裁決要旨 8預貯金、貸付金債権、債務
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令070008
- 裁決年月日
- 令和7年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が代表取締役であった同族法人(本件法人)に対する貸付金債権(本件貸付金債権)について、本件法人が返済資金を調達できなかったことなどから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当し、仮に、評価通達205(1)ないし(3)の事由と同視できないとしても、評価時点における債務者の業務内容などの状況を具体的総合的に検討した上で実質的価値を判断すべき旨主張する。しかしながら、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、評価通達205(1)ないし(3)の事由と同視できる程度に債務者が資産状況、営業状況等から経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、貸付金債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときをいうものと解するのが相当である。そして、本件法人は相続開始日において債務超過の状態であり損益の状況が良好であったとはいえないものの、これらのことから直ちに、本件法人が経済的に破綻していることが客観的に明白であったとは認められない。したがって、本件貸付金債権は評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令7.12. 9 仙裁(諸)令7-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和6年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式の1株当たりの純資産価額の計算において、評価会社(本件評価会社)がその子会社(本件子会社)に対して有する前受金債権及び未収入金債権(本件各債権)の一部は、本件子会社が債務超過であり、事業を継続しているがその収益の状況からみて本件評価会社に対する債務を返済することができないことは明らかであるから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件子会社が、相続開始日の前後を通じて事業を継続し、事業収益を計上していたことや、本件各債権に対する債務以外の債務の支払が遅滞し又は停止していたなどの事実もなく、本件評価会社に対する当該債務は直ちに返還を要するものではなかったと認められることに鑑みれば、本件子会社は、評価通達205の(1)ないし(3)の事由と同程度に、経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、本件各債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるとはいえないため、本件各債権の金額は、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令6. 7. 5 東裁(諸)令6-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040003
- 裁決年月日
- 令和4年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人及び同人が保有していた株式の発行法人が有していた各貸付金債権(本件各貸付金債権)について、①月額返済金額や返済期間などが従前よりも緩和された内容の各準消費貸借契約(本件各準消費貸借契約)が締結され、各公正証書が作成されたことからすれば、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(3)に定める要件を充足する旨、②本件各貸付金債権の債務者(本件債務者)の事業継続に疑義があることなどから評価通達205柱書に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、①公証人の関与をもって本件各準消費貸借契約が評価通達205(3)の要件に該当するとはいえないことは明らかであるし、②本件債務者は返済を継続しており、評価通達205(1)から(3)までに掲げる事由と同視できる程度に本件債務者の経済状態等の悪化が著しく、本件各貸付金債権の回収の見込みがないことが客観的に明白であったとはいえないから、本件各貸付金債権の評価に当たり評価通達205柱書の定めは適用されない。(令4. 8.24 関裁(諸)令4-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和4年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父から貸付金債権(本件債権)を債権額より低い価格(本件譲受価額)で譲り受けたことにつき、①債権の譲渡の場合は、相続や贈与の場合と異なり金融検査マニュアルの実質基準等で回収可能性を判断すべきである、②債務者である法人(本件法人)は、債務超過が長期間継続して課税時期後にみなし解散の登記がされており、本件債権が全額回収可能とは判断できない、③課税時期後の本件法人の売上げは、本件法人の技術者が業務をしていないから、法的な根拠に基づく収入ではない、④本件法人は、本件債権以外に多額の負債があり課税時期後の僅かな返済が回収可能性を担保するものではないなどとして、本件債権に係る相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「時価」は、財産評価基本通達(評価通達)204《貸付金債権の評価》及び205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める評価方法による評価額(本件評価額)とすべきではなく、本件法人の財政状態及び回収可能性を考慮して金融検査マニュアル等に準じた方法で評価すべきであり、これにより、本件譲受価額は、同条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当しない旨主張する。しかしながら、①金融検査マニュアルと評価通達はその趣旨目的を異にするため、贈与税の財産評価に使用することは合理的ではなく、②本件法人は、課税時期の前後を通じて経済的に破綻している状況ではなく、みなし解散の登記が本件法人が課税時期において解散すべき状態にあったことを示すものといえず、③本件法人と当該業務を委託した会社との間で契約が継続されているのであれば直ちに法的な裏付けがない収入といえず、④本件法人は、課税時期後に本件譲受価額を超える金額を請求人に弁済しており、譲り受けた日において、本件譲受価額以上に回収可能性がなかったといえない。以上によれば、本件債権に係る相続税法第7条に規定する「時価」は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」と同様に原則として本件評価額とすべきであり、その僅か5パーセントにすぎない本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当する。(令4. 8. 1 東裁(諸)令4-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040004
- 裁決年月日
- 令和4年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》は、貸付金債権等の「一部」の回収不能もあり得る定めになっており、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」について実質的に回収が可能か不可能かにより判断すべきであるとの見解に立ち、債務者である会社の平均利益の額から計算した回収可能額と同社の清算価値から計算した回収可能額との平均額を超える部分がその実質的な回収不能額に当たる旨を主張する。しかしながら、評価通達205は、その(1)ないし(3)の事由のほか、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」も評価通達204《貸付金債権の評価》による評価の例外的事由として掲げているが、これが評価通達205の(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることからすると、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、その(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、貸付金債権等の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときをいうものと解すべきものである。これによれば、債権金額の全部又は一部が「次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に、その該当する金額の全額について元本の価額に算入しないこととするものであって、評価通達205の(1)ないし(3)の事由や、これと同程度に債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白な事実もないのに、貸付金債権等の回収可能性の程度に応じて元本の一部不算入を認めるものではない。また、請求人が主張するように、想定される事実に基づいて個別に貸付金債権等の回収可能額を算定することは、会社の営業状況や将来性等必ずしも客観的一義的な評価方法が確立していない要素に左右されるとともに、納税者の恣意を許すことにもなり、納税者間の公平の確保等のため全国一律の統一的な評価の方法を定めた評価通達の趣旨にも反することとなる。よって、請求人の主張する見解は、採用することができない。(令4. 7. 6 東裁(諸)令4-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030125
- 裁決年月日
- 令和4年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人Aが相続により取得した被相続人と販売会社(本件法人)との間の売買契約及び預託等取引契約に係る権利は、財産評価基本通達(評価通達)204《貸付金債権の評価》に定める貸付金債権等に当たるが、本件法人は、相続開始日において、債務超過であり、かつ、支払不能の状態であったので、本件法人から支払を受けていない金額の部分(本件未払部分)は、評価通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとして評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件法人は、相続開始日から約2年経過した後、立て続けに数回の業務停止命令等を受けたと認められるものの、これより前に営業を停止していたといえる事実は認められず、また、上記数回の業務停止命令等の行政処分より前に債権者に対する支払が遅滞し又は停止していた事実は認められないことからすると、本件法人は、相続開始日時点において債務超過であったことは否定できないものの、相続開始日において、営業を継続していた上、債権者に対する支払が遅滞し又は停止していたなどの事実は認められないから、本件法人が、経済的に破綻していることが客観的に明白で、そのため、本件未払部分の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるものであったとはいえない。したがって、本件未払部分について、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に当たるとはいえない。 (令4. 6. 7 東裁(諸)令3-125)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令030014
- 裁決年月日
- 令和4年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、原処分において請求人らの相続税の課税価格に加算した貸付金債権に係る利息について、その発生期間は貸付日から相続開始日までである旨主張する。しかしながら、利息の発生期間の終期について、上記貸付金債権に係る金銭消費貸借契約(本件消費貸借契約)の内容が記載された公正証書に明確な記載はないものの、利息が元金使用の対価であることからすれば、債務者が期限の利益を失った日以降は、利息が発生しないというのが一般的な理解であると解されるところ、本件消費貸借契約の内容をみても、期限の利益を失った以降においても利息が発生する旨を明確にした定めは見当たらず、他に、本件において、これと異なる解釈をすべき事情も見当たらないから、本件消費貸借契約においては、期限の利益を失うこととなった第1回返済期限の翌日以降、利息は発生しないと解するのが合理的である。(令4. 5.16 仙裁(諸)令3-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評価会社(本件会社)がその子会社(本件子会社)に対して有する売掛金等(本件売掛金等)について、本件子会社の財務内容が継続的に債務超過の状況で、営業上の信用力が存在せず、課税時期直後に本件子会社が解散し、解散時も債務超過であったことからすれば、実質的には無価値であることは明らかであって、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、本件売掛金等について財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、①本件子会社は、課税時期以前の各事業年度において毎期継続して相当の売上高があり、それぞれ売上総利益を計上するなどしていること、②一般的に、債務超過状態になったとしても、直ちに債務者が経済的に破綻していることにはならないこと、③本件子会社は、課税時期の前後を通じて営業を継続していたものであること、④本件子会社の負債はその大部分が本件会社からの借入金であって利息の支払がないものであったことからすれば、本件子会社が課税時期において経済的に破綻していることが客観的に明白であるということはできないから、本件純資産価額の計算上、本件売掛金等について評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとはいえない。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社(本件会社)が所有していた建物(本件建物)は、賃貸の用に供されており、建替えに伴い、本件建物に係る賃借人を退去させる必要があり、立退料の支払が必須となるから、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、本件建物の賃借人に対する立退料を本件会社の負債として計上すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185《純資産価額》に定める課税時期における「評価会社の各負債」は、原則として、個人事業者の債務と同様に債務として控除できるものであるか否かを考慮して判定するのが相当であり、本件純資産価額の計算上、本件建物の賃借人に対する立退料を本件会社の負債として計上するためには、同立退料に係る債務が課税時期において成立している必要があるところ、①本件会社と本件建物の各賃借人との間で締結された各賃貸借契約に係る各契約書においては、賃貸借契約が消滅したときは、賃借人は、本件会社に対して金銭その他の請求をしない旨の約定があり、②課税時期までに、本件会社から賃借人に立退料の支払を申し出たり、本件会社と賃借人との間で立退料に関する合意をしたり、本件会社に対して立退料の支払を求める裁判が起こされたりしたことはないのであるから、本件建物の賃借人に対する立退料に係る債務は、課税時期において成立しているとは認められない。したがって、本件純資産価額の計算上、本件建物の賃借人に対する立退料を本件会社の負債として計上すべきではない。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030023
- 裁決年月日
- 令和3年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の法人(本件会社)に対する貸付金債権(本件貸金債権)について、相続開始当時、本件会社の経営状況は実質的に破綻しており、本件貸金債権の回収が著しく困難なものであったと見込まれるから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件会社が、相続開始当時を含む事業年度において、資産超過の状況で、営業利益を計上しており、その後も事業を継続していることからすれば、評価通達205の(1)から(3)までに列挙する事由と同視できる程度に本件会社の経済状態等が破綻していることが客観的に明白であったとは認められない。したがって、本件貸金債権は、本件会社の経営状況に照らし、評価通達205の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令3.12.17 大裁(諸)令3-23)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030023
- 裁決年月日
- 令和3年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の貸付金債権(本件貸金債権)は、相続開始当時において消滅時効期間が経過しており、現実的に回収は不可能であるから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件貸金債権に係る返還期限は不明であり、本件貸金債権について消滅時効期間が経過しているとは認めるに足りない。仮に消滅時効期間の経過が認められるとしても、消滅時効の完成による債権消滅の効果は、時効の援用がされたときにはじめて確定的に生じるものと解するのが相当であるから、単に消滅時効期間が経過し援用される可能性があるというだけでは、評価通達205の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令3.12.17 大裁(諸)令3-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030030
- 裁決年月日
- 令和3年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の貸付金(本件貸付金)の一部が財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に当たる理由として、①不動産賃貸業を営んでいた債務者(本件法人)は長期間債務超過に陥っており、所有する賃貸物件(本件建物)の老朽化などから事業が黒字化する見込みもなく、相続開始日前に事業を継続しないことを決定していた旨、及び②請求人の返済を受けた金額は市場における財産処分を行った場合の清算価値であり、その金額が本件貸付金の時価であると客観的に立証している旨主張する。しかしながら、①本件建物に賃貸業の継続に支障を生じさせるような事情はなく、相続開始日前に本件法人において事業を継続しない旨を決定していた事実を認めることはできない。また、②請求人が本件貸付金の時価であると主張する金額とは、本件法人が、相続開始日後に、本件建物を売却したほか、被相続人に対する退職金の支払等を経た後の金額であって、相続開始日における本件貸付金の客観的な交換価値すなわち時価を表すものとは認められない。そして、本件法人は、資産状況においては、本件建物に加え、第三者への支払に充当し得る程度の現金及び預金を保有していたものであり、債務超過であることをもって直ちに経済的に破綻しているとはいえず、また、営業状況においても、相続開始後の本件建物の売却時まで安定的に賃料収入を得ていたものであり、上記の資産状況からして、少なくとも、賃料収入の基となる本件建物の売却を余儀なくされる状況であったとはいえないたため、相続開始日において、本件法人が、資産状況及び営業状況等から経済的に破綻していることが客観的に明白であったとは認められない。したがって、本件貸付金の債権金額の一部が、相続開始日において財産評価基本通達205に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとは認められない。(令3.11. 1 東裁(諸)令3-30)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令010012
- 裁決年月日
- 令和2年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である貸付金債権(本件貸付金)について、債務者である同族法人(本件会社)の資産状況は、被相続人から毎期多額の債務免除を受けても債務超過であり、かつ、被相続人から多額の資金提供がないと経営の継続が困難であり、実質的、客観的に破綻していることは明白であることなどから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件会社の資産及び負債、損益の状況は良好であったとは必ずしもいえないものの、①本件会社の負債の大部分は、本件会社の全株式を有する被相続人からの借入金であることから、強制執行などの回収手段によって経営に必要な財産を失う可能性は低かったものと認められること、②本件会社は、売上額が増加傾向にあったことや、被相続人及びその親族である役員に対して役員報酬及び地代として毎期一定額の支出が認められ、相続開始日までに大幅な支出削減を余儀なくされるなどの営業活動が制限される状況であったとは認められないこと、③本件会社の経営は平成25年頃からは被相続人の子が統括し、本件会社が経営するホテル及びレストランの建物の敷地が被相続人の妻の土地であることから、相続開始日以降も、事業を継続できる状況であったことを考慮すると、相続開始後に本件会社が営業を停止したことや、その後の解散、清算結了等をもって、相続開始日において本件会社の営業状況及び資産状況が破綻していたということはできず、評価通達205の(1)ないし(3)に掲げる事情と同視できる程度に債務者の経済状態等の悪化が著しく、その貸付金債権等の回収の見込みがないことが客観的に明白であって、本件貸付金の回収の見込みがないことが客観的に確実であるということはできない。したがって、本件貸付金は、本件相続開始日において、評価通達205が定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には該当しない。(令2. 3.18 仙裁(諸)令元-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300042
- 裁決年月日
- 平成31年1月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同国税庁長官通達。ただし、平成28年4月6日付課評2−10ほか2課共同国税庁長官通達による改正前のもの。)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達規定)に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、貸付金債権等の債権金額が、合理的に算定される回収見込額を超える場合をいうものと解するのが相当であり、請求人の母親(本件被相続人)が代表取締役を務めていた同族会社(本件会社)は、本件被相続人から不足する資金を借り入れることにより事業を続けてきたにすぎず、借入金の返済に充てる資金を確保していくことができる状況になかったから、本件会社に対する本件被相続人の貸付金債権(本件貸付金債権)の回収見込額は本件被相続人に係る相続開始日(本件相続開始日)後に返済された金額であり、それを超える部分は「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するため、元本の価額に算入すべきでない旨主張する。しかしながら、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、本件通達規定(1)ないし(3)に掲げる再生手続開始の決定や特別清算の開始命令などと同視できる程度に債務者の経済状態等の悪化が著しく、その貸付金債権等の回収の見込みがないことが客観的に明白であることをいうものと解するのが相当であり、本件会社は、本件相続開始日において、その経営状況及び資産状況のいずれの観点からみても破綻していたとは容易には認められないことからすれば、上記に掲げる事由と同視できる程度に本件会社の経営状態の悪化が著しく、本件貸付金債権の回収の見込みがないことが客観的に明白であるとは認められない。したがって、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、本件通達規定の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するものではない。(平31. 1.11 大裁(諸)平30-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300067
- 裁決年月日
- 平成30年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が代表者であった法人(本件法人)は債務超過の状態であり、被相続人が本件法人に対して有していた貸付金(本件貸付金)の回収可能性は極めて低いから、本件貸付金の相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価(弁済可能額)は、本件法人の清算価値を基準に計算することが妥当である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達(評価通達)の定めに従った評価は客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認できるところ、本件法人が債務超過の状態であるからといって必ずしも本件貸付金の回収可能性が極めて低いとはいえず、当審判所の調査によっても、上記推認を覆すような事情は認められない。そして、相続開始時において、本件法人について評価通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の(1)から(3)に定める事由は生じていない。また、本件法人が相続開始時を含む事業年度において営業利益を計上していることなどからすれば、相続開始時において、上記(1)から(3)に定める事由と同視できる程度に本件法人の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実であるとはいえないから、評価通達205柱書に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとは認められない。したがって、本件貸付金は、評価通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い元本価額により評価するのが相当である。(平30.12. 3 東裁(諸)平30-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300002
- 裁決年月日
- 平成30年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した同族会社(本件会社)に対する貸付金及び未収入金(本件貸付金等)について、相続開始日において本件会社は債務超過の状態にあり、債務超過である本件会社に対する債権には客観的交換価値はなく、回収可能性もないことから、本件貸付金等の時価は零円となる旨主張する。しかしながら、請求人らは、原処分庁が主張立証した財産評価基本通達(評価通達)の評価方法に基づく財産評価の価額の算定過程自体に不合理な点があることを具体的に指摘し、あるいは評価通達の定めに従った評価が本件の具体的な事情の下における本件貸付金等の時価を適切に反映しておらず、客観的な交換価値を上回るものであることについて何ら立証していない。また、本件会社の資産状況及び営業状況が破綻していることが客観的に明白であって、本件貸付金等の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとも認められない。したがって、本件においては、評価通達の定めに従って算定された価額をもって、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価と認められる。(平30. 7. 2 東裁(諸)平30-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290146
- 裁決年月日
- 平成30年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である貸付金債権(本件貸付金)について、①債務者である同族会社(本件会社)は、相続開始時に債務超過の状態で、収入は被相続人の所有物件の管理料程度であったこと、②代表者の同族法人に対する貸付金はいつ回収できるか不明であり、一般の貸付金に比し著しく不利であること、③本件会社は被相続人が一人で不動産取引業を行っていた会社で、事業を引き継げる者がいないため、被相続人の死亡後には存続できないことが明らかであることなどから、財産評価基本通達(評価通達)205の(1)ないし(3)に該当する事由は認められないものの、同通達に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であるとき」に該当し、その価額は、相続開始時に会社を清算した場合の回収可能額で評価すべき旨主張する。しかしながら、本件会社は、①損益は赤字の状況であったものの、相続開始時まで売上げは継続しており、新たな事業展開の企画や安定的な収入の拡大に努める一方、大幅な支出削減などの事業活動を制限していた状況であったとは認められないこと、②債務超過の状況が継続していたが、負債のほとんどは、被相続人からの返済期限の定めのない無利息の借入金であり、直ちに返済すべきものとは認められないこと、③相続開始後に経営を引き継いだ相続人が、被相続人と同様に宅地建物取引主任者の資格を有していて事業の継続に支障は認められず、また、相続開始後においても、商品の売上げや経費の支出があるなど事業が継続していたと認められることからすると、本件貸付金については、相続開始日において、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であるとき」、すなわち、本件会社につき、資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとはいい得ないと認められる。(平30. 6.20 東裁(諸)平29-146)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平290001
- 裁決年月日
- 平成29年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が協同組合(本件組合)に貸し付けていた金員(本件貸付金)について、本件組合は長期間債務超過にあり、本件貸付金の回収は不可能であるため、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達)に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するから、相続税の課税価格に算入すべき価額は零円と評価するべきである旨主張する。しかしながら、本件組合は、①被相続人が主宰していた上場会社(本件会社)の社会貢献等を目的に設立され、当該事業を継続して担っていることからすると、本件会社の事実上の一部門とみるのが相当であるから、本件貸付金については、相続開始日において、本件会社等の経済的負担により弁済されることも期待し得る状況にあったと認められること、②本件組合の性格に照らすと、資産及び負債並びに収支の各状況は、本件組合の事業価値が失われて存続可能性が危惧される程度にまで悪化していたとはいえないこと、③債権者である各金融機関は、本件組合が各融資に係る約定のとおり返済していることなどから、期限の利益の喪失等により契約解除や繰上償還等を求めたことはなく、一定の信用力が維持されていたこと等が認められる。そして、これらを総合的に検討すれば、本件組合が事業を継続し、その信用力を維持することができた背景には、被相続人等からの多額な借入れがあったことが明らかであるとしても、本件組合が本件通達の(1)ないし(3)の事由と同視できる程度に資産状況等が破綻していることが明白であって、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であったとは認めがたい。したがって、本件貸付金については、評価通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い元本価額により評価するのが相当である。(平29. 8.28 札裁(諸)平29-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280148
- 裁決年月日
- 平成29年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始日において大規模小売事業者との事業用定期借地契約は締結されていなかったから、同契約締結のための覚書に基づき受領した敷金の一部に充当される予定の手付金のみ債務控除するべきであり、相続開始日後に締結された事業用定期借地契約(本件定期借地契約)に基づく敷金等については、財産にも債務にも計上されるべきではない旨主張する。しかしながら、相続開始日において、被相続人と大規模小売事業者との間で事業用定期借地契約が締結されることが必然であったから、本件定期借地契約が締結されている場合と同様の債権債務関係として取り扱うのが相当である。したがって、同契約期間の満了時に返還すべき金額を複利現価率により相続開始日の現在価値に引き直した金額を債務として控除し、敷金のうち未収金を財産に計上することとなる。(平29. 6.23 東裁(諸)平28-148)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280099
- 裁決年月日
- 平成29年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した同族会社(本件会社)に対する貸付金債権(本件貸付金)について、本件会社は長期間債務超過の状況にあるため、財産評価基本通達205《貸付金債権等元本価額の範囲》(本件通達)に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するから、その評価額は本件会社を清算した場合の配当予想額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件通達にいう「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、本件通達の(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることなどからすると、それらの事由と同視できる程度に、債務者の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解するのが相当であるところ、本件会社については、①相続開始直前期の売上高は相当程度に及び、主たる事業である不動産賃貸業は安定した収益力があり、その他の事業も他社へ事業譲渡されており事業として継続するに値する価値があったこと、②銀行からの借入金については、銀行は十分な担保を徴していたことから回収を急いでおらず、本件会社の当期損益に減価償却費を加算すると毎年相当程度のキャッシュフローがあり、少なくとも毎年の元本の返済は十分可能であったこと、③銀行以外の借入金については、経営者である被相続人及びその親族からの借入れであり、本件会社はその返済を急ぐ必要はなかったこと等が認められ、これらを総合的に検討すれば、銀行からの借入金を返済しつつ事業を継続することは十分に可能であったから、本件会社が本件通達各号の事由と同視できる程度に債務者の資産状況及び営業状況が破綻していることが明白であって、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であったとは認めがたい。したがって、本件貸付金については、財産評価基本通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い元本価額により評価するのが相当である。(平29. 3. 9 東裁(諸)平28-99)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成28年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が代表取締役を務めていた法人(本件法人)に対する貸付金及び未収金(本件貸付金等債権)について、本件法人が相続開始日時点で財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達)(1)のトに掲げる「業況不振のため又はその営む事業について重大な損失を受けたため、その事業を廃止し又は6か月以上休業しているとき」又は本件通達柱書きの「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」のいずれかに該当し、その金額の一部が本件通達に定める元本の価額に算入しない金額に該当する旨主張する。しかしながら、本件法人は、清算手続き中であったことは認められるものの残余財産を検討すると、残余財産が相続開始日現在において、本件貸付金等債権額を上回るから本件通達は適用されず、本件貸付金等債権は本件通達に定める元本の価額に算入しない金額に該当しない。(平28.12.12 広裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280004
- 裁決年月日
- 平成28年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した貸付金債権(本件貸付金)については、相続開始後に請求人らと債務者及び連帯保証人(債務者ら)との間で成立した訴訟上の和解により、その一部しか回収できなかったのであるから、当該回収額を本件貸付金の価額とすべきであり、財産評価基本通達(評価通達)により評価すべきではない旨主張する。しかしながら、相続開始時において、債務者に評価通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の(1)ないし(3)に定める事由が生じていた事実はなく、債務者の資産、損益の状況及び連帯債務者の所得の状況から判断して、相続開始時において、本件貸付金の回収の見込みがないことが客観的に確実であるとはいえない。したがって、本件貸付金の価額は、評価通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い、返済されるべき元本の価額と相続開始時の既経過利息の合計額により評価すべきである。(平28. 7.25 大裁(諸)平28-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270134
- 裁決年月日
- 平成28年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が同族会社(本件会社)に対して有していた貸付金債権(本件貸付金債権)について、本件会社は相続開始日において事業経営が客観的に破綻しており、本件貸付金債権の一部は回収の見込みがないことが客観的に確実であるから、当該債権の一部は財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、債務者の資産負債の状況、売上金額、営業利益及び当期純利益の推移、対象となる債権の返済(回収)状況、金融機関等の債権者の協力状況等を総合的に検討し、評価通達205の(1)ないし(3)の事由と同視し得る程度に債務者の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解される。これを本件についてみると、①本件会社は、相続開始日において事業を継続しており、全国で数店舗が営業していたこと、②債権者である各金融機関は、期限の利益を喪失したことを理由に債権の一括返済を求めた事実はなく、協力的であったこと、③本件会社は、相続開始日の前後を通じて、不動産を売却するなどして経営改善に取り組んでいたことなどからすれば、本件会社は評価通達205の(1)ないし(3)の事由と同視し得る程度に資産状況及び営業状況が破綻していることが客観的に明白であって、本件貸付金債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとまで認められない。したがって、本件貸付金債権は、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(平28. 5.12 東裁(諸)平27-134)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人の貸付金を相続財産たる債権(本件貸付金債権)として評価するに当たり、当該貸付金の金銭消費貸借に係る債務者である法人(本件法人)は、本件相続開始後約3年で経営破綻していることなどから、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達)に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる」場合に該当するので、本件通達の適用がある旨主張する。しかしながら、本件法人には、本件相続開始日において本件通達の(1)から(3)までの各列挙事由に該当する事実は認められない上、本件相続開始日を含む事業年度においても事業を継続し、本件相続開始日後の約1年後に銀行から追加融資を受けていることなどからすると、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、本件通達の(1)から(3)までの各列挙事由と同視できる程度に本件法人の資産状況、経営状況等が破綻していることが客観的に明白であって、回収の見込みがないことが客観的に確実であるということはできない。したがって、本件貸付金債権は、本件通達に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる」場合に該当しないので、本件通達の適用はない。(平27.12. 3 広裁(諸)平27-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270056
- 裁決年月日
- 平成27年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人の同族会社(本件会社)に対する貸付金(本件貸付金)の本件相続開始日における時価は、A社作成の債権評価書(本件債権評価書)による価額である旨、仮に、財産評価基本通達の定めにより評価するとしても、本件会社は著しい債務超過の状態であることなどから、同通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の適用がある旨主張する。しかしながら、本件債権評価書は、本件会社の清算を前提とした評価になっており、事業を継続している本件会社の実態に合っておらず、合理性を有するとはいえない。また、同通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、同通達の(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることなどからすると、それらの事由と同視できる程度に、債務者の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解するのが相当であるところ、本件会社は、①債務超過ではあるが、負債のうち役員借入金が大部分であること、②営業状況は赤字基調ではあるが、実際に事業を継続していること、③本件貸付金について、一部返済していた事実が認められること、④金融機関からの借入れを継続的に有しており、相続開始日前後に新たな借入れをしていることから、破綻していることが客観的に明白で、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとはいえず、同通達205の適用はない。以上のとおり、同通達205の適用はなく、また、本件債権評価書での算定結果をもって、同通達204《貸付金債権の評価》の定めに従った価額が時価すなわち客観的交換価値を適正に評価したものであるとの事実上の推定は覆らず、同通達の定めに従った評価額が相続税法第22条《評価の原則》にいう時価と認められる。(平27.11. 5 東裁(諸)平27-56)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250049
- 裁決年月日
- 平成26年3月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
請求人らは、本件被相続人が三男夫婦(三男ら)に預託した定期預金の解約を原因とする損害賠償請求権等(本件損害賠償請求権等)は、三男らに返還する意思は無く、回収できる見込みはないから、相続財産としての価値はない旨主張し、原処分庁は、三男らに財産評価基本通達(評価基本通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める事実は認められないから、本件損害賠償請求権等の評価上控除する部分はない旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権等は、当初、契約に基づいて生じた正常な債権で、定期預金の預託の当初においては、債務者に債権回収の引当てとなる財産が存在していたものが、不法行為又は債務不履行によって損害賠償請求権に転化したものと認められ、評価基本通達204《貸付金債権の評価》に定める貸付金債権等に該当するものと認められるところ、三男らが、当審判所が調査により把握した三男らの所有資産以外に資産を有している可能性は極めて低く、三男らの収入が生活費程度のものと認められる本件においては、本件損害賠償請求権等のうち、当該三男らの所有資産の価額を超える部分については、評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するものとして評価するのが相当である。(平26. 3.27 大裁(諸)平25-49)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250011
- 裁決年月日
- 平成26年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、同族会社(本件会社)に対する本件被相続人の貸付金債権(本件貸付金債権)について、本件会社は、売上げが連年減少し、債務超過の状態にあることから、いつでも債権者又は自ら破産を申し立てることができる状態にあり、既存の金融負債も同族借入れへシフトせざるを得ず、企業としての信用性はゼロであるから、本件貸付金債権は、本件相続開始日において財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当し、その評価額は零円である旨主張する。しかしながら、同通達にいう「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、同通達205の(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときであると解すべきであるところ、①本件会社は、本件相続開始日を含む事業年度及びその前後の事業年度において、一定の売上げ及び売上総利益を確保し、現在も事業を継続していること、②本件会社は、取引金融機関からの借入金について、当初の返済計画どおり返済するとともに、本件被相続人などの親族からの借入金についても、毎期返済していたこと、③当該取引金融機関の支店長は、本件会社を非常に信用度の高い取引先と評価し、今後も同社からの融資には前向きに検討する意向であることが、それぞれ認められる。そうすると、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、同通達に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」、すなわち、同通達205の(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められる状況にあったとはいえない。(平26. 2.17 熊裁(諸)平25-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240153ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成25年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808010
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/1預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の課税価格に算入される各預金の価額は、請求人が相続開始日の後に解約して受領した各金額と同額であり、申告額に誤りはない旨主張する。しかしながら、当該申告における各預金の価額は、相続開始日の後の期間の既経過利子を含み、また、相続開始時の後に一部金員の出金がされるなどした後のものであって、相続開始時における各預金の価額といえるものではない。(平25. 2.12 東裁(諸)平24-153)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240010
- 裁決年月日
- 平成24年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産であるとする法人に対する本件被相続人の債権(本件債権)については、その存在を確認できず、また、本件債権が存していたとしても、当該法人の株式の相続税評価額が零円であることからすると、本件債権は回収不能であるから、本件債権に対し相続税が課されるべきではない旨主張する。しかしながら、当該法人における、法人税の申告書の記載内容、代表取締役の答述及び当該答述時に提出された各種書面並びに当該法人の経常損益の状況などからすると、本件債権は、相続開始日に存在しているものと認められ、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には該当しないと認められるから、本件債権については、相続税の課税対象となる。(平24.10.23 関裁(諸)平24-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成24年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、借地契約に係る弁済期未到来の無利息預り保証金(本件保証金)を相続税の申告において債務控除するに当たり、本件保証金の額面金額をそのまま債務控除額とするべきである旨主張する。しかしながら、相続財産の課税価格の算定の基礎となる債務の金額は、相続開始時における当該債務の経済的価値を客観的に評価した金額であり、当該経済的価値は、当該債務の利率や弁済期等によって客観的に定めるべきものであるところ、弁済期が未到来の金銭債務については、通常の利率による利息と約定利率による利息との差額に相当する経済的利益を弁済期が到来するまで毎年留保することになるから、当該債務は、このように留保される毎年の経済的利益の現在価値の総額だけその消極的経済価値を減じているというべきである。したがって、本件保証金は、相続開始時点の現在価値を算出して債務控除するべきである。(平24. 9.13 大裁(諸)平24-24)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成24年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が有していたH(個人)に対する貸付金債権は相続開始日現在において存在しており、その評価額は貸付金元本とその遅延損害金の合計額となる旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》は、貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が「回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には、それらの金額は元本の価額に算入しない旨定めており、債務者が個人である場合には、債務超過の状況が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務を弁済するための資金を調達することができないだけでなく、近い将来においても調達することができる見込みがない場合がこれに該当すると解されるところ、本件においては、確かに、被相続人はHに対する貸付債権を有していた、つまり、Hは当該貸付金債権に対応する借入金を負っていたと認められるものの、Hの課税実績、不動産や預金の保有状況からすると、Hは著しい債務超過の状態にあり、当該借入金を返済するための資金を調達することは極めて困難であったと認められることなどに加え、当審判所における調査によっても、Hの具体的資力、返済能力を認めるに足りる証拠は見出せない。これらのことによれば、被相続人のHに対する貸付金債権は、「回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するというべきであり、その評価額は零円となる。(平24. 9.13 大裁(諸)平24-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240038
- 裁決年月日
- 平成24年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である本件会社への各貸付金(本件各貸付金)の評価に当たり、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、事実上回収不能となった場合をも含むと解すべきであり、請求人らの主張する評価手法に従って算出された回収不能見込額は、本件各貸付金の金額から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達205に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、同通達(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることからすると、それらの事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときであると解されるところ、本件会社は、①金融機関からの借入金について返済を滞らせた事実はなく、②相続開始日前の各事業年度において、おおむね1億円を超える収入があり、継続的に経常利益を確保しており、③被相続人に対し元本の返済及び利息の支払を継続的に行っていることからすると、本件会社の借入金が同会社の経営をひっ迫させていたとは認められず、加えて、本件会社は、本件会社が貸付不動産の賃料増額のための適切な措置を講ずれば、賃料収入が増加し、経営状況の改善が十分見込まれたことを併せ考えれば、本件会社法人が実質的に債務超過の状態にあったからといって、直ちに本件会社が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、貸付金の回収の見込みがないか又は著しく困難であると確実にいい得る状況にあったとはいえない。したがって、本件各貸付金の金額から請求人らの主張する回収不能見込額を控除することはできない。(平24. 8.17 東裁(諸)平24-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220180
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、一般定期借地権に係る預り保証金は、借地契約終了時に利息を付さないで全額返済することとなっており、時の経過とともに預かった保証金が減額されることはなく、預り保証金はその全額が控除すべき債務の金額となる旨主張する。しかしながら、相続税法第22条《評価の原則》では控除すべき債務の金額は、相続開始時の現況によるものと規定されていることからすれば、金銭債権につきその権利の具体的内容によって時価を評価するのと同様に、金銭債務についてもその利率や弁済期等の現況によって控除すべき金額を個別的に評価しなければならないと解すべきである。そうすると、弁済すべき金額が確定し、かつ、相続開始の時点でいまだ弁済期が到来していない金銭債務の金額については、その債務に通常の利率よりも低い約定利率による利息のあるとき又は全く利息のないときには、相続人において、通常の利率による利息と約定利率による利息との差額に相当する経済的利益又は通常の利率による利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまで毎年留保し得ることとなるのであるから、当該債務は、その留保される毎年の経済的利益の現在価値の総額だけその消極的価値を減じていると解され、このような債務については、通常の利率により割り引いて得られた現在価値をもって相続開始時における控除すべき金額とすべきである。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-180)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220055
- 裁決年月日
- 平成23年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法第22条《評価の原則》等の規定からすれば、建物賃貸借契約に基づいて預託を受けた敷金について、その全額が控除すべき債務の金額になる旨主張する。しかしながら、相続税法第22条は、相続税の課税価格の計算上、控除すべき債務の金額は相続開始時の現況により評価する旨規定しているところ、無利息債務を承継した相続人は、利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまでの間享受することとなり、その享受する経済的利益の相続開始時における現在価値に相当する額だけ相続により取得した経済価値の減殺要因が小さくなることから、無利息債務の相続開始時の評価額は、通常の利率と弁済期までの年数から求められる複利現価率を用いて相続開始時の経済的利益の額を算出し、無利息債務の元本額からこの経済的利益の額を控除した金額とするのが相当である。本件の場合、当該敷金は、賃貸借期間満了まで返還を要しない長期無利息のものであり、本件相続開始日においてその返還すべき時期が未到来の無利息債務であると認められるから、控除すべき債務の金額の計算上、その元本額から経済的利益の額を控除して評価すべきである。(平23. 2.23 関裁(諸)平22-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220133
- 裁決年月日
- 平成23年1月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するか否かは、当該債権の返済状況、債務者の資産・経営状況等の個別事情を十分に考慮して、法人税法に規定する個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の要件を参考にしつつ判断すべきである旨主張する。しかしながら、法人税における個別評価金銭債権の取扱いは、企業会計の要求に応ずるためのものであり、その目的が相続税法22条《評価の原則》に規定する時価を算定するものではない。また、貸付金の回収が不可能又は著しく困難と見込まれるときとは、その事業経営が客観的に破たんしていることが明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解されるところ、①評価対象法人は現在まで存続して事業を継続していること、②評価対象期の直近の5事業年度とも、相当額の売上高があり、うち4事業年度を除き当期利益を計上していること及び③金融機関からの借入金は、順調に返済がなされていることにかんがみれば、本件相続開始日において、評価対象法人の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められない。(平23. 1.18 東裁(所・諸)平22-133)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220016
- 裁決年月日
- 平成22年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人から相続した法人に対する貸付金債権(本件貸付金債権)について、当該法人は、多額の繰越欠損金があり、財産債務を財産評価基本通達に則して算定すると、債務超過の状態が継続していることから、本件貸付金債権は、回収不可能なものであって、その価額は零円で評価すべきである旨主張する。しかしながら、貸付金債権の価額は、財産評価基本通達204《貸付金債権の評価》及び同通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の各定めに基づいて評価するのが相当と認められるところ、同通達205の定めにより貸付金債権のうち元本の価額に算入しないことができるのは、債務者が手形交換所において取引の停止処分を受けたときなど一定の事由が存する場合又はこれらの一定の事由と同視できる程度に債務者の営業状況等が客観的に破たんしていることが明白であって、貸付金債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといえる場合に該当する必要がある。これを本件貸付金債権についてみると、当該法人に上記一定の事由は存在しておらず、また、当該法人においては、債務超過の状態が継続していたことは認められるものの、本件相続開始日を含む事業年度の前後2事業年度において、約20,000,000円程度の不動産賃貸等収入を計上し、本件相続開始日を含む事業年度及びその前期には、いずれも約5,000,000円程度の営業利益を計上して、事業を継続していることが認められることからすると、当該法人において、営業状況等が客観的に破たんしていることが明白であって、本件貸付金債権の回収の見込みのないことが客観的に確実である場合に該当するとはいえない。したがって、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平22.12.21 広裁(諸)平22-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200173
- 裁決年月日
- 平成21年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・444ページ
要旨
○ 請求人は、本件会社は、営業譲渡後は主たる事業は行っておらず、債務超過の状態が相当期間続き、資産状況及び経営状況が改善される見込みもないことなどから、既に破たんしていることは明白であり、本件相続開始日において、本件貸付金の一部は回収が不能である旨主張する。しかしながら、貸付金の回収が不可能又は著しく困難と見込まれるときとは、その事業経営が客観的に破たんしていることが明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解されるところ、①本件会社は現在まで存続し、出向料収入や不動産の売買による収益があること、②本件会社の借入金債務は、関係会社、本件被相続人及びその親族からの債務が大半であって、返済期限等の定めがないため、直ちに返済を求められる可能性は極めて低く、金融機関等外部からの借入れに比べて有利といえること、③本件会社は、本件相続開始日の直前期において、本件被相続人に対し、借入金の一部の返済をしていることが認められる。そうすると、本件相続開始日において、本件会社の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められないのであるから、請求人の主張には理由がない。(平21. 5.12 東裁(諸)平20-173)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200058
- 裁決年月日
- 平成21年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が出資していた株式会社及び有限会社に対する貸付金の評価について、①被相続人が各法人の唯一の株主又は社員でかつ代表者であること、②各法人の長期借入金の借入先が被相続人のみであること、③本件貸付金には返済期限等の定めはなく、実際の返済も不規則で借入れと返済を繰り返していることから、各法人は実質的に被相続人の事業の一部にすぎず被相続人と経済的に一体であり、財産評価基本通達が適用できない特別な事情がある旨主張する。しかしながら、法人の長期借入金に係る債権者が債務者法人の唯一の株主又は社員でかつ代表者であること、当該債権者が当該法人の長期借入金に係る唯一の債権者であること又は当該債権者に係る借入金に弁済期の定めがないことのいずれによっても債権者としての地位に変動をもたらすこととなる旨の法令の規定はなく、上記①ないし③の事実をもって本件各法人の資産及び負債が被相続人自らの資産及び負債となる法的根拠は見当たらない上、被相続人が本件各法人の不動産賃貸業に係る利益を自己の不動産所得として申告しているわけでもなく、被相続人は、本件各法人から不動産賃貸料及び給与の支払を受け、本件各法人は、これらを経費としている事実に照らせば、被相続人と本件各法人が経済的に一体であるということはできない。したがって、請求人の主張は採用できず、本件貸付金の価額は、財産評価基本通達の定めに基づいて評価するのが相当である。(平21. 3.16 大裁(諸)平20-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200052
- 裁決年月日
- 平成21年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、乙社及び丙社は、債務超過の状態で、本件相続の開始時には事実上倒産状態にあり、本件貸付金は、本件相続の開始時において回収不能の状態にあったといえるから、その評価額は零円とすべきである旨主張する。しかしながら、乙社及び丙社は、資産状況が債務超過で、営業状況が赤字であったとしても、直ちに事業経営が破たんするような状況ではなく、本件相続開始日において事業活動を継続していることからすると、両社の事業経営が客観的に破たんしていることが明白で、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められない。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200130
- 裁決年月日
- 平成21年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が有する貸付金は、その回収が定期的かつ長期的になるから、相続税法第24条に規定する有期定期金にほかならない旨主張する。しかしながら、相続税法第24条は定期金給付契約に関する権利を評価する規定であるところ、当該貸付金は、金銭消費貸借契約に基づく貸付金債権であるから、権利内容の異なる有期定期金として評価すべき理由は認められない。また、当該貸付金について、財産評価基本通達204及び205に定める方法により評価すべきでない特別の事情も認められない。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平21. 2.23 東裁(諸)平20-130)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200130
- 裁決年月日
- 平成21年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が同族会社の従業員甲に対して有する貸付金は、相続開始日における甲の財産状況が債務超過の状態であり、その全財産を処分しても貸付金の一部につき一時に回収することができない状況にあるから、その債務超過部分については、財産評価基本通達205の適用がある旨主張する。しかしながら、債務の支払は、債務者の財産、信用、労働力を総合的に活用してなされるものであるところ、一般に、債務者に、多額の債務があり、債務超過の状態にあったとしても、返済条件に従った返済が行われている限り、債権者から繰り上げ弁済を求められることはなく、債務の支払を継続することは可能であるから、単に債務超過の状態にあることをもって、債務超過相当額につき財産評価基本通達205の適用があるということはできない。また、甲は、①相続開始日の当時、年間700万円弱の給与収入を得ており、定年まで20年程度同族会社に勤務することが可能であって、その間経常的な給与収入が見込まれ、②更に、勤務する同族会社に退職給与規定はないものの、前例に照らすと、その退職時には勤続期間等を考慮した退職金の支給も見込まれ、③加えて、当該貸付金は、甲所有の居宅に設定された抵当権により担保されている。これらの事情に照らせば、たとえ相続開始日における甲の資産及び負債の状況が、請求人ら主張額のとおり債務超過状態であったとしても、その資産状況及び支払状態が破たんしていて、貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとはいえないから、当該貸付金については、財産評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当すると認めることはできない。(平21. 2.23 東裁(諸)平20-130)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成20年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金融業を営む同族会社(以下「本件会社」という。)に対する貸付金債権(以下「本件貸付金」という。)については、その一部が相続開始前に消滅しており、その額を把握することができないため、本件会社が有する貸付金の回収可能額と所有不動産の相続税評価額との合計額によって評価すべきであると主張する。しかしながら、本件貸付金について、相続開始日前に既に一部が消滅していた等の事実は認められないこと、及び本件貸付金については無利息とされていたと認められることから、本件貸付金の元本の額と認められる本件会社の残高試算表の短期借入金勘定の残高により評価することが相当である。(平20. 4.1 仙裁(諸)平19-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190130
- 裁決年月日
- 平成20年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、甲社に対する貸付金債権の回収可能性について、甲社は乙社と一体化した組織形態をもって運営されていたのであるから、両社の債権債務を合算したところで判断すべきであり、両社の債権債務を合算すると大幅な債務超過となるため、当該貸付金債権について回収可能性はなかった旨主張する。しかしながら、甲社と乙社は出資者が同一であるものの、両社の間には資本関係はなく、法律上別個独立した存在であり、法的にはそれぞれが有する債権債務関係について、他の一方が責任を持つべき関係にはないことが明らかであり、両社の債権債務を合算して、甲社に対する貸付金債権の回収可能性を判断すべき合理的な理由は見出せない。そして、甲社の資産状況及び経営状況をみると、相続開始日において、資産状況及び経営状況が客観的に破綻していることが明白であって貸付金債権の回収の見込みがないことが客観的に確実であったと認めることはできない。(平20. 3.14 東裁(諸)平19-130)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190038
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金の回収可能性は、貸付先の事業継続を困難ならしめる主要な資産の売却をせずに返済できる能力で判定すべきであり、その返済能力は、通常の営業活動による利益に減価償却費の金額を加えた金額で考えるべきであるところ、本件貸付金の貸付先である同族会社における当該金額からみて、その返済する能力はないから、本件貸付金の評価額は零円となる旨主張する。しかしながら、債務者が弁済不能の状態とは、一般には、債務者が手形交換所において取引停止処分を受けたとき、会社更生手続若しくは民事再生手続の開始の決定があったとき、又は事業閉鎖等があったことその他債務超過の状態が相当期間継続しながら、他から融資を受ける見込みがなく、再起のめどが立たないなどの事情により、営業状況、資産状況が破綻していることが明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときをいうものと解されており、当該同族会社にはこのような事実関係は認められないから、利息についての定めのない本件貸付金の価額は、元本の価額となる。(平20. 3. 4 大裁(諸)平19-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190050ほか 4件
- 裁決年月日
- 平成19年10月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・274ページ
要旨
○ 貸付金債権の評価については、財産評価基本通達に定められた評価方法を画一的あるいは形式的に適用することによって、実質的な租税負担の公平を著しく害し、相続税法あるいは財産評価基本通達自体の趣旨に反するような結果を招くというような特別な事情がない限り、財産評価基本通達204、205の解釈に照らして判断するのが相当である。 請求人は、貸付金債権について、債務者である法人の株式の評価額が零円であること及び当該法人が返済資力を持たないため回収が不可能であることから、その評価額が零円である旨主張するが、株式の評価額が仮に零円であったとしても、それは相続税の財産評価において会社の株価が算出されないことにすぎず、貸付金債権が回収不能等によって無価値であるということを直接示すものではない。 また、本件の貸付金債権は、本件A会社及び本件B会社の2社に対するものであるところ、本件A会社は、相続開始前から事業を休止しているものの、相続開始後においても法人税の確定申告書を提出し、その資産及び負債の存在を明らかにしており、当該申告書に記載された資産及び負債については、そのすべてが存在しないものであるとはいえないから、その存在する資産の額を限度として債権に対する弁済を受けることができるというべきであり、同社を貸付金債権の返済資力のない会社であるということはできない。 さらに、本件B会社については、①被相続人所有の賃貸用不動産の管理料及び転貸料を収入源とする会社であって、当該賃貸用不動産の存する限りは事業の継続が見込まれること、②相続開始日の属する同社の事業年度の決算期には、欠損金額を上回る役員報酬を計上していることなどを総合勘案すれば、相続開始日において、同社の事業経営が客観的に破たんしていることが明白で、貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められない。 以上のとおり、請求人のいずれの主張も、上記特別な事情とは認められないから、本件の貸付金債権の評価は、財産評価基本通達204、205の解釈に照らして判断するのが相当である。(平19.10.24 東裁(諸)平19-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190046
- 裁決年月日
- 平成19年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・414ページ
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件貸付金の債務者である同族会社について、「①同社は、年商の約8倍もの銀行借入金を有していること、②返済期限の迫っている銀行借入金を返済する原資を有しておらず、賃貸用建物の売却代金をもってしても当該銀行借入金を完済することができなかったこと等から判断して、同社の事業経営は事実上破たんしていたといえるから、本件貸付金は回収不能債権と認められ、評価額は零円である」旨主張する。 しかしながら、①一般的に収入に比し借入金等の負債の額が大幅に上回る会社は多数存在しているが、たとえ、借入金額が多額であっても返済条件に従った返済が行われている限り、債権者がそれ以上の返済を求めることはなく、事業経営を継続することは可能であり、同社の銀行借入金については、本件相続開始日において返済期限は到来しておらず、かつ、過去において、その返済が滞ったことはなく、銀行から臨時弁済を求められた事実はないことから、借入金額が多額であることをもって、同社の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であるとまでいうことはできないこと、②同社は、収入は年々減少しているものの、本件相続開始後も解散するまで営業を継続している状況であり、一般的に売上高が減少し営業収入が赤字であっても直ちに事業経営が破たんするわけではなく、このような状況でも事業を継続している企業は多数存在するから、収入が減少していることをもって、同社の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であるとまでいうことはできないこと、③本件においては、相続開始後に同社所有の賃貸用建物が、同社から、同社の代表取締役である審査請求人の一人に譲渡され、同日にその譲渡代金をもって銀行借入金が返済されたこと及び、その結果、同社は主たる財産及び収入の手段がなくなったため、その後に解散し清算結了したものであることから、当該賃貸用建物の譲渡がなされた日をもって事業経営が破たんしていることが客観的に明白となったものと判断するのが相当である。 そうすると、本件貸付金については、本件相続開始日において、財産評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当していた事実は認められない。(平19.10.10 東裁(諸)平19-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180096
- 裁決年月日
- 平成19年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、債務者の営業状況等からみて債務者は客観的に破綻していることが明白ではないから、本件貸付金の回収が不可能又は著しく困難とは認められない旨主張する。しかし、債務者の財産状況を調査したところ、著しい債務超過の状況にあり、900万円程度の経常的収入があるものの、全額を本件貸付金の返済に充てたとしても返済完了までに100年に近い期間を要し、また、債務者の不動産には被相続人が仮登記を設定しているが、当該不動産には根抵当権が設定されており、その被担保債権の額が不動産の時価を大幅に上回っていることから、不動産が換価処分されても配当が見込まれない。したがって、財産評価基本通達204及び205の定めに基づき本件貸付金の価額は零円とするのが相当である。(平19. 6.29 大裁(諸)平18-96)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180068
- 裁決年月日
- 平成19年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・442ページ
要旨
○ 請求人は、定期借地権契約等に基づいて預託を受けている保証金債務等について、その全額を債務控除すべきである旨主張する。 しかしながら、相続税の課税価格の計算上、控除すべき債務の金額は、その時の現況により評価することと規定されており、本件各保証金等は長期無利息であることから、これを承継した相続人は、通常の利率による利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまでの期間享受することとなり、その享受する経済的利益の相続開始時における現在価値に相当する額だけ相続により取得した経済的価値の減殺要因が小さくなることから、本件各保証金等の相続開始時の評価額は、通常の利率と弁済期までの年数から求められる複利現価率を用いて相続開始時現在の経済的利益の額を計算し、無利息債務の元本額からこの経済的利益の額を控除した金額とするのが相当である。(平19. 4.26 関裁(諸)平18-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180118
- 裁決年月日
- 平成18年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した被相続人の同族会社に対する本件貸付金等は、相続開始当時、同社は一見営業活動を行っているものの、実質的に破たん状態であり、回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるため、財産評価基本通達205に該当し評価額は算出されないから相続税の課税価格に含まれない旨主張する。 しかしながら、①同社は金融機関に対する借入金の返済について履行遅滞となった事実も強制執行等の手続を受けた事実もないこと、②同社は債務超過が継続しているとは認められるものの、相続開始後も破たんすることなく現実に営業を継続をしていること、③メインバンクは貸付金の返済条件の変更を認めているものの、その他に保証債務の履行を求めることもなく取引を継続しており、相続開始から約2年後には追加融資も認めていること等から、債務者の資産状況及び営業状況が客観的に破たんしていることが明白であり、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実とまで認めることはできない。 したがって、本件貸付金等は財産評価基本通達205に定める貸付金に該当しない。 (平18.12.22 東裁(諸)平18-118)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180023
- 裁決年月日
- 平成18年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、課税時期後であるが、申告済の貸付金について返還請求訴訟を提訴の後、和解が成立し、160回ないし171回の月払いで分割回収することになったから、当該貸付金は、財産評価基本通達205に該当し、課税時期の5年後以降に回収することとなった部分は、回収が不可能又は著しく困難な状況に該当し、当該貸付金の元本に算入しなくてもよい旨主張する。 しかしながら、当該通達の適用の可否は、課税時期を基準に判断すべきであり、当該債務者は、課税時期において、事業活動を継続し、借入金の返済も滞っておらず、債権者から強制執行の申立て等を受けた事実もないから、その経営は客観的に破綻していないのであって、本件債権の回収が不可能又は著しく困難な状況であったとは認められないから原処分は相当である。(平18.12.11 広裁(諸)平18-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170170
- 裁決年月日
- 平成18年5月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件相続開始時に債務者(法人)が客観的に破たんしていることが明白であって、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとまでは認められず、同日において本件貸付金の一部が回収不可能であったとは認められないと主張する。 しかしながら、①債務者は債務超過及び大幅な赤字営業の状態が相当期間続いている上に、それらの状況が飛躍的に改善される見込みがないと認められること、②債務者の事業活動が維持されたのは関連法人の無制限な資金援助によるものであると認めれることからすれば、営業活動は継続しているものの債務者の営業状況、資産状況は極めて危機的な状況にあったと認められる。また、本件営業譲渡は、①取引銀行の強い申し入れにより行われたもので、その意向が強く反映されており、し意性がないと認められること、②遅くとも平成13年12月ころには、本件貸付金を営業譲渡対象外とすることが計画されていたこと、③債務者において、本件相続開始日の2月前の平成15年2月の株主総会及び取締役会で営業譲渡、解散の時期を平成16年2月期中とすることが決定されたことからすれば、債務者は、本件貸付金を営業譲渡の譲受会社に引き継がずに営業譲渡し、解散・清算することが事実上、平成15年2月には確実であったと認められる。 以上のことから、資産状況、営業状況が危機的状況にあった債務者は、本件相続開始日において、本件貸付金を除いた営業用の資産・負債を譲受会社に対し、営業譲渡し、解散・清算することが確実であったのであるから、同日における本件貸付金の客観的価値は、債務者の営業譲渡見込額及び残余財産見込額を合理的に算出した場合の本件貸付金の配当見込相当額にとどまるというべきであり、すなわち、本件貸付金の一部は、同日において、回収の見込みのないことが客観的に確実であったというべきである。(平18. 5.12 東裁(諸)平17-170)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170114
- 裁決年月日
- 平成18年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、債務者法人は、相続開始日以前から、資産状況は債務超過で、営業状況は赤字であり、これらの状況は、相続開始日後も解散するまで改善できず、貸付金債権の返済原資を得るに至らなかったことは、相続開始日において、貸付金債権等の回収が不可能又は著しく困難であった旨主張する。しかしながら、貸付金債権等の回収が不可能又は著しく困難か否かの判定は、単に資産状況が債務超過で、営業状況が赤字であるという事情のみでなく、債務者法人の事業経営が破たんしていることが客観的に明白な状態であることを要するものとされているところ、①資産状況が債務超過で、営業状況が赤字であっても、直ちに、事業経営が破たんするわけでなく、このような状況でも、事業を継続している企業は存すること、②現に、債務者法人は、相続開始日後も、その解散まで事業所を閉鎖することなくその事業を継続していること、③債務者法人は、相続開始日において、新規事業を開業して、僅か1年9ヶ月しか経過しておらず、その事業収入は増加傾向にあったこと、④債務者法人は、解散するまで、主たる取引金融機関との間で当座貸越を受けるなど正常な当座取引を継続していること、⑤債務者法人の主たる債務である役員等借入金については、返済期限及び金利の定めがないことから、特に経営を圧迫していた事実はないことなどから、相続開始日において、債務者法人の事業経営が破たんし、将来においても、事業再建の見通しがない状態にあったということはできないと認めるのが相当であり、貸付金債権等が、財産評価基本通達205に定める回収が不可能又は著しく困難である貸付金債権等に該当するとは認められない。(平18.2.16東裁(諸)平17-114)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170114
- 裁決年月日
- 平成18年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、債務者法人が、国税通則法第23条第1項に規定する更正の請求の期間内である相続開始日から1年9か月という極短期間に解散し、その結果、貸付金債権等の回収が不可能となったことは、相続開始日においても、貸付金債権の回収が不可能又は著しく困難であったと判断すべきである旨主張する。しかしながら、債務者法人が、当該期間内に解散し、貸付金債権等が回収不可能となったことをもって、直ちに、貸付金債権等が相続開始日においても回収不可能又は著しく困難であったとする請求人の主張は、法令及び通達の規定等に基づかない独自の見解と言わざるを得ず、また、貸付金債権等の回収が不可能又は著しく困難か否かは、相続開始日において、債務者法人の事業経営が破たんしていることが客観的に明白である状態にあったか否かで判断すべきである。(平18.2.16東裁(諸)平17-114)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成18年1月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、事業用定期借地権が設定された土地に係る本件敷金の一部が相続開始時において未収となっている場合には、当該未収敷金に係る経済的利益を債務の金額から控除することなく、未収敷金全額を債務控除できる旨主張するが、本件敷金は、当該借地権設定契約が終了するまで賃貸人において返還を要しない無利息のものであることから、本件敷金に係る債務控除の額は、通常の利率と本件相続開始日から本件返還期日までの期間から求められる複利現価率を用いて本件相続開始日現在の経済的利益の額を計算し、本件敷金からこの経済的利益の額を控除した金額とするのが相当である。(平18.1.31仙裁(諸)平17-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の本件法人への貸付金について、本件法人が、本件相続開始日において債務超過の状態が相当期間継続しており、かつ、銀行借入金の返済が滞るなど資力喪失の状況であったため、借入先である本件取引銀行等から追い貸しを受けながら、かろうじて事業を継続していた状態にあり、事実、相続開始直後に廃業していることから、本件貸付金は回収の見込みがなかったことは明らかであり、財産評価基本通達205により、その評価をするに当たって、元本の価額に算入しないのが相当である旨主張する。しかしながら、本件相続開始日の属する平成13年7月期以前の数年間の決算においては損失を計上しているものの、その経営状態が悪化傾向にあった形跡は認められず、本件相続開始日前に、破産、和議等の手続が開始されたこともなく、事業を閉鎖した事実もない。また、その後、本件法人が廃業したのは、請求人らの事情によるものであり、本件取引銀行等からの借入金に対する各返済状況等からみても、本件相続開始日前に融資を受ける見込みがないほどの経営状況にあったとは到底いえず、本件相続開始日において、法律上あるいは事実上、債権の回収ができない状態にあるとは認められない。したがって、本件貸付金は、財産評価基本通達205により、その評価を行うに当たって、元本の価額に算入しないとすることはできないというべきである。(平17.12.20名裁(諸)平17-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成17年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、被相続人から相続により取得した本件貸付金の貸付先法人の資産及び負債を時価評価すると所有不動産の相続税評価額の下落により大幅な債務超過となっていることなどから、本件貸付金につき、財産評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件貸付金の貸付先法人は、①本件相続の開始の前後を通じ、継続して事業を行っていること、②本件相続の開始の前後の決算期において当期利益を計上していること、③本件相続の開始時を含む事業年度の帳簿価額では、貸付先法人は債務超過となっていないこと及び④本件相続の開始の前後の事業年度において本件貸付金以外の債務を返済していることなどから、貸付先法人は、債務超過の状態が相当期間継続しているとはいえず、事業活動を継続しており、弁済が不能の状態にはなかったと認められる。したがって、本件貸付金の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれないことから、原処分は適法である。(平17.9.1関裁(諸)平17-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160144
- 裁決年月日
- 平成16年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が経営する同族会社に対する貸付金債権を、相続税の課税価格に算入して申告したが、その後、同債権は、同社の決算書には記載があるが、実体がなく、また、仮に実体があるとしても同社は事実上破たんしており、同債権の回収ができない状況にあると主張し、更正の請求をした。しかしながら、①同債権は、決算書に記載されているだけでなく、同社の総勘定元帳に記載があり、また、被相続人は、同総勘定元帳に基づき、自己が経営する同社の法人税確定申告においても、毎期、自ら同債権があることを認め、同債権の金額を記載し、申告していたこと、②同社は、相続開始日が属する平成14年7月期の資産の額が負債の額を上回っており、本件相続開始日において、債務超過の状態が長期間継続している事実も認められないことに加え、相続開始日以降も事業を継続しており、平成14年7月期以降の売上高は増加し、平成16年7月期の所得金額は黒字となっていることからすれば、同債権は、本件相続開始日において、その回収が不可能又は著しく困難であったとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平16.12.9東裁(諸)平16-144)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160019
- 裁決年月日
- 平成16年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の債務控除において、本件土地の定期借地権設定契約に際して預託された保証金の返還債務の評価に当たり、保証金の元本金額から控除する経済的利益の額の算出に用いる利率について、その利率を相続開始時点における長期国債(10年)の約定利率1.8%とすべき旨主張し、一方、原処分庁は、財産評価基本通達27−3との均衡上、同通達4−4に基づき、平成12年分の基準年利率4.5%とすべき旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、平成12年分における債務控除の評価に用いる利率は、原処分庁が主張する4.5%であるとは言い難く、相続開始月以前10年間の長期プライムレートと長期国債(10年)の応募者利回りの平均である年3.9%とするのが相当である。(平16.10.19大裁(諸)平16-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150072
- 裁決年月日
- 平成16年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・589ページ
要旨
○ 請求人らは、請求人らが、被相続人に代わってポケットマネーから納付した固定資産税等(以下「本件立替金」という。)は、証拠として提出した確認書の記載にもあるとおり、被相続人の債務であるから、相続財産から控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人名義の預金口座の取引状況を調査したところ、当該口座は、被相続人が受給していた年金の受取口座であり、請求人らからの入金は認められないこと、及び本件立替金は、当該口座から振替納付されていることなどから、請求人の主張は明らかに事実と相違しており、本件立替金に関する請求人の主張は認められない。(平16.4.12大裁(諸)平15-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150159
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、会社の役員である被相続人が当該会社に対する貸付金債権に係る利息について、取締役会において当該貸付金債権の利息を約定し、その約定に基づき1回の利息支払があり、その後に当該貸付金債権を無利息にするとの約定がないことから、当該貸付金債権が無利息になった事実が認められない旨主張する。しかしながら、会社の帳簿に支払利息等の計上がないこと及び会社の役員の答述等からすると、被相続人より会社に対し無利息とするとの申出があり、当該会社においてその申出を了承したものと認められるので、当該貸付金は、無利息に変更されたとするのが相当である。したがって、本件更正処分等の全部を取り消すべきである。(平16.1.29東裁(諸)平15-159)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150035
- 裁決年月日
- 平成15年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件貸付金の貸付先法人は6か月以上休業状態であり、事業再開の見込みはなく、また、鑑定評価額で本件家屋及び本件借地権を評価して貸付先法人の出資を評価すれば債務超過であるから、財産評価基本通達205に定める貸付金に該当する旨主張する。しかし、同通達205に定める貸付金に該当するというには、債務者の営業、資産状況等が客観的に破綻していることが明白で、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実であるといい得ることが必要であると解されている。よって、貸付先法人が6か月以上休業状態であることをもって、直ちに同通達205に定める貸付金に該当するということはできない。また、貸付先法人の本件家屋及び本件借地権を鑑定評価額で評価する合理的理由はなく、純資産価額方式により貸付先法人の出資を評価すれば、資産の額が負債の額を大きく上回っており、貸付先法人の資産状況が客観的に破綻していることが明白であるとは認められず、本件貸付金を回収する見込みがないことが客観的に確実であるということはできないから、本件貸付金は同通達205に定める貸付金に該当しない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.12.19関裁(諸)平15-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150013
- 裁決年月日
- 平成15年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①被相続人の関係同族法人に対する貸付金については、法人の会計処理が正しくないことから、相続開始日における法人の帳簿残高によって貸付金としたことは貸付金を過大に認定していること、仮に、貸付金の額が正しいとしても、当該法人の経営状況及び将来性を考慮すると、財務状況が悪化して債務超過となり、本件貸付金の回収可能性はないことから、その評価は零である旨主張し、また、②個人に対する貸付金は、被相続人が生前に債権放棄しているから、相続開始日には存在しない旨主張する。しかしながら、①請求人の提出した調査書によっても、帳簿残高が誤りであることは確認できない上、その他、個別・具体的に確認できる証拠資料等の提出もないこと、相続開始日後の事業年度には請求人は代表取締役に就任し、当該貸付金は請求人に名義変更されていること等を考え合わせると、帳簿残高により請求人が相続したものと認められる。また、当該法人は相続開始日を含む事業年度は事業活動を行っており、当期利益、申告所得金額とも黒字であり、営業状況、資産状況等が客観的に破たんしていることが明白であるとは認められず、しかも債権の回収見込みのないことが客観的に確実であるとも認められないから、財産評価基本通達205に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると認められるとき」に該当しないというべきである。②個人に対する貸付金は、債務者の答述等によれば、被相続人が債権放棄したとは認められず、また、請求人からも被相続人が生前中に債権を放棄したとする具体的な証拠資料等の提出がないことから、相続開始日において存在するものと認められる(平15.10.3名裁(諸)平15-13)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族法人の関連各社が民事再生法の再生手続開始の決定を受け、請求人の本件貸付金が消滅したこと及び請求人は、相続後に確定した保証債務の履行を行ったことから負債が財産を上回り、完全に資力を喪失した状態となっており、本件貸付金を相続財産から除外すべきである旨主張する。しかしながら、本件相続開始時において、請求人が取得した財産の価額から本件貸付金に係る貸付金債権の価額及び債務控除額を差し引いてもなお約2億6千万円の財産があり、請求人には本件相続開始年度において経常的な所得が約21,000,000円あることからすれば、本件貸付金の弁済が不可能とは認められないこと及び請求人は破産の宣告を受けたことがなく、請求人が債務保証をしていた関連各社が民事再生決定を受けたのは本件相続開始時から2年半後であることからすると、本件相続開始時において資力喪失の状態であったとは認められず、本件貸付金は、財産評価基本通達205に定める貸付金債権の価額に算入しない場合には当たらない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.09.高裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金銭消費貸借契約証書においては借主が請求人となってはいるが、その実質は、同族法人が借りたもので、当該法人は、本件相続開始以前から債務超過の状態が続いており、当該貸付金は事実上回収不能の状態であった旨及び本件貸付金は、当該法人の民事再生法による再生手続き開始の決定により当該法人の特別利益となったため、原処分時には、これに相続税を課税することは不可能であることから、本件貸付金を相続財産から除外するべきである旨主張する。しかしながら、本件金銭消費貸借契約証書、当該資金の流れ、当該法人の総勘定元帳及び当該法人の法人税の確定申告書に本件貸付金が請求人からの借入金と記載されていること等からすると、本件貸付金の債務者は請求人であると認めるのが相当である。なお、当該法人に対して本件相続開始後2年半して行われた民事再生法による再生決定は、本件における取得した財産の価額の評価に影響を与えるものではない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.09.高裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140022
- 裁決年月日
- 平成15年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が行った土地の譲渡に係る未決済金額(以下「本件未収入金」という。)は、相続後における相続人と債務者との話合いにより本件未収入金を放棄の上、本件土地を500万円で買戻すことにしたものであり、また、土地の譲受人(債務者)が自己破産していることから、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める回収が不可能又は著しく困難と見込まれる貸付金債権等に該当し、相続財産たる貸付金債権等の元本の価額に算入すべきではないと主張しているものと認められる。しかしながら、原処分調査関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、①相続開始日において本件土地上に6,200万円の抵当権が設定されていること及び本件土地の買戻し契約において、本件未収入金の額が6,200万円であることを請求人甲と債務者との間で確認していることから、本件未収入金の額は6,200万円であると認めるのが相当であり、そして、②当該抵当権は、相続を理由に権利者を請求人甲とする移転登記がなされていること及び本件土地の買戻し契約によると、本件土地の価額は6,700万円であることから、本件未収入金は抵当権によってその全額が担保されていると認めるのが相当であり、また、③債務者は破産宣告を受けておらず、相続開始日前後においても事業を営んでいること、④本件未収入金は、本件土地の買戻し代金の一部として相殺、回収されていること及び⑤被相続人が債権放棄していたとの事実も認められないことから、本件未収入金が財産評価基本通達205に定める回収が不可能又は著しく困難と見込まれる貸付金債権等に該当するとの請求人の主張は認められない。(平15.03.17.高裁(諸)平14-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140099
- 裁決年月日
- 平成14年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・469ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件代償債権(被相続人が、審査請求人Aを債務者として、第一次相続で取得した代償分割に係る債権)は、返済期限等の定めがなく、Aには経常的な所得が年間約1000万円前後あるので、回収不可能とはいえない旨主張する。しかしながら、債務者Aが、仮に年間所得金額の全額を代償債務の返済に充てたとしても返済完了まで55年の期間を要することから、とうてい本件代償債権の全額が回収可能である債権であるとはいえない。したがって、財産評価基本通達205の定めに基づき、相続開始時における債務者Aの純資産価額を限度とし、その資産の価額を超える部分については本件代償債権の元本に算入しないとすることが相当である。(平14.11.28.東裁(諸)平14-99)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が取締役であった同族法人に対する貸付金債権等について、本件法人は著しく債務超過の状態であり、返済能力を有していなかったことから、財産評価基本通達205に定める回収が不可能又は著しく困難であった債権等に該当し、取得財産の価額にも含めるべきでない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達205における、貸付金債権等の元本の価額に算入しない場合とは、債務者の営業状況、資産状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときを指すものということができるところ本件法人は、①被相続人が取締役の同族会社であること、②債務超過の状態が継続しているとはいえ、主たる債権者である金融公庫及び銀行からの借入金を遅滞することなく返済していること、③本件相続開始日以後も継続して事業活動を行い、家賃収入等を得ていること、④本件貸付金債権等以外の債務について、本件相続開始日前後においても返済されていること、⑤被相続人の生存中に債権放棄の通知を受けていないこと、⑥本件相続開始日後において金融機関から借入れを行い債務の返済に充てていることが認められることから、本件貸付金債権等について返済能力を有しておらず、回収が不可能又は著しく困難であったとは認められない。(平14.11.19.高裁(諸)平14-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140009
- 裁決年月日
- 平成14年7月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人が定期借地権の設定に伴って預かった保証金について、相続人である請求人は、相続開始後、当該定期借地権が設定された土地を物納に供するため当該保証金を借地人に全額返還したことから債務控除すべき額は返還した保証金全額である旨主張する。しかしながら、請求人が当該保証金を返還したのは相続開始後であり、相続開始時において当該保証金の返還債務は確定していたものではなく、相続開始時において確定していた債務は当初の定期借地契約において定められている50年後の全額返還であり、控除すべき債務の額は、通常の利率による利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまで留保される毎年の経済的利益の相続開始時における現在価値を当該保証金の額から差し引いた価額とするのが相当である。なお、本件における通常の利率は、統一的な指標となり得る長期金利等を基準として求めるのが相当であり、当該利率は長期国債の応募者利回りと長期プライムレートの本件相続開始日以前10年間のこれらの平均値を基に評価の安全性に配慮して年4.5%とするのが相当である。(平14.07.22.東裁(諸)平14-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130098
- 裁決年月日
- 平成14年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、債務者に売上げが計上され、当期利益があることから、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実でないと主張するが、債務者は赤字決算と債務超過の状態が継続しており、倒産直前期にごくわずかの当期利益はあるものの、営業規模は大幅に縮小され、借入金は減少していないにもかかわらず支払利息が急減していることからみても、その営業活動が悪化していることは明らかであり、また、貸金業に係る貸付金に異動はないこと、事業活動に係る基本的な経費である人件費の計上がなく、売上げは全て親会社に対するものであること等からすると、営業活動の実態はほとんどなかったものと認められる。以上のことからすれば、債務者は、一見、営業活動は継続しているものと認められるものの、その実態は極めて危機的な状況であったというべきであるから、その回収は著しく困難と認めるのが相当であり、本件貸付債権は財産的価値がなかったものと判断するのが相当である。(平14. 6.28関裁(諸)平13-98)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130078
- 裁決年月日
- 平成14年5月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が物上保証人(根抵当権設定者)兼連帯保証人として行った本件保証について、債務控除の対象となる金額は、保証に係る極度額である980000000円のうち申告において債務控除した金額780000000円を認めるべきである旨主張し、原処分庁は、本件保証の極度額全額の履行となるかどうかは不確実な状況にあるが、担保に提供した土地建物については、主たる債務者の債務に充てられることが確実と認められるので、本件土地建物に係る財産評価額448925466円までは債務控除できる旨主張する。しかしながら、被相続人の物上保証に係る負担限度額は、根抵当権設定に係る本件土地建物の財産評価額である448925466円と認められ、一方、被相続人の連帯保証に係る負担限度額は、連帯保証人相互間において保証に際しての負担部分の特約が存在しないこと及び連帯保証人のうちに償還する資力のない者がいる場合には、その償還資力のない者の負担部分も他の連帯保証人の間で分割負担することを考慮すれば、590000000円と認められる。そうすると、本件保証債務について、債務控除すべき債務の額は、連帯保証に係る負担限度額の590000000円と認めるのが相当である。(平14. 5.17関裁(諸)平13-78)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130027
- 裁決年月日
- 平成14年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・576ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の申告に当たり同族法人に対する貸付金を申告していたが、これを相続税の申告期限前の当該法人の決算時において一部受贈益として確定させたものであるから、この部分に関してはその回収が不可能なことは動かしがたい事実である旨主張するが、債務者が弁済不能の状態にあるか否かは、一般には、破産、和議、会社更正あるいは強制執行等の手続開始を受け、又は事業閉鎖、行方不明、刑の執行等により、債務超過の状態が相当期間継続しながら、他から融資を受ける見込みがなく、再起の目途が立たないなどの事情により、事実上債権の回収が不可能又は著しく困難な状況であることが客観的に認められるか否かにより判断すべきと解されるところ、当該法人は、本件相続の開始日当時、赤字申告が続いていた事実は認められるが、債務超過の状態が継続していた事実は認められず、事業活動を継続しており、事業閉鎖等の事実、会社更正又は強制執行の申立て等を受けた事実はなく、弁済不能の状態にあったとは認められない。また、回収不能の判断時期は、相続開始時であるから、本件相続の開始時点において、貸付金の回収が不可能又は著しく困難な状況であると認められない以上、相続開始後に起きた事実等に基づいて、貸付金の価額の評価が左右されるものではない。(平14. 2.26広裁(諸)平13-27)裁決事例集NO63・576ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130011
- 裁決年月日
- 平成13年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、定期借地権の設定に伴い地主である被相続人が預託を受けた保証金は、賃貸借期間満了後は全額を返還すること、将来受けるかもしれない不確実な経済的利益は考慮すべきではないことから、当該保証金の全額を債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該保証金は相続開始日において弁済期末到来の金銭債務であることから、相続開始日現在における控除すべき債務の価額は、相続開始日以後弁済期までの間に地主に生ずるものと認められる経済的利益相当額を控除した金額とするのが相当である。したがって、当該保証金の価額から、経済的利益相当額を控除した価額を債務の価額として更正処分を行った原処分は適法である。(平13. 8.29名裁(諸)平13-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120111
- 裁決年月日
- 平成13年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各保証金は、本件相続開始の時における現況において、その返還期限を本件各契約の終了期限とする本件相続開始時における残存期間が24年及び17年と長期の無利息債務であることから、原処分庁が、金融市場における長期貸出金利の平均に着目して、長期プライムレート及び長期国債応募者利回りの平均を通常の利率の参考としたことには合理性がある。そして、原処分庁が通常の利率として年6%と算定したことについても、平成6年当時において、過去10年間の長期プライムレート及び長期国債の応募者利回りの平均がおおむね6%であったことによるものであること、平成5年以降金利の低下傾向が続いており、本件相続開始時の長期プライムレート及び長期国債の利回りはいずれも6%を下回っていることは認められるものの、本件相続開始の時においては、この低金利傾向が構造的に定着したものとはただちに断言できないこと、及び課税庁が通常の利率として年6%を採用することとしてから1年3か月余しか経過していないことを併せ考慮すると相当と認められる。(平13.6.15関裁(諸)平12−111)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120037ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成12年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の関係同族会社に対する貸付金債権について、相続開始当時に同社が債務超過の状態にあり、倒産状態にあったから回収不可能というべきであり、相続財産から除外すべきであると主張するが、同社は、相続開始後も事業所を閉鎖することなくその事業を継続しており、金融機関からの借入金も減少し、当該金融機関と正常な取引が継続していることなどから、相続開始日において同社が倒産状態にあったとは認められず、また、他に請求人の主張を認めるに足る証拠もないので、上記債権を相続財産であると認定した原処分は相当である。(平12.12.18大裁(諸)平12−37)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成12年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・242ページ
要旨
○ 請求人らは、相続税の債務控除において、長期間利息で預託される敷金に係る債務控除額を、敷金の全額とすべき旨主張し、一方、原処分庁は敷金の金額から経済的利益の額を控除して評価した金額とすべき旨主張する。当審判所がこの敷金について検討した結果、事業用定期借地権の設定に係る敷金であり、通常の場合、契約期間満了まで返還義務を免れるのであるから、返還期までの間、無利息であることにより請求人らが通常の利率による経済的利益を享受していることとなり、本件敷金の債務控除額は、請求人らが相続開始の時から契約期間満了日までに享受する経済的利益の額を敷金の金額から控除した金額とするのが相当である。さらに、請求人らは、仮に経済的利益があるとしても経済的利益の額の算出に用いる率を年6%とすることは課税時期の経済状況と合致していない旨主張するので、この率について検討すると、統一的な指標となり得る長期金利等を基準として、弁済期までの金利の動向を考慮して求めるのが相当と解されるから、相続開始月以前10年間の長期プライムレートと長期国債(10年)の応募者利回りの平均である5.23%の端数を切り捨てた年5%とするのが相当である。したがって、年5%の複利現価率を適用し、課税価格を算出したところ、原処分を下回るので、その一部を取り消すべきである。(平成12. 3.28金裁(諸)平11-11)裁決事例集 №59・242ページ
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成12年1月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の債務控除において、長期間無利息で預託される保証金の評価に当たり、保証金の元本金額から控除する経済的利益の額の算出に用いる複利原価率について、その適用利率を年3%とすべき旨主張し、一方、原処分庁は年6%とすべき旨主張する。当審判所がこの適用利率について検討したところ、統一的な指標となり得る長期金利等を基準として、弁済期までの金利の動向を考慮して求めるのが相当と解されるから、相続開始月以前10年間の長期プライムレートと長期国債(10年)の応募者利回りの平均である5.60%の端数を切り捨てた年5%とするのが相当であると認められる。したがって、年5%の複利現価率を適用し、課税価格を算出したところ、原処分を下回るので、その一部を取り消すべきである。(平成12. 1.27金裁(諸)平11-5)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、大蔵省大臣官房金融検査部通達の別添「資産査定について」を根拠として、本件貸付債権に係る債務者は大幅な債務超過が相当期間継続していることから、本件貸付金債権を25%で評価すべきである旨主張する。しかしながら、「資産査定について」は、同通達の資産査定の目的に記載されているとおり、金融機関の保有する資産を個別に検討して、回収の危険性又は価値の毀損の危険性の度合いに従って区分することであり、預金者の預金などがどの程度安全確実な資産に見合っているか、言い換えれば資産の不良化によりどの程度の危険にさらされているかを判断するものであり、相続税の場合の財産評価に適用されるものではないことから、請求人の主張は採用できない。(平成11.11.15仙裁(諸)平11-5)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金債権の回収が平成6年より停止しており、本件貸付金債権に係る債務者は破産宣告や事実上の倒産状態に陥らなくとも回収は不可能又は著しく困難であったことから、評基通205により、本件貸付金債権の回収が不可能と認定されるときは取得財産価額とすべき金額は0円となり、また、貸付金債権の回収が著しく困難であると認定されるときは取得財産価額とすべき金額は28,679,745円となる旨主張する。しかしながら、本件貸付金債権は、評基通205で定めている要件には該当せず、また、本件貸付金債権の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにも該当しないので、本件貸付金債権は評基通204で評価することとなり、そうすると本件貸付金債権の取得財産価額は114,718,983円とするのが相当である。(平成11.11.15仙裁(諸)平11-5)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090006
- 裁決年月日
- 平成10年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人がA社へ送金した金員について、それが貸付金であるとしても、同社は粉飾決算をしており公表以上に債務超過の会社であり、実質的にその返済能力がないことから、相続税の課税価格に算入した原処分は取り消すべきであり、仮にそれが認められないとしても、送金の趣旨等から弁済期が15年後に到来する無利息債権として評価減すべきである旨主張する。しかしながら、A社は、相続開始日において以前と変わらない営業活動を継続しており、また、その事業年度及びその後の事業年度においても、同業者と比較してそん色のない売上高であり、従業員への給与支払も特に問題がなく、金融機関への借入金弁済も約定に従い行っていることなどからして、相続開始時において客観的に債権の回収ができない状況にあったと認定することはできない。なお、請求人の弁済期が15年後に到来する無利息債権とする主張は、被相続人の送金時の状況等から想像したものに過ぎず、他に弁済期を明らかにするもの及び合理的に推認する事情もない以上、債務者の答述等からみて弁済期の定めのない貸付金と認定せざるを得ず、請求人の主張には理由がない。(平10. 3.19金裁(諸)平 9-6)、(平10. 3.19金裁(諸)平 9-7)
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