裁決要旨 5相続税の課税価格の計算

裁決要旨 5相続税の課税価格の計算

支部名
名古屋
裁決番号
令060056
裁決年月日
令和7年6月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の配偶者(本件被相続人)に係る相続税申告書(本件申告書)において、本件被相続人より先に死亡した相続時精算課税適用者である同人の長女(本件長女)が有していた相続時精算課税に係る相続税の納税義務(本件納税義務)を請求人が全て承継したとして申告していたが、本件納税義務は本件長女に係る共同相続人(請求人及び本件被相続人)が各2分の1ずつ承継すべきであるから、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号に規定する更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、本件納税義務は、相続税法第21条の17《相続時精算課税に係る相続税の納付義務の承継等》第1項ただし書の規定により、特定贈与者である本件被相続人は承継しないことから、本件申告書の請求人が承継する相続税の税額が過大であるとは認められず、同号に規定する更正の請求ができる場合に該当しない。(令7. 6.25 名裁(諸)令6-56)

支部名
広島
裁決番号
令060014
裁決年月日
令和7年6月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人(本件被相続人)の関係会社(本件関係会社)からの預り敷金として債務控除の額に計上した金額(本件預り敷金計上額)は、実質的には、本件関係会社からの借入金を意味するものであるから、本件被相続人の債務として債務控除の対象となる旨主張する。しかしながら、本件被相続人と本件関係会社との間で金銭消費貸借契約が成立したとは認められないこと、本件預り敷金計上額に相当する額は、本件関係会社で生じた一時的な帳簿上の貸借の不一致を解消するために敷金名目で計上したものにすぎないこと、本件被相続人と本件関係会社は、両者の間で何らかの債権債務関係が存在したことを前提とした行動を何らとっていないことから、本件預り敷金計上額に相当する債務が存在していたとは認められない。また、仮に、本件預り敷金計上額に相当する債務が存在していたとしても、当該債務は、本件被相続人による任意の履行が事実上期待されていたものにすぎないものであって、その履行が確実と認められる債務にも当たらない。したがって、本件預り敷金計上額は、債務控除の対象とならない。(令7. 6. 5 広裁(諸)令6-14)

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支部名
東京
裁決番号
令060045
裁決年月日
令和6年10月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集No.137

要旨

○ 請求人は、被相続人(本件被相続人)の長女(本件長女)の配偶者に対する代償金(本件代償金)は、家庭裁判所で遺産分割協議書の内容について認められ、審判により確定しているものであるから、相続税の課税価格の計算上、控除すべき債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件被相続人は、将来、本件長女の配偶者が出現し、同人から請求があった場合に本件代償金を支払うという停止条件付の債務を負っているのであって、相続開始日までに当該停止条件は成就していなかったのであるから、本件代償金は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められる」債務とはならず、相続税の課税価格の計算上、控除すべき債務には該当しない。(令6.10. 7 東裁(諸)令6-45)

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支部名
東京
裁決番号
令060045
裁決年月日
令和6年10月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集No.137

要旨

○ 請求人は、相続税法第21条の9《相続時精算課税の選択》に規定する特定贈与者である被相続人(本件被相続人)より先に死亡した相続時精算課税適用者である同人の長女(本件長女)の配偶者について、①生存し、本件長女の相続人であることを原処分庁は立証しておらず、②不在者財産管理人の選任に係る審判をした家庭裁判所は、本件長女の配偶者が生存している事実を証明したわけではなく、真に相続人であることを判断しているわけではないのであるから、本件長女が有していた相続時精算課税の適用に伴う権利義務を本件長女の配偶者は承継せず、相続時精算課税の適用財産(本件贈与財産)の価額は本件被相続人の相続に係る相続税の課税価格に加算されない旨主張する。しかしながら、民法が不在者の生存を推定してその者の財産管理制度を用意し、他方で生死不明者を死亡したものと確定する失踪宣告制度を用意していることに鑑みると、失踪宣告がなされない限り生存が推定されると解するのが相当であり、本件長女の配偶者が失踪宣告を受けた事実はないことからすると、同人が本件長女及び本件被相続人の相続開始日において生存していたことが推定され、また、本件長女の除籍謄本には離婚の事実の記載がないことから、本件長女の配偶者は本件長女の相続開始日において同人の相続人であったといえる。したがって、本件長女の配偶者は、本件長女の有していた相続時精算課税の適用に伴う権利義務を承継し、本件贈与財産の価額は、本件被相続人に係る相続税の課税価格に加算されることとなる。(令6.10. 7 東裁(諸)令6-45)

支部名
沖縄
裁決番号
令050003
裁決年月日
令和6年3月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続税法(令和5年法律第3号による改正前のもの)第19条《相続開始前3年以内の贈与があった場合の相続税額》第1項の規定により相続税の課税価格に加算された、同法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》の規定の適用による、請求人らの母の株式の譲受けについて令和元年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入された価額につき、当該株式の一部は平成30年に第三者から譲り受けたものであるから、同条の規定が適用された株数が過大である旨主張する。しかしながら、当該株式の譲渡契約に至る経緯や動機、その譲渡代金の支払状況及び株主総会の決議の状況は、いずれも、相続税法第7条の規定が適用された株数と同数の記載のある当該譲り受けに係る契約書の内容に符合しており、その記載と異なる事実を認めることができない。したがって、相続税法第7条の規定が適用され平成31年分の贈与税の課税価格計算の基礎とされた株数と同数を平成31年に請求人らの母が譲り受けたものであるから、同株数が過大であったとは認められず、同法第19条第1項の規定により同株数に相当する価額が相続税の課税価格に加算されることとなる。(令6. 3.22 沖裁(諸)令5-3)

支部名
金沢
裁決番号
令040006
裁決年月日
令和5年6月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続により取得した賃貸倉庫に係る修繕工事(本件修繕工事)について、被相続人は、①生前に請負契約を締結していたことから、相続開始日時点に当該請負契約に係る支払債務を負っていたと認められ、また、②民法第606条《賃貸人による修繕等》第1項の規定に基づき、当該賃貸倉庫に係る土間床の修繕義務を負っていたことから、相続税の課税価格の計算上、その請負代金相当額を債務控除することができる旨主張する。しかしながら、被相続人は、①本件修繕工事の着工日前である相続開始日時点において、その請負代金の支払債務の履行を施工業者から求められる状況になく、その履行の要否すらも不確実な状況にあり、また、②本件修繕工事の着工日までは、従前どおり賃借人が賃貸倉庫を引き続き使用収益していたなどの状況からは、当該賃貸倉庫に係る修繕は、任意の履行が事実上期待されていたにすぎないものであったとみるのが相当であることからすると、当該請負代金の支払債務ないし当該賃貸倉庫に係る修繕義務は、その履行が確実と認められる債務には当たらないというべきであるから、相続税の課税価格の計算上、当該請負代金相当額を債務控除することはできない。(令5. 6.27 金裁(諸)令4-6)

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支部名
東京
裁決番号
令040141
裁決年月日
令和5年6月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続税法第21条の15第1項の規定により相続税の課税価格に加算されるのは、相続時精算課税選択届出書の提出年分以後に贈与税の申告がされている財産及び申告がされていない財産のうち贈与税の課税権が消滅していないものの価額に限られると解されるところ、請求人らは被相続人から贈与により取得したものとみなされる借地権の価額に相当する金額については贈与税の申告をしておらず、当該贈与税の課税権は同法第36条《贈与税についての更正、決定等の期間制限の特則》第1項に規定する期間の経過により消滅していることから、当該借地権の価額に相当する金額は、請求人らの相続税の課税価格に加算されない旨主張する。しかしながら、相続税法第21条の15第1項の規定による相続税の課税価格への加算の対象となる財産は、相続時精算課税選択届出書の提出に係る財産の贈与を受けた年以後の年に、特定贈与者からの贈与により取得した財産のうち、同法第21条の3《贈与税の非課税財産》などの規定の適用により贈与税の課税価格の計算の基礎に算入されないもの以外の全てのものであり、贈与税が課されているかどうかを問わないものである。そして、上記の借地権の価額に相当する金額は、請求人らの贈与税の課税価格の計算の基礎に算入されることから、請求人らの相続税の課税価格に加算される。したがって、請求人らの主張は、採用することができない。 (令5. 6.27 東裁(諸)令4-141)

支部名
東京
裁決番号
令040129
裁決年月日
令和5年6月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、亡母(本件被相続人)の相続(本件相続)開始後に請求人が受給した生活保護費を福祉事務所に返還したところ、本件被相続人には民法第877条《扶養義務者》の規定により請求人を扶養する義務があったため、当該生活保護費の返還額(本件保護費返還額)は、本来、本件被相続人の遺産から支払われるべきものであり、本件被相続人が上記扶養義務を果たしていれば、本件被相続人の遺産が減少していたことになるため、本件相続により取得した財産の価額から減額すべきである旨主張する。しかしながら、本件保護費返還額は、本件相続の開始後に請求人が受給した金額に係るものであるから、本件相続の開始の際現に存する債務ではなく、本件被相続人の遺産にも影響しない。したがって、本件保護費返還額は、請求人の本件相続税の課税価格の計算上、本件相続により取得した財産の価額から減額又は控除すべき金額に該当しない。(令5. 6. 8 東裁(諸)令4-129)

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支部名
関東信越
裁決番号
令040036
裁決年月日
令和5年5月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、有害物質を含むコンデンサー(本件機器)の処分に関する法的義務の存在及び相続税法基本通達14-1《確実な債務》の定めを踏まえると、本件機器の処理及び運搬に関する費用(本件処理運搬費用)は存在が確実な債務であることから、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件機器の処理に係る契約は相続開始日以降に締結されたものであり、本件機器の運搬に関する費用の根拠として提出された見積書も相続開始日以降に発行されたものであるから、いずれも、相続開始日において本件処理運搬費用を負担する債務が現に存していたことを示すものではないし、また、当審判所の調査によっても、相続開始日において、本件の被相続人の債務として本件処理運搬費用が現に存していた事実は認められず、法律に基づく本件機器の処理及び運搬に関する義務を前提とした債務の存在は認められない。したがって、請求人らの主張する本件処理運搬費用は、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務に該当しない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)

支部名
名古屋
裁決番号
令040020
裁決年月日
令和5年3月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、①被相続人の請求人等に対する貸付金(本件貸付金)は、実質的には被相続人が自ら取得した土地及び建物の代金の支払に充てたものであるから、本件貸付金の価額は、当該土地及び建物として評価すべきである旨、②本件貸付金以外の建物の建築に関する資金や当該建物で使用するために購入された家具等の代金に係る資金についても、被相続人が自ら支払うべきものに充てられたものであるから、請求人に対する贈与に当たらない旨、また、③被相続人が代表取締役を務めていた会社(本件会社)に対する貸付金(本件会社貸付金)は、本件会社が相続開始日において6か月以上休眠状態であり、回収が著しく困難なものであったと見込まれるから、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、①当該土地及び建物は、請求人が自らが当事者として売買契約及び請負契約を締結し取得に係る登記もされているなど、請求人が取得したものと認めるのが相当であって、本件貸付金は、借用書が作成され、その記載のとおりの金銭の授受がされ貸付けが実行されたものであるから、貸付金債権として評価すべきであり、②本件貸付金以外の建物の建築に関する資金については、上記①の理由から、家具等の購入代金に係る資金は、当該家具等を請求人が自ら使用するために、自ら当事者となって、家具店等から購入して取得したものと認められることから、これらの支払をした被相続人により贈与されたものと認められる。また、③本件会社は、相続開始日の直前の事業年度において債務超過の状況ではなく、請求人に役員報酬も支払っており、翌期の事業方針も検討していることからすれば、休眠状態にはなく、ほかに「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」と同視できる程度に本件会社の経済状態等の悪化が著しく、本件会社貸付金の回収の見込みがないことが客観的に明白であるなどの事情も認められない。(令5. 3.24 名裁(諸)令4-20)

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支部名
東京
裁決番号
令040079
裁決年月日
令和5年2月9日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、被相続人に対し、生活費として、請求人及び被相続人の弟(本件弟)が金員を貸し付けているから、被相続人は、請求人及び本件弟に対して貸金債務を負い、それらの債務は相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に当たる旨主張する。しかしながら、被相続人の預金口座(本件預金口座)の残高からすると、被相続人が自ら借入れを申し込まなければならない事情は窺われず、本件預金口座の入金額や入金状況をみても、請求人及び本件弟が当該金員を被相続人に交付したことを裏付ける事実は認められない。また、仮に、請求人や本件弟から被相続人に交付された金員があったとしても、請求人も本件弟も、被相続人が死亡するまで本件預金口座の残高を把握していなかったことを踏まえると、被相続人に返済すべき原資があることを認識していなかったといえ、また、請求人が作成した書面の記載からは、被相続人に対して飽くまで残額がある場合に任意の返済を求める趣旨でしかなく、被相続人の返還義務が発生する合意があったとは認め難い。このことからすれば、返済原資の存在を認識していなかった請求人及び本件弟は、相続開始時点において、被相続人に返済を求める意向はなく、被相続人も、返済すべき義務があるとは認識していなかったと推認できる。そうすると、被相続人が、相続開始時点において、請求人や本件弟に貸金債務を負うとは認められないし、仮に認められることがあったとしても、相続開始時点の現況において履行が確実と認められる債務に当たらないことは明らかであるから、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に当たらない。(令5. 2. 9 東裁(諸)令4-79)

支部名
大阪
裁決番号
令040027
裁決年月日
令和5年2月3日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、それぞれ平成15年中に被相続人(本件被相続人)から受けた金銭の贈与(本件各贈与)に伴い提出されている相続時精算課税の適用を受けるために必要な相続時精算課税選択届出書等(本件各選択届出書等)については、いずれも本件被相続人が請求人らの承諾なく勝手に作成し提出したものであり、請求人らの意思に基づかない無効なものであるから、相続時精算課税の適用はなく、相続税の課税価格に本件各贈与における贈与財産の価額をいずれも加算すべきではない旨主張する。しかしながら、本件各選択届出書等の作成を主導し、各所轄税務署長に提出したのは本件被相続人であると認められるところ、請求人らは、本件各贈与以前に、現金の贈与を受けたとして本件被相続人の指示により贈与税の申告書を提出していることや、本件被相続人があえて本件各選択届出書等を偽造し各所轄税務署長に提出しなければならない動機があったとは認められないことなどからすると、請求人らは、本件各贈与に係る税務上の措置について本件被相続人に委ねていたと認められ、本件被相続人が主導した本件各選択届出書等の作成及び提出は、請求人らの明示又は黙示の委任又は承諾に基づき行われたものと認められるから、本件各選択届出書等は請求人らの意思に基づき作成され提出された有効なものである。(令5. 2. 3 大裁(諸)令4-27)

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支部名
関東信越
裁決番号
令040021
裁決年月日
令和4年12月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
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要旨

○ 原処分庁は、請求人が主張する国外所在の銀行(本件銀行)を債権者とする請求人の祖父(本件被相続人)の債務(本件債務)について、請求人は本件債務の使途や借入目的を明らかにせず、本件被相続人が本件債務の実質的な負担者ではない可能性を排除できないことから、本件被相続人の相続に係る相続税の計算上、債務控除の対象とはならない旨主張する。しかしながら、請求人が本件債務の存在を証するものとして提出した書類(本件証明書)の記載内容、署名、押印の状況から、本件銀行が業務上作成したものと推認されるところ、この推認を妨げる特段の事情は見当たらず、本件証明書は真正に成立し、本件証明書の内容は信用性が高いものと認められることからすると、本件債務は相続税法第13条《債務控除》第1項に規定する「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」に該当する。また、本件債務の債権者である本件銀行が、かかる債務を免除することは容易には想定し難く、その履行が義務付けられていたと認められることからすると、本件債務は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する。したがって、本件債務のうち、本件被相続人の相続に係る相続税の計算上、相続税法第1条の3《相続税の納税義務者》第1項第2号イに規定する納税義務者に該当する者の負担に属する部分は、債務控除の対象となる。(令4.12. 1 関裁(諸)令4-21)

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支部名
東京
裁決番号
令040043
裁決年月日
令和4年11月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、被相続人が負っていた不当利得返還債務は相続税法第14条第1項にいう「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、被相続人及びその長男(本件長男)は、被相続人の配偶者の相続に係る相続税を支払うために本件長男が被相続人から金員を借りた旨の念書の記載内容どおりの認識を有しており、被相続人がA社の預金口座に入金したことにより取得した貸金債権(本件債権)の債務者が本件長男であったとの認識を有していた上、本件長男は本件債権の弁済として被相続人の預金口座に振り込んでいる(本件振込み)が、請求人も被相続人の相続に係る相続税の申告において本件債権の債務者を本件長男としていることからすれば、本件振込みを受けた被相続人も本件長男から振込みを受けたことに異論を述べていなかったものと推認できる。加えて、本件長男は被相続人の相続に係る遺産分割調停を申し立てた際も本件債権の債務者は本件長男であると主張していることも併せ考えれば、相続開始日において、被相続人が請求人の主張する不当利得返還債務を負っていたとしても、債務者である被相続人や債権者である本件長男は不当利得返還債務の存在を認識していたとは認められず、その全額につき履行されることが確実な債務とはいえない。したがって、本件振込みに係る金額に相当する債務は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。 (令4.11.16 東裁(諸)令4-43)

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支部名
東京
裁決番号
令040043
裁決年月日
令和4年11月16日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人がA社の預金口座(本件口座)に入金したこと(本件入金)によって取得した貸金債権(本件債権)は、被相続人の長男(本件長男)に対する貸金債権ではなくA社に対する貸金債権であり、A社は、被相続人の生前に死亡した同人の配偶者の相続(本件先代相続)に係る相続税(本件先代相続税)のうち本件長男の納付税額を負担したことで、本件長男に対して債権を取得したので、本件長男が返済として被相続人の預金口座に振り込んだこと(本件振込み)は、債務者でない本件長男が被相続人に支払ったものであるから、本件振込みにより、被相続人は相続税法第13条《債務控除》第1項第1号の「被相続人の債務」である不当利得返還債務を負った旨主張する。しかしながら、A社は本件先代相続税の支払の便宜のために設立された法人であり、本件先代相続の共同相続人はA社の預金口座を介して本件先代相続税の支払を行おうとしていたのであるから、本件口座に入金されたことやA社の会計処理上被相続人からの借入金処理がされているとしても、本件債権の債務者がA社であることを当然に裏付けるものとはいえない。また、本件入金の目的は、本件先代相続税のうち本件長男の納税義務を負担することであったといえること、本件先代相続税が納付された日までに本件入金が行われており、A社があえて借入れを必要とする事情も不明であること、本件先代相続税を支払うために本件長男が被相続人から金員を借りた旨の念書(本件念書)の作成当時、被相続人及び本件長男はいずれも本件念書の内容と同内容の認識を有していたと認められること等からすれば、本件長男が被相続人に対して本件先代相続税の納付に当たって被相続人から融通された金額を返還する旨の約束をしなかったとまでは認められず、本件債権の債務者が本件長男ではないとは認められない以上、本件振込みが本件債権の弁済ではないとはいえない。したがって、被相続人が本件振込みにより不当利得返還債務を負ったとはいえない。(令4.11.16 東裁(諸)令4-43)

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支部名
東京
裁決番号
令040028
裁決年月日
令和4年9月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人の銀行に対して負ったとされている債務は、同行による当該債務の残高の証明書があっても、請求人らが使途や借入目的等を具体的に示す書類を提示していないため、被相続人以外の者が当該債務の実質的な負担者である可能性を排除できず、被相続人の債務で相続開始の際現に存するものであり、かつ、確実と認められることを明らかにしたとは認められない旨主張する。しかしながら、当該証明書の記載内容、署名及び押印等の状況からすれば、当該証明書は同行が職務上作成したものと推認されるところ、この推認を妨げる特段の事情は認められず、また、債権者である金融機関の同行が当該債務を免除することは容易には想定しがたい。よって、当該債務は、被相続人の債務で相続開始の際現に存するものであり、かつ、確実と認められるものに該当する。(令4. 9.29 東裁(諸)令4-28)

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支部名
大阪
裁決番号
令040007
裁決年月日
令和4年9月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の母(本件被相続人)名義の普通預金口座(本件普通預金口座)から出金され、請求人の普通預金口座に入金された金員及び請求人のヴァイオリン購入費用に充てられた金員(本件各金員)は、いずれも請求人に帰属する本件普通預金口座から出金されたものであるから、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項に規定する被相続人から贈与により取得した財産ではない旨主張する。しかしながら、本件普通預金口座は、その名義のとおり本件被相続人に帰属するものであり本件各金員もまた本件被相続人に帰属するものであるところ、本件各金員は請求人が本件普通預金口座から出金し費消していることに違いなく、何らの対価等を負担したなどの事情はうかがわれないことから、本件普通預金口座からの出金による利得は贈与によるものというべきであり、本件各金員は、同項に規定する被相続人から贈与により取得した財産に該当する。(令4. 9.20 大裁(諸)令4-7)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)について、①相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当しないこととなった日は、相続開始後、本件債務が免除された日であること、②「確実と認められるもの」に該当しない債務(自然債務、保証債務、不明確又は不確定の債務)のいずれにも該当しないこと、及び③法律的に履行を強制される債務であったことから、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。上記各主張は、要するに相続開始の時に本件債務が存在していたことをいうにすぎないというべきところ、同項に規定する「確実と認められるもの」とは、債務の存在が確実であるのみでは足りない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)は、相続開始の時にまだ100万円の支払義務が残っており、請求人らがこれを確実に履行するか否かは判定できないことから、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)について、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当しないとすると、相続開始の時までのどこかの一時点で「確実と認められるもの」から確実と認められないものに債務の性質が変化したことになるが、その時点の判断基準が不明確、不合理であり、債務の性質が変化したとはいえないから、本件債務は、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。同項に規定する「確実と認められるもの」に該当するかについては、飽くまでも相続開始の時に判定するものであるから、その判定が不明確となることはない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
東京
裁決番号
令030104
裁決年月日
令和4年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人A及び請求人B(請求人Aら)が承継した債務のうち相続開始後に銀行から支払義務を免除された債務(本件債務)は、原処分庁が請求人Aらに対して本件債務の免除益を一時所得として所得税等の更正処分をしたことを前提とすると、相続開始の時において相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務とは、被相続人と銀行との和解により、借入金(本件原債務)のうち一定額を各期限までに支払えば残額が免除されるとする当該残額であるところ、被相続人が和解条項に従って本件原債務を履行し、相続開始の時において、本件債務が免除されるために履行が必要となる残高は100万円であったこと、それまでの履行状況等から当該100万円を履行することができると認められること、現に、相続開始の時以降、請求人Aらが当該100万円を履行し、銀行により本件債務が免除されたこと等に照らして、相続開始の時の現況により控除すべき債務の金額の客観的経済価値を評価すれば100万円と認められるから、本件債務は、債権者である銀行の請求等により、債務者である被相続人につき債務の履行が義務付けられている債務であると認めることはできず、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。銀行により本件債務が免除された事実は、本件債務が存在していたことを前提に、一時所得としての課税の基礎となるが、同項に規定する「確実と認められるもの」に該当するかの判定に直ちに影響するものではない。(令4. 4.13 東裁(諸)令3-104)

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支部名
東京
裁決番号
令030056
裁決年月日
令和4年2月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、各相続人が被相続人の資産及び負債を法定相続分どおり相続又は負担することとしたのであるから、当該相続人全員の合意内容に基づいて相続税の額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法と遺産分割の制度とでは、対象となる財産の範囲、財産の評価時点及び評価方法等が相違するから、遺産分割が民法の規定する法定相続分に従ってなされたとしても、相続税法においては各相続人間の相続税額が法定相続分どおりになるとは限らないものであり、請求人が主張する相続人全員の合意内容とは、飽くまでも各相続人が取得する財産の分割時の時価を基礎とするものであるから、これにより分割時の時価に基づいて法定相続分の割合をもって遺産分割が成立したとしても、当該割合と相続税評価額により算定される課税価格を基礎とする相続税法第17条《各相続人等の相続税額》に規定する割合が異なることは、相続税法と遺産分割の制度の違いから生じ得るものであり、かかる相違が生じても不合理とはいえないから、請求人の主張には理由がない。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-56)

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支部名
東京
裁決番号
令030056
裁決年月日
令和4年2月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、調停条項の文言の解釈において、調停の成立に至るまでの当事者間の交渉経緯等の審理経過や当事者の意思などを踏まえるべきではなく、調停条項の文言を離れて相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》の(2)の定めにより代償金の価額を計算すべきではない旨主張する。しかしながら、調停条項に調停等を求めた結論部分以外に記載がないとしても、その記載がないところにおける合意はあり得るため、同通達に定める代償金の価額を算定する上でも、調停条項以外の事実関係を前提にできると解するのが相当であり、本件においては、調停事件の当事者間で当該合意が存在し、これに基づいて代償金の額が決定されたのであって、相続税法基本通達11の2-10の(2)の定めによる代償金の価額の算定においても、基礎とすべきものである。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-56)

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支部名
東京
裁決番号
令030056
裁決年月日
令和4年2月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、調停条項により不動産等を取得したことで請求人にも代償金が発生しており、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》の(2)の定めによる代償金の価額の算定に当たっては、このことを考慮すべきである旨主張する。しかしながら、代償分割は、遺産の中の特定の財産について、現物分割の方法によることが困難である等の事情が存在する場合に、相続人の一人又は数人に具体的相続分を超えて当該財産を現物で取得させ、当該相続人に代償金を負担させる分割方法というべきものであるから、遺産分割審判(調停)において、通常、具体的相続分を超える現物の財産を取得した相続人以外の相続人について、その取得した財産が代償分割対象財産となることはあり得ないと解するのが相当であるところ、請求人が調停条項のとおり調停が成立したことで取得した財産は、その具体的相続分を超えるものではなく、また、請求人が代償金を支払う負担を負っていたという事実も認めることはできない。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-56)

支部名
東京
裁決番号
令030052
裁決年月日
令和4年1月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が課税時期後に債権者(銀行)に弁済した保証債務(被相続人から相続により承継したもの)について、その弁済の原資であった同行の預金はいつでも債権者が回収可能な状態で、債権者の債務の履行を求める意思が客観的に認識し得る債務であったから、相続税法第14条《控除すべき債務》第1項に規定する「確実と認められる」債務に該当し、また、主たる債務者である法人(本件法人)は、事実上債権の回収ができない弁済不能の状態にあり、求償して返還を受ける見込みがないと認められるため、相続税法基本通達14-3《保証債務及び連帯債務》(1)のただし書に定める「主たる債務者が弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければならない場合で、かつ、主たる債務者に求償して返還を受ける見込みがない場合」にも該当することから、当該保証債務に係る弁済金に相当する額は、相続税に係る債務控除の対象になる旨主張する。しかしながら、本件法人は、課税時期において、破産、民事再生、会社更生あるいは強制執行等の手続開始を受けておらず、債権者から債務返済の猶予を受けつつ収支改善に向けた業態転換を図っている途上であり、また、本件法人の主要事業の売上げは減少傾向であったものの、債務超過の状態が相当期間継続した状況ではなく、課税時期の前後を通じて現に借入金を返済しており、本件法人から事実上債権の回収ができない状況にあることが客観的に認められるものといえないことは明らかであるため、上記通達のただし書の定めに該当せず、当該保証債務に係る弁済金に相当する額は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められる」債務に該当しないから、相続税に係る債務控除の対象とならない。(令4. 1.21 東裁(諸)令3-52)

支部名
関東信越
裁決番号
令030011
裁決年月日
令和3年12月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人と被相続人の養子(本件養子)との間における遺留分減殺請求に関する合意(本件合意)は、裁判所が後見的に関与していない上、価額弁償の対象財産の本件合意の時における価額は、時点が混在したものであるから通常の取引価額とは認められないとして、請求人の相続税に係る取得財産の価額に算入すべき価額弁償金の金額を相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(本件通達)(2)の定めに準じた計算をすることはできない旨主張する。しかしながら、本件合意に裁判所が後見的に関与していないとしても、対立する当事者が交渉及び調整を重ね、両者が歩み寄って合意した価額を通常の取引価額とみることには一般的な合理性があるところ、価額弁償の対象財産の本件合意の時における価額は、請求人及び本件養子が交渉及び調整を重ね、鑑定評価額等も踏まえて歩み寄った結果として合意したものであり、通常の取引価額と認められるから、本件通達(2)の定めを準用することができる。(令3.12.21 関裁(諸)令3-11)

支部名
大阪
裁決番号
令030022
裁決年月日
令和3年12月13日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人の亡母の相続(本件相続)に伴う相続税の計算において請求人が行った代償財産の価額の計算方法は、共同相続人全員の協議に基づくものではなく、相続税法基本通達(本件通達)11の2-10《代償財産の価額》ただし書(1)の要件を満たしていないことから、本件における代償財産の価額は、本件通達11の2-10ただし書(2)に定める計算方法により算出すべき旨主張する。しかしながら、請求人及び他の相続人の意思に基づいて作成された合意書(本件合意書)に記載された代償財産の価額を算出するための計算方法は、共同相続人間における相続税の課税価格及び税額が等しくなるよう代償財産の価額を計算するものであり、相続税の総額を不当に減少させるものではなく合理性が認められる。したがって、本件相続に伴う相続税の計算における代償財産の価額は、本件通達11の2-10ただし書(1)の定めにより、本件合意書に基づく計算方法により算出するべきである。(令3.12.13 大裁(諸)令3-22)

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支部名
名古屋
裁決番号
令030013
裁決年月日
令和3年11月24日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、将来の養育費相当額等(本件生活保障費用)が相続税法第13条第1項第1号に規定する債務に該当しないことは争わないとした上で、相続税法は、孤児となった未成年者が相続人となる場合を想定していないため、直接の根拠規定がないとしても、孤児となった請求人の生活の保障の観点から、本件生活保障費用については、相続財産の価額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、国税不服審判所は、原処分庁が行った処分が国税に関する法令に反する違法又は不当なものであるかを判断する機関であって、その処分の基となった法令自体の適否又は合理性を判断することはその権限に属さないので、相続税法規が不合理であることを前提に、相続税法の規定に基づかない独自の処理を行うべきであるとする請求人の主張は、採用することができない。(令3.11.24 名裁(諸)令3-13)

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支部名
仙台
裁決番号
令020024ほか 1件
裁決年月日
令和3年6月17日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№123

要旨

○ 請求人は、原処分庁が債務控除の対象とはならないとした債務(本件債務)は、真正に成立しており、法的に履行が強制されることから、その全額が相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張するのに対し、原処分庁は、本件債務は請求人が履行することを予定していないことから、その全額が「確実と認められるもの」には該当しない旨主張する。しかしながら、本件債務の発生原因となった建物売買契約は、建物の売買金額と相続税評価額との間に生じる差額により相続税の軽減効果が期待できるとの提案があった上で締結されたことからすると、本件債務のうち、売買の対象となった建物(本件建物)の経済的価値(評価通達に基づき算出された評価額)に相当する部分については、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示しているものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、いずれ混同により消滅させるべき債務を、いわば名目的に成立させたにすぎないのであるから、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示すものとはいえない。したがって、本件債務のうち、本件建物の経済的価値に相当する部分については、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当するものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、「確実と認められるもの」には該当しない。(令3. 6.17 仙裁(諸)令2-24)

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支部名
仙台
裁決番号
令020021
裁決年月日
令和3年6月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人が被相続人の家事使用人(本件使用人)に対する未払給与(本件債務)があることから、本件債務の額は相続財産の価額から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、被相続人と本件使用人との間で、給与としての金銭給付は予定されていなかったこと、また、本件使用人自身が本件債務の存在を認識していなかったことから、被相続人に、相続開始日現在において、本件債務があったとは認められない。(令3. 6. 1 仙裁(諸)令2-21)

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支部名
東京
裁決番号
令020086
裁決年月日
令和3年6月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が有していた被相続人に対する貸付金の返済が相続開始時までになかったから、当該貸付金及びその利息に係る債務の額を相続税の課税価格の計算上控除すべきである旨主張する。しかしながら、①被相続人が、請求人に自宅購入の資力の有無を確認するため、請求人に被相続人の口座への振込みを求めたとする請求人の申述等の内容自体が不合理なものであること、②請求人が被相続人の預金口座に振込みをし、被相続人に金銭を貸し付けた旨の請求人の申述等は、当該振込みの有無や当該振込みに係る振込依頼書の存否といった、被相続人に対する貸付金の成立の有無の判断に当たっての重要な点について変遷しており、その変遷について合理的理由を見いだすことができないこと、③請求人が被相続人に対して貸付金の返済を求めた事実はうかがわれず、請求人が、平成6年から長年にわたって被相続人に返済を求めず、何らの債権保全措置を執らないというのは、債権者の行動として不自然というほかないことからすれば、請求人が被相続人に貸し付けた旨の申述等は信用することができないから、請求人が被相続人に対して金銭を貸し付けた事実を認めることはできず、相続税の課税価格から控除すべき債務を控除することはできない。(令3. 6. 1 東裁(諸)令2-86)

支部名
金沢
裁決番号
令020002
裁決年月日
令和3年1月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、通夜及び葬儀(葬儀等)の際に参列者に渡した商品券(本件商品券)は、香典金額の多寡に関係なく一律に渡したものであり、また、高額であった香典に対しては後日香典返しを行ったことなどの諸事情からすれば、本件商品券は会葬御礼の性質が強いものであることから、その購入費用は香典返戻費用ではなく、葬式費用として相続財産の価額から控除できる旨主張する。しかしながら、本件商品券は、葬儀等の受付において受領した香典の件数に対応して渡されているほか、自宅等で香典を受領した際にも渡されている一方、香典の有無に関係なく葬儀等の参列者全員に渡されていたことを示す証拠もないことからすると、受領した香典に対する返礼品、すなわち香典返しであると認められる。したがって、本件商品券の購入費用は、相続税法基本通達13−5《葬式費用でないもの》の(1)に定める香典返戻費用に該当するため、相続税法第13条《債務控除》第1号第2項に規定する葬式費用とはならない。(令3. 1.20 金裁(諸)令2-2)

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支部名
東京
裁決番号
令020008
裁決年月日
令和2年8月11日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集№120

要旨

○原処分庁は、遺留分減殺請求訴訟の和解(本件和解)の際に、共同相続人の間で相続税の取得財産の価額に算入又は控除する価額弁償金(本件価額弁償金)の金額について何らかの合意があったと考えるのが自然であるとして、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する本件価額弁償金の金額は、相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》(本件通達)(1)の要件を満たしており、本件通達(2)によるべきとする更正の請求は認められない旨主張する。しかしながら、訴訟中から申告までの間に直接やり取りをしていた訴訟代理人間において、本件価額弁償金をいくらとして申告するかについて協議がされていないことについては、同人らを含む関係者の答述が一致しており、訴訟中から申告に至るまでの経緯等に照らしても、本件価額弁償金については、その申告額を具体的に協議した事実は認められず、他に申告額についての具体的な協議の事実が認められるような事情もないことからすれば、その協議はなかったと認められるから、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する本件価額弁償金の金額は、本件通達(1)の場合には該当しない。そして、本件価額弁償金の金額は、対象財産が特定され、かつ、本件和解時に合意された当該対象財産の通常の取引価額を基として決定されたものであるから、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する金額は、本件通達(2)に定める方法により計算すべきである。(令2.8.11東裁(諸)令2-8)

支部名
関東信越
裁決番号
令010045
裁決年月日
令和2年4月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人と被相続人(本件被相続人)の間の準消費貸借契約に係る債務(本件債務)は本件被相続人に係る相続(本件相続)の開始時に存在するから、本件債務に係る「借用書」と題する書面(本件借用書)に記載された金額は、本件相続により取得した財産の価額から控除することができる旨主張する。しかしながら、請求人から本件被相続人に対して本件借用書記載の金額に相当する金銭が渡されたことはなく、本件借用書の作成時から本件相続開始時までの19年余りもの間に一度もその返済がなかったことなどからすれば、債務控除の対象となる債務として本件債務が存在していたとは認められないから、その金額を本件相続により取得した財産の価額から控除することはできない。(令2.4.7関裁(諸)令元-45)

支部名
関東信越
裁決番号
令010032
裁決年月日
令和2年2月6日
裁決結果
棄却
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、裁判上の和解(本件和解)により他の相続人から請求人に対して支払われることが確定した金員(本件金員)は、遺留分減殺請求に対する価額弁償として支払われる弁償金ではないから、請求人が相続により取得した財産に該当しないなどとして、請求人に対して行われた更正処分(本件更正処分)は相続税法第35条《更正及び決定の特則》第3項に規定する要件を充足していない旨主張する。しかしながら、本件和解に係る和解調書上、本件金員が遺留分減殺請求に対する価額弁償として支払われる弁償金であることは明らかであり、本件金員を請求人の課税価格に算入すべきであることなどによれば、本件更正処分は、同項に規定する要件を充足しているといえる。(令2. 2. 6 関裁(諸)令元-32)

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支部名
名古屋
裁決番号
平300040
裁決年月日
令和元年6月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集№115

要旨

○ 請求人らは、請求人Aが受贈した現金(本件現金贈与)に係る贈与者は、被相続人ではなく、被相続人の配偶者であり、本件現金贈与に係る贈与契約は、配偶者と請求人Aとの間で成立していたものである旨主張し、当該主張に沿う証拠として、配偶者から請求人Aへ贈与した旨記載された「贈与契約書」と題する書面(本件書面)を当審判所に提出した。しかしながら、①請求人Aの預金口座に入金された本件現金贈与に係る原資は、被相続人の固有の財産である預金口座から出金された現金であること、②被相続人は、本件現金贈与に係る現金を贈与する旨の明確な意思を有していたこと、③本件書面は、本件現金贈与に際して作成されたものではなく、事後的に作成されたものと認められることなどからすれば、本件現金贈与に係る贈与者は、被相続人であり、本件現金贈与に係る贈与契約は、被相続人と請求人Aとの間で成立していたものと認められる。(令元. 6.17 名裁(諸)平30-40)

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支部名
東京
裁決番号
平300149
裁決年月日
令和元年5月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集№115

要旨

○ 請求人は、①被相続人が請求人に生活、療養看護及び財産管理についての事務を委任し、その処理のための代理権を与える旨の委任契約を締結しており、当該委任契約履行に対する報酬と②請求人が裁判所や弁護士事務所に被相続人を代理して出頭したことに対する報酬がいずれも未払であり、③その他請求人が立て替えて支払った被相続人が負担すべきタクシー代もあるから、これらは被相続人の債務として相続税の課税価格から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、委任契約が現実に履行されたとは認められないから、委任契約履行に対する報酬が発生する余地はなく、また、請求人が被相続人を代理して出頭した事実やタクシー代を立替払したことを証する資料の提出もなく、これらの事実のいずれも認められないから、請求人の主張する本件被相続人の債務が存在したとは認められない。(令元.5.29 東裁(諸)平30-149)

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支部名
広島
裁決番号
平300024
裁決年月日
平成31年4月19日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集№115

要旨

○ 請求人は、被相続人名義の預金は、請求人が被相続人に預けた金員を運用したものであり、同人名義の預金は請求人に帰属するから、被相続人名義の預金から出金した現金を請求人名義の預金口座へ入金(本件入金)したことは、被相続人からの贈与ではない旨主張する。しかしながら、被相続人名義の預金は、同人の年金等を原資として形成されたものであり、同人が管理運用していることからすれば、同人に帰属する相続財産であると認められるから、本件入金は、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》により被相続人の相続に係る相続税の課税価格に算入される。(平31. 4.19 広裁(諸)平30-24)

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支部名
東京
裁決番号
平300127
裁決年月日
平成31年4月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集№115

要旨

○ 原処分庁は、被相続人が生前に解除した建築工事請負契約に基づく約定違約金等について、被相続人に支払う意思はなく、相続人である審査請求人も支払を拒否して係争中であったことをもって、確実な債務ではない旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格から控除する債務は、相続開始当時の現況に照らし、債務が現に存するとともに、その履行が確実と認められるものをいうと解されるところ、当該約定違約金等は、相続開始日に現に存し、その履行を免れないものであるから、履行が確実な債務であったと認めるのが相当であり、債務者の履行の意思によってその確実性の判断を異にするものとは解されず、また、原処分庁が指摘する「係争」は、審査請求人が請負者側の説明義務違反等を理由として損害賠償を求めたものであり、そのことをもって当該約定違約金等の支払義務が消滅したり、履行の確実性が失われたりするものではないから、原処分庁の主張はいずれも採用できず、当該約定違約金等は相続税の課税価格から控除する債務に当たる。(平31. 4.19 東裁(諸)平30-127)

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支部名
東京
裁決番号
平300084
裁決年月日
平成31年1月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503020
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/2敷金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、建物賃貸借契約に関する保証金のうち、債務控除の対象から除外する金額は、同賃貸借契約の終了日までの間に償却される金額の総額ではなく、相続開始の日までに現に償却された金額とすべきである旨主張する。しかしながら、同保証金については、同賃貸借契約において、同賃貸借契約の終了日まで毎年2%ずつ償却されることが定められていたのであるから、同賃貸借契約の締結時において、同賃貸借契約の終了日までの間に償却される金額の総額は、同賃貸借契約の賃貸人である被相続人から賃借人への返還が不要であることが確定したものと認められる。したがって、同保証金の返還債務のうち、同賃貸借契約の終了日までの間に償却される金額の総額は、相続の開始時の現況に照らし、その履行が確実であるとは認められない債務であるから、相続税法第14条第1項に規定する確実と認められる債務には該当しない。(平31. 1.25 東裁(諸)平30-84)

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支部名
広島
裁決番号
平300012
裁決年月日
平成30年11月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人が生前にその居住する建物を改修することを予定しており、請求人らは、被相続人の意思を引き継ぎ当該建物の改修をしたのであるから、被相続人が改修を予定していた工事代金は、相続により請求人らが取得した財産から控除すべき債務である旨主張する。しかしながら、被相続人は、建物の改修に係る工事請負契約を締結しておらず、また、請求人らは、相続開始後に改めて改修の内容を検討の上、工事請負契約を締結し、工事に着工したのであるから、当該改修に係る債務が存在したとは認められない。(平30.11. 5 広裁(諸)平30-12)

支部名
大阪
裁決番号
平300024
裁決年月日
平成30年10月12日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、一般定期借地権設定契約に係る賃貸人の地位を被相続人から請求人らに移転したことに伴い、被相続人は、前払賃料として既に受領していた金員を、請求人らに引き渡す債務を負ったといえるから、当該債務は、相続開始日の際、現に存するもので、かつ確実なものである旨主張する。しかしながら、旧賃貸人が新賃貸人に、前払賃料として賃借人から受領した金員を引き渡すべきことを規定した法令はなく、被相続人と請求人らの間で上記金員を引き渡す旨の合意がない限り、当然に被相続人から請求人らに前払賃料として受領した金員を引き渡す債務を負うものとは解されないところ、上記合意の存在をうかがわせる事情は見当たらない上、請求人らが、本審査請求の途中まで上記前払賃料を承継することを認識していなかったことがうかがわれることとも併せると、被相続人が前払賃料として受領した金員の帰すうについて何らの合意もしていなかったことがうかがわれる。したがって、被相続人は、相続開始の際、請求人らに対して上記債務を現に負っていたとは認め難く、当該債務は、相続開始日の際現に存するものとはいえない。(平30.10.12 大裁(諸)平30-24)

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支部名
大阪
裁決番号
平300005
裁決年月日
平成30年7月26日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人(本件被相続人)に口頭で「後で返すからお金を貸してほしい」と言われ、本件被相続人の生活費を立て替えており、その一部の返済を受けたが、相続開始日において、請求人に対する未払金債務が存在する旨主張する。しかしながら、①本件被相続人が請求人に対し上記のような発言をしたことを認めるに足る客観的証拠はなく、②生活費という雑多な支出について、立替額を把握するための備忘資料を作成していないなどの経緯からすると、請求人の主張を採用することができず、かえって、諸事情を総合すると、本件被相続人の生活費の支払いは、請求人が養女としての本件被相続人に対する扶養義務の履行として行われたものと認められることからすれば、未払金債務が存在していたとは認められない。(平30. 7.26 大裁(諸)平30-5)

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支部名
東京
裁決番号
平300015
裁決年月日
平成30年7月9日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集№112

要旨

○ 被相続人の生前に解除された借地契約の約定により請求人らが負うこととなった建物収去及び土地明渡債務(本件債務)について、原処分庁は、土地明渡債務については確実な債務であるが、土地明渡しに要する金額は零円であり、建物収去債務については建物を収去することなく現状有姿で引き渡すことも選択可能であったから、確実な債務ではなく、いずれも相続税の課税価格の計算上控除すべき債務には当たらない旨主張し、請求人らは、これらの債務は相続開始時に現に存し、確実と認められる債務であるから、控除すべき債務である旨主張する。しかしながら、本件債務は、相続開始日に現に存し、その履行が確実な債務であったと認められるのであり、原処分庁の主張するところは、確実な債務の履行手段であって、これは相続開始後の事情というほかないから、相続税法第22条《評価の原則》が「控除すべき債務の金額は、その時の現況による」旨規定している趣旨に照らし、採用できない。なお、請求人らが負担した建物収去費用の根拠となった見積書については、算定根拠が不正確ないし不明なものがあり、経済合理性を欠く内容であるから、当該見積書を算定根拠とした金額を控除すべき債務の金額としては採用できず、他方、請求人らが別途見積りをしていた他の業者による見積書は詳細かつ正確なものであり、経済合理性にかなうものと認められるから、当該見積書の見積金額をもって控除すべき債務の金額とするのが相当である。(平30. 7. 9 東裁(諸)平30-15)

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支部名
東京
裁決番号
平290111
裁決年月日
平成30年4月12日
裁決結果
棄却
争点番号
400503030
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/3資産取得に係る債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人が売主として売買契約(本件売買契約)を締結していた土地について、被相続人と買主との間で合意により本件売買契約を解除した結果、相続開始時点において、本件売買契約に基づき被相続人が受領していた手付金に係る返還債務(本件債務)が生じており、本件債務は相続税の課税価格の計算上控除すべき債務に当たる旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、請求人らの相続開始後に生じた税務面の負担軽減のためなどの個人的な事情を理由として買主との合意により解除されたものと認められることから、相続開始時点において本件債務が生じていたとは認められず、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務には当たらない。(平30. 4.12 東裁(諸)平29-111)

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支部名
東京
裁決番号
平290078
裁決年月日
平成30年2月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、極めて簡明な日本の相続法を前提として立法されている日本の相続税法に、直接的な規定が存在しないからといって、外国の煩雑な相続制度が適用された場合に発生した費用等を考慮しなくてもよいとするのは誤りであり、米国での被相続人の葬儀に出席するための交通費等及び被相続人の遺産に係る米国カリフォルニア州の検認裁判所の手続(プロベイト)に係る諸費用(本件費用)は、被相続人の遺産を維持保全するのに不可欠な活動のための費用と評価すべきであり、相続税法の趣旨に照らすと、請求人の相続税の課税価格の計算上控除すべき金額に該当する旨主張する。しかしながら、本件費用は、相続税法第13条《債務控除》第1項各号に規定された債務及び費用とはいえず、また、当該債務及び費用以外の金額について、相続税の課税価格の計算上控除することができる旨の法令上の規定は存在しないことから、本件費用は、請求人の相続税の課税価格の計算上控除すべき金額に該当しない。(平30. 2. 1 東裁(諸)平29-78)

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支部名
大阪
裁決番号
平290037
裁決年月日
平成29年12月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人A及び請求人B(請求人ら)は、被相続人が生前、請求人Bの養育者との協議により、被相続人と請求人Bとの養子縁組が成立することを条件に当該養育者に対して支払うことを約した養育費負担金(本件債務)は、相続開始の際現に存在し、その履行が確実と認められる被相続人の債務であることから、相続税の課税価格の計算上、債務として控除することができる旨主張する。しかしながら、①請求人らが本件債務の存在を示す証拠として当審判所に提出する念書は、相続開始日以後に、請求人Aが請求人Bの養育者に養育費負担金を支払うことを約した書面であって、被相続人の本件債務を証明するものではないこと及び②請求人Aが述べる上記協議の内容は、相続開始日以後に請求人Bの父から聞いた単なる伝聞に基づくものに過ぎず、上記約束及び本件債務の存在を認めるには足りないことから、相続開始日において、被相続人の本件債務が存在していたとは認められない。また、仮に、請求人らが主張するとおり、被相続人が生前、上記養育費負担金の支払を約していたとしても、相続開始日において、本件債務を履行する条件である請求人Bとの養子縁組は成立していなかったから、相続開始日において、本件債務が確実なものであったとは認められない。(平29.12.14 大裁(諸)平29-37)

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支部名
東京
裁決番号
平290017
裁決年月日
平成29年8月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400503020
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/2敷金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人に関して法人との賃貸借契約に基づく敷金相当額○○円の債務がある事実を把握していない旨主張する。しかしながら、請求人らが相続税を申告する際に債務に計上していなかった旨主張する保証金は、当該賃貸借契約に係る契約書において保証金を被相続人に預託する旨の記載があり、当審判所の照会に対して、賃借人である当該法人が相続開始後にその一部が返還されるまで保証金として預けていた旨回答していること等から被相続人の相続開始時には、債務として存在していたものと認められ、債務に含めて計算すべきである。(平29. 8. 4 東裁(諸)平29-17)

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支部名
東京
裁決番号
平290018
裁決年月日
平成29年8月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400503040
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/4公租公課
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、一次相続における相続税の申告において、税務上の判断の分かれる部分について当該申告の内容が認められず、更正処分により増加した税額については「請求人らの責めに帰すべき事由」がない旨主張する。しかしながら、亡Aの一次相続に係る相続税の申告は、亡Aから当該相続税の納付義務を承継した請求人らが行ったものであり、亡Aの承継人である請求人らに課された過少申告加算税は、相続税の申告内容を原処分庁が是正したことに基づき増加した相続税額を基礎として課された過少申告加算税であるから、亡Aの相続人である請求人らに「責めに帰すべき事由」により徴収されることとなったものである。そして、申告納税制度の下、請求人らが提出した申告内容の誤りは請求人ら自身の責任であるというべきであり、請求人らの主張には理由はない。(平29. 8. 4 東裁(諸)平29-18)

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支部名
関東信越
裁決番号
平280051
裁決年月日
平成29年6月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人が生前に請求人らに対して株式を贈与したことは贈与証書のとおりであり、請求人らも、受贈意思を表示し、贈与物件の移動を確認しているから、被相続人は、その相続の開始時において当該株式を有していなかった旨主張する。しかしながら、当該贈与証書について検討すると、贈与者である本件被相続人の記名押印がされている一方で、受贈者の押印がされておらず、記名がされているのみであるから、当該贈与証書のみでは、請求人らが当該株式の贈与を受諾したことを認めることはできず、当審判所の調査の結果によっても、当該主張を認めるに足りる証拠はない。そうすると、被相続人の生前において当該株式が贈与されていたとは認められないから、被相続人は、その相続の開始時において当該株式を有していたものと認めるのが相当である。(平29. 6.27 関裁(諸)平28-51)

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支部名
東京
裁決番号
平280135
裁決年月日
平成29年6月6日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、銀行から借り入れた請求人名義の借入金(本件借入金)は、実質的に被相続人の債務であり、また、仮に被相続人の債務であると認められないとしても、請求人は債務超過の状態であって被相続人が連帯保証人として保証債務を負担していたから、本件借入金は相続税法第13条《債務控除》第1項及び同法14条第1項の規定による債務控除の対象となる旨主張する。しかしながら、本件借入金の借入れ当初から相続開始後までの状況からすれば、本件借入金の債務者は請求人であると認められる。また、請求人の主張するとおり、相続開始日において、請求人が債務超過の状態にあったとしても、連帯保証債務が直ちに請求される状況にあったとも認められず、さらには、請求人が直ちに破産等の申立てがされるという状況にあったとも認められないのであって、本件借入金の主たる債務者である請求人が弁済不能の状態であるため、連帯保証人である被相続人が連帯保証債務を履行しなければならないことが確実であったとはいえない。したがって、同法第13条第1項及び第14条第1項の規定による債務控除の対象とはならない。(平29. 6. 6 東裁(諸)平28-135)

支部名
名古屋
裁決番号
平280029
裁決年月日
平成29年5月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、遺産分割審判(本件審判)により遺産の分割が確定したとして、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。)第32条《更正の請求の特則》第1号の規定に基づく更正の請求をしたところ、原処分庁が、本件審判により取得した代償金(本件代償金)は相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》ただし書(2)(本件通達)を適用し課税価格に算入すべきなどとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分をするとともに、相続税法第35条《更正及び決定の特則》第3項第1号の規定に基づき更正処分をしたことに対し、請求人の課税価格については、本件審判においては遺産(特別受益を含む。)を法定相続分の割合で公平に分割したのであるから、原処分庁の計算では税負担が平等ではなく、請求人が合理的と考える本件審判における遺産の取得割合に応じて計算すべきなどと主張する。しかしながら、本件代償金は代償財産に該当し、本件代償金については、代償財産の価額について、共同相続人の全員の協議に基づき合理的と認められる方法等で計算して申告があった場合とは認められないから、本件通達に定める計算方法によって調整計算されることになり、また、相続税法第11条の2《相続税の課税価格》第1項は、相続により取得した財産の価額の合計額をもって相続税の課税価格とする旨規定していることから請求人の主張には理由がない。(平29. 5.22 名裁(諸)平28-29)

支部名
名古屋
裁決番号
平280022
裁決年月日
平成29年3月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人らのうちの一人の配偶者(本件配偶者)が、平成11年頃、被相続人が事業(本件事業)を開業する際の開業資金などとして被相続人に15,000,000円を貸し付けた(本件貸付)から、相続税法第13条《債務控除》第1項の規定に基づく債務控除をすることができる旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件貸付を裏付ける客観的な証拠を提出せず、被相続人の所得税などの申告に関与していた税理士等が本件事業の決算用に作成した貸借対照表にも本件貸付に係る借入金の記載はない。また、当審判所の調査によっても、他に本件貸付があったことをうかがわせる事情は特に見当たらない。したがって、請求人らの主張する本件貸付について、同項の規定に基づく債務控除をすることはできない。(平29. 3.15 名裁(諸)平28-22)

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支部名
東京
裁決番号
平280069
裁決年月日
平成28年12月7日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
裁決事例集№105

要旨

○ 請求人らは、被相続人の葬儀の際に、当該葬儀を執り行った寺に支払った金員○○○○円のうち○○円については、領収証において「永代供養料」と表記されているものの、葬儀当日に一括して葬式費用として支払ったお布施の一部であるから、相続税法第13条《債務控除》第1項第2号所定の葬儀費用に該当する旨主張する。しかしながら、上記のとおりの領収証の字句のほか、●●円の支払いにつき、別途「葬儀布施一式」と表記した領収証が発行されていることなどからすれば、○○円は永代供養料として支払われたものと認められる。そして、永代供養料とは、一般に、毎年の忌日や彼岸などに個人の供養をしてもらうために寺に納めておく金員をいうものとされており、死者を葬る儀式について支出する葬式費用とはその性格を異にするものというべきである。また、相続税法基本通達13−5《葬儀費用でないもの》は、死者の追善供養のために営まれる法会に要する費用を葬儀費用として取り扱わないとしている。したがって、当該寺に支払われた○○円は相続税法第13条第1項第2号の「葬式費用」には当たらないというべきである。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)

支部名
名古屋
裁決番号
平280010
裁決年月日
平成28年12月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らが、遺産分割決定により遺産の分割が確定したことを事由とする相続税法(平成19年法律第6号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》の規定に基づく更正の請求をしたことに対し、原処分庁が、共同相続人の相続による取得財産価額合計額は被相続人の積極財産の価額であり、これに当該決定における具体的相続分を乗じて同法第11条の2《相続税の課税価格》第1項に規定する請求人らの相続により取得した財産の価額の合計額(取得財産価額)を算定して、遺産の分割確定に関する部分につき更正の請求の一部を認める減額の更正処分をしたところ、請求人らは、相続税の計算における当該取得財産価額合計額は民法の遺留分算定の規定を準用して被相続人の積極財産の価額から消極財産の価額を控除した額であるとして、これに当該具体的相続分を乗じて算定された額が請求人らの各取得財産価額となる旨主張する。しかしながら、相続税法第13条《債務控除》において課税価格の算定上控除する消極財産の規定があることからすると、取得財産価額には積極財産のみが含まれ消極財産はもとより含まれないと解するのが相当であり、当該取得財産価額合計額を被相続人の積極財産の価額とし、これを基礎として請求人らの各取得財産価額を算定するのが相当である。(平28.12. 1 名裁(諸)平28-10)

支部名
札幌
裁決番号
平280001
裁決年月日
平成28年9月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が行っていた被相続人に係る生活、療養看護及び財産管理に関する各事務(本件各事務)の処理は、被相続人と請求人との間で作成した公正証書(本件公正証書)の委任契約に係る部分(本件委任契約)に基づくものであるところ、仮に請求人が本件委任契約のとおりに処理していない部分があったとしても、被相続人と請求人は親子であり、本件委任契約に反することにはならないのであるから、相続開始日において、被相続人には、本件委任契約に基づく本件各事務の処理に対する報酬(本件報酬)に係る支払債務が存在していた旨主張する。しかしながら、被相続人と請求人との間では、本件公正証書の作成前から本件各事務が履行されていたところ、被相続人及び請求人には、本件公正証書の作成後の本件各事務を本件委任契約の内容に従って履行する認識がなく、また、請求人は、本件公正証書と同時に作成された遺言公正証書の内容が、被相続人の全財産を請求人が全て相続するものであることを被相続人から聞いていたことなどから、本件報酬も現実に支払うことが予定されていなかったものと認められ、本件公正証書は相続が開始した際の相続人間の争い防止を目的として形式的に作成されたにすぎず、実質的に機能していないと認められる。したがって、相続開始日において、被相続人には本件報酬に係る支払債務が存在していたとはいえず、当該債務は相続税法第13条《債務控除》第1項第1号に規定する被相続人の債務で相続開始の際現に存するものには当たらない。(平28. 9. 5 札裁(諸)平28-1)

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支部名
関東信越
裁決番号
平270054
裁決年月日
平成28年4月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人からの委託に基づき、請求人が代表者を務める法人(本件法人)が被相続人から借りている建物(本件建物)及びその敷地に係る固定資産税等(本件固定資産税等)を立て替えており、民法第650条《受任者による費用等の償還請求等》に基づき、必要な費用及び利息の償還を請求することができるから、被相続人が請求人に交付した金員(本件金員)は、必要費の償還請求権に基づく立替金の精算であり、被相続人からの贈与ではない旨主張する。しかしながら、請求人が本件固定資産税等を支払っていたのは、本件法人が経済的な理由から本件建物の賃料を支払えない状況において、被相続人から固定資産税程度の負担はするように言われたためであり、本件法人が賃料を支払えるようになった後も、賃料が低額であるために請求人が引き続き固定資産税を支払い続けていたに過ぎない。また、本件固定資産税等及び本件建物に係るその他費用の支払について、請求人と被相続人との間で立替払を委託したことを認めるに足りる証拠資料はない。かえって、当審判所の調査の結果によれば、請求人が本件固定資産税等の償還を求めたことは一度もなかったと認められる。これらのことに照らせば、請求人及び被相続人は、本件固定資産税等については請求人が負担し、被相続人がこれを償還することを要しないものと認識していたと推認することができる。そうすると、請求人と被相続人との間において、本件固定資産税等については請求人が負担するものとの黙示の合意がされ、請求人はこれに基づき本件固定資産税等を支払ったものと認めるのが相当であるから、請求人は、本件固定資産税等の償還請求権を有しないというべきである。したがって、本件金員の交付は、本件固定資産税等の償還のためではなく、被相続人から請求人に対する贈与であると認めるのが相当である。(平28. 4.25 関裁(諸)平27-54)

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支部名
大阪
裁決番号
平270039
裁決年月日
平成28年2月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№102

要旨

○ 請求人らは、被相続人は、被相続人の病院事業(本件病院事業)に係る共同経営者及び被相続人の配偶者らと共に任意組合契約を締結し、共同経営者は本件病院事業の収益の未分配金(本件未分配金)を、配偶者は本件病院事業からの給与の一部を当該任意組合(本件組合)に出資してf市の不動産(本件組合不動産)の共有持分を取得したが、本件組合不動産の大部分が被相続人の登記名義となっていることから、被相続人は、共同経営者及び配偶者が出資した金員について、預託金若しくは借入金の返還債務又は不当利得の返還債務を負っており、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務が存する旨主張する。しかしながら、請求人ら及び共同経営者は、元来、本件組合不動産の大部分が被相続人に帰属するとの認識を有していたと推認できること、共同経営者に対する本件未分配金の計算に信ぴょう性が認められないこと、配偶者に対して相続開始直前に一部が返還されていること、共同経営者と配偶者の出資した金額が同人らの本件組合不動産の一部の取得に係る取得価額を超えていると認めるに足りる証拠がないことから、両名に対する債務の存在を認めることはできない。また、請求人らは、相続開始前に被相続人の母の預貯金口座から被相続人名義の預金口座に移動された金員について、被相続人は母に対し借入金の返還債務を負っており、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務が存する旨も主張するが、当該被相続人名義口座の預金残高は相続税の申告において相続財産として計上されていないことから、請求人らは当該口座が被相続人に帰属するものと扱っていなかったことが推認され、上記金員の交付の事実自体、直ちに認められることはできないので、被相続人の母に対する債務の存在も認めることはできない。(平28. 2. 4 大裁(諸)平27-39)

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支部名
広島
裁決番号
平270004
裁決年月日
平成27年10月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集№101

要旨

○ 原処分庁は、遺産分割協議書(本件協議書)に記載がない被相続人の子名義の各定期預金11口(本件各定期預金)は、本件協議書に被相続人の妻(本件妻)が取得する財産として「上記相続人が取得する以外の全財産」と記載された条項(本件条項)に基づき、本件妻一人が取得することとなる旨主張する。しかしながら、本件条項は、個別財産の分割を定める条項を設けた上で、失念していた財産や家財道具などを被相続人と同居していた家族等の適当な者に取得させるための補充的な定めであり、個別の記載のない高額の財産については、その補充的な条項には含まれないと解するのが自然である。本件における共同相続人間において、本件条項の具体的な意味内容についての協議はなく、かつ、金融資産について法定相続分に従って分割する意思を有していた共同相続人が、約1億円もの高額な本件各定期預金を本件妻一人に取得させる意思を有していたとは考え難いから、共同相続人間において、本件各定期預金に本件条項を適用する旨の合意があったと認めることはできない。したがって、本件各定期預金は、本件条項に基づき本件妻一人が取得するものと解することはできない。(平27.10. 2 広裁(諸)平27-4)

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支部名
東京
裁決番号
平270021
裁決年月日
平成27年8月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集№100

要旨

○ 請求人らは、ジョイント・テナンシーの形態により被相続人が米国f州に所在する不動産(本件不動産)について有する持分は、我が国における共有財産ではないから相続税の課税価格に算入されるべきものではない旨主張する。しかしながら、被相続人及び請求人P2がジョイント・テナンシーの形態で所有している本件不動産については、ジョイント・テナンツ(合有者)の一人である被相続人が死亡したことにより、その権利は、相続されることなく、生存者への権利の帰属(サバイバー・シップ)の原則に基づいて、残りのジョイント・テナンツである請求人P2の権利に吸収されたものと認められる。そして、サバイバー・シップの原則により、請求人P2の権利が増加した時に対価の授受があった事実は認められないから、生存者である請求人P2は相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合−その他の利益の享受》に規定する「対価を支払わないで利益を受けた場合」に該当すると認められるところ、この権利の増加は、同条により、請求人P2が被相続人から贈与により取得したものとみなされる。さらに、この権利の増加につき、請求人P2には、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項が適用されることとなる。したがって、被相続人がジョイント・テナンシーの形態で所有する本件不動産の持分については、請求人P2が被相続人から贈与により取得したものとみなされ、本件不動産の価額の2分の1に相当する部分の金額については、相続税の課税価格に加算すべきものと認められる。(平27. 8. 4 東裁(諸)平27-21)

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支部名
東京
裁決番号
平270021
裁決年月日
平成27年8月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№100

要旨

○ 請求人らは、債権者を請求人P2、債務者を被相続人とする各約束手形及び公正証書に記載された被相続人の各債務について、各債務がいずれも存在することは明らかであり、その合計額から返済額を差し引いた残額につき、相続税の課税価格に算入すべき財産の価額から控除すべきである旨主張し、原処分庁は、請求人P2の各債務についての申述等の変遷や、各約束手形及び公正証書の記載の事実自体が不確かなものであり、これら借入金の成立自体が認められない旨主張する。しかしながら、各約束手形は、被相続人及び請求人P2の署名押印があることなどから、真正に成立したものと認められ、各約束手形の作成の時点で、各約束手形借入金が存在したことが認められる。また、公正証書は、法定の方式で作成され、被相続人及び請求人P2の署名押印があるから、真正に成立したものと認められ、公正証書の作成の日現在、被相続人が公正証書記載の残高の債務を負担していたことが認められる一方で、公正証書には、抽象的に当時の債務の数額のみが示されており、その額も低額とはいえないことも併せれば、被相続人と請求人P2との当時の一切の債務に関する確認をしたものとみるのが文理解釈上自然であるところ、記載された金額や作成時期などからすると、公正証書において確認された債務の内容は、各約束手形借入金を含めたものと認めるのが相当である。そうすると、各約束手形を基礎として公正証書を作成したことにより、被相続人と請求人P2は、公正証書記載の債務に係る被相続人の返済の意思を確認していると認められるから、債務者である被相続人は、当該債務の履行が義務付けられているというべきであり、公正証書記載の借入金から当審判所が認定した返済額を控除した残額は、債務の存在及び履行が確実な債務であるということができる。したがって、当該残額を相続税の課税価格の算入すべき財産の価額から控除すべきである。(平27. 8. 4 東裁(諸)平27-21)

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支部名
東京
裁決番号
平260113
裁決年月日
平成27年6月3日
裁決結果
棄却
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
裁決事例集№99

要旨

○ 請求人らは、共同相続人間において、被相続人に係る葬式費用(本件葬式費用)の負担についての協議等は行われていないことなどから、本件葬式費用については、請求人ら以外の相続人が負担することが確定しているとはいえず、また、相続分の指定があったとは認められないので、相続税法基本通達13−3《「その者の負担に属する部分の金額」の意義》の定めにより、請求人らの相続税の課税価格の計算上、相続により取得した財産の価額から本件葬式費用の金額に法定相続分の割合を乗じた金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人に係る葬式費用は、相続開始時に現存する被相続人の債務ではないことから、特段の事情がない限り、葬儀を実施した者が負担すると解するのが相当であるところ、葬儀を実施した者とは、葬儀を主宰した者、すなわち、一般的には喪主を指すと解するのが相当である。本件においては、①葬儀の喪主は請求人ら以外の相続人であったこと、②請求人らは、被相続人に係る葬儀に際し、葬儀業者に対して諸手続の依頼及び葬式費用に関する交渉などは行っていないこと、③請求人らは本件葬式費用を当該葬儀に係る葬儀社に対して支払っていないことなどからすれば、相続税法基本通達13−3に定める「実際に負担する金額」は、請求人ら以外の相続人が負担するものとして「確定」しているというべきである。したがって、相続税法第13条第1項に規定する「その者の負担に属する部分の金額」は請求人ら以外の相続人の負担に属するものというべきなので、請求人らの相続税の課税価格の計算上、本件葬式費用を控除することはできない。(平27. 6. 3 東裁(諸)平26-113)

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支部名
東京
裁決番号
平260113
裁決年月日
平成27年6月3日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集№99

要旨

○ 請求人らは、共同相続人間において、被相続人の債務(本件債務)の負担についての協議等は行われていないことなどから、本件債務については、請求人ら以外の相続人が負担することが確定しているとはいえず、また、遺言による相続分の指定があったとは認められないので、相続税法基本通達13−3《「その者の負担に属する部分の金額」の意義》の定めにより、請求人らの相続税の課税価格の計算上、相続により取得した財産の価額から本件債務の金額に法定相続分の割合を乗じた金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、遺言公正証書には、本件債務は、請求人ら以外の相続人に負担させる旨明確に記載されており、被相続人の意思は、当該相続人に本件債務の全てを承継させようとする趣旨のものであったと解されること、また、本件債務の一部である借入金債務について、当該相続人が全額を弁済しており、当該相続人は当該遺言に沿った行動をしているといえることなどからすれば、本件債務について、相続税法基本通達13−3に定める「実際に負担する金額」は、請求人ら以外の相続人が負担するものとして「確定」しているというべきである。したがって、相続税法第13条《債務控除》第1項に規定する「その者の負担に属する部分の金額」は請求人ら以外の相続人の負担に属する部分の金額となり、請求人らの相続税の課税価格の計算上、本件債務の金額を控除することはできない。(平27. 6. 3 東裁(諸)平26-113)

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支部名
東京
裁決番号
平260113
裁決年月日
平成27年6月3日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集№99

要旨

○ 請求人らは、預貯金等の未分割財産(本件未分割財産)について、本件には請求人ら以外の相続人が本件未分割財産及びこれから発生する収益の全てを支配、独占しているなどの個別的事情があることから、相続税法(平成23年法律第82号による改正前のもの)第55条《未分割遺産に対する課税》に規定する課税価格の計算は、各共同相続人が未分割の財産に対する自己の相続分に応じた価額相当分を取得したものとして計算する方法、すなわち、積上方式によるべきである旨主張する。しかしながら、相続財産の一部が分割された場合、そのことによって、相続財産全体に対する各共同相続人の法定相続分の割合が変更されることはないから、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価額相当分から既に分割を受けた財産の価額を控除した価額相当分についてその権利を主張することができる。そうすると、相続税法第55条に規定する「民法(第904条の2を除く。)の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算する」とは、各共同相続人が相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価額相当分から既に分割を受けた財産の価額を控除した残りの価額相当分を取得したものとして計算する方法、すなわち、穴埋方式により課税価格を計算すると解するのが相当である。(平27. 6. 3 東裁(諸)平26-113)

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支部名
東京
裁決番号
平260094
裁決年月日
平成27年4月10日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人らの関係会社(本件会社)が所有していた不動産及び本件被相続人が所有していた不動産には、本件会社の金融機関からの借入金債務(本件債務)を担保するため抵当権が設定されているところ、当該抵当権が実行された場合には、本件被相続人が本件会社に対して求償しても返還を受ける見込みはないことから、本件会社の金融機関からの借入金残高のうち、本件会社所有の不動産からの回収予定額を超える部分の金額については、本件被相続人の債務として相続財産の価額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第13条《債務控除》第1項は、相続税の計算に際して、課税価格に算入すべき金額は、相続財産の価額から被相続人の債務で相続開始の際現に存するもののうち、その者の負担に属する部分の金額を控除した金額による旨規定し、同法第14条第1項は、同法第13条第1項の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る旨規定している。本件においては、相続開始日現在において、本件会社が金融機関からの借入金債務を弁済することができない状態で物上保証人である本件被相続人がその債務を履行しなければ抵当権の実行がされるとはいえず、また、本件被相続人が本件会社に求償権を行使しても返還を受ける見込みがない場合ともいえない。したがって、本件会社の金融機関からの借入金のうち、本件会社所有の不動産からの回収予定額を超える部分については、相続税法第14条に規定する確実と認められる債務に当たらないことから、相続財産の価額から控除することはできない。(平27. 4.10 東裁(諸)平26-94)

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支部名
東京
裁決番号
平260020
裁決年月日
平成26年8月19日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、請求人が債務控除の対象である旨主張する被相続人の親しい女性(D)に対する支払債務から既払分を控除した残債務(本件D残債務)については、①被相続人とDとの間では、代理人を介して金銭の支払に関する交渉が持たれており、Dは被相続人に対して金銭の支払を請求していたことや、②被相続人の署名がされた書面における被相続人の自筆の記載からすると、Dに対して金銭の支払を約束していたことは明らかであることから、本件D残債務を「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」で「確実と認められるもの」であるとして債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人がDに対して一定の金員を支払う旨の合意は、当該書面の記載等からすると、Dが被相続人と同居するなどして生活を支援し続けるという反対債務が被相続人が死亡するまで履行されることを停止条件として、同居が解消された際に、一定の金員を支払う旨の合意であると認められるところ、Dは相続開始日の約2年前に同居を解消したことが認められ、被相続人の死亡まで同居などして生活を支援していたものではないから、反対給付を完全には履行しておらず、停止条件の不成就が確定していることとなる。そうすると、Dが反対債務を履行していない以上、本件D残債務は、債務者においてその履行義務が法律的に強制される場合には当たらないことはもとより、事実的、道義的に履行が義務付けられているか、あるいは、履行せざるを得ない蓋然性の表象のある債務であるとはいえず、履行の確実と認められる債務であるとはいえない。以上のことから、本件D残債務は、相続税法第14条《控除すべき債務》第1項の「確実と認められるもの」に該当しないから、相続税の課税価格の計算上、債務控除の対象となる債務であるとはいえない。(平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)

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支部名
東京
裁決番号
平260020
裁決年月日
平成26年8月19日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件被相続人とE社との間には、被相続人が著書を作成するに当たり、被相続人がE社に対して、営業活動補助・資金管理業務及び当該著書の執筆補助業務(本件E社業務)を委託し、当該著書の完成後に当該各業務に係る費用等を支払う旨の合意(本件E社合意)があったことを前提として、被相続人は、生前A社に対して、本件E社業務に係る費用(本件E社債務)を支払う意思を有していた旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、要旨、本件E社債務は本件E社合意に係る費用の支払合意に係る債務であるとするものであるところ、請求人は、当審判所に対して、被相続人とE社との間の本件E社業務に係る業務委託契約書といった本件E社合意の存在を直接証明する書面を提出せず、当審判所の調査の結果によっても、本件E社合意の存在を直接証明する客観的証拠は見当たらない。かえって、被相続人が、請求人が作成した各書簡に「知らん」や「何もやっていない」などと記載した指摘等からすると、被相続人がE社に対して何らかの業務を委託したこと自体に疑義があるといわざる得ない。そして、本件E社合意が存在したとする場合にE社がとる経理処理等の経緯にも不自然な点がある。以上を総合すると、本件E社合意を認めることはできない。したがって、本件E社債務は、被相続人の債務として相続開始の際に存するものではないから、相続税の課税価格の計算上、債務控除の対象となる債務に該当しない。 (平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)

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支部名
東京
裁決番号
平250107
裁決年月日
平成26年4月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503020
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/2敷金
事例集登載頁
裁決事例集№95

要旨

○ 請求人らは、相続により承継した各保証金(建物賃貸に伴い無利息で預託を受けたもの(本件各保証金))の返還債務に係る債務控除額について、①賃貸人の都合により契約解除する場合に返還しなければならない額(本件各保証金のうちA社との賃貸借契約に係る保証金の10%相当の償却金)を弁済すべき金額に含めるべきであり、②本件各保証金を定めた各契約は、建物の賃貸借契約によるものであり中途の契約解除の可能性が高いため、弁済すべき金額から無利息であることによる経済的利益を控除せずに評価すべきであるとし、③仮に当該経済的利益を控除するとしても、その算定の際の複利現価率は通常の利率の2分の1の利率に基づき算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件相続開始日において、本件各保証金を定めた各契約には、賃貸人の都合による解除やその他の理由による解除が発生している事実は認められないことから、本件各保証金のうちA社との賃貸借契約に係る保証金の10%相当の償却金は、相続税法第14条《控除すべき債務》第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当しない。また、本件各保証金の返還債務に係る債務控除額は、相続税法第22条《評価の原則》に規定により、相続開始時の現況により評価することになるから、無利息債務である本件各保証金の返還債務は、弁済すべき金額から無利息であることによる経済的利益を控除して評価すべきであり、その算定の際の複利現価率は、財産評価基本通達4−4《基準年利率》の定めにより合理的に定められた基準年利率によることが相当である。(平26. 4.22 東裁(諸)平25-107)

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支部名
大阪
裁決番号
平250036
裁決年月日
平成26年1月10日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人の相続開始後49日目に行われた法要(本件式典)に係る費用は、相続税法第13条《債務控除》第1項第2号に規定する被相続人に係る葬式費用には該当しない旨主張する。しかしながら、葬儀の形式には宗教や地域の慣習により差異があるため、個々の費用が葬式費用に該当するか否かは、個々の事案について社会通念に照らして判断することになるところ、本件式典は、被相続人死亡時の入院先近隣の施設において親族数名により行われた告別式の後に、被相続人の住所地近隣の施設において百数十名の参列者が参加して、一般的な仏式の葬儀の方式によって行われていること、また、死後間もなく他所で告別式を行うことは、特異とはいえないことなどからすれば、本件式典は、死者を葬るために行われた儀式であると認められる。したがって、本件式典に係る費用は、葬式費用に該当するものと認められる。(平26. 1.10 大裁(諸)平25-36)

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支部名
大阪
裁決番号
平250036
裁決年月日
平成26年1月10日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人及び請求人らが役員を務めるB社の平成3年3月期の借入金元帳に記載されている被相続人からの借入金(本件借入金)の原資の一部は、請求人がA社から受取るべき土地賃貸に係る保証金(本件保証金)であるから、請求人は平成2年当時本件保証金の額に相当する金額を被相続人に貸し付けたこととなり、請求人は被相続人からその返済を受けていないので、相続開始時において被相続人は請求人に対する同額の債務を負っていたこととなる旨主張する。しかしながら、本件保証金に相当する金額を請求人が被相続人に貸し付けたと認めるには、同金額が贈与されたり、請求人の被相続人からの借入金の弁済の用に供されたのではなく、返還の合意の下で被相続人に交付されたものといえることが必要であるところ、被相続人と請求人の間に、平成2年当時、同金額について返還の合意が存在したことに関する適切な証拠はない。また、相続により取得した財産から控除すべき債務は、相続税法第14条《控除すべき債務》第1項により、相続開始の際現に存するもので、確実と認められるものに限られるから、仮に平成2年当時に本件借入金に係る何らかの債務が存在していたとしても、履行することを期待されないものであるときは、債務控除の対象とすることはできないところ、被相続人が、請求人に対して、本件借入金の原資に関する何らかの債務を負っていたとしても、同債務を負ってから相当の期間が経過し、この間、請求人が被相続人に対して本件借入金の弁済を請求し、具体的な弁済方法等の詳細に関する話合いを行ったといった事情は認められない。これらのことからすると、本件借入金は、相続開始の際現に存していたと認めるに足りる証拠はない上、仮に存在していたとしても、履行することを期待されないものであるというほかなく、確実な債務であったとは認められない。(平26. 1.10 大裁(諸)平25-36)

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支部名
関東信越
裁決番号
平250020
裁決年月日
平成25年12月3日
裁決結果
棄却
争点番号
400503020
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/2敷金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続した賃貸中の建物に係る預託金債務が無利息であることによって請求人が何らかの経済的利益を享受しているとしても、経済的利益の額を算定する際の年利率は、経済実態から乖離しているという点で財産評価基本通達(評価通達)4−4《基準年利率》に基づき定められた基準年利率1.5%は適当でなく、①相続開始日における長期大型定期預金(1,000万円以上、期間10年)の店頭表示利率0.6%が適当であり、そうでないとしても、②平成22年1月29日付国税庁個人課税課情報第1号(本件個人課税課情報)で取り扱っている年1.3%が適当である旨主張する。しかしながら、基準年利率は、公表されている「利付国債の複利ベースの最終利回り」を基に算定することとし、日経公社債インデックスの例を参考に短期、中期及び長期に区分し、各月ごとに定めているところ、この基準年率の算定方法は、将来の収入を予測する際に重大な指標となる金利について、経験則に基づいて課税時期の金利情勢をより適切に反映させる将来の合理的な利率算定方法として一定の合理性があるといえる。したがって、本件における相続開始日の経済的利益の額を算定する際の年利率は1.5%とするのが相当である。(平25.12. 3 関裁(諸)平25-20)

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支部名
関東信越
裁決番号
平250020
裁決年月日
平成25年12月3日
裁決結果
棄却
争点番号
400503020
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/2敷金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、賃借人の営業用建物(本件建物)を建築して賃貸する旨の契約(本件賃貸借契約)に基づき受領した金員(本件金員)は、本件建物の建築資金に充てるために預託されたものであるところ、①建設費に充てられる金員を無利息で貸与する場合には何らかの対価を得ようとするのが合理的な経済人の行動であること、②本件金員を預託することと引き換えに賃料を安くしていること及び③本件建物付近の建物賃料に比し本件建物の賃料が低額であることからすれば、本件賃貸借契約に基づき発生する返還義務(本件債務)が無利息であるとしても、本件債務が無利息であることによる対価の額と賃料の額は調整されていると考えることが合理的であるから、請求人は経済的利益を享受しておらず、本件債務の額から控除すべき経済的利益の額はない旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約に係る契約書において、本件金員は敷金と記載されているところ、敷金とは、賃貸借契約終了後目的物の明渡義務履行までに生ずる損害金その他賃貸借契約関係により賃貸人が賃借人に対し取得する一切の債権を担保するものであるから、敷金返還請求権は、目的物明渡し完了のときに、それまで生じた上記一切の被担保債権を控除してなお残額がある場合にその残額につき発生するものであり、このような敷金返還請求権の性質からすると、敷金の返還義務は、弁済期を目的物明渡し時とする無利息債務であると解せられる。これを本件についてみると、本件金員は、本件賃貸借契約から生じる一切の債権を担保するために交付されたものであり、本件債務は、目的物返還時に残額がある場合にその残額につき発生するものであると認められるから、その性質はまさに敷金そのものであり、無利息で預託されている金銭債務として取り扱うのが相当である。そして、請求人が提出した証拠をもってしてもこれを覆すことにはならないから、本件債務に係る債務控除額を算定するに当たっては、本件債務の額から経済的利益の額を控除すべきであると認められる。(平25.12. 3 関裁(諸)平25-20)

支部名
関東信越
裁決番号
平250009
裁決年月日
平成25年10月1日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、遺留分減殺請求に係る共有持分確認等請求訴訟(本件訴訟)の和解(本件和解)によって取得した各土地の持分(本件各土地持分)について、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》ただし書(2)に定められた算式により相続税の課税価格を計算(本件調整計算)すべきである旨主張する。しかしながら、本件調整計算を行うことができるのは、価額弁償の額が、①価額弁償の対象となった財産が特定されて決定されていること、及び②価額弁償の対象となった財産の価額弁償の時における通常の取引価額を基として決定されていることの2つの要件を満たす場合に限られるところ、①本件訴訟及び本件和解に至る経緯においては、遺留分算定の基礎財産となる本件訴訟の相手方の特別受益の事実や金額について請求人と当該相手方との間で合意が形成された事実は認められず、また、②本件各土地持分などの不動産の評価額は、請求人と当該相手方との間の合意により通常の取引価額で決定された事実は認められないことから、本件各土地持分の決定は、上記2つの要件を満たしていない。したがって、本件調整計算を行うことはできない。(平25.10. 1 関裁(諸)平25-9)

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支部名
熊本
裁決番号
平250002
裁決年月日
平成25年9月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集№92

要旨

○ 請求人は、本件における被相続人(本件被相続人)の相続の開始日(本件相続開始日)において、本件被相続人が代表社員に就任していた合資会社2社(本件各会社)の資産状況等からすれば、本件被相続人に、会社法第580条《社員の責任》第1項に基づく社員の責任(本件社員責任)が発生していたから、本件社員責任から生じる債務は相続税法第13条《債務控除》第1項第1号に規定する債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件社員責任を負うこととなるのは、会社法第580条第1項第1号に規定する「会社の財産をもってその債務を完済することができない場合」であるところ、持分会社の無限責任社員が会社の債務を弁済すべき責任は、会社が債務超過の状態にあり、かつ、会社債務の完済が自ら不能であるときに初めて生じるものと解される。これを本件についてみると、本件各会社は、本件相続開始日において、債務超過の状況にはなく、また、各金融機関に対して弁済条件に従った返済を行っていたことなどからすると、本件社員責任は、本件被相続人に生じていないので、債務控除できる債務はない。(平25. 9.24 熊裁(諸)平25-2)

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支部名
熊本
裁決番号
平250002
裁決年月日
平成25年9月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集№92

要旨

○ 請求人は、相続税法第14条《控除すべき債務》第1項に規定する「確実と認められるもの」について、主たる債務者が弁済不能で保証債務の履行が必要であり、保証債務履行後の求償権の行使が不可能であるという条件が相続開始日に現実に存在しているだけでなく、相続開始日における主たる債務者の財産状態や信用能力を客観的に観察した結果、当該条件に該当する事実が潜在的に存在する場合にも、保証債務は同項に規定する「確実と認められるもの」に当たるという解釈を前提に、本件における被相続人(本件被相続人)が代表社員に就任したN社及びQ社(本件各会社)の金融機関からの借入れに係る本件被相続人の各連帯保証債務は、同項に規定する「確実と認められるもの」に当たる旨主張する。しかしながら、保証債務が相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当するのは、相続開始時点を基準として、主たる債務者がその債務を弁済することができないため保証人がその債務を履行しなければならない場合で、主たる債務者に求償しても補填を受ける見込みがないことが客観的に認められる場合に限られることからすると、請求人の同項に規定する「確実と認められるもの」の解釈は、保証債務一般の性質を述べるものであって、正当な解釈とはいえない。本件各会社は、本件被相続人の相続開始日において、債務超過の状況にはなく、また、各金融機関に対して弁済条件に従った返済を行っていることなどからすると、本件各会社が債務を弁済することができないため、保証人である本件被相続人がその債務を弁済しなければならい場合であったとは認められない。(平25. 9.24 熊裁(諸)平25-2)

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支部名
東京
裁決番号
平250027
裁決年月日
平成25年8月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集№92

要旨

○ 原処分庁は、請求人が提起した遺留分減殺請求訴訟(本件訴訟)の判決(本件確定判決)において、①価額弁償の対象となった不動産(本件分割対象不動産)は特定されているが、②価額弁償金の額は、価額弁償の時ではなく、相続開始日における本件分割対象不動産の通常の取引価額を基に決定されていることから、相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》(2)の定めは適用できない旨主張する。しかしながら、遺留分減殺請求訴訟において、受贈者又は受遺者が遺留分権利者に対し事実審口頭弁論終結前に裁判所が定めた価額により民法第1041条《遺留分権利者に対する価額による弁償》の規定による遺留分の価額の弁償をなすべき旨の意思表示をした場合、相続税法基本通達11の2−10 (2)を準用する際に用いる上記②の「価額弁償の時」とは、「事実審口頭弁論終結の時」と解されるところ、本件確定判決において、本件分割対象不動産の価額につき、「この価額は、請求人提出の相続開始日を価格時点とする不動産鑑定評価書等における価額であり、現時点で、同価額と異なる証拠はないことから、同証拠により価額を認定する」旨判示されていることからすると、本件確定判決において認定された「現時点」の価額は、本件訴訟の控訴審の口頭弁論終結の時を基準日とする価額であると認められ、また、その価額は、その基準日における通常の取引価額であると認められる。そうすると、本件確定判決は、価額弁償の対象となった財産の価額弁償の時における通常の取引価額を基に価額弁償金の金額を決定しているということができるから、相続税法基本通達11の2−10(2)の定めを適用することが相当である。(平25. 8.29 東裁(諸)平25-27)

支部名
広島
裁決番号
平250002
裁決年月日
平成25年7月5日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503060
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/6使用人に対する退職金債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、税理士業を営んでいた被相続人の死亡によって、その従業者が退職することになり、未払退職金の支払債務が発生、確定した旨主張する。しかしながら、使用者の従業者に対する退職金の支払債務は、雇用契約の終了、すなわち退職の事実が生じたことにより当然に発生するというものではなく、就業規則、退職金規程等で退職金を支給すること及びその支給基準があらかじめ定められているか、少なくとも明確な条件に従って退職金が反復、継続的に支払われることによって労使慣行が成立したといえる場合に発生するものと解されるところ、被相続人の税理士業務に係る就業規則、退職金規程等はなく、また、被相続人の死亡当時、未払退職金の発生を根拠付けるような労使慣行が成立していたとはいえない。したがって、従業者に退職の事実があるか否かにかかわらず、退職金支払債務の発生の根拠を欠くため、被相続人の死亡により、未払退職金の支払債務が発生、確定していたということはできない。(平25. 7. 5 広裁(諸)平25-2)

支部名
札幌
裁決番号
平240013
裁決年月日
平成25年4月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が相続の開始前3年以内に贈与により取得した財産であると認定した請求人名義の預金(本件預金)は、相続の開始前3年を超える日以前に請求人が被相続人からの贈与により取得したものである旨主張する。しかしながら、書面によらない場合の預金の贈与の時期については、当該預金に係る通帳及び証書の所持、届出印鑑の保管及びその使用状況、届出住所、証書の書換えや預入れ・払戻しの各手続を行っている者などの具体的な事実に基づき、贈与を受けたとする者が当該預金を自由に払い戻して使用できる状況になったと客観的に認められる時と解されるところ、①本件預金に係る届出印鑑は被相続人が保管し使用していた印鑑であると認められること、②本件預金に係る届出住所は被相続人の住所地となっていること、③本件預金の設定や書換え等の各手続は被相続人が行っていたものと認められること、そして、④本件預金については、相続の開始前3年以内の日に請求人が被相続人と共に金融機関に赴き、解約手続を行い、届出印鑑を請求人が使用している印鑑に、届出住所を請求人の住所地にそれぞれ変更する手続をした上で、その解約払戻金を原資とする請求人名義の預金を新たに設定していることからすると、本件預金の解約返戻金については、当該設定の事実をもって、請求人が自己の財産として現実に支配管理し自由に処分することができる状態に至ったと認められることから、当該設定の日において、被相続人から請求人への本件預金の解約払戻金に相当する金員に係る贈与の履行があったと認めるのが相当である。したがって、本件預金の解約払戻金に相当する金員は、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》の規定により、相続開始前3年以内に贈与により取得した財産として相続税の課税価格に加算するのが相当である。(平25. 4.25 札裁(諸)平24-13)

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支部名
大阪
裁決番号
平240056
裁決年月日
平成25年3月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№90

要旨

○ 原処分庁は、請求人らが主張する、本件被相続人が負っていた請求人らを含む相続人らからの借入金債務(本件各借入金債務)は、仮に存在していたとしても、履行が確実な債務とは認められない旨主張する。しかしながら、本件各借入金債務については、貸主と借主とが相続人らと本件被相続人との関係にあること及び本件各借入金債務の原資に係る各金員の支出当時の本件被相続人の年齢などからすると、最終的には本件被相続人の死亡時に清算する旨の黙示の合意が成立していたと認めるのが相当であり、本件被相続人の相続開始時において同人には積極財産も存在していたことからすると、本件各借入金債務の返済(履行)は十分可能であり、本件各借入金債務は履行が確実な債務であったと認めるのが相当である。(平25. 3. 4 大裁(諸)平24-56)

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支部名
大阪
裁決番号
平240056
裁決年月日
平成25年3月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集№90

要旨

○ 原処分庁は、請求人らが主張する、本件被相続人が負っていた請求人らを含む相続人らからの借入金債務(本件各借入金債務)は、相続開始日において存在していない旨主張する。しかしながら、本件各借入金債務の原資(本件各金員)は、相続人らが支出したものと認められることに加え、当該支出について、相続人らは、本件被相続人が同人の営む病院(本件病院)の建物建築資金等に係る銀行借入を返済するために本件被相続人へ貸し付けたものである旨答述するところ、本件病院は本件被相続人から建物を賃借して営業を行っていたこと、相続人らは本件病院の経営に関わるとともに、本件病院からの報酬で生計を維持していたこと、本件病院の収入は年々減収しており、当該建物の賃借料や当該報酬も引き下げていること、本件被相続人の法定相続人は同人の配偶者又は子である相続人らのみであり、相続人らが本件被相続人の財産及び債務を相続することが予定されていたこと並びに過去において、本件被相続人から相続人ら及び孫らに対し定期的に贈与がされていたことからすると、上記の銀行借入の返済が滞る事態が生じれば、本件病院の維持継続が困難となり、相続人らの生活に直接大きな影響を与えることとなることが容易に想定されることなどから、当該答述内容は相続人らが本件被相続人に対して本件各金員を支出するに至った経緯として自然なものということができる。なお、本件各金員は孫らの進学資金などとして積み立てていたものであること並びに上記の本件被相続人から相続人ら及び孫らに対する定期的な贈与は相続税対策のためのものと推認されることからすると、本件各金員の支出が相続人らから本件被相続人への贈与であったとみるのは困難である。したがって、本件各金員は、相続人らから本件被相続人に貸し付けられたものと認めるのが相当である。(平25. 3. 4 大裁(諸)平24-56)

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支部名
関東信越
裁決番号
平240030
裁決年月日
平成25年1月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、生活費及び医療費を被相続人に代わって弁済しており、被相続人は請求人に対し債務がある旨主張する。しかしながら、請求人の主張する医療費の一部と生活費については、その支払日や金額等が明らかでなく、また、領収書のある医療費についても、請求人が被相続人に代わりその支払いをしたことや被相続人が精算しなかったことについては、これを裏付ける証拠がなく、当審判所の調査の結果によっても、被相続人が請求人に対し債務を負っていたと認めることはできない。(平25. 1. 8 関裁(諸)平24-30)

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支部名
関東信越
裁決番号
平240030
裁決年月日
平成25年1月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件被相続人債務等に係る債務控除額は、法定相続分の割合に応じて計算するのではなく、各共同相続人が各々実際に支払った金額とすべきである旨主張する。しかしながら、相続税法においては、遺産が未分割である場合における課税は、遺産が分割されるまでの間の暫定的な仮定計算にすぎず、最終的には、分割の確定により修正できることが予定されているところ、被相続人債務等の負担者が確定していない場合の債務控除額についても、各共同相続人が法定相続分に応じて被相続人債務等を負担したものと取り扱うのが合理的である。本件においては、本件相続の開始から原処分に至るまでの間において、共同相続人らによる遺産分割協議は行われていないことから、本件被相続人債務等については、その負担者及び負担金額等が確定していなかったものと認められる。したがって、本件被相続人債務等に係る債務控除額は、法定相続分の割合に応じて計算するのが相当である。(平25. 1. 8 関裁(諸)平24-30)

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支部名
関東信越
裁決番号
平240031
裁決年月日
平成25年1月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件被相続人債務等に係る債務控除額は、法定相続分の割合に応じて計算するのではなく、請求人が実際に支払った金額とすべきである旨主張する。しかしながら、相続税法においては、遺産が未分割である場合における課税は、遺産が分割されるまでの間の暫定的な仮定計算にすぎず、最終的には、分割の確定により修正できることが予定されているところ、被相続人債務等の負担者が確定していない場合の債務控除額についても、各共同相続人が法定相続分に応じて被相続人債務等を負担したものと取り扱うのが合理的である。本件においては、本件相続の開始から原処分に至るまでの間において、共同相続人らによる遺産分割協議は行われていないことから、本件被相続人債務等については、その負担者及び負担金額等が確定していなかったものと認められる。したがって、本件被相続人債務等に係る債務控除額は、法定相続分の割合に応じて計算するのが相当である。(平25. 1. 8 関裁(諸)平24-31)

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支部名
関東信越
裁決番号
平240031
裁決年月日
平成25年1月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400503030
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/3資産取得に係る債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人に係る生活費及び車両購入費に係る債務を立替払いしたが、その返済を受けていないので、被相続人は請求人に対し債務を負っていた旨主張する。しかしながら、請求人の主張する生活費については、一部を除き、その支払いを請求人がしたことや被相続人が精算しなかったことにを裏付ける証拠がなく、当審判所の調査の結果によっても、その債務があったとは認められない。また、請求人の主張する車両購入費については、請求人が当該車両の所有者であるから、被相続人の債務であったと認めることはできない。(平25. 1. 8 関裁(諸)平24-31)

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支部名
東京
裁決番号
平240116
裁決年月日
平成24年12月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件各不動産を取得した原因は、請求人らが請求人らの兄弟である本件被相続人に対して亡父の遺産について遺留分減殺請求を行った結果によるものである旨主張する。しかしながら、本件各不動産の登記の状況に照らすと、本件被相続人は亡父以外の第三者からの売買等により本件各不動産を取得していると認められ、そもそも、亡父が本件各財産を所有していたことを認めるに足りる証拠は見当たらないことなどから、本件被相続人が亡父の処分行為により本件各不動産を所有したとはとは認められない。また、本件各不動産に係る登記原因証書の記載及び本件各不動産の所有権移転登記申請に係る司法書士の答述からすると、本件各不動産の所有権又は持分の移転登記がされた時点においては、請求人ら及び本件被相続人はその移転原因を贈与(死因贈与を含む。)とする意思であったと認められること並びに請求人らの贈与税の申告から認められる請求人らの行動に照らすと、請求人らは、本件各不動産を本件被相続人からの贈与又は死因贈与により取得したものであると認識していたものと認められる。これらのことからすると、請求人らが本件被相続人から本件各不動産を取得した原因は、贈与又は死因贈与であると認められる。(平24.12. 4 東裁(諸)平24-116)

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支部名
関東信越
裁決番号
平240010
裁決年月日
平成24年10月23日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続財産については分割協議中であり、請求人が相続する財産が未確定であるから相続税を課されるべきではない旨主張する。しかしながら、未分割財産であっても、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》の規定により、各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算して相続税が課されることになる。(平24.10.23 関裁(諸)平24-10)

支部名
札幌
裁決番号
平230010
裁決年月日
平成24年6月28日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人らが相続開始後に本件被相続人の家事使用人(本件使用人)に対して支払った金員(本件金員)は、本件被相続人の本件使用人に対する退職金支払債務又は贈与契約に係る履行債務の履行によるものであるから、相続により取得した財産の価額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、①本件使用人の退職時及び退職後の言動及び関係者のいずれの答述等からも当該退職金支払債務が存在していた事実を推認することはできず、また、②請求人らの答述によれば、本件被相続人と本件使用人との間で書面によらない贈与契約が成立したことがうかがえるが、当該贈与がその条件や時期を定めないまま3年以上も履行されていないことは不自然であり、本件被相続人の発言内容や本件使用人の答述からも当該贈与契約に係る履行債務が存在していたと推認することはできない。したがって、本件相続開始時に当該退職金支払債務又は当該贈与契約に係る履行債務が存していたとは認められない。なお、本件使用人の答述によれば、本件被相続人と本件使用人との間で、本件被相続人が生きている限り本件使用人が世話をすることを条件とした、本件被相続人の死亡を原因として金員を贈与する旨の負担付死因贈与契約が約されたものと認められるが、本件使用人は、当該条件にいう義務を果たしているとは認められないから、請求人らから本件使用人に支払われた本件金員が負担付死因贈与契約の履行によるものとも認められない。(平24. 6.28 札裁(諸)平23-10)

支部名
東京
裁決番号
平230223
裁決年月日
平成24年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人が生前に借り受けた本件生命保険契約に係る契約者貸付金は、債務控除の対象となるものである旨主張する。しかしながら、当該契約者貸付金は、①保険約款上の生命保険会社の義務の履行として貸付けがされたものであり、②その金額が解約返戻金から当該生命保険会社が定める金額を控除した後の金額の範囲内に限定され、③保険約款に規定するとおり死亡保険金の支払の際に差し引かれたものであるから、その経済的実質において、死亡保険金の前払がされたものと同視することができるものというべきである。また、本件生命保険契約に係る死亡保険金は、被相続人の死亡の日をもって契約者貸付金が差し引かれるものであるから、保険金受取人が生命保険会社に支払を請求できるのは、その差引後の金額に限られるのであって、当該死亡保険金の全額について支払を請求できるものではない。これらのことからすると、当該死亡保険金の受取人は、当該契約者貸付金を差し引いた後の死亡保険金支払請求権を取得したというべきであり、死亡保険金全額の支払請求権を取得した上で、別途、契約者貸付金が相続によって承継されるというものではない。したがって、当該契約者貸付金は債務控除の対象とならないものである。(平24. 5.17 東裁(諸)平23-223)

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支部名
関東信越
裁決番号
平230076
裁決年月日
平成24年5月15日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
裁決事例集№87

要旨

○ 原処分庁は、本件相続における葬式費用(本件葬式費用)は、請求人以外の相続人により支払われていることから、当該相続人の課税価格の計算上控除すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第13条第1項《債務控除》は、相続又は遺贈により取得した財産について課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から被相続人に係る葬式費用等のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による旨規定し、相続税法基本通達13−3《その者の負担に属する部分の金額》は、その者の実際に負担する金額が確定していないときは、民法第900条《法定相続分》から902条《遺言による相続分の指定》までの規定による相続分又は包括遺贈の割合に応じて負担する金額とする旨定めているところ、本件葬式費用については、請求人と当該相続人との間で負担額が確定しておらず、遺言により請求人の相続分が指定されていることから、当該指定された相続分に応じ、その全額を請求人の課税価格の計算上控除するのが相当である。(平24. 5.15 関裁(諸)平23-76)

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支部名
関東信越
裁決番号
平230076
裁決年月日
平成24年5月15日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集№87

要旨

○ 請求人は、被相続人の全ての財産を請求人に相続させる旨の遺言が存するものの、遺留分減殺請求がなされており、当該請求に基づく返還すべき又は弁償すべき額が確定していないのであるから、本件相続税における請求人の課税価格は、遺言により取得した財産の価額から上記返還すべき又は弁償すべき額に相当する金額を控除して計算すべきである旨主張する。しかしながら、遺留分減殺請求権を行使された相続人とそれを行使した相続人との間で、遺留分減殺請求の効果及び履行について争っている状況において、不確定事実を基として課税することは事実上困難であることから、遺留分減殺請求に基づき返還すべき又は弁済すべき額が確定するまでの間、遺留分減殺請求がなかったものとして課税価格を計算するのが相当と認められるところ、本件においては、請求人と他の相続人との間で、遺留分減殺請求訴訟に係る判決が確定しておらず、遺留分減殺請求に基づき返還すべき又は弁済すべき額が確定していないのであるから、請求人の課税価格は、遺留分減殺請求がなかったものとして計算するのが相当である。(平24. 5.15 関裁(諸)平23-76)

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支部名
東京
裁決番号
平230199
裁決年月日
平成24年4月6日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、被相続人は関係法人の現金約1億3,200万円を個人的に使用したことに基因して関係法人に対して返還義務を有しており、これを整理する目的で6,600万円(本件借入金)の準消費貸借契約を締結したのであって、本件借入金は相続財産から控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人が関係法人の現金を個人的に使用していたことを裏付ける証拠は一切存在しないことからすれば、被相続人の上記返還義務の存在は認められない。また、確かに、本件借入金に係る金銭消費貸借契約書は存するが、同契約書の作成日付において、その病状からして、被相続人が準消費貸借契約を締結する意思表示を行うことができたとは考え難い。したがって、上記準消費貸借契約の前提となる債務が存在しないのであるから、準消費貸借契約に基づく債務もまた発生しないというべきであり、本件借入金を債務控除することはできない。(平24. 4. 6 東裁(諸)平23-199)

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支部名
名古屋
裁決番号
平230094
裁決年月日
平成24年3月28日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件被相続人が組合員であった商店街振興組合が管理運営するアーケード等に係る費用のうち修理費等維持管理費など(本件管理費等)について、同組合の定款上、本件被相続人の死亡後においても一定期間にわたり支払うことが規定されているから、同規定に基づき、本件相続開始後に支払うことなる金額(本件管理等残金額)は、債務控除の対象とすべきである旨主張する。しかしながら、債務控除の対象となるのは、被相続人の債務で相続開始の際に現に存するものであるところ、本件管理費等は、アーケードを現に使用している者が負担するものであるから、本件管理費等残金額は、相続開始日において、本件被相続人の債務として現に存していたものとはいえず、債務控除の対象となるものではない。(平24. 3.28 名裁(諸)平23-94)

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支部名
福岡
裁決番号
平230003ほか 2件
裁決年月日
平成23年9月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件相続財産に係る遺産分割協議は成立している旨主張する。しかしながら、遺産分割協議が共同相続人の一部を除いてなされた場合には、その分割協議は無効になると解されるところ、請求人が原処分庁に提示した「遺産分割協議書」と題する書面には、本件共同相続人の一人の署名押印がないから、当該書面をもって遺産分割協議が成立したとみることはできず、その他、共同相続人の全員において遺産分割の合意が成立したことを認めるに足りる証拠も見当たらないことからすると、本件相続財産については、遺産分割協議が成立したと認めることはできない。よって、本件相続財産は未分割状態にあると認められる。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-3)

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支部名
名古屋
裁決番号
平230013
裁決年月日
平成23年8月26日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集№84

要旨

○ 請求人らは、本件被相続人がその預金原資を出捐した請求人らの名義の各定期預金(本件各定期預金)について、本件各定期預金に係る証書が本件被相続人の生前にそれぞれ各名義人へ手渡された時点で、本件被相続人からの贈与の履行が完了しているから、相続財産とはならない旨主張する。しかしながら、確かに、本件被相続人と請求人らとの間で、本件各定期預金に関する書面によらない贈与契約がそれぞれ成立したものと認められるものの、書面によらない贈与は、その履行が終わるまでは当事者がいつでもこれを取り消すことができることから、その履行前は目的財産の確定的な移転があったということはできないので、この場合の贈与の有無、すなわち、目的財産の確定的な移転による贈与の履行の有無は、贈与されたとする財産の管理・運用の状況等の具体的な事実に基づいて、総合的に判断すべきである。これを本件についてみると、定期預金を自由に運用するためにはその届出印が必要となるところ、本件各定期預金の届出印は、その保管状況・使用状況・各名義人の当該届出印に対する認識及び本件各定期預金に係る証書の改印状況などを勘案すると、相続開始時点においても本件被相続人が引き続き管理していたものと認められることから、本件各定期預金について、本件被相続人から各名義人へ確定的な移転があったとまではみることができない。したがって、本件各定期預金は、贈与によって請求人らが取得したものとは認めることができず、相続税の課税財産に該当する。ただし、本件各定期預金は、遺産分割協議書に記載がなく、同書には「本書に記載のない遺産はすべて請求人Gが取得する」旨記載されているものの、請求人らの間において、当該遺産分割協議の時点で遺産分割対象財産として認識していなかったと解されることから、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》に規定する未分割財産であるとみるのが相当である。(平23. 8.26 名裁(諸)平23-13)

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支部名
大阪
裁決番号
平230001ほか 1件
裁決年月日
平成23年7月4日
裁決結果
棄却
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続財産を代償分割の方法により分割した際、代償対象財産を不動産のみとして代償債務の額を決定したのであるから、このことを前提に、相続税法基本通達11の2−10《代償財産の価額》を適用して課税価格の調整計算をすべきである旨主張する。しかしながら、相続税法基本通達11の2−10(2)の調整計算が認められるためには、①代償債務の額が代償分割対象財産が特定された上で決定されていること及び代償債務の額が当該財産の代償分割時の時における通常の取引価額を基として決定されていることの2つの要件を満たすことが必要とされており、これに該当しない場合であっても、②共同相続人全員の協議に基づいて代償財産の価額を当該調整計算の方法に準ずる方法その他合理的と認められる方法によって計算して申告があったときはこれを認めることとしているところ、本件においては、①遺産分割協議では、共同相続人から相続税の申告について全面的な委任を受けた税理士の主導の下に、不動産を含むすべての相続財産を対象に、相続税の額が最も低くなるように代償債務の額を定めたものと認めるのが相当であり、また、②共同相続人全員の協議に基づいて代償債務の額を当該調整計算の方法に準ずる方法その他合理的と認められる方法によって計算して申告をしたとは認められないから、請求人の主張する課税価格の調整計算をすることはできない。(平23. 7. 4 大裁(諸)平23-1)

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支部名
名古屋
裁決番号
平220059
裁決年月日
平成23年6月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、先に発生した本件被相続人の妻を被相続人とする相続(本件第一次相続)に係る相続財産(本件第一次相続財産)について、実質的には分割内容は決定していたのであるから、形式的な未分割を理由に相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、相続税法第55条の規定が設けられたのは、相続税の申告書を提出する時までに遺産分割が行われるとは限らない上、遺産分割が行われるまで相続税を課税できないとすると、遺産分割を恣意的に遅延して課税を遅らせることが可能となり、遺産分割を早期に行った者とそうでない者との間で相続税の負担について不公平が生じることから、これを防止する趣旨によるものと解されるところ、本件更正処分が行われた時点において本件第一次相続に係る遺産分割協議が成立したことを明らかにする客観的証拠は認められないから、本件第一次相続財産は、法的に未分割の状態であったとみるべきであって、相続税法第55条の規定が設けられた上記の趣旨によっても、本件相続について、同条の規定を適用すべきことは明らかである。(平23. 6.14 名裁(諸)平22-59)

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支部名
大阪
裁決番号
平220078
裁決年月日
平成23年5月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、先行相続に係る相続税の納税の際、本件被相続人は請求人から納税資金として1600万円を借り入れたが、本件被相続人はこれを返済をしていないことから、当該1600万円について、本件相続税において、本件被相続人の債務として債務控除が認められるべきである旨主張する。しかしながら、仮に請求人が先行相続に係る納税資金として本件被相続人に対して1600万円を拠出していた事実があったとしても、先行相続に係る本件被相続人の相続税が納付されてから本件相続開始まで20年以上が経過しているところ、その間、本件被相続人に返済資金があったと認められるにもかかわらず、同人はこれを返済せず、また、請求人も返済の督促をしていないことからすれば、請求人と本件被相続人との間でその返済をする旨の合意が成立していたとは認められない。また、他に請求人と本件被相続人との間で請求人の主張する本件被相続人の借入金の存在を裏付ける証拠もない。したがって、請求人が主張する1600万円については、相続税法第13条《債務控除》第1項に規定する「被相続人の債務で相続開始の際に現に存する債務」とはいえず、債務控除の対象とはならない。(平23. 5.19 大裁(諸)平22-78)

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支部名
大阪
裁決番号
平220078
裁決年月日
平成23年5月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、先行相続に係る遺産分割協議の結果、本件被相続人が賃貸マンションを相続することとし、請求人と本件被相続人との間で、請求人の存命中、本件被相続人が請求人に対してマンションの家賃収入から月10万円を支払う義務を負うとの合意があったものの、この支払義務が未履行となっている部分があるから、当該未履行部分に係る未払金1700万円は、本件相続税において、本件被相続人の債務として債務控除が認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張する本件被相続人の請求人に対する支払義務については、その根拠となるべき金銭給付の合意の成立を認め難く、仮に当該合意の成立を認め得るとしても、請求人の主張する当該未履行部分に係る支払債務は既に消滅していたものと認められるから、請求人が主張する1700万円の未払金は、相続税法第13条《債務控除》第1項に規定する「被相続人の債務で相続開始の際に現に存する債務」とはいえず、債務控除の対象とはならない。(平23. 5.19 大裁(諸)平22-78)

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支部名
東京
裁決番号
平220194
裁決年月日
平成23年4月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、他の共同相続人との間で遺産分割調停事件が係属しており、また、被相続人の財産から現実に取得したものも一切ないから、課税価格及び税額をともに零円とした申告に誤りはない旨主張する。しかしながら、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》は、遺産の全部又は一部が未分割の場合には、未分割財産については、各共同相続人が民法の規定による相続分に従って取得したものとして相続税の課税価格を計算する旨規定しているところ、本件においては、当審判所が各証拠を精査し、また、調査した結果によっても、本件相続に係る遺産分割がされた事実は認められないことからすれば、本件相続税の課税価格は、本件相続に係る各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして計算すべきである。請求人の主張するとおり、本件相続に係る遺産分割調停が係属中であり、請求人が現実に取得した財産が一切ないとしても、これらのことは、原処分庁が本件更正処分等をすることを妨げる事由とはならない。(平23. 4.20 東裁(諸)平22-194)

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支部名
大阪
裁決番号
平220063
裁決年月日
平成23年3月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、遺留分減殺請求をしたことにより成立した和解によって支払われることとなった和解金(本件和解金)は、弁護士がいなければ取得することができなかったものであり、本件弁護士費用は、本件和解金を得るための必要経費として、本件相続税の課税価格に算入すべき金額の計算上、債務控除として認められるべきである旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格に算入すべき金額の計算上控除することができる債務は、被相続人の債務で相続開始の際現に存するものであるところ、本件弁護士費用は、請求人と請求人の訴訟代理人である弁護士との間で締結した訴訟代理契約に基づいて支払ったものと認められ、請求人自身の債務であることは明らかであるから、請求人の主張は採用できない。(平23. 3. 7 大裁(諸)平22-63)

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支部名
大阪
裁決番号
平220063
裁決年月日
平成23年3月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、遺留分減殺請求をしたことにより成立した和解(本件和解)において遺留分侵害者から支払われることとなった和解金(本件和解金)について、その一部に遺留分侵害者から返還を受けるべき修繕費等立替金が含まれているから、当該立替金相当額を控除した残額が、遺留分として取得した金額となる旨主張する。しかしながら、本件和解に係る合意書には、請求人の遺留分侵害者に対する遺留分に基づく減殺額が、本件和解金の金額であることを確認する旨明記されている一方で上記立替金に関する記載はない。加えて、請求人が主張する立替金の一部については、請求人がこれを支払ったことを認めるに足りる証拠はなく、また、請求人は、本件和解後に、遺留分侵害者を相手に上記立替金の返還を求める民事調停の申立てをするなどしていることからすると、請求人の答述をにわかに信用することはできない。したがって、本件和解金に上記立替金が含まれているとは認められないから、請求人の主張は採用できない。(平23. 3. 7 大裁(諸)平22-63)

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支部名
東京
裁決番号
平220166
裁決年月日
平成23年3月7日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501990
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
事例集登載頁
裁決事例集№82

要旨

○ 原処分庁は、本件遺言書記載の各相続人名義の預貯金等(本件預貯金等)が、本件相続開始日現在では請求人によって換金されて現金として保管されていたという事実の下、本件遺言書は、不動産以外の財産については、請求人及び二男に相続させることを原則とする趣旨であると解される旨主張する。しかしながら、本件遺言書第4項ただし書には、預貯金等で本件被相続人名義になっていないものは、各名義人の所有である旨記載されているところ、①当該記載及び追加遺言書に「三女がこのお金をおろす時は」と記載されていることからすると、本件被相続人は、本件預貯金等については、各名義人以外の者がこれを換金することは予定しておらず、本件相続開始日まで本件預貯金等がそのまま維持されていることを想定していたものと認められること、②本件預貯金等は、本件被相続人が亡夫から相続したものであり、本件被相続人の意思で各人名義の預貯金等としたものであること、③本件預貯金等の換金は請求人が行ったことであり、本件被相続人は当該換金の事実を知らなかったことを併せかんがみれば、本件遺言書第4項ただし書は、同書作成時に本件被相続人が各人名義で預貯金等としていたものは、換金のいかんにかかわらず、これを各名義人に遺贈する趣旨であると認めるのが相当である。(平23. 3. 7 東裁(諸)平22-166)

支部名
札幌
裁決番号
平220009
裁決年月日
平成22年12月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続により承継した保証債務について、主たる債務者である法人が著しい債務超過により弁済不能状態であり、求償権を行使しても事実上回収不能な状態にあったとして、当該保証債務の履行として売却する可能性があった被相続人の所有する土地の売却見込額は相続税法第14条《控除すべき債務》第1項に規定する「確実と認められる」債務に該当する旨主張する。しかしながら、当該法人は、相続開始の時において、債務超過の状態にあるものの事業は継続していること、破産、民事再生、会社更生又は強制執行等の開始手続や金融機関から取引停止処分を受けた事実がないこと、他からの融資を受ける見込みもなく再起の目処が立たないなどの弁済不能の状態にあったとは認めることはできないこと及び仮に被相続人の所有する土地を売却して売却代金が当該法人の債務の弁済に充てられたとしても、被相続人が当該法人に対して求償権を行使しても回収不可能な状況にあったことが客観的に認められないことから、当該保証債務は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められる」債務には当たらず債務控除の対象とすることはできない。(平22.12.15 札裁(諸)平22-9)

支部名
札幌
裁決番号
平220008
裁決年月日
平成22年11月18日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が主張する被相続人の借入金なるものについて、被相続人と請求人との間で成立した契約に基づき、これを返済したので、請求人が取得した相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》の規定により遺贈とみなされる生命保険金から控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該借入金なるものについては、その名義人、使途、返済資金の原資及び取引口座などを総合勘案して判断しても、真実の債務者が被相続人であるとは認められず、また、相続税法第13条《債務控除》は相続人又は包括受遺者において、被相続人の債務を控除できる旨規定しているところ、請求人は被相続人の相続人又は包括受遺者でもないことから、当該借入金なるものを債務控除することはできない。さらに、請求人が取得した生命保険金は、請求人が自ら固有の権利として取得したものであり、仮に被相続人と請求人との間の上記契約が存在していたとしても、上記契約と生命保険契約とは別個の独立した契約であり、相続税法第3条の規定振りからも生命保険金から当該借入金なるものを控除できると解する余地はない。(平22.11.18 札裁(諸)平22-8)

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支部名
東京
裁決番号
平220100
裁決年月日
平成22年11月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件のように遺産の一部に未分割財産がある場合、相続税の課税価格を計算するに際し、いわゆる穴埋方式(分割財産を特別受益と同じように考慮に入れて、分割財産と残余財産の未分割財産を合計し、民法の規定による相続分に見合うように、これを相続人間に配分した上で各人の相続税の課税価格を計算する方法)によるべきではない旨主張する。しかしながら、遺産の一部のみが分割された場合、そのことによって、遺産全体に対する各共同相続人の法定相続分の割合が変更されることはないから、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した残りの価格相当分について、その権利を主張することができるところ、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》にいう「民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算する」とは、各共同相続人が、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した残りの価格相当分を取得したものとして計算するという趣旨であると解すべきである。したがって、相続税の課税価格の計算に当たって遺産の一部に未分割財産がある場合には、いわゆる穴埋方式により計算するのが相当である。(平22.11. 5 東裁(諸)平22-100)

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支部名
東京
裁決番号
平220068
裁決年月日
平成22年9月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400501030
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/3特別縁故者への財産分与
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、家庭裁判所において本件被相続人の相続財産から分与された金員について、相続税の課税対象には当たらない旨主張する。しかしながら、相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの。以下同じ。)第2条《相続税の課税財産の範囲》は、相続税の課税財産の範囲につき、その者が相続又は遺贈により取得した財産の全部と規定し、同法第3条の2《遺贈に因り取得したとみなす場合》は、民法第958条の3《特別縁故者に対する相続財産の分与》第1項の規定により同項に規定する相続財産の全部又は一部を与えられた場合においては、これを被相続人からの遺贈により取得したものとみなして、相続税の課税財産とする旨を規定しているところ、当該金員は、民法第958条の3第1項に規定する相続財産の一部の分与によって取得した財産に該当することが明らかであるから、相続税の課税対象となる。(平22. 9.29 東裁(諸)平22-68)

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支部名
東京
裁決番号
平220068
裁決年月日
平成22年9月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件被相続人の債務及び特別縁故者として財産の分与を受けるに要した弁護士報酬を、相続税の計算上、控除すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第13条《債務控除》第1項は、相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人から相続人に対する遺贈に限る。)により財産を取得した者が無制限納税義務者である場合には、当該取得財産の価額から被相続人の債務で相続開始の際、現に存し、かつ確実と認められるもの(相続税法第13条第1項第1号同法第14条《控除すべき債務》第1項)及び被相続人の葬式費用(同法第13条第1項第2号)のうち、その者の負担に属する部分の金額を控除した金額を課税価格に算入すべき価額とする旨規定しているところ、民法第958条の3《特別縁故者に対する相続財産の分与》第1項に規定する特別縁故者は、包括遺贈により財産を取得した者でも被相続人の相続人でもないから、相続税法第13条第1項の適用はない。また、特別縁故者が財産分与を受けるために要した弁護士報酬を、相続税の計算上控除するとの法令等の規定はない。したがって、特別縁故者である請求人の相続税の計算上、本件被相続人の債務及び当該弁護士報酬を控除することはできない。(平22. 9.29 東裁(諸)平22-68)

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支部名
東京
裁決番号
平220068
裁決年月日
平成22年9月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、相続税の課税に当たっては取得原因ごとに分けて課税すべきであるところ、民法第958条の3《特別縁故者に対する相続財産の分与》第1項の規定による分与財産の取得と、民法第255条《持分の放棄及び共有者の死亡》の規定による不動産の共有持分の取得とでは、その取得原因の性質が異なっているから、原処分庁が、当該分与財産の価額と不動産の共有持分の価額を合計して相続税の計算をしたことは違法である旨主張する。しかしながら、相続税法は、同一の被相続人の死亡によって財産を取得したすべての者について、各人が取得した財産の価額を基に課税価格を計算し、その合計額に基づいて算出した相続税の総額から、各人の相続税額を計算する旨規定しており(相続税法第11条《相続税の課税》、同第11条の2《相続税の課税価格》、同第16条《相続税の総額》)、取得原因ごとに分けて課税する旨の規定は存しない。したがって、民法第958条の3第1項の規定により特別縁故者が取得した分与財産及び民法第255条の規定により共有者が取得した共有持分が、同一の被相続人の死亡によって遺贈により取得したものとされる場合には、これらの財産の価額(課税価格)を合計したところで、相続税の計算を行うこととなる。(平22. 9.29 東裁(諸)平22-68)

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支部名
大阪
裁決番号
平210067
裁決年月日
平成22年6月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件被相続人は請求人に帰属する本件預貯金等を請求人の了解もなく自らの預金のように引き出して費消していたことにより、本件被相続人には不法行為による損害賠償責任が生じているから、当該損害賠償責任たる本件債務は債務控除の対象とすべきである旨主張する。しかしながら、債務控除の対象となる債務は、「確実と認められる債務」、すなわち、債務の存在が確実で、かつ、返済(弁済)の履行が確実と認められる債務に限られるところ、当審判所の調査の結果においては、本件被相続人が本件預貯金等を自らの預金のように引き出して費消していた事実自体を認めることができない。また、請求人において、本件被相続人に対して実効性のある法的手段により本件債務の履行を求めた事実を認めるに足りず、本件遺産分割協議書に本件債務が記載されていないことなどの事実を総合すると、本件債務が本件相続時においてその債務の履行を求める意思が客観的に認識し得る債務、つまり、返済(弁済)の履行が確実と認められる債務であったとはいえない。したがって、本件債務は、「確実と認められる債務」に該当せず、債務の控除の対象とはならない。(平22. 6. 7 大裁(諸)平21-67)

支部名
札幌
裁決番号
平210019ほか 1件
裁決年月日
平成22年5月24日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、相続開始の時において、主たる債務者が経営破綻の状態で弁済不能の状態にあったことから、請求人が履行した保証債務は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められる」債務に該当する旨主張する。しかしながら、保証債務については、相続開始の時において、主たる債務者が弁済不能の状態にあるため、保証人がその債務を履行しなければならないことが確実であり、しかも、履行後に求償権を行使しても損失の補填を受けることが不可能である場合には、例外的に「確実と認められる」債務に該当すると解されるところ、本件において、主たる債務者は、相続開始時に債務超過の状態にあったものの、破産、和議、会社更生あるいは強制執行等の手続の開始を受けたり、事業閉鎖、行方不明、刑の執行等の事情はなく、事業を廃止するまでの間、金融機関の債務を約定に従って遅滞なく返済し、また、当該金融機関から相続開始後も手形貸付等の融資を受けていたと認められるから、相続開始の時において、主たる債務者が弁済不能の状態にあったとは認められない。(平22. 5.24 札裁(諸)平21-19)

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支部名
大阪
裁決番号
平210056
裁決年月日
平成22年4月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、被相続人の夫名義の預金口座から被相続人の預金口座に振り込まれていた金員に相当する金額について、被相続人は被相続人の夫に対する返還義務を負っているので、債務控除すべき債務に該当する旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果に加え、夫婦は婚姻から生ずる費用を分担するべきことを考え合わせると、被相続人の夫名義の預金口座から被相続人の預金口座に振り込まれた金額について、仮に被相続人の夫が全く関知していなかったとしても、被相続人が被相続人の夫に対して同金額に相当する金額全額について返還義務を負っていることが確実であると認めることはできず、同金額が相続税法第13条に規定する被相続人の債務で相続開始の際、現に存する確実な債務とは認められないから、請求人らの主張は採用することができない。(平22. 4.22 大裁(諸)平21-56)

支部名
関東信越
裁決番号
平210097
裁決年月日
平成22年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503040
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/4公租公課
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人が納付すべき相続税に係る延滞税の額のうち、被相続人に相続が開始した後に発生した部分(以下「本件延滞税」という。)についても、請求人には何ら「責め」がないから、被相続人の相続に係る相続税の課税価格の計算上控除すべき債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件延滞税は、その計算の基礎となる相続税の納税義務が、被相続人の相続開始に伴い相続人である請求人に承継され、期間の経過に伴って請求人に対して発生したものであり、被相続人の債務に該当しないから、当該相続に係る相続税の課税価格の計算上控除すべき債務に該当しない。(平22. 4.13 関裁(諸)平21-97)

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支部名
福岡
裁決番号
平210030
裁決年月日
平成22年3月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
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要旨

○ 本件被相続人は、財団法人A会を新たに設立し、同法人に対して、本件寄附予定財産を寄附する旨の遺言をしているところ、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、①財団法人A会は設立できなかったこと、②これに代わるものとして、平成19年3月7日に特定非営利活動法人B会を設立し、本件寄附予定財産が同法人の資産の総額に含まれ、寄附されることとなっていることからすれば、本件遺言の目的である財団法人A会の設立が不能となったと認められる。そうすると、財団法人A会に本件寄附予定財産を寄附するとの部分に係る本件遺言はその効力が生じないこととなり、民法第995条の規定により、本件寄附予定財産は、本件相続人らに帰属することから、本件課税財産に含まれることとなる。(平22. 3.30 福裁(諸)平21-30)

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支部名
東京
裁決番号
平210135
裁決年月日
平成22年3月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
No.79

要旨

○ 請求人は、相続税法基本通達13−3ただし書は、債務等超過分を控除するに当たって共同相続人全員の合意が必要であるとは定めていないから、請求人の更正の請求における課税価格の計算上、債務等超過分を控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該通達は、共同相続人が法定相続分の割合に応じて負担することとした場合の債務及び葬式費用の金額が相続により取得した財産の価額を超えることとなる場合において、その債務等超過分を他の共同相続人の相続税の課税価格の計算上控除することとして申告があったときは、これを認める旨定めているところ、共同相続人の中に債務等超過分を控除することが可能な者が複数いる場合、それぞれが任意に債務等超過分を自己の相続税の課税価格の計算上控除して申告できるとすれば、債務等超過分が重複して控除されることも想定されることになり妥当でなく、当該通達がそのような事態まで許容する趣旨でないことは明らかであり、また、先に申告した者のみ控除が認められるとすることも公平性に欠け、妥当でない。したがって、債務等超過分を控除することが可能な者が複数いる場合には、これらの者の間において、債務等超過分をどのように配分するかについての調整・合意がなされていることが前提になっていると解するのが相当であるところ、請求人は、債務等超過分を控除することが可能な他の共同相続人の合意を得ていないから、請求人の更正の請求における相続税の課税価格の計算上、他の共同相続人に生じた債務等超過分を控除することはできない。(平22. 3.15 東裁(諸)平21-135)

支部名
東京
裁決番号
平210124
裁決年月日
平成22年3月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400502000
争点
5相続税の課税価格の計算/2相続税の非課税財産
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、「庭内神し」は祭具ではなく、墓所、霊びょうに準ずるものに該当し、その敷地は相続税法基本通達12-1に定める「これらのものの尊厳の維持に要する土地」に該当するから、庭内神しの敷地部分は相続税法第12条第1項第2号に規定する相続税の非課税財産である旨主張する。しかしながら、相続税法基本通達12-1が、墓所、霊びょうに敷地を含むとしているのは、民法第897条第1項の「墳墓」には、その敷地も含まれるとの解釈が一般的であることから、相続税法の「墓所、霊びょう」と民法の「墳墓」の解釈を統一するためであって、相続税法基本通達12-2の「庭内神し」の敷地まで非課税財産に含む趣旨とは解されないことから、本件庭内神しの敷地部分は、相続税法第12条第1項第2号の非課税財産には該当しない。(平22.3. 1 東裁(諸)平21-124)

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支部名
大阪
裁決番号
平210039
裁決年月日
平成22年2月24日
裁決結果
棄却
争点番号
400501990
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件貸付金は、分割協議がなされておらず、本件審判により共同相続人に均等に分割することが確定したことから、法定持分割合であん分したところにより課税価格を算出すべきであり、本件更正の請求は認められる旨主張する。しかしながら、第二次相続に係る相続税申告書では、本件貸付金について貸付先である請求人を含む5名の相続人が取得する旨の記載があり、その他の財産については未分割であるとして課税価格の計算がなされていることから、本件貸付金が未分割財産として課税価格が計算された申告がなされておらず、相続税法第32条第1号に基づく更正の請求の要件を満たさないことから、請求人の主張は認められない。(平22. 2.24 大裁(諸)平21-39)

支部名
東京
裁決番号
平210015
裁決年月日
平成21年9月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
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要旨

○ 請求人は、本件相続に係る財産については、その全部の分割が完了していないのであるから、財産の全部が分割されたものとして相続税を計算すべきではない旨及び積上方式(未分割財産の額を各共同相続人に法定相続分の割合で単純に配分する方法)により計算された相続税額に基づく第1次更正処分によって税額が確定したはずであるのに、穴埋方式(分割済財産の額と未分割財産の額との合計額を基礎とし、これに民法の規定による相続分の割合を乗じた金額から、各共同相続人の分割済の財産の額を控除した残額をもってその者の相続分として、未分割財産の額を各相続人に配分する方法)により計算された相続税額に基づく第2次更正処分によって、第1次更正処分よりも納付税額が増えることは違法である旨主張する。しかしながら、相続税法第55条の規定によれば、相続により取得した財産の全部又は一部が共同相続人によってまだ分割されていないときは、その未分割財産については、各共同相続人が民法(第904条の2を除く。)の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算することとされているところ、原処分庁が、当該規定に基づき相続税の課税価格を計算したことは適法である。また、ここにいう「民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算する」とは、各共同相続人が、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した残りの価格相当分を取得したものとして計算するという趣旨であると解すべきであり、したがって、一部未分割財産がある場合において相続税の課税価格を計算する際には、穴埋方式により計算するのが相当であるから、第2次更正処分は適法である。(平21. 9. 1 東裁(諸)平21-15)

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支部名
札幌
裁決番号
平200020
裁決年月日
平成21年6月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
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要旨

○ 請求人は、被相続人との口頭の賃貸借契約により被相続人から贈与を受けた土地を同人に賃貸していたが、当該土地の賃貸料は支払われていないので、被相続人は請求人に対して当該賃貸料を支払うべき債務を負っていたのであるから、当該賃貸料未払相当額は相続財産から控除すべき債務である旨主張するが、請求人及び被相続人は当該賃貸料に係る所得税の申告をしておらず、また、当該土地について、請求人が賃貸料を被相続人に請求したとする文書には具体的な請求金額の記載がないことなどからすれば、当該土地の賃貸借契約があったとは認められないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 6.22 札裁(諸)平20-20)

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支部名
沖縄
裁決番号
平200007ほか 2件
裁決年月日
平成21年4月17日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
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要旨

○ 請求人は、連帯保証とは保証人が主たる債務者と連帯する保証債務であり、連帯保証人が各々において連帯保証債務の全額を弁済する義務を負うものと解されていることから、連帯保証人の数で均等に連帯保証債務額を負担するものではない旨主張する。しかしながら、連帯保証債務が相続税法第13条第1項に規定する確実な債務に該当する場合で、他の者と連帯して債務保証をしている場合において、他の保証人が弁済不能の状態にあり、当該弁済不能な者の負担部分をも負担しなければならない場合で、かつ、その求償権が行使できない場合において、負担すべき連帯保証人が複数いるときは、当該負担部分の総額を当該負担すべき連帯保証人の数で除した額を各自の負担部分として債務控除の額を計算すべきであり、請求人の主張は採用できない。(平21. 4.17 沖裁(諸)平20-7)

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支部名
大阪
裁決番号
平200052
裁決年月日
平成21年2月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400599000
争点
5相続税の課税価格の計算/6その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

相続税法第20条の2は、外国税額控除の要件として「その地の法令により相続税に相当する税が課せられたとき」と規定するが、これは我が国の相続税に相当する税が実際に課税された場合をいうものであり、請求人らは、いまだ課税されていない場合であっても、実質的に課税された場合と同様の状態にある場合には同条の規定を適用すべきと主張するが、同条は二重課税を調整するための恩恵的措置であることから、その解釈は厳格に行うべきであるところ、請求人らの主張は同条の文言を離れ、その意義を広く解しすぎるものであって、採用できない。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)

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支部名
大阪
裁決番号
平200052
裁決年月日
平成21年2月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件債務は存在しない旨主張するが、仮に、請求人らの主張するとおりであったとすれば、課税価格及び請求人らの納付すべき相続税税額が増加することになるから、本件更正処分の取消事由にならず、請求人らの主張自体失当である。念のため請求人らの主張を検討するも、当審判所の調査によれば、内縁の妻等が請求人の税金を立替えて支払ったものと認められ、その後、被相続人が相続開始時までに返済した事実は認められないことから、本件債務についての請求人らの主張は採用できない。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)

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支部名
大阪
裁決番号
平200052
裁決年月日
平成21年2月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続の開始時において、乙社及び丙社は事実上倒産状態にあったから、被相続人は本件保証債務を履行しなければならない状態にあり、保証債務を履行した場合の求償債権を回収することは、事実上不可能な状態にあった旨主張する。しかしながら、主たる債務者である乙社及び丙社は、相続開始時において経営状態は悪化しつつあったものの、相当な資産を有していたのであるから、両社が主たる債務につき弁済不能の状態にあり、被相続人が本件保証債務を履行しなければならない状態にあったとまでは認められず、また、仮に被相続人が保証債務を履行したとしても、両社に求償して返還を受ける見込みがなかったとまでは認められない。したがって、本件保証債務を債務控除の対象とすることはできない。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)

支部名
東京
裁決番号
平200117
裁決年月日
平成21年1月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件金員は遺留分減殺請求に対する価額弁償金として受領したものではなく、本件被相続人の異父妹から包括遺贈により取得した預託金返還請求権に基づきその一部の弁済を受けたものである旨主張する。しかしながら、本件金員が支払われた趣旨についてみると、次のとおりである。請求人は本件被相続人の相続人の一人であったところ、本件被相続人はその財産のほとんどを同人の配偶者に相続させる旨の本件遺言をしていたから、本件遺言が請求人の遺留分を侵害する可能性が高かった。そこで、請求人は代理人である弁護士を通して本件遺言執行者に対し、平成17年2月4日付の本件通知書において、本件遺言は請求人の遺留分を侵害しているとして、遺留分減殺請求の意思表示をするとともに、請求人の遺留分相当額の遺産の交付を要求した。これに対して、本件遺言執行者は、平成17年2月8日、本件遺産総額に対する請求人の遺留分相当額として、請求人の代理人である弁護士の普通預金口座に本件金員を振り込み、更に、本件遺言執行者は請求人に対して、平成17年3月31日付の本件報告書において、請求人に送金した金額は請求人の遺留分相当額であるとして、本件遺言の執行が完了した旨報告した。以上の事実からすると、本件金員は、請求人が遺留分減殺請求の意思表示をして、遺産の返還を求めたことに対し、その価額弁償として支払われたものと認めるのが相当である。したがって、請求人は本件金員を相続により取得したこととなるから、本件決定処分は適法である。(平21. 1.21 東裁(諸)平20-117)

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支部名
熊本
裁決番号
平200018ほか 2件
裁決年月日
平成21年1月9日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503050
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/5贈与義務
事例集登載頁
裁決事例集No.77・413ページ

要旨

○ 請求人は、本件出資持分の放棄義務は、法律上停止条件付債務に該当するものであり、「停止条件付債務については、特段の事情のない限り、相続開始の時点までに当該条件が成就していることが必要であると解すべきである」との判例から、停止条件付債務について特段の事情がある場合は、相続開始の時点までに当該条件が成就していなくとも確定した債務として債務控除できるものであり、本件の場合、特定医療法人の承認の確実性及び出資持分放棄の確実性から確実な債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件においては、平成○年○月○日に開催された本件医療法人の臨時社員総会において、定款変更が決議され、その際に、出資者の1人であった被相続人も社員として定款変更の決議に加わり、被相続人は定款変更によって自己の出資持分が消滅することを認識した上で当該決議に賛成したと認められるものの、この意思表示によって、被相続人に出資持分放棄の義務が生じたということはできず、本件相続開始日後の平成○年○月○日の県知事に対する定款変更に係る認可申請書の提出を経て、同年○月○日付の県知事の定款変更の認可があったことにより、本件出資持分が消滅したのである。したがって、本件の相続開始日において、「出資持分の放棄義務」という被相続人の債務は存在しないから、相続税の課税価格の計算上、○○○○円を本件出資持分の放棄義務として債務控除額に計上して控除することはできない。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-18)

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支部名
名古屋
裁決番号
平200040
裁決年月日
平成21年1月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人甲の母である被相続人(以下「本件被相続人」という。)から取得した土地及び建物(以下、併せて「本件土地建物」という。)の売買代金(以下「本件売買代金」という。)を500,000円としたのは、請求人の本件被相続人に対する各種の負担金等に係る債権と相殺したためであり、相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は本件被相続人に対する未精算の債権の金額のみを主張・立証するのみで、本件土地建物の購入価額と未精算の債権の金額を精算した結果本件売買代金が500,000円となった計算根拠に関する資料はなく、また、請求人が本件被相続人に対して有していたとする各種の未精算の債権については、その支払義務等があることを裏付ける客観的な証拠がないので、請求人が本件被相続人に対して未精算の債権を有していたとは認められない。したがって、請求人の主張には理由がなく、請求人は、本件土地建物を本件売買代金である500,000円を対価として、譲り受けたこととなり、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価で譲り受けた場合」に該当する。(平21. 1. 7 名裁(諸)平20-40)

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支部名
名古屋
裁決番号
平200040
裁決年月日
平成21年1月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、平成15年4月30日に請求人の母である被相続人(以下「本件被相続人」という。)名義の普通預金口座から14,000,000円(以下「本件金員」という。)を出金し、請求人の工事代金に費消したが、これは、平成2年4月○日に死亡した請求人の父への立替金に係る債務を承継した本件被相続人からの弁済金として出金し費消したものであって、被相続人から贈与を受けたものではない旨主張する。しかしながら、亡父への立替金に係る債務について、亡父の遺産に係る遺産分割協議書に当該債務及びその金額は明記されておらず、死亡から約12年経過した後に、請求人が、本件被相続人に対し、当該債務の弁済を求めたというのはいかにも不自然であるから、本件被相続人が請求人に対して当該債務を弁済する旨を約束したことを裏付ける客観的な証拠が存在しない以上、請求人らの主張を採用することは困難である。したがって、本件金員は、亡父への立替金に係る債務を承継した本件被相続人による弁済とは認められず、請求人の工事代金に係る債務は、本件金員によって、対価を支払うことなく減少したこととなるので、本件金員による工事代金の支払は、相続税法第9条に規定する「対価を支払わないで利益を受けた場合」に該当し、本件金員は、請求人が、贈与により取得したものとみなされる。(平21. 1. 7 名裁(諸)平20-40)

支部名
東京
裁決番号
平200053
裁決年月日
平成20年10月3日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503050
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/5贈与義務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、被相続人が同族会社に対して生前に金員を贈与する旨の贈与契約を締結しており未履行の贈与債務がある旨主張する。しかしながら、請求人が被相続人の贈与意思の表明であるとしている通知書には、同族会社に対する貸付金を免除する旨記載されているところ、同族会社が相続開始日までに被相続人から金員を借り入れた事実はなく、被相続人の権利を放棄する旨の重要な内容を定めたものであるにもかかわらず押印がないなど、その体裁及び客観的記載自体に不自然、不合理な点がある。また、当該通知書には、被相続人が同族会社に金員を交付すべき義務のあることに言及した文言はなく、当該通知書によっては、債務の免除に加えて、同時に金員を同族会社に交付する旨の意思表示がなされたものとみることができない。さらに、同族会社は、相続開始前後の事業年度において利益を計上し、流動資産の額だけでも負債の部の額を上回っており、金融機関より追加融資を受けているなどの事情によれば、被相続人が同族法人の資金繰りを助けるために金員の贈与を申し出た旨の請求人の答述は、客観的状況と整合していない。これらの事情に照らすと、被相続人の同族法人に対する贈与契約の成立を認めることはできないから、請求人の主張する贈与債務を、相続税の課税価格の計算上債務として控除することはできない。(平20.10. 3 東裁(諸)平20-53)

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支部名
名古屋
裁決番号
平190102
裁決年月日
平成20年6月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503030
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/3資産取得に係る債務
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・531ページ

要旨

○ 制限納税義務者である請求人は、被相続人が代表取締役を務めていた法人の会社更生手続において、管財人が会社更生法第99条の規定により行った仮差押命令申立てによって、被相続人所有の不動産(以下「本件不動産」という。)について仮差押えがされているのであるから、その後の損害賠償請求権査定申立ての和解により決定した損害賠償債務(以下「本件損害賠償債務」という。)は、本件不動産が仮差押えされ、弁済を迫られた結果としての債務であり、相続税法第13条第2項第2号に掲げる各債務と同様の負の効果を有しており、また、同号の規定は、拡大適用できる余地があるのであるから、本件損害賠償債務は、同号に掲げる各債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件不動産について、課税時期において、本件損害賠償債務に係る留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権は成立しておらず、また、相続税法第13条第2項の規定は、限定的に列挙したものであり、拡大適用すべきでないことから、本件損害賠償債務は、同項第2号に掲げる各債務に該当せず、この点に関する請求人の主張は理由がない。なお、請求人は、本件損害賠償債務は相続税法第13条第2項第3号に掲げる債務に該当する旨主張する。しかしながら、相続税法第13条第2項第3号に掲げる債務とは、その財産の未払取得代金、未払修繕費及び未払管理人賃金など、その財産そのものの取得、維持又は管理のために生じた債務をいうものであるところ、本件損害賠償債務は、被相続人が法人に与えた損害に対する損害賠償請求債務であり、本件不動産そのものの取得、維持又は管理のために生じた債務とは認められないことから、同号に掲げる債務には該当せず、この点に関する請求人の主張にも理由がない。また、請求人は、弁護士費用(以下「本件弁護士費用」という。)についても、相続税法第13条第2項第3号に掲げる債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件弁護士費用の内容は、①本件損害賠償請求権査定申立て、②本件損害賠償債務に係る債務弁済契約公正証書作成及び③不動産売却に関するアドバイスに関するものであり、本件不動産そのものの取得、維持又は管理のために生じた債務とは認められないことから、相続税法第13条第2項第3号に掲げる債務には該当せず、この点に関する請求人の主張にも理由がない。(平20. 6.25 名裁(諸)平19-102)

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支部名
東京
裁決番号
平190187
裁決年月日
平成20年5月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、相続開始前3年以内に共同相続人のうちの一人が被相続人の預金口座から現金(以下「本件現金」という。)を引き出し、これを贈与により取得していたので、これを相続財産に加算すべきである旨主張するが、原処分庁から当審判所に提出された全資料を総合し、さらには、当審判所において調査した結果によっても、被相続人から当該共同相続人に対する本件現金を贈与するとの意思表示及びその受諾を客観的に証明し得る証拠の存在は認められないので、原処分庁の主張には理由がない。したがって、本件現金について、相続開始前3年以内に贈与がなされたものとして相続税の課税価格に加算するのは相当ではない。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-187)

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支部名
東京
裁決番号
平190187
裁決年月日
平成20年5月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、未分割財産については、共同相続人各々に法定相続分の割合で単純に配分する方法(積上方式)により、課税価格に算入する額を計算すべきである旨主張する。ところで、相続税法第55条第1項によれば、相続により取得した財産の全部又は一部が共同相続人によってまだ分割されていないときは、その未分割財産については、各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算することとされている。この「民法の規定による相続分」とは、民法第900条から第903条までに規定する相続分をいうこととされているから、共同相続人の中に被相続人から贈与を受けた者がいる場合には、民法の規定により、当該贈与財産額の相続財産への持戻計算を行うこととなる。また、「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものと解するのが相当であり、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた相続財産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができるものと解されている。したがって、相続税の課税価格の計算に当たっては、被相続人から贈与を受けた財産の価額については相続財産への持戻計算を行い、また、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、穴埋方式により計算するのが相当であると認められる。そして、相続税法第55条においては、民法の規定による相続分の割合について、同法第904条の2を除く旨規定しているが、その趣旨は、寄与分は、具体的には共同相続人間の協議又は家庭裁判所における審判によって初めて明らかになるのが一般的であることから、遺産が未分割である場合には寄与分も具体的に定まっていないことが多いことを踏まえ、相続税法第55条に規定する相続税の課税価格の計算ができなくなることを防ぐことにあることからすれば、同条の規定は、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合について、これを相続分の算定に反映させることを排除する趣旨とまで解することはできない。また、同条にいう「相続分の割合」とは、「共同相続人が他の共同相続人に対しその権利を主張できる持分的な権利の割合」をいうところ、先行する遺産分割により、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合には、当該取得財産額については、穴埋方式による共同相続人の未分割財産の取得可能額の計算の基礎となる財産の価額から除外されると解しても、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張できる持分的な権利の割合を適正に計算することの妨げとはならないとともに。それは寄与分に関する民法の定めや共同相続人の意思にも沿うものであり、同条の趣旨に照らしても合理的なものというべきである。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-187)

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支部名
東京
裁決番号
平190188
裁決年月日
平成20年5月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・546ページ

要旨

○ 請求人は、未分割財産については、共同相続人各々に法定相続分の割合で単純に配分する方法(積上方式)により、課税価格に算入する額を計算すべきである旨主張する。ところで、相続税法第55条第1項本文によれば、相続により取得した財産の全部又は一部が共同相続人によってまだ分割されていないときは、その未分割財産については、各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして相続税の課税価格を計算することとされている。この「民法の規定による相続分」とは、民法第900条から第903条までに規定する相続分をいうこととされているから、共同相続人の中に被相続人から贈与を受けた者がいる場合には、民法の規定により、当該贈与財産額の相続財産への持戻計算を行うこととなる。また、「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものと解するのが相当であり、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、各共同相続人は、他の共同相続人に対し、相続財産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた相続財産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができるものと解されている。したがって、相続税の課税価格の計算に当たっては、被相続人から贈与を受けた財産の価額については相続財産への持戻計算を行い、また、相続財産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、穴埋方式により計算するのが相当であると認められる。そして、相続税法第55条においては、民法の規定による相続分の割合について、同法第904条の2を除く旨規定しているが、その趣旨は、寄与分は、具体的には共同相続人間の協議又は家庭裁判所における審判によって初めて明らかになるのが一般的であることから、遺産が未分割である場合には寄与分も具体的に定まっていないことが多いことを踏まえ、相続税法第55条に規定する相続税の課税価格の計算ができなくなることを防ぐことにあることからすれば、同条の規定は、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合について、これを相続分の算定に反映させることを排除する趣旨とまで解することはできない。また、同条にいう「相続分の割合」とは、「共同相続人が他の共同相続人に対しその権利を主張できる持分的な権利の割合」をいうところ、先行する遺産分割により、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合には、当該取得財産額については、穴埋方式による共同相続人の未分割財産の取得可能額の計算の基礎となる財産の価額から除外されると解しても、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張できる持分的な権利の割合を適正に計算することの妨げとはならないとともに。それは寄与分に関する民法の定めや共同相続人の意思にも沿うものであり、同条の趣旨に照らしても合理的なものというべきである。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-188)

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支部名
東京
裁決番号
平190188
裁決年月日
平成20年5月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・546ページ

要旨

○ 原処分庁は、相続開始前3年以内に共同相続人のうちの一人が被相続人の預金口座から現金(以下「本件現金」という。)を引き出し、これを贈与により取得していたので、これを相続財産に加算すべきである旨主張するが、原処分庁から当審判所に提出された全資料を総合し、さらには、当審判所において調査した結果によっても、被相続人から当該共同相続人に対する本件現金を贈与するとの意思表示及びその受諾を客観的に証明し得る証拠の存在は認められないので、原処分庁の主張には理由がない。したがって、本件現金については、相続開始前3年以内に贈与がなされたものとして相続税の課税価格に加算するのは相当ではない。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-188)

支部名
関東信越
裁決番号
平190039
裁決年月日
平成20年4月22日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、支払期日未到来の期間に係るリース料及びリース期間終了後の売買代金の支払義務は、被相続人が契約した本件リース契約により生じた債務であり、当該契約が、所得税及び法人税においてリース物件の引渡時に当該リース物件の売買があったものとされるファイナンス・リース契約に該当することから、本件リース契約時にリース料全額が債務として認識され、さらに、本件リース契約が中途解約できないことからすると、支払期日未到来の期間に係るリース料及びリース期間終了後の譲渡代金は本件相続開始時において現に存する債務として確実と認められるからその全額が相続税の課税価格の計算上控除される債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件リース契約においては、借主である被相続人がリース料の支払完了後、売買代金を貸主側に納入した時に、貸主側が被相続人に本件物件を譲渡することとされているから、本件物件のリース期間中、本件物件の所有権は、貸主側にあると認められる。そして、被相続人が、本件物件を借り受けて使用収益し、リース料を支払期日に支払うものとされていることからすると、リース料は、本件物件の使用収益の対価と認められる。そうすると、本件契約は、賃貸借契約であると認められる。ファイナンス・リース契約については、課税の公平の観点から、所得税法施行令及び法人税法施行令の規定により、リース物件の売買があったものと法律上擬制して所得税額及び法人税額を計算することとされているが、これらの規定は、本件契約が賃貸借契約であるという私法上の法律関係に影響を及ぼすものではなく、被相続人が売買により本件物件を取得したとは認められないから、請求人らの主張は採用できない。したがって、本件相続開始日後のリース期間に係るリース料及びリース期間終了後の売買代金の支払義務は、被相続人の債務に当たらない。なお、本件相続開始日までの期間に係るリース料については、被相続人の債務として確実なものであって、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務と認められるから、これを債務に含めずに行った原処分についてはその一部を取り消すべきである。(平20. 4.22 関裁(諸)平19-39)

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支部名
東京
裁決番号
平190130
裁決年月日
平成20年3月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、金融機関からの本件借入金に係る契約は、その借入れの時から被相続人が主導して行っており、被相続人が実質的な債務者であったものであり、また、仮に被相続人の負った債務が保証債務であったとしても、主たる債務者は売上げはあるものの多額の赤字を計上しており、相続開始日において債務超過であることは明らかであるから、相続開始後に金融機関との和解により本件保証債務として相続人の負担が確定した金額が債務控除の対象となる旨主張する。しかしながら、金融機関との金銭消費貸借証書によれば、被相続人は本件借入金の連帯保証人として名を連ねており、形式的にみれば、被相続人が負担したのは連帯保証債務であることが明らかである。そして、本件借入れの目的はゴルフ場の購入であるところ、主たる債務者がこれを取得して所有者となっていること、本件借入金の担保として主たる債務者が所有する不動産を提供していること、一方、被相続人が本件借入金の主たる債務者である証拠は見当たらず、実質的にみても、被相続人が負担したのは連帯保証債務であることにほかならない。また、主たる債務者の資力については、相続開始日において債務超過の状態にあるとは認められるものの著しい債務超過とまではいえず、同日後も数か月は弁済条件に従って弁済していたこと、事業を拡大しながら現在に至るまで事業を継続していることなどから、相続開始日において弁済不能の状況が客観的に明らかであったとは認められない。したがって、本件保証債務は、被相続人が履行しなければならない確実な債務として確定していたとは認められず、相続税の課税価格の計算上、債務控除の対象とはならない。(平20. 3.14 東裁(諸)平19-130)

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支部名
関東信越
裁決番号
平190011ほか 1件
裁決年月日
平成19年11月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503020
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/2敷金
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、債務控除している預り保証金のうち、建築協力融資金についても敷金と同様、弁済期が未到来の無利息で預託されている金銭債務であるから、債務控除の額の計算に当たり、建設協力融資金から経済的利益相当額を控除すべきであると主張する。 しかしながら、仮に請求人の主張どおり計算を行えば、請求人の相続税額が本件更正処分の額を超え、請求人にとって訴えの利益を欠くものであるから、請求人の主張は採用できない。(平19.11. 1 関裁(諸)平19-11)

支部名
東京
裁決番号
平190052
裁決年月日
平成19年10月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が被相続人の生前中に外国に送金した金員等のうち、その原資が被相続人の預金等であるものは、請求人又はその妻への預け金又は貸付金であり、本件相続に係る相続財産である旨主張する。 しかしながら、預け金ならば明示又は黙示の委任契約が、貸付金ならば金銭消費貸借契約が成立していなければならないところ、被相続人と請求人との間でそのような契約関係が成立したことを窺わせる証拠はなく、また、被相続人が定期預金等の解約等のみを請求人に命じ、請求人が外国に送金していた事実は承知していたものの、その使途を指示することもなく、単にその保管のみを命じていた又は多額の返済を前提に請求人へ貸し付けたというのは不自然であり、原処分庁の主張は採用できない。 そして、外国送金先銀行における請求人名義口座への実質的送金額は、平成11年から本件相続開始日までの間にほとんど出金されてその使途は不明であるものの、①請求人は外国の不動産の取得、法人への出資に支出しており、その原資は当該送金額以外にないと認められること及び請求人自身以外の者のために当該送金額を使用する必要性が認められないことからすれば、出金はすべて請求人自身が費消するために行われたものと認められること、②被相続人は当該出金につき返還を求めない給付として認容しており、請求人も返還する必要があるとは認識していなかったものと認められることからすれば、当該出金額については、その出金のつど被相続人から請求人に対して資金の贈与があったと認めるのが相当であって、3年以内の贈与加算額に該当することとなるもののみ相続税の課税価格に加算するのが相当である。(平19.10.29 東裁(諸)平19-52)

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支部名
東京
裁決番号
平190053
裁決年月日
平成19年10月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人の二男が被相続人の生前中に外国に送金した金員のうち、その原資が被相続人の預金等であるものは、被相続人から二男又は二男の妻への預け金又は貸付金である旨主張する。 しかしながら、預け金ならば明示又は黙示の委任契約が、貸付金ならば金銭消費貸借契約が成立していなければならないところ、被相続人と二男との間でそのような契約関係が成立したことを窺わせる証拠はなく、また、被相続人が定期預金等の解約等のみを二男に命じ、二男が外国に送金していた事実は承知していたものの、その使途を指示することもなく、単にその保管のみを命じていた又は多額の返済を前提に請求人へ貸し付けたというのは不自然であり、原処分庁の主張は採用できない。 そして、外国送金先銀行における被相続人の二男名義口座への実質的送金額は、平成11年から本件相続開始日までの間にほとんど出金されてその使途は不明であるものの、①被相続人の二男は外国の不動産の取得、法人への出資に支出しており、その原資は当該送金額以外にないと認められること及び二男自身以外の者のために当該送金額を使用する必要性が認められないことからすれば、出金はすべて二男自身が費消するために行われたものと認められること、②被相続人は出金につき返還を求めない給付として認容しており、二男も返還する必要があるとは認識していなかったものと認められることからすれば、当該出金額については、その出金のつど被相続人から二男に対して資金の贈与があったと認めるのが相当であって、3年以内の贈与加算額に該当することとなるもののみ相続税の課税価格に加算するのが相当である。(平19.10.29 東裁(諸)平19-53)

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支部名
東京
裁決番号
平190054
裁決年月日
平成19年10月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人の二男が被相続人の生前中に外国に送金した金員のうち、その原資が被相続人の預金等であるものは、被相続人から二男又は二男の妻への預け金又は貸付金である旨主張する。 しかしながら、預け金ならば明示又は黙示の委任契約が、貸付金ならば金銭消費貸借契約が成立していなければならないところ、被相続人と二男との間でそのような契約関係が成立したことを窺わせる証拠はなく、また、被相続人が定期預金等の解約等のみを二男に命じ、二男が外国に送金していた事実は承知していたものの、その使途を指示することもなく、単にその保管のみを命じていた又は多額の返済を前提に請求人へ貸し付けたというのは不自然であり、原処分庁の主張は採用できない。 そして、外国送金先銀行における二男名義口座への実質的送金額は、平成11年から本件相続開始日までの間にほとんど出金されてその使途は不明であるものの、①二男は外国の不動産の取得、法人への出資に支出しており、その原資は当該送金額以外にないと認められること及び二男自身以外の者のために当該送金額を使用する必要性が認められないことからすれば、出金はすべて二男自身が費消するために行われたものと認められること、②被相続人は当該出金につき返還を求めない給付として認容しており、二男も返還する必要があるとは認識してなかったものと認められることからすれば、当該出金額については、その出金のつど被相続人から二男に対して資金の贈与があったものと認めるのが相当であって、3年以内の贈与加算額に該当することとなるもののみ相続税の課税価格に加算するのが相当である。(平19.10.29 東裁(諸)平19-54)

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支部名
東京
裁決番号
平190050ほか 4件
裁決年月日
平成19年10月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 №74・274ページ

要旨

○ 請求人は、遺産の一部が未分割である場合の相続税の課税価格の計算は「積上方式」によるべきである旨主張するが、相続税法第55条は、未分割遺産については、「相続分の割合」に従って遺産を取得したものとして課税価格を計算するものと規定しているところ、この「相続分の割合」とは、共同相続人に対して、その権利を主張することができる持分的な権利の割合をいい、また、遺産の一部が分割され、残余が未分割である場合には、共同相続人は、他の共同相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができるものと解するのが相当である。 したがって、原処分庁が、未分割遺産の配分に当たり「穴埋方式」を採用したことは相当である。(平19.10.24 東裁(諸)平19-50)

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支部名
東京
裁決番号
平190050ほか 4件
裁決年月日
平成19年10月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 №74・274ページ

要旨

○ 請求人は、相続財産のうち可分債権である貸付金債権については、分割済財産として相続税の課税価格の計算をすべきである旨主張する。 しかしながら、金銭等の可分債権については、その他の財産の分配における過不足を調整させる意味合いから、一般的には、これらを一体的に捕らえた遺産分割が行われているところであって、家庭裁判所の実務においても、遺産を総合的に分割するためには、預金等を含めた方が合理的であり、その実際的必要性が高いため、預金等の可分債権を遺産分割の対象にしている例が多いと認められる実態を相続税賦課の観点からみるときは、相続財産が可分債権であることを考慮に入れてもなお、当該財産をもって分割の対象とはならない財産とみることは相当ではない。 したがって、当該可分債権が、①共同相続人によって実際に分割が行われた場合、②実際に分割が行われないまでも、持分に応じて取得する旨の共同相続人全員の合意がされた場合及び③一部の相続人が当該可分債権に対する自己の相続分相当の権利を行使した場合など、明らかにその全部又は一部の帰属が確定している場合を除き、相続開始と同時に分割が確定しているものとみることは相当ではなく、他の未分割財産と一体として扱うのが相当である。(平19.10.24 東裁(諸)平19-50)

支部名
名古屋
裁決番号
平180029
裁決年月日
平成18年11月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、請求人らの一人である被相続人の妻(以下「本件妻」という。)が被相続人の生前に同人名義の各預貯金口座から現金を出金(以下「本件金員」という。)し費消等をしたことについて、当該費消等はすべて①生活用品である着物代、及び②被相続人の医療費や生活費等に充てたものであり、本件金員のうち、相続財産として計上すべきものは存在しない旨主張する。 しかしながら、上記着物は、1枚百万円以上の訪問着や結城紬など高額なものであり、本件妻が着ることは常識的には考えられない振り袖や親戚へ贈答した男児祝着も含まれていることから、当該着物は、通常の日常生活を営むのに必要な衣類と認めることはできず、本件妻が個人のために購入したとみるのが相当であり、本件妻は、当該着物代金相当額の経済的利益を受けていると認められる。また、本件金員から被相続人のための医療費等及び上記着物代金相当額を差し引いた額について、本件妻は、何に費消したか記憶にないと答述し、具体的な証拠を示しておらず、当審判所の調査によってもその使途は不明である。そうすると、本件妻は、上記使途が不明な金額に相当する金員に満ちるまでの各出金行為により、同金員相当額の経済的利益を受けたものと認められる。そして、本件相続における相続税の課税価格に加算すべき財産の価額は、被相続人から贈与により取得したものとされた金額のうち、本件相続開始日前3年以内に贈与により取得したとされた財産の価額であり(相法第19条第1項)、これは、相続開始前3年以内の各年に被相続人の各預貯金口座から出金された金額から各年に被相続人のために費消等され本件妻が経済的利益を受けていないと認められる金額を控除した金額、すなわち、本件相続開始日前3年以内に出金された額から、被相続人のために費消等をし、本件妻が経済的利益を受けていないと認められる額を差し引いた金額となる。(平18.11.30 名裁(諸)平18-29)

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支部名
東京
裁決番号
平180007
裁決年月日
平成18年7月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、公正証書(金銭消費貸借契約)に基づく本件借入金は、相続開始日において存在していたのであるから債務控除を認めるべきである旨主張する。 しかしながら、公正証書には、被相続人が平成2年12月10日に平成4年12月9日を弁済期限として1億2,000万円を借りた旨が記載されているところ、請求人の原処分調査及び別件民事訴訟における申述等によれば、相続開始の時点(平成8年6月○日)において、本件借入金の債務が存在しなかったことが明らかであるから、本件借入金を債務控除することはできない。(平18. 7.14 東裁(諸)平18-7)

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支部名
東京
裁決番号
平180009
裁決年月日
平成18年7月14日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、甲土地及び請求人らの父(以下「被相続人」という。)名義の株式等について、被相続人に帰属する財産ではあるが、原処分前に請求人らの間で、遺産分割協議が整い、請求人の一人である丙が取得したものであることから、これらの財産を未分割の相続財産であるとして行った原処分は違法である旨主張する。 しかしながら、甲土地については、遺産分割協議公正証書(以下「本件公正証書」という。)が存するものの、被相続人名義の株式等については、遺産分割協議の成立を認めるに足りる証拠がなく、本件公正証書については、その作成経緯等から判断して、その内容が実体を伴うものであるとは認められないことから、これらの財産は未分割の相続財産であると認められる。また、本件では、請求人らは、原処分が行われる前に、関与税理士を介して、甲土地が未分割の相続財産である旨を原処分庁に説明しており、かつ、原処分庁に本件公正証書の存在を秘匿していたことなどが認めれらるところ、相続税法の趣旨及び課税処分の違法性が処分時を基準に判断されるべきであることに照らすと、仮に、本件公正証書が実態を伴うものであったとしても、そのことをもって、原処分の取消しを求める事由とはなり得ないと解するのが相当である。 したがって、請求人らの主張には理由がなく、甲土地及び被相続人名義の株式等を未分割の相続財産であるとして行った原処分は、いずれも適法である。(平18. 7.14 東裁(諸)平18-9)

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支部名
大阪
裁決番号
平180003
裁決年月日
平成18年7月4日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、当初申告書に記載された被相続人の債務(以下「本件債務」という。)は相続人間において負担する金額が確定していない旨主張する。しかしながら、請求人は、相続人間で負担する金額について、当初申告時に相続人全員で話し合って、請求人が全額を負担することで合意した旨主張し、当初申告書は、相続人全員が署名、押印して提出されていることから、相続人全員の意思が反映されたものであると推認される。そして、当初申告書の作成時においては、被相続人の遺言書は開示されていなかったが、被相続人の生前において、不動産は請求人、同族法人の出資金は長男にという話があり、当初申告書に記載された内容について、相続人間で大筋の了解があったものと認められる。このような事情からすると、当初申告時において、本件債務を請求人が全額を負担することに相続人全員が合意していたと認めるのが相当である。(平18. 7. 4 大裁(諸)平18-3)

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支部名
広島
裁決番号
平170036ほか 3件
裁決年月日
平成18年4月26日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

相続税法第55条にいう「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものと解するのが相当であり、遺産の一部が未分割である場合には、各共同相続人は他の共同相続人に対し遺産全体に対する自己の相続分に応じた価額相当分から、既に分割を受けた遺産の価額を控除した価額相当分についてその権利を主張できることになるのであるから、未分割遺産に対し単純に法定相続分の割合を乗じた原処分の計算方法は誤りと認められ、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平18. 4.26 広裁(諸)平17-36)

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支部名
関東信越
裁決番号
平170045
裁決年月日
平成18年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503030
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/3資産取得に係る債務
事例集登載頁
裁決事例集 №71・29ページ

要旨

○ 請求人は、相続財産として課税されるべきものは、納税義務者が受領した資産であり、同資産の実質的な取得額を課税価格とするために債務控除が認められているのであるから、「相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。)により財産を取得した者」とは、相続税の納税義務を負担する者をいい、請求人もこれに当たる旨主張する。しかしながら、相続税法第13条の規定によれば債務控除をすることができるのは、①相続により財産を取得した者、②包括遺贈により財産を取得した者及び③被相続人からの遺贈により財産を取得した相続人に限られているところ、同条に規定する相続人は、同法第3条第1項の規定により相続を放棄した者は含まないものとされている。そして、請求人は、本件相続について相続放棄をしており、さらに、包括遺贈を受けてもいないことが認められることから、①から③のいずれにも当たらない。(平18.2.27関裁(諸)平17-45)

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支部名
関東信越
裁決番号
平170045
裁決年月日
平成18年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503030
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/3資産取得に係る債務
事例集登載頁
裁決事例集 №71・29ページ

要旨

○ 請求人は、本件弁護士費用は、生命保険会社が、被相続人の生前の行為につき公序良俗に反するとして本件生命保険金の支払を頑なに拒否したため、やむを得ず訴訟となったことに基づき生じた債務である以上、被相続人に帰属する原因により、相続開始時において負担することが確実な債務であるから、「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」(相続税法第13条第1項第1号)に当たる旨主張する。しかしながら、本件弁護士費用は、請求人が、上記訴訟の訴訟代理人である弁護士に対し、同弁護士との間で締結した同訴訟の訴訟代理契約に基づいて負担したものであるから、請求人自身の債務であって、「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」には当たらない。(平18.2.27関裁(諸)平17-45)

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支部名
大阪
裁決番号
平170042
裁決年月日
平成18年2月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人が勤務先から特許実施料の名目で受領した金員について、当該特許の共同発明者に対し特許実施料が支払われていないから被相続人のみが受け取る理由がなく、被相続人の借入金である旨主張する。しかしながら、当該金員は、被相続人が単独で発明した特許について、勤務先の取締役会の決議に基づき特許実施料の一部として支払われたものであり、請求人が主張する共同開発した特許に対する特許実施料ではない。したがって、当該金員は、被相続人の借入金とは認められず、相続財産から控除することはできない。(平18.2.22大裁(諸)平17-42)

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支部名
大阪
裁決番号
平170042
裁決年月日
平成18年2月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、甲社及び乙社からの請求人名義の借入金について、請求人には借り入れた覚えがない、あるいは当該借入金が請求人名義ではあるが別件訴訟で被相続人に帰属すると認定された預金口座に入金されているから被相続人の借入金である旨主張する。しかしながら、請求人の実印が押された書類は、いずれも一読すれば貸付けに関する文書であることが明らかな重要書類であって、請求人がこのような書類について内容を確認せずに押印するとは考え難い。そして、両社からの借入状況、借入金の受領状況、借入れに関する書類の作成状況、支払の督促等の状況を勘案すると、請求人は自ら借入れの申込み、借入金の受領の一部に関与しており、また、借入金の一部が振り込まれた銀行で、現金出金等の際に使用された印鑑は、借入申込み等の際に使用されたものである。これらの事情に加え、請求人が当審判所からの質問に対して何ら回答しないこと等を併せ考慮すると、当該借入金は、請求人が借り入れたものと認めるのが相当である。また、被相続人に帰属すると認められた預金口座が使用された事情は、甲社の決算上請求人に対する貸付金がないようにするために、請求人の代理人、被相続人、甲社及び乙社の役員が相談の上で、乙社が借入金残高相当額の資金を借り入れるなどして行ったもので、こうした一時的な資金振替の事務の手続上、同口座が使用されたにすぎない。そうすると、同口座が利用されたことは、上記2社からの請求人名義の借入金が被相続人の借入金であることを裏付けるものではない。(平18.2.22大裁(諸)平17-42)

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支部名
東京
裁決番号
平170087
裁決年月日
平成17年12月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人の父(以下「被相続人」という。)は、土地を賃借しており、同人の死亡による請求人の相続時には同借地権(以下「本件借地権」という。)が相続財産となっていたが、同相続後に確定した判決により、借地賃料が低額であることに基因し、本件借地権が消滅するとともに本件借地権に係る適正賃料と供託賃料との差額賃料及び本件借地上の建物の収去費用を負担することとなった。そこで、請求人は、本件借地権の賃料が低額であった期間は請求人が賃借人であった期間よりも被相続人が賃借人であった期間の方が長く、また、賃貸人との間で、請求人が賃貸人に支払った金員の中には被相続人が賃借していた期間に発生した差額賃料も含まれているということを合意しているから、それに相当する金額及び建物の収去費用を相続税の課税価格計算上控除すべき債務として認めるべきであると主張する。しかしながら、相続税の課税価格計算上控除すべき債務として認められる債務といい得るためには、相続開始の時点までに、その債務が成立しており、かつ、その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していることが必要であるが、建物の収去費用は本件相続開始後に生じた賃貸借契約の解除という事実に起因しているため債務控除することはできず、また、差額賃料については、請求人が主張するような合意のあったことを認めるに足りる証拠がないことから、請求人の主張は採用することができない。(平17.12.21東裁(諸)平17-87)

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支部名
名古屋
裁決番号
平170035
裁決年月日
平成17年12月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、主たる債務者である本件法人が、本件相続開始日において債務超過の状態が相当期間継続しており、かつ、銀行借入金の返済が滞るなど資力喪失の状況であったため、借入先である本件取引銀行等から追い貸しを受けながら、かろうじて事業を継続していた状態にあり、事実、相続開始直後に廃業していること、また、現実に相続財産を売却して返済していることなどから、本件保証債務は、確実と認められる債務に該当するため、相続税の課税価格の計算上債務控除するのが相当である旨主張する。しかしながら、本件法人は、本件相続開始日の属する平成13年7月期以前の数年間の決算においては損失を計上しているものの、その経営状態が悪化傾向にあった形跡は認められず、本件相続開始日前に、破産、和議等の手続が開始されたこともなく、事業を閉鎖した事実もない。また、その後、本件法人が廃業したのは、請求人らの事情によるものであり、本件取引銀行等からの借入金に対する各返済状況等からみても、本件相続開始日前に融資を受ける見込みがないほどの経営状況にあったとは認められない。これらの事情からすると、本件法人が、本件借入金について弁済不能の状態にあるとはいえないから、本件保証債務は、相続開始日において、「確実と認められる」債務に該当せず、当該債務を債務控除の対象とすることはできない。(平17.12.20名裁(諸)平17-35)

支部名
仙台
裁決番号
平170001
裁決年月日
平成17年7月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、全部の遺産について遺産分割が終了しているにもかかわらず、原処分庁は、調停調書に記載された財産についてのみ遺産分割の成立を認め、その余の財産及び債務については未分割であるとして、遺産分割の実態と当事者の認識をしんしゃくしないまま本件更正処分を行っている旨主張する。しかしながら、当審判所の調査により把握された資料は、いずれも、調停調書に記載された財産以外の財産の分割協議が行われたことを明らかにするものとは認められず、さらに、当審判所に対する請求人ら以外の相続人の答述によっても、相続財産の確定及びその分割については、未だその協議が調っていないと判断せざるを得ない。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平17.7.1仙裁(諸)平17-1)

支部名
東京
裁決番号
平160299
裁決年月日
平成17年6月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件各定期預金は相続開始日の約10年前に被相続人から請求人らに口頭で贈与されたものである旨主張する。しかしながら、被相続人は、本件各定期預金を平成13年5月15日の解約手続のときまで請求人らの名義を借用して自己の財産として管理及び運用していたと認めるのが相当であり、本件各定期預金が被相続人から請求人らに対して贈与されたのは平成13年5月15日で、かつ、そのとき履行されたものと認められるから、本件各定期預金は本件相続開始前3年以内に贈与されたものに該当する。(平17.6.29東裁(諸)平16-299)

支部名
東京
裁決番号
平160276
裁決年月日
平成17年6月8日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人が亡父(被相続人)の借入金(本件借入金)を負担し実質的に承継してきた事実が本件調停条項により認められたのであるから、請求人の相続税(本件相続税)の計算上本件借入金の10分の5に相当する金額の債務控除を認めるべきである旨主張する。相続税法第13条第1項に規定する「その者の負担に属する部分の金額」とは、共同相続人等の協議により決定されたその者が実際に負担する金額と解するのが相当である。被相続人の共同相続人は、民法の規定による相続分の割合に従って本件借入金を含む財産及び債務を取得又は負担したものとして申告したが、(1)被相続人の相続に関する遺留分減殺請求に関して、①亡母と長男との合意内容には、本件借入金は甲不動産を相続するものが承継するものとするとあること及び②三女、長女及び亡母の裁判上の和解の内容には、遺留分減殺請求の結果として亡母の三女及び長女に対する現金の支払義務等が明記されたが、本件借入金に関するものはないこと、(2)請求人を含む亡母の共同相続人は、本件借入金を亡母の債務として亡母に係る相続税の申告をしたこと、(3)調停の内容は、請求人、長女、長男及び三女が被相続人の遺産については遺言書のとおり亡母がすべて相続したことを確認した上でそれぞれの遺留分減殺を認め、亡母に対する遺留分減殺請求に関する紛争が一切解決したものとするものであること並びに(4)請求人は、本件審査請求においても、調停では長女、長男及び三女は本件借入金について一切負担しない意向であったと供述していることからすると、被相続人の共同相続人は、遅くとも調停のときまでに、順次、本件借入金は亡母が実際に負担することを黙示的に合意したものと認めるのが相当である。したがって、請求人の本件相続税の計算上、本件借入金の10分の5に相当する金額について、債務控除をすることはできない。(平17.6.8東裁(諸)平16-276)

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支部名
関東信越
裁決番号
平160068
裁決年月日
平成17年5月17日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503040
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/4公租公課
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人の長男が被相続人の固定資産税等を負担していたからこそ被相続人の財産減少を免れたのであるから、長男が負担していた固定資産税等の額は被相続人の債務に当たる旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務は、相続開始の際に現存することが確実であることを要するところ、長男が被相続人の固定資産税を負担していたのは、長男が被相続人の土地の管理・活用を行う代わりに土地の維持管理費を負担するという契約に基づくものであると認められるから、本件相続の際に現存することが確実な債務とは認められず、これを被相続人の債務として控除することはできない。(平17.5.17関裁(諸)平16-68)

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支部名
大阪
裁決番号
平160084
裁決年月日
平成17年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けたとして、贈与税の申告書を提出しているが、受贈資金を原資とする定期預金は、査察調査において被相続人が主宰するA法人に帰属する預金として同法人に資金導入されているから、贈与の事実は成立していない旨主張する。しかしながら、当該預金は、A法人の補助元帳によると、査察調査においてA法人に帰属するとされた預金とは別の預金であり、また、請求人らからの借入金としてA法人へ資金導入されていると認められるから、相続開始前3年以内の贈与はあったとするのが相当である。(平17.5.17大裁(諸)平16-84)

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支部名
大阪
裁決番号
平160062
裁決年月日
平成17年3月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集 №69・235ページ

要旨

○ 請求人は、一部分割後の残余の未分割遺産に係る相続税法第55条の適用に当たっては、当該残余の未分割財産に法定相続分の割合を乗じた金額を課税価格に配分すべきであるから、課税価格は更正の請求前のそれを下回ることとなる旨主張するが、民法上、相続分とは、共同相続人の相続財産全体に対する分け前の限度、普通はその割合をいい、相続財産の中の具体的財産ではなく、相続財産全体に対する持分であると解されているから、相続税法第55条の適用に当たっては、共同相続人各人は、他の共同相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができると解される。そうすると、残余の未分割遺産が当該主張することができる金額を上回る本件の場合においては、課税価格は更正の請求前のそれと同額となるから、原処分は相当である。(平17.3.17大裁(諸)平16-62)

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支部名
関東信越
裁決番号
平160051
裁決年月日
平成17年3月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件借入金は請求人が金融業者から資金を調達して被相続人に貸し付けたものであるから、これを被相続人の債務と認めないのは違法である旨主張する。しかしながら、借用証書の写しに記載された被相続人の氏名の筆跡は、被相続人の筆跡であると認めることができず、また、被相続人に多額の金銭を借り入れる理由があったとは認められないことから、借用証書を借入金が存在したことの証拠と認めることはできない。さらに、原処分庁に提出された請求人の貸付資金の調達に関する明細表には、金銭の借入れに関する具体的事実が記載されておらず、これをもって請求人の資金調達に関する証拠ということはできない。そして、請求人は、当審判所に本件借入金に関する証拠資料等を提出せず、また、当審判所の調査したところにおいても、相続開始の時において、被相続人が請求人から金銭を借り入れていたことを明らかにする証拠資料等は認められない。したがって、相続開始の時において本件借入金が存在したと認めることはできず、これを債務として控除することはできないから、請求人の主張には理由がない。(平17.3.1関裁(諸)平16-51)

支部名
大阪
裁決番号
平160056
裁決年月日
平成17年3月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503020
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/2敷金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続財産から控除される債務のうち被相続人が所有していた貸家に係る敷金又は保証金に関し、原処分庁が認定した金額以上に預かり保証金がある旨主張するが、借家人に返還を要する預かり保証金について相続税の課税価格の計算上控除の対象となる債務というためには、契約書等により、契約に基づく債務の存在及び債務の履行の確実性が認められなければならないところ、共同相続人保管の賃貸借契約書によれば、預かり保証金債務は原処分庁認定額と同額と認められることから請求人の主張には理由がない。(平17.3.1大裁(諸)平16-56)

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支部名
名古屋
裁決番号
平160043
裁決年月日
平成16年12月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件土地は居宅敷地部分と賃貸用共同住宅敷地部分に区分され、相続税の調査前には利用区分に応じて分筆されていることから、贈与時点に分筆されていない場合には相続税法第21条の6第1項に規定する居住用不動産(特定贈与財産)に該当しないとするのは、同条の立法趣旨に反する旨主張する。しかしながら、本件贈与により、配偶者は、居宅敷地部分及び賃貸用共同住宅敷地部分からなる本件土地の持分を取得したのであり、居宅敷地部分のみの持分を取得したのではない。そして、本件土地の居宅敷地部分と賃貸用共同住宅敷地部分の区分に合わせて、甲土地及び乙土地に分筆されているが、分筆後の甲土地及び乙土地の本件贈与に係る登記持分は何ら変更されていないのであるから、分筆登記の時期を理由としての上記主張はその前提において欠けるというべきであり、また、本件贈与により配偶者が取得した土地の持分は、上記のとおりであるから、本件贈与により、配偶者が取得した土地の持分の一部が居宅敷地部分に係るものであると判断したことが、相続税法第21条の6の贈与税の配偶者控除制度の趣旨に反するものではない。(平16.12.13名裁(諸)平16-43)

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支部名
名古屋
裁決番号
平160043
裁決年月日
平成16年12月13日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人の甲及び乙からの借入金(以下「本件借入金」という。)は、民法第587条により正当に成立しその効力は生じていることから債務控除の対象となる債務である旨主張する。ところで、相続税の計算上、債務控除の対象となる債務は、被相続人の債務で相続開始の際現に存し、その者の負担に属する金額であることを要するとともに、確実と認められるものでなければならない。そして、確実と認められる債務とは、債務が存在するとともに、①債権者の債務の履行を求める意思が客観的に認識し得る債務、又は、②債務者においてその履行義務が法律的に強制される場合に限らず、社会生活関係上、債権債務成立に至る経緯等に照らして事実的、道義的に履行が義務づけられているか、あるいは、履行せざるを得ない蓋然性の表象のある債務、を意味すると解されている。本件借入金についてみると、被相続人と甲又は乙の間で、その大部分について借用証書等が作成され返済期限等が取り決められてはいるものの、その定められた返済期限のとおりには履行されておらず、大部分の金員は返済されていないこと、甲及び乙は兄弟姉妹間であることを理由として被相続人に強く返済を求めていないこと、さらに、通常は、期限までに履行されなかった場合には、少なくとも何らかの手当てを要するところ、本件借入金に関してはそれがないことなどからすると、甲及び乙の債務の履行を求める意思が客観的に認識し得る債務であるともいえず、本件借入金のうち借用証書に基づいて返済中であった金員を除いて、被相続人による履行が確実と認められる債務であると認めることはできないというべきである。したがって、本件借入金から、借用証書に基づいて返済中であった金員の本件相続開始日における残高を控除した金員は、債務控除の対象となる債務には該当しないものと認められる。(平16.12.13名裁(諸)平16-43)

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支部名
沖縄
裁決番号
平160001
裁決年月日
平成16年10月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続財産に設定されていた根抵当権が相続開始後に実行され、当該財産が競売されたことから、相続した連帯保証債務は相続税法第14条第1項に規定する債務に該当するので、遡って債務控除を認めるべきであると主張する(被相続人は、根抵当権設定者兼連帯保証人だった。)。しかしながら、同項の「確実と認められる債務」とは、債務の存在のみならず、履行が確実と認められる債務をいい、保証債務の場合は、主たる債務者が弁済不能にあるため保証人がその債務を履行しなければならない場合で、かつ、主たる債務者に求償しても返還を受ける見込みがない場合に該当するものと解されている。これを本件についてみると、主たる債務者は、相続開始時期を含む事業年度は金融機関から融資を受けるなどして継続して営業活動を行っていたと認定されることなどから、相続開始時に弁済不能の状況にあったとは認められない。したがって、請求人が相続した連帯保証債務は、同項に規定する「確実と認められる債務」に該当しないので、債務控除の対象とならない。(平16.10.20沖裁(諸)平16-1)

支部名
関東信越
裁決番号
平160003
裁決年月日
平成16年7月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件借入金については、被相続人が作成した借用証書が存在する上、被相続人から利息の支払を受けた旨の貸主の申述もあり、また、相続開始後に、貸主との間で本件借入金を承認する旨の公正証書を作成し、その履行も開始しているのであるから、相続税の課税価額の計算上控除すべき確実な債務に該当する旨主張する。しかしながら、借用証書の内容は、多額の金銭を無利息無担保無保証人で貸し付けるという第三者間の金銭消費貸借としては異例なものであることに加え、事実関係においても、本件借入金に係る金銭の授受やその使途が一切不明であり、借用証書の署名が被相続人の自筆であることを明らかにする証拠もなく、借用証書自体その日付よりも後に作成されたことが明らかであって、貸主の答述内容も信用できないこと等からすれば、借用証書の信憑性は極めて疑わしい。さらに、利息の支払に相当する出金の形跡もないこと等からすれば、利息の支払があったと認めることはできず、相続開始後に作成した公正証書は本件借入金の存在を証する証拠とはならない。よって、本件借入金が相続開始の際に現に存していたと認めることはできないから、本件借入金につき債務控除できないとした原処分は適法である。(平16.7.30関裁(諸)平16-3)

支部名
東京
裁決番号
平160010
裁決年月日
平成16年7月9日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件更正処分は、本件成立調書に基づく形式的な課税であり、本件被相続人から本件借入金を承継しているから、この事実に沿って課税すべきである旨主張する。しかしながら、本件借入金については、①全財産を亡母に相続させるとする本件遺言書が存在すること、そして、②本件成立調書によれば、共同相続人全員が本件被相続人の遺産を遺言書により亡母がすべて相続したことを確認した上、請求人に係る遺留分相当分を決定していることからして、亡母が相続したものと判断するのが相当であり、このことは、当審判所の調査により確認された亡母に係る相続税の申告書において、本件借入金が亡母に係る債務として請求人を含む共同相続人全員により計上されていることからも明らかである。したがって、本件借入金については、請求人が相続したと認められない以上、相続税における債務控除の対象とはならないから、請求人の主張は更正の請求の理由には当たらない。(平16.7.9東裁(諸)平16-10)

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支部名
大阪
裁決番号
平160005
裁決年月日
平成16年7月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400502000
争点
5相続税の課税価格の計算/2相続税の非課税財産
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、現金を寄附した場合は、相続した現金そのものを寄附したか否かのひも付き関係は認められず、また、寄附が公益に資するということは所得税法等の寄付金控除の場合と同様であるから、すべて租税特別措置法(以下「措置法」という)第70条に該当すると解釈すべきである旨主張する。しかしながら、措置法第70条第1項は、相続により取得した財産を寄附した場合に適用される旨規定しているところ、本件寄付金の原資を証する資料として請求人が提出した普通預金口座には、本件相続開始後から寄附日までの間、請求人が相続により取得したものと認められる金員の入金は確認できないから、本件寄付金について措置法第70条第1項の規定を適用することはできない。(平16.7.8大裁(諸)平16-5)

支部名
札幌
裁決番号
平150028
裁決年月日
平成16年6月15日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人に対して、相続開始日前に貸し付けた金員が返済されていないので、相続税の課税価格の計算上、債務として控除すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は貸付金の原資、貸付時期について明確にしないばかりか、その金額についても、あいまいで、その存在を確認することができないから、本件借入金を相続税の課税価格の計算上、債務控除をすることはできない。(平16.6.15札裁(諸)平15-28)

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支部名
東京
裁決番号
平150312ほか 1件
裁決年月日
平成16年5月31日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集No.67・115ページ

要旨

○ 請求人は、本件保証債務の一次相続に係る共同相続人(以下「一次共同相続人」という。)間の負担割合について、本件確認書が存在するから、これに基づかない二次相続税に係る更正処分(以下「本件更正処分」という。)は違法である旨主張する。しかしながら、一次共同相続人の本件保証債務の負担割合についての主張は、一次相続税に係る更正の請求以降、一貫しておらず、本件確認書が存在するとしても、①請求人は、他の共同相続人に対し本件保証債務の負担を求めていないこと、②二次相続の被相続人は、本件保証債務の弁済を一切行っていないこと、③二次相続の被相続人が相続した土地は、譲渡されず請求人が相続していること、④請求人は、本件保証債務に係る抵当権が設定されている土地をそれぞれ相続し、二次相続開始日前からこれらを譲渡し、本件保証債務の弁済をしていること、並びに⑤請求人は、当該弁済に伴い他の共同相続人から本件保証債務の負担額に相当する金額を受領している事実がないことからすると、一次共同相続人は、本件確認書の記載内容に基づいた本件保証債務を弁済しておらず、請求人が本件保証債務を弁済し、かつ、他の共同相続人にその負担を求めていないことからすれば、本件保証債務は、2分の1の割合でもって請求人の負担に属する債務と認めることが相当であるので、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平16.5.31東裁(諸)平15-312)

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支部名
東京
裁決番号
平150266
裁決年月日
平成16年4月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、交付した代償財産について、原処分庁が相続税法基本通達11の2−10により代償財産の価額を修正したことは違法である旨主張する。しかしながら、同通達11の2−10の取扱いは、遺産分割が代償分割の方法により行なわれた場合、交付した代償財産の価額を遺産分割の時の代償債務の額そのものとして当事者の課税価格を計算することは、相続により取得した財産の価額が相続開始の時の時価(相続税評価額)とされていることから、評価の時点が異なることとなり相当でないため、代償債務の額を代償分割の対象となった財産の相続開始の時の相続税評価額ベースに調整するものであり、各相続人の課税価格ひいては相続税額の負担割合の公平・適正化を図ることを目的としているもので、当審判所も相当と認めるところである。(平16.4.15東裁(諸)平15-266)

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支部名
東京
裁決番号
平150266
裁決年月日
平成16年4月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件相続に係る遺産が未分割のため、共有関係にある相続財産は、遺産分割を巡る紛争が審判によって確定されてはじめて所有権の根幹というべき処分権を行使できる状態になるのであるから、本件相続に係る取得財産の価額を審判における価額に基づき算定するのが合理的である旨主張する。しかしながら、本件更正の請求は、相続税法第32条第1号に該当する更正の請求と認められるところ、同条に基づく更正の請求は、同法第55条の規定により未分割の遺産を法定相続分の割合に従って課税価格を計算して確定した納付すべき税額が、その後の遺産分割の確定に伴い過大となるという後発的事由に基づいて相続税額の是正を求めるためのものであり、相続により取得した財産の価額の是正を求めるものではない。したがって、本件更正の請求においては、本件相続財産の価額を是正すべきとの請求人の主張は認められない。また、相続税法第22条に規定する「相続財産の取得の時における時価」とは、当該財産の相続開始の時の価額であり、本件においては、本件相続税の修正申告書に記載された財産の価額となるから、この点においても請求人の主張は認められない。(平16.4.15東裁(諸)平15-266)

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支部名
東京
裁決番号
平150258
裁決年月日
平成16年3月31日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400502000
争点
5相続税の課税価格の計算/2相続税の非課税財産
事例集登載頁
裁決事例集No.67・491ページ

要旨

○ 請求人らは、本件甲土地は、宗教法人法に規定する境内地等と同様、寺院の尊厳を維持するための土地といえるから、相続税法基本通達12−1に定められている「これらのものの尊厳の維持に要する土地」に該当し、その結果、相続税法第12条第1項第2号に規定する財産に該当するのであり、同号の解釈に当たっては、請求人ら自身の祭祀に係るものに限定して解釈すべきでない旨主張するが、同号に規定する財産は、民法第897条第1項に規定する財産と範囲を同じくすると解されるところ、本件甲土地は、山林であり、請求人らの祖先を祭祀するための墓所等でないから、これらの尊厳の維持に要する土地には該当しない。また、請求人らは、本件土地が相続税法第12条第1項第3号に該当するとも主張するが、請求人らが個人として公益を目的とする事業を行っていた事実は認められないから、本件土地が同号に規定する財産に該当するとは認められない。(平16.3.31東裁(諸)平15-258)

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支部名
名古屋
裁決番号
平150051
裁決年月日
平成16年2月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集No.67・543ページ

要旨

○ 原処分庁は、構築物を、第一回遺産分割協議書作成後に新たに発見された財産であるとして、第二回遺産分割協議書に基づき、相続人Aが取得したものと主張するが、本件構築物は、①第一回遺産分割協議書作成時に明らかに存在していたこと、②それぞれの共同住宅に附随した設備等であることから、共同住宅の取得者が併せて取得すると理解するのが相続人の通常の意思と合致するといえること、③共同住宅は相続人Bが取得し、その不動産賃貸収入を確定申告していることから、構築物もBが取得したものと認めるのが相当であり、Aが取得したものではない。以上から、Aは、本件相続により相続財産を取得していないので、相続税法19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》に規定する「相続により財産を取得した者」に該当しないこととなるので、固定資産税及び交換差金相当額を贈与により取得したか否かを判断するまでもなく、Aに対する相続税法19条に規定する相続開始前3年以内の贈与加算の適用はない。(平16.2.27名裁(諸)平15-51)

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支部名
名古屋
裁決番号
平150044
裁決年月日
平成16年1月28日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集No.67・580ページ

要旨

○ 請求人は、更正処分は遺産分割調停の結果に従って行われるべきであるので、調停中に行われた本件更正処分は違法である旨主張するが、国税通則法第24条は、納税申告書の提出があった場合に、申告書に記載された課税標準等が調査したところと異なるときは、その調査により当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する旨規定しており、遺産分割が調停中である場合には相続税の申告書に記載された課税標準等を更正できないとする税法上の規定はない。請求人らは、未分割財産につき相続税法第55条の規定に基づいて計算した本件相続税申告書を提出しているのであるから、国税通則法第24条に基づいて更正を行うこと自体何ら支障はなく、本件更正処分は、当初申告書に記載された課税価格及び納付すべき税額が原処分庁の調査したところと異なっていたため国税通則法第24条に基づいて行われたものであるから、請求人の主張には理由がない。(平16.1.28名裁(諸)平15-44)

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支部名
大阪
裁決番号
平150021
裁決年月日
平成15年10月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人には関連会社に対する債務が存在し、これを債務控除の対象とすべきである旨主張する。しかしながら、当該関連会社の仮払金に被相続人が清算すべきものが存在することまで否定できないものの、当該仮払金はきわめて不明な点が多く、本件相続時において、その存在が確実とされる被相続人の債務の範囲は不明であり、その金額が確定したとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平15.10.27大裁(諸)平15-21)

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支部名
大阪
裁決番号
平150020
裁決年月日
平成15年10月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件調停において双方が本件仮払金を被相続人が返還すべき仮払金であると認めたのであるから、これを相続税法上の債務に該当しないとするのは、事実の誤認及び法令解釈の誤りがある旨主張する。しかしながら、当該仮払金については、調停の相手方においてその金額を特定することもできず、特定の個人に返還請求できるものでもないとして一旦消却されたこと、決算修正の際には特定の者が私的流用したとは言えないが、同社の金銭を使用できる立場にあった被相続人からいくらかでも回収すべきと考えて再計上したことなどを述べており、請求人自身も当該仮払金の内容や私的流用した金額について不明であるとしながら、被相続人の経営責任を認識していたため、それらを加味して調停合意したとしている。これらのことを総合的に判断すると、本件調停により仮払金の返還について支払義務を認めることで合意している事実は認められるものの、被相続人の債務と言うべき仮払金の金額が明らかでない以上、相続税の計算上控除することができないと解するのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平15.10.24大裁(諸)平15-20)

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支部名
東京
裁決番号
平150063
裁決年月日
平成15年9月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 相続財産の一部が未分割となっている場合の課税価格の計算に当たって、穴埋め方式(分割済みの財産を特別受益と同じように考慮に入れて、残余の未分割財産に対する各共同相続人の相続分の割合を求める方法)によって計算にした本件更正処分に違法はない。(平15.9.19東裁(諸)平15-63)

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支部名
高松
裁決番号
平150001
裁決年月日
平成15年7月1日
裁決結果
棄却
争点番号
400503050
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/5贈与義務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 1 請求人は、本件被相続人が生前に本件被相続人の長男の妻等に贈与したとする金額を債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、長男の妻等が遺産分割協議においてから贈与に係る債務を主張していないことからすると、贈与の事実がなかったとの長男及び長女の答述には信ぴょう性が認められ、そして、贈与の事実を証する書類等の提出もないことから、長男の妻等に対する贈与に係る債務があったとは認められない。2 請求人は、本件被相続人が収受したまま請求人に支払っていない請求人所有の土地の譲渡代金を債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、土地の譲渡についての請求人の答述はあいまいであり、譲渡を証する書類等の提出もなく、土地を譲渡したとの事実は確認できないこと、そして、当該債権を遺産分割協議においても何ら主張していないことからすると、本件相続において、土地の譲渡代金に係る債務が存在したことは認められない。(平15.7.1高裁(諸)平15-1)

支部名
関東信越
裁決番号
平140106
裁決年月日
平成15年5月28日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 本件金員について、原処分庁は、請求人が購入した土地の購入資金又は請求人の借入金の返済に充てられているから、いずれも被相続人の請求人に対する立替債権として被相続人の相続財産に計上するのが相当である旨主張し、請求人は、被相続人の相続開始日の財産として立替債権などは存在しない旨主張する。しかしながら、被相続人と請求人との間に「立替」や「貸付」などについて合意したとする事実は認められず、その弁済をしたとする事実も認められないことなどからすれば、原処分庁の主張は採用できないが、本件金員は、被相続人が自己の預貯金口座から払い出した金員を請求人が取得した土地の購入資金又は借入金の返済資金に充てたものと認められること及び請求人が被相続人に対して本件金員を返還したとする事実又は将来返還することが確実であるとする事実が認められないことからすれば、本件金員は、被相続人から請求人に対して贈与したものと認めるのが相当であり、相続税法第19条の規定に基づき、相続税の課税価格に加算するのが相当である。(平15.05.28.関裁(諸)平14-106)

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支部名
大阪
裁決番号
平140067
裁決年月日
平成15年3月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集No.65・533ページ

要旨

○ 請求人は、本件連帯保証債務について、銀行取引約定書における連帯保証人としての署名、押印は、請求人の承諾なく被相続人が無断で行ったものであり、請求人の保証人としての責任は、もとより発生しておらず、本件借入金に係る保証人は被相続人一人であるから、本件連帯保証債務の全額を債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、銀行取引約定書には、請求人の実印が押印されていること、主たる債務者である関係法人の当時の代表者が請求人自身であること、また、請求人は、銀行から請求人あてに発せられた催告書に対して銀行に異議を述べた形跡がないことなどからみて、請求人は、保証人であることを十分に認識していたと認めるのが相当であり、請求人の主張は採用できない。また、本件借入金については、連帯保証人以外に、物上保証人がいることから、保証人は3名となり、その負担額は均等であると認められることから、本件相続について債務控除すべき被相続人の保証債務の額は、本件連帯保証債務の額の3分の1とするのが相当である。(平15.03.25.大裁(諸)平14-67)

支部名
高松
裁決番号
平140024
裁決年月日
平成15年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件相続に係る遺産の分割が行われておらず、何ら遺産又は権利を得ていないこと及び納税する資力がなく、納付は物納以外に不可能であるとして決定処分が違法である旨主張する。しかしながら、民法第898条は、相続人が数人あるときは、その相続財産は、その共有に属する旨、また、同法第900条第4項では、子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各人の相続分は、相等しいものとする旨それぞれ規定し、また、相続税法第27条は、相続等により取得したすべての者に係る相続税の課税価額の合計額が基礎控除額を超える場合において相続税額があるときは、相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければならない旨及び同法第55条は、相続等により取得した財産の全部又は一部が未分割である場合には、民法の規定による相続分等の割合に従って当該財産を取得したものとして課税価格の計算をする旨規定している。これらのことからすると、請求人には相続権があり、申告納税義務を負うことも明らかであるから、その法定相続分に応じて課税価額等を計算して申告及び納付すべき義務を負っているものといわざるを得ない。また、納税の手続と納付すべき税額の確定手続とは別個の問題であって、納税する資力がないこと等を持って課税処分の違法を主張することは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.03.20.高裁(諸)平14-24)

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支部名
大阪
裁決番号
平140054ほか 1件
裁決年月日
平成15年3月3日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続人間で授受した本件合意書に基づく本件解決金は、慰謝料であるから、相続税の課税財産に当たらない旨主張する。しかしながら、本件合意書には、本件解決金が慰謝料であることをうかがわせる文言は見当たらず、請求人らが別件訴訟において、本件解決金は他の相続人が請求人らの遺留分を侵害したことに対する代償金である旨主張していることからみても、代償分割による代償財産と認定するのが相当である。(平15.03.03.大裁(諸)平14-54)

支部名
東京
裁決番号
平140134
裁決年月日
平成14年12月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、代償分割の対象となった財産が特定されているとして、第一次相続と第二次相続のそれぞれの年分の相続税評価額を基に代償債務の額をあん分しているが、本件遺産分割協議書において、本件各相続人合意の下、本件代償債務の額を第一次相続と第二次相続にそれぞれ2分の1ずつにするとしているのであるから、当該遺産分割協議が無効でない限り、本件は当該遺産分割協議に基づいて第一次相続及び第二次相続の相続財産の計算を行うのが相当である。また、請求人は、代償債務の額を相続税法基本通達11の2−10の(2)により評価換えすることは違法である旨主張するが、当該通達は代償債務と相続財産の評価時点が異なることから代償債務の額を代償分割の対象となった財産の相続開始時の相続税評価額ベースに調整するものであり、本件については代償分割の対象となった財産は、相続開始時の相続税評価額に基づき相続税の課税価格が計算されているのであるから、代償債務の額についてもその評価時点の価額に調整することは相当である。(平14.12.20.東裁(諸)平14-134)

支部名
関東信越
裁決番号
平140049
裁決年月日
平成14年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400503050
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/5贈与義務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、贈与契約に基づき被相続人がA法人に贈与するという債務は、預り保証金のように預り期間中に運用益が生まれるものではないことなどから複利現価率によって評価する合理性は認められない旨主張するが、当該債務は、弁済期までの期間において無利息であることにより、請求人らが通常の利率による経済的利益を享受することに何ら変わりはないから、相続開始時における経済的利益の額を控除した額で評価するのが相当である。また、通常の利率について、請求人らは、原処分時における評価通達4−4の定めに従い4.5%とすべきである旨主張し、原処分庁は相続開始時の評価通達の定めに準じて6%とすべである旨主張する。しかしながら、金融商品の中で利率が高いものである利付国債(10年)の応募者利回りと貸出金利の中で利率が低いものである長期プライムレートを指標とし、相続開始時以前10年間の平均値を用いて評価する方法が最も合理的であると認められる。(平14.12.19.関裁(諸)平14-49)

支部名
東京
裁決番号
平140073
裁決年月日
平成14年10月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人及び他の者が債務者甲の借入金の連帯保証人等として、当該借入金の代位弁済をしなければならないところ、①被相続人以外の連帯保証人には当該借入金の弁済資力がなく、被相続人が代位弁済をしなければならないので、当該借入金の全額を被相続人の債務の金額と認めるべきであり、また、②この被相続人の債務について、実際に請求人ら2名が代位弁済したのであるから、当該借入金の額の2分の1の金額を請求人ら各人の債務の金額と認めるべきである旨主張する。しかしながら、①被相続人以外の連帯保証人には本来負担すべき金額に満たないが、弁済資力があることを考慮して算出した被相続人の負担額を債務の金額とするのが相当であること、また、②共同相続人間で、被相続人の保証債務につき負担部分を定めていないことから、この被相続人の負担額に法定相続分を乗じた金額が、請求人らの債務の金額とするのが相当である。(平14.10.25.東裁(諸)平14-73)

支部名
沖縄
裁決番号
平140001
裁決年月日
平成14年10月10日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件保証債務は、本件相続開始日において既に確定している債務で、相続税法第14条に規定する債務に該当するから、課税価格の算定においては本件保証債務の額を控除すべきであると主張するが、本件保証債務の主たる債務者は、①本件相続開始日において破産、和議、会社更生及び強制執行等の手続開始等を受けることなく、営業活動を継続的に行っていたこと、②本件相続開始日の属する事業年度及びその前後の各事業年度における決算では、いずれも資産の額が負債の額を上回っており、債務超過の状態にはなかったこと、及び③本件相続開始日の前後における本件借入金の返済については、ほぼ毎月滞ることなく返済していたことが認められることから、当該債務者が、本件相続開始日においてその債務を弁済することができない状態にあったとは認められない。したがって、本件保証債務は、本件相続開始日において相続税法第14条第1項に規定する確実と認められる債務には該当せず、本件保証債務の額を債務控除の対象とすることはできないから、本件保証債務の額を債務控除しなかった本件更正処分は適法である。(平14.10.10.沖裁(諸)平14-1)

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支部名
東京
裁決番号
平140039
裁決年月日
平成14年9月10日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
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要旨

○ 原処分庁は、法定相続人の甲が請求人に対して、甲が負担すべき本件債務等の金額として788,477円を支払ったのであり、甲が香典を受け取った上、これらの金額の支払を行った事実は認められないから、本件債務等の金額は788,477円である旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、①甲は、請求人と協議の結果、葬式費用等の金額を負担することになったこと、②甲は請求人に対し、請求人から請求された金額1,650,477円から請求人が既に受け取った香典代750,000円及び葬儀の後に行われた法会の際のお供物代112,000円を差し引いた788,477円を支払っていることからすれば、請求人が主張するとおり、本件債務等の金額は、原処分庁が認定した788,477円に香典代750,000円を加えた合計1,538,477円となる。(平14.09.10.東裁(諸)平14-39)

支部名
名古屋
裁決番号
平130094
裁決年月日
平成14年6月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人とそれぞれ持分2分の1でマンションを共有していたところ、相続開始日において請求人には賃貸料収入のうち2分の1に相当する部分について分配されるべき金額を受け取る権利(被相続人にとって未払金)があり、本件未払金の額を請求人の不動産所得に係る青色決算書を基礎として算出し更正の請求をしたもので、これは確実と認められる債務に該当する旨主張する。しかしながら、本件未払金の額は、青色決算書に記載した不動産収入金額から、減価償却費を除く必要経費、請求人の借入金の返済額及び請求人の定期積金等を形成している金額を除外した算出されているが、定期積金等の設定や賃貸料が入金されている普通預金口座の入出金の異動の状況からも、また、当該普通預金口座からの現金出金等についてはその使途の特定が困難であるとの請求人自身の答述からも、被相続人が分配されるべき金額のすべてを個人的に費消したとまでは認められず、青色決算書を基に未払金を算出することは、その算出方法に不確実性があるといわざるを得ず、請求人と被相続人との間の債権債務の存在までは認められない。そもそも青色決算書に基づかなければ算出できない未払金は、本件相続開始日において確実な債務とはいえず、請求人からは他に請求人と被相続人との間に債権債務の存在を示す資料等の提示もないことから、本件未払金は履行が確実な債務とは認められない。(平14. 6.25名裁(諸)平13-94)

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支部名
仙台
裁決番号
平130030
裁決年月日
平成14年6月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件土蔵に係る本件解体費用の額は、本件相続開始日現在、債務として確定していなくても、本件土蔵は既に倒壊の危険にあったものであり、当該債務の存在は確実と認められるから、相続税の課税価格の計算上、債務控除は認められるべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第13条《債務控除》及び同法第14条《控除すべき債務》に規定する控除すべき債務とは、被相続人の債務で相続開始の際現に存在し、相続又は遺贈により財産を取得した者の負担に属する金額であることを要するとともに、確実と認められる債務でなければならない旨規定している。そして、確実と認められる債務とは、債務の存在のみならず履行の確実と認められる債務をいうと解されている。そうすると、本件解体費用の額は、本件相続開始日以後において新たに発生した債務であると認められるから、本件相続開始日現在において現に存し、かつ、その履行が確実と認められる債務に該当しない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 6.21仙裁(諸)平13-30)

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支部名
東京
裁決番号
平130142
裁決年月日
平成14年1月31日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集No.63・523ページ

要旨

○ 請求人らは、本件保証債務は相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当し、債務控除の対象になる旨主張する。しかしながら、主たる債務者は債権者に対して借入金の返済を遅滞したことはなく、事業を継続していること、及び債権者は競売等の強制換価手続をしたり抵当権の実行を迫った事実ももないこと等から、本件相続開始日において本件保証債務が相続税法第14条第1項に規定する確実と認められる債務に該当しないから、本件保証債務は債務控除の対象とはならない。(平14. 1.31東裁(諸)平13-142)裁決事例集NO63・523ページ

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支部名
東京
裁決番号
平130116
裁決年月日
平成13年12月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集No.62・412ページ

要旨

○ 請求人らは、民法上、遺言の執行に関する費用は相続財産の負担とするとされており、本件遺言執行費用は、相続税の課税価格の計算上取得財産から控除することができる旨主張する。しかしながら、相続税法第11条の2に規定する財産には、積極財産のみが含まれ、本件遺言執行費用である消極財産は含まれないと解するのが相当であり、さらに、本件遺言執行費用は、本件弁護士と請求人らの合意に基づき本件相続の開始後に発生するものであるから、本件被相続人の債務でもなく、相続の際に現に存する債務でもないし、また、本件被相続人に係る葬式費用でないことはいうまでもないから、相続税法13条規定する相続財産から控除の対象になる債務には当たらない。以上のとおり、本件遺言執行費用は、相続税の課税価格の計算上取得財産から控除することはできない。(平13.12.25東裁(諸)平13-116)裁決事例集NO62・412ページ

支部名
仙台
裁決番号
平130010
裁決年月日
平成13年12月20日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人の本件保証債務は、主たる債務者である関係会社が長期間債務超過の状態が継続し、実質的には破たんしているため、保証債務の履行は免れず、また、請求人らが保証債務を履行しても求償権の行使ができないから、相法第14条第1項に規定する確実と認められる債務に該当する旨主張する。ところで、保証債務は、保証人において将来現実にその債務を履行するか否か不確実であるばかりでなく、仮に将来、その債務を履行した場合でもその履行による損失は、法律上は主たる債務者に対する求償権の行使によって補てんされるので、原則としては「確実と認められる」債務には当たらないが、主たる債務者が弁済不能にあたるため保証人がその債務を履行しなければならない場合で、かつ、主たる債務者に求償しても返還を受ける見込みがない場合には、例外的に「確実と認められる」債務に当たると解すべきである。そして、債務者(主たる債務者)が弁済不能の状態にあるか否かは、一般には破産、和議、会社更生あるいは強制執行等の手続開始を受け、又は事業閉鎖、行方不明、刑の執行等により、債務超過の状態が相当期間継続しながら、他から融資を受ける見込みもなく、再起のめどが立たない等の事情により、事実上債権の回収ができない状況にあることが客観的に認められるか否で判断すべきであると解するのが相当であるところ、本件においては、主たる債務者である関係会社は、(1)相続開始日現在において、事業活動や金融機関との金融取引も継続していること、また、(2)事業閉鎖の状態に陥ったり、強制執行や会社更生の申立て等を受けた事実もなく、(3)相続開始日を含む決算期には経常利益を計上していること等の事実が認められることからすると、相続開始日現在において、金融機関等の主たる債務者である関係会社に対する債権が事実上回収できない状況にあることが客観的に認められるとはいえず、主たる債務者である関係会社が弁済不能の状態であったことは認めることはできないから、本件保証債務は、確実と認められる債務には該当せず、相続税の課税価格の計算上債務控除することはできない。(平13.12.20仙裁(諸)平13-10)

支部名
名古屋
裁決番号
平130023
裁決年月日
平成13年11月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、法人の貸付金が回収不能になった原因は法人の代表取締役であった被相続人の責任であるから、同人は法人に対し取締役としての損害賠償責任が存するとして相続税の課税価格の計算上、本件債務は債務控除に該当する旨主張する。しかしながら、本件貸付けは法人の事業として行われ、被相続人は本件貸付けについて代表取締役の責任を遂行し、法人は取引先から金銭の貸付けによる利息収入を得ているのであるから、被相続人に故意又は過失による善管注意義務及び忠実義務に違反した行為はなかったものと認めるのが相当である。そうすると、被相続人に損害賠償責任は発生していないのであるから、本件債務を相続税の課税価格の計算上債務控除することはできない。また、請求人らの主張に沿うような本件保証書及び本件確認書は、その作成の経緯が極めて不自然である上、本件和解調書は、本件債務の計上を目的としてされたものであると認められるから、本件債務は、相続開始日に成立していたとは認めがたく、本件債務をもって相続開始日において現存した確実な債務とは認められない。(平13.11.27名裁(諸)平13-23)

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支部名
沖縄
裁決番号
平130005
裁決年月日
平成13年10月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続開始後、甲が建物取壊工事を締結した金額について、被相続人が建物の取壊工事を予定し、更に取り壊した建物及び建築する家屋も甲所有でないので被相続人の債務として認めるべきであると主張する。しかしながら、相続税法第13条は、相続又は遺贈に困り財産を取得した者が、その取得した財産の課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から、被相続人の債務で相続開始の際現に存するものを控除した金額による旨規定しており、更に同法第14条は、当該控除すべき債務は確実と認められるものに限定している。そして、「確実と認められる債務」とは、債務の存在のみならず履行が確実と認められる債務をいい、相続開始の際に当該債務が確定しているか、少なくとも被相続人の債務として、客観的に認められることが必要であると解されている。本件においては、相続開始の際に被相続人は建物の取壊工事の工事請負契約を締結しておらず、そもそも被相続人に対して「確実と認められる債務」が存在していないから、請求人の主張は採用できない。(平13.10.25沖裁(諸)平13-5)

支部名
東京
裁決番号
平120203
裁決年月日
平成13年6月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人から譲受けた市街化調整区域内の土地等の価格につき、請求人が依頼した不動産鑑定士の評価価格(取引事例比較法)であって適正な時価であるから本件譲受けは低額譲受に該当しない旨主張する。しかしながら、不動産鑑定士が採用した取引事例1件には、種々の不適格な点が認められるため、その評価価格は課税時期の適切な時価を表しているとは認められない。他方、原処分庁が採用した取引事例比較法については、本件土地の特殊性が考慮され、取引事例の選定方法、時価の算定方法にも基本的な合理性が認められるため、その方法の一部を修正したところで時価を算定することとし、その算定額は更正処分に係る時価を上回っているので、原処分は相当である。(平13.6.29東裁(諸)平12−203)

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支部名
関東信越
裁決番号
平120107
裁決年月日
平成13年5月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400503050
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/5贈与義務
事例集登載頁
裁決事例集No.61・560ページ

要旨

○ 請求人は、本件贈与証による1億円の贈与義務(以下「本件債務」という。)が相続開始の際に現に存する債務であり、相続財産の価額から控除すべき金額であったと主張するが、贈与者である被相続人と受贈者の代理人間での交渉が相続開始の時点までに終了していたとはいえないから、本件債務に係る贈与契約が成立していたとは認められず、相続開始後に取り交わされた基本合意書をもって双方の意思確認が行われ贈与金額が成立していたものと認められることから、本件債務は相法第13条第1項及び同法第14条第1項に規定される相続開始の際に現に存する確実な債務に該当しない。(平13.5.30関裁(諸)平12−107)裁決事例集NO61・560ページ

支部名
東京
裁決番号
平120168
裁決年月日
平成13年5月29日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国内に住所を有しない相続人が被相続人の生前に海外電信送金により贈与された現金(以下「本件現金」という。)について、国内に所在しない財産であるから、相続税の課税対象にならない旨主張する。しかしながら、本件現金については、被相続人が国内の銀行において外国為替による送金の手続を行っているから、本件現金は相続税法の施行地に所在する財産に該当し、かつ、当該相続人は本件現金を相続開始前3年以内に贈与により取得したから、本件現金を相続税の課税対象とした原処分は相当である。(平13.5.29東裁(諸)平12−168)

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支部名
大阪
裁決番号
平120099
裁決年月日
平成13年5月9日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件保証債務が本件相続開始時点で確実な債務であった旨主張するが、主たる債務者が原処分庁に提出した法人税確定申告書によれば、主たる債務者は、本件相続開始以降、継続して営業活動を行っていたことが認められ、また、主たる債務者の銀行取引停止は本件相続開始後5年経過していることから、本件保証債務は、相続開始の際、「確実と認められる債務」と認められず、請求人の主張には理由がない。(平13.5.9大裁(諸)平12−99)

支部名
仙台
裁決番号
平120026
裁決年月日
平成13年4月25日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件生命保険金から弁済した債務について、本件被相続人の債務で相続開始の際現に存するもので、かつ確実と認められる債務に該当するから、原処分庁が債務控除できないとして行った本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人らは、被相続人の死亡に係る相続の限定承認の申述を申立て、これが受理されており、請求人らが本件生命保険金から弁済した債務は、相続財産を超過した債務であるから、確実と認められる債務には該当しないから、相続税の課税価格の計算上債務控除することはできない。(平13.4.25仙裁(諸)平12−26)

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支部名
沖縄
裁決番号
平120003
裁決年月日
平成13年4月17日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、主たる債務者である会社が債務超過の状態にあることが既に明白で、弁済不能、求償権行使不能の状態にあり、本件保証債務は「確実と認められる債務」に該当するから、課税価格の計算上債務として控除すべきであり、また、その担保として提供されている不動産は実質的な所有権(財産処分権及び処分代金の受領権)がなく、不動産の評価額から保証債務の金額を控除して評価額はゼロとして評価すべきであると主張する。しかしながら、会社が事業の閉鎖や強制執行等を受けた事実は認められず、会社は、現在に至るまで、銀行取引も継続的に行われ、事業も通常どおり営業しており、弁済不能の状態と認められないので「確実と認められる債務」に該当しないため、保証債務は課税価格の計算上債務控除することができず、また、相続開始の時において、会社が上記のとおり弁済不能の状態にあるとは認められない以上、担保権の設定されている土地等については、担保権が設定されていないとした場合の評価額により評価することになる。(平13.4.17沖裁(諸)平12−3)

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支部名
大阪
裁決番号
平120092ほか 1件
裁決年月日
平成13年3月29日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
業種
会社員、一般貨物自動車運送
事例集登載頁
裁決事例集No.61・512ページ

要旨

○ 原処分庁が相続開始前3年以内に被相続人から相続人に贈与されたと認定した相続人等の名義の本件各定期預金は、そもそも被相続人に帰属していたものでないから、本件更正処分は課税要件事実を欠く違法なものといわざるを得ない。(平13.3.29大裁(諸)平12−92)裁決事例集NO61・512ページ

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支部名
東京
裁決番号
平120099
裁決年月日
平成13年3月9日
裁決結果
棄却
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件金員には遺留分減殺請求による弁償額以外の性格のものが含まれている旨主張するが、本件調停申立事件の相手方は、一貫して、請求人の主張を不合理である旨申し立てていたのであるし、また、本件調停においても、本件相続に係る遺留分の価額弁償として本件金員を支払うものとされ、この中に請求人の主張する性格の金員が含まれていることについて何ら記載されていない。以上によれば、請求人と相手方との間において、請求人の主張する金員の支払いについて、遺留分の価額弁償に加算して支払う旨の合意が成立したと認めることはできず、他に本件金員に遺留分減殺請求による価額弁償以外の性格の金員が含まれていると解すべき余地もないから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.9東裁(諸)平12−99)

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支部名
東京
裁決番号
平120099
裁決年月日
平成13年3月9日
裁決結果
棄却
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、喪主であるので葬式費用の全額を請求人の取得した財産の価額から控除すべき旨主張する。しかしながら、葬式費用はこれを負担した者の課税価格の計算上控除されるものであるところ、葬式費用の領収書の保管状況によれば、請求人がこれを負担したと認めるに足りる証拠はなく、むしろ、その全額を負担したのは相手方と認められる。ところで、社会通念上、葬儀に際し直接的に要した費用が葬式費用として供与される範囲であり、香典返しに関し支出する費用は、葬儀に際し直接的に支出するものでなく、社交上の必要により支出されるものであるから、葬式費用に含まれないとみるのが相当であるから、香典返しの品物代金及び香典返しに係るあいさつ状の印刷代金を負担したとしても、これを本件被相続人に係る葬式費用として控除することはできない。(平13.3.9東裁(諸)平12−99)

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支部名
大阪
裁決番号
平120066
裁決年月日
平成13年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
業種
会社役員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から控除していなかった保証債務をその後の遺産分割に係る調停によって承継したもので、当該調停は通則法第23条第2項第1号に規定する更正の請求事由に該当する旨、更に当該保証債務が相法第13条14条に規定する相続財産から控除すべき債務として認められるべきである旨主張した。しかしながら、本件更正の請求は通則法第23条第2項第1号の更正の請求の事由に該当しないから、当該保証債務が相法第13条14条に規定する相続財産の価額から控除すべき債務であるか否かを論ずるまでもなく、請求人の主張は採用することができない。(平13.2.27大裁(諸)平12−66)

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支部名
大阪
裁決番号
平120067
裁決年月日
平成13年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から控除していなかった保証債務を、その後の遺産分割に係る調停によって相続人の一人である兄Aが承継したもので、このことは通則法第23条第2項第1号の請求事由である「判決」に該当する、更に当該保証債務は相法第13条14条に規定する相続財産から控除すべき債務として認められるべきである旨主張した。しかしながら、当該保証債務はAが全額承継したもので、請求人は一切承継しておらず、更正の請求をすべき理由がないから、請求人の主張を認めることはできない。(平13.2.27大裁(諸)平12−67)

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支部名
関東信越
裁決番号
平120084
裁決年月日
平成13年2月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件借入金について、被相続人所有の山林に保育等を行った実績に対する事後融資であり、その借入期間が長期間にわたることから、借入れ当時の被相続人の年齢では債務者適格性に欠けるため、やむをえず請求人の名義を借用して借り入れたものであり、実質的には被相続人の債務であるから全額債務控除すべきであると主張し、原処分庁は、本件借用書の記載及び本件借入金を被相続人が費消した事実が明らかでないことから、その名義に反して、実質的に被相続人の債務であると認めることはできないと主張する。しかしながら、本件借入金については、債務者として不適格であっても、その者の所有する山林について保育実績があれば、名義人を問わず、融資の対象となり得ることから言えば、本件借入金の全額が請求人名義となってはいるものの、実質的に言えば、被相続人の所有する山林に保育を実施した部分については被相続人の債務と認めるのが相当であることから、本件借入金のうち被相続人の所有する山林に保育を実施した部分については、債務控除すべきである。(平13.2.20関裁(諸)平12−84)

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支部名
関東信越
裁決番号
平120084
裁決年月日
平成13年2月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件ワリコーの購入資金について、請求人が被相続人に預けていたアパート収入の返還を受けたものを原資としていること、また、被相続人の医療費及び孫の学資等の支払が本件購入資金からなされていることから、本件購入資金を相続開始前3年以内の贈与財産として相続財産に加算した本件更正処分は違法である旨主張するが、請求人らは、被相続人が保有していた預金に加算した本件更正処分は違法である旨主張するが、請求人らは、被相続人が保有していた預金から本件相続開始日までに本件払戻金を払い戻し、その一部を本件ワリコーの購入資金の一部に充て、残額を本件相続開始日現在、現金で保有していたことが推認され、さらに、本件相続開始日以後の本件ワリコーの購入については、新たに購入又は買増しするに当たり、本件ワリコーを購入するための資金が本件払戻金以外の資金から調達されたものであることをうかがわせる証拠資料等もないことからすると、本件払戻金のうち、少なくとも、本件購入資金は、本件相続開始日現在において、本件ワリコーの一部及び現金として、被相続人の相続財産に加算するのが相当であると認められる。なお、原処分庁は、本件購入資金を被相続人に係る相続開始前3年以内に請求人が被相続人から贈与により取得したものに該当するとしているが、請求人は、被相続人の了解を得て本件払戻金を払い戻しただけで、本件購入資金から本件ワリコーの一部を購入し、本件相続開始日において、本件購入資金の一部を現金で保有していたものと推認されることからすれば、本件購入資金は被相続人の本来の相続財産と認めるのが相当である。(平13.2.20関裁(諸)平12−84)

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支部名
大阪
裁決番号
平120049
裁決年月日
平成13年1月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
業種
不動産貸付
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件遺産分割協議書で請求人の妹が相続放棄しているにもかかわらず、原処分庁は、本件損害保険契約に関する権利及び本件構築物を未分割財産に該当するとして、事実誤認している旨主張するが、請求人の妹が本件分割協議の記載以外の財産につき相続放棄しているとは認められず、また、本件申告漏れ財産については、本件遺産分割協議書に記載がなく、未分割財産に該当することから、請求人の主張には理由がない。(平13.1.30大裁(諸)平12−49)

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支部名
大阪
裁決番号
平120037
裁決年月日
平成12年12月18日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
業種
会社役員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件連帯保証債務について、主たる債務者である法人が倒産状態にあり、弁済不能であるから確定的債務に該当する旨主張するが、当該法人は、相続開始後においても事業所を閉鎖することなくその事業を継続し、金融機関との正常な取引が継続していることが認められ、主たる債務者が弁済不能の状態にあるとは認められないから、本件連帯保証債務は、確定的債務といえず、債務控除の対象とすることができない。(平12.12.18大裁(諸)平12−37)

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支部名
関東信越
裁決番号
平120056
裁決年月日
平成12年11月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 本件は、同族会社の役員であった被相続人の当該法人の借入債務に係る連帯保証債務が、相続税の課税価格の計算上、債務控除できるか否かが争われた事案である。請求人は、当該法人は多額の債務を抱えており、債務返済能力がなく、仮に、保証人が保証債務を履行し、求償権を行使しても返還される見込みもないので、債務控除を認めるべきである。また、法法第132条の同族会社の行為計算否認の規定からみても、経済的に会社と代表者個人は一体であり、当該会社の債務はまさしく被相続人の債務であると主張する。しかしながら、当該法人は、相当期間債務超過の状態にあるものの、破産、和議等の手続開始を受けることも、事業閉鎖等の事実もなく、営業活動を継続しており、本件相続開始時前後を通じて継続的に金融取引が行われていることが認められることからすると、本件相続開始時前後において当該法人が債務超過の状態にあったことは認められるものの、当該法人が、破産等したり、あるいは、事業閉鎖等により債務超過の状態が相当期間継続しながら、他からの融資を受ける見込みもなく、再起の目途が立たないなどの事情によりおよそ債権の回収ができない状況にあるとは客観的に認めることができず、したがって、当該法人の債務超過を理由に、被相続人が連帯保証人として本件保証債務の履行を求められる状況にあったとしても、本件相続開始時において、被相続人が当該法人に求償権を行使しても返還を受ける見込がないものとは必ずしもいえないというべきであるから、請求人の主張を採用することはできない。また、法法第132条の規定は、租税回避を是正し、負担の適正化を図るための規定であり、自己の利益のためその法人格を自ら否認することは許されないというべきであり、請求人の主張を採用することはできない。(平12.11.30関裁(諸)平12−56)

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支部名
名古屋
裁決番号
平110115
裁決年月日
平成12年6月29日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人が行った物上保証に係る債務者甲の債務については債務控除の対象とならない旨主張する。しかしながら、甲は、相続開始現在において、債務超過の状態が相当期間継続し、他からの融資を受ける見込みもなく、再起の目途が立たないことから、弁済不能の状態にあったということができる。また、相続人らが当該債務を代位弁済しなければ、抵当権の実行が行われることとなるのは当然に予想され、かつ、甲に求償しても、もはや、返還を受ける見込みがないと認められる。よって、被相続人が行った物上保証に係る甲の債務については、相続税の課税価格に算入された当該担保物件の価額を限度として、債務控除の対象とすべきである。(平成12. 6.29名裁(諸)平11-115)、(平成12. 6.29名裁(諸)平11-116)

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支部名
名古屋
裁決番号
平110112
裁決年月日
平成12年6月23日
裁決結果
棄却
争点番号
400501990
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
事例集登載頁
裁決事例集 №59・262ページ

要旨

○ 請求人は、被相続人のすべての財産を請求人に遺贈する旨記載された遺言書が存在するが、他の相続人から当該遺言の無効の主張及び遺留分減殺請求の意思表示があり、遺産分割の家事審判が係属中の場合は、法定相続分の割合に従ってその課税価格を計算するべきである旨主張するが、①請求人は、当該遺言書の検認時に、それが被相続人の自書と押印によるものである旨陳述していること、②請求人は、遺贈の放棄をしていないこと及び③当該遺言の効力につき訴え等は提起されていないことが認められること等を考慮すれば、原処分庁が請求人は被相続人のすべての財産を遺贈により取得したものとし、かつ、遺留分減殺請求がなかったものとしてその課税価格を計算したところにより更正処分をしたことは適法である。(平12. 6.23名裁(諸)平11-112)裁決事例集 №59・262ページ

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支部名
札幌
裁決番号
平110028
裁決年月日
平成12年4月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が相続し、請求人がその相続開始後に決済し支払った取引に係る支払委託手数料及び支払委託手数料に対する消費税相当額(以下「消費税相当額」という。)等は、相続開始の時において支払が確定していないので、相法第13条第1項第1号に規定する相続開始の際において現に存する債務には当たらない旨主張する。しかしながら、A社は、委託者である被相続人から受託した取引について、商法上の問屋としての業務を執行しているのであるから、当該取引には、被相続人に対する報酬及びその付随費用の請求債権が、課税時期までに既に発生していると認められる。そうすると、支払委託手数料及び消費税相当額については、課税時期において、その金額も算定できると認められることから、被相続人の現に存する確実な債務とするのが相当である。また、取引所税相当額は、取引が成立した場合において課せられるものであるから、既に成立している新規取引分は確実な債務として確定していることが認められるが、決済取引分については、課税時期において未だ取引が成立しておらず、確実な債務とは認められない。したがって、決済取引分の取引所税相当額は債務控除することができないが、支払委託手数料、消費税相当額及び新規取引分の取引所税相当額については、債務控除すべきである。(平成12. 4.27札裁(諸)平11-28)、(平成12. 4.27札裁(諸)平11-29)

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支部名
札幌
裁決番号
平110028
裁決年月日
平成12年4月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503040
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/4公租公課
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人が行っていた決済未了の取引について、その相続した本件取引に係る財産は、請求人によって、被相続人の生前の意思に従い、被相続人の死亡後、可及的速やかに決済されたのであるから、請求人の当該決済行為は被相続人の決済行為とみなすべきであり、それに伴い発生した所得も被相続人に帰属する雑所得となるのであるから、当該雑所得に対応する所得税額は、相続税の課税価格の計算上、債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人は、当該決済行為が行われた時点では既に死亡していたのであるから本件取引の決済という法律行為の当事者とはなり得ず、さらに、被相続人の死亡後に請求人によって決済のために必要な手続きが進められたことからすると、当該決済行為をもって被相続人の行為とみることはできず、したがって、当該決済によって生じた所得は請求人に帰属する雑所得であり、当該雑所得に対応する所得税額を被相続人に帰属する債務として債務控除することはできない。(平成12. 4.27札裁(諸)平11-28)、(平成12. 4.27札裁(諸)平11-29)

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支部名
金沢
裁決番号
平110010
裁決年月日
平成12年3月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、同族会社の借入金については被相続人の保証債務であり、同族会社は①消極財産が積極財産より多く、債務超過の状態が続いている②金融公庫等への借入申込を断られているから、同族会社への求償権の行使は不可能である旨主張する。ところで、保証債務については、確実な債務とは認められないため、債務控除の対象となる債務には該当しないが、主たる債務者が弁済不能の状態にあるため、保証人がその債務を履行しなければならない場合で、かつ、主たる債務者に求償しても返還を受ける見込みがない場合債務控除の対象とすることができると解されている。また、弁済不能の状態にあるか否かについては、一般に主たる債務者が破産、和議、会社更生あるいは強制執行等の手続開始を受け、又は、事業閉鎖、行方不明、刑の執行等により債務超過の状態が相当期間継続し、ほかから融資を受ける見込みもなく、再起の目途が立たないなどの事情により、事実上債権の回収ができない状況にあることが客観的に認められるか否かで判断すべきであると解される。本件についてみると、①相続開始日現在において、同族会社は破産等による事業の閉鎖等の事実はなく、事業は継続していること②相続開始日以後において、本件借入金の返済及び新規借入金の発生が認められることから、相続開始日現在において、同族会社が弁済不能なことが確実な状態にまで至ったことを認めることができないので、請求人らの主張は採用することができない。(平成12. 3.27金裁(諸)平11-10)

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支部名
金沢
裁決番号
平110010
裁決年月日
平成12年3月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、被相続人の土地の譲渡時において相続人の建物が建っており、譲渡の際に相続人に立退料を支払っているものの、その立退料の一部が未払いである旨、また、譲渡の際にその建物を撤去し、その撤去費用を請求人が負担しているが、本来、撤去費用は被相続人が負担すべきものであることから、被相続人に債務が存在する旨主張する。しかしながら、立退料の未払金については、被相続人と相続人との「覚書き」によれば、立退料の金額は、建物の償却後の残存価額とすることとし、立退料の決済方法は、同族法人に対する貸付金(債権譲渡)をもって充当すると記載されており、同族法人の借入金勘定には、原処分庁が主張する金額をもって借入金の相手先が振り替わっていることからすると、請求人らの主張には理由がない。また、撤去費用については、①その譲渡代金が同族法人の口座に一旦入金され、その譲渡代金から撤去費用が支出されていると認められること②同族法人の前関与税理士が譲渡代金から撤去費用を支出したと答述していることからすると、請求人らの主張には理由がない。(平12. 3.27金裁(諸)平11-10)

支部名
関東信越
裁決番号
平110052
裁決年月日
平成12年1月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、定期借地権契約に基づいて預託を受けている保証金債務について、同契約が借地人の側から常時解約できること、いわゆる建設協力金の場合と何ら変わらないことなどを理由に、その全額を債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格の計算上、控除すべき債務の金額は、相続開始の時において現存し、確実な債務について、その時の現況により評価することと規定されており、本件各保証金は長期無利息であることから、定期借地権の価額は借地人に帰属する経済的利益の総額と残存期間年数により評価し、その経済的利益の総額を算定するに当たり年6パーセントの複利現価率を用いる関係上、通常利率として相当と認められる年6パーセントで運用した場合の原資に相当する金額を債務控除の額とするのが相当と認められるところ、請求人の主張する借地契約の解約自由は、課税時期における現況による債務の額の算定に何ら影響を与えず、また、いわゆる建設協力金とは、その趣旨、目的、地代との対応関係などが異なるから、本件にそのまま適用することはできない。また、請求人の主張するその他の理由も、本件各保証金債務の評価について上記原則的な方法を取らないとすべき理由はない。(平成12. 1.19関裁(諸)平11-52)

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支部名
東京
裁決番号
平110075
裁決年月日
平成12年1月19日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501990
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、第二次遺産分割協議によって本件定期預金の2分の1を取得した旨主張する。 しかしながら、相続財産の分割は、いかなる場合でも全相続財産を一括して行わなければならないものではないから、その一部の分割も許されるが、特に既になされた分割がその一部の分割と認められない限りは、その分割当時において相続人全員が相続財産と認識している財産全部について分割が行われたと解するのが相当であるところ、請求人は、本件相続開始日に本件定期預金の解約を他の共同相続人に依頼し、その共同相続人は、その依頼に基づき同人の妻とともに同預金の解約を行った上、その解約金を請求人に渡しており、さらに、請求人らは、本件申告書においてA普通預金の払戻金額8,000,000円を手元現金として記載していることからも明らかなとおり、本件定期預金については本件相続開始日に預金あるいは手元現金として存在していたことを十分認識していたというべきである。そうすると、請求人らは、本件定期預金が本件被相続人の相続財産であることを認識した上で、第一次遺産分割協議を行ったと認めるのが相当であるから、同預金については、第一次遺産分割協議によって請求人がそのすべてを相続により取得したと認めるのが相当である。(平12. 1.19東裁(諸)平11-75)

支部名
名古屋
裁決番号
平110051
裁決年月日
平成11年12月22日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続開始後に関係法人の借入金の返済等に充てられた金額が被相続人の負担する保証債務の履行としてなされたものであるとして、当該金額を相続税の課税価格の計算上債務控除の対象とすべきである旨主張するが、当該関係法人は本件相続の開始日においてその債務を弁済することができない状態にあったとは認められず、したがって、被相続人が関係法人のために負担する保証債務は、本件相続の開始日において「確実と認められる」債務には該当しないから、当該金額を債務控除の対象とすることはできない。(平11.12.22名裁(諸)平11-51)

支部名
名古屋
裁決番号
平110037
裁決年月日
平成11年11月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続財産である土地に設定された根抵当権に係る物上保証は相続税の課税価格の計算上債務控除の対象とされるべきである旨主張するが、本件においては、当該根抵当権によって担保される債務について、相続開始日における金額はもとより、相続開始日における存在自体が確実でないと認められるのであるから、求償権行使不能等の当否について判断するまでもなく、請求人らの主張には理由がない。(平11.11.30名裁(諸)平11-37)

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支部名
名古屋
裁決番号
平110012
裁決年月日
平成11年9月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件建物の売買代金として、売主である関係会社に対して概算で50,000,000円を支払ったが、いまだ精算がなされておらず、同社に対して支払うべき未払金が約10,000,000円存在するので、この未払金を債務控除の対象とすべきである旨主張する。しかしながら、本件売買契約では、売買代金をとりあえず50,000,000円とし、後日精算することとしているものの、①当該関係会社の経理では、本件建物の譲渡価額を50,000,000円と認識し、本件相続の開始以前に清算損失(固定資産売却損)を計上していること、②本件売買契約当時、当該関係会社の清算人であった請求人は、この経理処理を十分承知していたと推認されること、③請求人からは、本件建物の売買に係る未払金の存在を明らかにする資料の提出がなく、他にこの事実を認めるに足る証拠もないことから、請求人が主張する本件建物の売買に係る未払金の存在を認めることはできない。(平11. 9.27名裁(諸)平11-12)

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支部名
東京
裁決番号
平100159
裁決年月日
平成11年4月21日
裁決結果
棄却
争点番号
400503010
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/1借入金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人の定期預金を担保とした銀行等からの各法人名義の借入金は両社と被相続人との生前の約束に係る借入金であり、被相続人が使用したものであるから、各法人名義であるが被相続人の借入金である旨主張する。しかしながら、借入金はいずれも各法人名義で借り入れ、利息等を控除後に仕入資金等として利用し、かつ、借入金として決算処理をしていること、また、請求人からは被相続人の借入金とする証拠の提出及び合理的な説明もないこと並びに借入金であると主張する一部がすでに貸倒処理されていること等から請求人の主張には疑問があり、いずれも相続開始の日に存し、かつ、確実な債務であるとはいえないから請求人の主張を認めることはできない。(平11. 4.21東裁(諸)平10-159)、(平11. 4.21東裁(諸)平10-160)

支部名
東京
裁決番号
平100153
裁決年月日
平成11年4月12日
裁決結果
棄却
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、相法第21条の2第4項の規定は、本来設けるべきでなかった欠陥条文であり、本件規定を根拠とした本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、相法第19条及び本件規定により、相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始の年と同一の年において、その相続に係る被相続人から贈与により取得した財産の価額については、相続税の課税価格に算入され贈与税の課税価格には算入しないこととされているので、当該贈与により取得した財産に係る贈与税額が生じる余地はなく、本件相続税の納付すべき税額の計算上控除すべき贈与税額がないこととなるとした本件更正処分並びに本件贈与税の課税価格及び納付すべき税額を零円とした本件減額更正処分は適法である。(平11. 4.12東裁(諸)平10-153)

支部名
名古屋
裁決番号
平100069
裁決年月日
平成11年3月15日
裁決結果
棄却
争点番号
400501990
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、家庭裁判所の審判に基づき、相続財産に代わる財産(代替財産)を取得したことから、相続税の課税価格の計算は、代替財産の買付価額とすべきである旨主張するが、代替財産は、相続開始後、相続財産の一部を解約し取得したものであり、相続税の課税価格の基となる財産は、相続開始時に存在し、その後、解約された財産(転換前財産)であり、この転換前財産の相続開始時の価額が課税価格となる。(平11. 3.15名裁(諸)平10-69)

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支部名
関東信越
裁決番号
平100069
裁決年月日
平成11年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集 №57・429ページ

要旨

○ 請求人は、本件立退料支払債務は確実と認められる債務であるから、債務控除を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件各合意契約により本件各土地についての賃貸借契約を解除し、これらの土地に設定されていた借地権を買い戻すことが合意されたのは、本件相続開始後であることが明らかであるから、これらの土地に係る本件立退料支払債務は、本件相続開始の時点において被相続人の債務として現存していたということはできない。(平11. 2.19関裁(諸)平10-69)裁決事例集 №57・429ページ

支部名
大阪
裁決番号
平100047
裁決年月日
平成10年12月10日
裁決結果
棄却
争点番号
400505000
争点
5相続税の課税価格の計算/5未分割遺産に係る課税価格
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被相続人は亡夫の遺産を具体的かつ確定的に取得していないものと解すべきであるから、被相続人が本件相続分相当額を取得したものとして、当該金額を本件相続税の課税価格の計算の基礎に算入してされた本件決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、被相続人が相続により取得した亡夫の遺産に対する共有持分は相法第11条の2に規定する「財産」に該当することころ、被相続人の遺産についても分割協議が成立していないのであるから、被相続人が有していた亡夫の遺産に対する共有持分を含む被相続人の相続財産については、本件相続に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入した上、被相続人の共同相続人が法定相続分の割合に従って取得したものとみなして課税価格を計算することとなる。(平10.12.10大裁 (諸) 平10-47)、(平10.12.10大裁 (諸) 平10-48,49)

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支部名
大阪
裁決番号
平100025
裁決年月日
平成10年11月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400504000
争点
5相続税の課税価格の計算/4相続開始前3年以内の贈与
事例集登載頁
裁決事例集 №56・328ページ

要旨

○ 請求人らは、包括受遺者との協議により作成された本件合意書によって、請求人らが相続財産の全てを相続により取得することになったのであり、また、本件合意書と同日付で作成された本件覚書によって、被相続人の本件法人に対する貸付金は存在しないことを請求人らと包括受遺者との間で確認したのであるから、当該貸付金を包括受遺者が遺贈により取得したと認定の上、包括受遺者が被相続人から生前に贈与を受けた財産の価額を相続税の課税価格に加算するのは誤りである旨主張する。しかしながら、当該貸付金は相続開始時点において存在し、相続財産を構成するものであって、さらに、請求人らと包括受遺者との間で作成された本人合意及び本件覚書によって、当該貸付金は包括受遺者が遺贈により取得すると解するのが相当である。そうすると、包括受遺者は相法第19条に規定する「相続又は遺贈により財産を取得した者」に該当するから、同条を適用して被相続人から同人への生前贈与財産の価額を本件相続に係る相続税の課税価格に加算した原処分は適法である。(平10.11. 5大裁 (諸) 平10-25)裁決事例集 №56・328ページ

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支部名
福岡
裁決番号
平090030
裁決年月日
平成10年6月23日
裁決結果
棄却
争点番号
400501010
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/1代償分割
事例集登載頁
裁決事例集No55・452ページ

要旨

○ 請求人らは、被相続人の先代の共同相続人の一人から取得した代償債権の評価の時期は、相法第55条の規定から、先代の相続開始の日とすべきである旨主張するが、本件相続に係る分割協議は、請求人らの間で有効に成立しており、先代の不動産に係る法定相続分については、請求人らの相続分が確定し、本件相続に係る財産には未分割の財産は存在しないのであるから、同条の規定の適用はなく、また、請求人らは、本件調停によって本件被相続人に代位して代償債権を取得したのであり、本件被相続人が先代から相続により取得したものを、本件被相続人の死亡を原因として、この時点で代償債権を本件被相続人から取得したと解するのが相当であるので、その評価の時期は、同法第22条の規定により本件被相続人の相続開始の日とすべきである。(平10. 6.23福裁(諸)平 9-30) 裁決事例集No55・452ページ

支部名
仙台
裁決番号
平090054
裁決年月日
平成10年6月12日
裁決結果
棄却
争点番号
400503080
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/8葬式費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、葬式当日に行われた初七日法要は、いわゆる葬式に対する付け法要で、単なる名目に過ぎず、実態は法要ではないことから、その際の会食費用は、通常の葬式に伴う費用に当たる旨主張するが、初七日法要は、あらかじめ案内状を送付した招待者が出席し、終了後に会場を移して会食が行われ、その招待者は葬式の際の香典とは別に、御霊前等として施主に金員を贈与していることからすると、その会食が葬式と同じ日に行われたとしても、葬式とは別の仏事として行われたと認めるのが相当であり、そのための費用を相続税基本通達に定める「通常葬式に伴うもの」と認めることはできないことから、相法第13条第1項第2号の葬式費用に該当しないとした原処分は相当である。(平10. 6.12仙裁(諸)平 9-54)、(平10. 6.12仙裁(諸)平 9-55)

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支部名
大阪
裁決番号
平090098
裁決年月日
平成10年4月23日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、遺言に従い支払った遺言執行費用は、相続税の課税価格の計算上控除すべき債務となる旨主張するが、被相続人が生前、遺言執行者に遺言の執行を委任しこれに対して一定の報酬を支払う旨の合意があったとしても、当該受任者は、当該合意に基づいて遺言執行者の地位を取得するものではなく、遺言が効力を生じた後、遺言執行者に就任することを相続人に承諾することによってのみ遺言執行者の地位を取得することができるというべきところ、遺言は、遺言執行者を指定した部分を含め遺言者の死亡の時に初めてその効力を生ずるのであるから、生前における遺言執行者との合意は遺言執行者の指定を内容とする有償の委任契約としての効力を有しない。また、遺言執行者の指定の効力が生じた時点では既に被相続人が死亡しており、かかる死者との委任契約が生ずる余地はなく、被相続人が生前において自ら遺言執行費用を負担することはあり得ず、むしろ、遺言執行者に関しては委任に関する規定が準用され、遺言執行者と相続人の間は委任に準じた法律関係により律せられるものであるから、遺言執行費用を負担するのは相続人である請求人であり、相続財産から控除すべき債務には当たらない。(平10. 4.23大裁 (諸) 平 9-98)

支部名
関東信越
裁決番号
平090089
裁決年月日
平成10年4月7日
裁決結果
棄却
争点番号
400501020
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/2遺留分減殺請求により取得した金員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、遺留分減殺請求権の行使により受遺者から取得した価額弁償金は、受遺者の固有の財産から受領したものであり、被相続人の遺産から取得したものでないから、相続税の納税義務者に該当しない旨主張するが、請求人らは、被相続人が作成した本件遺言公正証書により請求人らの遺留分が侵害されたとして、受遺者に対し遺留分の減殺請求を行い、その結果、本件調停に基づき受遺者から遺留分の減殺請求による価額弁償金として、本件金員を受領したものである。そうすると、本件金員は、被相続人の死亡に基因して、被相続人から相続財産を承継したことになるから、請求人らは、相続税の納税義務者に該当し、その課税価格は、本件金員の額になると解するのが相当である。(平10. 4. 7関裁(諸)平 9-89)

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支部名
名古屋
裁決番号
平090068
裁決年月日
平成10年3月31日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400501990
争点
5相続税の課税価格の計算/1分割財産に係る課税価格/4その他
事例集登載頁
裁決事例集No55・425ページ

要旨

○ 請求人らは、被相続人の亡父名義の出資証券は、未分割財産であるから、被相続人の遺産とするのは、亡父の相続に係る被相続人の法定相続分に相当する部分である旨主張するが、被相続人の亡父に係る遺産分割協議書の記載から、本件出資証券は、被相続人が亡父から相続により取得したものと認められ、同出資証券の全部が被相続人の遺産と認められる。また、請求人らは、被相続人の亡父の相続人から、本件出資証券の遺産分割の申出がある旨主張するが、当審判所にその主張に沿う資料の提出がなく、また、別訴相続財産確認請求事件について、被相続人の亡父の相続人は応訴せず、同出資証券の全部が被相続人の遺産であるとの判決言渡しがあったことから、請求人らの主張には理由がない。(平10.3.31名裁(諸)平 9-68) 裁決事例集No55・425ページ

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支部名
名古屋
裁決番号
平090068
裁決年月日
平成10年3月31日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集No55・425ページ

要旨

○ 請求人らは、被相続人のAに対する未払金は、(1)被相続人とAの離婚の際に作成された念書にはAに対して生活費を支払う旨の記載があること及び(2)債務履行請求事件に係る判決及び同旨の和解に基づき、被相続人の相続人が連帯してAに未払金を支払ったことから、確実な債務に当たる旨主張する。しかしながら、(1)本件相続に係る被相続人の遺産分割調停事件において、本件未払金が被相続人の債務であるか否かが争われていること及び(2)被相続人がAに一時金を支払った際の領収証のただし書には、Aが終生分の生活費として受領したものである旨の記載があること等からすると、本件未払金は確実と認められる債務とは認められない。(平10. 3.31名裁(諸)平 9-68) 裁決事例集No55・425ページ

支部名
大阪
裁決番号
平090070
裁決年月日
平成10年3月6日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、被相続人が生前に譲渡した請求人A名義の株式の実質所有者は被相続人であり、Aに対する未払いの譲渡代金は存在しないことから、本件未払金は債務控除とならない旨主張する。しかしながら、(1)本件株式を譲り受けてから譲渡するまでの間、Aは株主名簿に登載されていたこと、(2)Aは本件株式に係る配当金を受け取り、配当所得として確定申告をしていること、(3)被相続人は本件株式を譲渡するに際して、Aから印鑑証明を添付した委任状を徴していること及び(4)Aは被相続人から本件株式の譲渡代金の一部を受領していること及び(5)Aは被相続人に対し未払金を請求している事実が認められるから、本件株式の実質所有者はAであると認められ、本件未払金は本件相続の課税価格の算定上債務控除の対象となり、原処分はその一部を取り消すべきである。(平10. 3. 6大裁 (諸) 平 9-70)

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支部名
名古屋
裁決番号
平090055
裁決年月日
平成10年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件契約手付金の性質は解約手付金であり、双方が契約の履行に着手するまでは、契約を任意に解除できるから、土地代金の一部には当たらず、本件相続開始時には本件売買契約の履行がなかったことから、本件契約手付金は被相続人の債務である旨主張する。しかしながら、本件契約手付金は、被相続人が受領したものであり、しかも、本件売買契約は相続開始当時解消されるような特段の事情があったとは認められず、相続開始後、請求人らのうち2人が残代金を受領し、本件契約手付金も返還されることなく売買が完結されたのであるから、本件契約手付金は、相続開始当時、被相続人が買主側に返還すべき預り金債務としての性格を有するものではなく、相続債務には属さない。(平10. 2.27名裁(諸)平 9-55)

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支部名
関東信越
裁決番号
平090044
裁決年月日
平成9年12月19日
裁決結果
全部取消し
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、(1)被相続人が死亡するまで本件慰謝料を支払わなかった理由が不明であるから、被相続人は本件慰謝料を支払うことを真意で了解して本件念書を作成したことは認められず、(2)被相続人は、本件念書により、同人が死亡したときは本件慰謝料の支払に代えて本件土地を請求人に相続させることを約束したものと推認されることから、本件慰謝料は確実な債務に当たらない旨主張する。しかしながら、本件慰謝料は存在する事実が認められ、その支払については、4千万円は本件小切手をもって実行されたと認められるものの、本件土地については、農地法第3条第1項又は第5条第1項の規定による許可又は届出がされた事実がなく、このことは、同法第3条第4項及び第5条第1項の規定により所有権移転の効力を生じないのであるから、同土地の所有権が移転していないことは明らかであり、本件慰謝料の残額については支払が実行されなかったと認めるのが相当である。したがって、本件慰謝料のうち、本件小切手の4千万円を差し引いた残額の1億6千万円は、相続財産の価額から控除すべき確実な債務と認めるのが相当である。(平 9.12.19関裁(諸)平 9-44)

支部名
名古屋
裁決番号
平080092
裁決年月日
平成9年6月30日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件保証債務は相続開始時点において被相続人の債務として現に存し、「確実と認められる」債務に該当するので、相続税の課税価格の計算上、債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、(1)金銭借用証書、和解調書及び本件保証債務を履行したとする領収書の内容に疑義があること、(2)請求人が本件保証債務履行のために借り入れたとする借入金の使途からみて、請求人が本件保証債務を履行したとは認められないこと、(3)本件保証債務の主たる債務者は求償権の行使が不能の状態にあったとは認められないことから、本件保証債務は、相続開始時点において、「確実と認められる」債務に該当せず、相続税の計算上、債務控除することはできない。(平 9. 6.30名裁(諸)平 8-92)

支部名
東京
裁決番号
平080227
裁決年月日
平成9年6月24日
裁決結果
棄却
争点番号
400502000
争点
5相続税の課税価格の計算/2相続税の非課税財産
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人が遺産分割で取得した相続財産のうち、同人の法定相続分の割合を超える部分の財産(本件超過財産)は、他の共同相続人から養子関係の離縁を請求された訴訟事件に係る裁判上の和解において慰謝料として取得したものであるから、本件超過財産に相続税を課税した更正処分は違法である旨主張するが、(1)本件超過財産は、和解により遺産分割の割合が合意され、調停において合意内容に沿った遺産分割が行われたものであること、(2)和解条項に慰謝料についての記載はなく、請求人が本件超過財産を慰謝料として取得するものであるとする内容は認められないこと、(3)請求人が精神的損害を受けたこと及びその賠償として支払われるとする事実は認められないことから、本件超過財産は慰謝料としてではなく、相続により請求人が取得したものと認められる。(平 9. 6.24東裁(諸)平 8-227)

支部名
東京
裁決番号
平080189
裁決年月日
平成9年4月24日
裁決結果
棄却
争点番号
400503990
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/9その他の債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件土地の宅地開発に係る費用の全額が被相続人に帰属する債務であるから、相続税の課税価格から控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該債務は、(1)被相続人ら4名の連帯債務になっており、各人の負担割合が特約等により明確にされていないこと、(2)当該費用の支出により、連帯債務者間で受けた利益の割合が不明であることから、各人が平等の割合により負担すべきものと解され、被相続人の債務は、その総額の4分の1とみるのが相当である。(平 9. 4.24東裁(諸)平 8-189)

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支部名
大阪
裁決番号
平080108
裁決年月日
平成9年3月31日
裁決結果
一部取消し
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、被相続人の債務控除の金額は、被相続人がA社の借入金の連帯保証人として、連帯保証債務の履行に伴い生じる債務の額及びA社が当該債務の一部を弁済するために行った借入金の合計額であり、被相続人が他の連帯保証人に対して求償権の行使をしていないことから、完済時までの債務の総額を被相続人の債務控除の金額とすべきである旨主張する。しかしながら、相法第13条に、債務控除の対象となる債務は、被相続人の債務で原則として相続の際に現に存するものである旨規定されており、また、民法第447条の規定からみても、被相続人が負うべき債務の範囲は、主たる債務に関する利息、違約金等に限られるものであるから、請求人らの主張は採用できない。(平 9. 3.31大裁 (諸) 平 8-108)

支部名
東京
裁決番号
平080148
裁決年月日
平成9年3月5日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、本件保証債務については、主たる債務者である法人が債務超過の状態にあり、被相続人が弁済を履行しなけらばならないことは確実であるから、相続税の課税価格の計算上債務控除として認められるべきである旨主張するが、当該法人は、相続開始日後においても、(1)法人の事業が継続していたこと、(2)金融機関との取引が継続していることが認められ、主たる債務者が弁済不能の状態にあるとは認められないから、本件保証債務は、確実と認められる債務とはいえず、債務控除の対象とすることはできない。(平 9. 3. 5東裁(諸)平 8-148)

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支部名
名古屋
裁決番号
平080025
裁決年月日
平成8年12月11日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集No52・113ページ

要旨

○ 請求人は、被相続人から相続した関係会社の借入金に対する連帯保証債務は、主たる債務者である関係会社が長期間債務超過の状況が継続しているために弁済は不可能であり、請求人の保証債務の履行以外に弁済の方法がなく、また、請求人が保証債務を履行しても求償権の行使ができないから、相法第14条第1項に規定する確実と認められる債務に当たる旨主張する。しかしながら、主たる債務者である関係会社は、相続開始当時において金融機関に対する債務を滞りなく返済しており、債務超過の状態にあった年においても金融機関から融資を受けていたこと、相続開始当時も継続して営業活動を行っており、事業の閉鎖等の事態が生じたり、強制執行や会社更生等の申立てを受けていなかったことが認められることからすると、主たる債務者である関係会社が弁済不能の状態であったとは認められず、請求人の主張は認められない。(平 8.12.11名裁(諸)平 8-25) 裁決事例集No52・113ページ、(平 9. 3. 5東裁(諸)平 8-148)

支部名
東京
裁決番号
平080034
裁決年月日
平成8年9月11日
裁決結果
棄却
争点番号
400503070
争点
5相続税の課税価格の計算/3債務控除/7保証債務
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人らは、相続により承継した保証債務は、主たる債務者が弁済不能の状態にあるから相続に係る債務控除を認めるべきである旨主張するが、相続開始日現在において主たる債務者は事業を継続しており、破産宣告、和議開始決定及び事業の閉鎖等の事実はなく、かつ、その後においても新規の借入金の発生又は借入金の返済等が認められ、いまだ弁済不能の状態に至っているとは認められないので、当該保証債務は、相続開始日において確実な債務とはいえず、相続に係る債務として控除することはできない。(平 8. 9.11東裁(諸)平 8-34)

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