用されると解する。また、②高裁判決は、事件の個別事情を考慮した判決であって、医療法の解釈として、医療法人の場合、増資持分の権利は増資をした後の期間に及ぶとの判断を示したものとは認められない。したがって、相続税法第9条のみなし贈与に該当するとの原処分は相当である。(平15.03.25.東裁(諸)平14-215)

支部名
東京
裁決番号
平140137
裁決年月日
平成14年12月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集No.64・383ページ

要旨

○ 請求人は、取引相場のない本件株式を、評価基本通達に定める配当還元方式により算定した価額で譲り受けたのであるから、相続税法第7条の適用はない旨主張し、原処分庁は、本件株式の価額が金融機関等の売買事例の価額より著しく低額であること、及び譲渡人が請求人の本件株式の取得資金である借入金について危険負担を負っていることから、配当還元方式により難い特別な事情が存在し、この金融機関等の取引事例を基に算定した金額に相当する金額を時価とし、当額金額と譲渡価額との差額は相続税法第7条の規定に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は本件株式の1回の取引で持株割合10.8%の数量の株式を取得して、個人株主の筆頭となり、また、譲受代金の原資である借入金の保証人は譲渡人であるなど、本件株式の取引には親族と同様の立場の便宜が図られていることが認められることから、単に配当金を期待しうるにすぎない零細株主に適用するという配当還元方式の趣旨に照らして、本件にこの方式を適用することは相当でなく、また、金融機関等に係る取引事例がほぼ同じ単価であることのみを理由に、その単価が時価であるとはいえない。そうすると、本件株式の価額は、原則的評価方式である類似業種比準方式により算定した価額とすべきであり、当該価格と譲受価額との差額は相続税法第7条に規定する著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合に該当する。(平14.12.20.東裁(諸)平14-137)

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支部名
東京
裁決番号
平130208
裁決年月日
平成14年3月28日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集No.63・508ページ

要旨

○ 請求人は、父から譲り受けた本件土地の持分部分(請求人の持分を除いたもの)には、父が所有する建物(請求人の夫が賃借)があること及び請求人の所有持分部分に対し、賃貸借契約を締結し、父が賃貸借料を支払っていることから、請求人が父から譲り受けた本件土地の持分は底地の譲受けである旨主張する。しかしながら、本件土地の持分の譲渡者と本件建物の所有者とは同一人であることから、父が借地権を有していたとは認められず、また、支払われている賃貸借料は、固定資産税額と同額であることから、請求人と父との本件土地の貸借は使用貸借と解すべきである。そして、本件土地は貸家の用に供されている土地であるから、その価額につき、国税局長が定める財産評価基準書において示されているその土地に係る借地権割合とその貸家の借家権割合との相乗積を当該更地価額に乗じて計算した金額を、更地価額から控除した価額とすることを不相当とする理由は認められないことから、これらを基に本件土地の貸家建付地価額を算定すると、本件譲受価額は当該貸家建付地価額に比して著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。(平14. 3.28東裁(諸)平13-208)裁決事例集NO63・508ページ

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支部名
関東信越
裁決番号
平130015
裁決年月日
平成13年10月11日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、贈与税は相続税の補完税で、相続税の課税回避として贈与する場合に受贈者に課税しなければ相続税の納税者との課税の公平が保たれないために規定されているのであるから、完全な第三者にまで相続税法第7条は適用されない旨及び同条の適用に関しては受贈者である請求人に贈与の意思が必要である旨主張する。しかしながら、贈与税は、沿革的には相続税の補完税としての性質を有しているとしても、理論的には、贈与による財産の取得が取得者の担税力を増加させるため、それ自体として課税の対象となると解されている。そして、相続税法第7条は、法律的にみて贈与契約によって財産を取得したのではないものの、経済的にみて当該財産の取得が著しく低い対価によって行われた場合に、その対価と時価との差額については、実質的には贈与があったものと同視することができるため、この経済的実質に着目して、税負担の公平の見地から、課税上、対価と時価との差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨の規定である。そうすると、租税回避を目的とした行為に適用されるのは当然、それに限らず、著しく低い対価によって財産の取得が行われ、それにより取得者の担税力が増しているのに、これに対しては課税がされないという税負担の公平を損なうような事実があれば、当事者の贈与の意思の有無や具体的な租税回避の意図の有無を問わずに、相続税法第7条が適用される。(平13.10.11関裁(諸)平13-15)

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支部名
東京
裁決番号
平120149
裁決年月日
平成13年4月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集No.61・533ページ

要旨

相続税法第7条は、著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合には、法律的には贈与といえないとしても、経済的には対価と時価との差額について実質的に贈与があったと同視することができるため、この経済的実質に着目して、課税負担の公平の見地からその差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨のものと解されるところ、請求人及び原処分庁の主張する時価額はいずれも採用できない。そこで、当審判所において、公示価格を基に土地価格比準表に準じて地域要因及び個別的要因等の格差補正をして本件土地の時価額を算定したところ、その価額は45.661.363円と算定された。そうすると、本件土地の時価と売買価額との差額は18.501.363円に達するものであるから、本件土地の売買価額は相法第7条に規定する著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。(平13.4.27東裁(諸)平12−149)裁決事例集NO61・533ページ

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支部名
名古屋
裁決番号
平120062
裁決年月日
平成13年3月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400401990
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
事例集登載頁
裁決事例集No.61・550ページ

要旨

○ 請求人は、離婚を条件として前夫から取得することとなっていた土地について、離婚前に登記原因を贈与とする贈与税の申告をした後、裁判により離婚が確定したことをもって、当該土地は財産分与であるから、通則法第23条第2項を適用して、更正の請求が認められる旨主張する。しかしながら、請求人が当該土地を所有権移転登記をしたのは裁判離婚を提訴する前で、婚姻状態が継続していたこと、また、提訴の内容は離婚を求めるものであり、財産分与の額を決定したものでないことから、当該土地の取扱いは財産分与と認められず、相法第9条の規定により、贈与として取り扱うことは認められない。したがって、通則法第23条第2項の適用はない。(平13.3.30名裁(諸)平12−62)裁決事例集NO61・550ページ

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支部名
東京
裁決番号
平110184
裁決年月日
平成12年6月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400401020
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
事例集登載頁
裁決事例集 №59・226ページ

要旨

○ 請求人は、相続税の課税の公平を図ることを目的とする贈与税の趣旨からすれば、本件土地については、既に相続は発生しており、相続財産を不当に減少させることとはならないから、決定処分は、贈与税の趣旨に反する誤ったものである旨主張する。しかしながら、請求人の本件土地の譲受けは、被相続人からではなく、相続人らからのものであるから、請求人の主張はその前提を欠くものである。なお、請求人の主張が、本件土地を相続人らから取得したことを前提とするものであるとしても、相法第1条の2は、贈与税の納税義務者を相続税の納税義務者とは別個に定めており、沿革的には贈与税が相続税の補完税としての性格を有しているとしても、理論的には贈与による財産の取得が取得者の担税力を増加させるため、それ自体として課税の対象になるというべきであるから、贈与税と相続税とはその課税原因を別個にすることを前提としているものと解され、被相続人の相続財産が不当に減少するか否かには左右されない。(平12. 6.29東裁(諸)平11-184)裁決事例集 №59・226ページ

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支部名
東京
裁決番号
平080166
裁決年月日
平成9年3月31日
裁決結果
棄却
争点番号
400401030
争点
4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
事例集登載頁
裁決事例集No53・356ページ

要旨

○ 請求人は、被相続人から株式の返還を免除された時点で債務超過の状態であったので、相法第8条ただし書に規定する「債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」に該当するから、株式の返還の免除は贈与とはみなされない旨主張するが、当審判所の調査によれば、請求人が債務超過の状態であったとは認められず、相法第8条ただし書の規定に該当しないから、株式の返還の免除を贈与とみなして当該株式の価額を相続税の課税価格に加算した更正処分は適法である。(平 9. 3.31東裁(諸)平 8-166) 裁決事例集No53・356ページ

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