裁決要旨 4贈与税の課税財産の範囲及び認定
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070074
- 裁決年月日
- 令和7年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が株式(本件譲受株式)を譲り受けた価額(本件譲受価額)は、純然たる第三者間で交渉を行い種々の経済性を考慮して決められた価額であるから相続税法上の時価であり、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価」に該当しない旨主張する。しかしながら、本件譲受株式の価額(時価)は、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとは認められないから、評価通達に定める評価方法により評価した価額(本件通達評価額)とするのが相当であって、本件譲受価額に経済合理性はなく、本件譲受価額は本件通達評価額を下回り、その開差は著しいものであることを考慮すれば、本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当する。(令7.12. 8 東裁(諸)令7-74)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050047
- 裁決年月日
- 令和6年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、額面金額で譲渡を受けた取引相場のない株式(本件株式)の価額(本件譲受価額)は、適正な時価であり、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価」とはいえない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達によれば、本件株式は、配当還元方式により評価すべきところ、配当還元方式によっては本件株式の客観的交換価値を適切に算定することができない特別の事情があるとは認められず、配当還元方式によって算定した本件株式の評価額(本件評価額)は、本件株式の客観的交換価値(時価)を超えるものではないと推認されることから、本件株式の譲受日における時価とするのが相当である。そして、本件譲受価額は、本件評価額の僅か4%程度に過ぎず、本件譲受価額と本件評価額の開差は社会通念上著しいものと認められ、本件譲受価額には経済合理性のないことが明らかであるから、本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当すると認められる。(令6. 6.12 関裁(諸)令5-47)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050025
- 裁決年月日
- 令和6年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業協同組合の出資持分を親族から譲受価額(本件譲受価額)により譲り受けたこと(本件譲受け)について、その親族が従前の組合員から別の出資持分を譲り受けた際に支払った譲受価額を当該組合が承認したものと認識して、その価額により本件譲受けを行ったものであり、請求人が意図的に本件譲受価額を低く設定したものではないから、本件譲受けは、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」には該当しない旨主張する。しかしながら、出資の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めに基づき当該組合の純資産価額を考慮すべきところ、本件譲受価額は、当該組合の純資産価額を考慮しない組合の定款の定めを根拠に算定されている上、財産評価基本通達に基づく評価額と本件譲受価額との開差は著しいものと認められ、本件譲受価額には経済合理性がないことから、本件譲受けは、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」に該当する。そして、相続税法第7条は、租税回避行為の意図及び目的があったか否かを問わず、また、当事者に贈与の意思があったか否かを問わずに適用されるべきである。(令6. 4.11 名裁(諸)令5-25)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和6年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》の規定が適用された請求人の夫からの株式の譲受けについて令和元年分の贈与税の決定(原処分)がされたことにつき、当該株式の一部は平成30年に第三者から譲り受けたものであるから、原処分において同条が適用された株数が過大である旨主張する。しかしながら、当該株式の譲渡契約に至る経緯や動機、その譲渡代金の支払状況及び株主総会の決議の状況は、いずれも、原処分における株数と同数の記載のある当該譲り受けに係る契約書の内容に符合しており、その記載と異なる事実を認めることができない。したがって、請求人は、原処分における株数と同数を平成31年に請求人の夫から譲り受けたものであり、相続税法第7条が適用された株数が過大であったとは認められない。(令6. 3.22 沖裁(諸)令5-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040062
- 裁決年月日
- 令和5年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父である被相続人(本件被相続人)が所有し、第三者に賃貸していた駐車場用地(本件各駐車場)について、本件被相続人と請求人との間で、有効な使用貸借契約(本件各使用貸借契約)が締結されたことなどにより、本件被相続人から本件各駐車場の使用収益権を与えられ、賃貸人の地位に基づき本件各駐車場の賃貸に係る収入(本件収益)を得ていたのであるから、本件収益について、相続税法第9条に規定する「利益を受けた」場合に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件各使用貸借契約の締結を含む一連の取引(本件各取引)において、請求人が特段の出捐をした状況は認められず、本件各取引は、本件被相続人が本件各駐車場の所有権の帰属を変えないまま、何らの対価も得ることなく、そこから生じる法定果実の帰属を請求人に移転させたものと評価できること、②本件被相続人は、自己所有の土地建物に請求人を無償で居住させるなどして、請求人に対してこれら不動産の使用収益の利益を付与しており、請求人は、本件被相続人から親族間の情ぎにより相当の援助を受けていたというべきであるところ、本件各取引に基づく本件各駐車場に関する法定果実収取権の付与も、これと同質のものであると認められること、③本件各使用貸借契約が締結された経緯をみると、賃料収入の蓄積による本件被相続人名義の将来の遺産の増加抑制を企図するとともに、当面の所得税等の節税も企図したものであると認められること、④本件各使用貸借契約の締結前後において、本件各駐車場の利用状況や、不動産管理業者を介しての管理状況自体に特段の変更があったとも認められないことなどを考慮すれば、本件収益を支配していたのは本件被相続人というべきであり、本件収益は本件被相続人に帰属する。したがって、本件収益を受領し請求人の財産が増加していることは、相続税法第9条に規定する「利益を受けた」場合に該当する。(令5. 6.13 大裁(諸)令4-62)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040014
- 裁決年月日
- 令和5年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らを株主とする同族会社(本件会社)が、請求人らのうち本件会社の役員(本件各役員)から受けた債務免除(本件債務免除)により本件会社の株式の価額が増加し、その増加した部分に相当する金額を贈与により取得したものとみなされた贈与税の課税(修正申告)についての更正の請求が認められるべきであるとして、①本件各役員による本件債務免除の意思表示があったということができないこと、②本件債務免除について通知書などの書類が作成されていないこと、③訴訟における判決でも、本件債務免除の意思表示は存在しないことが確認されたこと、④他の訴訟でも本件債務免除の意思表示をしていなかったことなどを含む訴状等に記載された事実を全て認める内容の和解が成立したことから、本件債務免除は存在せず、請求人らが贈与により取得したものとみなされる金額はない旨主張する。しかしながら、①本件会社の総勘定元帳及び法人税申告書の記載状況などによれば、本件各役員が本件会社の役員として本件債務免除に係る会計処理を承諾していたと考えるのが自然であるし、税務職員による調査に際しては、本件債務免除の存在自体については特に争うことなく修正申告に至ったことが認められる。また、②本件債務免除の基となった貸付金は、多額であるにもかかわらず、金銭消費貸借契約書などの書類が一切作成されていなかったことからすれば、本件債務免除について、その意思表示そのものを示す書類が作成されていなかったとしても、本件債務免除の意思表示自体がなかったことを裏付ける事実とはいえない。ついで、上記③の訴訟は、本件各役員と本件会社の間で、実質的な主張立証が何も行われなかったものであり、上記④の和解の内容は、当事者の一貫する申述及び答述に反しているなど、本件債務免除が無かった事実が明らかにされたとはいえない。以上のことからすると、本件債務免除が存在しないと認めることはできず、請求人らが贈与により取得したものとみなされる金額がないことにはならない。(令5. 3.10 名裁(諸)令4-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040055
- 裁決年月日
- 令和4年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①贈与税の対象となった生命保険契約(本件保険契約)に係る保険料(本件保険料)は、請求人の夫から金銭の贈与を受け、その贈与された金銭で請求人が本件保険料を負担していたものとみるべきである旨、②本件保険料の負担者が請求人でない場合には、本件保険契約に係る満期保険金(本件保険金)は、便宜上、請求人の名義で受け取られたにすぎないものであるから、請求人は、本件保険金に係る保険金受取人ではない旨主張する。しかしながら、①本件保険料は、その全額が請求人の夫の普通預金口座から振替の方法により支払われているから、本件保険料を負担していた者は請求人の夫である。また、②請求人は、本件保険契約において受取人とされ、本件保険金は、請求人の普通預金口座への振込みの方法により支払われているから、請求人は、相続税法第5条《贈与により取得したものとみなす場合》第1項に規定する「保険金受取人」に該当する。(令4.12.13 東裁(諸)令4-55)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040014
- 裁決年月日
- 令和4年10月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、亡母が受け取った生命共済契約に係る満期共済金について、当該契約に係る掛金(本件掛金)は亡母の配偶者(亡父)名義の普通貯金口座から口座振替により支払われていたが、これは、亡父に一旦立て替えてもらっていたものであって、亡父の立替えによる本件掛金に相当する額は、亡母が夫婦の応分負担の額を超えて負担した生活費等と精算してきたのであるから、本件掛金は亡母が負担したものである旨主張する。しかしながら、口座振替により共済掛金の支払がされている場合、その共済掛金の実質上の負担者は、特段の事情のない限り、当該口座の名義人であると解するのが相当であるところ、請求人らは、亡母の支払った生活費等が応分負担の額を超えていた事実について明確にしておらず、また、その精算方法に関する説明も具体性を欠くほか、当該精算がされたこと及び亡母によって本件掛金が負担されたことを認めるに足りる証拠もないことから、本件掛金の実質上の負担者は亡父であると認められる。(令4.10.26 関裁(諸)令4-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030038
- 裁決年月日
- 令和4年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の相続人(本件共同相続人)が株式を保有する会社(同族会社)に対して被相続人がした債権放棄(本件債権放棄)に伴い、本件共同相続人の保有する当該株式の評価額が増加したことについて、①本件債権放棄は、被相続人の同族会社に対する意思表示であり、本件共同相続人は本件債権放棄との関係では完全な第三者であるから、被相続人から本件共同相続人へのみなし贈与を論じる余地はないこと、また、②同族会社に対する債務免除であることのみをもって相続税法第9条を適用することは合理的根拠がないこと、さらに、③同族会社等の行為又は計算を否認するには個別否認規定によらなければならないことから、本件債権放棄による株式の評価額の増加に相続税法第9条の規定を適用することは認められない旨主張する。しかしながら、①相続税法第9条の規定は、経済的利益の取得が贈与契約による取得でない場合に、これを理由に課税することができないこととなる不合理を補うための規定であり、その経済的利益の取得が贈与契約その他これに類する法律行為によるものであることを要するとは解されず、同族会社が対価を支払わないで債務免除等を受けたことによる当該会社の株式の価額の増加によって当該会社の株主が取得した経済的利益は、贈与と同様の実質を有するものであること、また、②相続税法第9条に基づき法人が債務の減少による経済的利益を取得したことによって生じた当該法人の株主の株式等の価値の増加を当該株主の経済的利益の取得として贈与とみなすことについては、同族会社に限ったものではないこと、加えて③請求人に対する更正処分は、同族会社等の行為又は計算を否認したものではないことから、本件共同相続人は、本件債権放棄に伴い、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた」と認められる。(令4.3.17大裁(所・諸)令3-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030038
- 裁決年月日
- 令和4年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人を委託者、被相続人及び請求人以外の他の相続人(本件共同相続人)を受益者とする信託(本件信託)に関し、本件共同相続人が被相続人の死亡後に、被相続人の本件信託における受益割合2分の1の受益権(本件受益権)を取得したこと(本件取得)は、平成19年法律第6号による改正前の相続税法(旧相続税法)第4条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》第2項第1号に該当しない旨主張する。しかしながら、本件信託について、①被相続人の死亡を条件に本件受益権を本件共同相続人が単独取得することとされていたのであれば、これは委託者が受益者である部分についての受益者の変更あるいは本件受益権を本件共同相続人に与えることについての条件の成就といえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第4号に該当するといえる。また、②受託者が本件受益権に係る受益者として本件共同相続人を指定したことにより本件共同相続人が本件受益権を取得して唯一の受益者となったのであれば、受託者の指定による受益者の変更あるいは被相続人の死亡によって存在しないことになった本件受益権に係る受益者が存在するに至ったものといえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第3号に該当する。さらに、③ジャージー島信託法の下で、受益者の一人が死亡した場合には当然に他の受益者の受益割合が死亡した受益者の有していた受益割合の限度で均等に拡張するのであれば、これは相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで」「利益を受けた場合」に該当する。以上によれば、本件取得は、旧相続税法第4条第2項第1号、同項第3号若しくは同項第4号又は相続税法第9条の規定のいずれかに該当し、いずれの場合も、本件受益権ないしその価額に相当する金額を贈与又は遺贈により取得したものとみなされ、本件共同相続人に係る相続税の課税価格や納付すべき相続税額は異なるものではないため、本件受益権の価額を相続時精算課税の対象として加算したことは正当である。(令4. 3.17 大裁(所・諸)令3-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030038
- 裁決年月日
- 令和4年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額は、当該財産の贈与の時における価額によることとされており、その後の価額の変動は捨象されるところ、他の相続人(本件共同相続人)が被相続人から贈与を受けた株式(本件株式)について、相続税の課税価格に加算すべき価額は、本件株式の贈与の時の価額であるから、被相続人の同族会社に対する債権放棄(本件債権放棄)により本件株式の評価額が増加したことについて、相続税法第9条の規定を適用して贈与とみなし、相続時精算課税の対象とすることは認められない旨主張する。しかしながら、相続時精算課税の制度は、民法上の贈与契約のみならず、これに当たらない資産移転、経済的利益の付与であっても相続税の規定により贈与とみなされて課税されるものは全て適用の対象となるところ、本件債権放棄による本件株式の評価額の増加は相続税法第9条の規定の適用がある財産の増加なのであるから、本件債権放棄に伴う本件株式の評価額の増加は相続時精算課税の対象となる。(令4.3.17大裁(所・諸)令3-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030037
- 裁決年月日
- 令和4年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①被相続人の同族会社に対する債権放棄(本件債権放棄)は、被相続人の同族会社に対する意思表示であり、請求人は本件債権放棄との関係では完全な第三者であるから、被相続人から請求人へのみなし贈与を論じる余地はないこと、また、②同族会社に対する債務免除であることのみをもって相続税法第9条を適用することは合理的根拠がないこと、さらに、③同族会社等の行為又は計算を否認するには個別否認規定によらなければならないことから、本件債権放棄による株式の評価額の増加に相続税法第9条の規定を適用することは認められない旨主張する。しかしながら、①相続税法第9条の規定は、経済的利益の取得が贈与契約による取得ではない場合に、これを理由に課税することができないこととなる不合理を補うための規定であり、その経済的利益の取得が贈与契約その他これに類する法律行為によるものであることを要するとは解されず、同族会社が対価を支払わないで債務免除等を受けたことによる当該会社の株式の価額の増加によって当該会社の株主が取得した経済的利益は、贈与と同様の実質を有するものであること、また、②相続税法第9条に基づき法人が債務の減少による経済的利益を取得したことによって生じた当該法人の株主の株式等の価値の増加を当該株主の経済的利益の取得として贈与とみなすことについては、同族会社に限ったものではないこと、加えて③請求人に対する更正処分等は、同族会社等の行為又は計算を否認したものではないことから、本件債権放棄に伴い、請求人は、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた」と認められる。(令4.3.16大裁(所・諸)令3-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030037
- 裁決年月日
- 令和4年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の死亡に伴い、相続税の更正処分等の対象となった信託(本件信託)における被相続人の受益割合を2分の1とする受益権(本件受益権)を取得したこと(本件取得)は、平成19年法律第6号による改正前の相続税法(旧相続税法)第4条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》第2項第1号に該当せず、相続時精算課税に係る贈与に該当しない旨主張する。しかしながら、本件信託は、①被相続人の死亡を条件に本件受益権を請求人が単独取得することとされていたのであれば、これは委託者が受益者である部分についての受益者の変更あるいは本件受益権を請求人に与えることについての条件の成就といえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第4号に該当するといえる。また、②受託者が本件受益権に係る受益者として請求人を指定したことにより請求人が本件受益権を取得して唯一の受益者となったのであれば、これは受託者の指定による受益者の変更あるいは被相続人の死亡によって存在しないことになった本件受益権に係る受益者が存在するに至ったものといえ、旧相続税法第4条第2項第1号又は同項第3号に該当する。さらに、③ジャージー島信託法の下で、受益者の一人が死亡した場合には当然に他の受益者の受益割合が死亡した受益者の有していた受益割合の限度で均等に拡張するのであれば、これは相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで」「利益を受けた場合」に該当する。以上によれば、本件取得は、旧相続税法第4条第2項第1号、同項第3号若しくは同項第4号又は相続税法第9条の規定のいずれかに該当し、いずれの場合においても、被相続人の死亡の時に、本件信託における本件受益権ないしその価額に相当する金額を贈与又は遺贈により取得したものとみなされる。したがって、本件取得は、相続時精算課税に係る贈与又は遺贈に該当する。(令4.3.16大裁(所・諸)令3-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030037
- 裁決年月日
- 令和4年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額は、当該財産の贈与の時における価額によるとされているところ、請求人が被相続人から贈与を受けた株式(本件株式)の相続税の課税価格に加算すべき価額は、本件株式の贈与の時の価額であるから、当該贈与後に行われた被相続人による同族会社に対する債権放棄(本件債権放棄)によって本件株式の評価額が増加したことについて、相続税法第9条の規定を適用して贈与とみなし、相続時精算課税の対象とすることは認められない旨主張する。しかしながら、相続時精算課税の制度は、民法上の贈与契約のみならず、これに当たらない資産移転、経済的利益の付与であっても相続税法の規定により贈与とみなされて課税されるものは全て適用の対象となるところ、本件債権放棄による本件株式の評価額の増加は相続税法第9条の規定の適用がある財産の増加なのであるから、本件債権放棄に伴う本件株式の評価額の増加に相続時精算課税制度を適用して課税することは相当である。(令4.3.16大裁(所・諸)令3-37)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和3年5月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№123
要旨
○ 請求人は、請求人の前住職が行った前住職名義口座から請求人名義口座への金員(本件金員)の移動(本件資金移動)について、本件金員は請求人の業務に係る過去の余剰金から形成されたものであり、本件資金移動は、請求人に帰属する財産を本来の権利者である請求人の口座へ移動させたにすぎず、贈与に当たらない旨主張する。しかしながら、本件金員の原資となった前住職名義の投資信託、債券、定期預金及び普通預金は、いずれも前住職が自己の名義により管理し、運用してきたものであり、当該普通預金には前住職の年金及び給与が入金されている一方、これらの預金等の原資が請求人の収入であることをうかがわせる事情は見当たらないから、本件金員は前住職に帰属するものと認められる。そして、本件金員が、前住職やその法定相続人に対し返還されることもなく、本件金員に対価性があることも認められない。そうすると、本件資金移動によって、前住職から請求人に対し実質的に贈与を行ったのと同様の経済的利益が生じているから、相続税法第9条の規定により、請求人は本件金員を贈与により取得したものとみなされることから、本件資金移動は、前住職から請求人に対する贈与に該当する。(令3. 5.20 金裁(諸)令2-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020001
- 裁決年月日
- 令和2年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、請求人ら名義の各預金口座へ入金した現金は、被相続人名義の各預金口座から出金した現金ではなく、請求人らに対する援助者から受領し、保管していた現金等であり、被相続人からの贈与ではない旨主張する。しかしながら、援助者からの援助を裏付ける客観的な証拠の提出がなく、当審判所の調査によっても、これを認めるに足る証拠がないこと、請求人らのうちの1名の請求人が被相続人名義の各口座から出金し、その使途が不明な現金(本件現金)については、被相続人が費消した生活費相当額及び申告した現金の額を大きく上回っていること、また、同時期に当該請求人名義の各預金口座に同人の収入等から賄うことができない多額の現金入金があること、被相続人は当該請求人が被相続人の各預金口座から出金することを承諾していたと認められること等から、被相続人から当該請求人に対し、財貨が移動したものと認められる。さらに、その後に同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実である等、特別な事情も存在しないと認められから、本件現金については、被相続人から上記の請求人に対する贈与であると認めるのが相当である。(令2.11.17広裁(諸)令2-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020002
- 裁決年月日
- 令和2年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人及び他の2名の相続人(相続人ら)の名義の各預金口座へ入金した現金は、被相続人名義の各預金口座から出金した現金ではなく、相続人らに対する援助者から受領し、保管していた現金であり、被相続人からの贈与ではない旨主張する。しかしながら、請求人が援助者からの援助を受けていたことを裏付ける客観的な証拠が請求人から提出されておらず、当審判所の調査によっても、これを認めるに足る証拠がないこと、請求人が被相続人名義の各口座から出金し、その使途が不明な現金(本件現金)については、被相続人のが費消した生活費相当額及び相続税の申告した現金の額を大きく上回っていること、また、同時期に請求人名義の各預金口座に同人の収入等から賄うことができない多額の現金入金があること、被相続人は請求人が被相続人の各口座から出金することを承諾していたと認められること等から、被相続人から請求人に対し、財貨が移動したものと認められる。さらに、その後に同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実である等、特別な事情も存在しないと認められるから、本件現金については、被相続人から請求人に対する贈与であると認めるのが相当である。(令2.11.17広裁(諸)令2-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010024
- 裁決年月日
- 令和2年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人名義の預金口座(本件口座)に入金された請求人の関係者(本件関係人)による出捐が原資となる金員(本件金員)について、①本件口座は本件関係人の借名口座であること、②同居している請求人及びその家族らの生活費や子の学費等の支払に充てられていることに加え、本件関係人が自ら費消し又は本件関係人が負担すべき債務の弁済等に使われていることから、本件関係人が請求人に本件金員を贈与したとは認められない旨主張する。しかしながら、①本件口座は、その外観及び管理状況等に鑑みれば、請求人に帰属する口座であること、②本件関係人及び請求人は、本件金員を請求人及びその家族の日常生活のために費消することを認識及び認容した上で、本件金員を授受していること等からすれば、本件金員は、本件関係人が請求人に対し無償で交付し、請求人がこれを受諾したものと認められるから、贈与に該当する。(令2.4.16名裁(諸)令元-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010027
- 裁決年月日
- 令和元年9月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 原処分庁は、被相続人(本件被相続人)名義の口座(本件被相続人口座)に入金された金員の合計額(本件金員)は、請求人らの亡父が本件被相続人に贈与したものであるから、相続税法(平成27年法律第9号による改正前のもの。以下同じ。)第2条の2《贈与税の課税財産の範囲》第1項に規定する贈与により取得した財産に当たる旨主張し、請求人らは、請求人らの亡父が本件被相続人に本件金員を贈与する旨の意思表示をしたとする客観的証拠はないことから、本件金員は、同項に規定する贈与により取得した財産に当たらない旨主張する。しかしながら、本件金員の一部については、その原資が請求人らの亡父の預貯金から同人の意思に基づき出金された金員であり、本件被相続人口座に当該出金された金員と同額が入金された後に本件被相続人口座から本件被相続人の老人ホームの利用料が支払われていることなどから、同項に規定する贈与により取得した財産に当たり、本件金員の残部については、その原資が請求人らの亡父に帰属していたと認めることはできないことから、当該残部は相続税法第2条の2《贈与税の課税財産の範囲》第1項に規定する贈与により取得した財産に当たらない。(令元. 9.24 東裁(諸)令元-27)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 令和元年6月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 原処分庁は、請求人の父(甲)の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座(本件請求人口座)に入金されたこと(本件資金移動)について、請求人と甲との間で金銭消費貸借契約が締結された事実及び請求人が主張する本来甲が従事すべき医療業務に請求人が代理人として従事した際に立て替えて支払った費用の精算等の事実は認められないから、請求人と甲との間には、民法第549条《贈与》に規定する贈与契約の要件事実について黙示の合意があったと認めるのが相当であり、請求人は、本件資金移動により、甲からの贈与により財産を取得したものといえる旨主張する。しかしながら、本件資金移動について、請求人と甲との間で金銭消費貸借契約が締結されていた事実は認められないものの、本件資金移動に係る出金及び入金の各手続は、甲又は請求人の母により行われていると認められ、請求人は、原処分庁所属の調査担当職員に対して、甲の指示により月1回から2回程度の頻度で医療専門団体の会議に出席していた旨申述し、本件請求人口座から交通費等の支払がされていることなどを併せ考慮すれば、甲は、当該会議に出席した際の交通費等を支弁する目的で本件資金移動をしていたとみるのが自然であり、請求人に、本件資金移動によって贈与と同様の経済的利益が生じていたと認めることはできないから、請求人は甲からの贈与により財産を取得したと認めることはできない。(令元. 6.27 仙裁(諸)平30-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300022
- 裁決年月日
- 平成31年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 兄弟(被相続人)の死亡により審査請求人の地位を承継した請求人らは、被相続人の父母の預金口座から出金された金銭が被相続人の預金口座に入金されたこと(本件資金移動)及び母の預金口座から出金された金銭を原資として被相続人が納付すべき相続税額が納付されたことについて、前者は父所有の不動産に係る管理業務の対価等であり、後者は後で返還することを約した上で立て替えてもらったにすぎないから、いずれも贈与ではない旨主張する。しかしながら、前者について、請求人らは、その主張するような管理業務を行っていたことや本件資金移動が当該管理業務と対価関係にあることを裏付ける証拠を提出していない。後者について、被相続人は、自分で納税資金を準備することが困難であったとは認められず、また、被相続人と母との間にその返還約束はなかったと認められる。したがって、いずれについても、被相続人は、贈与により財産を取得したものと認められる。(平31. 2. 7 名裁(諸)平30-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402033
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/3金銭の貸借
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、知人(本件贈与者)から小切手で受領した金員(本件金員)は、贈与されたものではなく、預り金である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件贈与者から本件金員を取得しており、本件贈与者が請求人に宛てた確認書と題する書面(本件確認書)には、本件贈与者が請求人に対して本件金員と同額を贈与した旨、その返還等を求めることはない旨記載され、本件贈与者の署名押印があり、さらに、請求人は、本件贈与者の代理人弁護士に対し、本件金員が贈与されたものであることの証拠として本件確認書を提出していることからすれば、請求人は、本件贈与者から本件金員の贈与を受けたと認められる。(平30. 7. 9 東裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平290009
- 裁決年月日
- 平成30年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第三者名義の株式(本件名義株)について、請求人の父(本件特定贈与者)に帰属していた株式ではなく、本件名義株を発行した法人に帰属していた株式であるから、本件特定贈与者から贈与により取得した相続時精算課税適用財産には該当しない旨主張する。しかしながら、株式の帰属を認定するに当たっては、株式の名義が重要な要素とはなるが、株式取得の原資を誰が負担しているか、株式売買などの意思決定をしているのは誰か、さらに比較的長期間保有を続けている株式にあっては、その配当金を取得しているのは誰かもまた、その帰属の認定に際して重要な要素ということができる。そして、これらの諸要素及び名義人と管理、運用者との関係等を総合考慮したところ、本件特定贈与者が、本件名義株の原資を負担していたこと、本件名義株の配当金を受領していたこと、本件名義株を保管、管理していたこと、本件名義株の名義人の名義を借りたことに合理性が認められることから、本件名義株は、本件特定贈与者に帰属していた株式であると認められる。したがって、本件名義株は、本件特定贈与者から贈与により取得した相続時精算課税適用財産に該当する。(平30. 4.16 福裁(諸)平29-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290056
- 裁決年月日
- 平成30年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が本件各不動産の所有者から受領した金員(本件金員)は、請求人が所有者の代わりに立替払いした本件各不動産に係る固定資産税等の費用の返済を受けたものであって、贈与により取得したものではない旨主張する。しかしながら、請求人と所有者との間には、黙示の使用貸借契約が成立していたものと認められ、固定資産税等の公租公課は、民法第593条《使用貸借》第1項にいう借用物の通常の必要費に当たるから、請求人が負担すべきものである。そして、その余の支出については、支出の事実及び内容に係る客観的な証拠がなく、返還を請求することができるような支出をしたとは容易に認めがたいことから、本件金員は、請求人が贈与により取得したものと認めるのが相当である。(平30. 3. 7 大裁(諸)平29-56)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290010
- 裁決年月日
- 平成29年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①出資する同族会社が不動産を無償で譲り受けた結果、当該出資の価額が増加(本件増加益)したとしても、請求人は「贈与により財産を取得した者」ではないから、本件増加益は贈与税の課税財産とはならない旨及び②相続税法基本通達9−2《株式又は出資の価額が増加した場合》(本件通達)をもって本件増加益を課税財産とすることは、通達による課税であり許されない旨主張する。しかしながら、上記無償譲渡によって上記法人に対する出資の価額は実際に増加し、請求人は、対価を支払わないで経済的利益を得たのであるから、相続税法第9条の規定により、本件増加益に相当する金額を贈与により取得したものとみなされ、本件増加益は、贈与税の課税財産となる。また、本件通達は、同条の適用される事例を例示したものにすぎず、本件通達により課税が行われたものではない。(平29.12. 1 広裁(諸)平29-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280030
- 裁決年月日
- 平成29年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母が工事費用を負担した請求人所有の居宅(本件居宅)の改修工事(本件改修工事)は、建築確認申請が必要となるものではなく、固定資産税評価額が増加していないから民法第242条《不動産の付合》は適用されず、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで…利益を受けた」とはいえない旨主張する。しかしながら、本件改修工事のうち、本件居宅から容易に取り外せず、本件居宅の構成部分となっているもの、又は社会通念上本件居宅の一部分と認められる部分は、取引上の独立性を有しないといえるから本件居宅への付合(本件付合)が成立する。また、請求人の母は、請求人に対し、民法第248条《付合、混和又は加工に伴う償金の請求》に基づく費用償還請求権を行使する意思はおよそなく当該権利を放棄していたと認められることから、請求人は、付合による所有権取得に見合う債務を何ら負担していないということができる。したがって、本件付合が成立した時点で、請求人は、請求人の母から「対価を支払わないで…利益を受けた」といえ、相続税法第9条の規定を適用するのが相当である。(平29. 5.24 名裁(諸)平28-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280061
- 裁決年月日
- 平成28年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父親らとの間で取り交わした合意書に沿う合意(本件合意)に基づき、父親から取得した金員(本件金員)について、父親らの請求人らに対する不法行為等を巡る紛争を包括的に解決するため、父親が請求人に対し本件金員を支払うことで合意したものであるから、贈与により取得したものには当たらない旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件合意の履行の条件として遺留分放棄の許可の申立てを家庭裁判所にしているところ、家庭裁判所は、その合理性や妥当性を代償性の有無の観点も含めて審査、判断したと考えられること、②遺留分の放棄は期待的利益たる遺留分の消滅にとどまるから、本件金員が何らかの反対給付として支払われたとはいえないこと、③本件金員の名目は紛争解決金であるが、相続問題のほかに本件金員を支払う必要性があったとまでは認めらないことからすれば、本件金員は、遺留分の放棄を条件とする停止条件付贈与契約により、請求人が父親から相続財産の前渡しとして取得したものと認めるのが相当である。(平28.12. 1 東裁(諸)平28-61)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270039
- 裁決年月日
- 平成28年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父母の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたこと(本件資金移動)及び母の預金口座から出金された金銭を原資として請求人が納付すべき相続税額が納付されたことについて、前者は請求人と父母との間で贈与契約が締結されておらず、後者は後で返還することを約した上で立て替えてもらったにすぎないから、いずれも贈与ではない旨主張する。しかしながら、前者について、請求人は、その主張を裏付ける証拠資料を何ら提出せず本件資金移動の理由や事情についても説明していない。後者について、請求人は、自分で納税資金を準備することが困難であったとは認められず、また、請求人と母との間にその返還の約束はなかったと認められる。したがって、いずれについても、請求人は、贈与により財産を取得したものと認められる。(平28. 6.27 名裁(諸)平27-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270040
- 裁決年月日
- 平成28年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父母の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたこと(本件資金移動)及び母の預金口座から出金された金銭を原資として請求人が納付すべき相続税額が納付されたことについて、前者は父所有の不動産に係る管理業務の対価等であり、後者は後で返還することを約した上で立て替えてもらったにすぎないから、いずれも贈与ではない旨主張する。しかしながら、前者について、請求人は、その主張するような管理業務を行っていたことや本件資金移動が当該管理業務と対価関係にあることを裏付ける証拠を提出していない。後者について、請求人は、自分で納税資金を準備することが困難であったとは認められず、また、請求人と母との間にその返還の約束はなかったと認められる。したがって、いずれについても、請求人は、贈与により財産を取得したものと認められる。(平28. 6.27 名裁(諸)平27-40)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270056
- 裁決年月日
- 平成28年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が交際相手から交付を受けた現金(本件金員)は、交際相手から本件金員の返還等を求める訴え(本件訴訟)を提起されたころから請求人が受けた損害に対する慰謝料や賠償金であり、損失を受けた部分に対する補填であるから、本件金員の取得は相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する利益を受けた場合には当たらない旨主張する。しかしながら、本件金員は、請求人と交際相手が共有で取得し同居生活を送るためのマンションの購入代金等に充てるために、交際相手が請求人に贈与したものであると認められるところ、配偶者と別居して交際相手と同居生活を送るための建物の購入資金等を交際相手に贈与することは、現在の社会における倫理、道徳に反することが明らかであるから、当該贈与は、公序良俗に反する事項を目的とする法律行為として無効というべきである。もっとも、請求人は、本件金員を、請求人が管理する預金口座に入金して自己の管理下に置き、現に、その後、本件金員を随意に出金しているのであるから、本件金員は、預金口座に入金された時点で、請求人に帰属したものと認められる。したがって、請求人は、本件金員につき、対価を支払わないで利益を受けたものと認めるのが相当であるから、相続税法第9条の規定により、交際相手から本件金員を贈与により取得したものとみなされる。(平28. 4.22 大裁(諸)平27-56)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法施行令第5条《相続時精算課税選択届出書の提出》第1項に規定する相続時精算課税選択届出書を添付した同法第28条《贈与税の申告書》第1項に規定する贈与税の申告書の提出が法定申告期限から2日遅れたのは、区役所窓口において戸籍の附票の写しの交付を受けることができなかったことによるもので、請求人に帰責事由はなく、また、請求人の場合、相続時精算課税制度の実質的な要件を満たしているから、同制度の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、同制度の適用を受けるためには、相続税法第28条第1項に規定する贈与税の申告期間内に、同制度の適用を受けようとする旨を記載した相続時精算課税選択届出書を贈与税の申告書に添付して提出することが必要であり、この届出書の提出がなかった場合におけるゆうじょ規定も設けられていないことからすれば、当該期間を経過した後に請求人が提出した贈与税の申告書においては、同制度の適用を受けることはできない。(平27.11.20 仙裁(諸)平27-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270003
- 裁決年月日
- 平成27年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人が米国d州所在の不動産(本件不動産)のジョイント・テナンツとして登記されたのは、夫婦共有財産制を採用する同州法の下では、本件不動産を夫の単独所有として登記することはできず、妻である請求人をジョイント・テナンツとせざるを得なかったこと、及び②請求人が署名した委任状(本件委任状)により、夫が請求人の名義を借用することの合意もあったから、昭和39年5月23日付直審(資)22、直資68「名義変更等が行われた後にその取消し等があった場合の贈与税の取扱いについて」(本件通達)の6により本件不動産の取得はなかったものとして取り扱われるべきである旨主張する。しかしながら、夫が本件不動産の前所有者から交付を受けた譲渡証書(本件譲渡証書)からすれば、当事者間で合意された売買契約の内容は、本件譲渡証書の記載どおり、前所有者が請求人及び夫をジョイント・テナンツとして本件不動産を売却するというものであったと認められる。そして、このことに、本件委任状の内容及び請求人が本件委任状に署名した状況を踏まえると、当該売買契約や本件譲渡証書の交付の効果は請求人に帰属するというべきである。以上によれば、請求人と夫が前所有者から本件不動産の権利を取得し、請求人と夫を権利者とするジョイント・テナンシーが創設されたものと認められ、請求人はジョイント・テナンツとして本件不動産の権利の2分の1を何ら対価を負担せず取得したものであるから、相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合−その他の利益の享受》により本件不動産の持分2分の1に相当する金額、すなわち本件不動産の購入代金の2分の1の金員を夫から贈与に取得したものとみなされる。なお、請求人の①の主張については、契約を締結した動機にすぎず、上記売買契約の締結による実体的な権利移転の効果の発生に影響を及ぼすものではなく、また、請求人の②の主張については、本件委任状の内容等から、夫が請求人の名義を借用することの合意があったとまでは認められないから、本件通達の6の要件を満たすとはいえない。(平27. 9. 1 名裁(諸)平27-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270006
- 裁決年月日
- 平成27年9月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/5その他の財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№100
要旨
○ 原処分庁は、請求人の父(父)が請求人の名義で新たに購入した車両(本件車両)は、相続税法基本通達(相基通)9−9《財産の名義変更があった場合》により、原則として贈与として取り扱われるべきものである旨、及び本件車両の名義を請求人として登録したことが過誤に基づき、又は軽率にされたものであり、かつ、それが取得者等の年齢その他により当該事実を確認できるに足る証拠は認められないから、昭和39年5月23日付直審(資)22、直資68「名義変更等が行われた後にその取消し等があった場合の贈与税の取扱いについて」(本件通達)の5を適用することはできない旨主張する。しかしながら、相基通9−9は、反証があれば、贈与として取り扱わない場合があるところ、本件においては、父は購入特典の利用のために、請求人の名義を使用したことが認められ、これに加えて、①父が本件車両を請求人に贈与する動機はなかったと認められること、②請求人への贈与の事実を疑わせる事情が存在すること、③父は、本件車両の取得資金を出捐し、売却に際してはその売却代金を自ら受領・費消するとともに、その間本件車両に係る維持管理費用を全て負担していたことなどの諸事情を総合すると、本件車両の贈与の不存在について反証がされているといえる。したがって、請求人は本件車両の贈与を受けたとは認められない。なお、本件通達は、相基通9−9の要件を満たしているにもかかわらず課税庁の立場から贈与として取り扱わない場合を類型化したものにすぎず、相手方による反証はこれに限定されるものではないところ、本件においてはその反証がされている。(平27. 9. 1 名裁(諸)平27-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260026
- 裁決年月日
- 平成27年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の夫が保険会社との間で締結した個人年金保険契約に基づいて支払われた保険料(本件保険料)のうち、送金の方法により支払われた保険料は請求人が支払ったものであり、請求人の夫名義の口座から口座振替の方法により支払われた保険料は請求人が夫婦間の生活費の大半を負担することで当該保険料相当額を清算したものであるから、本件保険料の実質的な負担者は請求人である旨主張する。しかしながら、保険料の実質的な負担者は、特に反証のない限り、保険契約者であると事実上推定されるところ、当該個人年金保険契約の保険契約者は請求人の夫であるから、特に反証のない限り、本件保険料の実質的な負担者は請求人の夫であると事実上推定される。そして、請求人が主張する上記各事実を裏付ける証拠は、請求人及び請求人の夫の答述であるが、各答述は、具体性を欠くことや、請求人の夫の確定申告書に本件保険料を支払ったことに基づく生命保険料控除をする旨記載されていることからすると、直ちに信用することはできず、また、他に上記推定を覆すに足りる証拠もない。したがって、本件保険料の負担者は請求人の夫と認められる。(平27. 3.10 名裁(諸)平26-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250036
- 裁決年月日
- 平成26年1月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人名義の預金口座(本件被相続人口座)から請求人名義の預金口座(本件請求人口座)に振り込まれた金員(本件振込金)は、請求人が被相続人から贈与により取得したものとみなされるところ、請求人は被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税適用者であるから、本件振込金の額に相当する金額は、被相続人の相続に係る相続税の課税価格に加算される旨主張する。しかしながら、本件振込金は、本件被相続人口座の預金が引き出されて、本件請求人口座に振り込まれたとみるべきであるが、同預金は、被相続人の親族が、A社の民事再生法に基づく再生計画の履行に必要な資金を、便宜上一旦本件被相続人口座に預け置いたものにすぎず、そもそも被相続人の財産ではなかったと認められる。また、本件振込金が本件請求人口座に振り込まれた翌日には、これに相当する額等が同口座から引き出されて当該再生計画に係る被相続人や請求人の債務の弁済としてA社に対して支払われているから、本件振込金の振込みについても、当該資金を便宜上本件請求人口座に一旦預け置いたものにすぎないとみるべきであって、本件振込金の振込み自体によって請求人が本件振込金相当額の利益を受けたものとはいえない。したがって、本件振込金の額に相当する金額は、被相続人の相続に係る相続税の課税価格に加算することはできない。(平26. 1.10 大裁(諸)平25-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250033
- 裁決年月日
- 平成25年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人名義の普通預金口座(本件預金口座)は同人の固有の財産であるので、被相続人の親族から本件預金口座に金員(本件振込金)が振り込まれた時点において、その全額が被相続人の財産となり、被相続人は当該親族から利益を受けたこととなるから、被相続人は、当該親族から本件振込金の額に相当する金額を贈与により取得したものとみなされる旨主張する。しかしながら、本件振込金は、被相続人ら一族の経営する会社の民事再生法に基づく再生計画(本件再生計画)において、本件再生計画の履行のための資金に充てる目的で便宜上本件預金口座に振り込まれたものであって、当事者間に、振込の時点において本件振込金を被相続人に帰属させる意思はなかったものと認められる。そして、本件再生計画の履行のために必要な資金の額が確定し、被相続人及びその子A(請求人)が、再生債務者である当該会社から会社分割により事業の譲渡を受けた会社に、事業承継の対価の支払資金として本件振込金を貸し付けることとなった時点で、被相続人及び請求人が当該親族からそれぞれ利益を受けたものと認めるのが相当である。したがって、本件振込金のうち請求人が利益を受けたものと認められる金額については、被相続人が贈与により取得したものとは認められない。(平25.12. 6 大裁(諸)平25-33)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250017
- 裁決年月日
- 平成25年10月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の父H名義の預金口座から出金された金員(本件資金)が、平成18年に請求人の母G名義の預金口座に入金されたことによって、母G(平成22年死亡)は父Hからこの入金に係る金員(本件入金額)に相当する利益を受けたと主張する。しかしながら、母Gは、遅くとも昭和63年頃から父Hが経営していたU社の取締役に就任しており収入を得ていたと推認されるので、本件資金の入金前数か月間に解約された母G名義の定期預金等は、母Gの固有の資産であると認められ、また、父H固有の資産のうちに、本件資金の原資たり得るものがあった事実も認められないことから、本件資金の原資はこれら母Gの定期預金等であると推認される。そして、平成16年以降の母Gの病状等からすると、本件資金の入金当時において、母Gの預金等を父Hと母Gの子らが管理していたことが推認される。以上のことからすると、本件入金額は、母Gの預金を管理していた父Hが、母Gの定期預金等を解約したものを、一旦父H名義の預金口座に入金した上で母G名義の預金口座に入金したものと認められるから、母Gは父Hから本件入金額に相当する利益を受けたものとはいえない。(平25.10.7 大裁(諸)平25-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成25年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、母親が所有する各土地(本件各土地)を権利金等を支払わずに賃貸借により借り受け、本件各土地上に建物を建築したが、本件各土地が所在する地域には借地権の取引慣行がないため、財産評価基本通達27《借地権の評価》のただし書により借地権は評価しないことから、相続税法第9条に規定する利益は受けていない旨主張する。しかしながら、本件各土地の所在する地域は、財産評価基準書において借地権割合が定められているところ、この借地権割合は、不動産鑑定士等の精通者による借地権の取引慣行がある地域であるとの意見を基に評定されていると認められ、さらに、本件各土地の所在する市内においては、借地権の設定された土地は、借地権相当額を控除した価額で売買されていることからすると、本件各土地の所在する地域は借地権の取引慣行のある地域、すなわち、借地権の設定に際し権利金の授受の取引慣行がある地域と認められる。請求人の場合、上記賃貸借により本件各土地上の借地権(本件各借地権)を取得したと認められ、本件各借地権は、権利金の支払をせずに取得しているものであるから、請求人は、本件各土地の所有者である母親から借地権の価額に相当する利益を受けたと認められる。(平25. 4.24 沖裁(諸)平24-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240164
- 裁決年月日
- 平成25年2月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 原処分庁は、請求人の母名義の預貯金口座からの各出金に係る金員が請求人名義の預貯金口座への各入金に係る金員に対応する関係(本件対応関係)にあるとして、請求人が、母から、当該各出金に係る金員を取得した旨主張する。しかしながら、①当該各出金日から当該各入金日までの間隔は、長いものでは約1年10か月もあいている上、②当該各出金に係る金員の管理・保管状況は明らかではなく、③当該各入金日と同日に、請求人名義の預金口座からそれぞれの日の入金額を上回る出金がされている場合もあることのほか、④本件対応関係にない請求人名義の預貯金口座への入金の事実があることも踏まえると、当該各入金の事実のみから、直ちにその原資の全てが当該各出金に係る金員であると推認することはできない。ところで、本件対応関係の存在を認めることができるか否かは、請求人の母の相続税の調査段階における請求人の申述又は提出資料の信用性を認めることができるか否かに帰着するが、当該調査段階における請求人の申述又は提出資料の内容は、そもそも当該調査段階においてさえ変遷がみられるものである上、当該申述又は提出資料の内容を裏付ける客観的な証拠や当該変遷に合理的な理由があることをうかがわせる証拠の存在は見当たらないから、原処分庁がその主張の根拠とした当該申述又は提出資料についてはその信用性を認めることはできず、本件対応関係の存在を認めることもできない。そして、当審判所の調査の結果によっても、他に母から請求人に対する金員の受渡しがされた事実を認めるに足りる証拠は見当たらない。したがって、請求人が母から当該各出金に係る金員を取得したとは認められない。(平25. 2.28 東裁(諸)平24-164)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240028
- 裁決年月日
- 平成25年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402031
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/1資産の取得資金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父親からの金員の交付は、借用書及び返済記録から明らかなとおり金銭消費貸借であるから、当該金員の交付を贈与であるとしてした贈与税の期限後申告は、錯誤により無効であり、当該期限後申告に係る加算税の賦課決定処分は違法なものである旨主張する。しかしながら、当該借用書については、記載された契約内容自体や記載の形式に不自然な点が認められることに加え、信用性を認めることのできる請求人の父の申述及び請求人の元妻の答述を総合すると、請求人及び請求人の父は、当該金員の交付を贈与であると認識しており、当該借用書は課税を逃れるために作成されたものと認められる。また、当該返済記録のデータファイルの作成年月日が贈与税の調査の連絡後であったこと及び請求人の父の申述を総合すると、当該返済記録は信用することができない。以上のことからすると、当該金員の交付は、請求人の父の申述及び請求人の元妻の答述によれば、金銭消費貸借ではなく贈与であると認められるから、そもそも当該期限後申告が、錯誤に基づくものであったとは認められない。(平25. 2.27 名裁(諸)平24-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240153
- 裁決年月日
- 平成25年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の死亡に伴い支払われた同人が入居していた老人ホームの入居一時金に係る返還金は相続税の課税対象とはならない旨主張する。しかしながら、請求人は、被相続人が死亡時の老人ホームの入居一時金に係る返還金受取人であり、その入居契約により、受益者として、入居者である被相続人の死亡を停止条件として当該ホーム設置会社に対して直接、入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を取得したものであるところ、この取得原因についてみると、本件における入居契約の内容のみをもって、被相続人と請求人との間に入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を贈与する旨の死因贈与契約が成立していたと認めることはできないし、その他当審判所の調査の結果によっても、相続開始時より前に、当該当事者間でその旨の死因贈与契約が成立していた事実や、被相続人がその旨の遺言をしていた事実を認めることはできないものの、入居一時金の原資は被相続人の定期預金の一部であると認められることからすれば、実質的にみて、請求人は、第三者(請求人)のためにする契約を含む入居契約により、相続開始時に、被相続人に対価を支払うことなく、同人から入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利に相当する金額の経済的利益を享受したというべきである。したがって、請求人は、当該経済的利益を受けた時、すなわち、相続開始時における当該利益の価額に相当する金額を被相続人から贈与により取得したものとみなす(相続税法第9条)のが相当である。そして、請求人は、被相続人から相続により他の財産を取得していることから、被相続人から贈与により取得したものとみなされる当該利益の価額は、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項の規定により、当該他の財産に加算され、相続税の課税対象となる。(平25. 2.12 東裁(諸)平24-153)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240154
- 裁決年月日
- 平成25年2月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の死亡に伴い請求人の弟に支払われた被相続人が入居していた老人ホームの入居一時金に係る返還金は相続税の課税対象とはならない旨主張する。しかしながら、請求人の弟は、被相続人が死亡時の老人ホームの入居一時金に係る返還金受取人であり、その入居契約により、受益者として、入居者である被相続人の死亡を停止条件として当該ホーム設置会社に対して直接、入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を取得したものであるところ、この取得原因についてみると、本件における入居契約の内容のみをもって、被相続人と請求人の弟との間に入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利を贈与する旨の死因贈与契約が成立していたと認めることはできないし、その他当審判所の調査の結果によっても、相続開始時より前に、当該当事者間でその旨の死因贈与契約が成立していた事実や、被相続人がその旨の遺言をしていた事実を認めることはできないものの、入居一時金の原資は被相続人の定期預金の一部であると認められることからすれば、実質的にみて、請求人の弟は、第三者(請求人の弟)のためにする契約を含む入居契約により、相続開始時に、被相続人に対価を支払うことなく、同人から入居一時金に係る返還金の返還を請求する権利に相当する金額の経済的利益を享受したというべきである。したがって、請求人の弟は、当該経済的利益を受けた時、すなわち、相続開始時における当該利益の価額に相当する金額を被相続人から贈与により取得したものとみなす(相続税法第9条)のが相当である。そして、請求人の弟は、被相続人から相続により他の財産を取得していることから、被相続人から贈与により取得したものとみなされる当該利益の価額は、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項の規定により、当該他の財産に加算され、相続税の課税対象となる。 (平25. 2.12 東裁(諸)平24-154)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240087
- 裁決年月日
- 平成24年11月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/5その他の財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、請求人らの借入金の返済(本件返済)について、請求人らの兄が原処分庁にした申述に基づき、請求人らの資金援助の求めに応じて同兄が母親の預金口座から出金(本件出金)し、本件出金による金員により上記返済がされたとの事実を認定し、当該事実に基づいて、請求人らが本件返済により母親から相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで・・・利益を受けた」と認められる旨主張する。しかしながら、本件返済の経緯についての請求人らの兄の供述(原処分庁にした申述及び当審判所にした答述)は、曖昧であり、供述内容自体が客観的事実と矛盾し、あるいは客観的事実に基づいて通常人がとると考えられる行動に反する不合理なものであるから、これを信用することはできない。そして、本件においては、本件返済がされた当時、請求人らの母親が軽度の認知症の状態にあったと認められる上、当審判所の調査の結果によっても、他に請求人らが本件返済を認識し、事前事後に本件出金を承諾していたと認めるに足りる証拠も見当たらないから、結局、請求人らが本件返済により母親から実質的に贈与と同様の経済的利益を受けた事実を認めることはできない。したがって、本件においては、請求人らが本件返済により母親から「対価を支払わないで・・・利益を受けた」とは認められない。(平24.11. 7 東裁(諸)平24-87)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240007
- 裁決年月日
- 平成24年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、被相続人が同族会社である本件会社への貸付金(本件貸付金)を免除したことにより請求人の保有する本件会社の株式等の価額が増加したとして、当該増加額が相続税法第9条の規定により贈与とみなされるとし、さらに、当該免除の時期が相続開始の年であったことから、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項の規定により、当該増加額を相続税の課税価格に加算して原処分をしたという課税経緯の下、本件貸付金の一部は、本件会社から被相続人に交付された資金(本件交付金)が本件会社に戻されただけで、貸付けの実体を欠くものであるから、被相続人が債務免除したのは本件貸付金の一部にすぎない旨主張する。しかしながら、実際の資金の動きによれば、被相続人は本件会社から本件交付金を取得した後それを本件会社に改めて交付したものと認められるところ、本件会社はこれを本件貸付金として帳簿に記帳した上で法人税の確定申告書に記載して原処分庁に提出し、被相続人はその確定申告書に代表取締役として署名していることからすると、本件交付金について、当事者である本件会社と被相続人の双方が金銭の貸付けであると認識しているものと認められる。そして、被相続人が本件交付金を受領した後で改めて本件会社に貸し付けることも法律上可能であり、本件会社が銀行借入金の返済資金を本件貸付金により賄ったことに不自然な点はないことから、本件貸付金に係る貸付けは実体を備えた有効なものと認められる。したがって、被相続人が債務免除したのは、本件貸付金の全部であると認められる。(平24.10.17 福裁(諸)平24-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240022
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成21年中に父から受けた、父が所有していた土地建物(本件各不動産)の持分の贈与は停止条件付贈与であり、当該停止条件が成就したのは平成22年中であるから、請求人が平成21年中に父から本件各不動産の贈与を受けたということはできないなどと主張する。しかしながら、請求人が上記主張の証拠とする契約書2通(本件各契約書)は、それが原処分庁に対して提出された時期、その提出経緯及びこれらに関する請求人の申述内容等のほか、請求人の父が本件各契約書について曖昧な答述をしていること等を併せ考えると、これらを直ちに採用することはできない。加えて、父から請求人の兄や請求人の妻子に対する不動産の贈与の事実及びその時期やその経緯、本件各不動産の贈与に係る登記申請に際して提出された書面の記載内容、当該登記に係る名義変更後にされた本件各不動産の売却契約における約定内容等を併せ考えると、請求人と父との間における本件各不動産に係る贈与契約の締結に当たり、停止条件に係る合意が成立していたものと認めることはできず、他に請求人が主張する停止条件が付されていたことをうかがわせる事情も認められない。したがって、請求人は、平成21年中に、父からの贈与により本件各不動産の持分を取得したと認められる。(平24. 9. 3 大裁(諸)平24-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240010
- 裁決年月日
- 平成24年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/5その他の財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社の株主であったところ、当該会社の新株発行に際し、持株割合を超える数の新株を額面により引き受けたことにつき、原処分庁は株主であった請求人の母から経済的利益を受けたとして請求人に対して相続税法第9条に基づき贈与税を課税したが、請求人と母との間において当該会社の株価による損得はないから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、株式会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与える方法により新株を発行する場合において、株主の権利に変動を来たさないようにするためには、株主に対しその有する株式の数に応じて株式の割当てを受ける権利を与えなければならないところ、当該会社の新株発行についていえば、当該会社は、請求人の母に新株を割り当てず、請求人に対して全部の新株を割り当て、請求人はこれを引き受けたのであるから、請求人は、請求人の母が取得すべきであった新株引受権の贈与を同人から受けたに等しく、また、当該新株引受権は財産的価値を有するから、請求人は、相続税法第9条の規定に基づき、当該新株を引き受けた時点において、当該新株引受権の価額に相当する経済的利益を請求人の母から贈与により取得したものとみなされる。(平24. 7.26 大裁(諸)平24-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240011
- 裁決年月日
- 平成24年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/5その他の財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株主でなかった同族会社の新株発行に際し、全部の新株を額面により引き受けたことにつき、原処分庁は株主であった請求人の母及び兄から経済的利益を受けたとして請求人に対して相続税法第9条に基づき贈与税を課税したが、請求人と母及び兄との間において当該会社の株価による損得はないから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、株式会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与える方法により新株を発行する場合において、株主の権利に変動を来たさないようにするためには、株主に対しその有する株式の数に応じて株式の割当てを受ける権利を与えなければならないところ、当該会社の新株発行についていえば、当該会社は、請求人の母及び兄に新株を割り当てず、請求人に対して全部の新株を割り当て、請求人はこれを引き受けたのであるから、請求人は、請求人の母及び兄が取得すべきであった新株引受権の贈与を同人らから受けたに等しく、また、当該新株引受権は財産的価値を有するから、請求人は、相続税法第9条の規定に基づき、当該新株を引き受けた時点において、当該新株引受権の価額に相当する経済的利益を請求人の母及び兄から贈与により取得したものとみなされる。(平24. 7.26 大裁(諸)平24-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230038
- 裁決年月日
- 平成24年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の株式(本件株式)は、本件被相続人の生前である平成15年に同人から請求人へ贈与されたものであり、相続財産に属さないものである旨主張する。しかしながら、請求人が本件被相続人から本件株式の贈与を受けたことを証する贈与証書等の書面は作成されていないのみならず、本件株式の株券には本件株式が請求人に移転したことの裏書はなく、本件会社においては株主名簿が作成されておらず、本件会社の法人税の確定申告書には株主の所有株式数が記載される別表二の添付もなく、本件株式が非常に高額な資産である上、請求人以外にも多数の相続人が存在することなどに鑑みると、このように請求人の主張する本件株式の贈与の裏付けとなる書面や記録が残されていないのはいささか不自然というべきである。また、本件被相続人が本件会社の代表取締役を退き、請求人が同代表取締役に就任したとされる時期と本件株式の贈与があったとされる時期、更には、請求人が本件被相続人から本件会社の預金通帳と印鑑の交付を受けこれを保管するようになったとされる時期などの経過もいささか不自然であるといわざるを得ない。加えて、本件会社が特別の営業活動を必要とせずに安定的に賃貸収入を得ることができる会社であって、本件被相続人にとって自己の生活費を得るのに都合のよい資産といえることに鑑みると、本件被相続人と他の相続人との間で、本件会社と直接関係のない他の会社の運営についての争いが起きたのを契機として、請求人に本件株式を贈与したとはにわかに考え難い。これらのことなどからすると、請求人が主張するように本件被相続人が本件株式を請求人に対して贈与した事実を推認することはできず、他にこの事実を認めるに足りる証拠は見いだせない。のみならず、平成15年以降、本件相続開始日までの間に、本件被相続人から請求人に対して、本件株式の贈与がされた事実を認めるのも困難である。したがって、本件株式は本件被相続人の相続財産であるというべきである。(平24. 3. 2 大裁(諸)平23-38)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230050
- 裁決年月日
- 平成24年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与を原因とした本件土地の所有権移転の登記(本件移転登記)は、請求人の父が請求人に無断で行ったものであって、請求人は、本件土地を贈与により取得していない旨主張する。しかしながら、①本件移転登記に係る登記申請関係書類には、請求人の父から請求人に対して本件土地を贈与する旨記載の上、受贈者である請求人の氏名の記載とともに請求人の姓の印影があり、本件移転登記に係る申請手続を行った本件司法書士が、請求人同席の下、請求人の父と面談した旨記載されている事実、②請求人は、本件移転登記によって生じた税負担について、調査担当者から登記名義が真実と異なる場合の対策を具体的内容を聞いていながら、本件移転登記を長期間にわたり放置しており、仮に、真実と異なる登記を原因とする税負担という経済的不利益が生じたのであれば、通常行うであろう、登記名義を真実の所有者に変更したり、異議等を申し立てたりするなどの行動を本件決定処分までに行っていない事実がそれぞれ認められ、これらの事実は、いずれも本件土地の贈与の合意があったことをうかがわせる事実である。そして、これらの事実は、請求人と請求人の父との間に本件土地の贈与の合意があった旨の本件司法書士の申述に沿うものであって、当該申述が詳細かつ具体的で特段不自然な点が見当たらないのもであることを考えると、当該申述の信用性を認めることができる。以上のことからすれば、請求人と請求人の父との間の贈与契約に基づいて本件移転登記が行われたと認められるから、請求人は、贈与により本件土地を取得したものと認められる。(平24. 2. 7 関裁(諸)平23-50)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230044
- 裁決年月日
- 平成24年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第2章第3節《相続時精算課税》に規定する相続時精算課税の特例(本件特例)を適用すれば贈与税の負担が生じないとの認識の下、贈与税の負担が生じないことを動機として本件贈与契約を締結したのであるから、贈与税の負担が生じるのであれば、本件贈与契約は錯誤により無効である旨主張する。しかしながら、請求人が本件特例の適用を受けられず、贈与税の負担が生じることとなったのは、相続時精算課税選択届出書を贈与税の法定申告期限までに提出しなかったという、本件贈与契約の成立とは別個の申告時の手続上の不備という後発的事由に基づくものであって、本件贈与契約の内容に基づくものではない。そうすると、本件贈与契約は、贈与税の負担が生じないよう本件特例の適用が可能な贈与という請求人の主張する動機に沿った法的効果を生じさせる契約として成立しているのであるから、その動機と本件贈与契約において表示された法的効果を発生させようとする意思との間に錯誤は生じていない。したがって、本件贈与契約に錯誤があったとは認められないから、本件贈与契約は錯誤により無効とはいえない。(平24. 1.24 関裁(諸)平23-44)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230067
- 裁決年月日
- 平成23年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/5その他の財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが、同人らの祖父母(本件祖父母)からの贈与により取得したものと認定された財産(本件財産)は、本件祖父母の養親である本件被相続人からの死因贈与により取得したものである旨主張する。しかしながら、本件財産は、本件被相続人の相続において、本件祖父母が遺留分減殺請求(本件遺留分減殺請求)の結果として取得した財産の一部であると認められること、本件祖父母は、本件遺留分減殺請求の結果として取得する本件財産の引渡先を請求人らにすることを望んでいたことが認められることなどを総合してみると、本件祖父母は、本件被相続人との間の養子縁組の無効に伴う権利関係の調整を求める仲裁事件において提示した仲裁判断案を通じて、本件財産を請求人らへ贈与する旨を黙示的に意思表示したものとみるのが相当である。よって、請求人らは、本件財産を本件祖父母からの贈与により取得したものと認めるのが相当である。(平23.12.20 名裁(諸)平23-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220224
- 裁決年月日
- 平成23年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人は、請求人及び本件被相続人が本件相続開始の約2か月半前に入居した老人ホーム(本件老人ホーム)の入居金(本件入居金)を本件被相続人が支払ったことについて、本件入居金の性質は終身利用権の対価であり、請求人は本件被相続人から終身利用権を死因贈与により取得したことになるところ、終身利用権は一身専属権であるから贈与税の対象とはならず、したがって本件相続税において、相続開始前3年以内の贈与として課税価格に加算されない旨主張する。しかしながら、本件被相続人は、自らに支払義務のない請求人に係る入居金のうちの一部に相当する金額を支払ったものであり、これによって請求人は、入居金全額の支払によって初めて取得することのできる施設利用権を、低廉な支出によって取得したものと認められることからすると、請求人は著しく低い対価で本件老人ホームの施設利用権に相当する経済的利益を享受したものということができ、本件被相続人と請求人との間に実質的に利益の移転があったことは明らかであるから、相続税法第9条により、請求人は、その利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を本件被相続人から贈与により取得したものとみなすのが相当である。なお、本件入居金は極めて高額であり、請求人に係る居室面積も広く、本件老人ホームの施設の状況等をかんがみれば、本件老人ホームの施設利用権の取得のための金員は、社会通念上、日常生活に必要な住の費用であるとは認められないから、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号の規定する「生活費」には該当せず、贈与税の非課税財産に該当しない。したがって、贈与により取得したものとみなされた金額は、相続開始前3年以内の贈与として本件相続税の課税価格に加算されることとなる。(平23. 6.10 東裁(諸)平22-224)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220042
- 裁決年月日
- 平成23年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、母親の貯金口座から請求人の貯金口座への資金(本件資金)の移動(本件資金移動)について、母親が請求人の借入金債務の代位弁済を行うためなされたものであり、母親は請求人に対する求償権を取得したのであるから、贈与には該当しない旨主張する。しかしながら、そもそも、請求人の借入金債務の返済は、母親の代位弁済による返済とは認められない上、本件資金移動は母親と請求人の協力によって行われており、母親が本件資金を含む金員の全額の管理を請求人に任せ、その後も請求人に対し返還を求めていないことからすれば、母親と請求人との間で本件資金の返還に関し、何らかの合意をしていたとは認められない。加えて、税理士である請求人自身、本件資金移動が贈与によるものであることを認識していなかったとは認め難いことからすれば、本件資金は、親子間において、返還を約すことなく無償で供与されたものであり、母親と請求人との間では、本件資金の贈与に関する黙示の合意があったと認めるのが相当である。(平23. 3.23 名裁(諸)平22-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220133
- 裁決年月日
- 平成23年1月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/5その他の財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件被相続人及び請求人らがそれぞれ所有する甲社の株式合計7,000株の譲渡の対価として、乙社の株式600株及び本件甲社債権を取得したことから、そのうち本件被相続人が譲渡した甲社の株式1,500株の譲渡対価に相当する本件甲社債権を、本件被相続人が請求人らに贈与した旨主張する。しかしながら、契約の解釈に当たっては、当該契約の形式のみに捕らわれることなく、契約当事者の意図している経済関係、取引経緯等を総合勘案して判断するのが相当であるところ、本件基本合意書と本件合意書は相互に密接に関連し、当初から本件基本合意書及び本件合意書が一体のものとして成立することが予定され、一つでも欠ければ初期の目的を達し得ない関係にあったものと認められるから、本件基本合意書及び本件合意書により、①本件被相続人がAに甲社の株式1,500株を譲渡する、②請求人らがAに甲社の株式5,500株を譲渡する、③Aは本件被相続人に乙社の株式600株を譲渡する、④Aは請求人らに本件甲社債権を譲渡する、ということを内容とする三面契約が締結されたとみるべきであることに加え、乙社と甲社とを完全に分離するために本件甲社債権の入手を要求していたのは請求人らであると認められること、また、本件被相続人は各合意を成立させるために形式上、一時的に、本件甲社債権の譲受人とされたにすぎないと認められることからすると、本件甲社債権は、直接に請求人らに譲渡されたとみるのが当事者の合理的意思に合致する。したがって、本件被相続人が本件甲社債権の一部をいったん収入したとは認められないから、これらの取引において、本件被相続人が請求人らに本件甲社債権を贈与したものとは認められない。(平23. 1.18 東裁(所・諸)平22-133)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の出資持分である本件出資持分の本件譲渡に係る本件譲渡価額は、仮に、相続税評価額よりも低い価額であったとしても、経済的に独立した当事者間における正常な取引価額であって、別件譲渡価額に比しても、時価に相当する価額であるから、相続税法基本通達9−2《株式又は出資の価額が増加した場合》(4)にいう「著しく低い価額」に該当しない旨主張する。しかしながら、贈与税の課税処分の適否が争われている本件においては、本件出資持分の時価の算定は、特別の事情がある場合を除き、財産評価基本通達に定める方法により行うべきであるところ、本件出資持分の売買実例は、別件譲渡及び本件譲渡以外には見当たらず、別件譲渡は、別件譲渡の譲渡者における取引先会社との関係強化を目的とした売買であり、また、本件譲渡は、グループ企業の組織再編の一環を目的としたものであったことなどの事情に照らせば、別件譲渡及び本件譲渡は、いずれも正常な第三者間取引とはいい難く、ほかに、本件出資持分の評価について財産評価基本通達によらないことが正当と是認される特別の事情もない。したがって、本件出資持分の本件譲渡時の時価は、財産評価基本通達の定めにより難い特別の事情のある部分を除き、同通達の定めにより算出すべきである。そして、本件出資持分について、財産評価基本通達の定めにより算出した価額と本件譲渡価額とを比較すると、本件譲渡価額は、社会通念上、「著しく低い価額」に該当するものと認められるから、相続税法基本通達9−2(4)にいう「著しく低い価額」に該当するものというべきである。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-22)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220002
- 裁決年月日
- 平成22年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402039
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/5その他の給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続の開始前に本件被相続人の預貯金口座から出金された金員である本件払戻金を、請求人が代表取締役を務めるA法人の預金口座に入金し、これをA法人が請求人からの長期借入金として経理処理したことについて、本件払戻金は、本件被相続人の生前中の立替金の返済として本件被相続人から支払を受けたものであるから、請求人が本件被相続人から贈与により取得したものとはいえない旨主張する。しかしながら、A法人は、請求人との金銭消費貸借を前提として、A法人の口座への入金を請求人からの長期借入金として経理処理したものと認められるから、本件払戻金は、本件被相続人と請求人との間の資金の移動を経て、請求人がA法人に貸し付けたものと認められること、本件被相続人は当該資金の移動の事実を追認していることからすれば、本件被相続人と請求人との間で行われた資金の移動は、親子間における財産的利益の付与と評価すべきものといえる。そして、親族間で財産的利益の付与がされた場合には、後にその利益と同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実であるなどの特別の事情のない限り、相続税法第1条の4《贈与税の納税義務者》の贈与であると認めるのが相当であるところ、請求人の上記主張を前提にすると、本件被相続人と請求人との間では、移動した金員の額と同等の価値が将来返還されることを予定しなかったものであり、また、本件払戻金が出金された日から本件相続の開始までの期間、請求人から本件被相続人に本件払戻金に相当する金員の移動があった事実も認められないから、財産的利益の付与について、特別の事情が存在するとは認められない。さらに、請求人の主張する立替金の存在も認められない。そうすると、本件被相続人と請求人との間の資金移動は、相続税法第1条の4の贈与と認めるのが相当であり、本件払戻金は、請求人が本件被相続人から同条の贈与により取得したものといえる。(平22. 7. 6 広裁(諸)平22-2)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210025
- 裁決年月日
- 平成22年5月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人の配偶者である請求人名義の本件株式等について、被相続人が実質的に管理運用していた請求人名義の証券口座に保護預かりされていたことなどから、被相続人の財産であり、本件株式等に係る配当金を請求人が受領し消費していたことは、被相続人からの贈与である旨主張する。しかしながら、本件株式等は、請求人名義の同族会社の株式との株式交換により取得した株式の売却代金により取得されており、これらの財産は、請求人が当該同族会社の株式を取得してから相続開始日に至るまで一貫して請求人の名義財産であり、かつ、保有に伴う配当金も請求人が受領しているところ、ほかに被相続人に帰属する財産であると認められる証拠もない。そうすると、本件株式等は請求人に帰属する財産と認められ、本件株式等に係る配当金も請求人に帰属するものと認められるから、原処分は取り消すのが相当である。(平22. 5.28 仙裁(諸)平21-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210060
- 裁決年月日
- 平成22年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が、生前に同族会社に債務免除を行ったことにより生じた株式等の価額の増加額に相当する金額について、原処分庁が、相続税法第9条及び相続税基本通達9−2(以下「本件通達」という。)を適用して原処分をしたのに対し、本件通達は同族会社に限って債務免除があった場合の取扱いを示しており、相続税法第64条に規定されている同族会社に対する課税の取扱いに対応しているから、同条と同様に、本件通達についても、相続税や贈与税の負担を不当に減少させる結果がある場合に限って適用されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、要するに、本件通達に定める場合に該当するときは、相続税法第9条に基づく課税要件について、さらに、「その株主等の相続税又は贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがある」ことを課税要件として付加して解釈すべきであるとの主張にほかならないが、①同条には、相続税法第64条とは異なり、「その株主等の相続税又は贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがある」ことを適用要件とする文言はないし、相続税法第9条の適用に当たり、同族会社の場合には相続税法第64条を準用することを定めた規定もない上、②本件通達は、確かに同族会社の債務免除等の場合についての定めとなっているものの、その趣旨は、同族会社の債務免除等の場合は同社の株式又は出資を保有している同族関係者が債務免除等をした者から直接財産の移転等を受けた場合等と同様の「利益を受けた場合」に該当するからなどというものであり、本件通達の文言自体から見ても、相続税法第9条の課税要件に新たな課税要件を付加した定めであるとみることもできない。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平22. 5.12 大裁(諸)平21-60)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210031
- 裁決年月日
- 平成22年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父から、本件建物の贈与は受けたものの、①本件建築物と本件建物とは別のものである、②本件建物の登記簿謄本には、請求人が本件建築物の贈与を受けた旨の記載はない、③本件贈与の時は、本件建築物について贈与物件に含めるか又は含めないかといった認識はなかった、④本件建築物の贈与を受けたとの請求人の申述のみで、本件建築物を請求人が所有できるものではないことから、本件建築物の贈与は受けていない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、①本件贈与時の本件建物と本件建築物の所有者は請求人の父である、②本件建物と本件建築物とは、本件建築物が本件建物の一辺の壁を利用しており近接した場所的関係にある、③本件建築物は、独立した出入口を有しているものの、本件建物において使用している給湯器の屋外設備があるなどその主たる用途を物置として、本件建物の効用を全うさせる役割を果たしていることから、本件建築物は本件建物の従物と認められる。そうすると、民法第87条《主物及び従物》の規定に基づき、当事者間に別段の意思表示がない場合には、従物である本件建築物は、主物である本件建物の処分に従うこととなるところ、本件贈与の時において、請求人と請求人の父の間には本件建築物の贈与を留保する別段の意思表示は認められないことからすれば、主物たる本件建物の贈与を受けた請求人は、従物たる本件建築物の贈与を受けたとみるのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平22. 4.22 福裁(諸)平21-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210056
- 裁決年月日
- 平成22年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①関係する法人に対する被相続人名義の貸付金の返済金の一部が、被相続人の夫の絵画購入代金に充てられたこと及び被相続人の夫の預金に入金されたこと、②被相続人名義の預金からの出金が、被相続人の夫の預金に入金されたこと及び被相続人の夫から関係会社の代表者への貸付けに充てられたことについては、これらの被相続人名義の貸付金及び預金は、被相続人が被相続人の夫の預金を使い込んだという事実関係の下、被相続人の夫が被相続人の退職金により弁済を受けた金員が原資となっているのであって、もともと被相続人の夫に帰属するものであるから、①②いずれの資金移動についても、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合には該当せず、贈与により取得したものとみなされることはなく、相続税法第19条の規定により相続開始前3年以内に贈与により財産を取得したことがある場合に当たるとして被相続人の相続開始に係る相続税の計算上被相続人の夫の課税価格に算入することもできない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、被相続人が被相続人の夫の預金を使い込んだというのは被相続人の夫の憶測に過ぎず、具体的な証拠も見当たらないから、請求人らの主張は採用することができない。したがって、①②の資金移動は、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当し、被相続人の夫が贈与により取得したものとみなされることとなり、相続税法第19条の規定により相続開始前3年以内に贈与により財産を取得したことがある場合に当たるとして被相続人の相続開始に係る相続税の計算上被相続人の夫の課税価格に算入することとなる。(平22. 4.22 大裁(諸)平21-56)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210057
- 裁決年月日
- 平成22年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、?関係する法人に対する請求人の妻名義の貸付金の弁済金の一部を請求人の預金口座へ入金したこと、?請求人の妻名義の預金からの出金を、請求人名義の預金に入金したこと及び請求人から関係会社の代表者への貸付けに充てたことについては、これらの請求人の妻名義の貸付金及び預金は、請求人の妻が請求人の預金を使い込んだという事実関係の下、請求人が妻の退職金により弁済を受けた金員が原資となっており、もともと請求人に帰属するものであるから、??のいずれの資金の移動についても、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合には該当せず、贈与により取得したとみなされることはない旨主張する。しかしながら、請求人の妻が請求人の預金を使い込んだというのは請求人の憶測に過ぎず、具体的な証拠書類も見当たらないことから、請求人の主張は採用することができない。したがって、??の資金移動は、同条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当し、贈与により取得したものとみなされる。(平22. 4.22 大裁(諸)平21-57)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210020
- 裁決年月日
- 平成22年1月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人ら名義の本件各国債等が贈与された時期について、本件各国債等の購入及び口座開設の届出印が被相続人の使用印章から請求人らの各使用印章に変更された日とした原処分庁の認定には誤りがあり、本件各国債等を被相続人が請求人ら名義で購入した日である旨主張する。しかしながら、本件は書面によらない贈与であり、書面によらない贈与は、その履行が終わるまでは当事者がいつでもこれを取り消すことができるのであるから、その履行前は目的財産の確定的な移転があったということができないので、贈与の有無、すなわち、目的財産の確定的な移転による贈与の履行の有無は、当該各財産の管理・運用の状況、利金の帰属先等の具体的事実に基づいて総合的に判断すべきところ、本件各国債等の通帳は購入された直後に本件被相続人から請求人らに渡されたものの、①各利金受取口座からの金員の引出しは被相続人が行っていたこと、②利金引出しや国債の処分の際に必要な届出印は被相続人が専ら使用し管理していたこと、③被相続人が入退院を繰り返すようになり自ら財産管理をすることが困難となった時点で、当該届出印及びその財産の管理を請求人らに委ねたと認められるものの、その後、本件各国債等の届出印の変更は、当該届出印が使用されていない請求人ら名義の他の金融機関の口座の届出印の変更する機会に併せて行われていたことによれば、被相続人の意思を反映し本件各国債等の届出印が変更されたとまでは認められず、請求人らが本件各国債等の残高を自由に処分等する権限を付与されたとはいえないこと、④本件各国債等の届出印が変更された前後で、その管理・運用の状況、利金の帰属について変化があったと認められないことから、これらの事実に基づいて総合的に判断すると、本件各国債等が購入された時から相続開始日まで本件各国債等の管理・運用及び利金の帰属は本件被相続人であったと認めるのが相当であるので、請求人らは、被相続人から本件各国債等の残高の確定的な移転を受けたということはできず、被相続人から請求人らに対して贈与されたものではないといえる。したがって、本件各国債等の残高は、被相続人の相続財産と認められ、請求人らの主張には理由がない。(平22. 1.19 名裁(諸)平21-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210020
- 裁決年月日
- 平成22年1月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義の証券総合口座を通じて購入された社債(以下「本件社債1」という。)及び本件社債を処分して購入されたMRF(以下「本件MRF」という。)の贈与がされた時期について、本件MRF等に係る届出印が被相続人の使用印章から請求人の各使用印章に変更された日に贈与されたものとした原処分庁の認定には誤りがあり、本件社債1を被相続人が請求人名義で購入した日である旨主張する。しかしながら、本件は書面によらない贈与であり、署名によらない贈与は、その履行が終わるまでは当事者がいつでもこれを取り消すことができるのであるから、その履行前は目的財産の確定的な移転があったということができないので、贈与の有無、すなわち、目的財産の確定的な移転による贈与の履行の有無は、当該財産の管理・運用の状況、利金の帰属先等の具体的事実に基づいて総合的に判断すべきところ、①本件社債1の購入手続は被相続人によって行われ、その償還の際も証券会社の担当者からまず被相続人に話がされたことから、本件社債1の管理・運用者として証券会社と接していたのは被相続人であったこと、②本件社債1の償還金及び当該社債の利息が入金されていた本件MRFに係る口座からの金員の引出しは、被相続人が行っていたこと、③本件MRFに係る口座の届出印の変更後に、本件社債1の償還金により他の社債(以下「本件社債2」という。)が購入されたが、請求人は、被相続人から本件社債1が償還になるがどうするか聞かれ、自分の判断で本件社債2を購入したかったので届出印を変更したと申述し、また、本件社債2の募集申込書の記載内容によれば、請求人から申込の連絡を受けていたので、請求人の判断で購入したと認められること、④本件社債1の利息は、本件MRFに係る口座に入金された後、本件被相続人が出金し受領していたと認められるが、当該口座の届出印の変更後に購入された本件社債2の利息は、相続開始日までに一度も出金がされていないものの、請求人の使用印章に変更されたので、請求人はいつでもこれを自由に引き出すことができるようになったと認められることから、これらに基づいて総合的に判断すると、請求人の判断で本件社債2を購入するため本件MRFに係る口座の届出印が変更された時に、請求人は、被相続人から本件MRF等口座の残高の確定的な移転を受けたということができる。(平22. 1.19 名裁(諸)平21-20)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200020
- 裁決年月日
- 平成21年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が贈与者から取得した本件預貯金は、本件遺書に基づき遺贈により取得したものであり、本件訴訟における認定事実のみを前提に、本件預貯金を贈与により取得したとしてなされた原処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人及び参考人の答述等によれば、平成15年10月○日に、贈与者が「預金などは全部請求人にやる。」などと、本件預貯金を請求人に贈与する旨の意思表示を口頭により行い、本件預貯金に係る預貯金証書等を請求人に渡したこと、また、請求人はこれを受け取っていること、さらに、請求人は、贈与者の死亡時前までに、本件預貯金について、①贈与者と一緒に払い出し等を行っていること、②贈与者から手渡されたキャッシュカード又は預貯金通帳により機械で払戻し又は引き出ししていること、③贈与者の代理として銀行に出向き解約・払戻し、引き出ししたことからすれば、本件預貯金の払戻し等を行った時点で、本件預貯金の払戻し等に係る現金を支配管理下に置いたことが認められる。そうすると、書面によらない贈与については、その履行があった時に贈与があったものとみるのが相当であるところ、本件については、贈与者から請求人に対して本件預貯金を贈与する旨の贈与契約は平成15年10月○日に成立し、贈与者の死亡時までには、当該贈与契約の履行が終わっていたと認められる。したがって、請求人は、本件預貯金を贈与税の対象となる贈与により取得したと認めるのが相当であるから、原処分庁が行った本件決定処分等は適法である。(平21. 2.16 熊裁(諸)平20-20)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200015
- 裁決年月日
- 平成21年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第66条第4項に規定する贈与は、民法第549条《贈与》に規定する贈与契約に係るもののみをいい、同法第8条及び第9条等に規定するいわゆるみなし贈与は含まれないから、本件贈与税の決定処分は、課税要件を満たさない違法な処分である旨を主張する。しかしながら、相続税法第66条第4項に規定する贈与には、同法第8条及び同法第9条等に規定するいわゆるみなし贈与が含まれると解される。そして、本件においては、出資者であるAらを含む請求人の社員全員は、臨時社員総会において、請求人が特定医療法人の承認申請を行うこと、及び出資持分の定めのない医療法人に組織変更をするための定款変更の認可の手続をすることについて承認可決していた。そして、請求人の定款変更が、臨時社員総会、覚書等作成などの手続を経て県知事の認可により行われたことからすれば、出資者であるAらはこの定款変更によりその出資が消滅することを認識した上で、それが進められてきたことは明らかである。このようにAら出資者を含む請求人の社員全員の意思により、請求人は、出資持分の定めのある医療法人から公益法人等に該当する出資持分の定めのない医療法人になったのであり、本件定款変更の認可により、本件出資持分は消滅し、一方、請求人はB(Aの相続分を含む)及びCに対する出資の払戻義務を免れることになったのであり、このことは、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で収益を受けた場合」に該当するものと認められることから、本件定款変更があった時に、公益法人等である請求人に対し、B及びCから「財産の贈与があった」ものと認めることができる。したがって、本件贈与税の決定処分は適法である。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-15)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200003
- 裁決年月日
- 平成20年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・60ページ
要旨
○ 請求人は、同族会社の株式を著しく低い価額の対価で譲り受けたとして、相続税法第7条の規定に基づき、当該対価と当該株式を譲り受けた時の当該株式の時価との差額に相当する金額を贈与により取得したとみなして原処分庁が行った贈与税の決定処分に対し、当該株式の譲渡契約は民法第95条の規定により無効な契約となるから、当該無効な法律行為を原因とした贈与税の決定処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件譲渡契約の締結に当たり、請求人にとって1株当たりの実際の価値が重要な要素であったとすれば、課税関係を十分に検討するなど、通常の注意義務を尽くしていれば、錯誤に陥ることはなかったにもかかわらず、これを行わず請求人の不注意から錯誤に陥ったものと認めるのが相当であり、請求人には看過することができない過失があったことは明らかであるから、請求人が主張する錯誤をもって直ちに当該譲渡契約を無効とすることはできない。(平20.10.21 札裁(諸)平20-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200002
- 裁決年月日
- 平成20年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の時価は、請求人鑑定評価額34,500,000円であるから、本件土地に根抵当権が設定されていること等の個別事情を加味すれば、本件譲受価額30,000,000円による本件土地の譲り受けは、「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」に当たらない旨主張する。しかしながら、請求人鑑定評価額及び原処分庁鑑定評価額53,400,000円は、本件土地の適正な時価を示しているとはいえず、当審判所が土地価格比準表に準じて時点修正、標準化補正、地域格差及び個別格差の補正を行って本件譲受日における本件土地の時価を算定したところ、本件土地の時価は69,328,301円となるから、本件譲受価額は本件土地の時価水準を大きく下回るのみならず、公表されている、当時の路線価額による相続税評価額56,984,289円をも大きく下回る価額であり、本件譲受価額の決定過程には合理的な根拠がなく、「著しく低い価額の対価」に当たると判断するのが相当である。(平20. 7. 4 関裁(諸)平20-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件信託契約による信託行為は、P国の法律に準拠して設定され、信託財産の分配等に関する限定的権限保持者が存在するなど、日本の信託にはない仕組みになっており、日本の相続税法が前提としている信託とは明らかに異なるから、相続税法第4条第1項に規定する信託行為に該当しない旨主張する。しかしながら、本件信託契約はP国の法律に準拠して締結されたものではあるが、その内容は、委託者であるAが、受託者であるBにP国債を引き渡し、受益者である請求人が信託の利益を受けるものとされており、平成18年法律第108号による改正前の信託法(以下「旧信託法」という。)の規定に基づく信託行為とその法形式、性質、内容がおおむね同様ないし類似するものと認めることができるから、本件信託契約による信託行為は、相続税法第4条第1項に規定する信託行為に該当するものとするのが相当である。なお、請求人は、本件信託契約は信託財産の分配等に関する限定的権限保持者が存在するなど、日本の信託にはない仕組みになっている旨主張するが、旧信託法においても、受益者を指定し又は変更する旨の権利を有する者の定めのある信託を設定することができると解されるから、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、委託者たるAがP国債を信託した後に受託者たるBが生命保険契約を締結した本件信託契約は、相続税法規本通達4−2で定める生命保険信託であり、信託行為のあった時において課税関係は生じない旨主張する。しかしながら、受託者が締結したP国の生命保険会社6社は、保険業法に基づく外国生命保険業免許を受けていないのであり、本件生命保険契約の保険金については相続税法第3条及び第5条の規定は適用されないのであるから、本件信託契約の内容が生命保険信託に該当するといえないことは明らかである。また、本件信託契約書において、受託者は、あらゆる投資対象に対して投資、再投資できると定められ、必ずしも生命保険契約で運用しなければならないとは解されず、より目的に合致した運用方法があれば、臨機に生命保険契約以外の投資も可能であり、本件の場合は、たまたま投資先として生命保険証券への投資が選択されたにすぎず、信託財産である本件P国債の運用として、生命保険契約以外にP国債を取得していることからも、本件信託契約における信託財産の運用は、生命保険証券への投資に限られたものでないことが認められる。したがって、本件信託契約は相続税法基本通達4−2にいう生命保険信託と認めることはできず、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件信託契約は、限定的権限保持者の意思により受益者の変更が可能であり、請求人が本件信託契約の意図する人物に成長しなければ限定的権限保持者により受益者たる地位から外されてしまうことから、停止条件付信託であり、受益者が確定していない場合について規定した相続税法第4条第2項第3号又は第4号に該当する旨主張する。しかしながら、本件信託契約に基づき委託者AがP国債を受託者に引き渡した時点において、受益者が請求人と確定しているのであるから、本件信託契約上、受益者の変更が可能であることをもって、相続税法第4条第2項第3号に規定する「受益者が特定していない信託」又は「受益者が存在しない信託」、あるいは同項第4号に規定する「停止条件付で信託の利益を与えることとしている信託」に該当するということはできない。なお、請求人は、請求人が本件信託契約の意図する人物に成長しなければ、限定的権限保持者により受益者たる地位から外されるから、本件信託契約は停止条件付信託である旨主張するが、これは、停止条件ではなく解除条件であると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件信託契約における信託受益権は、本件信託契約において生命保険契約がP国に本店又は事務所が所在する生命保険会社6社との間で締結されているから、相続税法第10条第1項第5号に該当し、P国に所在する財産である旨主張する。しかしながら、信託行為が行われた場合において受益者が有することとなる信託の利益の全部又は一部を受ける権利の所在は、相続税法第10条第3項の規定に基づき、信託行為の委託者である贈与者、すなわち、委託者Aの住所の所在によって判断することになるところ、Aの生活の本拠は国内にあるから、その住所は相続税法の施行地にあるとするのが相当であり、請求人が贈与により取得したものとみなされた信託の利益を受ける権利、すなわち、本件信託契約における信託受益権の所在は、この法律の施行地である国内にあることとなる。したがって、請求人の住所がこの法律の施行地にあるか否かにかかわらず、請求人には、贈与税が課税されることとなる。なお、請求人は、当該信託受益権の所在は、保険金の所在について規定した相続税法第10条第1項第5号に該当すると主張するが、P国に本店又は事務所が所在する当該生命保険会社6社は、保険業法に基づく外国生命保険業免許を受けていないことから、保険事故が発生した場合に生命保険契約に基づき支払われることとなる保険金は相続税法第3条及び第5条に規定する保険金に該当せず、また、課税時期において生命保険契約に基づき保険金が支払われているものでないことも明らかであるから、当該保険金の所在につき相続税法第10条第1項第5号の規定により判定することはできず、請求人の主張には理由がない。(平20. 7. 1 名裁(諸)平20-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190096
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がA社の株式8,000株(以下「本件株式」という。)の名義人Bへ額面金額を支払った取引は、名義株の整理を行ったものであり、Bへの金銭の支払は借入金の返済であるから、原処分庁が、当該取引は請求人がBから株式を譲り受けたものであり、相続税法第7条の規定により時価との差額に相当する金額はBから贈与を受けたとみなされるとして行った贈与税の決定処分は違法であると主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、請求人は、A社の設立資金の一部に充てるため、Bから現金を受け取り、Bを募集株主として、昭和57年3月にA社を設立したと認められ、A社が保管していた法人税確定申告書の控え及び決算配当金明細書並びにBが保管していたBの所得税確定申告書の控えから、A社は少なくとも昭和58年2月期から平成2年2月期まで利益配当を行っており、Bは昭和59年分から平成2年分までA社から利益配当を受けたとして所得税の確定申告をしていたことが認められることから、BがA社から利益配当を受けていたことは明らかであり、本件株式の株主は名義人Bであったと認められる。また、当該取引に際して作成された有価証券譲渡契約書には、請求人及びBの署名、押印があり、同契約書は、B名義の株式を額面価額で売買することについて、双方が合意の上で作成したものと認められ、Bは、同契約書に基づく売却代金について譲渡所得の確定申告を行っている。以上から、請求人が、A社の株式をBから売買により譲り受けたことは明らかであり、Bへ額面金額を支払った取引は名義株の整理であるとする請求人の主張には理由がない。なお、原処分庁のA社の株式の一株当たりの純資産価額の算定には、未納県民税を負債に計上していないなどの誤りが認められ、これを見直した結果、A社の株式の一株当たりの純資産価額の審判所認定額は原処分の額を下回り、これに伴い、課税価格及び納付すべき税額も審判所認定額が原処分の額を下回るから、原処分の一部を取り消す。(平20. 5.30 名裁(諸)平19-96)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190158
- 裁決年月日
- 平成20年4月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が被相続人名義の各預金口座から10,000,000円を超える高額の出金でその使途が明らかでないものを引き出したのは、被相続人と請求人との合意の下に、被相続人から請求人に対する贈与を目的としたものであって、請求人が被相続人名義の預金口座から現金を引き出す前に被相続人と請求人との間で贈与契約が成立し、請求人が当該現金を引き出して占有した時点で当該現金の贈与が履行されたものと認定して、本件各決定処分は適法である旨主張する。確かに、基礎事実及び認定事実を総合すると、①本件被相続人は、昭和25年以後体が不自由であり、さらには平成12年頃には全盲に近い状態であり、単独での外出は不可能で現金を自分で持ち出すことはできなかったこと、②本件被相続人は、死亡直前まで頭はしっかりしていたこと、③平成11年3月から、本件居宅において本件被相続人を介護するために本件相続人らのうち請求人のみが本件被相続人と同居していたこと、④請求人は、本件被相続人の指示又は委任の下に銀行へ行き、預金口座から本件現金を引き出していたこと、⑤証券会社の取引担当者が本件被相続人との取引のため、本件居宅を訪問したときは、ほぼ請求人が同席していたこと、⑥本件被相続人の生活費等の支出状況からみると、同人が生活費のために1回当たり10,000,000円を超える現金を引き出す必然性はないこと及び⑦各証券会社の被相続人名義の口座には、当該出金に相当する入金が見当たらないこと等が認められ、請求人は、当該現金の出金に関する事情を承知していることが疑われるが、当該現金又は当該現金が化体した財産の本件相続開始日における存在ないし請求人による費消の事実の有無が明らかでなく、これらのことのみでは、被相続人と請求人との間に本件現金を贈与する意思表示及び受諾があったとまで認めることはできない。そうすると、被相続人が請求人に対し多額の現金の贈与をしたとする事実は認められず、原処分庁の主張には理由がないものと判断せざるを得ない。(平20. 4. 8 東裁(諸)平19-158)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190016
- 裁決年月日
- 平成20年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・508ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地の登記原因となる遺産分割の事実がないとして、本件土地は、本件調停により遺産分割され、請求人が被相続人から相続によって取得したものである旨主張する。 しかしながら、遺産は、被相続人が遺言で禁じた場合を除くほか、何時でも、その協議で、分割することができるところ、遺産分割が成立していないとすれば、請求人は、長男が被相続人の遺産のすべてを事実上取得したことにつき不満を持っていたのであるから、例えば、長女が長男に対し別件土地の所有権移転を要求した時などに共同相続人間で協議による分割請求を行うのが合理的な行動であると考えられるにもかかわらず、請求人は、この財産分けの要求をすることを断り、共同相続人間で何らの協議もしないまま、調停の申立てを行うなどの行動をとっていることが認められる。これに加えて、①共同相続人全員が農業を引き継ぐ長男が遺産を単独で相続するものと認識していた旨答述し、本件相続が開始した当時における農家相続の実態調査等の結果にも合致すること、②本件相続不動産の一部が長男により売却され、請求人は現金の分与がないことに不満を持っていたにもかかわらず、その売却代金の帰属について何らの異議も申し立てていないこと、③本件相続開始から本件調停を受けた登記まで41年11か月、その間に一度も遺産の分割請求がなされないことは極めて不自然であると考えられることなどに照らせば、本件調停によって本件相続に係る遺産分割が成立したものとは認められず、かえって、遅くとも別件土地についての所有権移転の要求が長女から長男に対してなされた時までには、共同相続人間において、本件相続不動産のすべてを長男が単独で相続することにつき黙示の合意があったと推認することができるというべきである。したがって、本件土地は、請求人が長男から贈与により取得したものと認めるのが相当である。(平20. 3.28 金裁(所・諸)平19-16)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190017
- 裁決年月日
- 平成20年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の登記原因となる遺産分割の事実がないとして、本件土地は、本件調停により遺産分割され、請求人が被相続人から相続によって取得したものである旨主張する。しかしながら、遺産は、被相続人が遺言で禁じた場合を除くほか、何時でも、その協議で、分割することができるところ、遺産分割が成立していないとすれば、請求人は、長男が被相続人の遺産のすべてを事実上取得したことにつき不満を持っていたのであるから、例えば、長女が長男に対し別件土地の所有権移転を要求した時などに共同相続人間で協議による分割請求を行うのが合理的な行動であると考えられるにもかかわらず、請求人は、この財産分けの要求をすることを断り、共同相続人間で何らの協議もしないまま、調停の申立てを行うなどの行動をとっていることが認められる。これに加えて、①共同相続人全員が農業を引き継ぐ長男が遺産を単独で相続するものと認識していた旨答述し、本件相続が開始した昭和38年9月当時における農家相続の実態調査等の結果にも合致すること、②本件相続不動産の一部が長男により売却され、請求人は現金の分与がないことに不満を持っていたにもかかわらず、その売却代金の帰属について何らの異議も申し立てていないこと、③本件相続開始から本件調停を受けた登記まで41年11か月、その間に一度も遺産の分割請求がなされないことは極めて不自然であると考えられることなどに照らせば、本件調停によって本件相続に係る遺産分割が成立したものとは認められず、かえって、遅くとも別件土地についての所有権移転の要求が長女から長男に対してなされた時までには、共同相続人間において、本件相続不動産のすべてを長男が単独で相続することにつき黙示の合意があったと推認することができるというべきである。したがって、本件土地は、請求人が長男から贈与により取得したものと認めるのが相当である。(平20. 3.28 金裁(所・諸)平19-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190018
- 裁決年月日
- 平成19年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が内縁の夫(以下「甲」という。)から受け取った現金は、同人の意思に基づき、日用品購入の費用、甲の介護費用等に充当ないし支弁しており、贈与を受けたものではないから贈与税の決定処分は取り消されるべきであると主張する。 しかしながら、甲が請求人に本件金庫の鍵及び本件金庫内の現金の額を記載したメモ等を交付した経緯、甲と請求人との約17年間にわたる内縁関係の継続、甲が代表を務める会社への請求人の貢献状況等の諸点を総合すると、甲が請求人に本件鍵等を手渡し、請求人がこれを受け取ったことをもって、甲が請求人に本件現金を贈与したものと認めるのが相当である。 請求人は、本件現金は甲の意思に基づき費消したか若しくは充当した旨主張するが、本件交付の時点で、甲は死期が迫っており、そのような状況の下で、請求人に対し4,000万円を上回る多額の現金について、請求人が主張するような詳細な使途を逐一明示的に指示したとは考え難く、また、本件現金の現実の使途から、甲が請求人に対し本件現金を特定の使途に費消すること等を指示してこれを交付したと認められるかどうかについて検討しても、請求人の主張する支払のほとんどについては、支払の事実がそもそも認められず、また、一部の支払の事実は認定できるものの、それらの事実をもってしても、請求人に主張事実を認めることはできない。(平19.11. 6 大裁(諸)平19-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190058
- 裁決年月日
- 平成19年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与登記は贈与者が請求人に無断で勝手に行った内容虚偽のものであって贈与の事実はなく、また、贈与登記の事実も知らなかった旨主張する。 しかしながら、 外観上自己に対する贈与を登記原因とした所有権移転登記がなされている場合、贈与による所有権移転が存在することが推定されるから、これを否定するには、真実は贈与がなかったことを基礎付ける事実の主張及び立証をする必要があるところ、請求人からは、当審判所に対し、自己が贈与を受けていない旨主張するものの、これを根拠付ける証拠資料の提出がなく、当審判所の調査によっても、請求人が贈与を受けていなかったことを示す証拠資料は見当たらない。 また、本件贈与登記に係る登記申請書に添付された司法書士への委任状には、贈与登記する内容が記載されているところ、権利者として請求人氏名の手書きの署名がなされ、この署名は請求人自身によるものと推認されるから、請求人が本件贈与登記の存在を認識していたことも推認され、本件贈与登記に係る贈与契約については、請求人が上記委任状を作成するときにはその贈与について了知し、請求人が上記署名をしたときには受贈を承諾したものと推認される。 したがって、贈与の事実はなく贈与登記の事実を知らなかった旨の請求人の主張には理由がない。(平19.11. 1 東裁(所・諸)平19-58)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180009ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年11月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人を含む相続人らは、当初の遺産分割協議書に基づき同族会社株式の評価方法を配当還元方式として相続税の期限内申告書を提出した。その後、相続人らの一人である被相続人の配偶者が取得した同族会社株式の評価につき取得株数の関係で配当還元方式を適用できないことが判明したため、配当還元方式の適用を前提として行われた当初の遺産分割協議は錯誤無効として新たな遺産分割協議を行い、その配偶者の取得株数を減少させる一方、請求人の取得株数を増加させた。請求人はこの株式の取得につき相続税の修正申告書を提出したところ、原処分庁は、その取得は贈与による取得に当たると主張して、贈与税の決定処分を行った。 しかしながら、当初の遺産分割協議は、要素の錯誤があり無効であると認められることから、その株式の取得は、新たな遺産分割協議により行われたものであり、贈与により取得したものとは認められない。そうすると、贈与の事実はなく、本件決定処分は、その全部を取り消すべきである。(平18.11.28 高裁(諸)平18-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成18年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の資金から、Fを介して保険料(以下「本件保険料」という。)を含め毎月10万円(以下「本件金員」という。)を保険契約者であるYに手渡していたから、本件保険料の負担者は、被保険者又は請求人であり原処分(保険金につき贈与税を課税したこと)は違法である旨主張するとともに、仮にその主張が認められないとしても、請求人からYに対し金銭の移動があるため、保険金等のうち、資金移動分に相当する部分については、請求人が負担者と評価できる旨主張する。 しかしながら、保険契約者は、契約日から保険事故の発生日までの間Yであること、本件保険料は、契約日から保険事故の発生日までY名義の普通預金口座から振替により支払われており、その間の振替口座の変更手続もYが行ったこと、Y名義の普通預金口座への入金は、Y自身の厚生年金や給与などの振込入金であり、現金での入金はなく、本件金員も入金されていないことなどの事実及びY並びにFの答述によれば、本件保険料は保険契約者であるYが、自らの収入を受け取っていた口座に存する金員を用いてN生命に支払っており、本件保険料の負担者はYであると解するのが相当である。請求人の資金移動に相当する部分について請求人が負担者と評価できるとの主張は、前述のとおり、Yが本件保険料を全額負担していたと認められるから採用できない。(平18. 9. 4 大裁(諸)平18-19)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成18年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、所有株式の評価益は相続税法第9条に規定する利益に当たらず、相続税法第9条を逸脱し、また、不当に同族会社の株主に限定した相続税法基本通達9−2を適用して、請求人らが所有している株式の評価益を経済的利益とし、利益でない株式の評価益を財産の取得であるとした本件決定処分は違法である旨主張する。しかし、直接、財産の移転があった場合に贈与税の課税が行われ、会社に対して贈与を行ったことによる間接的な株主の利益すなわち株式の価額が増加した部分に相当する利益に贈与税の課税が行われないとすれば、課税の公平を失することとなる。このため、財産の無償提供等により会社の純資産が増加した場合に、株式の価額が増加した部分に相当する利益を財産上の利益として相続税法第9条により、財産の無償提供等を行った者から贈与により取得したものとみなして贈与税の課税財産とするのが相当であり、相続税法基本通達9−2は、同法同条の規定の趣旨に沿って、比較的典型的な事例として同族会社の例を挙げて具体的な取扱いについて例示しているものである。そこで、本件における請求人らの所有する同族会社の株式についてみると、本件債務免除により対価を支払わないでその価額が増加していることが認められ、請求人らが受けたかかる経済的利益は、相続税法第9条に規定するみなし贈与財産に該当すると認めるのが相当である。したがって、請求人らの主張にはいずれも理由がない。(平18. 6. 8 金裁(諸)平17-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170050
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与者から受領した小切手(以下「本件小切手」という。)は、請求人及び請求人の亡妻(以下、請求人と併せて「請求人ら」という。)の亡父が本件贈与者に運用を委託していたファンド(以下「本件ファンド」という。)の返金であり、本件贈与者からの贈与ではない旨主張する。 しかしながら、本件贈与者は、金融業を営むことによって自ら蓄財をし、資産運用に関しても第三者からの借入や金銭の運用委託を受けた事実はなく、また、請求人らの亡父は、生前において、本件贈与者に運用を委託するような多額の資金を有していたとは認められないから、本件小切手は、本件贈与者が自ら蓄えた財産を原資として請求人らに交付されたものであり、この交付と対価関係にあると認められる債権等が存在する事実は認められないから、相続税法第9条により贈与とみなされる。(平18. 5. 8 大裁(諸)平17-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170051
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与者から受領した小切手(以下「本件小切手」という。)は、請求人の実父の相続財産を本件贈与者に運用を委託していたファンド(以下「本件ファンド」という。)の返金であり、本件贈与者からの贈与ではない旨主張する。 しかしながら、本件贈与者は、金融業を営むことによって自ら蓄財し、資産運用に関しても第三者からの借入や金銭の運用委託を受けた事実はなく、実父から請求人への相続財産は存在するものの、本件ファンドの原資と評価することはできず、さらに、養父が請求人の相続財産を本件贈与者に委託したとする証拠の信用性は低く、本件ファンドがあったものとは認められないから、本件小切手は、本件贈与者が自ら蓄えた財産を原資として請求人らに交付されたものであると認められ、この交付と対価関係にあると認められる債権等が存在する事実は認められないから、相続税法第9条により贈与財産とみなされる。(平18. 5. 8 大裁(諸)平17-51)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平170026
- 裁決年月日
- 平成18年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402033
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/3金銭の貸借
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法定申告期限後に相続時精算課税制度(以下「本件制度」という。)の適用を受ける旨の贈与税の申告書を提出したところ、期限後申告となったのは軽微な瑕疵であり本件制度の趣旨からその適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件制度の適用を受けるためには、相続税法第28条第1項に規定する期間内に本件制度の適用を受けようとする旨の届出書を贈与税の申告書に添付して提出することが必要であり、また、期間内に提出がなかったことについてゆうじょ的に取り扱うべき旨を定めた法令上の定めはないところ、請求人は、期限後に本件申告書を提出していることから、本件制度を適用することはできない。 更に請求人は、本件制度が受けられないのであれば、両親からの贈与を受けることはできなくなり、したがって、本件金員は、両親からの借入金である旨主張する。しかしながら、請求人と両親との間には金銭消費貸借契約を交わした事実又は借入返済の事実を裏付ける書類はなく、また、当審判所の調査によっても請求人が両親に本件金員を返済した事実はないことから、請求人の主張には理由がない。(平18. 4.26 高裁(諸)平17-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170052
- 裁決年月日
- 平成18年4月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の時価を正面路線価に基づく相続税評価額によるべきである旨、また、下落が続く土地の売買においては、売買後数年間分の下落率を想定して購入価額を決定するのが普通であることから、さらに下落率20%を認めるべきである旨主張するが、その算定方法は、本件土地の譲受け時点における客観的な時価を求めるにおいて合理的な根拠を欠くものである。 また、原処分庁が本件土地の時価の算定に当たり採用した地域要因の格差補正率及び個別的要因の格差補正率の算定方法は、それぞれ路線価の格差を基としているが、路線価は地域要因の格差も反映されており、結果として、地域要因の格差補正を2度行うこととなるから、本件土地の時価を求めるための方法としては合理性を欠くものである。 したがって、請求人及び原処分庁が主張する価額は、いずれも本件土地の時価であるということはできない。そこで、当審判所が、取引事例比較法及び公示価格を規準する方式と同様の手法により試算した価格を基に本件土地の時価を算定し、当該価額を基に本件贈与税の課税価格を計算すると、本件決定処分の額を下回ることから、本件決定処分の一部を取り消すべきである。(平18. 4.12 関裁(諸)平17-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170083
- 裁決年月日
- 平成17年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が主催する法人(以下「主催法人」という。)の子会社(以下「子会社」という。)の同族株主以外の株主等であるから、主催法人の社員から子会社の株式を配当還元価額の2倍の価額で譲り受けたことは、相続税法第7条の低額譲受には該当しない旨主張する。しかしながら、本件においては、請求人が子会社の事業経営に対して影響力を有していない、請求人が子会社の株式を保有する目的が単に配当を受けるところにある、あるいは、子会社株式保有に係る主たる権利の要素が配当を受けるところにあるとは認められず、むしろ、請求人は、請求人、請求人の同族関係者及び主催法人の意思決定等を介して、本件譲渡後においても、引き続き、子会社の経営に関する支配権を有していると認めるのが相当である。よって、請求人が保有する子会社の株式に係る経済的実質が配当還元方式の前提とする株式保有に係る経済的実質と全く異なるものであることは明らかであり、本件では、請求人が譲り受けた子会社の株式を配当還元方式で評価した場合、相続税法の趣旨や財産評価基本通達(評価方法)の趣旨に反して、実質的な租税負担の公平を害することが明らかであるという特別の事情が存在していると認められるから、子会社の株式については、配当還元方式ではなく、原則的評価方式により評価するのが相当である。したがって、本件譲受は、相続税法第7条に規定する低額譲受に該当すると認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がなく、本件処分は適法である。(平17.12.20東裁(諸)平17-83)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170027
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・259ページ
要旨
○ 請求人は、養親である祖父亡Aの後妻亡Bと養親子関係がないことを知らないで行った本件遺産分割は、法律行為の要素に錯誤があり、養親子関係がないことを知っていれば亡Bに亡Aの遺産を相続させる本件遺産分割を行うはずはなかったとして、本件遺産分割が錯誤により無効である旨主張する。しかしながら、請求人と亡Bとの間に養親子関係があったとしても、請求人が主張するように、請求人が本件土地建物を亡Bからの相続により取得することになるとは限らず、また、請求人が亡Bとの間に養親子関係がないことを知っていたとしても、請求人が主張するような遺産分割協議が成立するという必然性も認められない。そうすると、請求人の主張する「錯誤」は、遺産分割協議の動機に関するものであり、この動機が遺産分割協議の際に表示されていたとしても、本件遺産分割の内容と異なる内容の遺産分割協議がされたということにもならないから、民法第95条に規定する法律行為の要素の錯誤ということはできず、結局、請求人の思い違いないし勘違いにすぎないというほかはない。したがって、本件遺産分割に要素の錯誤があったとは認めることはできないから、本件土地建物は、請求人が亡Bの相続人らから贈与により取得したものと認めるのが相当である。(平17.12.15金裁(諸)平17-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170023
- 裁決年月日
- 平成17年7月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産を取得する際に、知人(故人)から借り入れた金員(以下「本件債務」という。)については、知人が本件債務に係る債権を放棄する前に知人に弁済していることから、贈与とみなされる債務免除による利益はない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件債務について知人に対して弁済する具体的な予定を立てておらず、これを直ちに支払う意思はなく、また、知人もこれを了解していたものと認められることから、請求人の本件債務を弁済したとの答述は、知人からの借入れの経緯について認定できる事実、請求人の説明の変遷及び内容のあいまいさに照らして信用することができない。また、請求人が知人宅を訪問したことを示す証拠も、それだけでは、その際に請求人が本件債務を弁済したことを裏付けるものとはいえず、本件債務の返済資金としての収入があったとする証拠も、本件債務を返済したことの証明とはならない。そうすると、知人が本件債務に係る債権放棄をする前に、請求人が本件債務を弁済したとは認められないから、請求人の主張には理由がなく、請求人は知人の本件債務に係る債権放棄によって、本件債務を免除される利益を受けたと認められ、そのことは相続税法第8条に規定する債務免除による利益を受けた場合に該当するから、原処分は適法である。(平17.7.27東裁(諸)平17-23)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160015
- 裁決年月日
- 平成17年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与は、贈与者から土地及び建物の贈与を受け、これに伴い建物の建築代金に充てた借入金の債務を同時に引継ぐことを条件とした負担付贈与である旨主張する。しかしながら、本件贈与については、負担付贈与であることを証する書証がないこと、贈与者が具体的な負担付贈与の意思表示を行ったか否か明らかでないこと、請求人を債務者とする債務者変更の根抵当権設定登記が土地及び建物の贈与の登記日と異なり相互の関連性を認め難いことから、負担付贈与とは認められず、請求人の主張は採用できない。(平17.3.9熊裁(諸)平16-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160041
- 裁決年月日
- 平成17年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父から本件金員を受領する代わりに、請求人がその自宅の競売を阻止することをあきらめる旨の契約に従って取得したものであるから、本件金員は贈与により取得したものではない旨主張し、当審判所に対し、かかる主張に沿う答述をし、証拠資料を提出している。しかしながら、請求人提出の証拠資料は、請求人夫婦が父から金銭を借り入れ、これを債権者に預け入れようとしていたことを裏付けるにすぎず、ほかに請求人の答述を裏付ける証拠資料はないから、かかる請求人の答述をたやすく信用することはできない。そこで、本件金員の取得理由を検討すると、親子間の金銭授受であること、消費貸借のような特段の理由が認められないことからすれば、請求人は、本件金員を贈与により取得したと認めざるを得ない。なお、仮に、本件金員の取得理由が請求人の主張するとおりであったとしても、請求人が自宅の競売阻止をあきらめることを条件として、父が請求人に本件金員を贈与したものと認めるのが相当であって、請求人の主張を前提としても、当審判所の判断が左右されるものではない。(平17.1.21関裁(諸)平16-41)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160050
- 裁決年月日
- 平成16年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402031
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/1資産の取得資金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、配偶者がその資金金額を負担して、請求人と配偶者がジョイント・テナンシーの所有形態で取得したA国B州に所在する土地及び建物(以下「本件不動産」という。)について、①本件不動産の持分2分の1に相当する取得資金の贈与契約は成立していない旨、また、②請求人による所有は、長男夫妻へジョイント・テナンシーの所有形態により贈与するために、単に中間的に本件不動産を所有したに過ぎない形式的なものであるから、請求人と配偶者の持分関係は、零対100である旨主張する。しかしながら、①相続税法第9条は、対価を支払わないで利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を、当該利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなす旨規定しているのであるから、問題となるのは、請求人が対価を支払わないで利益を得たか否かであり、贈与契約の成否ではない。そして、②ジョイント・テナンシーは、ジョイント・テナンツ(合有不動産権者)全員が、同時に所有権を取得し、各自の持分割合が均等であることを成立要件とするのであるから、請求人が、本件不動産上に持分を有しておらず、本件不動産が請求人の配偶者の単独所有であるとすることは、ジョイント・テナンシーの成立要件に抵触することになるのであり、実質論をもって請求人の持分を否定した場合、死亡以外の事由でジョイント・テナンツの1人から他のジョイント・テナンツへの権利承継を認めることになること、本件不動産の取引過程で作成された各書類には、請求人及び配偶者がジョイント・テナンツである旨明記されているのであり、こうした書面上明らかな実際の取引形態及び所有権の移転経緯にも反することになることをも考慮すると、実質論をもって請求人の持分を否定することは、許されないといわなければならない。したがって、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。(平16.12.21名裁(諸)平16-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160041
- 裁決年月日
- 平成16年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402031
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/1資産の取得資金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、交際相手から受領した金員については、交際相手との関係を解消したことによる慰謝料であるので、所得税法の規定により非課税となり、贈与税は課されないと主張する。しかしながら、請求人と交際相手との関係は内縁関係とは認められず、請求人は法律上保護されるべき利益を有していないので、本件金員は法律上の慰謝料として交付されたものではなく、当事者双方の合意による贈与契約により交付されたものと認めるのが相当である。また、請求人の主張が、交際相手と請求人及び子の間に扶養義務があることを前提として、本件金員が相続税法第21条の3第1項2号の規定による非課税財産に当たるとするものであるとしても、請求人と交際相手の関係は、法律上の婚姻に準ずる内縁関係ではなく、保護されるべき内縁の配偶者に当たらないので、請求人は交際相手の要扶養者とは認められず、子については交際相手の要扶養者であるものの、本件金員が非課税財産とされるためには、子の生活費又は教育費の用に充てるため贈与された財産であることが必要であるが、請求人は、本件金員を、本件マンションの購入費用として費消しており、子の生活費又は教育費に充てていないので、本件金員は請求人に対して贈与されたと金員とするのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.12.8名裁(諸)平16-41)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160010
- 裁決年月日
- 平成16年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社の第三者割当増資の方法による新株発行に係る経済的利益の存否の判定に当たっては、取締役会で新株の発行を決議した日の時価(本件においてはその直前期末日の貸借対照表等を基準として算定した価額)と本件発行価額を比較して判定すべきであり、本件発行価額は当日の会社の1株当たりの株式の時価に比し、相続税法第9条に規定する「著しく低い価額」に該当しない旨主張する。しかしながら、商法上、新株の払込期日までにその払込みがされない場合には、新株引受人は当然にその権利を失うことになるから、取締役会の決議の時点では、請求人が新株を引き受けるか否かは確定的なものと解することはできず、未だ請求人に経済的利益は帰属していないというべきである。また、請求人は、新株の時価と本件発行価額との差額相当分の利益を、何らの対価を支払うことなく享受しているから、本件においては、「著しく低い価額」であるか否かは問題とならない。したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.11.17広裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150096
- 裁決年月日
- 平成16年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402031
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/1資産の取得資金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の購入代金等のうち請求人の両親が負担した部分の一部(以下「本件金員」という。)は、両親への返済事実があるから、両親からの借入金である旨主張する。しかしながら、請求人が主張する月々の現金返済は、通常、毎月返済があれば受領書等の書類があってしかるべきところ、そうした書類は存在せず、また、請求人は両親に対し書類の交付を求める具体的な行動も起こしていないのであって、これらの事実は、本件金員の性質が贈与であることを基礎付けるものといえる。そうすると、この請求人の主張は客観的な裏付け資料なくして直ちに採用できないところ、請求人が提出した資料によっては本件金員相当額を現実に返還していたと認定するには足りないのであって、他に確たる裏付け資料の提出はない。また、請求人から父親に対する2回の口座振替による返済は、本件各土地の購入代金等の支払から3年以上経過後に行われたもので、かつ、調査担当職員が関与税理士に調査内容を説明した後2回なされたのみでそれ以降はされておらず、この間本件更正処分がなされていることからすると、当該振替が、原処分庁に対し殊更に糊塗しようとした不自然なものとの印象を与えることは否めないのであり、当該振替の事実をもって、請求人が本件金員相当額を現実に返還していたと認めることはできないし、将来返還することが極めて確実であるとも認定できない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平16.6.29名裁(諸)平15-96)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150303ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各株式の被相続人からその長男への名義変更は過去における被相続人と長男との貸借関係を相殺したものであるから、本件各株式は、相続開始日前3年以内に贈与されたものではなく、相続税の課税対象とされる財産とはならない旨主張する。しかしながら、本件各株式は、被相続人名義から長男名義へ変更され、同人名義でそのほとんどが譲渡されているところ、この変更に際して被相続人名義の取引口座に本件各株式の譲渡代金に相当する金額の入金が認められないことから、売買を原因とする本件各株式の移転とは認められず、また、請求人が主張する過去における被相続人と長男との貸借関係を相殺したものであるとの証拠資料の提示がない。これらのことからすると、本件各株式の名義変更は、被相続人から長男に対する贈与と認定するのが相当である。そして、本件各株式の贈与の時期は、当該名義変更を行った日であるとみるのが相当であるところ、これらの贈与の日は本件相続開始日3年以内であることから、本件相続税に係る長男の課税価格は、相続税法第19条の規定に基づき、この贈与により取得した本件各株式の価額を加算すべきであるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.5.24東裁(諸)平15-303)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150068
- 裁決年月日
- 平成16年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402031
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/1資産の取得資金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権の取得資金を請求人の父親から受領した事実はなく、また、請求人の父が請求人名義でゴルフ会員権を購入し、その代金を請求人名で仲介業者に支払っている事実を知らなかったのであるから、贈与契約は成立していない旨主張する。しかしながら、贈与は一般的に親族間で行われることが多く、贈与についての意思の合致があったかどうかの事実認定に困難を伴うことが多いため、不動産等の名義変更があり対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産等を取得した場合には、租税の公平負担の見地から、これらの行為は、他のやむを得ない理由に基づいて行われたことが明らかなようなものを除き、原則として贈与として取扱うこととされており、本件の場合、①当該ゴルフ会員権の代金は請求人名で支払われており、後日当該代金が請求人から父親に返還された事情もないこと、②仲介業者の取引明細書に記載された当該ゴルフ会員権の購入申込者は請求人であること、③当該ゴルフ会員権に係るゴルフ場の個人会員入会申込書の申込人欄には請求人の氏名が記載され、実印が押印されていること、④請求人は当該ゴルフ会員権に係るゴルフ場で現実にプレーしていることなどの事実を考え合わせると、請求人は、父親から取得資金の贈与を受け、この資金により当該ゴルフ会員権を取得したものと認められる。(平16.4.6名裁(諸)平15-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150063
- 裁決年月日
- 平成16年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与税の決定処分について、請求人等名義の預貯金口座へ入金された金員(以下「本件金員」という。)は、被相続人から贈与を受けたものではなく、消費寄託によるものである旨主張するが、①本件金員の原資は、被相続人の財産であること、②請求人は本件金員を自由に処分できる状態にあったこと、③被相続人には贈与の動機が認められること、④請求人は自己の主張を裏付ける証拠の提出を行っていないこと、⑤請求人が返還したとする主張は具体性に乏しく全体的に信用性に欠けるものであり返還があったとは認めることはできないこと、から消費寄託とは認められず、本件金員は、請求人等名義の預貯金口座へ入金された時に、被相続人から請求人に贈与されたものと認めるのが相当である。(平16.3.19大裁(諸)平15-63)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150050
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402031
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/1資産の取得資金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件交換差金等について贈与税の申告漏れとしたことは、被相続人及び請求人の財産状況を考慮すると贈与の必然性はないから行き過ぎた違法な課税である旨主張する。しかしながら、相続税法では贈与により財産を取得した個人は取得した財産の全部に対して贈与税を課税する旨規定し、贈与とは、当事者の一方が財産を無償で与える意思表示をし、相手方がこれを受諾することによって成立する契約であるから、当事者の意思の有無を贈与財産の実質的な支配状況など具体的な事実関係に基づいて判断することとなると解されているところ、請求人に係る本件交換差金等が支払われた被相続人名義預金口座は被相続人に帰属する預金口座であり、被相続人が負担した本件交換差金等に相当する金額を請求人が返済した事実が認められないことから、請求人に帰属する本件交換差金等を被相続人が負担した金額は、請求人が被相続人から贈与により取得したこととなる。(平16.2.27名裁(諸)平15-50)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150015
- 裁決年月日
- 平成16年2月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産の名義変更は債権者の保証債務から逃れるためであり、財産保全が目的であるので、実質は贈与ではなく、名義貸しである旨主張する。しかしながら、請求人は、名義変更の経緯、背景を十分承知しており、保証債務が解決しても名義を元に戻すことも聞いておらず、贈与証書を作成している。また、名義を変更した場合に贈与税を納付しなければならないことを十分理解しており、保証債務で債権者に不動産を取られるより、請求人に贈与し、申告と納税を行った方が得策と考え、贈与を原因として不動産の名義変更を行ったとみるのが相当である。更に、請求人は、不動産の贈与を受けたことを認識し、請求人自ら署名押印して、自らの意思に基づき贈与税の申告書を提出していることが認められる。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平16.2.18熊裁(諸)平15-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150162
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続人である請求人らは、被相続人から相続人への株式の移転(本件移転)はA社株式の単純贈与である旨主張し、原処分庁は、A社の商号変更後のB社株式の売買であり、当該株式の価額から売買価額を差し引いた金額が相続税法第7条《低額譲受け》の規定及び相続税法第19条の規定に基づき請求人の課税価格に算入される旨主張する。しかしながら、株式譲渡契約書、有価証券取引書、被相続人が会社に提出している譲渡承認請求書、法人税の確定申告書に記載されている株主及び株数、会社から譲受人が受領している配当金などから、本件移転はA社株式の売買であると認められる。そして、A社株式の売買に伴う譲受け対価はA社の時価に比して著しく低い価額であることは明らかであり、当該価額と当該譲受け対価との差額に相当する金額は相続税法第7条の規定に基づき譲受人は被相続人から贈与によって取得したものとみなされ、また、本件移転は相続開始日と同年中であるから、当該差額は相続税法第19条により請求人の課税価格に算入される。(平16.1.29東裁(諸)平15-162)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150167
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件株式を時価より低額で譲り受けたとして、その差額が相続税法第7条(みなし贈与)に該当すると認定し決定処分をしたが、請求人は、本件株式の実質的な所有者はAであり、当該取引に名義を貸したにすぎないことから本件決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人から提出された関係書類によると、本件株式が請求人の名義株式とは認められず、本件株式は請求人が取得した実株式と認めるのが相当であることから、この点に関する請求人の主張は採用できない。ただし、請求人が受けたみなし贈与の額を算出すると、本件決定処分の額を下回ることから、本件決定処分の一部を取消すべきである。(平16.1.29東裁(諸)平15-167)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150021
- 裁決年月日
- 平成15年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、和解調書に記された数字は条項表現上の修辞であるので、そこに課税根拠となる利益の発生はあり得ないのであって、原処分庁がその記載内容をもって贈与税を課税したのは違法である旨主張する。しかしながら、訴訟上の和解を記載した調書である和解調書は、確定判決と同一の効力をもつとされており、その効力は極めて大きく、当事者が紛争している中で成立した和解をその表示された文言と異なる意味に解することは、そこに記載された文言自体相互に矛盾し、又は文言自体によってその意味を了解しがたいなど、和解条項それ自体に内包するかしを含むような特別の事情がない限り許されないと解されるところ、本件において、そのような特別の事情は認められないから、当該和解調書に記された数字が条項表現上の修辞であるとすることはできない。(平15.12.4広裁(所・諸)平15-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成15年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、更正処分が行われる前に売買契約を合意解除し、売買代金及び不動産の登記名義を前所有者に戻したから、当該売買契約に係る相続税法第7条の規定による贈与税の更正処分は取り消されるべきである旨主張するが、既に履行された売買について行われる合意解除は、税法上既に成立した課税要件事実を遡及して消滅させる効力を有するものではないから、法定申告期限において当該売買契約が有効適法に存続していた以上、たとえ、その後に合意解除し、売買代金を返還したとしても、当該合意解除が贈与税の納税義務に何ら影響を与えるものではない。また、請求人は、本件不動産の取得は過誤に基づき、又は軽率に行ったものであり、名義変更通達5に該当するから、贈与がなかったものとして取り扱われるのが相当である旨主張するが本件の場合は有効に成立した売買契約に基づき本件不動産を取得した結果が低額譲受に当たるとして贈与税の課税が行われたものであり相続税法基本通達9−9に定める場合には該当しないことから、名義変更通達の適用はないものと解するのが相当である。(平15.10.21大裁(諸)平15-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150019ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成15年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続分を譲り受けることは、相続税法第9条の「利益を受けた場合」に当たらない旨主張する。しかしながら、相続税法第9条の「対価を支払わないで利益を受けた場合」とは、対価を支払わないで経済的利益を受け、それが贈与と同様の実質を有する場合をいうと解される。これを本件についてみると、請求人は共同相続人から相続分を譲り受け、それによって、遺産に対する財産的地位を取得している。そして、その後の遺産分割により、土地及び家屋に対する共有持分権という財産を取得するとともに債務も引き継ぎ、請求人の財産が増加している。請求人の受けたかかる経済的利益は、私法上の贈与契約によって取得したものではないが、対価を支払わないで共同相続人から受けた経済的利益であって、経済的実質において、贈与と同じような実質を有すると判断されるから、相続税法第9条の「対価を支払わないで利益を受けた場合」に当たり、贈与税が課税されるべきである。(平15.10.7関裁(諸)平15-19)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140028
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法第7条の規定の適用について、仮に、医療法人の出資の価額が原処分庁主張のとおりであったとしても、①本件出資の売買に関して、売買当事者には売買価額が時価よりも低額であり、その間に贈与があるとの意識はなかった、②多額の贈与税が課税されることがわかっておれば売買しなかったのであるから、当該売買契約は錯誤により無効である、③医療法人の非営利性及び医療法人化の際の認可の状況を考慮すればみなし贈与課税の画一的な適用は不合理であるので、本件には同条の規定を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、相続税法第7条の規定は、時価より著しく低い価格で売買が行われた場合には、当事者に贈与の意思があったかどうかを問わず、その対価と時価との差額に相当する金額の贈与があったこととみなすこととしているものと解されるので①の主張には理由がない。次に、請求人の母と請求人らの間で、医療法人の出資の贈与契約及び売買契約は有効に成立しており、これらの契約等に基づいて、請求人らは贈与税の申告書を、請求人の母は所得税の確定申告書をしており、また、これらの契約が取り消され又は解除された事実が認められないことから、請求人らの主張する錯誤が、これらの契約の無効事由となるか否かを判断するまでもなく、②の主張は採用することができない。なお、相続税法7条は、医療法人の出資の低額譲渡を除外する旨を規定しておらず、また、同条の趣旨に照らしても、医療法人の出資の低額譲受に同条を適用しないとする特別の事情も認められないことから、③の主張には理由がない。(平15.06.30.熊裁(諸)平14-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140070
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402034
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/4離縁、離婚等に伴う給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aが請求人に対して本件カードを手渡したとしても、本件口座の預金残高すべての費消を了解したわけでもなく、その意図するところは、①請求人の自己の意思による必要限度内の払戻しによる金員の費消と、②Aに代わってする払戻行為(事務代行)の部分があった旨主張する。しかしながら、不倫関係にある男女の間で、男性が「自由にお金を引き出してもいい。」といってキャッシュカードを女性に交付した場合には、当該女性において当該預金を自由に引き出すことができる状態に置くものである一方、当該預金に対する支配を完全に女性に移転させるものではないから、一般的には、女性が当該預金を引き出した時点で引き出した金額の贈与がなされたと認めるのが相当であり、請求人はAより、Aの口座からキャッシュカードにより預金を引き出すことを許され、実際に預金を引き出し、請求人の生活費等に費消していたものと認められるから、当該郵便貯金口座から預金を引き出した時点において引き出した金額の贈与があったと認めるのが相当である。また、請求人の主張する事務代行による引き出し行為というのも、可能性に言及するのみで具体性を欠く上、そのような事実を認めるに足りる証拠は存在しない。したがって、この点についての請求人の主張には理由がない。(平15.06.26.広裁(諸)平14-70)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140034
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売買契約により譲り受けた同族会社の出資口について、本件売買契約に当たっては、請求人に新たな課税関係が生じないことが重要な要素となっていたのであるから、重要な要素の錯誤により当該契約を解除し、当該出資口等の返還をしたにもかかわらず、低額譲受であるとしてされた贈与税の決定処分は違法である主張する。しかしながら、当該契約の要素の錯誤は、①当該契約は口頭で行われ、請求人の主張する事情が売買契約の条件として表示されていたものとは認められないこと、②当該契約の背景には次世代への事業承継及び経営基盤の安定があったものと認められること、③出資口の時価の算定方法に財産評価基本通達に明示されていることから、当該契約を成すに当たっての動機が民法95条の規定により、当該契約の重要な要素として保護しなければならないものとまで解することはできない。そして、当事者の無効確認は、①価額があまりにも低いと贈与税等の問題が起きると認識しながらも財産評価基本通達による評価をしていないのであるから、同業種の上場企業や近隣の同業法人の株価などを参考に算出して実際の評価の7分の1の価格としたのは評価方法の不知による個人的判断に基づいた計算方法の誤りであって、②請求人に新たな課税関係が発生しないことが本件売買契約の最重要な関心事であったとするならば、不正確であることを自認しながら、著しく低い価額で当該契約を成したのは法の不知である。したがって、請求人が原処分庁からの指摘後に契約無効の主張をしていることから、本件売買契約の無効確認は贈与税の負担を免れるために行われた親族間における当事者の合意による契約解除であると認めるのが相当である。そうすると、この合意解除は、国税庁長官通達に定める法定取消権又は法定解除権に基づく場合以外の合意解除の取扱いに該当するところ、請求人は贈与税の申告書の提出期限までに当該契約の解除をしていないのであるから課税を免れることはできない。(平15.06.20.高裁(諸)平14-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140271
- 裁決年月日
- 平成15年6月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・576ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件土地の譲受けは、相続税法第7条にいう「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」に該当すると主張するが、①譲渡人は高齢となり、借入金を弁済するために譲渡したものであり、一方、請求人は自身の将来のことを考えて金融機関から取得資金を借り入れて本件土地を取得したこと、②売買価額は固定資産税評価額を参考に、利用形態を考慮して決定したこと、③譲渡人(譲受人の祖母)は本件土地を相続により取得し、長期間保有していたものであること、④建物の譲受対価の額と本件土地の譲受対価の合計額は、これらの不動産の相続税評価額を上回っていること、を総合勘案すると、本件土地の譲受は相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」による譲受けには該当しないとするのが相当であるから、原処分庁がした贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分は違法であり、その全部を取り消すべきである。(平15.06.19.東裁(諸)平14-271)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140259
- 裁決年月日
- 平成15年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402032
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/2資産の譲渡代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件確認書において贈与を合意した記述があるとしても、これは通謀虚偽表示で無効であり、また、②贈与財産である本件売買代金の受領前に、本件管理委任書が作成されているのであるから、贈与契約は解約されている旨主張する。しかしながら、①請求人の父は、自らの発言で請求人の夫に本件確認書を作成させたものであり、本件確認書は父及び請求人が協議して作成したものとは認められないこと、父及び請求人は、本件確認書にそれぞれ署名押印していること並びに請求人は、本件答弁書において本件確認書に基づき本件売買代金を父から贈与されたものである旨を請求人自ら認めていることからすると、父は自らの意思に基づき本件売買代金を請求人に贈与する旨意思表示をしたものであり、請求人は自らの意思に基づきそれを受諾したものと認められるので、本件確認書の記載内容が、請求人と父との通謀虚偽表示であるとは認められず、また、②本件確認書には、「売買締結終了後、本件売買代金は請求人に贈与する」旨記載されていることからすると、この文面は、本件売買代金の贈与を目的としたものと認められる。一方、本件管理委任書には、「父が全財産の管理(売却等の処分を含みます)を請求人に委任する」旨記載されていることからすると、この文面は、民法上の管理及び処分を請求人に委任することを目的としたものであることから、これらは別々の法律行為と認められるので、請求人の主張には理由がない。(平15.06.04.東裁(諸)平14-259)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140215
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・743ページ
要旨
○ 請求人らは、①医療法人が商法上の株式会社とは性格を異にするから贈与税の課税や新株引受権の解釈は医療法の趣旨に反しており、財産評価基本通達9−4等にあるように相続税法第9条は同族会社のみに適用されるのであり、同族会社ではない医療法人には適用はない。また、②平成7年高裁判決では、医療法人の場合、増資持分の権利は、増資をした後の期間に及ぶと判断しているから、本件増資に係る評価額は出資額と同額となり経済的利益は生じないから相続税法第9条は適用されない旨主張する。しかしながら、①本件法人は、持分の定めのある社団医療法人であり、財産権たる出資持分としての価額が現に存する以上、本件増資における出資による利益の享受が生ずることとなり、相続税法上に医療法人を除く旨の規定もないから、相続税法第9条の規定が適用されると解する。また、②高裁判決は、事件の個別事情を考慮した判決であって、医療法の解釈として、医療法人の場合、増資持分の権利は増資をした後の期間に及ぶとの判断を示したものとは認められない。したがって、相続税法第9条のみなし贈与に該当するとの原処分は相当である。(平15.03.25.東裁(諸)平14-215)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140218
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402033
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/3金銭の貸借
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の知人が、請求人名義の借入金を弁済したことをもって、請求人が相続税法第8条に規定する「第三者のためにする債務の弁済に因る利益」を受けたと認定し、みなし贈与として贈与税を課税したが、請求人は、借入金を弁済した金員に相当する現金を自宅に保管し、それをもって知人に返済したので贈与の事実はない旨主張する。しかしながら、①借入金の弁済は、知人の判断で自己の預金を解約し行ったこと、②請求人の知人に対する返済の事実が認められないこと、③請求人と知人との間に金銭消費貸借契約があったとは認められないことから、知人の行った借入金の弁済は相続税法第8条の規定に該当し、原処分庁の行った本件決定処分は適法である。(平15.03.25.東裁(諸)平14-218)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140211
- 裁決年月日
- 平成15年3月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人を実子同様に考えていた知人から受け取った金員を、口座名義を請求人、登録印を知人の介護人の印鑑とする普通預金口座に預けていたのであるから、知人が死亡するまで請求人が預っているものであって、知人が死亡したことを基因とする死因贈与である旨主張する。しかしながら、①当該普通預金口座は、知人の支配を離れ、請求人と介護人が共同で支配管理していたと認められること、②当該金員は、介護人及び関係者の申述から贈与された財産であり、預り金、遺言又は死因贈与とする事実もないこと及び③知人の死亡後に作成された死因贈与である旨の「確認書」は、当該知人の相続人と請求人との間で、当該金員の処理について確認したものであることから、当該金員は、当該知人から請求人へ贈与された財産であると認められるので、請求人の主張には理由がない。(平15.03.24.東裁(諸)平14-211)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140137
- 裁決年月日
- 平成14年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・383ページ
要旨
○ 請求人は、取引相場のない本件株式を、評価基本通達に定める配当還元方式により算定した価額で譲り受けたのであるから、相続税法第7条の適用はない旨主張し、原処分庁は、本件株式の価額が金融機関等の売買事例の価額より著しく低額であること、及び譲渡人が請求人の本件株式の取得資金である借入金について危険負担を負っていることから、配当還元方式により難い特別な事情が存在し、この金融機関等の取引事例を基に算定した金額に相当する金額を時価とし、当額金額と譲渡価額との差額は相続税法第7条の規定に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は本件株式の1回の取引で持株割合10.8%の数量の株式を取得して、個人株主の筆頭となり、また、譲受代金の原資である借入金の保証人は譲渡人であるなど、本件株式の取引には親族と同様の立場の便宜が図られていることが認められることから、単に配当金を期待しうるにすぎない零細株主に適用するという配当還元方式の趣旨に照らして、本件にこの方式を適用することは相当でなく、また、金融機関等に係る取引事例がほぼ同じ単価であることのみを理由に、その単価が時価であるとはいえない。そうすると、本件株式の価額は、原則的評価方式である類似業種比準方式により算定した価額とすべきであり、当該価格と譲受価額との差額は相続税法第7条に規定する著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合に該当する。(平14.12.20.東裁(諸)平14-137)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130208
- 裁決年月日
- 平成14年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・508ページ
要旨
○ 請求人は、父から譲り受けた本件土地の持分部分(請求人の持分を除いたもの)には、父が所有する建物(請求人の夫が賃借)があること及び請求人の所有持分部分に対し、賃貸借契約を締結し、父が賃貸借料を支払っていることから、請求人が父から譲り受けた本件土地の持分は底地の譲受けである旨主張する。しかしながら、本件土地の持分の譲渡者と本件建物の所有者とは同一人であることから、父が借地権を有していたとは認められず、また、支払われている賃貸借料は、固定資産税額と同額であることから、請求人と父との本件土地の貸借は使用貸借と解すべきである。そして、本件土地は貸家の用に供されている土地であるから、その価額につき、国税局長が定める財産評価基準書において示されているその土地に係る借地権割合とその貸家の借家権割合との相乗積を当該更地価額に乗じて計算した金額を、更地価額から控除した価額とすることを不相当とする理由は認められないことから、これらを基に本件土地の貸家建付地価額を算定すると、本件譲受価額は当該貸家建付地価額に比して著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。(平14. 3.28東裁(諸)平13-208)裁決事例集NO63・508ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130068
- 裁決年月日
- 平成14年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402031
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/1資産の取得資金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、Aが平成元年11月15日に購入したN株式57000株の売却代金32264877円の一部が、平成7年12月6日に本件株式取得資金として、Aから請求人に対し贈与されたと主張する。そこで、本件株式取得資金の原資とされる上記N株式の帰属について検討すると、同57000株は、平成元年にA名義で購入されているところ、そのうち17000株については、その後、平成4年5月15日にM証券○○支店の請求人名義の口座に入庫されたと認められ、また、残り40000株についても、同支店のB及びC名義の口座に入庫されていることから、これがAの借名口座である等の事情が認められない限り、この時、それぞれ各人に対して贈与されたと推認できる。そして、上記の請求人及びB名義の各口座がAの借名口座であることを裏付けるような具体的な資料はない。そうすると、請求人が平成7年12月6日にAから本件株式取得資金の贈与を受けたという原処分庁主張の事実を推認することはできない。(平14. 3.27大裁(諸)平13-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130068
- 裁決年月日
- 平成14年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402034
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/4離縁、離婚等に伴う給付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件合意書が離婚に伴う財産分与等の合意として真実かつ最終のものであり、これに記載されていない本件現金は、離婚とは関係なく交付されたもので、慰謝料に当たらない旨主張する。しかしながら、本件合意書を作成した平成4年当時、夫が請求人に対し、確定的な財産分与として同合意書に記載された不動産所有権を移転する意思を有していたとはいえないから、同合意書により離婚に伴う財産分与や慰謝料の支払が全で終了したということはできない。また、本件第二の合意書は、本件合意書よりも財産分与の対象となる不動産を減らす代わりに、現金を慰謝料として追加したものであるが、その金額等の内容についても請求人と夫の婚姻期間が31年間に及んでいること、離婚については夫に帰責性があること等にかんがみ、格別、不自然不合理なものとはいえない。したがって、本件合意書により、離婚に伴う財産分与や慰謝料の支払いは終了していることを前提として、本件現金交付の趣旨は夫から請求人に対する慰謝料の支払いではなく、贈与であるとの原処分庁の主張は理由がない。(平14. 3.27大裁(諸)平13-68)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130035
- 裁決年月日
- 平成13年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402033
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/3金銭の貸借
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、家族からの資金の流用は、金銭消費貸借であり、貸借関係を明らかにするために公正証書(以下「本件公正証書」という。)を作成しており、贈与ではない旨主張する。しかしながら、本件公正証書は、貸借年月日、貸借金額が実際の資金移動の事実と相違し、返済計画からも将来確実な返済が可能であるものとは認められず、本件公正証書は単に貸借契約の形式をとっただけのものと認められ、また、請求人の贈与税に関する認識、他人名義を使用しての預金口座への振込みの行為を併せ考えると、家族からの資金移動については、実質的な対価を支払わないで経済的利益を受けたものとするのが相当である。(平13.12.18名裁(諸)平13-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130015
- 裁決年月日
- 平成13年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与税は相続税の補完税で、相続税の課税回避として贈与する場合に受贈者に課税しなければ相続税の納税者との課税の公平が保たれないために規定されているのであるから、完全な第三者にまで相続税法第7条は適用されない旨及び同条の適用に関しては受贈者である請求人に贈与の意思が必要である旨主張する。しかしながら、贈与税は、沿革的には相続税の補完税としての性質を有しているとしても、理論的には、贈与による財産の取得が取得者の担税力を増加させるため、それ自体として課税の対象となると解されている。そして、相続税法第7条は、法律的にみて贈与契約によって財産を取得したのではないものの、経済的にみて当該財産の取得が著しく低い対価によって行われた場合に、その対価と時価との差額については、実質的には贈与があったものと同視することができるため、この経済的実質に着目して、税負担の公平の見地から、課税上、対価と時価との差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨の規定である。そうすると、租税回避を目的とした行為に適用されるのは当然、それに限らず、著しく低い対価によって財産の取得が行われ、それにより取得者の担税力が増しているのに、これに対しては課税がされないという税負担の公平を損なうような事実があれば、当事者の贈与の意思の有無や具体的な租税回避の意図の有無を問わずに、相続税法第7条が適用される。(平13.10.11関裁(諸)平13-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120114
- 裁決年月日
- 平成13年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402033
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/3金銭の貸借
- 業種
- 団体職員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己の債務の返済に親族から受領した本件金員を充てたが、親族との間に、無償の意思はなく、返済期限の定めのない貸借であり、更に、本件調査時に、原処分庁から贈与ではないかとの指摘を受けたため、借用書及び金銭消費貸借契約書を作成し、その後約定どおり返済しているから、本件金員の授受は金銭消費貸借である旨主張するが、次の理由から認められない。(1)本件金員の授受から5年を経過した本件調査時点においても、金銭消費貸借に係る借用書等の書面は作成されていない。(2)元本等が返済された事実もない上、返済期日や利息の取り決めなど、具体的な返済計画も立てられていない。(3)請求人は、平成2年に祖母が自己債務を肩代わりしたことに関し、原処分庁及び当審判所に対し、祖母からの贈与であると述べているが、本件金員について、本件調査時には、借用書等は存在しないが、一貫して貸借と主張しており、その点に関し全く相反する供述内容である。(4)実際に借用書等が作成され、元本の返済がされるに至っているのは、本件調査での贈与との指摘後である。以上のことから、請求人は、親族の固有財産である本件金員を受領し、これを、借入金の返済及び相続税の納付に充てており、請求人が経済的利益を享受し財産を取得したといえるから、借入金の返済の実行日及び相続税の納付の充当日をそれぞれ贈与の履行の時と認めるのが相当である。(平13.6.12大裁(諸)平12−114)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120114
- 裁決年月日
- 平成13年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400402033
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/3現金等/3金銭の貸借
- 業種
- 団体職員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、平成6年当時6歳の子名義の預金について、贈与の意思表示をする法律行為能力のない子から父親である請求人への贈与と認定している。ところで、本件金員の中に子名義の定期貯金が2口あり、1口は昭和63年に曾祖父からの現金贈与を原資としており、子の固有財産と認められる。そして、子は、その当時6歳で法律行為能力がない上、父子間の利益相反行為につき、子のために特別代理人が選任された事実も認められない状況下においては、上記定期貯金が請求人に有効に贈与されたと判断するに足る課税要件事実が充足されているとはいえない。さらに、請求人の行為は、単に一時的に娘の定期貯金を無断借用との余地も考えられ、これをもって直ちに対価を支払わずに経済的利益を享受したものとはいえないから、贈与により取得したとみなすことは相当でない。他の1口については、親の収入を原資として平成元年に発生した定期貯金に基づくものであるから、子名義で貯金されているとはいえ、請求人による単なる名義使用と見るのが相当と考えられる上、その管理運用は請求人がしており、請求人が自己債務の返済に充てる目的で払い戻しを受けるなどしていたと認められることに照らし、貯金の帰属はもともと請求人にあったと判断される。したがって、これら2口の定期貯金に係る金員については、これを贈与として課税することは相当でないと考えられる。(平13.6.12大裁(諸)平12−114)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120149
- 裁決年月日
- 平成13年4月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・533ページ
要旨
○ 相続税法第7条は、著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合には、法律的には贈与といえないとしても、経済的には対価と時価との差額について実質的に贈与があったと同視することができるため、この経済的実質に着目して、課税負担の公平の見地からその差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨のものと解されるところ、請求人及び原処分庁の主張する時価額はいずれも採用できない。そこで、当審判所において、公示価格を基に土地価格比準表に準じて地域要因及び個別的要因等の格差補正をして本件土地の時価額を算定したところ、その価額は45.661.363円と算定された。そうすると、本件土地の時価と売買価額との差額は18.501.363円に達するものであるから、本件土地の売買価額は相法第7条に規定する著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。(平13.4.27東裁(諸)平12−149)裁決事例集NO61・533ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120062
- 裁決年月日
- 平成13年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401990
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・550ページ
要旨
○ 請求人は、離婚を条件として前夫から取得することとなっていた土地について、離婚前に登記原因を贈与とする贈与税の申告をした後、裁判により離婚が確定したことをもって、当該土地は財産分与であるから、通則法第23条第2項を適用して、更正の請求が認められる旨主張する。しかしながら、請求人が当該土地を所有権移転登記をしたのは裁判離婚を提訴する前で、婚姻状態が継続していたこと、また、提訴の内容は離婚を求めるものであり、財産分与の額を決定したものでないことから、当該土地の取扱いは財産分与と認められず、相法第9条の規定により、贈与として取り扱うことは認められない。したがって、通則法第23条第2項の適用はない。(平13.3.30名裁(諸)平12−62)裁決事例集NO61・550ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120093ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年3月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人名義の本件定期預金は被相続人から請求人に贈与された旨主張するが、本件定期預金が被相続人に帰属していたと認めるに足りる証拠はなく、本件定期預金の解約手続に請求人と被相続人が立ち会っていたことをもって、この日に贈与が行われたとする原処分庁の主張は採用し難く、本件決定処分は贈与税の課税要件事実を欠く違法なものといわざるを得ない。(平13.3.29大裁(諸)平12−93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120075
- 裁決年月日
- 平成13年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、母名義の本件株式について、昭和53年の法人設立時点に請求人がその原資を負担したいわゆる名義株であって、平成4年に本件株式を売買により名義変更したのは形式を整えたものにすぎないのであって、請求人と母との間には売買(贈与)の事実はない旨主張する。しかしながら、設立当時に請求人が本件株式の原資を負担したと認めるに足りる証拠はないこと、配当金の受領状況が不明であること、配当所得及び売買に係る譲渡所得の申告が母によって行われているところ、当該申告が事実に反すると認めることもできないことから、母が設立時点から本件株式を所有していたものと認めるほかはない。したがって、平成4年の母から請求人に対する本件株式の譲り受けは、相法第7条に規定する著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合に該当するから、時価(相続税評価額)と売買価額の差額に相当する金額を贈与により取得したものとした原処分は適法である。(平13.2.14東裁(諸)平12−75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110184
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/2資産の低額譲受け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・226ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の課税の公平を図ることを目的とする贈与税の趣旨からすれば、本件土地については、既に相続は発生しており、相続財産を不当に減少させることとはならないから、決定処分は、贈与税の趣旨に反する誤ったものである旨主張する。しかしながら、請求人の本件土地の譲受けは、被相続人からではなく、相続人らからのものであるから、請求人の主張はその前提を欠くものである。なお、請求人の主張が、本件土地を相続人らから取得したことを前提とするものであるとしても、相法第1条の2は、贈与税の納税義務者を相続税の納税義務者とは別個に定めており、沿革的には贈与税が相続税の補完税としての性格を有しているとしても、理論的には贈与による財産の取得が取得者の担税力を増加させるため、それ自体として課税の対象になるというべきであるから、贈与税と相続税とはその課税原因を別個にすることを前提としているものと解され、被相続人の相続財産が不当に減少するか否かには左右されない。(平12. 6.29東裁(諸)平11-184)裁決事例集 №59・226ページ
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110006
- 裁決年月日
- 平成11年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、増資を引き受けた経緯には、個別事情、緊急避難的な要素があることなどから、これらの事情を勘案しないで行った原処分は不当、違法である旨主張する。しかしながら、請求人が本件増資決議を経て出資引受書を提出し、新たに出資者となったことについては、請求人等がなした一連の法律行為に錯誤があったとは認められないこと、また、請求人が請求人以外の出資者と合意の基に本件増資決議を訂正することとし、出資した金額の返済を受けたとしても、それが法定取消権や法定解除権に基づいて行われたものとは認められないことから、本件増資決議を受け出資引受書を提出したときに、相法第9条に規定する贈与により取得したものとみなす場合に該当し、贈与税が課税されると判断するのが相当である。(平11.12. 7仙裁(諸)平11-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110030
- 裁決年月日
- 平成11年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父母の貯金口座から請求人の預貯金口座に金員を移動したのは請求人が父母に代わって父母の資金を管理するために行ったものであって、贈与を受けたものではない旨主張する。しかしながら、請求人は無償で父母の貯金を請求人の預貯金口座に移動し、その移動した金員を請求人自身の資産の取得及び預貯金に充てたことは明らかであって、請求人の父母を被相続人とする相続税の申告においては請求人が父母から委託を受けて管理しているとする資金に見合う財産の計上もなされていないのであり、他に当該移動が贈与によるものであることを否定するような事実も認められないから、当該移動があった時に父母から請求人に当該移動に係る金員の贈与があったと推認するのが相当である。(平11.11. 2東裁(諸)平11-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年9月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・351ページ
要旨
○ 請求人は、本件出資の売買を内容とする本件売買契約は相続税対策スキームの一環として行われたものであるところ、本件売買契約に基づいて贈与税の決定処分が行われたことにより、当該スキームは相続税対策としては意味をなさないものとなるから、当該スキームに基づいて行われた本件売買契約は錯誤により無効となる旨主張する。しかしながら、請求人の父が本件出資を請求人に譲渡した場合には、その価額を評価通達に定める純資産価額で評価でき、かつ、その価額が第二会社の実質的な価値に比し著しく低額であることから、第二会社の実質的な価値と評価通達に定める純資産価額との開差を利用することにより、贈与税、ひいては相続税の大幅な節税になると考えて、本件売買契約を締結したものと認められるから、請求人が主張する錯誤は意思表示を形成するに至った動機に存したにすぎないものと認めるのが相当である。また、①請求人は、本件出資を請求人の父から取得するという目的で、本件売買契約に係る売買契約代金に当てるため、銀行から借り入れをしたこと、②請求人は、その借入金を基に売買代金を支払って本件出資を取得したこと並びに③請求人は、原処分庁に対して本件出資の売買及び第二会社の出資者としての認識がある旨申述していることからすると、請求人は、本件売買契約によって生じた経済的成果を享受していることは明らかであるから、本件売買契約に基づいて課税することは当然である。そして、相続税対策スキームに基づく取引等の錯誤無効を求める訴訟が係争中であったとしても、本件売買契約の無効に基づく現状回復が行われていないこと及びその他本件売買契約が無効であることを認めるに足りる何らの証拠もないことから、外形上本件売買契約は有効に成立し、存続している。さらに、仮に本件売買契約が厳密な法令適用の面からは、無効とみられるような場合であっても、決定処分が行われた時点において本件売買契約に基づく経済的効果が発生し、かつ、存続している以上、本件売買契約を基因として行った決定処分を違法ということはできない。(平10. 9.28東裁(諸)平10-25)裁決事例集 №56・351ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090174
- 裁決年月日
- 平成10年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402020
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の贈与は、A社らが立案指導する贈与者の相続税節税対策を万全なものと信じて実行したものであり、あらかじめ本件更正処分にみられるような多額の税負担を認識していたとしたら、本件贈与は行わなかったものであるから、当該贈与を含む一連の節税対策は錯誤により無効であり、原処分の全部の取消しを主張する。しかしながら、本件贈与契約について請求人らは、本件贈与契約をなす意思表示自体に錯誤はなく、本件株式の購入価額と配当還元方式による評価額との開差を利用することにより、請求人及び贈与者が贈与税、ひいては相続税の大幅な節税になると考え、本件贈与契約を締結したものであり、請求人が主張する錯誤は意思表示を形成するに至った動機(縁由)に存したにすぎないものと認められ、また、現行税法は、現実に発生した経済的成果に担税力を認め課税する実質主義を基本原則としているから、その解釈、適用に当たっては、課税の基因となるべき行為の法形式等により、その行為によって実現をみた実質に対して税法的評価を行うべきであるとするところ、本件にあっては、本件株式に係る配当金及び本件株式の一部の譲渡代金を受領している等の経済的成果を享受しており、課税するのは当然であり、何ら違法視することはできないというべきであるから、原処分には請求人が主張するような違法、不当は認められない。(平10. 6.10東裁(諸)平 9-174)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090071
- 裁決年月日
- 平成10年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・466ページ
要旨
○ 本件定期預金は、被相続人の固有財産であった別口の定期預金の解約金をもって請求人名義で設定されているところ、その設定及びその後の管理運用をすべて請求人が行っていることにかんがみれば、本件定期預金の設定時に被相続人から請求人に対し当該金員の贈与があったものと推認するのが相当である。(平10. 3.11大裁 (諸) 平 9-71) 裁決事例集No55・466ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090057
- 裁決年月日
- 平成9年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の取得は贈与による取得ではなく、時効による取得である旨主張する。しかしながら、本件土地は、請求人の兄が取得し、所有していたものと認められるところ、父の指示により請求人が耕作を始めたものであり、請求人が本件土地の使用に当たり、請求人の兄に借地料を支払っていなかったことからすると、本件土地の使用は使用貸借であると解され、そうすると、請求人は、本件土地を自己の所有の意思をもって占有していたとは認められないから、時効取得には該当しない。また、請求人の兄は、本件相続土地を相続する代わりに、請求人に対して本件土地及び本件土地と一体的に使用されていた本件隣地を渡した旨申述し、また、請求人は、本件隣地を贈与登記していることからも、請求人と請求人の兄の間で本件土地についても、贈与の意思があったことが認められる。したがって、原処分庁が、本件土地の取得原因を贈与と認定したことは相当である。(平 9.12.16広裁(諸)平 9-57)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080069
- 裁決年月日
- 平成9年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始前に被相続人から相続人以外の者に名義変更がされた財産は、相基通9−9により、被相続人から相続人以外の者に贈与されたとみるべきであるから、当該財産を相続財産として認定してなされた原処分は違法である旨主張する。しかしながら、当該財産のうち、(1)A名義で設定された定期預金及び金銭信託の原資は、共有する土地の売却代金のうちから被相続人の持分に応じた分配金で設定された定期預金について、同人の適法な承諾を得ることなく解約されたものであること、(2)債権については、帳簿書類を作成する段階で勝手に債権者名が被相続人から相続人以外の者に変更されたことが認められることからすると、いずれも相続財産と認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平 9. 4.23名裁(諸)平 8-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080166
- 裁決年月日
- 平成9年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400401030
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/1贈与財産の範囲/3債務免除等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・356ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080082
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、時効取得を原因とした所有権の移転登記に基づき、本件土地を請求人の夫から時効により取得したものであるから、贈与ではない旨主張するが、(1)本件土地は、その位置、形状等からすると、請求人の夫が、別件土地の有効利用を図るために購入したものと認められること、(2)請求人は、夫と一緒に本件土地を耕作し、本件土地及び別件土地に係る固定資産税も夫が支払っていた旨申述していることからすると、夫が本件土地を自己の所有地として利用していたと認められる。そうすると、本件土地の登記簿上の名義が請求人の夫から請求人へ切り換えられるまで、請求人が現実に本件土地を取得していた事実は認められないから、本件土地を時効取得した旨の請求人の主張は採用できず、原処分庁が贈与と認定したことは相当である。(平 9. 3.28広裁(諸)平 8-82)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080105
- 裁決年月日
- 平成9年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400402040
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/4預貯金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、平成2年11月22日にA名義の定期預金相当額が請求人の手形借入れの弁済に充当され、また、請求人がAに当該金員を返済していない事実をとらえて贈与と認定しているが、これらの事実のみをもって贈与税を課すための要件事実を満たしているとはいえず、これを満たすためには、Aが当該定期預金相当額を無償で請求人に与える意思を表示し、請求人がこれを受諾した事実を立証する必要があるところ、原処分庁は当審判所に対して、「Aが、請求人に対して当該定期預金相当額を贈与する旨の意思表示をしたか否かについては確認しておらず、その事実を推認できる証拠もない」旨答述してその事実を明らかにする証拠を提出せず、また、当審判所に提出された全資料を総合し、さらには、当審判所において調査した結果によってもその事実は確認できないから、本件決定処分は、課税要件事実を欠く違法な処分といわざるを得ない。(平 9. 3.27大裁 (諸) 平 8-105)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080078
- 裁決年月日
- 平成9年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地については、請求人の養母から請求人に売買等を原因とした所有権移転登記がされているが、本件土地に係る売買契約書等の書類は作成されておらず、売買に係る金銭等の授受もされていないこと及び請求人は本件土地の所有権移転登記後の貸地部分及び貸家建付地部分に係る賃貸収入を自己のものとして帰属させていることを併せ考えると、本件土地は、請求人の養母から請求人に対し、贈与されたものと解すべきである。(平 9. 3.14大裁 (諸) 平 8-78)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080079
- 裁決年月日
- 平成9年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400402010
- 争点
- 4贈与税の課税財産の範囲及び認定/2贈与事実の認定/1土地、建物等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地については、請求人の養母から請求人に対し、売買等を原因として、また、本件建物については、請求人の母から請求人に対し、売買を原因としてそれぞれ所有権移転登記がされているところ、本件土地及び本件建物に係る売買契約書等の書類は作成されておらず、売買に係る金銭等の授受もされていないから、本件土地は請求人の養母から、また、本件建物は請求人の母からそれぞれ請求人に贈与されたものと解するのが相当である。(平 9. 3.14大裁 (諸) 平 8-79)
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