裁決要旨 1借入金

裁決要旨 1借入金

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支部名
関東信越
裁決番号
令040021
裁決年月日
令和4年12月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が主張する国外所在の銀行(本件銀行)を債権者とする請求人の祖父(本件被相続人)の債務(本件債務)について、請求人は本件債務の使途や借入目的を明らかにせず、本件被相続人が本件債務の実質的な負担者ではない可能性を排除できないことから、本件被相続人の相続に係る相続税の計算上、債務控除の対象とはならない旨主張する。しかしながら、請求人が本件債務の存在を証するものとして提出した書類(本件証明書)の記載内容、署名、押印の状況から、本件銀行が業務上作成したものと推認されるところ、この推認を妨げる特段の事情は見当たらず、本件証明書は真正に成立し、本件証明書の内容は信用性が高いものと認められることからすると、本件債務は相続税法第13条《債務控除》第1項に規定する「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」に該当する。また、本件債務の債権者である本件銀行が、かかる債務を免除することは容易には想定し難く、その履行が義務付けられていたと認められることからすると、本件債務は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する。したがって、本件債務のうち、本件被相続人の相続に係る相続税の計算上、相続税法第1条の3《相続税の納税義務者》第1項第2号イに規定する納税義務者に該当する者の負担に属する部分は、債務控除の対象となる。(令4.12. 1 関裁(諸)令4-21)

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支部名
東京
裁決番号
令040028
裁決年月日
令和4年9月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人の銀行に対して負ったとされている債務は、同行による当該債務の残高の証明書があっても、請求人らが使途や借入目的等を具体的に示す書類を提示していないため、被相続人以外の者が当該債務の実質的な負担者である可能性を排除できず、被相続人の債務で相続開始の際現に存するものであり、かつ、確実と認められることを明らかにしたとは認められない旨主張する。しかしながら、当該証明書の記載内容、署名及び押印等の状況からすれば、当該証明書は同行が職務上作成したものと推認されるところ、この推認を妨げる特段の事情は認められず、また、債権者である金融機関の同行が当該債務を免除することは容易には想定しがたい。よって、当該債務は、被相続人の債務で相続開始の際現に存するものであり、かつ、確実と認められるものに該当する。(令4. 9.29 東裁(諸)令4-28)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)について、①相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当しないこととなった日は、相続開始後、本件債務が免除された日であること、②「確実と認められるもの」に該当しない債務(自然債務、保証債務、不明確又は不確定の債務)のいずれにも該当しないこと、及び③法律的に履行を強制される債務であったことから、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。上記各主張は、要するに相続開始の時に本件債務が存在していたことをいうにすぎないというべきところ、同項に規定する「確実と認められるもの」とは、債務の存在が確実であるのみでは足りない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)は、相続開始の時にまだ100万円の支払義務が残っており、請求人らがこれを確実に履行するか否かは判定できないことから、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)について、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当しないとすると、相続開始の時までのどこかの一時点で「確実と認められるもの」から確実と認められないものに債務の性質が変化したことになるが、その時点の判断基準が不明確、不合理であり、債務の性質が変化したとはいえないから、本件債務は、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。同項に規定する「確実と認められるもの」に該当するかについては、飽くまでも相続開始の時に判定するものであるから、その判定が不明確となることはない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)は、原処分庁が請求人Aらに対して本件債務の免除益を一時所得として所得税等の更正処分をしたことを前提とすると、相続開始の時において相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。銀行により本件債務が免除された事実は、本件債務が存在していたことを前提に、一時所得としての課税の基礎となるが、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当するかの判定に直ちに影響するものではない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
仙台
裁決番号
令020024ほか 1件
裁決年月日
令和3年6月17日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№123

要旨

○ 請求人は、原処分庁が債務控除の対象とはならないとした債務(本件債務)は、真正に成立しており、法的に履行が強制されることから、その全額が相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張するのに対し、原処分庁は、本件債務は請求人が履行することを予定していないことから、その全額が「確実と認められるもの」には該当しない旨主張する。しかしながら、本件債務の発生原因となった建物売買契約は、建物の売買金額と相続税評価額との間に生じる差額により相続税の軽減効果が期待できるとの提案があった上で締結されたことからすると、本件債務のうち、売買の対象となった建物(本件建物)の経済的価値(評価通達に基づき算出された評価額)に相当する部分については、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示しているものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、いずれ混同により消滅させるべき債務を、いわば名目的に成立させたにすぎないのであるから、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示すものとはいえない。したがって、本件債務のうち、本件建物の経済的価値に相当する部分については、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当するものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、「確実と認められるもの」には該当しない。(令3. 6.17 仙裁(諸)令2-24)

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支部名
東京
裁決番号
令020086
裁決年月日
令和3年6月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が有していた被相続人に対する貸付金の返済が相続開始時までになかったから、当該貸付金及びその利息に係る債務の額を相続税の課税価格の計算上控除すべきである旨主張する。しかしながら、①被相続人が、請求人に自宅購入の資力の有無を確認するため、請求人に被相続人の口座への振込みを求めたとする請求人の申述等の内容自体が不合理なものであること、②請求人が被相続人の預金口座に振込みをし、被相続人に金銭を貸し付けた旨の請求人の申述等は、当該振込みの有無や当該振込みに係る振込依頼書の存否といった、被相続人に対する貸付金の成立の有無の判断に当たっての重要な点について変遷しており、その変遷について合理的理由を見いだすことができないこと、③請求人が被相続人に対して貸付金の返済を求めた事実はうかがわれず、請求人が、平成6年から長年にわたって被相続人に返済を求めず、何らの債権保全措置を執らないというのは、債権者の行動として不自然というほかないことからすれば、請求人が被相続人に貸し付けた旨の申述等は信用することができないから、請求人が被相続人に対して金銭を貸し付けた事実を認めることはできず、相続税の課税価格から控除すべき債務を控除することはできない。(令3. 6. 1 東裁(諸)令2-86)

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支部名
東京
裁決番号
平280135
裁決年月日
平成29年6月6日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、銀行から借り入れた請求人名義の借入金(本件借入金)は、実質的に被相続人の債務であり、また、仮に被相続人の債務であると認められないとしても、請求人は債務超過の状態であって被相続人が連帯保証人として保証債務を負担していたから、本件借入金は相続税法第13条《債務控除》第1項及び同法14条第1項の規定による債務控除の対象となる旨主張する。しかしながら、本件借入金の借入れ当初から相続開始後までの状況からすれば、本件借入金の債務者は請求人であると認められる。また、請求人の主張するとおり、相続開始日において、請求人が債務超過の状態にあったとしても、連帯保証債務が直ちに請求される状況にあったとも認められず、さらには、請求人が直ちに破産等の申立てがされるという状況にあったとも認められないのであって、本件借入金の主たる債務者である請求人が弁済不能の状態であるため、連帯保証人である被相続人が連帯保証債務を履行しなければならないことが確実であったとはいえない。したがって、同法第13条第1項及び第14条第1項の規定による債務控除の対象とはならない。(平29. 6. 6 東裁(諸)平28-135)

支部名
名古屋
裁決番号
平280022
裁決年月日
平成29年3月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人らのうちの一人の配偶者(本件配偶者)が、平成11年頃、被相続人が事業(本件事業)を開業する際の開業資金などとして被相続人に15,000,000円を貸し付けた(本件貸付)から、相続税法第13条《債務控除》第1項の規定に基づく債務控除をすることができる旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件貸付を裏付ける客観的な証拠を提出せず、被相続人の所得税などの申告に関与していた税理士等が本件事業の決算用に作成した貸借対照表にも本件貸付に係る借入金の記載はない。また、当審判所の調査によっても、他に本件貸付があったことをうかがわせる事情は特に見当たらない。したがって、請求人らの主張する本件貸付について、同項の規定に基づく債務控除をすることはできない。(平29. 3.15 名裁(諸)平28-22)

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支部名
大阪
裁決番号
平270039
裁決年月日
平成28年2月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№102

要旨

○ 請求人らは、被相続人は、被相続人の病院事業(本件病院事業)に係る共同経営者及び被相続人の配偶者らと共に任意組合契約を締結し、共同経営者は本件病院事業の収益の未分配金(本件未分配金)を、配偶者は本件病院事業からの給与の一部を当該任意組合(本件組合)に出資してf市の不動産(本件組合不動産)の共有持分を取得したが、本件組合不動産の大部分が被相続人の登記名義となっていることから、被相続人は、共同経営者及び配偶者が出資した金員について、預託金若しくは借入金の返還債務又は不当利得の返還債務を負っており、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務が存する旨主張する。しかしながら、請求人ら及び共同経営者は、元来、本件組合不動産の大部分が被相続人に帰属するとの認識を有していたと推認できること、共同経営者に対する本件未分配金の計算に信ぴょう性が認められないこと、配偶者に対して相続開始直前に一部が返還されていること、共同経営者と配偶者の出資した金額が同人らの本件組合不動産の一部の取得に係る取得価額を超えていると認めるに足りる証拠がないことから、両名に対する債務の存在を認めることはできない。また、請求人らは、相続開始前に被相続人の母の預貯金口座から被相続人名義の預金口座に移動された金員について、被相続人は母に対し借入金の返還債務を負っており、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務が存する旨も主張するが、当該被相続人名義口座の預金残高は相続税の申告において相続財産として計上されていないことから、請求人らは当該口座が被相続人に帰属するものと扱っていなかったことが推認され、上記金員の交付の事実自体、直ちに認められることはできないので、被相続人の母に対する債務の存在も認めることはできない。(平28. 2. 4 大裁(諸)平27-39)

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支部名
東京
裁決番号
平270021
裁決年月日
平成27年8月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№100

要旨

○ 請求人らは、債権者を請求人P2、債務者を被相続人とする各約束手形及び公正証書に記載された被相続人の各債務について、各債務がいずれも存在することは明らかであり、その合計額から返済額を差し引いた残額につき、相続税の課税価格に算入すべき財産の価額から控除すべきである旨主張し、原処分庁は、請求人P2の各債務についての申述等の変遷や、各約束手形及び公正証書の記載の事実自体が不確かなものであり、これら借入金の成立自体が認められない旨主張する。しかしながら、各約束手形は、被相続人及び請求人P2の署名押印があることなどから、真正に成立したものと認められ、各約束手形の作成の時点で、各約束手形借入金が存在したことが認められる。また、公正証書は、法定の方式で作成され、被相続人及び請求人P2の署名押印があるから、真正に成立したものと認められ、公正証書の作成の日現在、被相続人が公正証書記載の残高の債務を負担していたことが認められる一方で、公正証書には、抽象的に当時の債務の数額のみが示されており、その額も低額とはいえないことも併せれば、被相続人と請求人P2との当時の一切の債務に関する確認をしたものとみるのが文理解釈上自然であるところ、記載された金額や作成時期などからすると、公正証書において確認された債務の内容は、各約束手形借入金を含めたものと認めるのが相当である。そうすると、各約束手形を基礎として公正証書を作成したことにより、被相続人と請求人P2は、公正証書記載の債務に係る被相続人の返済の意思を確認していると認められるから、債務者である被相続人は、当該債務の履行が義務付けられているというべきであり、公正証書記載の借入金から当審判所が認定した返済額を控除した残額は、債務の存在及び履行が確実な債務であるということができる。したがって、当該残額を相続税の課税価格の算入すべき財産の価額から控除すべきである。(平27. 8. 4 東裁(諸)平27-21)

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支部名
大阪
裁決番号
平250036
裁決年月日
平成26年1月10日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人及び請求人らが役員を務めるB社の平成3年3月期の借入金元帳に記載されている被相続人からの借入金(本件借入金)の原資の一部は、請求人がA社から受取るべき土地賃貸に係る保証金(本件保証金)であるから、請求人は平成2年当時本件保証金の額に相当する金額を被相続人に貸し付けたこととなり、請求人は被相続人からその返済を受けていないので、相続開始時において被相続人は請求人に対する同額の債務を負っていたこととなる旨主張する。しかしながら、本件保証金に相当する金額を請求人が被相続人に貸し付けたと認めるには、同金額が贈与されたり、請求人の被相続人からの借入金の弁済の用に供されたのではなく、返還の合意の下で被相続人に交付されたものといえることが必要であるところ、被相続人と請求人の間に、平成2年当時、同金額について返還の合意が存在したことに関する適切な証拠はない。また、相続により取得した財産から控除すべき債務は、相続税法第14条《控除すべき債務》第1項により、相続開始の際現に存するもので、確実と認められるものに限られるから、仮に平成2年当時に本件借入金に係る何らかの債務が存在していたとしても、履行することを期待されないものであるときは、債務控除の対象とすることはできないところ、被相続人が、請求人に対して、本件借入金の原資に関する何らかの債務を負っていたとしても、同債務を負ってから相当の期間が経過し、この間、請求人が被相続人に対して本件借入金の弁済を請求し、具体的な弁済方法等の詳細に関する話合いを行ったといった事情は認められない。これらのことからすると、本件借入金は、相続開始の際現に存していたと認めるに足りる証拠はない上、仮に存在していたとしても、履行することを期待されないものであるというほかなく、確実な債務であったとは認められない。(平26. 1.10 大裁(諸)平25-36)

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支部名
大阪
裁決番号
平240056
裁決年月日
平成25年3月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№90

要旨

○ 原処分庁は、請求人らが主張する、本件被相続人が負っていた請求人らを含む相続人らからの借入金債務(本件各借入金債務)は、仮に存在していたとしても、履行が確実な債務とは認められない旨主張する。しかしながら、本件各借入金債務については、貸主と借主とが相続人らと本件被相続人との関係にあること及び本件各借入金債務の原資に係る各金員の支出当時の本件被相続人の年齢などからすると、最終的には本件被相続人の死亡時に清算する旨の黙示の合意が成立していたと認めるのが相当であり、本件被相続人の相続開始時において同人には積極財産も存在していたことからすると、本件各借入金債務の返済(履行)は十分可能であり、本件各借入金債務は履行が確実な債務であったと認めるのが相当である。(平25. 3. 4 大裁(諸)平24-56)

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支部名
大阪
裁決番号
平240056
裁決年月日
平成25年3月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№90

要旨

○ 原処分庁は、請求人らが主張する、本件被相続人が負っていた請求人らを含む相続人らからの借入金債務(本件各借入金債務)は、相続開始日において存在していない旨主張する。しかしながら、本件各借入金債務の原資(本件各金員)は、相続人らが支出したものと認められることに加え、当該支出について、相続人らは、本件被相続人が同人の営む病院(本件病院)の建物建築資金等に係る銀行借入を返済するために本件被相続人へ貸し付けたものである旨答述するところ、本件病院は本件被相続人から建物を賃借して営業を行っていたこと、相続人らは本件病院の経営に関わるとともに、本件病院からの報酬で生計を維持していたこと、本件病院の収入は年々減収しており、当該建物の賃借料や当該報酬も引き下げていること、本件被相続人の法定相続人は同人の配偶者又は子である相続人らのみであり、相続人らが本件被相続人の財産及び債務を相続することが予定されていたこと並びに過去において、本件被相続人から相続人ら及び孫らに対し定期的に贈与がされていたことからすると、上記の銀行借入の返済が滞る事態が生じれば、本件病院の維持継続が困難となり、相続人らの生活に直接大きな影響を与えることとなることが容易に想定されることなどから、当該答述内容は相続人らが本件被相続人に対して本件各金員を支出するに至った経緯として自然なものということができる。なお、本件各金員は孫らの進学資金などとして積み立てていたものであること並びに上記の本件被相続人から相続人ら及び孫らに対する定期的な贈与は相続税対策のためのものと推認されることからすると、本件各金員の支出が相続人らから本件被相続人への贈与であったとみるのは困難である。したがって、本件各金員は、相続人らから本件被相続人に貸し付けられたものと認めるのが相当である。(平25. 3. 4 大裁(諸)平24-56)

支部名
東京
裁決番号
平230223
裁決年月日
平成24年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人が生前に借り受けた本件生命保険契約に係る契約者貸付金は、債務控除の対象となるものである旨主張する。しかしながら、当該契約者貸付金は、①保険約款上の生命保険会社の義務の履行として貸付けがされたものであり、②その金額が解約返戻金から当該生命保険会社が定める金額を控除した後の金額の範囲内に限定され、③保険約款に規定するとおり死亡保険金の支払の際に差し引かれたものであるから、その経済的実質において、死亡保険金の前払がされたものと同視することができるものというべきである。また、本件生命保険契約に係る死亡保険金は、被相続人の死亡の日をもって契約者貸付金が差し引かれるものであるから、保険金受取人が生命保険会社に支払を請求できるのは、その差引後の金額に限られるのであって、当該死亡保険金の全額について支払を請求できるものではない。これらのことからすると、当該死亡保険金の受取人は、当該契約者貸付金を差し引いた後の死亡保険金支払請求権を取得したというべきであり、死亡保険金全額の支払請求権を取得した上で、別途、契約者貸付金が相続によって承継されるというものではない。したがって、当該契約者貸付金は債務控除の対象とならないものである。(平24. 5.17 東裁(諸)平23-223)

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支部名
東京
裁決番号
平230199
裁決年月日
平成24年4月6日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人は関係法人の現金約1億3,200万円を個人的に使用したことに基因して関係法人に対して返還義務を有しており、これを整理する目的で6,600万円(本件借入金)の準消費貸借契約を締結したのであって、本件借入金は相続財産から控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人が関係法人の現金を個人的に使用していたことを裏付ける証拠は一切存在しないことからすれば、被相続人の上記返還義務の存在は認められない。また、確かに、本件借入金に係る金銭消費貸借契約書は存するが、同契約書の作成日付において、その病状からして、被相続人が準消費貸借契約を締結する意思表示を行うことができたとは考え難い。したがって、上記準消費貸借契約の前提となる債務が存在しないのであるから、準消費貸借契約に基づく債務もまた発生しないというべきであり、本件借入金を債務控除することはできない。(平24. 4. 6 東裁(諸)平23-199)

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支部名
大阪
裁決番号
平220078
裁決年月日
平成23年5月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、先行相続に係る相続税の納税の際、本件被相続人は請求人から納税資金として1600万円を借り入れたが、本件被相続人はこれを返済をしていないことから、当該1600万円について、本件相続税において、本件被相続人の債務として債務控除が認められるべきである旨主張する。しかしながら、仮に請求人が先行相続に係る納税資金として本件被相続人に対して1600万円を拠出していた事実があったとしても、先行相続に係る本件被相続人の相続税が納付されてから本件相続開始まで20年以上が経過しているところ、その間、本件被相続人に返済資金があったと認められるにもかかわらず、同人はこれを返済せず、また、請求人も返済の督促をしていないことからすれば、請求人と本件被相続人との間でその返済をする旨の合意が成立していたとは認められない。また、他に請求人と本件被相続人との間で請求人の主張する本件被相続人の借入金の存在を裏付ける証拠もない。したがって、請求人が主張する1600万円については、相続税法第13条《債務控除》第1項に規定する「被相続人の債務で相続開始の際に現に存する債務」とはいえず、債務控除の対象とはならない。(平23. 5.19 大裁(諸)平22-78)

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支部名
大阪
裁決番号
平210056
裁決年月日
平成22年4月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人の夫名義の預金口座から被相続人の預金口座に振り込まれていた金員に相当する金額について、被相続人は被相続人の夫に対する返還義務を負っているので、債務控除すべき債務に該当する旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果に加え、夫婦は婚姻から生ずる費用を分担するべきことを考え合わせると、被相続人の夫名義の預金口座から被相続人の預金口座に振り込まれた金額について、仮に被相続人の夫が全く関知していなかったとしても、被相続人が被相続人の夫に対して同金額に相当する金額全額について返還義務を負っていることが確実であると認めることはできず、同金額が相続税法第13条に規定する被相続人の債務で相続開始の際、現に存する確実な債務とは認められないから、請求人らの主張は採用することができない。(平22. 4.22 大裁(諸)平21-56)

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支部名
大阪
裁決番号
平200052
裁決年月日
平成21年2月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件債務は存在しない旨主張するが、仮に、請求人らの主張するとおりであったとすれば、課税価格及び請求人らの納付すべき相続税税額が増加することになるから、本件更正処分の取消事由にならず、請求人らの主張自体失当である。念のため請求人らの主張を検討するも、当審判所の調査によれば、内縁の妻等が請求人の税金を立替えて支払ったものと認められ、その後、被相続人が相続開始時までに返済した事実は認められないことから、本件債務についての請求人らの主張は採用できない。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)

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支部名
東京
裁決番号
平180007
裁決年月日
平成18年7月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、公正証書(金銭消費貸借契約)に基づく本件借入金は、相続開始日において存在していたのであるから債務控除を認めるべきである旨主張する。 しかしながら、公正証書には、被相続人が平成2年12月10日に平成4年12月9日を弁済期限として1億2,000万円を借りた旨が記載されているところ、請求人の原処分調査及び別件民事訴訟における申述等によれば、相続開始の時点(平成8年6月○日)において、本件借入金の債務が存在しなかったことが明らかであるから、本件借入金を債務控除することはできない。(平18. 7.14 東裁(諸)平18-7)

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支部名
大阪
裁決番号
平170042
裁決年月日
平成18年2月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人が勤務先から特許実施料の名目で受領した金員について、当該特許の共同発明者に対し特許実施料が支払われていないから被相続人のみが受け取る理由がなく、被相続人の借入金である旨主張する。しかしながら、当該金員は、被相続人が単独で発明した特許について、勤務先の取締役会の決議に基づき特許実施料の一部として支払われたものであり、請求人が主張する共同開発した特許に対する特許実施料ではない。したがって、当該金員は、被相続人の借入金とは認められず、相続財産から控除することはできない。(平18.2.22大裁(諸)平17-42)

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支部名
大阪
裁決番号
平170042
裁決年月日
平成18年2月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、甲社及び乙社からの請求人名義の借入金について、請求人には借り入れた覚えがない、あるいは当該借入金が請求人名義ではあるが別件訴訟で被相続人に帰属すると認定された預金口座に入金されているから被相続人の借入金である旨主張する。しかしながら、請求人の実印が押された書類は、いずれも一読すれば貸付けに関する文書であることが明らかな重要書類であって、請求人がこのような書類について内容を確認せずに押印するとは考え難い。そして、両社からの借入状況、借入金の受領状況、借入れに関する書類の作成状況、支払の督促等の状況を勘案すると、請求人は自ら借入れの申込み、借入金の受領の一部に関与しており、また、借入金の一部が振り込まれた銀行で、現金出金等の際に使用された印鑑は、借入申込み等の際に使用されたものである。これらの事情に加え、請求人が当審判所からの質問に対して何ら回答しないこと等を併せ考慮すると、当該借入金は、請求人が借り入れたものと認めるのが相当である。また、被相続人に帰属すると認められた預金口座が使用された事情は、甲社の決算上請求人に対する貸付金がないようにするために、請求人の代理人、被相続人、甲社及び乙社の役員が相談の上で、乙社が借入金残高相当額の資金を借り入れるなどして行ったもので、こうした一時的な資金振替の事務の手続上、同口座が使用されたにすぎない。そうすると、同口座が利用されたことは、上記2社からの請求人名義の借入金が被相続人の借入金であることを裏付けるものではない。(平18.2.22大裁(諸)平17-42)

支部名
東京
裁決番号
平160276
裁決年月日
平成17年6月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人が亡父(被相続人)の借入金(本件借入金)を負担し実質的に承継してきた事実が本件調停条項により認められたのであるから、請求人の相続税(本件相続税)の計算上本件借入金の10分の5に相当する金額の債務控除を認めるべきである旨主張する。相続税法第13条第1項に規定する「その者の負担に属する部分の金額」とは、共同相続人等の協議により決定されたその者が実際に負担する金額と解するのが相当である。被相続人の共同相続人は、民法の規定による相続分の割合に従って本件借入金を含む財産及び債務を取得又は負担したものとして申告したが、(1)被相続人の相続に関する遺留分減殺請求に関して、①亡母と長男との合意内容には、本件借入金は甲不動産を相続するものが承継するものとするとあること及び②三女、長女及び亡母の裁判上の和解の内容には、遺留分減殺請求の結果として亡母の三女及び長女に対する現金の支払義務等が明記されたが、本件借入金に関するものはないこと、(2)請求人を含む亡母の共同相続人は、本件借入金を亡母の債務として亡母に係る相続税の申告をしたこと、(3)調停の内容は、請求人、長女、長男及び三女が被相続人の遺産については遺言書のとおり亡母がすべて相続したことを確認した上でそれぞれの遺留分減殺を認め、亡母に対する遺留分減殺請求に関する紛争が一切解決したものとするものであること並びに(4)請求人は、本件審査請求においても、調停では長女、長男及び三女は本件借入金について一切負担しない意向であったと供述していることからすると、被相続人の共同相続人は、遅くとも調停のときまでに、順次、本件借入金は亡母が実際に負担することを黙示的に合意したものと認めるのが相当である。したがって、請求人の本件相続税の計算上、本件借入金の10分の5に相当する金額について、債務控除をすることはできない。(平17.6.8東裁(諸)平16-276)

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支部名
関東信越
裁決番号
平160051
裁決年月日
平成17年3月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件借入金は請求人が金融業者から資金を調達して被相続人に貸し付けたものであるから、これを被相続人の債務と認めないのは違法である旨主張する。しかしながら、借用証書の写しに記載された被相続人の氏名の筆跡は、被相続人の筆跡であると認めることができず、また、被相続人に多額の金銭を借り入れる理由があったとは認められないことから、借用証書を借入金が存在したことの証拠と認めることはできない。さらに、原処分庁に提出された請求人の貸付資金の調達に関する明細表には、金銭の借入れに関する具体的事実が記載されておらず、これをもって請求人の資金調達に関する証拠ということはできない。そして、請求人は、当審判所に本件借入金に関する証拠資料等を提出せず、また、当審判所の調査したところにおいても、相続開始の時において、被相続人が請求人から金銭を借り入れていたことを明らかにする証拠資料等は認められない。したがって、相続開始の時において本件借入金が存在したと認めることはできず、これを債務として控除することはできないから、請求人の主張には理由がない。(平17.3.1関裁(諸)平16-51)

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支部名
名古屋
裁決番号
平160043
裁決年月日
平成16年12月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人の甲及び乙からの借入金(以下「本件借入金」という。)は、民法第587条により正当に成立しその効力は生じていることから債務控除の対象となる債務である旨主張する。ところで、相続税の計算上、債務控除の対象となる債務は、被相続人の債務で相続開始の際現に存し、その者の負担に属する金額であることを要するとともに、確実と認められるものでなければならない。そして、確実と認められる債務とは、債務が存在するとともに、①債権者の債務の履行を求める意思が客観的に認識し得る債務、又は、②債務者においてその履行義務が法律的に強制される場合に限らず、社会生活関係上、債権債務成立に至る経緯等に照らして事実的、道義的に履行が義務づけられているか、あるいは、履行せざるを得ない蓋然性の表象のある債務、を意味すると解されている。本件借入金についてみると、被相続人と甲又は乙の間で、その大部分について借用証書等が作成され返済期限等が取り決められてはいるものの、その定められた返済期限のとおりには履行されておらず、大部分の金員は返済されていないこと、甲及び乙は兄弟姉妹間であることを理由として被相続人に強く返済を求めていないこと、さらに、通常は、期限までに履行されなかった場合には、少なくとも何らかの手当てを要するところ、本件借入金に関してはそれがないことなどからすると、甲及び乙の債務の履行を求める意思が客観的に認識し得る債務であるともいえず、本件借入金のうち借用証書に基づいて返済中であった金員を除いて、被相続人による履行が確実と認められる債務であると認めることはできないというべきである。したがって、本件借入金から、借用証書に基づいて返済中であった金員の本件相続開始日における残高を控除した金員は、債務控除の対象となる債務には該当しないものと認められる。(平16.12.13名裁(諸)平16-43)

支部名
関東信越
裁決番号
平160003
裁決年月日
平成16年7月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件借入金については、被相続人が作成した借用証書が存在する上、被相続人から利息の支払を受けた旨の貸主の申述もあり、また、相続開始後に、貸主との間で本件借入金を承認する旨の公正証書を作成し、その履行も開始しているのであるから、相続税の課税価額の計算上控除すべき確実な債務に該当する旨主張する。しかしながら、借用証書の内容は、多額の金銭を無利息無担保無保証人で貸し付けるという第三者間の金銭消費貸借としては異例なものであることに加え、事実関係においても、本件借入金に係る金銭の授受やその使途が一切不明であり、借用証書の署名が被相続人の自筆であることを明らかにする証拠もなく、借用証書自体その日付よりも後に作成されたことが明らかであって、貸主の答述内容も信用できないこと等からすれば、借用証書の信憑性は極めて疑わしい。さらに、利息の支払に相当する出金の形跡もないこと等からすれば、利息の支払があったと認めることはできず、相続開始後に作成した公正証書は本件借入金の存在を証する証拠とはならない。よって、本件借入金が相続開始の際に現に存していたと認めることはできないから、本件借入金につき債務控除できないとした原処分は適法である。(平16.7.30関裁(諸)平16-3)

支部名
東京
裁決番号
平160010
裁決年月日
平成16年7月9日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件更正処分は、本件成立調書に基づく形式的な課税であり、本件被相続人から本件借入金を承継しているから、この事実に沿って課税すべきである旨主張する。しかしながら、本件借入金については、①全財産を亡母に相続させるとする本件遺言書が存在すること、そして、②本件成立調書によれば、共同相続人全員が本件被相続人の遺産を遺言書により亡母がすべて相続したことを確認した上、請求人に係る遺留分相当分を決定していることからして、亡母が相続したものと判断するのが相当であり、このことは、当審判所の調査により確認された亡母に係る相続税の申告書において、本件借入金が亡母に係る債務として請求人を含む共同相続人全員により計上されていることからも明らかである。したがって、本件借入金については、請求人が相続したと認められない以上、相続税における債務控除の対象とはならないから、請求人の主張は更正の請求の理由には当たらない。(平16.7.9東裁(諸)平16-10)

支部名
札幌
裁決番号
平150028
裁決年月日
平成16年6月15日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人に対して、相続開始日前に貸し付けた金員が返済されていないので、相続税の課税価格の計算上、債務として控除すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は貸付金の原資、貸付時期について明確にしないばかりか、その金額についても、あいまいで、その存在を確認することができないから、本件借入金を相続税の課税価格の計算上、債務控除をすることはできない。(平16.6.15札裁(諸)平15-28)

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支部名
大阪
裁決番号
平150021
裁決年月日
平成15年10月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人には関連会社に対する債務が存在し、これを債務控除の対象とすべきである旨主張する。しかしながら、当該関連会社の仮払金に被相続人が清算すべきものが存在することまで否定できないものの、当該仮払金はきわめて不明な点が多く、本件相続時において、その存在が確実とされる被相続人の債務の範囲は不明であり、その金額が確定したとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平15.10.27大裁(諸)平15-21)

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支部名
大阪
裁決番号
平150020
裁決年月日
平成15年10月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件調停において双方が本件仮払金を被相続人が返還すべき仮払金であると認めたのであるから、これを相続税法上の債務に該当しないとするのは、事実の誤認及び法令解釈の誤りがある旨主張する。しかしながら、当該仮払金については、調停の相手方においてその金額を特定することもできず、特定の個人に返還請求できるものでもないとして一旦消却されたこと、決算修正の際には特定の者が私的流用したとは言えないが、同社の金銭を使用できる立場にあった被相続人からいくらかでも回収すべきと考えて再計上したことなどを述べており、請求人自身も当該仮払金の内容や私的流用した金額について不明であるとしながら、被相続人の経営責任を認識していたため、それらを加味して調停合意したとしている。これらのことを総合的に判断すると、本件調停により仮払金の返還について支払義務を認めることで合意している事実は認められるものの、被相続人の債務と言うべき仮払金の金額が明らかでない以上、相続税の計算上控除することができないと解するのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平15.10.24大裁(諸)平15-20)

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支部名
関東信越
裁決番号
平120084
裁決年月日
平成13年2月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件借入金について、被相続人所有の山林に保育等を行った実績に対する事後融資であり、その借入期間が長期間にわたることから、借入れ当時の被相続人の年齢では債務者適格性に欠けるため、やむをえず請求人の名義を借用して借り入れたものであり、実質的には被相続人の債務であるから全額債務控除すべきであると主張し、原処分庁は、本件借用書の記載及び本件借入金を被相続人が費消した事実が明らかでないことから、その名義に反して、実質的に被相続人の債務であると認めることはできないと主張する。しかしながら、本件借入金については、債務者として不適格であっても、その者の所有する山林について保育実績があれば、名義人を問わず、融資の対象となり得ることから言えば、本件借入金の全額が請求人名義となってはいるものの、実質的に言えば、被相続人の所有する山林に保育を実施した部分については被相続人の債務と認めるのが相当であることから、本件借入金のうち被相続人の所有する山林に保育を実施した部分については、債務控除すべきである。(平13.2.20関裁(諸)平12−84)

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支部名
東京
裁決番号
平100159
裁決年月日
平成11年4月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人の定期預金を担保とした銀行等からの各法人名義の借入金は両社と被相続人との生前の約束に係る借入金であり、被相続人が使用したものであるから、各法人名義であるが被相続人の借入金である旨主張する。しかしながら、借入金はいずれも各法人名義で借り入れ、利息等を控除後に仕入資金等として利用し、かつ、借入金として決算処理をしていること、また、請求人からは被相続人の借入金とする証拠の提出及び合理的な説明もないこと並びに借入金であると主張する一部がすでに貸倒処理されていること等から請求人の主張には疑問があり、いずれも相続開始の日に存し、かつ、確実な債務であるとはいえないから請求人の主張を認めることはできない。(平11. 4.21東裁(諸)平10-159)、(平11. 4.21東裁(諸)平10-160)

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