裁決要旨 6貸宅地
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和4年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した貸宅地(本件土地)の評価について、①本件土地が所在する地域に権利金授受の取引慣行があるか否かは、権利金授受が通常行われているかどうかで判定することとなるところ、当該地域では借地権の取引慣行はあるが権利金授受の取引慣行はない旨、また、②近隣の取引実例を参考にして決めた本件土地の地代は、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(相当地代通達)に定める「通常の地代」であるから、通常の地代を超えない旨主張する。しかしながら、本件土地は、①財産評価基準書に借地権割合が定められており、権利金授受の取引慣行が存在することを推認させる有力な事情があるところ、周辺地域で無償返還届出書及び相当地代改訂届出書が複数提出されていることや、貸宅地を相当地代通達の定めにより評価した相続税の申告も複数されていることを併せ考慮すると、本件土地が所在する地域は、権利金授受の取引慣行がある地域であると認められる。また、②通常の地代を認定できる的確な証拠がないため、原処分庁が採用した相当地代通達に定める相当の地代の額の算定方法に準じて、本件土地の貸宅地に相当する価額の過去3年間の平均額の6%に相当する額として通常の地代の額を算定することには、一定の合理性があって許容されるべきであり、この算定方法によると、実際に収受している本件土地の地代の額は通常の地代の額を超える。(令4. 8. 1 東裁(諸)令4-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010026
- 裁決年月日
- 令和元年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の土地(本件土地)を同族会社が使用するに際して、使用貸借契約の下で無償返還の届出書(本件届出書)を提出したものの、その後、賃貸借契約に変更されており、本件届出書の提出の効力は、当該変更の時点で当然失われ、改めて無償返還届出書が提出されていない本件において、無償返還届出書が提出されている土地として本件土地の価額を評価することは不当である旨主張する。しかしながら、本件において土地所有者である被相続人は、使用貸借契約の際に同族会社との間で、将来、無償で土地の返還を受ける旨の合意をし、本件届出書の提出により、被相続人から同族会社に対し何ら経済的利益が移転しておらず、当該同族会社に帰属すべき利益もないという経済的実態が存在することを明らかにし、同族会社に係る借地権利金等の認定課税の回避という課税上の利益を享受し、賃貸借契約に変更した後も、当該関係及び当該課税上の利益の享受が継続しているものであるから、賃貸借契約により、相当の地代に満たない地代が収受されることとなっても、被相続人から同族会社に対し何ら経済的利益が移転しておらず、同族会社に帰属すべき利益もないという経済的実態が継続していたものというべきであり、賃貸借契約締結後の無償返還届出書の提出の有無が結論の帰趨を決めているものではないものと解される。また、無償返還届出書による課税上の利益は、「借地権の設定等により他人に土地を使用させた場合」も「使用貸借契約により他人に土地を使用させた場合も同様」に取り扱うこととされているとおり(法人税通達13‐1‐7)、将来借主が無償で土地を返還する合意がある以上、土地の借主における権利は、使用貸借契約の下であれ、賃貸借契約の下であれ、当該借主に帰属すべき利益はないという経済的実態に変わりがないのであるから、賃貸借契約がされたことは、本件届出書の提出の効力を失わせる理由にはならない。(令元. 9.18 東裁(諸)令元-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 平成30年10月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した市街化調整区域に所在しコンビニエンスストア用地として貸し付けられている土地について、都市計画法第34条による開発許可を受けていない部分は建築物を建築することができないのであるから、当該開発許可を受けている部分(本件1土地)は宅地として、当該開発許可を受けていない部分(本件2土地)は雑種地として、財産評価基本通達(評価通達)25《貸宅地の評価》又は評価通達86《貸し付けられている雑種地の評価》等の定めにより、それぞれ借地権割合又は賃借権割合等を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達7《土地の評価上の区分》に定める宅地は建物の敷地及びその維持効用を果たすために必要な土地であるところ、本件1土地及び本件2土地(併せて本件各土地)は本件1土地上に所在するコンビニエンスストア店舗の敷地及びその駐車場として一体として利用されていることが認められるから、本件各土地はその全体を1区画の宅地として評価するのが相当であり、本件各土地がコンビニエンスストア用店舗の所有を目的として一の土地賃貸借契約(本件賃貸借契約)により貸し付けられていることなどからすれば、設定された借地権は本件各土地全体に及ぶと解すべきである。そして、本件賃貸借契約における地代が本件各土地の自用地としての価額の過去3年間の平均額の6%を上回っているのであるから、本件各土地の自用地としての価額から控除すべき借地権の価額を評価通達25の定めにより評価することは相当ではなく、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60年6月5日付直資2−58ほか国税庁長官通達)の定めにより評価すべきである。(平30.10.16 関裁(諸)平30-10)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平280006
- 裁決年月日
- 平成29年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①平成15年に被相続人と同族会社の連名で提出された土地の無償返還に関する届出書(本件届出書)が、昭和55年の法人税基本通達(法基通)改正後において遅滞なく(3年以内)提出されていないため、また、②本件届出書には使用貸借である旨記載されているものの、その実態は賃貸借であり、記載事項が事実に反しているので原処分庁は是正すべきであるにも関わらず、それを怠っているため、本件届出書には重大な瑕疵があり無効である旨主張する。しかしながら、本件届出書については、法基通13−1−7《権利金の認定見合せ》等で定められた要件に該当するか否かを検討して取り扱うこととなっているところ、原処分庁では有効なものとして取り扱っていたことが認められる。また、本件届出書には使用貸借契約に○印が付されているものの、賃貸借と認められる事項が記載されているほか、本件届出書に添付された賃貸借契約書によっても賃貸借であることが認められるため、使用貸借契約に○印が付されていることだけをもって重大な瑕疵とはいえず、その他の記載事項にも重大な瑕疵は見当たらないから、本件届出書は有効なものとして取り扱われるのが相当である。そうすると、本件届出書は有効であるから、相続開始日における貸宅地の評価は、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達の8《「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価》の定めに基づき、自用地としての価額の100分の80に相当する金額となり、当該金額に小規模宅地等の特例を適用して相続税評価額を算定することとなる。(平29. 3.29 沖裁(諸)平28-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230105
- 裁決年月日
- 平成24年5月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
要旨
○ 請求人らは、相続した本件土地の上に、本件被相続人及び他の共同相続人ら(本件被相続人ら)が所有する本件建物が存しているところ、本件土地の使用料は無償であるものの、本件建物が存する権原は、本件建物の所有を目的とする地上権である旨主張する。しかしながら、親族間で土地の無償使用を許す関係を地上権の設定と認めるためには、当事者が何らかの理由で特に強固な権利を設定することを意図したと認めるべき特段の事情が存在することを必要と解すべきであるところ、①本件建物を本件被相続人らの共有とした理由からすれば、わざわざ本件被相続人にとって著しい負担となる無償の地上権を設定する必要もないこと、②本件被相続人と当該他の共同相続人らとの間で、地上権を設定する場合に通常取るであろう行動が、取れたにもかかわらず、これを取っていないこと及び③本件においては上記特段の事情も見当たらないことからすると、本件建物の所有に係る当該他の共同相続人らの本件土地上の権利は、せいぜい使用貸借によるものとみざるを得ない。そして、本件建物の建築後、本件相続開始に至るまで、権利関係に変動があったことを認めるに足る証拠はないから、本件相続開始時点で、本件土地上に、当該他の共同相続人の地上権が存在していたとは認められない。(平24. 5.22 名裁(諸)平23-105)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230222
- 裁決年月日
- 平成24年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件A土地は、間口、奥行が短く、面積も狭小で、通常の建物の建築に支障があることから、利用価値が著しく低下している宅地として、10%の評価減を行うべきであり、また、本件B土地は面積が特に狭小で、形状も悪いことから、建物が建築できない土地として、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》(5)に準じ、同27−5《区分地上権に準ずる地役権の価額》(1)に定める区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地として、50%の評価減を行うべきである旨主張する。しかしながら、本件A土地は、現に建物の敷地として有効に利用されている土地と同程度の面積の土地であり、また、本件B土地についても、現に建物の敷地として有効に利用されている土地であることなどからすると、その利用価値が著しく低下しているとは認められない。(平24. 5.16 東裁(諸)平23-222)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230222
- 裁決年月日
- 平成24年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、本件土地の隣接土地(本件隣接地)と一体として建物の敷地の用に供していることが外観上明らかであること、本件土地は、本件隣接地に建物を建築する際に、容積率及び建ぺい率の算定上、当該建物の敷地としていた土地であることから、本件隣接地と一体として借地権の設定されている貸宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地については、自動車保管場所(車庫)として、本件隣接地については、建物所有を目的として、それぞれ、同日に、本件土地賃貸借契約及び本件隣接地賃貸借契約が締結された各書面が存し、現に当該各書面の記載に従って、本件土地については自動車保管場所として、本件隣接地については建物の敷地として利用されていることが認められることからすると、本件土地賃貸借契約は、建物所有を目的とする賃貸借契約とは認められない。また、契約当事者が、同日に、あえて対象物件ごとに契約の目的、賃料及び契約期間等を異にする契約書を作成して各契約を締結したということは、まさに各契約を別個のものととらえていたためと解するのが相当であり、その後の本件土地及び本件隣接地の利用状況はかかる当事者の意思の存在を裏付けるものである。したがって、本件土地を借地権の設定された土地として本件隣接地と一体で評価することは相当でない。(平24. 5.16 東裁(諸)平23-222)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230077
- 裁決年月日
- 平成24年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した貸宅地(本件各土地)について、財産評価基本通達(評価通達)25《貸宅地の評価》の(1)の定めに基づき、本件各土地の自用地としての価額からその借地権の価額を控除した金額によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、借地権の設定に際し通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域において、相当の地代を収受している場合及び通常の地代を超え相当の地代に満たない地代を収受している場合などの特殊な賃貸借により借地権が設定された場合における借地権の設定されている土地については、評価通達25の(1)の評価方法によることなく、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達(相当地代通達)の6《相当の地代を収受している場合の貸宅地の評価》及び7《相当の地代に満たない地代を収受している場合の貸宅地の評価》の定めに基づいて評価すべきであるところ、本件各土地は、通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域内にあり、借地権の設定に際し、特別の経済的利益を考慮してもなお、通常の地代を超え相当の地代に満たない地代を収受していたと認められ、また、本件相続開始日においては、相当の地代又は通常の地代を超え相当の地代に満たない地代を収受していたと認められる。そうすると、本件各土地の価額は、相当地代通達6及び7の定めに基づき、本件各土地の自用地としての価額の100分の80によって評価するのが相当である。(平24. 5.15 関裁(諸)平23-77)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230047
- 裁決年月日
- 平成23年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、請求人の父(本件被相続人)の相続(本件相続)により取得した土地(本件土地)を、本件相続開始の日において、図書館建物及び駐車場施設の敷地としてa市との間で賃貸借契約を締結し(本件賃貸借契約)、賃貸していたのであるから、本件土地の価額は、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》の定めに従い、自用地としての価額から借地権の価額を控除した価額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、確かに、本件賃貸借契約に係る契約書(本件賃貸借契約書)の記載内容及びその解釈並びに本件土地の使用の主目的からすれば、本件土地には、当該図書館建物の所有を目的とする借地権の設定がされたものと認められるものの、①本件賃貸借契約書には、本件被相続人が本件土地の譲渡を希望するなどの場合には、賃借人であるa市は更地価格を意味する「適正価格」で買い取る旨が定められていること、②本件賃貸借契約における賃貸料の額からみて、本件土地上の借地権の価額については何ら考慮されていないこと、③a市が本件土地に係る鑑定評価を依頼した際に、a市は本件土地を買い取るに当たって考慮すべき借地権の価額は存在していなかったと認識していたものと認められ、また、実際にも本件土地は鑑定評価額に近似した価額で請求人からa市に譲渡されており、借地権の存在を考慮した価額で譲渡されたものではないことが明らかであることなどからすると、本件相続開始の日において、借地権が存した本件土地の自用地の価額から控除すべき借地権の価額はなかったと認められる。このような場合には、財産評価基本通達を形式的に適用すべきではなく、本件土地の評価に当たり、自用地としての価額から借地権の価額を控除しないこととするのが相当である。(平23.11.17 名裁(諸)平23-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220112
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評価対象地は法人の建物の所有を目的として賃貸されており、賃貸先の法人との間で当該法人が存続する期間が賃貸借期間であるとの合意ができているから、貸宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》が、普通借地権の設定されている宅地の評価について、原則として、その宅地の自用地の価額から設定されている権利の価額を控除して評価することとしている趣旨は、普通借地権は借地借家法により強い保護を受けており、当該土地の所有者は、自用地に比し相当の制約を受けていることから、普通借地権の価額に相当する価額の減額が生じているものとして評価をすることにしたものであるところ、本件の場合、①評価対象地の賃貸借に関し、被相続人と賃貸先の法人の間で、権利金等の約定もなく、授受もないこと、②評価対象地上の建物は未登記であり、借地権の第三者対抗要件を備えていないこと、③当該建物は、プレハブ倉庫用建物であり、その構造体は容易に解体撤去が可能なものであること及び④賃貸借が開始された以降の賃貸先の法人の法人税の確定申告書添付の貸借対照表には評価対象に係る借地権は計上されていないこと等を総合勘案すれば、評価対象地上に、借地借家法で保護されている普通借地権が存在しているとはいえないから、評価対象地を貸宅地として評価するのは相当でない。(平22.11.24 東裁(諸)平22-112)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220017
- 裁決年月日
- 平成22年10月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、B社に貸し付けている本件各土地について、その存在する地域は、権利金を支払う取引上の慣行のある地域に該当しないから、本件各土地を評価するに当たり、相当地代通達ではなく、財産評価基本通達が適用されるべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地が存在する地域は、国税局長が、借地権の取引慣行の有無の判定を含む借地権の評定に当たって、借地権の取引に精通している複数の不動産鑑定士等から借地権の取引慣行の有無及び借地権割合について精通者意見を求め、売買実例価額、地代の額等を勘案して借地権割合を定めた地域であり、本件各賃貸借契約時及び本件相続開始日における借地権割合は、いずれも50%であること、本件各土地の所在するA市には、平成4年12月、平成16年4月及び同年7月に借地権に係る取引事例があり、借地権の設定時に権利金を授受した取引事例が存在していること、また、無償返還届出書は、借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金を支払う取引上の慣行がある地域において、借地権の設定に際し土地所有者から借地人に対し借地権の価額に相当する財産的価値が移転していない経済的実態にあることを自ら明らかにする趣旨の届出書であるところ、被相続人及びB社は、平成11年4月に本件各土地に近接する土地について無償返還届出書を提出しており、さらに、本件各土地の所在する地域においては、昭和61年2月、平成3年1月及び平成4年11月の借地権の設定に際し、無償返還届出書が提出された事例が散見されている。以上の各事実からすれば、本件各土地が所在する地域は、賃貸借契約の締結時から、借地権の設定に際しその対価として通常権利金その他の一時金を支払う取引上の慣行のある地域であったと認めることができる。その他本件相続開始日における地代の金額からすると、本件各土地を評価するに当たっては、相当地代通達を適用するのが相当である。(平22.10.26 関裁(諸)平22-17)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210023
- 裁決年月日
- 平成22年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、相続により取得した貸宅地である本件土地について、財産評価基本通達25の定めに基づき、本件土地の自用地としての価額からその借地権の価額を控除した金額によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、貸宅地の評価において、借地権の価額を控除するのは、借地権の設定により、当該宅地の自用地としての価額のうち借地権部分に相当する経済的価値の地主から借地人への移転があり、借地人が経済的に相当の価額を有する借地権を取得したとみるべき経済的実態が存在するからであって、この場合、借地権部分に相当する経済的価値の移転の対価というべき権利金を授受することが広く行われていることからすると、借地権の設定に当たり権利金を授受する取引上の慣行があるにもかかわらず権利金を授受しなかった場合であっても、その土地の使用の対価として相当の地代を授受するときは、地主にとって経済的実態において自用地と異なることのない土地となることから、借地人への経済的価値の移転はなく、控除すべき借地権の価額もないこととなる。これを本件についてみると、本件土地は、借地権の設定に際し、通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域内にあるところ、本件土地の賃貸借契約は、権利金の授受に代えて相当の地代を授受する内容であったと認められることから、本件土地の借地権部分に相当する経済的価値の賃貸人から賃借人への移転があったとは認められず、また、本件相続開始日においても相当の地代を収受していたと認められる。そうすると、本件土地の価額は、財産評価基本通達25の(1)の評価方法によることはできず、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」の6の定めにより、本件土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額によって評価するのが相当である。(平22. 2.15 名裁(諸)平21-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210054
- 裁決年月日
- 平成21年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(以下「相当地代通達」という。)は、借地権の設定に際し通常権利金などを支払う取引慣行のある地域において、権利金の授受に代え相当の地代を収受している場合には、その土地の地代収受権としての経済的価値はいささかも侵食されておらず、その土地に借地権の設定がされてもなお更地としての経済的価値が維持されているものと考えられることを基礎とするものであり、当審判所もこれらの取扱いは相当と解する。そして、同通達は、借地権の取引慣行のある地域において、借地権の設定に際し、権利金の支払に代えて、①相当の地代の支払がある場合又は②通常の権利金の額に満たない一時金の支払と併せて通常の地代を超え相当の地代に満たない地代が支払われる場合などの方法を選択した場合といういわば特殊な賃貸借契約による借地権の設定の際の借地権者の受けた利益の取扱い及びその土地又は借地権について、相続、贈与などによる移転があった時における借地権又は貸宅地の評価について定めたものと認められるところ、相当地代通達にいう「借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金その他の一時金を支払う取引上の慣行のある地域」と財産評価基本通達27にいう「借地権の取引慣行があると認められる地域」は、同一の地域を指すものと解される。さらに、借地権の設定の時、つまり賃貸借契約の開始の時の地代の額が上記①又は②による相当の地代額であった場合に、はじめて同通達の適用があり、以後、権利金を支払って地代額を通常の地代額に引き下げるなど特段の事情の変化がない限り、同通達が継続して適用されるものと解される。また、財産評価基準書における借地権割合は、借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権の売買実例価額、精通者意見価格、地代の額等を基として評価した割合がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が定めるとされるところ、本件各土地の所在する地域は、財産評価基準書において借地権割合が50%に定められていること及び借地権の取引事例があることなどからすれば、本件各土地の所在する地域は、借地権の取引慣行がある地域であり、相当地代通達の適用がある地域と認められるので、請求人らの主張する借地権の設定に際し権利金を支払う取引上の慣行のない地域である旨の主張は採用できない。(平21.12.18 関裁(諸)平21-54)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200012
- 裁決年月日
- 平成21年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸宅地を評価する場合の財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)25の(1)《貸宅地の評価》に定める借地権価額控除方式には合理性がなく、また、売買実例による貸宅地の売買価額は借地権価額控除方式に基づき求めた評価額を下回っていることから、借地権価額控除方式を採用した原処分庁評価は違法である旨主張する。ところで、底地の価額を借地権価額控除方式により評価する趣旨は、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権の価格にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価格形成されているのが一般的であると認められるところ、この潜在的価値の合理的な算出は困難であり、また、底地価格そのものを単独で算出することも困難であるから、底地価格を算出するに当たっては、借地権価額控除方式により評価するのが相当であると考えられることなどによるものであると解されている。そして、底地価格を借地権控除方式により評価する場合の借地権の価額は、その借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権の価額の割合(以下「借地権割合」という。)を乗じて計算することとされているところ、この借地権割合は、借地権の売買実例価額、精通者意見価格及び地代の額等を基として評定され、その割合がおおむね同一と認められる地域ごとに定められているものであることからすれば、この評価方法は、相続税法第22条《評価の原則》の趣旨及び評価通達の考え方に照らし合理性を有するものと認められる。なお、評価通達25(1)に定める評価方法は、一般的に合理性を有すると認められるところ、将来、底地に借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値が存すると認めることが困難であるとするような特別な事情が存する場合には、この限りではないと解される。以上のとおり、評価通達25(1)に定める評価方法は合理的と認められ、また、本件貸宅地が本件貸宅地の上に存する借地権と併合されて完全所有権となることを妨げる特別な事情は認められないことから、本件貸宅地については、評価通達25(1)の定めに基づいて評価すべきであり、当該定めに基づいた原処分庁評価額は相当と認められる。また、請求人主張の底地の売買実例価額には、その取引の個別の事情が反映されているため、売買実例価額をもって直ちに客観的交換価値である時価とみることはできないことからしても、請求人の主張には理由がない。(平21. 6.26 沖裁(諸)平20-12)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸宅地を評価する場合の財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)25の(1)《貸宅地の評価》に定める借地権価額控除方式には合理性がなく、また、売買実例による貸宅地の売買価額は借地権価額控除方式に基づき求めた評価額を下回っていることから、本件貸宅地を借地権価額控除方式により評価することは違法である旨主張する。ところで、底地の価額を借地権価額控除方式により評価する趣旨は、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権の価格にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価格形成されているのが一般的であると認められるところ、この潜在的価値の合理的な算出は困難であり、また、底地価格そのものを単独で算出することも困難であるから、底地価格を算出するに当たっては、借地権価額控除方式により評価するのが相当であると考えられることなどによるものであると解されている。そして、底地価格を借地権控除方式により評価する場合の借地権の価額は、その借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権割合を乗じて計算することとされているところ、この借地権割合は、借地権の売買実例価額、精通者意見価格及び地代の額等を基として評定され、その割合がおおむね同一と認められる地域ごとに定められているものであることからすれば、この評価方法は、相続税法第22条《評価の原則》の趣旨及び評価通達の考え方に照らし合理性を有するものと認められる。なお、評価通達25(1)に定める評価方法は、一般的に合理性を有すると認められるところ、将来、底地に借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値が存すると認めることが困難であるとするような特別な事情が存する場合には、この限りではないと解される。以上のとおり、評価通達25(1)に定める評価方法は合理的と認められ、また、本件貸宅地が本件貸宅地の上に存する借地権と併合されて完全所有権となることを妨げる特別な事情は認められないことから、本件貸宅地については、評価通達25(1)の定めに基づいて評価すべきであり、当該定めに基づいた原処分庁評価額は相当と認められる。また、請求人主張の底地の売買実例価額には、その取引の個別の事情が反映されているため、売買実例価額をもって直ちに客観的交換価値である時価とみることはできないことからしても、請求人の主張には理由がない。(平20. 5.21 沖裁(諸)平19-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190017
- 裁決年月日
- 平成19年8月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は通常の地代を収受して法人へ貸し付けている土地であるから、本件土地の価額は財産評価基本通達25又は相当の地代を支払っている場合の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(以下「相当地代通達」という。)7により評価すべきである旨主張する。 しかしながら、本件の場合、本件土地の貸付けに際して「土地の無償返還に関する届出書 (以下「無償返還届出書」という。)が提出されており、無償返還届出書が提出されていることは、権利金又は相当の地代をいずれも授受しない場合に権利金の認定課税に代えて相当の地代の額について認定課税を選択する意思を課税庁に届け出たものであり、無償返還届出書が提出された場合の貸地の評価については、地主の下に借地権部分に相当する経済的価値が残存し、貸地であっても自用地同然の収益力を有し経済的価値が保持されているものとみるのが経済的実態に通常合致し、課税関係にこれを反映することには合理性がある。 そして、無償返還届出書によって税務署長に対して積極的に申し出たのと経済的実態が異なり、通常の借地権が存在するというためには、権利金の授受又は認定課税を前提として、無償返還届出書提出時の借地契約が実態と異なるか又は契約内容を変更した旨改めて税務署長に申し出るなど、通常の借地権が存在することを外形的に明確に示す特段の行為の存在が認められる必要があると解されるから、上記特段の行為が認められない本件においては、相当地代通達8によって評価することに合理性があり、本件土地の価額を財産評価基本通達25又は相当地代通達7により評価するべきであるとする請求人の主張は採用できない。(平19. 8. 9 東裁(諸)平19-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190017
- 裁決年月日
- 平成19年8月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、「土地の無償返還に関する届出書」(以下「無償返還届出書」という。)が提出されていても、①土地の無償返還の合意は借地借家法上無効である等の理由から、相当の地代を支払っている場合の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(以下「相当地代通達」という。)8による本件土地の評価は不合理である旨、また、②無償返還届出書が提出されている場合には、土地所有者と借地人との間に課税関係に反映させるべき特殊な関係があったとしても当該特殊な関係は一身専属的なものであって、土地所有者たる被相続人の相続開始によって消滅し、被相続人と借地人との間にはもはや特殊な関係は存在しないから、本件土地の価額は特殊な関係が存在しないものとして評価すべきである旨主張する。 しかしながら、相当地代通達8は、土地の貸借当事者の積極的意思表明に従って判断された借地関係の経済的実態に、権利金の授受の慣行のない地域における評価とのバランス及び自用地と比較した事実上の不便を考慮して評価する合理的な取り扱いと認められ、また、相続が包括承継であって相続開始前の経済的実態を変更するものではないことから請求人の主張には理由がなく、本件土地の価額は相当地代通達8の定めによって評価するのが相当である。(平19. 8. 9 東裁(諸)平19-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180072
- 裁決年月日
- 平成19年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、神社の敷地として利用されている土地の評価に当たり、地域の住民からなる氏子から低額といえども賃料を受け取っているから賃貸借であり、また、他の用途に使用することが事実上不可能であり、処分可能性が低く、財産価値が認められない土地であるから、貸宅地としての評価額に5%を乗じた額を評価額とすべき旨主張する。 しかしながら、当該土地の貸借は、賃貸借契約書等の書面は存在しないこと、権利金等の授受はされていないこと、「神社地代」名目で年間12,000円(月1,000円)の支払いがあること及び神社が移転したときの経緯からすると、使用貸借と解するのが一般的であるから、自用地として評価すべきであるが、①地域住民等の信仰の対象とされることによって事実上の使用制限を受けており、更地に復帰する可能性が低いことから、その使用制限に応じた何らかの減価を考慮するのが相当であることに加え、②現状及び将来の可能性並びに建造物の敷地の用に供されている点を併せ考えると、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)24−8に定める重要文化財に指定された建造物の敷地の用に供されている宅地に準じて、自用地としての価額の30%に相当する金額で評価するのが相当である。 この点につき、原処分庁は、当該土地を評価通達24の「行き止まり私道」に準じて評価すべきである旨主張するが、当該土地が建造物の敷地の用に供されていることを考慮すると、その主張は採用できないものの、減額割合において差異はない。 なお、仮に、請求人が主張するように当該土地の貸借が賃貸借であるとしても、借地権割合が50%であることから、自用地としての50%に相当する金額で評価するのが相当であり、使用貸借とした場合の評価額を上回り、また、貸宅地の評価額の5%とすべき合理的な根拠もないから、請求人の主張は採用できない。(平19. 6.22 関裁(諸)平18-72)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成19年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続開始時点において資材置き場となっていた本件土地の上に存する権利について、審査請求人らは借地権、原処分庁は財産評価基本通達87《賃借権の評価》(2)に定める地上権に準ずる権利として評価するのが相当と認められる賃借権以外の賃借権である旨それぞれ主張する。 しかしながら、本件土地は、相続開始時点において資材置き場として利用されていたものの、当初から建物の所有を目的として貸付けられていたことからすると、相続開始時点まで建物の建築が行われず、相続開始時点で建物が存在していないとしても、本件土地の上に存する権利は借地権であると解するのが相当である。(平19. 3.28 沖裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成18年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取引事例から算出した底地割合を自用地価額に乗じた鑑定評価額が本件土地の時価である旨主張するが、①請求人らが主張する底地割合は、個別補正等を行うことなく3件の取引事例にのみ基づいて算出したものであるほか、②取引事例の内には近隣地域内又は同一需給圏内の類似地域に存しない取引事例が含まれているから、請求人らの鑑定評価額は、鑑定評価基準が予定している取引事例比較法に基づいた評価方法とはいい難く採用できない。(平18. 6.15 沖裁(諸)平17-18)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成18年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件各土地の評価に当り、甲鑑定、乙鑑定及び丙鑑定による評価額がそれぞれ時価相当額である旨主張する。 ところで、不動産鑑定評価基準は、底地価格は収益価格と比準価格とを関連付けて決定する旨定めているところ、①乙鑑定及び丙鑑定は、比準価格が求められないとして競売評価基準の借地権価額控除方式を評価要素とする控除価格を比準価格としている点において説得力に欠け、また、②道路敷地部分については、将来的に他の用途に転用、すなわち更地復帰する可能性は極めて小さいから、更地価格への復帰価格及び比準価格相当額を算出する際の更地価格の算定に当ってはその基礎に含めないこととするのが相当であると認められるところ、甲鑑定及び乙鑑定は、道路敷部分を含めており合理性に欠けると認められるので、原処分庁の主張にも理由がないが、比準価格については甲鑑定の採用したところにより、また、道路敷部分については更地価格の算定に当って含めないこととする丙鑑定の方法を併用することによって本件土地の適正な評価額が算定されることとなる。 したがって、本件各土地の評価に当っては、それぞれ、乙鑑定及び丙鑑定における比準価格に代わり甲鑑定における比準価格相当額を用いて評価額を決定し、更地価格の算定に当って道路敷部分を含めないこととして甲鑑定の方法によりそれぞれ評価額を決定するのが合理的である。(平18. 6.15 沖裁(諸)平17-18)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、借地権の目的となっている宅地(以下「本件底地」という。)の時価について、財産評価基本通達25に定める方式(以下「借地権価額控除方式」という。)により求めた評価額は時価を超えており借地権価額控除方式により難い特別な事情があることから、請求人ら鑑定評価による鑑定評価額(以下「請求人ら鑑定評価額」という。)である旨主張する。しかしながら、請求人ら鑑定評価額の内容を検討したところ、本件底地価格の算定に当たり、還元利回りと割引率とは異なる性質のものでありその利率も異なるものと考えられるところ、同一の率を採用して還元利回りと割引率を算出しているなど合理性を欠いていることから、請求人ら鑑定評価額が時価であるとは認められない。さらに、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権の価額にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価額形成されているのが一般的であると認められるところ、このような場合には底地価額を借地権価額控除方式により評価するのが相当であると解されている。本件底地については、土地賃貸借契約の内容等からすると、将来借地権を併合して完全所有権となることを妨げる特別な事情はないことから借地権価額控除方式により難い特別な事情は認められず、請求人らの主張には理由がない。(平18.3.15沖裁(諸)平17-15)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170016
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・505ページ
要旨
○ 請求人は、借地権の目的となっている宅地(以下「本件貸宅地」という。)の時価について、財産評価基本通達25に定める方式(以下「借地権価額控除方式」という。)による貸宅地の評価額は相続税法第22条に規定する時価を適正に反映しないことから、請求人鑑定評価による鑑定評価額である旨主張する。しかしながら、請求人鑑定評価額の内容を検討したところ、底地価格の算定に当たり、還元利回りと割引率とは異なる性質のものであり、その利率も異なるものと考えられるところ、同一の率を採用して還元利回り及び割引率を算出しているなど合理性を欠いていることから、請求人鑑定評価額が時価であるとは認められない。さらに、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価額形成されているのが一般的であると認められるところ、このような場合には底地価格を借地権価額控除方式により評価するのが相当であると解されている。本件貸宅地の地主と借地人の契約関係及び請求人が既に本件貸宅地と賃貸借関係が類似している借地権を借地人から買取り完全所有権としていることからすれば、本件貸宅地には、将来底地と借地権を併合して完全所有権となることを妨げる特別な事情がないことから借地権価額控除方式により難い特別な事情は認められず、請求人の主張には理由がない。(平18.3.15沖裁(諸)平17-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160096
- 裁決年月日
- 平成16年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各宅地と南側貸宅地は、書籍に掲載されている設例よりも近くに位置しているから、当該書籍に掲載されている評価方法を適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件各宅地と南側貸宅地は、公法上の規制の程度である行政的条件を明らかに異にしており、宅地の利用状況がおおむね同一と認められる地域ごとに定められる地区も異なるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。また、請求人らは、1㎡当たりの地代が低い本件各宅地の価額が、1㎡当たりの地代が高い南側貸宅地の価額を上回ることは不合理である旨主張する。しかしながら、地代の額は、個々の借地契約の締結時期、契約条件、土地の形状等により異なるものであるから、本件相続に係る遺産において現に授受されている1㎡当たりの地代の多寡のみをもって、本件各宅地と南側貸宅地の価額の高低を判断することはできないので、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平16.11.18東裁(諸)平16-96)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150270
- 裁決年月日
- 平成16年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の相続税評価額は借地権相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件建物は、地面に直接立てた角材及び屋根部分にそれぞれトタンを張った固定資産税が賦課されない建物で、作業用の木型を乾燥させる干し場として日光及び雨露を防ぐために建てられたものであることからすれば、本件土地の使用者は、建物の所有及び堅固な構築物の所有を目的として被相続人から本件土地を借りたものとは認められず、当該使用者に借地権に相当する経済的利益が帰属するとは認められないから、借地権価額を控除しないのが相当である。そして、当該使用者は、本件土地を口頭により期間の定めなく借り受け、その使用料として年額350,000円を支払っていることからすると、民法第601条に規定する賃貸借に該当すると認められるから、財産評価基本通達86の規定に基づき評価するのが相当である。(平16.4.21東裁(諸)平15-270)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150207
- 裁決年月日
- 平成16年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・606ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地の価額は自用地としての価額から借地権相当額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約によると、賃借人であるP市から土地所有者である被相続人に対し権利金等の一時金の授受がないことから、被相続人は本件賃貸借契約の期間中であってもP市に対して更地時価買取請求ができ、P市は当該請求に対し異議なく応じるものとされることは、P市は借地権者としての経済的利益について享受しないものとしたと認められるところであり、一方、土地所有者である被相続人は賃貸した本件土地の底地価額は何ら減損することなく自用地と同額の価額として保証されているものと認められる。そうすると、P市及び被相続人は本件賃貸借契約において、本件土地における借地権の経済的価値を認識しない旨を定めたものというべきで、本件土地の評価に当たっては、借地権相当額を何ら減額すべき事由はなく、自用地としての価額と同額で評価するのが相当である。(平16.3.5東裁(諸)平15-207)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150207
- 裁決年月日
- 平成16年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・606ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地は都市公園の用地として貸し付けられている土地の評価についての通達に準じ、自用地としての価額から40%相当額控除されるべき旨主張する。しかしながら、この通達は、土地所有者は貸付期間において正当な事由がない限り土地の返還を求めることはできないなど、都市公園を構成する土地については、都市公園法により私権が行使できず、また、公園管理者に対する都市公園の保存義務規定も定められているために、都市公園の用地として貸し付けられている土地には相当長期間にわたりその利用が制限されることから、自用地としての価額から40%相当額を控除するものと解されるところ、本件は、P市に対し更地時価買取請求ができることからすれば、都市公園の用地として貸し付けられている土地に準じて評価することは相当ではない。(平16.3.5東裁(諸)平15-207)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・265ページ
要旨
○ 請求人らは、本件底地の価額は、収益還元法による収益価格を基準として底地割合方式に基づく試算価格をも十分に関連づけて算定した価額であることから合理性がある旨主張する。しかしながら、収益還元方式により時価を算定しようとするならば、標準化された適正な「純収益」を用いて、これを適正な「還元利率」で還元する必要があるところ、「純収益」を、過去の実績及び将来の予測等に基づいて標準化するということは極めて困難が伴うものと認められ、また、「資本還元率」の設定に当たり、その客観的、理論的な算定方法も見いだし難い状況にあるものと認められる。本件鑑定評価においても、「純収益」は、平成8年中における年間地代から公租公課(固定資産税)を控除し、これに3年ごと4%の地代上昇率を加算したものとするが、これは標準化されたものとは言えないし、また、「資本還元率」は5%を適用しているが、その根拠は示されていない。また、借地権割合については、原処分庁において、長年にわたり、借地権の売買実例価額、精通者意見価額等を基として評定され、公開されているものであることが認められるから、一定の地域における借地権の実勢価額を反映しているものと考えられるが、底地割合については、底地そのものの取引事例は、借地権の取引事例に比してはるかに少ないものと予測され、しかも、本件鑑定評価も認めるように、収集した取引事例には底地割合にかなりのばらつきがあるということからも、取引事例から求められた底地割合が、その地域の底地の実勢価額を反映し得るほどの指標性をもつものとは認め難いことから、請求人らが主張する評価方式は、相続税における財産評価の方式としては、合理性を有するものとは認めることができず、採用することはできない。(平15.9.2沖裁(諸)平15-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・265ページ
要旨
○ 請求人らは、借地権が設定されている宅地(貸宅地)の評価方法について、当該宅地上の借地権の価額と貸宅地(底地)の価額との総和は自用地としての当該宅地の価額よりも低い水準にとどまるものであるから、評価基本通達が定める借地権価額控除方式により算定した価額を時価とするのは相当ではなく、収益価格と底地取引事例から決定した試算価格を3対1の比率で加重平均する評価方法が合理的である旨主張する。しかしながら、一般的な借地契約においては、底地価額は、単なる地代徴収権の価額にとどまらず、将来、借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価額形成がされるので、借地権価額控除方式は、一般に合理性を有するものと解される。ところで、本件宅地に、将来、借地権を併合して完全所有権となる潜在的価値が存すると認めることが困難である特別の事情が存する場合には、借地権価額控除方式の合理性の根拠を失うことになるが、本件宅地の賃貸借の状況は、①賃貸借契約書は存在しないこと、②本件宅地の所有者である被相続人と賃借人であるAとは、同族関係者という関係にあることということ以外に本件借地契約における契約条件は明らかではなく、結局、本件宅地にかかる借地権は、被相続人とAという特別関係者の間で、倉庫の建設敷地として利用することを目的として本件宅地を賃貸借した事実に基づき自然発生的に生じたものということができ、一般的な第三者間の借地契約におけるものよりも、将来、本件宅地とその上の借地権とが併合し、完全な土地所有権となる可能性はより高いものと認められるから、本件宅地に、将来、借地権を併合して完全所有権となる潜在的価値が存すると認めることを困難とする特別の事情はない。(平15.9.2沖裁(諸)平15-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・265ページ
要旨
○ 請求人らは、本件宅地の評価について、路線価を相続開始日に時点修正した価格に基づき評価すべきであり、時価下落の際に、路線価の修正を行わないことによって、納税者に20%の評価上のアローアンスを認めないことは公平を失するものである旨主張する。しかしながら、評価上のアローアンスによる利益は、課税庁が評価の安全性等を考慮して路線価を低めに定めていることによって得られる事実上の利益にすぎず、法律上保護された利益とはいえないものであり、また、これによって受ける利益に差異が生じたとしても、それは相続財産について、その時価の範囲内で画一的評価を行うことによって生ずるやむを得ない結果というべきであって、そのことによって納税者間の公平が害され、その評価が違法なものとなるわけではないというべきであるから、請求人らのこの点に関する主張は採用することはできない。(平15.9.2沖裁(諸)平15-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140012
- 裁決年月日
- 平成14年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、「相当地代通達」は特殊関係者間の賃貸借のみの取扱いを定めたものであり、本件のような特殊関係にない第三者間の賃貸借に係る本件土地の評価については、相続税評価基本通達に定める借地権割合を控除すべきである旨主張する。しかしながら、相当地代通達は建物の所有を目的とする借地権の設定に際して、その設定の対価として通常授受される権利金に代えて、相当の地代が授受されている場合等における土地の評価について、全般的な取扱いを定めたものであり、必ずしも特殊関係者間の賃貸借のみに限られた取扱いではないことから、この点に関する請求人らの主張は採用できず、相当地代通達に従い、この土地は自用地価額の80パーセントをもって評価すべきである。(平14.08.06.大裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140012
- 裁決年月日
- 平成14年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は実際には返還されず、「土地の無償返還に関する届出書」が実質的な効力を失っているから、これらの土地は相続税評価基本通達に定める借地権割合を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、信頼関係が損なわれたことにより使用貸借契約は別件民事事件において相手方に訴状が送達された日に終了しており、その後の相続開始時点においては正当な権限のない者による占有となっているのであるから、当該届出書の効力の有無は、相続開始時点における土地の評価に影響を及ぼすものではない。(平14.08.06.大裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120110
- 裁決年月日
- 平成13年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の所在する地域に借地権の取引慣行はあるが、借地権の設定に際し権利金を支払う慣行がないから、原処分庁に本件無償返還届出書が提出されているとしても、本件土地の評価に相当地代通達8の適用がなく、本件土地の自用地としての価額から借地権相当額を控除して評価すべき旨主張する。しかしながら、本件土地の所在する地域は、A市の中心部に隣接し、都市計画法上の商業地域内で容積率の高い地区にあって中高層の店舗及び事務所が連なる高度商業地域に位置していることから、借地権自体が高い経済的価値を有しており、当該地域において、借地権が取引の対象となっていることは周知の事実である。このような地域において、土地の所有者が第三者に建物を建築させる場合、(1)借地借家法により借地人が強い保護を受けること、(2)将来、地代の値上げができるという保証がないこと、及び(3)上記のとおり借地権自体が取引の対象となっていることを考慮すれば借地権の設定に際し貸主が高額な権利金を要求することは容易に推認できる。したがって、本件土地が所在する地域は借地権の設定に際し権利金を支払う慣行のある地域と認定できるから、原処分庁が、本件無償返還届出書の提出されている本件土地の評価に当たり、相当地代通達8を適用し自用地としての評価額の80パーセント相当額で評価したことは相当である。(平13.6.6大裁(諸)平12−110)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120073
- 裁決年月日
- 平成13年2月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人は、1棟の借地権付分譲マンションに係る底地の全部(以下、被相続人が所有する分譲マンションに係る底地に係る部分を「底地被相続人使用分」といい、被相続人以外の者が所有する分譲マンションに係る底地に係る部分を「底地第三者使用分」といい、これらを併せて「本件底地」という。)及び当該分譲マンションの一部(以下、この借地権を「被相続人借地権」という。)とを所有していた。請求人らは、多数の借地権者が存在しており、借地契約により公租公課と同額の地代しかとれない本件底地の価額については不動産鑑定士の価格報告書のとおり零円とすべきである旨主張するのに対し、原処分庁は、評基通が定める借地権価額控除方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件底地のうち底地第三者使用分については、収益価格以外に他の適当な価格を算定し得ないことから収益還元方式により評価し、また、底地被相続人使用分については、被相続人借地権と一体として利用されていることから評基通に定めるところにより、自用地価額(更地価額)から借地権価額を控除した価額により評価するのが相当である。なお、被相続人借地権については、評基通に定めるところにより自用地価額(更地価額)に借地権割合(70%)を乗じて計算した価額によるのが相当であると認められる。このことから、原処分はその一部を取り消すべきである。(平13.2.9東裁(諸)平12−73)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110106
- 裁決年月日
- 平成12年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が贈与を受けた土地は、建設土木機械等の展示場及びレンタカーの駐車場として使用することを目的として第三者に賃貸され、当該土地に建築された事務所及び看板は借主が公正証書等に定める各条件の範囲内で営業活動を効率的に行うための施設として附属的に設置したものと認められる。そして、当該公正証書の定めにより賃貸借期間終了のときは借主の負担において地上施設を撤去して明け渡し、立退料等の請求はできないこととされているほか、地上権又は賃借権の設定の対価たる権利金等の授受も行われていない上、公正証書の定めによれば本件賃貸借契約は借地権の成立を積極的に排除する意思で締結されたものと認められることから、当該土地には建物の所有を目的とする借地権が存在するとは認められないので、当該土地の上に借主の所有する建物等が存在することを根拠として請求人の土地の上に借地権が存在する旨の主張を認めることはできない。(平12. 5.26名裁(諸)平11-106)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平100065
- 裁決年月日
- 平成11年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した土地の上に存する賃借権の価額の評価に当たり、本件土地には契約期間1年の駐車場施設の所有を目的とする等の賃借契約のほかに、賃貸借期間を30年以上とする建物の所有を目的とする土地賃貸借予約契約が締結されていることから、本件土地に係る賃借権の残存期間を30年として計算すべきである旨主張する。しかしながら、本件予約契約において本件土地が貸し付けられることが将来確実であるとしても、現実に土地が貸し付けられていなければ、賃借権が生じていないことは明らかであるから、本件土地の価額の評価において減額すべき根拠はなく、本件土地の価額を評価するに当たって控除すべき賃借権は、本件賃貸借契約に基づくもので、その残存期間は1年未満であるとした原処分は相当である。(平11. 6.21高裁(諸)平10-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090086
- 裁決年月日
- 平成9年12月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件宅地の相続税評価額724,944,665円は、本件売買実例及び本件基準地に基づく本件宅地の更地価額に底地割合20パーセントを乗じて算定した本件宅地の価額を上回っていないから、当該相続税評価額は相法第22条の規定による本件宅地の時価を上回っていない旨主張し、一方、請求人は、本件宅地の価額は、請求人の提出する鑑定評価額200,000,000円とすべきである旨主張する。しかしながら、(1)本件売買実例は、同族関係者間の取引であり、同実例から比準して本件宅地の価額を算定することには疑問があること及び(2)本件宅地は借地権付の分譲マンションの敷地であることから多数の借地権者が存在しており、かつ、当該借地権は建物の区分所有権とともに独立した市場を有していることから、本件宅地については、本件宅地と当該借地権とが併合し、完全な土地所有権となる可能性は著しく低いものと認められること等の特別の事情があることから、本件宅地については、借地権価額控除方式によって評価した当該相続税評価額によることは相当でないと認められる。また、請求人の主張する鑑定評価額は、割合方式による比準価格と1パーセントの還元利回りを採用した収益還元方式による収益価格に基づき、後者の価格を重視し、前者の価格を考慮して決定されているところ、本件宅地の場合、本件宅地の存する近隣地域は既に商業地域として成熟していること等からすれば、特に低い還元利回りを採用すべき事由は認められないので、同鑑定評価額が1パーセントの還元利回りを採用して収益価格を算出したことを相当ということはできない。ところで、本件宅地については、当審判所においても第三者間における底地の取引事例を確認できず、当該取引事例から本件宅地の価額の検証ができないため、当審判所が鑑定評価を依頼したところ、本件宅地の価額は、割合方式による価格と収益還元方式による価格の双方を調整の上評価した鑑定評価額60,000,000円と認められるので、原処分はその全部を取り消すべきである。(平 9.12.11東裁(諸)平 9-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090083
- 裁決年月日
- 平成9年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件宅地の評価額は、借地権価額控除方式により評価した価額である旨主張し、一方、請求人らは、請求人らが提出した鑑定評価額である旨主張する。ところで、借地権の取引慣行が成熟している地域では、底地価額は、単なる地代徴収権の価額にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価格形成されているのが一般的であり、このような場合には、底地価額を借地権価額控除方式により評価するのが相当であると解されるが、特別の事情があることにより、借地権価額控除方式によって評価することが著しく不適当と認められる場合には、他の合理的な方式によることも相当と解されるところ、本件土地については、本件宅地とその上に存する借地権とが併合し完全な土地所有権となる可能性は著しく低いものと認められることなどからすれば、本件宅地の価額を借地権価額控除方式のみによって評価することは相当でないと認められ、また、原処分庁の採用した本件取引事例は、底地と借地権を同時に又は底地を取得することにより借地関係を解消して、更地すなわち権利形態を完全所有権にするという特別の事情を背景にした取引であり、同取引事例から比準する方法により本件宅地の価額を検証することを相当と認めることはできないから、原処分庁の主張は採用できない。また、収益価格のみによる評価手法は直ちに合理的な方式ということはできないこと及び当該鑑定評価額には種々の不的確な点が認められることから、請求人らの主張も採用できない。本件宅地については、当審判所においても第三者間における底地の取引事例を確認できず、当該取引事例から本件宅地の価額の検証ができないため、当審判所が鑑定評価を依頼したところ、割合方式による価格と収益還元方式による価格の双方を調整の上評価した鑑定評価額が相当と認められるので、原処分はその一部を取り消すべきである。(平 9.12.10東裁(諸)平 9-83)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平080006
- 裁決年月日
- 平成9年5月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、賃貸借契約の締結に際し権利金等の授受があった事実は認められず、また、本件地代率は「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達(相当地代通達)における相当の地代率と認められることから、本件貸宅地の評価に当たっては当該通達を適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件の場合、賃貸借契約の締結すなわち借地権の設定に伴い、敷金の額として、通常収受される程度の敷金等の額相当額を超えると認められる賃貸借料の10か月分相当額を、無利息で60年間保管し賃貸借契約の終了と同時に賃借人に支払うことを約していることから、借地権設定の対価として権利金等の授受があったものとして、借地権は賃借人に移転したと認めるのが相当であり、本件貸宅地の評価に当たり相当地代通達を適用することは相当でない。(平 9. 5.30金裁(諸)平 8-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080108
- 裁決年月日
- 平成9年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に係る地代は支払っていなかったが、地代に代えて、被相続人の家政婦の費用を支払っていることから、本件土地を貸宅地として評価すべきである旨主張するが、請求人が被相続人から建物を贈与された以後、被相続人と請求人の間で権利金等の授受及び賃貸借契約の締結がなされたことを立証する証拠の提出はなく、また、被相続人は本件土地に係る地代収入を申告していないことから、地代の支払があったとは認められないので請求人の主張を採用することはできず、本件土地の使用関係は使用貸借と認められ、貸宅地として評価することはできない。(平 9. 3.31大裁 (諸) 平 8-108)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080071
- 裁決年月日
- 平成9年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に建物の所有を目的とする借地権が存する旨主張するが、(1)本件土地上の車庫は屋根が自動車駐車場所の上部のみを覆っているだけで周囲と空間を遮る壁も扉もないものであるから、雨覆いのために設けられた駐車場の付属設備にすぎず、借地法上の建物に該当しないこと、(2)土地の利用状況からみても、建物の所有を目的とするものとはいえないこと、(3)賃貸契約がなく権利金や地代の授受もないから賃貸借とは認められないことから、借地権は存せず、自用地として評価するのが相当である。(平 9. 2.28大裁 (諸) 平 8-71)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080058
- 裁決年月日
- 平成9年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人とA社との間における本件土地の貸借関係は、昭和33年から相続開始日まで、(1)両者間において権利金及び地代の授受はなかったこと、(2)A社は本件土地の公租公果を全額負担していたこと、(3)A社の貸借対照表には本件土地の借地権に関する記載がないことなどを併せ考えると、本件土地の貸借関係の実体は私法上の使用貸借であると認められなくもないが、私法上においては、法人が本来営利追及を目的として設立されるものであり、その活動はすべて合理的な経済人としての立場から行われるべきものとの考え方から、前記(1)、(2)及び(3)の事実には関係なく、本件土地の貸借が使用貸借の名の下にA社に建物を建築させた場合であっても、借地権相当額の認定課税が行われていたと認めるのが相当であるから、A社には本件土地の借地権相当額が存することとなり、本件土地は借地権の設定されていた土地として評価すべきである。(平 9. 2.17大裁(諸)平 8-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080092
- 裁決年月日
- 平成8年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地上には、A・B・C・Dの4棟の建物が存し、いずれも借地権が存することから、本件土地は、すべてを貸宅地として評価すべきである旨主張するが、(1)A建物は、相続開始日現在、存在していなかったことが認められるから、その敷地は自用地、(2)B建物の敷地部分は、使用貸借と認められるから、自用地、(3)C建物の敷地部分は、税務上、建物新築時に借地権相当額の課税が行われたとして取り扱われるから、貸宅地、(4)D建物の敷地部分は、無償返還の届出もなく、相当地代の支払もないから、貸宅地、(5)その他の土地は、期間の定めのない賃借権の対象となっている貸宅地とそれぞれ評価するのが相当と認められる。(平 8.12.12東裁(諸)平 8-92)
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