裁決要旨 6贈与税の課税価格の計算
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070013
- 裁決年月日
- 令和7年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らのうちの一人(本件請求人)が請求人らの父(本件被相続人)から本件被相続人の生前に受領した現金(本件受領現金)及び本件請求人が本件被相続人の生前に本件被相続人が所有する家屋に関して受領した賃料(本件受領賃料)については、本件請求人の子らの教育費として受領したから、贈与税の非課税財産に該当する旨主張する。しかしながら、本件受領現金については、本件請求人の長女が通学する大学の授業料等の支払後に受領したものである上、金額が一致せず、本件受領賃料については、本件受領賃料が振り込まれた口座から本件請求人の次女が通学する中学校の学費等が口座振替により支払われているが、本件受領賃料と中学校の学費等の金額が一致せず、入金された本件受領賃料が他の費用として費消されている事実が認められることからすれば、本件受領現金及び本件受領賃料は、必要な都度直接教育費の用に充てるために贈与によって取得した財産であると認めることはできないから、贈与税の非課税財産に該当しない。(令7. 7. 4 東裁(諸)令7-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060030
- 裁決年月日
- 令和7年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400699000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父からの贈与により取得した土地(本件土地)及び建物(本件建物)について、相続時精算課税制度を選択し、贈与税の法定申告期限までに申告書(本件期限内申告書)を提出したところ、本件期限内申告書に、本件土地のみを記載して、本件建物を記載できなかったのは、①税務職員による申告相談を希望するも応じてもらえず、贈与税申告に関する正しい知識を得る機会を失ったこと、②確定申告書等作成コーナーには、土地及び建物の両方を記載する必要がある旨の注意喚起がないことが原因であり、相続税法第21条の12《相続時精算課税に係る贈与税の特別控除》第3項に規定する「やむを得ない事情」に該当し、本件建物に相続時精算課税の特別控除を適用すべきである旨主張する。しかしながら、同項に規定する「やむを得ない事情」とは客観的にみて本人の責めに帰することのできない事情をいうところ、①贈与税申告に関する知識を得る機会は、国税庁ホームページに掲載されている贈与税申告に関する情報を閲覧するなどの方法もあることから、贈与税申告に関する正しい知識を得る機会を失ったという請求人の主張はその前提を欠くこと、また、②確定申告書等作成コーナーには、既に入力した財産の他に贈与を受けた財産がある場合は「他の財産の入力を行う」ボタンを押下して入力を促す表示があり、申告漏れを防止するための一定の注意喚起がなされていることから、請求人が主張する各事情は、いずれも客観的にみて請求人の責めに帰することのできない事情には該当せず、期限内申告書に建物に関する記載がなかったことについて、相続税法第21条の12第3項に規定する「やむを得ない事情」があるとは認められない。(令7. 2.14 名裁(諸)令6-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050035
- 裁決年月日
- 令和6年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、亡父(本件被相続人)が同族会社(本件会社)に対して債務免除(本件債務免除)をした時点における本件会社の株式(本件株式)の保有状況について、本件被相続人及び請求人らがそれぞれ保有していた旨主張する。しかしながら、本件会社は、本件債務免除前後の法人税の各確定申告書別表二において、請求人らが本件株式の全てを有する旨記載し申告しているところ、本件会社は、本件債務免除の前後を通じて株券を発行しておらず、株主名簿を備えていないことからすれば、同確定申告書別表二に記載された内容は、本件株式の保有状況を確認できるほとんど唯一の資料といえる。また、本件被相続人の遺産に係る遺産分割協議書に、本件株式を遺産分割の対象資産とする旨の記載がないことは、本件債務免除の時点において、本件被相続人が本件株式を保有していなかったことをうかがわせる事実であり、同確定申告書別表二の記載内容と整合するものである。したがって、請求人らは、本件債務免除の時点において、本件株式の全てを保有していたと認められる。(令6. 3. 5 大裁(諸)令5-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050035
- 裁決年月日
- 令和6年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、亡父(本件被相続人)が同族会社(本件会社)に対して債務免除(本件債務免除)をした前後を通じて、本件会社は債務超過の状態であったため、請求人らが有する本件会社の株式(本件株式)の価額は増加していないから、請求人らが本件被相続人から相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで利益を受けた」とはいえない旨、また、請求人らは、本件会社が本件債務免除後も債務超過の状態であったことの理由として、①本件会社の貸借対照表に計上された固定資産の評価に誤りがある旨、②同表に計上された出資金の一部は存在しない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査及び審理の結果によれば、請求人らの上記①にいう固定資産の評価誤りや上記②にいう出資金の不存在に係る各主張については、それらを示す証拠はないことなどから認めることはできず、本件株式の価額は、本件債務免除の前は算出されないが、本件債務免除後は算出されることになる。したがって、請求人らの有する本件株式については、本件債務免除によりその価額が増加したと認められることから、請求人らは、本件被相続人から「対価を支払わないで利益を受けた」といえ、本件株式の価額の増加相当額を贈与により取得したものとみなされる。(令6. 3. 5 大裁(諸)令5-35)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令050005
- 裁決年月日
- 令和6年1月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400699000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与税の法定申告期限までに相続時精算課税選択届出書を添付した贈与税の申告書を提出できなかったのは、請求人が何度も相続時精算課税選択届出書の用紙を交付するよう求めたにもかかわらず、原処分庁所属の職員が職務怠慢により又は意図的に用紙を交付しなかったことが原因であり、その事情を考慮すれば、期限後申告書において相続時精算課税の適用が受けられるとして更正の請求が認められる旨主張する。しかしながら、申告納税制度の下では、課税標準及び税額等の計算並びにこれらの前提となる制度の利用は、納税者自らの判断と責任において行われるべきものであり、また、税務署長が所轄する納税地の納税者に対して相続時精算課税選択届出書の用紙を交付しなければならないとする法令上の規定はなく、原処分庁所属の職員が用紙を交付しなかったとしても、そのことをもって納税者が法定申告期限までに相続時精算課税選択届出書を提出したものとみなす旨の規定も存在しないから、請求人の主張は、期限後申告書において相続時精算課税の適用を求める理由として不相当である。(令6. 1.16 仙裁(諸)令5-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030003
- 裁決年月日
- 令和3年7月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 原処分庁は、請求人の夫名義の預金口座からの金員が入金(本件入金)された請求人名義の証券口座(本件口座)について、①請求人自身の判断で取引を行っていたこと、②本件口座の投資信託の分配金が請求人名義の普通預金口座に入金されていたこと、③当該分配金等を請求人の所得として確定申告がされていたことから、本件入金は、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件入金の前後を通じて夫の財産の管理を主体的に行っており、その管理に係る全部の財産について請求人に帰属していたものと認めることはできないから、本件口座において請求人自身の判断で取引を行った事実をもって利益を受けたと認めることはできない上、②分配金等の入金があっても、請求人が私的に費消した事実が認められない本件においては、これを管理・運用していたとの評価の範疇を超えるものとはいえず、③確定申告をしたことは、申告をすれば税金が還付されるとの銀行員の教示に従い深く考えずに行ったものとの請求人の主張が不自然とまではいえず、殊更重要視すべきものとは認められないことなどの各事情を考慮すれば、本件入金によっても、夫の財産は、本件口座においてそのまま管理されていたものと評価するのが相当であるため、本件入金は、請求人に贈与と同様の経済的利益の移転があったものと認めることはできず、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当しない。(令3. 7.12 東裁(諸)令3-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010024
- 裁決年月日
- 令和2年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、内縁関係にある者も相続税法第1条の2《定義》に規定する「配偶者」に含まれ、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号に規定する「扶養義務者」に該当する旨主張する。しかしながら、「配偶者」について相続税法には定義規定は置かれていないところ、身分関係の基本法である民法は、婚姻の届出をすることによって婚姻の効力が生ずる旨規定し(同法第739条《婚姻の届出》第1項)、そのような法律上の婚姻をしたものを「配偶者」としている(同法第725条《親族の範囲》第2号、第751条《生存配偶者の復氏等》等)ことから、相続税法上の「配偶者」についても、法律上の婚姻関係にある者を意味すると解すべきである。したがって、法律上の婚姻関係がない者は、相続税法第1条の2に規定する「配偶者」に含まれず、相続税法第21条の3第1項第2号に規定する「扶養義務者」には該当しない。(令2.4.16名裁(諸)令元-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010027
- 裁決年月日
- 令和元年9月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 請求人らは、請求人らの亡父が被相続人(本件被相続人)に金員(本件金員)を贈与したとしても、本件金員が入金された本件被相続人名義の口座から本件被相続人の老人ホームの費用が支払われており、本件金員は、本件被相続人の介護を必要とする本件被相続人の生活費に充てるために通常必要と認められるものであるから、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号に規定する贈与税の非課税財産に当たる旨主張する。しかしながら、本件被相続人に係る老人ホームの費用は、月払方式であり、老人ホームに入居する前に本件金員をまとめて贈与する必要まではない。そうすると、本件金員は、本件被相続人の老人ホームの費用の支払のために必要な都度取得されたとはいえず、本件金員は、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号に規定する贈与税の非課税財産に当たらない。(令元. 9.24 東裁(諸)令元-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300106
- 裁決年月日
- 平成31年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400699000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続時精算課税適用者が相続税法第21条の12《相続時精算課税に係る贈与税の特別控除》第1項及び第2項に規定する贈与税の特別控除に係る控除額(本件特別控除額)に関する記載のない誤った申告書を提出したとしても、相続税法第21条の9《相続時精算課税の選択》の規定の趣旨(一旦、相続時精算課税を選択した後の撤回は許されず、その後は相続時精算課税による贈与税額の計算を行うこととなっていること)から、同法第21条の12第3項に規定するやむを得ない事情の有無にかかわらず、贈与税の課税価格から本件特別控除額の控除が認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件特別控除額の控除を受けるためには相続税法第21条の12第2項所定の事項の記載が申告書に必要なことは法令の規定のとおりであり、また、本件においては、当該事項の記載がなかったことについてやむを得ない事情も認められないことから、本件特別控除額の控除は認められない。(平31. 2.22 東裁(諸)平30-106)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280030
- 裁決年月日
- 平成29年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母が工事費用を負担した請求人所有の居宅の改修工事(本件改修工事)ついて、仮に相続税法第9条に規定する経済的利益に当たるとしても、それは扶養義務者相互間の生活費に充てるためにした贈与であって、通常必要と認められるものに該当する旨主張する。しかしながら、当該利益の額(約2,700万円)、本件改修工事の規模、及び請求人には多額の所得(各年分2,000万円前後)があることなどに照らせば、当該贈与とみなされる部分が、請求人の「生活費」に充てるためになされた贈与に当たると解することはできない。したがって、請求人の受けた利益に相当する金額は、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号に規定する「生活費」に当たらない。(平29. 5.24 名裁(諸)平28-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240068
- 裁決年月日
- 平成25年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400603000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/3配偶者控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、配偶者からの贈与により取得した不動産等(本件不動産)は、当該贈与後に売却したものの、当該贈与時には売却する意思はなく、当該贈与後売却に係る引渡しまでの間、居住の用に供していたことから、相続税法(平成23年12月2日法律第114号による改正前のもの)第21条の6《贈与税の配偶者控除》(本件法規定)に規定する居住用不動産に該当し、当該贈与について、本件法規定の適用がある旨主張する。しかしながら、請求人は、本件不動産の売却交渉は当該配偶者が行っており、当該贈与時において請求人には本件不動産を売却する意思はなかった旨申述しているが、請求人は、当該配偶者とともに、当該贈与の2年程前から新居となる物件探しに赴いており、本件不動産の売却の契約の日と同日に行った新居の購入に係る契約も請求人と当該配偶者とで相談の上決定していること及び新居探しは、本件不動産の売却先である不動産会社に依頼しており、当該不動産会社は本件不動産の買取保証をしていたことからすると、請求人だけが本件不動産を売却する意思はなかったというのは不自然であるというほかなく、請求人の当該申述は採用できず、他に請求人の主張を認めるに足りる証拠はないから、本件法規定の適用はないものというほかない。なお、確かに、請求人は当該贈与の日から4か月以上の間、本件不動産に居住していた事実は認められるものの、新居の売主の退去日に合わせたにすぎないのであって、当該居住の事実をもってしても、上記判断に影響を与えるものではない。(平25. 5. 8 大裁(諸)平24-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240059
- 裁決年月日
- 平成25年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400603000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/3配偶者控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がした相続税法第19条の2《配偶者に対する相続税額軽減》第1項に規定する遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請(本件申請)に対して原処分庁がした却下処分(本件却下処分)は、遺産分割協議が存在することを前提にするものであるところ、当該遺産分割協議は存在しないから、違法なものである旨主張する。しかしながら、当該遺産分割協議に係る遺産分割協議書(本件分割協議書)には、相続人らの自筆による署名があり、押印された印影は、相続人らの印鑑登録証明書の印影と同一である上、本件分割協議書及び当初申告書について、外形上特段不自然な点は認められないこと、本件分割協議書を巡る争いが生じたのは、当該当初申告書を提出してから1年以上経過してからのことであることなどに加えて、当審判所の調査の結果によっても、本件分割協議書が無効であると認めるべき的確な証拠は見いだし難いことからすると、本件分割協議は、有効に成立したものと認めるのが相当である。そして、本件申請は、申告期限内に遺産が分割できない場合の特例として行うことができるものであり、本件においては、この場合に当たらないから、請求人がした本件申請は不適法なものである。(平25. 3. 7 大裁(諸)平24-59)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240013
- 裁決年月日
- 平成24年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人が退社した医療法人(本件医療法人)の「退社した社員は、その払込済出資額を限度として、払戻しを請求することができる。」旨の定款の定めについて、上記定款の定めは、出資社員に、退社後、出資払戻請求権を行使するか、行使しないで出資持分として保持し続けるかの選択を認めたものと解すべきである旨、②医療法人の出資持分の取扱いについては、定款の定めによらず、当事者である医療法人と出資持分を有する者の意思を基準として判断すべきであり、当該各意思によれば、本件退社により出資持分は失われていない旨主張し、退社後も出資払戻請求権を行使しなかった請求人は退社後も出資持分を失わない旨主張する。しかしながら、①上記定款の定めは、出資社員が退社する場合、その持分は退社の時に具体的な出資払戻請求権に変換することを前提とし、その出資払戻請求権について払込済出資額を限度とする旨の制限を定めたものと解され、退社した社員が出資持分として保持し続け得ることを定めたものとは認められず、②また、医療法は、社団である医療法人の財産の出資社員への分配については、同法第54条《剰余金配当の禁止》の規定に反しない限り、医療法人が定款で自律的に定めるところに委ねていたと解されるが、出資社員が退社した後も出資持分を保有し続けるか否かを当事者の意思を基準として判断することを許容していたとは解されないから、請求人は、退社により本件医療法人に対する出資払戻請求権を取得する一方、その出資持分を失ったものと解される。(平24.11.27 広裁(諸)平24-13)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240004
- 裁決年月日
- 平成24年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が株式を保有する同族会社(本件法人)が請求人の母から売買により本件各土地を譲り受けたものの、本件各土地の譲受価額(本件譲受価額)は時価であるから、本件法人が本件各土地を譲り受けたことにより、請求人が相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで利益を受けた」とは認められない旨主張する。しかしながら、本件各土地の時価は、当審判所が、公示価格及び適切な売買実例における取引価格を基礎として土地価格比準表に準じて個別的要因の格差補正を行って算出した本件各土地の価額であると認められるところ、本件譲受価額は、当該当審判所が算出した価額より低い価額であると認められ、本件各土地を譲り受けた前後の本件法人の株式の価額の差額を算定すると、請求人は、本件法人が本件各土地を譲り受けたことにより、対価を支払わないで自らが保有する本件法人の株式の価額の増加額に相当する利益を受けたと認められる。(平24.11.13 高裁(諸)平24-4)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240004
- 裁決年月日
- 平成24年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601010
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/1低額譲受けの場合の課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人の母から売買により譲り受けた土地(本件土地)の譲受価額(本件譲受価額)は時価であるから、請求人が相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた」とは認められない、②仮に本件譲受価額が時価でないとしても、現在のように通常の取引価額が下落している状況の下では、対価を伴う取引の場合も「負担付贈与又は対価を伴う取引により取得した土地等及び家屋等に係る評価並びに相続税法第7条及び第9条の規定の適用について」(平成元年3月29日付直評5ほかによる国税庁長官通達)に定める通常の取引価額による評価は適用されず、贈与を受けた場合と同様に相続税評価額をもって時価と認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の上記主張②については、相続税評価額により評価することが予定されている財産の移転は、主に夫婦間及び親子間などにおいて行われるような対価を伴わないものであり、特に相続は、被相続人の死亡という偶発的な要因に基づき発生するものであるが、対価を伴う取引は、自由な経済的取引として行われるもので、通常の取引価額を認識した上での通常の売買行為と同一視できるものであるから、対価を伴う取引により取得した土地等の価額については、評価上の安全性に配慮した相続税評価額をそのまま適用することは適切でなく、通常の取引価額によって評価することが相当である。また、請求人の上記主張①については、本件土地の時価は、当審判所が、公示価格及び適切な売買実例における取引価格を基礎として土地価格比準表に準じて個別的要因の格差補正を行って算出した本件土地の価額であると認められるところ、本件譲受価額は、当該当審判所が算出した価額より著しく低い価額であると認められることから、請求人は、請求人の母から「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた」と認められる。(平24.11.13 高裁(諸)平24-4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240004
- 裁決年月日
- 平成24年8月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400601010
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/1低額譲受けの場合の課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人がその親族から本件土地及び本件建物を譲り受けたこと(本件譲受け)について、請求人は、本件譲受けの価額が時価であるから、本件譲受けは相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い対価」での譲受けに該当しない旨主張し、原処分庁は、本件土地及び本件建物の時価は、原処分庁の依頼に基づく鑑定評価額(原処分庁鑑定額)であり、原処分庁鑑定額と本件譲受けの価額を比較すると、本件譲受けは、同条に規定する「著しく低い対価」での譲受けに該当する旨主張する。しかしながら、原処分庁鑑定額は、合理的に鑑定されたものとは認められないから、これを本件土地及び本件建物の時価と認めることはできない。他方、当審判所の依頼に基づく本件土地の鑑定評価額は合理的に鑑定されたものと認められるからこれを時価と認めるのが相当であり、また、本件建物については、一般的に合理性が認められる固定資産評価基準に従って算定された固定資産税価格が適正な時価と認められる。したがって、本件土地及び本件建物の時価はこれらの合計額であると認められ、当該合計額は原処分庁鑑定額を下回るものの、当該合計額と本件譲受けの価額とを比較すると、本件譲受けは、相続税法第7条に規定する「著しく低い対価」での譲受けに該当すると認めるのが相当である。(平24. 8.31 広裁(諸)平24-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220224
- 裁決年月日
- 平成23年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人は、請求人及び本件被相続人が本件相続開始の約2か月半前に入居した老人ホーム(本件老人ホーム)の入居金(本件入居金)を本件被相続人が支払ったことについて、本件入居金の性質は終身利用権の対価であり、請求人は本件被相続人から終身利用権を死因贈与により取得したことになるところ、終身利用権は一身専属権であって贈与税の対象とはならないから、相続開始前3年以内の贈与として本件相続税の課税価格に加算されない旨主張する。しかしながら、本件被相続人は、自らに支払義務のない請求人に係る入居金のうちの一部に相当する金額を支払ったものであり、これによって請求人は、入居金全額の支払によって初めて取得することのできる施設利用権を、低廉な支出によって取得したものと認められることからすると、請求人は著しく低い対価で本件老人ホームの施設利用権に相当する経済的利益を享受したものということができ、本件被相続人と請求人との間に実質的に利益の移転があったことは明らかであるから、相続税法第9条により、請求人は、その利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を本件被相続人から贈与により取得したものとみなすのが相当である。また、本件入居金は極めて高額であり、請求人に係る居室面積も広く、本件老人ホームの施設の状況等をかんがみれば、本件老人ホームの施設利用権の取得のための金員は、社会通念上、日常生活に必要な住の費用であるとは認められないから、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号の規定する「生活費」には該当せず、贈与税の非課税財産に該当しない。したがって、贈与により取得したものとみなされた金額は、相続開始前3年以内の贈与として本件相続税の課税価格に加算されることとなる。(平23. 6.10 東裁(諸)平22-224)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220110
- 裁決年月日
- 平成22年11月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- №81
要旨
○ 原処分庁は、本件被相続人の配偶者(本件配偶者)が介護付有料老人ホーム(本件老人ホーム)へ入居する際の入居金(本件入居金)を本件被相続人が支払ったことについて、本件入居金のうち定額償却部分については、生活保持義務の履行のための前払金的性格を有するものであり、本件配偶者はその履行に係る役務提供を受けていない部分について返還義務があるから、本件被相続人は本件配偶者に対して金銭債権を有している旨主張する。しかしながら、本件配偶者は、本件被相続人が本件入居金を支払ったことにより、本件老人ホームに入居し介護サービスを受けることができることになったところ、本件配偶者には本件入居金を一時に支払うに足る資産がないこと等にかんがみれば、本件入居金は、本件被相続人がこれを支払い、本件配偶者に返済を求めることはしないというのが、本件被相続人及び本件配偶者間の合理的意思であると認められるから、本件入居金支払時に、両者間で、本件入居金相当額の金銭の贈与があったと認めるのが相当である。加えて、本件配偶者は高齢かつ要介護状態にあり被相続人による自宅での介護が困難になり、介護施設に入居する必要に迫られ本件老人ホームに入居したこと、本件入居金を一時に支払う必要があったこと、本件配偶者には本件入居金を一時に支払う金銭を有していなかったため本件被相続人が代わりに支払ったこと、本件被相続人にとって本件入居金を負担して本件老人ホームに本件配偶者を入居させたことは、自宅における介護を伴う生活費の負担に代えるものとして相当であると認められること及び本件老人ホームは本件配偶者の介護生活を行うための必要最小限度のものであったことが認められることからすれば、本件入居金相当額の金銭の贈与は、本件においては、介護を必要とする本件配偶者の生活費に充てるために通常必要と認められるものであると解するのが相当である。したがって、本件入居金相当額の金銭は、相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号に規定する贈与税の非課税財産に当たるから、その贈与が本件相続の開始前3年以内に行われているとしても、同法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》の規定が適用されるものでもない。(平22.11.19 東裁(諸)平22-110)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220004
- 裁決年月日
- 平成22年8月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400699000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父親から贈与を受けた農地等に係る贈与税について、同様に贈与を受けた母親には、原処分庁から書面による贈与税の申告案内があったことから、申告の必要があれば請求人にも同様に申告案内があるものと原処分庁が誤解させて、請求人の期限内申告の機会を奪ったため、相続時精算課税の選択等ができなかったので、原処分庁がした決定処分等は違法であると主張する。しかしながら、原処分庁による申告案内は、法令上規定された手続ではなく、適正な申告及び納付を促進するため納税者サービスの一環として行われているものにすぎないから、申告案内の有無が、税法上の権利義務の内容に差を生ぜしめることにはならないので、申告案内のなかったことが権利の行使あるいは義務の履行の時期を失したことを正当化する理由にはなり得ず、また、相続時精算課税等の規定の適用要件に影響するものでもない。そして、相続時精算課税等の規定は、贈与税の法定申告期限までに、原処分庁に対し、相続時精算課税選択届出書の提出をするなど一定の要件の下にこれらの適用ができるとするものであるが、請求人は、本件贈与に係る贈与税の期限内申告書を提出しなかった上、法定申告期限までに、相続時精算課税選択届出書の提出等をしなかった以上、これらの規定を適用することはできない。(平22. 8. 9 名裁(諸)平22-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601990
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/4その他の課税価格の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の出資持分である本件出資持分を本件譲渡により譲り受けたA社の株式の評価について、類似業種比準方式は、直前期末の金額等を基礎とする評価方法であることからすると、大会社であるA社の株式を同方式で評価する限り、本件譲渡の前後において、相続税法基本通達9−2《株式又は出資の価額が増加した場合》にいう株式の価額増加は生じないから、A社の株主である請求人が本件譲渡によって利益を享受することはない旨主張する。しかしながら、請求人が本件譲渡によって受けた利益の価額を算定するには、本件譲渡の前後で、A社の株式の価値がどれだけ増加したかを算定する必要があり、これについては、本件譲渡があった直後のA社の株式の価額から本件譲渡の直前のA社の株式の価額を差し引く方法により算定するのが相当であるところ、A社の株式の価額を、本件譲渡の前後を通じていずれも直前期末の金額等を基に類似業種比準方式で評価するのは相当でないから、本件譲渡後のA社の株式の評価に当たっては、財産評価基本通達により難い特別な事情があるというべきである。本件の場合、本件譲渡後のA社の株式の価額は、類似業種比準方式に準じて、同方式の比準要素である純資産価額を修正して求めるのが最も合理的であり、これにより算出したA社の株式の本件譲渡直後の価額と財産評価基本通達の定めにより算出したA社の株式の本件譲渡直前の価額を比べると、前者が後者を上回るから、その分、請求人は、利益を享受したこととなる。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210031
- 裁決年月日
- 平成22年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与については、相続税法第21条の9に規定する実質要件を満たしていることから、原処分庁は、当該規定の適用を認めるような救済措置を採るべきであり、これを認めずに行われた本件決定処分は不当である旨主張する。しかしながら、当該規定の適用を受けるためには、実質要件のみならず手続要件をも満たす必要のあるところ、請求人は、平成20年分の贈与税の申告書及び相続時精算課税選択届出書を原処分庁に提出していないことから、手続要件を満たしておらず、また、この提出がなかったことについて、宥恕的に取り扱う旨を定めた規定もないことからすると、請求人において、当該規定の適用を受けることはできないから、請求人の主張には理由がない。(平22. 4.22 福裁(諸)平21-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210055
- 裁決年月日
- 平成21年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が義父から使用貸借していた自宅の敷地について、賃貸借契約を変更したことにより、相続税法第9条に規定する利益を受けたか否かが争点であるところ、同法第9条に規定する利益の享受の有無は、利益を受けた者の金銭に見積もることができる経済価値のある財産の増加又は債務の減少の有無により判断されると解され、請求人は賃貸借契約の締結により発生した経済価値のある借地権を取得したと認められる。また、本件土地の所在する地域は、財産評価基準書において借地権割合が定められ、さらに、借地権の取引事例があることからすれば、当該地域は借地権の設定に際し、権利金の授受の取引慣行がある地域であると認められ、請求人は、賃貸借契約の際、権利金を支払っていないのであるから、同契約の締結により取得した本件借地権の価額に相当する利益を、義父から享受したことになり、本件土地の所在する地域は、借地権の設定に際し、権利金の授受の取引慣行がない地域であるから、相続税法第9条に規定する利益は受けていない旨の請求人の主張は採用できない。また、原処分庁は、請求人が受けた経済的利益の額は、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」を適用して評価すべきである旨主張するが、実際に支払っている地代の年額は、通常の地代の年額を下回っていることから、経済的利益の額は、財産評価基本通達27の定めにより評価すべきである。(平21.12.18 関裁(諸)平21-55)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年10月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400601030
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/3負担付贈与に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した不動産には、抵当権が設定されており、仮に当該不動産を売却するとした場合には価値がなく利益が生じないため、抵当権の設定が行われていること自体が負担であり、当該不動産に設定されている抵当権は債務であるから相続税と同様に債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、他人の債務の担保のために不動産に抵当権が設定されていても、当該不動産の所有者が当該抵当権に係る債務の債務者となるものではないことから、抵当権の存在のみをもって、負担付贈与に係る負担であり債務であるとする請求人の主張には理由がない。(平21.10.13 沖裁(諸)平21-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年10月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400601030
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/3負担付贈与に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与は贈与時点における受贈不動産に係る借入金残高(以下「本件借入金残高」という。)を負担額とする負担付贈与であるから相続税法基本通達21の2−4に基づき税額が計算されるべきである旨主張する。しかしながら、負担付贈与における負担額とは、その贈与時において具体的な経済価値として評価されるものでなければならず、その負担額がその贈与時において具体的に確定しているか又はその確定が推認し得る状態であることが必要であるところ、贈与者は、贈与時点において、請求人との間で、具体的な負担額を決めなかった旨答述しており、また、請求人も負担額について具体的な金額を回答しておらず、更には、他に贈与時に請求人及び贈与者が具体的な負担額について決定していたことを示す証拠も認められないことなどからすれば、本件贈与に係る負担額については、贈与時点において、具体的に確定している又はその確定が推認し得る状態にあったとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平21.10.13 沖裁(諸)平21-4)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200025
- 裁決年月日
- 平成21年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400601010
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/1低額譲受けの場合の課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が親族から譲り受けた土地(以下「本件土地」という。)の時価とその対価との差額について、相続税法第7条の規定が適用されることは認めるものの、本件土地の時価は、本件土地の路線価相当額を基に、がけ地の評価減及び借地権相当額を控除して算定すべきであると主張する。しかしながら、請求人の主張する価額は、本件土地の路線価と同額であり、対価を伴う取引により取得した土地の価額については、通常の取引金額に相当する金額によって評価することが相当であることから、請求人が主張する時価は、本件土地の適正な時価を表しているとは認められない。また、借地権相当額の控除については、本件土地には、使用貸借による土地の使用権が存するところ、使用貸借による土地の使用権は、賃貸借契約に基づく権利に比し権利性が極めて低い上、親族間の情誼や信頼関係に基づく土地の無償使用関係であるから、これに独立した経済的価値を求めることはできず、土地の時価に影響を与えるものではないから、本件土地の時価の算定にあたり、借地権相当額を控除することはできない。一方、原処分庁は、本件土地の時価について、本件土地の近隣で都市計画法上の用途地域を同じくする公示地の公示価格及び基準地の標準価格を基に土地価格比準表に準じて、時点修正及び個別的要因の格差補正を行って算定するべきである旨主張するが、①本件土地の近隣地域には比準すべき取引事例が存在しているにもかかわらず、これらの取引を比準していないこと、及び②個別的要因の格差率の適用根拠が不明確であることなどから原処分庁が算定した本件土地の時価は、適正な時価を表しているとは認められないので採用することができない。そこで、当審判所において、本件土地の近隣で、本件土地と地積、形状等の画地条件の格差が最小限となるような取引事例及び公示地を調査し、各取引事例及び本件公示地の公示価格を基に、土地価格比準表に準じて、時点修正、事情補正及び格差補正などを行って本件土地の時価を算定したところ、本件土地の時価は、16,347,708円となり、請求人の平成18年分の贈与税に係る課税価格は、本件土地の時価と対価との差額は○○○○円となるから、本件通知処分は違法なものであり、その一部を取り消すべきである。(平21.5.22 熊裁(諸)平21-25)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200015
- 裁決年月日
- 平成21年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601990
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/4その他の課税価格の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件が相続税法第66条第4項の適用要件を満たすものであるとしても、本件出資持分は特別の放棄の意思決定及び法的手続の拘束下にあるから、不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれる場合に通常成立すると見られる価額は零円と評価すべきであり、贈与税の課税価格は算出されないと主張する。しかしながら、請求人は、本件定款変更の認可があった時に、本件定款変更によってB及びCの出資持分が消滅したことにより経済的利益を受けたと認められ、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで利益を受けた場合」に該当する。そうすると、本件において、贈与税の課税対象となる請求人が受けた利益の価額は、B及びCの請求人に対する出資持分の消滅に伴いこれら2名から受ける利益であり、B及びCが失った出資持分の価額と同額であると認められるから、贈与税の課税価格は、本件定款変更の直前における本件出資持分の価額に相当する金額によることが相当であると認められる。したがって、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)194−2に定める評価方法を適用したのでは適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるなど、評価通達194−2の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある場合を除き、評価通達194−2に定める評価方式により、取引相場のない株式に準じて評価することが相当であると認められるところ、本件においてはこのような特別な事情は認められないから、本件出資持分の価額は評価通達194−2に定める評価方法により評価することが相当であり、本件定款変更により請求人が受けた利益の額は評価通達194−2の定めにより評価した本件出資持分の価額と同額となる。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180121
- 裁決年月日
- 平成18年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社の社員(従業員)としての地位を有し、社命により語学等の海外研修を受けているのであるから、A社が請求人の給与等及び海外研修費等として支出した金員については、A社との雇用関係に基づいて支払われたものであり、A社の代表取締役であるBからの贈与であるとする原処分庁の認定は誤りである旨主張する。 しかしながら、Bが代表取締役として強い影響力を有していたA社が請求人の給与等及び海外研修費等の名目で支出していた上記金員は、①請求人の渡航の経緯及び海外滞在中の行動等の実態からみると、請求人が海外研修と称していた勉学はA社に対して何ら貢献するものではなく、研修受講としての役務提供といえるものではない個人的な留学であって、請求人にはA社における勤務の実態はないこと、②請求人がA社に採用されたと称されるのは、請求人の個人的留学の費用をA社に負担してもらうためだけの外形であって、請求人とA社の間には雇用関係又は雇用類似の契約関係等役務を提供すべき関係はないものというべきであること及び③上記金員の負担はBの強い影響力によりなされたものであることから、A社が支出した上記金員の性格は、A社が請求人の個人的な留学費用を負担していたものであり、請求人が上記金員と同額の利益を得たものと認められる。そして、A社がBの意向に従って、勤務の実態もA社との間の雇用関係又は雇用類似の契約関係等役務を提供すべき関係もない請求人に係る上記金員を支出していたものであることからすると、A社がBに対して上記金員相当額の経済的利益を供与したものであって、請求人はこれを事実上享受していたものというべきであり、相続税法第9条は、私法上の贈与契約による財産の取得でなくても、対価を支払わないで経済的利益を受けたことが贈与と同じような利益を受けた実質がある場合においては、その経済的利益に相当する金額を贈与により取得したものとみなして、その経済的利益に相当する金額を課税財産として贈与税を課税することとしたものであること、また、請求人とBは、相互に相続税法に規定する扶養義務者に当たらないことから、請求人に対して贈与税を課税した原処分は相当である。(平18.12.22 東裁(諸)平18-121)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180040
- 裁決年月日
- 平成18年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400601030
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/3負担付贈与に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・218ページ
要旨
○ 請求人は、父から土地及び建物の贈与を受け、住宅ローン債務残高を負担する負担付贈与契約を締結したが、請求人と父(以下「請求人ら」という。)との間で、住宅ローン契約に係る連帯債務について、請求人の負担割合を零とする暗黙の合意(特約)があったことから、当該負担付贈与の贈与税の課税価格の計算上控除すべき債務負担額は、住宅ローンの残額全額である旨主張する。 しかしながら、①住宅ローン契約には、連帯債務者である請求人らの負担割合に関する定めはないこと、②請求人は、連帯債務に関する負担割合について合意(特約)があったことを証する証拠はない旨答述し、当審判所の調査によっても、請求人の連帯債務の負担割合を零とすべき合意(特約)があったと認める証拠はないこと、③住宅ローンの借入金は本件土地の取得費に全額充てられ、その結果、請求人ら及び母は、土地の各持分を取得していること、④住宅ローン契約書に請求人自ら署名していること及び住宅ローン契約は請求人と父との連帯債務となっていることから、請求人は、住宅ローン契約の締結時点において請求人が連帯債務者となることを了知していたと認められること、⑤請求人は、少なくとも平成7年1月から平成9年6月までの間、自ら負担すべき持分に応じた金額を毎月父の口座に送金していたものと認められること等からすれば、請求人らの間で請求人の負担割合を零とする合意があったとは認められず、請求人らが実際に受ける利益の割合である本件土地の持分に相当する負担割合で連帯債務を負うことを認識していたと認めるのが相当であるから、本件負担付贈与の課税価格の計算上、控除すべき債務負担額は、負担付贈与契約締結時の住宅ローンの残債務に占める父の土地の持分に相当する割合とするのが相当である。(平18.12.15 大裁(所・諸)平18-40)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180040
- 裁決年月日
- 平成18年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400601030
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/3負担付贈与に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・218ページ
要旨
○ 請求人及び原処分庁は、負担付贈与が行われた場合における土地及び建物の価額について、路線価方式等、財産評価基本通達の定めに基づく相続税評価額によって計算している。 しかしながら、負担付贈与が行われた場合における贈与税の課税に当たり、その土地及び建物の価額を評価上の安全性に配慮した路線価方式等、相続税評価額によって計算するのは相当ではないと解されるから、請求人及び原処分庁の主張する評価方式はいずれも採用することがでないのであり、負担付贈与が行われた場合における土地および建物の価額は、土地は公示価格に基づいて評価する方法が、また、建物は最建築価格に基づいて評価する方法が最も合理的で適切な評価方法であると認められる。(平18.12.15 大裁(所・諸)平18-40)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170012
- 裁決年月日
- 平成17年12月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400603000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/3配偶者控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、夫から贈与された店舗兼住宅(以下「本件建物」という。)の敷地である土地(以下「本件土地」という。)のうち、贈与税の配偶者控除の特例が適用できないのは、店舗の床面積部分だけであり、原処分庁が、居住用不動産に該当する部分を、本件建物の床面積に占める居住用部分の床面積割合であん分計算して算定したことは実態を無視したものであるとともに、仮に、あん分計算をするとしても、本件建物上にある二階部分(以下「本件二階部分」という。)は長男が増築して所有権保存登記しているにもかかわらず、本件建物と本件二階部分の合計床面積に占める居住用部分の床面積割合であん分計算を行うことは納得できない旨主張する。しかしながら、居住の用と居住の用以外の用に併用(以下「併用」という。)されている家屋の敷地となっている土地について、その併用部分に係る居住の用に供している部分の面積を、当該家屋の床面積割合によるあん分計算で算定するとした相続税法基本通達21の6−2の取扱いは、家屋の利用状況に応じ判定しようとするものであり、合理的と認められる。さらに、本件二階部分については本件土地をその敷地として利用していることは明らかであることから、本件土地の併用部分における居住の用に供している部分の面積を、本件建物と本件二階部分の合計床面積割合であん分計算して算出することは、合理的である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.12.16沖裁(諸)平17-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160112
- 裁決年月日
- 平成17年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400603000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/3配偶者控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、居住用部分とそれ以外の部分が一体利用され、それぞれの部分を明確に分割ないし分離することが困難である本件土地の持分を夫から贈与を受けたのであるから、相続税法第21条の6《贈与税の配偶者控除》に規定する居住用不動産の特例(以下「本件特例」という。)の立法趣旨に従い、相続税法基本通達21の6−3のただし書を適用し、請求人が贈与により取得した持分のすべてについて本件特例の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、夫所有の居住用建物の敷地の用に供されている部分と夫が役員を務める同族会社所有の倉庫兼事務所の敷地の用に供されている部分とに区分できるのであるから、請求人の上記主張は、前提を欠くものである。また、相続税法基本通達21の6−3のただし書は、本件特例の立法趣旨にかんがみて例外的に認められた取扱いであるから厳格に運用すべきところ、一筆の敷地に利用区分の異なる2棟の建物がそれぞれ独立して存在し、その敷地の区分が、法律上も実際の利用上も明確な区分が可能な本件においては、適用はないというべきである。(平17.6.14名裁(諸)平16-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160179
- 裁決年月日
- 平成17年1月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400601010
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/1低額譲受けの場合の課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各譲受価額が本件各譲受日における本件株式の時価であるから、相続税法第7条の規定に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件株式は、取引相場のない株式であり、かつ、譲渡制限のある株式であって、いわゆる市場価格を有していないという特質があること、②本件各譲受は、筆頭株主であり代表取締役社長でもある請求人が、発行済株式数の3分の2に達するまで本件株式を取得することを目的とした買取りの申入れ(以下「本件申入れ」という。)を契機とすること、③本件各譲受価額のほとんどは、請求人が提示した買取価格と同額であること、④少数非支配株主に分類される本件各譲渡人は、本件申入れを逃すと額面金額以上での本件株式の譲渡は極めて困難であると理解し、本件申入れを契機に本件株式を譲渡するか否かを速やかに決することを求められた状況にあったこと及び⑤当審判所の調査の結果においても請求人が提示した買取価格の算定根拠が明らかでないことからすると、本件各譲受価額は、本件各譲受の当事者双方により合理的に形成されたものとは認められず、また、他に本件各譲受価額が本件各譲受の時の時価を適正に表していると認めるに足りる証拠はない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平17.1.19東裁(諸)平16-179)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150050
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は、被相続人が負担した請求人に係る本件交換差金等について、贈与税の申告漏れとして課税したが、本件交換差金等は生活費の贈与であり非課税である旨主張する。しかしながら、扶養義務者相互間における生活費又は教育費に充てるための贈与の非課税は相続税法第21条の3第1項第2号に規定し、この規定による生活費の意義等について、原処分庁が主張するとおり、相続税法法基本通達21の3−4及び21の3−7が定めをおいているが、これらの通達は、当審判所においても相当と認められ、被相続人が負担した本件交換差金等は、相続税法第21条の3第1項第2号の規定及びこれらの通達の定めに照らせば、非課税となる生活費等に充てるための贈与には該当しない。(平16.2.27名裁(諸)平15-50)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140070
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400602000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/2非課税財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、婚姻外両性の交際に当たっての金品の贈与は、法律上の対価性を伴うものではなく、また、両者は相続税法第21条の3第1項第2号に規定する「扶養義務」のある関係ではないが、このような関係においては社会的に黙認されてきた経緯があるので贈与税を課税すべきではない旨主張する。また、相続税法基本通達21の3−10の取扱いの趣旨に照らしてみると、多少の資金援助をした事実が認められるとしても、それ自体は両者の関係から、社会通念を著しく逸脱した贈与ということはできず、それは妥当なものとして是認されるべきであるとして、贈与税を課すべきでない旨主張する。しかしながら不倫関係にある男性から女性への金員の贈与が、同通達に定められている趣旨と同一的に扱われるか否かについて検討するに、同通達は、「社会的な相互扶助あるいは儀礼的な性格のものに贈与税を課税するのは国民感情の面からみても適当でないとする考え方」のもとに定められたものであるところ、この理念からすると、一般的に不倫関係にある男性から女性への金員の贈与が社会的な相互扶助あるいは儀礼的な性格なものに該当するとは到底考えられず、課税要件が充足されれば、前例の有無にかかわらず、課税されるのが当然である。(平15.06.26.広裁(諸)平14-70)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140050
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人所有の建物について被相続人が行った工事が増改築工事であるとして工事費用を含めて建物を評価すべきである旨主張し、請求人らは、その工事は被相続人の病気療養のための修繕であって増改築ではない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、工事の行われた建物は請求人の所有であり、増改築により増加した資産に相当する経済的利益を被相続人から贈与により受けたものと認められる。また、当該贈与は、相続開始日の属する年に行われたものであり、相続税法第19条の規定により相続財産に加算することとなる。(平14.12.19.関裁(諸)平14-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140105
- 裁決年月日
- 平成14年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601020
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/2その他の利益に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が本件金員相当額の財産的出捐を行い、主たる債務者が本件金員等を原資として本件借入金を返済したとしても、連帯保証人である請求人の財産の増減はまったくなく、連帯保証の義務が消滅したにすぎないから、経済的な利益の享受はなく相続税法第9条の規定には当たらない旨主張する。しかしながら、主たる債務者が弁済不能の状態にあり、請求人の連帯保証債務の履行が確実であったものと認められる状況において、社会一般では通常考え難い全たる債務者に対する財産的出損が、親子という親密な身分関係を有する特定の者によってなされ、本件金員を主たる原資として主たる債務者が本件借入金等の全額を一括返済することができたことにより、物的担保が解除され、更に、当該連帯保証債務の消滅という経済的利益を享受したものと認められ、このことは、相続税法第9条に規定する贈与とみなされるその他の利益の享受に該当する。(平14.12.03.東裁(諸)平14-105)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130030
- 裁決年月日
- 平成14年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400603000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/3配偶者控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の配偶者から贈与を受けた居住用資産は、その贈与に係る法定申告期限の翌日までの間、居住の用に供していたので、相続税法第21条の6が適用できる居住用資産に該当するから、本件贈与に同法の規定が適用できないとする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件居住用資産は、請求人が本件贈与により取得する以前において、他に売却することなどが予定されており、相続税法第21条の6にいうその後引き続き居住の用に供する見込みである居住用資産には該当しないと認めるのが相当であるので、本件贈与に同法の規定が適用できないとする原処分は適法である。(平14. 6.26金裁(諸)平13-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130012
- 裁決年月日
- 平成13年9月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400603000
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/3配偶者控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・329ページ
要旨
○ 請求人は、利用状況の違う2棟の建物の敷地となっている不動産の贈与を受けた場合には、契約当事者による主観的判断により贈与税の配偶者控除(以下「本件特例」という。)は認められると主張するが、本件特例は、生存配偶者の老後の生活安定に配慮する趣旨から、一生に一回限り、その取得した居住用不動産の課税価格から20000000円を限度として控除することを登記簿の謄本等の提出を要件として認める措置である。したがって、居住用部分の分筆登記がなされていない以上、請求人の主張を採用することはできない。(平13. 9.13大裁(諸)平13-12)裁決事例集NO62・329ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120106
- 裁決年月日
- 平成13年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601030
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/3負担付贈与に係る課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公正証書として作成した本件負担付不動産贈与契約締結前に、請求人が贈与者の債務を一部弁済した金額も本件贈与に係る負担額に含めるべき旨主張するが、本件贈与に係る負担がいかなるものであるかは、まずは当事者双方の合意の下に作成された本件公正証書の約定(本件贈与日現在の残存債務の返済を負担する旨の記載)によるべきであり、これと異なる負担があったというためには、それを証する明らかな証拠又は事実が存することが必要であるところ、請求人からは本件公正証書以外に本件贈与に係る約定があったことを証する証拠の提示がなく、当審判所の調査によっても、そのような事実は認められないので、本件贈与に係る請求人の負担額は、本件公正証書に記載された負担で、かつ、本件贈与時において確定していた残存債務の額に限られるとするのが相当である。(平13.5.28関裁(諸)平12−106)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090071
- 裁決年月日
- 平成10年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601990
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/4その他の課税価格の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・466ページ
要旨
○ 請求人は、本件定期預金については、相法第19条の規定により本件相続税の課税価格に加算しているから、贈与税の課税対象とはならない旨主張するが、同条の規定の趣旨は、相続税法が採用している相続税の累進税率の適用による税負担が、財産を生前贈与することによって軽減されて公平を欠く結果となることを考慮し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を相続税額の計算上、相続財産の価額に加算することにより所要の調整をすることにあると解されるところ、同条第1項の規定により相続税の課税価格とみなされた贈与財産については、贈与税が課税されることが前提とされたものであって、贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算したからといって贈与税の課税関係が消滅するものではない。(平10. 3.11大裁 (諸) 平 9-71) 裁決事例集No55・466ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090024
- 裁決年月日
- 平成9年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400601010
- 争点
- 6贈与税の課税価格の計算/1課税価格の計算/1低額譲受けの場合の課税価格
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、母親からの本件出資の買取価額の算定に当たっては、評基通185及び186-2の規定を適用し、1口当たりの純資産価額の計算上、法人税額等相当額を控除した価額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件出資は、設立時に著しく低い額面価額による現物出資の引受けにより取得されたものであり、これら法人の設立から資本の減資による払戻金の受取に至るまでの一連の行為から判断すれば、請求人及び母親の行為は、本件出資について本件通達に定められた方法を利用して贈与税の負担の軽減を図るとともに、母親に係る相続税の負担の軽減を図る目的で本件出資の売買が行われたものと推認されるので、実質的な租税負担の公平という観点からして、本件出資の価額の算定において、法人税額等相当額を控除しないことは相当と認められる。また、相法第7条に規定する時価とは同法第22条に規定する時価と同様に客観的な交換価値を示す価額であると解されているから、原処分庁が同法第7条の規定に基づき時価と譲受価額との差額相当額を母親から贈与により取得したものとみなしてした決定処分は適法である。(平 9. 8.27東裁(諸)平 9-24)
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