裁決要旨 5未分割遺産に係る課税価格

裁決要旨 5未分割遺産に係る課税価格

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支部名
広島
裁決番号
平270004
裁決年月日
平成27年10月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集№101

要旨

○ 原処分庁は、遺産分割協議書(本件協議書)に記載がない被相続人の子名義の各定期預金11口(本件各定期預金)は、本件協議書に被相続人の妻(本件妻)が取得する財産として「上記相続人が取得する以外の全財産」と記載された条項(本件条項)に基づき、本件妻一人が取得することとなる旨主張する。しかしながら、本件条項は、個別財産の分割を定める条項を設けた上で、失念していた財産や家財道具などを被相続人と同居していた家族等の適当な者に取得させるための補充的な定めであり、個別の記載のない高額の財産については、その補充的な条項には含まれないと解するのが自然である。本件における共同相続人間において、本件条項の具体的な意味内容についての協議はなく、かつ、金融資産について法定相続分に従って分割する意思を有していた共同相続人が、約1億円もの高額な本件各定期預金を本件妻一人に取得させる意思を有していたとは考え難いから、共同相続人間において、本件各定期預金に本件条項を適用する旨の合意があったと認めることはできない。したがって、本件各定期預金は、本件条項に基づき本件妻一人が取得するものと解することはできない。(平27.10. 2 広裁(諸)平27-4)

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支部名
東京
裁決番号
平260113
裁決年月日
平成27年6月3日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集№99

要旨

○ 請求人らは、預貯金等の未分割財産(本件未分割財産)について、本件には請求人ら以外の相続人が本件未分割財産及びこれから発生する収益の全てを支配、独占しているなどの個別的事情があることから、相続税法(平成23年法律第82号による改正前のもの)第55条《未分割遺産に対する課税》に規定する課税価格の計算は、各共同相続人が未分割の財産に対する自己の相続分に応じた価額相当分を取得したものとして計算する方法、すなわち、積上方式によるべきである旨主張する。しかしながら、相続財産の一部が分割された場合、そのことによって、相続財産全体に対する各共同相続人の法定相続分の割合が変更されることはないから、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価額相当分から既に分割を受けた財産の価額を控除した価額相当分についてその権利を主張することができる。そうすると、相続税法第55条に規定する「民法(第904条の2を除く。)の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算する」とは、各共同相続人が相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価額相当分から既に分割を受けた財産の価額を控除した残りの価額相当分を取得したものとして計算する方法、すなわち、穴埋方式により課税価格を計算すると解するのが相当である。(平27. 6. 3 東裁(諸)平26-113)

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支部名
関東信越
裁決番号
平240010
裁決年月日
平成24年10月23日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続財産については分割協議中であり、請求人が相続する財産が未確定であるから相続税を課されるべきではない旨主張する。しかしながら、未分割財産であっても、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定により、各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算して相続税が課されることになる。(平24.10.23 関裁(諸)平24-10)

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支部名
福岡
裁決番号
平230003ほか 2件
裁決年月日
平成23年9月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件相続財産に係る遺産分割協議は成立している旨主張する。しかしながら、遺産分割協議が共同相続人の一部を除いてなされた場合には、その分割協議は無効になると解されるところ、請求人が原処分庁に提示した「遺産分割協議書」と題する書面には、本件共同相続人の一人の署名押印がないから、当該書面をもって遺産分割協議が成立したとみることはできず、その他、共同相続人の全員において遺産分割の合意が成立したことを認めるに足りる証拠も見当たらないことからすると、本件相続財産については、遺産分割協議が成立したと認めることはできない。よって、本件相続財産は未分割状態にあると認められる。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-3)

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支部名
名古屋
裁決番号
平230013
裁決年月日
平成23年8月26日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集№84

要旨

○ 請求人らは、本件被相続人がその預金原資を出捐した請求人らの名義の各定期預金(本件各定期預金)について、本件各定期預金に係る証書が本件被相続人の生前にそれぞれ各名義人へ手渡された時点で、本件被相続人からの贈与の履行が完了しているから、相続財産とはならない旨主張する。しかしながら、確かに、本件被相続人と請求人らとの間で、本件各定期預金に関する書面によらない贈与契約がそれぞれ成立したものと認められるものの、書面によらない贈与は、その履行が終わるまでは当事者がいつでもこれを取り消すことができることから、その履行前は目的財産の確定的な移転があったということはできないので、この場合の贈与の有無、すなわち、目的財産の確定的な移転による贈与の履行の有無は、贈与されたとする財産の管理・運用の状況等の具体的な事実に基づいて、総合的に判断すべきである。これを本件についてみると、定期預金を自由に運用するためにはその届出印が必要となるところ、本件各定期預金の届出印は、その保管状況・使用状況・各名義人の当該届出印に対する認識及び本件各定期預金に係る証書の改印状況などを勘案すると、相続開始時点においても本件被相続人が引き続き管理していたものと認められることから、本件各定期預金について、本件被相続人から各名義人へ確定的な移転があったとまではみることができない。したがって、本件各定期預金は、贈与によって請求人らが取得したものとは認めることができず、相続税の課税財産に該当する。ただし、本件各定期預金は、遺産分割協議書に記載がなく、同書には「本書に記載のない遺産はすべて請求人Gが取得する」旨記載されているものの、請求人らの間において、当該遺産分割協議の時点で遺産分割対象財産として認識していなかったと解されることから、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》に規定する未分割財産であるとみるのが相当である。(平23. 8.26 名裁(諸)平23-13)

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支部名
名古屋
裁決番号
平220059
裁決年月日
平成23年6月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、先に発生した本件被相続人の妻を被相続人とする相続(本件第一次相続)に係る相続財産(本件第一次相続財産)について、実質的には分割内容は決定していたのであるから、形式的な未分割を理由に相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、相続税法第55条の規定が設けられたのは、相続税の申告書を提出する時までに遺産分割が行われるとは限らない上、遺産分割が行われるまで相続税を課税できないとすると、遺産分割を恣意的に遅延して課税を遅らせることが可能となり、遺産分割を早期に行った者とそうでない者との間で相続税の負担について不公平が生じることから、これを防止する趣旨によるものと解されるところ、本件更正処分が行われた時点において本件第一次相続に係る遺産分割協議が成立したことを明らかにする客観的証拠は認められないから、本件第一次相続財産は、法的に未分割の状態であったとみるべきであって、相続税法第55条の規定が設けられた上記の趣旨によっても、本件相続について、同条の規定を適用すべきことは明らかである。(平23. 6.14 名裁(諸)平22-59)

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支部名
東京
裁決番号
平220194
裁決年月日
平成23年4月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、他の共同相続人との間で遺産分割調停事件が係属しており、また、被相続人の財産から現実に取得したものも一切ないから、課税価格及び税額をともに零円とした申告に誤りはない旨主張する。しかしながら、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》は、遺産の全部又は一部が未分割の場合には、未分割財産については、各共同相続人が民法の規定による相続分に従って取得したものとして相続税の課税価格を計算する旨規定しているところ、本件においては、当審判所が各証拠を精査し、また、調査した結果によっても、本件相続に係る遺産分割がされた事実は認められないことからすれば、本件相続税の課税価格は、本件相続に係る各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして計算すべきである。請求人の主張するとおり、本件相続に係る遺産分割調停が係属中であり、請求人が現実に取得した財産が一切ないとしても、これらのことは、原処分庁が本件更正処分等をすることを妨げる事由とはならない。(平23. 4.20 東裁(諸)平22-194)

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支部名
東京
裁決番号
平220100
裁決年月日
平成22年11月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件のように遺産の一部に未分割財産がある場合、相続税の課税価格を計算するに際し、いわゆる穴埋方式(分割財産を特別受益と同じように考慮に入れて、分割財産と残余財産の未分割財産を合計し、民法の規定による相続分に見合うように、これを相続人間に配分した上で各人の相続税の課税価格を計算する方法)によるべきではない旨主張する。しかしながら、遺産の一部のみが分割された場合、そのことによって、遺産全体に対する各共同相続人の法定相続分の割合が変更されることはないから、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した残りの価格相当分について、その権利を主張することができるところ、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》にいう「民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算する」とは、各共同相続人が、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した残りの価格相当分を取得したものとして計算するという趣旨であると解すべきである。したがって、相続税の課税価格の計算に当たって遺産の一部に未分割財産がある場合には、いわゆる穴埋方式により計算するのが相当である。(平22.11. 5 東裁(諸)平22-100)

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支部名
福岡
裁決番号
平210030
裁決年月日
平成22年3月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
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要旨

○ 本件被相続人は、財団法人A会を新たに設立し、同法人に対して、本件寄附予定財産を寄附する旨の遺言をしているところ、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、①財団法人A会は設立できなかったこと、②これに代わるものとして、平成19年3月7日に特定非営利活動法人B会を設立し、本件寄附予定財産が同法人の資産の総額に含まれ、寄附されることとなっていることからすれば、本件遺言の目的である財団法人A会の設立が不能となったと認められる。そうすると、財団法人A会に本件寄附予定財産を寄附するとの部分に係る本件遺言はその効力が生じないこととなり、民法第995条の規定により、本件寄附予定財産は、本件相続人らに帰属することから、本件課税財産に含まれることとなる。(平22. 3.30 福裁(諸)平21-30)

支部名
東京
裁決番号
平210015
裁決年月日
平成21年9月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件相続に係る財産については、その全部の分割が完了していないのであるから、財産の全部が分割されたものとして相続税を計算すべきではない旨及び積上方式(未分割財産の額を各共同相続人に法定相続分の割合で単純に配分する方法)により計算された相続税額に基づく第1次更正処分によって税額が確定したはずであるのに、穴埋方式(分割済財産の額と未分割財産の額との合計額を基礎とし、これに民法の規定による相続分の割合を乗じた金額から、各共同相続人の分割済の財産の額を控除した残額をもってその者の相続分として、未分割財産の額を各相続人に配分する方法)により計算された相続税額に基づく第2次更正処分によって、第1次更正処分よりも納付税額が増えることは違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第55条の規定によれば、相続により取得した財産の全部又は一部が共同相続人によってまだ分割されていないときは、その未分割財産については、各共同相続人が民法(第904条の2を除く。)の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算することとされているところ、原処分庁が、当該規定に基づき相続税の課税価格を計算したことは適法である。また、ここにいう「民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算する」とは、各共同相続人が、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した残りの価格相当分を取得したものとして計算するという趣旨であると解すべきであり、したがって、一部未分割財産がある場合において相続税の課税価格を計算する際には、穴埋方式により計算するのが相当であるから、第2次更正処分は適法である。(平21. 9. 1 東裁(諸)平21-15)

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支部名
東京
裁決番号
平190187
裁決年月日
平成20年5月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、未分割財産については、共同相続人各々に法定相続分の割合で単純に配分する方法(積上方式)により、課税価格に算入する額を計算すべきである旨主張する。ところで、相続税法第55条第1項によれば、相続により取得した財産の全部又は一部が共同相続人によってまだ分割されていないときは、その未分割財産については、各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算することとされている。この「民法の規定による相続分」とは、民法第900条から第903条までに規定する相続分をいうこととされているから、共同相続人の中に被相続人から贈与を受けた者がいる場合には、民法の規定により、当該贈与財産額の相続財産への持戻計算を行うこととなる。また、「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものと解するのが相当であり、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた相続財産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができるものと解されている。したがって、相続税の課税価格の計算に当たっては、被相続人から贈与を受けた財産の価額については相続財産への持戻計算を行い、また、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、穴埋方式により計算するのが相当であると認められる。そして、相続税法第55条においては、民法の規定による相続分の割合について、同法第904条の2を除く旨規定しているが、その趣旨は、寄与分は、具体的には共同相続人間の協議又は家庭裁判所における審判によって初めて明らかになるのが一般的であることから、遺産が未分割である場合には寄与分も具体的に定まっていないことが多いことを踏まえ、相続税法第55条に規定する相続税の課税価格の計算ができなくなることを防ぐことにあることからすれば、同条の規定は、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合について、これを相続分の算定に反映させることを排除する趣旨とまで解することはできない。また、同条にいう「相続分の割合」とは、「共同相続人が他の共同相続人に対しその権利を主張できる持分的な権利の割合」をいうところ、先行する遺産分割により、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合には、当該取得財産額については、穴埋方式による共同相続人の未分割財産の取得可能額の計算の基礎となる財産の価額から除外されると解しても、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張できる持分的な権利の割合を適正に計算することの妨げとはならないとともに。それは寄与分に関する民法の定めや共同相続人の意思にも沿うものであり、同条の趣旨に照らしても合理的なものというべきである。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-187)

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支部名
東京
裁決番号
平190188
裁決年月日
平成20年5月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・546ページ

要旨

○ 請求人は、未分割財産については、共同相続人各々に法定相続分の割合で単純に配分する方法(積上方式)により、課税価格に算入する額を計算すべきである旨主張する。ところで、相続税法第55条第1項本文によれば、相続により取得した財産の全部又は一部が共同相続人によってまだ分割されていないときは、その未分割財産については、各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算することとされている。この「民法の規定による相続分」とは、民法第900条から第903条までに規定する相続分をいうこととされているから、共同相続人の中に被相続人から贈与を受けた者がいる場合には、民法の規定により、当該贈与財産額の相続財産への持戻計算を行うこととなる。また、「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものと解するのが相当であり、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた相続財産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができるものと解されている。したがって、相続税の課税価格の計算に当たっては、被相続人から贈与を受けた財産の価額については相続財産への持戻計算を行い、また、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、穴埋方式により計算するのが相当であると認められる。そして、相続税法第55条においては、民法の規定による相続分の割合について、同法第904条の2を除く旨規定しているが、その趣旨は、寄与分は、具体的には共同相続人間の協議又は家庭裁判所における審判によって初めて明らかになるのが一般的であることから、遺産が未分割である場合には寄与分も具体的に定まっていないことが多いことを踏まえ、相続税法第55条に規定する相続税の課税価格の計算ができなくなることを防ぐことにあることからすれば、同条の規定は、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合について、これを相続分の算定に反映させることを排除する趣旨とまで解することはできない。また、同条にいう「相続分の割合」とは、「共同相続人が他の共同相続人に対しその権利を主張できる持分的な権利の割合」をいうところ、先行する遺産分割により、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合には、当該取得財産額については、穴埋方式による共同相続人の未分割財産の取得可能額の計算の基礎となる財産の価額から除外されると解しても、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張できる持分的な権利の割合を適正に計算することの妨げとはならないとともに。それは寄与分に関する民法の定めや共同相続人の意思にも沿うものであり、同条の趣旨に照らしても合理的なものというべきである。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-188)

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支部名
東京
裁決番号
平190050ほか 4件
裁決年月日
平成19年10月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 №74・274ページ

要旨

○ 請求人は、遺産の一部が未分割である場合の相続税の課税価格の計算は「積上方式」によるべきである旨主張するが、相続税法第55条は、未分割遺産については、「相続分の割合」に従って遺産を取得したものとして課税価格を計算するものと規定しているところ、この「相続分の割合」とは、共同相続人に対して、その権利を主張することができる持分的な権利の割合をいい、また、遺産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、共同相続人は、他の共同相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができるものと解するのが相当である。 したがって、原処分庁が、未分割遺産の配分に当たり「穴埋方式」を採用したことは相当である。(平19.10.24 東裁(諸)平19-50)

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支部名
東京
裁決番号
平190050ほか 4件
裁決年月日
平成19年10月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 №74・274ページ

要旨

○ 請求人は、相続財産のうち可分債権である貸付金債権については、分割済財産として相続税の課税価格の計算をすべきである旨主張する。 しかしながら、金銭等の可分債権については、その他の財産の分配における過不足を調整させる意味合いから、一般的には、これらを一体的に捕らえた遺産分割が行われているところであって、家庭裁判所の実務においても、遺産を総合的に分割するためには、預金等を含めた方が合理的であり、その実際的必要性が高いため、預金等の可分債権を遺産分割の対象にしている例が多いと認められる実態を相続税賦課の観点からみるときは、相続財産が可分債権であることを考慮に入れてもなお、当該財産をもって分割の対象とはならない財産とみることは相当ではない。 したがって、当該可分債権が、①共同相続人によって実際に分割が行われた場合、②実際に分割が行われないまでも、持分に応じて取得する旨の共同相続人全員の合意がされた場合及び③一部の相続人が当該可分債権に対する自己の相続分相当の権利を行使した場合など、明らかにその全部又は一部の帰属が確定している場合を除き、相続開始と同時に分割が確定しているものとみることは相当ではなく、他の未分割財産と一体として扱うのが相当である。(平19.10.24 東裁(諸)平19-50)

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支部名
東京
裁決番号
平180009
裁決年月日
平成18年7月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、甲土地及び請求人らの父(以下「被相続人」という。)名義の株式等について、被相続人に帰属する財産ではあるが、原処分前に請求人らの間で、遺産分割協議が整い、請求人の一人である丙が取得したものであることから、これらの財産を未分割の相続財産であるとして行った原処分は違法である旨主張する。 しかしながら、甲土地については、遺産分割協議公正証書(以下「本件公正証書」という。)が存するものの、被相続人名義の株式等については、遺産分割協議の成立を認めるに足りる証拠がなく、本件公正証書については、その作成経緯等から判断して、その内容が実体を伴うものであるとは認められないことから、これらの財産は未分割の相続財産であると認められる。また、本件では、請求人らは、原処分が行われる前に、関与税理士を介して、甲土地が未分割の相続財産である旨を原処分庁に説明しており、かつ、原処分庁に本件公正証書の存在を秘匿していたことなどが認めれらるところ、相続税法の趣旨及び課税処分の違法性が処分時を基準に判断されるべきであることに照らすと、仮に、本件公正証書が実態を伴うものであったとしても、そのことをもって、原処分の取消しを求める事由とはなり得ないと解するのが相当である。 したがって、請求人らの主張には理由がなく、甲土地及び被相続人名義の株式等を未分割の相続財産であるとして行った原処分は、いずれも適法である。(平18. 7.14 東裁(諸)平18-9)

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支部名
広島
裁決番号
平170036ほか 3件
裁決年月日
平成18年4月26日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

相続税法第55条にいう「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものと解するのが相当であり、遺産の一部が未分割である場合には、各共同相続人は他の共同相続人に対し遺産全体に対する自己の相続分に応じた価額相当分から、既に分割を受けた遺産の価額を控除した価額相当分についてその権利を主張できることになるのであるから、未分割遺産に対し単純に法定相続分の割合を乗じた原処分の計算方法は誤りと認められ、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平18. 4.26 広裁(諸)平17-36)

支部名
仙台
裁決番号
平170001
裁決年月日
平成17年7月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、全部の遺産について遺産分割が終了しているにもかかわらず、原処分庁は、調停調書に記載された財産についてのみ遺産分割の成立を認め、その余の財産及び債務については未分割であるとして、遺産分割の実態と当事者の認識をしんしゃくしないまま本件更正処分を行っている旨主張する。しかしながら、当審判所の調査により把握された資料は、いずれも、調停調書に記載された財産以外の財産の分割協議が行われたことを明らかにするものとは認められず、さらに、当審判所に対する請求人ら以外の相続人の答述によっても、相続財産の確定及びその分割については、未だその協議が調っていないと判断せざるを得ない。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平17.7.1仙裁(諸)平17-1)

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支部名
大阪
裁決番号
平160062
裁決年月日
平成17年3月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 №69・235ページ

要旨

○ 請求人は、一部分割後の残余の未分割遺産に係る相続税法第55条の適用に当たっては、当該残余の未分割財産に法定相続分の割合を乗じた金額を課税価格に配分すべきであるから、課税価格は更正の請求前のそれを下回ることとなる旨主張するが、民法上、相続分とは、共同相続人の相続財産全体に対する分け前の限度、普通はその割合をいい、相続財産の中の具体的財産ではなく、相続財産全体に対する持分であると解されているから、相続税法第55条の適用に当たっては、共同相続人各人は、他の共同相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができると解される。そうすると、残余の未分割遺産が当該主張することができる金額を上回る本件の場合においては、課税価格は更正の請求前のそれと同額となるから、原処分は相当である。(平17.3.17大裁(諸)平16-62)

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支部名
東京
裁決番号
平150266
裁決年月日
平成16年4月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件相続に係る遺産が未分割のため、共有関係にある相続財産は、遺産分割を巡る紛争が審判によって確定されてはじめて所有権の根幹というべき処分権を行使できる状態になるのであるから、本件相続に係る取得財産の価額を審判における価額に基づき算定するのが合理的である旨主張する。しかしながら、本件更正の請求は、相続税法第32条第1号に該当する更正の請求と認められるところ、同条に基づく更正の請求は、同法第55条の規定により未分割の遺産を法定相続分の割合に従って課税価格を計算して確定した納付すべき税額が、その後の遺産分割の確定に伴い過大となるという後発的事由に基づいて相続税額の是正を求めるためのものであり、相続により取得した財産の価額の是正を求めるものではない。したがって、本件更正の請求においては、本件相続財産の価額を是正すべきとの請求人の主張は認められない。また、相続税法第22条に規定する「相続財産の取得の時における時価」とは、当該財産の相続開始の時の価額であり、本件においては、本件相続税の修正申告書に記載された財産の価額となるから、この点においても請求人の主張は認められない。(平16.4.15東裁(諸)平15-266)

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支部名
名古屋
裁決番号
平150044
裁決年月日
平成16年1月28日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集No.67・580ページ

要旨

○ 請求人は、更正処分は遺産分割調停の結果に従って行われるべきであるので、調停中に行われた本件更正処分は違法である旨主張するが、国税通則法第24条は、納税申告書の提出があった場合に、申告書に記載された課税標準等が調査したところと異なるときは、その調査により当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する旨規定しており、遺産分割が調停中である場合には相続税の申告書に記載された課税標準等を更正できないとする税法上の規定はない。請求人らは、未分割財産につき相続税法第55条の規定に基づいて計算した本件相続税申告書を提出しているのであるから、国税通則法第24条に基づいて更正を行うこと自体何ら支障はなく、本件更正処分は、当初申告書に記載された課税価格及び納付すべき税額が原処分庁の調査したところと異なっていたため国税通則法第24条に基づいて行われたものであるから、請求人の主張には理由がない。(平16.1.28名裁(諸)平15-44)

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支部名
東京
裁決番号
平150063
裁決年月日
平成15年9月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 相続財産の一部が未分割となっている場合の課税価格の計算に当たって、穴埋め方式(分割済みの財産を特別受益と同じように考慮に入れて、残余の未分割財産に対する各共同相続人の相続分の割合を求める方法)によって計算にした本件更正処分に違法はない。(平15.9.19東裁(諸)平15-63)

支部名
高松
裁決番号
平140024
裁決年月日
平成15年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件相続に係る遺産の分割が行われておらず、何ら遺産又は権利を得ていないこと及び納税する資力がなく、納付は物納以外に不可能であるとして決定処分が違法である旨主張する。しかしながら、民法第898条は、相続人が数人あるときは、その相続財産は、その共有に属する旨、また、同法第900条第4項では、子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各人の相続分は、相等しいものとする旨それぞれ規定し、また、相続税法第27条は、相続等により取得したすべての者に係る相続税の課税価額の合計額が基礎控除額を超える場合において相続税額があるときは、相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければならない旨及び同法第55条は、相続等により取得した財産の全部又は一部が未分割である場合には、民法の規定による相続分等の割合に従って当該財産を取得したものとして課税価格の計算をする旨規定している。これらのことからすると、請求人には相続権があり、申告納税義務を負うことも明らかであるから、その法定相続分に応じて課税価額等を計算して申告及び納付すべき義務を負っているものといわざるを得ない。また、納税の手続と納付すべき税額の確定手続とは別個の問題であって、納税する資力がないこと等を持って課税処分の違法を主張することは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.03.20.高裁(諸)平14-24)

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支部名
大阪
裁決番号
平120049
裁決年月日
平成13年1月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
業種
不動産貸付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件遺産分割協議書で請求人の妹が相続放棄しているにもかかわらず、原処分庁は、本件損害保険契約に関する権利及び本件構築物を未分割財産に該当するとして、事実誤認している旨主張するが、請求人の妹が本件分割協議の記載以外の財産につき相続放棄しているとは認められず、また、本件申告漏れ財産については、本件遺産分割協議書に記載がなく、未分割財産に該当することから、請求人の主張には理由がない。(平13.1.30大裁(諸)平12−49)

支部名
大阪
裁決番号
平100047
裁決年月日
平成10年12月10日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人は亡夫の遺産を具体的かつ確定的に取得していないものと解すべきであるから、被相続人が本件相続分相当額を取得したものとして、当該金額を本件相続税の課税価格の計算の基礎に算入してされた本件決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、被相続人が相続により取得した亡夫の遺産に対する共有持分は相法第11条の2に規定する「財産」に該当することころ、被相続人の遺産についても分割協議が成立していないのであるから、被相続人が有していた亡夫の遺産に対する共有持分を含む被相続人の相続財産については、本件相続に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入した上、被相続人の共同相続人が法定相続分の割合に従って取得したものとみなして課税価格を計算することとなる。(平10.12.10大裁 (諸) 平10-47)、(平10.12.10大裁 (諸) 平10-48,49)

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