裁決要旨 3相続税の課税財産の認定
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令070008
- 裁決年月日
- 令和7年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の長男及び二男(請求人長男ら)名義の各預金(本件各預金)に係る預入額について、請求人長男らに対する役員給与等から天引きをして預入れをしていたため、本件各預金の原資の出捐者は請求人長男らであること、また、請求人長男らは被相続人を信頼して本件各預金の管理を任せていたことから、本件各預金は請求人長男らに帰属し相続財産には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人長男らに対する役員給与等から本件各預金の預入額に係る天引きは行われておらず、被相続人に帰属する預金口座から預入れが行われていたことから、本件各預金の原資の出捐者は被相続人であると認められる。また、本件各預金の口座開設や預入額の変更等の手続は被相続人又は被相続人の指示を受けた被相続人の配偶者によって行われ、本件各預金に係る届出印は被相続人が管理していたことなどから、本件各預金の管理及び運用は被相続人が行っていたと認められる。したがって、本件各預金は被相続人に帰属する相続財産であると認められる。(令7.12. 9 仙裁(諸)令7-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令070002
- 裁決年月日
- 令和7年8月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らの一部の者の名義の預貯金等(本件家族名義預貯金等)には、①被相続人の妻(請求人妻)が原資を出えんしたもの、②請求人妻が被相続人から贈与を受けたものが含まれているから、本件家族名義預貯金等の一部は被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、請求人妻は、調査において、本件家族名義預貯金等の原資が被相続人の出えんによるものである旨申述しているところ、その申述内容及びその信用性並びに被相続人及び請求人妻の収入の状況等を考慮すると、被相続人は、本件家族名義預貯金等の原資の全額を出えんしたと認められる。また、各証拠資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によっても、請求人妻が被相続人から贈与を受けたことを認めるに足りる証拠はないから、被相続人の請求人妻に対する贈与の事実を認めることはできない。したがって、本件家族名義預貯金等の原資を出えんしたのは被相続人であり、請求人妻が贈与を受けていたとも認められないから、本件家族名義預貯金等は被相続人の相続財産であると認めるのが相当である。(令7. 8.20 関裁(諸)令7-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070014
- 裁決年月日
- 令和7年8月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人(本件被相続人)名義の預金口座からATMにより各出金(本件各出金)をして請求人名義の預金口座への入金をした金員(本件金員)について、本件被相続人から指示を受けて、請求人のFX口座に入金しFX取引を行っていたもの等であるから、相続財産はFX取引終了時の残高を本件被相続人及び請求人の拠出額であん分した額が正しい評価額である旨主張する。しかしながら、FX取引について本件被相続人の指示があったとした場合、請求人が、迂遠かつ証跡が残らないATMを用いた入出金という方法で3か月にわたり本件被相続人の各口座から現金を小出しに出金する一方で、当該現金をその都度FX取引の預託証拠金として利用していなかったことは、不自然不合理である。また、請求人のFX口座では、請求人の自己資金を用いたFX取引と本件被相続人の指示に基づくFX取引の各損益が区別して把握されていたことが認められないことに加えて、請求人が請求人のFX口座の預託証拠金を全額出金した際、本件被相続人の指示に基づく部分の預託証拠金が本件被相続人に返還されたとも認められない。そして、本件被相続人はFX取引に係る損失を申告していない一方で、請求人はFX取引に係る損失の全額を申告していることも考慮すると、請求人が、本件被相続人の資金を使って、請求人自身の判断でFX取引を行ったと認めるのが相当であり、本件被相続人が請求人に対して本件被相続人の資金を使ってFX取引を行うように指示したとは認められない。したがって、本件各出金は、いずれも本件被相続人の指示に基づくものとは認められず、本件金員の額に相当する金額は、本件被相続人の請求人に対する不当利得返還請求権として相続財産と認めるのが相当である。(令7. 8.19 東裁(諸)令7-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070013
- 裁決年月日
- 令和7年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らの父(被相続人)名義の預金口座から請求人らが引き出した金員(本件金員)について、①請求人らが被相続人及び被相続人の知人女性(本件女性)から受けた精神的被害に対して請求人らに支払われた損害賠償金であること、②本件女性は、被相続人からの不法原因給付(民法第708条《不法原因給付》)により金銭を得ており、本件女性が得た金銭につき被相続人に返還請求権はないこと、及び③金銭の支払を求めて行った本件女性との交渉に被相続人は一切関知せず、また、請求人らが本件女性に対し被相続人に対して金銭の返還をするよう求めたことはないことから、本件金員は請求人らの財産であり、被相続人の相続財産には該当しない旨主張する。しかしながら、①本件女性と請求人らとの間で、本件金員につき損害賠償金として支払う旨の合意があったとは認められず、②民法第708条は、不法原因による不当利得者が利得を任意に返還することを妨げるものではないこと、③請求人らは、本件金員について、本件女性に対して被相続人名義の口座に返還すべきものとして交渉していたことからすれば、本件金員は被相続人に帰属する金員であり、相続財産に該当する。(令7. 7. 4 東裁(諸)令7-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060255
- 裁決年月日
- 令和7年6月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.139
要旨
○ 原処分庁は、被相続人(本件被相続人)の相続(本件相続)に係る遺産分割協議書に相続財産として記載された現金(本件金員)は、請求人が管理・所有し、当該遺産分割協議書の記載のとおり請求人が本件相続により取得したものと認められるから、本件相続に係る相続財産に該当する旨主張する。しかしながら、本件金員の原資は本件被相続人名義の口座の各貯金であるところ、当該各貯金は、請求人の父の相続(亡父相続)に係る相続税の調査において、亡父相続に係る相続財産として当該相続税に係る修正申告の対象とされたもので、当該各貯金が現金出金された後、本件被相続人及び本件相続に係る共同相続人は、当該修正申告に伴う納税や残余財産の清算を協議し、その協議に沿って納税や残余財産の清算が行われたことが認められる。このような客観的状況を踏まえると、請求人が本件金員を本件相続により取得したものとは認められないから、本件金員は、本件相続に係る相続財産に該当しない。(令7. 6.17 東裁(諸)令6-255)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060207
- 裁決年月日
- 令和7年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らの父(本件被相続人)の相続に係る相続税について、本件被相続人の死亡により取得した生命保険契約に係る各保険金(本件各保険金)を相続財産として申告したものの、本件各保険金に係る保険料(本件各保険料)は、請求人ら名義の口座(本件請求人ら口座)の各預金を本件被相続人の預金口座に移し替えて支払ったものであり、本件各保険料の負担者は請求人らであるから、本件各保険金は相続税の対象となる財産に該当せず、更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、本件請求人ら口座の管理や運用は本件被相続人が行っていたものと認められ、また、本件請求人ら口座の各預金の原資の出捐者が請求人らであると認めるに足りる証拠はないから、本件各保険料の負担者が請求人らであるということはできず、更正の請求ができる場合に該当しない。(令7. 5.19 東裁(諸)令6-207)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令060007
- 裁決年月日
- 令和7年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らと養母(本件被相続人)が相続人となる亡養父に係る相続(一次相続)において、本件被相続人が全ての財産を相続する旨の遺産分割協議書が成立していないことを前提に、①一次相続の相続財産である未登記の建物(本件建物)を本件被相続人が相続することを承認していないこと、及び②本件被相続人に係る相続(本件相続)の時点における請求人らの名義の預貯金(本件預貯金)は、請求人らが一次相続において取得したものであることなどを理由に、本件建物及び本件預貯金は、本件相続により請求人らが取得した財産ではない旨主張する。しかしながら、①一次相続に係る遺産分割協議書には、一次相続に係る相続財産は全て本件被相続人が相続する旨記載され、本件被相続人及び請求人らの実印が押印されており、真正に成立していることから、本件建物は一次相続により本件被相続人に帰属する財産となったこと、及び②本件預貯金については、本件被相続人が原資を出捐したものであり、請求人らに名義変更された後も本件被相続人が管理し、請求人らに贈与された事実もないことからすれば、本件建物及び本件預貯金は、本件相続の時点で本件被相続人に帰属していた財産であり、請求人らが本件相続により取得した財産である。(令7. 1.17 高裁(諸)令6-7)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令060005
- 裁決年月日
- 令和6年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が同人の主宰する法人(本件法人)への貸付金(本件貸付金債権)を贈与証書により請求人の兄(本件兄)へ贈与する意思表示をし、本件兄はこれを受諾していたため、本件貸付金債権は、本件兄に帰属する財産であり、被相続人に帰属する相続財産ではない旨主張する。しかしながら、当該贈与証書に押印された本件兄の印章は、相続開始日まで被相続人が保管しており、本件兄は、被相続人とは疎遠で、本件貸付金債権の贈与の事実を認識しておらず、本件法人の存在も了知していないことからすると、当該贈与証書の存在も了知していなかったと推認されることから、当該贈与証書に基づく贈与契約が成立したとは認められず、また、口頭による贈与契約も成立したとも認められない。加えて、本件法人の総勘定元帳には、本件貸付金債権を被相続人以外の者が本件兄に贈与した旨は記載されていないこと等からすると、本件貸付金債権の出捐者は、被相続人であると認められる。以上のことから、本件貸付金債権は、被相続人に帰属する相続財産であると認められる。(令6.11.21 札裁(諸)令6-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令060005
- 裁決年月日
- 令和6年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同相続人である請求人の兄(本件兄)名義の預金(本件兄名義預金)の原資は、被相続人が本件兄へ贈与証書により贈与した被相続人が主宰する法人(本件法人)への貸付金(本件貸付金債権)のほか、被相続人の配偶者が本件兄へ贈与したものなどが含まれていることから、本件兄名義預金は本件兄に帰属する財産であり、被相続人に帰属する相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件法人の総勘定元帳の本件貸付金債権は、当該贈与証書に基づき記載されているものと認められるところ、本件貸付金債権を被相続人以外の者が本件兄に贈与した旨は記載されていない。また、本件兄は、被相続人とは疎遠で、本件貸付金債権、本件兄名義預金及び本件法人の存在を了知していないこと等からすると、本件兄名義預金の入金額の大部分は被相続人が出捐者であったと認められる。加えて、管理及び運用も被相続人がしていたこと等を総合考慮すると、本件兄名義預金は被相続人に帰属する相続財産と認められる。(令6.11.21 札裁(諸)令6-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060064
- 裁決年月日
- 令和6年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人による遺言書(本件遺言書)には、請求人に被相続人が有する不動産を遺贈すること及び法定相続人らは、この遺言の意志を守り相続を辞退すること(本件条項)が記載されており、預金等(本件預金等)については記載されていないものの、本件条項の記載及び被相続人と請求人が内縁関係にあった事情等を考慮すると、被相続人の真意は全ての財産を請求人に渡すことであることは明白であるから、本件預金等は請求人が遺贈により取得した旨主張する。しかしながら、本件遺言書を作成した当時に有していた本件預金等の一部について記載がないこと、その当時の被相続人の真意を推認できるような証拠がないこと等を前提にすると、本件条項の文言は、被相続人と長らく疎遠だった法定相続人らが遺贈により請求人が取得する不動産について、遺留分を主張しないよう求める趣旨であることを超え、被相続人の財産の全てを請求人に遺贈する趣旨であるとまでは読み取ることはできないから、請求人は、本件遺言書により本件預金等を「遺贈により取得した」とは認められない。(令6.11.11 東裁(諸)令6-64)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060009
- 裁決年月日
- 令和6年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、持分会社(本件会社)の社員である被相続人の死亡退社に係る持分払戻請求権(本件払戻請求権)には、みなし配当所得(本件みなし配当所得)として所得税が課されているところ、所得税法第9条《非課税所得》第1項第16号は「相続により取得するもの」には所得税を課さないとしていることからすると、本件払戻請求権には所得税が課せられているのだから、本件払戻請求権は「相続により取得するもの」に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、本件払戻請求権について、本件みなし配当所得に所得税が課されるとともに、相続税が課されるのは、所得税法第9条第1項第16号の規定に照らして矛盾することをいうものと解されるところ、本件払戻請求権は、本件会社の社員である被相続人の出資持分が被相続人の死亡に伴う退社によって持分払戻請求権に転化し、一旦、被相続人が確定的にこれを取得した後に、被相続人の相続財産として請求人が相続したものと解するのが相当であり、本件みなし配当所得に係る所得税の課税処分は、被相続人が本件払戻請求権を確定的に取得したことで、被相続人に本件みなし配当所得が発生したとしてされたものであるから、請求人が本件払戻請求権を相続したことについて請求人にされた相続税の課税処分と重なり合うものではなく、本件みなし配当所得に係る所得税の課税処分と、相続税の課税処分とが矛盾するものではない。(令6.11. 7 名裁(諸)令6-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令060010
- 裁決年月日
- 令和6年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始時に存在した被相続人名義の各預金(本件各預金)について、平成14年頃に請求人が被相続人から贈与(本件贈与)を受け、その場で直ちに被相続人に預けたものを、平成23年に被相続人から返還を受け、請求人の自宅で保管して管理及び運用していたものであるから、請求人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、本件各預金の原資は、被相続人名義の不動産の売却代金の一部を原資とする同人名義の定期預金であり、当該定期預金の残高は、平成5年以降一度も増えることなく、本件各預金に振り替えられているのであって、同人名義の不動産の売却代金以外が本件各預金の原資になる余地はない。また、他に本件贈与の原資となる資産や本件贈与財産が転化したとみられる資産のいずれも見当たらず、本件贈与があったとは認められることはできない。また、本件各預金は、被相続人名義であり、被相続人が原資を出捐し、口座開設した日から相続が開始するまで、被相続人が管理及び運用していたと認められることから、相続開始時において、被相続人に帰属する財産であると認められる。したがって、本件各預金は、請求人が相続によって取得した財産である。(令6. 8.29 大裁(諸)令6-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050028
- 裁決年月日
- 令和6年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の死亡により請求人が取得した米国の遺族年金を受給する権利(本件受給権)について、①被相続人に帰属するべき権利又は被相続人の出捐に基づいて発生した権利が被相続人の死亡に直接起因して相続人に移転した実体のある場合に当たらないこと及び②相続開始時点で客観的時価が存在しないことから、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第6号に規定するみなし相続財産に該当しない旨、また、③日本の公的年金が相続税の課税対象とならないのは、日本の公的年金の性質上、当然に相続税の対象外となっているものであり、米国の公的年金制度も、日本の公的年金と同様の性質を有しているから、当然に相続税の対象外とすべきものである旨主張する。しかしながら、本件受給権が相続税法第3条第1項第6号に規定するみなし相続財産に該当するか否かの判断において上記①の要件があると解すべき根拠は、同号の文言、趣旨のいずれからも見いだせず、上記②に関していえば、財産の評価に関する規定であって、同号のみなし相続財産該当性の判断において検討すべき規定ではないし、本件受給権に財産的価値があることは明らかである。また、上記③に関しては、日本の公的年金が相続税の課税対象となっていないのは、その年金受給権が相続税法第3条第1項第6号に該当するものの、それぞれの法律(国民年金法、厚生年金保険法など)に非課税規定が設けられているからであって、米国の遺族年金を受給する権利については、法令上、相続税が課税されないこととなる非課税規定は設けられていないから、本件受給権は、相続税が課税されるものとなる。 (令6. 5.22 名裁(諸)令5-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050090
- 裁決年月日
- 令和6年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続開始日の属する月分の賃料は、相続人らの所得であって相続人らの不動産所得として所得税の確定申告をしているから、当該賃料に係る債権は、被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、当該賃料については、相続開始日において、支払期日はいずれも到来していたことから、被相続人が債権を有していたと認められ、金銭に見積もることができる経済的価値のあるものであることは明らかであるため、当該債権は、相続税法第2条《相続税の課税財産の範囲》第1項の「財産」に含まれるというべきである。(令6. 4. 8 東裁(諸)令5-90)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令050007
- 裁決年月日
- 令和6年2月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産として申告した被相続人が関連会社(本件法人)に対して有していたとする貸付金債権(本件貸付金債権)は、本件法人が総勘定元帳における借入金勘定の補助科目(本件科目)に計上していたものではあるが、被相続人及び本件法人の双方において、貸し付けた意思や借り入れた意思はなく、本件科目への計上は誤りであるから本件貸付金債権は存在していなかった旨主張する。しかしながら、本件科目の計上内容からすると、本件科目は、被相続人と本件法人との債権債務に係るものと認められること、また、会社の決算書や総勘定元帳等の会計帳簿は、法律上公正な会計慣行に従って作成することが義務付けられており、通常、定期的に、決算に係る数額等を機械的に記録するものであるところ、14年間にもわたり継続して記録されている本件科目の内容は、相当程度信用できることからすると、本件貸付金債権は、相続開始日において存在していなかったとは認められない。(令6. 2.27 広裁(諸)令5-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050029
- 裁決年月日
- 令和6年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第6号に規定するみなし相続財産に該当するためには、①被相続人に帰属するべき権利又は被相続人の出捐に基づいて発生した権利が被相続人の死亡に直接起因して相続人に移転した実体のある場合に当たること及び②相続開始時点で時価(同法第22条《評価の原則》)が存在していることが必要であるが、被相続人の妻が寡婦になったことにより取得した外国の遺族年金等の請求権(本件受給権)は、これらの要件を満たさないことから、本件受給権は、同号に規定するみなし相続財産に該当せず、相続税は課税されない旨主張する。しかしながら、みなし相続財産の該当性の判断において、上記①を要件と解するべき根拠はなく、また、上記②は、同条は財産評価に関する規定であって、みなし相続財産該当性の判断において検討すべき規定ではない。そして、本件受給権は、被相続人の死亡により妻が寡婦になったことを原因として原始的に取得されたものであることから、みなし相続財産に該当し、なおかつ、法令上、相続税が課税されないこととなる非課税規定は設けられていないため、相続税が課税される。(令6. 2.15 大裁(諸)令5-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050029
- 裁決年月日
- 令和6年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁は、処分の理由書(本件理由書)に記載した外国の団体から支払われる遺族年金に係る受給権が相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第6号に規定する相続により取得したとみなされる財産に当たるとして更正処分等(原処分)をしているが、当該団体から遺族年金は支給されていないため、原処分の対象となった財産は存在しない旨主張する。しかしながら、原処分の対象は、被相続人の妻が取得した外国の職業年金基金から支払われる遺族年金に係る受給権(本件受給権)であって、被相続人の妻は実際に本件受給権に基づき遺族年金を受給していることや請求人らは、原処分に至るまで、原処分の対象が本件受給権であることを認識していたものと認められることからすると、本件理由書における記載は、当該職業年金基金の名称の誤訳はあるも、本件受給権を指すものと認められ、原処分の対象が存在しないとはいえない。(令6. 2.15 大裁(諸)令5-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050045
- 裁決年月日
- 令和5年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①被相続人の死亡によりその配偶者が取得した米国の遺族年金(米国遺族年金)を受給する権利(本件受給権)は、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第6号に規定する相続により取得したものとみなされる財産に該当せず、相続税は課税されない旨を、また、②本件受給権は、仮に相続税の課税対象になるとしても、当該配偶者は相続開始日前に当該被相続人が受給していた米国の退職年金の50%相当額の家族年金を受給しており、相続開始日以後に当該退職年金と同額の米国遺族年金を受給することにより当該退職年金の50%相当額が増加したものであるから、米国遺族年金の50%相当額についてのみ、相続により取得したものとみなされる相続財産として課税されるべきである旨を主張する。しかしながら、本件受給権は、相続の効果として当該配偶者が当該被相続人から承継したものではなく、米国の連邦規則集の規定に基づき、当該被相続人の死亡により原始的に当該配偶者が取得したものであったと認められるから、相続税法第3条第1項第6号に規定する「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」に該当する。そして、米国遺族年金を受給する権利については、法令上、相続税が課税されないこととなる非課税規定は設けられていない。以上のことからすれば、本件受給権は、相続税法第3条第1項第6号に規定するみなし相続財産に該当し、相続税が課税される。また、米国の連邦規則集の規定に基づき、当該被相続人の死亡により、当該被相続人が受給していた米国の退職年金及び当該配偶者が受給していた家族年金の給付がいずれも終了し、当該配偶者が本件受給権を原始的に取得したのであるから、相続税法第3条第1項第6号に規定するみなし相続財産となるのは本件受給権の全部であって、その50%相当額ではない。(令5.12. 1 東裁(諸)令5-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040026
- 裁決年月日
- 令和5年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割協議書(本件遺産分割協議書)に記載されている代償金には、請求人の母(本件被相続人)に係る相続(本件相続)の開始前に、本件被相続人の長男(本件長男)からの申出に了承し(本件相続開始前合意)受領した金銭(本件受領金)が含まれており、本件相続の開始日より前に代償金が生じることはないから、本件受領金は、本件相続に係る代償金ではない旨主張する。しかしながら、本件相続開始前合意が遺産分割協議として有効ではないとしても、本件相続の開始後に、改めて本件相続開始前合意に沿って遺産分割協議をし、請求人の本件長男に対する代償金債権の額について合意した上、本件受領金を代償金の支払に充当することとしたものと解するのが相当である。よって、請求人の本件相続に係る相続税の課税価格に算入すべき代償金の価額は、本件受領金を含む本件遺産分割協議書に記載されている代償金の金額であると認められる。(令5. 6.23 名裁(諸)令4-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040135
- 裁決年月日
- 令和5年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第11条の2《相続税の課税価格》に規定する「相続により取得した財産」とは積極財産と消極財産の合計であり、被相続人が生前に詐欺被害に遭ったことにより生じた損害の額(本件損害額)は、消極財産であることから、相続税の課税価格の計算上、控除することができる金額である旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格は、相続により取得した積極財産の価額から被相続人の債務を控除して計算されるものであって、被相続人の生前に生じた損害がある場合に、当該損害によって相続開始までに積極財産が減少することはあっても、これとは別に、消極財産として当該損害の金額を控除することはできない。そうすると、被相続人が詐欺被害に遭い損害が生じていたとしても、当該損害の金額である本件損害額を消極財産として相続により取得した財産の価額から控除することはできない。(令5. 6.19 東裁(諸)令4-135)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040127
- 裁決年月日
- 令和5年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺言(本件遺言)に係る遺言書(本件遺言書)には「長男ら3名は、本件遺言により財産を取得する代償として各人から金1,000万円(合計金3,000万円)を請求人に支払う。」旨定められているところ、長男が相続発生時に既に死亡しているため、本件遺言のうち長男に対する部分は効力が生じないから、請求人の相続税の課税価格に算入すべき代償金の価額は2,000万円である旨主張する。しかしながら、遺言の解釈に当たっては、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探究すべきものであり、遺言書が多数の条項からなる場合にそのうちの特定の条項を解釈するに当たっても、単に遺言書の中から当該条項のみを他から切り離して抽出しその文言を形式的に解釈するだけでは十分ではなく、遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して遺言者の真意を探究し当該条項の趣旨を確定すべきものであると解されるところ、本件遺言書の代償金に係る条項の文言、本件遺言書の全記載との関連、本件遺言書の作成当時の事情及び被相続人の置かれていた状況等からすると、被相続人の真意は、請求人に取得させるべき代償金の総額を定めたと解するのが合理的な意思解釈というべきであり、長男ら3名の各人が個別に負担する代償金の金額のみを定めたと解すべき事情も見当たらない。したがって、請求人の相続税の課税価格に算入すべき代償金の価額は3,000万円であると認められる。(令5. 6. 8 東裁(諸)令4-127)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040079
- 裁決年月日
- 令和5年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続税の決定処分をした被相続人名義の預金口座(本件預金口座)に係る預金債権(本件預金債権)の一部は、請求人及び被相続人の弟(本件弟)が被相続人に対して生活費として貸し付けた金員で賄われたのであるから、本件預金債権のうち請求人及び本件弟が貸し付けた部分の預金債権は、被相続人に帰属せず、請求人及び本件弟にそれぞれ帰属する旨主張する。しかしながら、①本件預金債権は、いずれも被相続人が開設し管理している被相続人名義の本件預金口座に係る預金債権であること、②請求人の主張によっても本件預金債権の7割は本件被相続人が出捐者であること、③本件預金口座の開設又は入金に当たって、請求人及び本件弟がそれぞれの金銭を自身の預金とするために、被相続人名義の本件預金口座の開設をし、又は入金を依頼したことはないこと、④被相続人が行った本件預金口座の開設や入金は、本件預金債権が被相続人自らに帰属することを前提として行ったものであることから、これらの事情を総合的に考慮すれば、仮に請求人や本件弟が被相続人に金員を貸し付けていたとしても、本件預金債権に係る預金契約の当事者は相続開始時点においても被相続人であり、本件預金債権の全額が被相続人に帰属することは明らかである。(令5. 2. 9 東裁(諸)令4-79)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和4年12月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、平成22年及び平成23年に被相続人(本件被相続人)から受領していた現金のうち相続開始日に保管していた現金(本件現金)について、死因贈与により取得したものであるから、相続税の相続財産に含まれる旨主張する。しかしながら、原処分庁が主張の根拠とした請求人の申述は、本件被相続人が請求人に費消を認める内容があり、贈与の効力を停止させる条件を付款した死因贈与の根拠になるものと評価することはできず、他に死因贈与であったと認めるべき事実が存在しないため、原処分庁の主張には理由がない。(令4.12.22 仙裁(諸)令4-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040021
- 裁決年月日
- 令和4年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の祖父(本件被相続人)が所有していた日本以外の土地及び建物(本件不動産)並びに土地(本件土地)について、各国の法律には相続開始により相続人が権利を承継する規定がないため、請求人の父(本件相続人)は、本件被相続人の相続において本件不動産及び本件土地を取得していない旨主張する。しかしながら、本件被相続人は相続開始日において外国籍を有していたことから、本件被相続人の相続については、法の適用に関する通則法第36条《相続》の規定により現地の法律が適用されるところ、現地の民法では、相続人は相続の開始により被相続人の財産上のあらゆる権利・義務を承継する旨規定していることなどからすると、本件不動産及び本件土地は、本件被相続人の相続に係る相続税の計算上、本件相続人が相続により取得した財産に含まれる。(令4.12. 1 関裁(諸)令4-21)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人を売主とする土地及び立木(本件土地等)に係る売買契約(本件売買契約)は、その契約締結時において被相続人が意思無能力者であったから当然に無効であり、また、仮に、本件売買契約が民法第113条《無権代理》第1項の規定による無権代理行為により締結されたものであったとしても、請求人ら共同相続人全員による追認がなく無効なものといえるから、相続税の課税価格に算入すべき財産は、本件売買契約に係る売買残代金請求権(本件売買残代金請求権)ではなく、本件土地等である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、無権代理行為により締結されたものと認められるところ、請求人ら全員の遺産分割協議によって、本件土地等の所有権を取得した相続人ら(本件相続人ら)が無権代理行為により締結された本件売買契約を追認又は拒絶する権利を相続により取得したものとみるべきであり、これを前提として、本件売買契約の売主たる地位は、本件相続人らに承継され、本件相続人らと買主との間で本件売買契約の履行を継続することを確認したことが認められる。その後、本件売買契約の履行手続は全て完了したことから、本件売買契約は、本件相続人らにより追認され、民法第116条《無権代理行為の追認》の規定により、本件売買契約の締結時に遡って有効であったことが認められる。したがって、被相続人の相続開始時において、本件売買契約は有効なものであり、また、相続開始後3か月以内に本件売買契約の履行手続が全て完了していることを踏まえると、本件売買契約の履行が相当程度確実になっていたものと認められることから、相続税の課税価格に算入すべき財産は、本件土地等ではなく、本件売買残代金請求権である。(令4.10. 4 熊裁(諸)令4-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040028
- 裁決年月日
- 令和4年9月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である台湾の公同共有の土地(本件共有土地)について、台湾の土地法の規定に基づき公告(本件公告)されている被相続人の持分は、当該被相続人の持分ではなく、台湾民法における公同共有者全員の持分を表していることから、本件共有土地に係る被相続人の持分は公告されている持分の10分の1の割合である旨主張する。しかしながら、本件公告は、土地又は建築改良物について相続開始の日から1年経過しても相続登記をしない場合に、土地法に基づいて行われるのであるから、公告された持分についても、土地法に基づく登記情報がそのまま記載されたものといえる。そして、台湾では土地法の規定による登記については絶対的な効力を有するとされているから、本件共有土地に係る被相続人の持分は、本件公告に記載された持分である。(令4. 9.29 東裁(諸)令4-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母(本件被相続人)名義の普通預金口座(本件普通預金口座)の預金について、その預金の原資は、請求人が代表取締役を務める会社の株式のうち本件被相続人名義の株式(本件株式)からの配当金及び本件株式の売却代金などであるところ、本件株式は請求人に帰属し、請求人が本件普通預金口座の開設及び管理を行っていることから、本件普通預金口座は請求人に帰属し、本件被相続人の相続財産を構成しないとして、相続税法第2条《相続税の課税財産の範囲》第1項に規定する相続により取得した財産ではない旨主張する。しかしながら、本件普通預金口座は、本件株式の配当金及び同株式の売却代金などが入金されるのみで、主として当該配当金の受取口座として開設されたものであるところ、その原資の元となった本件株式は本件被相続人に帰属するものである上、本件普通預金口座の開設を請求人が行っているものの、本件被相続人に帰属する配当金の受取口座として請求人により本件被相続人名義で管理が行われていたものであることを踏まえると、本件普通預金口座は、その名義のとおり本件被相続人に帰属し、同項に規定する相続により取得した財産に該当する。(令4. 9.20 大裁(諸)令4-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人自身が代表取締役を務める会社(本件会社)の株式のうち、請求人の母(本件被相続人)名義の株式(本件株式)については、本件会社から株式を引き受ける際にその原資を請求人が出捐していることなどから請求人に帰属する株式であるため、本件株式及び本件株式に係る未収配当金は、本件被相続人の相続財産を構成せず、相続税法第2条《相続税の課税財産の範囲》第1項に規定する相続により取得した財産ではない旨主張する。しかしながら、本件株式は、請求人の父(本件配偶者)が引き受けた設立時発行株式と本件配偶者が増資の際に引き受けた株式に由来するものであること、本件配偶者の相続開始に伴い本件株式が本件被相続人名義に変更された際の状況、本件株式に関する請求人の所得税及び相続税の申告状況等を総合考慮すると、本件株式及び本件株式に係る未収配当金は、本件被相続人に帰属するものであり、同項に規定する相続により取得した財産に該当する。(令4. 9.20 大裁(諸)令4-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、確定判決(本件確定判決)において認定された、請求人らの叔父である被相続人(本件被相続人)が請求人らの両親に預けた金員と同額の返還請求権(本件返還請求権)のうち、本件被相続人の兄が有しているとされた以外の部分について、仮に相続税の課税財産であるとしても、不当利得返還請求権又は損害賠償請求権の性質を有するものであり経済的価値を見積もることができず、また、請求人らは自らが本件返還請求権に関し債務者であり債権者でもあることから、相続財産としての経済的利益を享受することができず担税力がないため、経済的価値がない旨主張する。しかしながら、本件返還請求権が相続税の課税財産であると認められることについては、本件確定判決において、本件被相続人が本件返還請求権を有していたと認定されたことを根拠とするものであり、不当利得返還請求権又は損害賠償請求権を根拠とするものではない。また、金銭債権の債務者としての地位を有していて相続により債権者としての地位をも有するに至った相続人については、金銭債権のうちその承継に係る部分が直ちに混同により消滅し、その反射的効果として、その承継に係る部分に相当する債務の減少という利益がもたらされ、担税力の増加がみられるのであるから、本件返還請求権には経済的価値がないとは認められない。(令4. 9. 8 関裁(諸)令4-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、確定判決(本件確定判決)において認定された、請求人らの叔父である被相続人(本件被相続人)が請求人らの両親に預けた金員と同額の返還請求権(本件返還請求権)のうち、本件被相続人の兄(本件兄)が有しているとされた以外の部分について、本件確定判決では、本件兄以外の相続人に係る返還請求権を認定しておらず、当該相続人も各人に係る返還請求権を行使していないことに加え、本件被相続人の相続に係る遺産分割調停の成立調書に本件返還請求権の記載がないことから、相続税の課税財産とは認められない旨主張する。しかしながら、本件確定判決において、本件被相続人は本件返還請求権を有していたと認定され、本件確定判決において認定された事実関係と異なる事実関係があることをうかがわせる事情は見当たらず、また、本件兄以外の相続人が各人に係る返還請求権を行使していないことが相続税の課税財産に該当する旨の判断を左右するものとはいえないことに加え、本件返還請求権は可分債権であり、本件被相続人の相続開始と同時に相続分に従い当然に分割されるものであるから、遺産分割の対象にしなければならないものではない。したがって、預けた金員の返還請求を内容とする本件返還請求権は、金銭に見積もることのできる経済的価値のあるものであり、本件被相続人の相続に係る相続税の課税財産と認められる。(令4. 9. 8 関裁(諸)令4-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、確定判決(本件確定判決)において認定された、請求人らの伯父である被相続人(本件被相続人)が本件被相続人の姉夫婦に預けた金員と同額の返還請求権(本件返還請求権)のうち、本件被相続人の兄が有しているとされた以外の部分について、仮に相続税の課税財産であるとしても、不当利得返還請求権又は損害賠償請求権の性質を有するものであり経済的価値を見積もることができないため、経済的価値がない旨主張する。しかしながら、本件返還請求権が相続税の課税財産であると認められることについては、本件確定判決において、本件被相続人が本件返還請求権を有していたと認定されたことを根拠とするものであり、不当利得返還請求権又は損害賠償請求権を根拠とするものではないから、請求人らの主張を根拠として本件返還請求権には経済的価値がないとは認められない。(令4. 9. 8 関裁(諸)令4-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、確定判決(本件確定判決)において認定された、請求人らの伯父である被相続人(本件被相続人)が本件被相続人の姉夫婦に預けた金員と同額の返還請求権(本件返還請求権)のうち、本件被相続人の兄(本件兄)が有しているとされた以外の部分について、本件確定判決では、本件兄以外の相続人に係る返還請求権を認定しておらず、当該相続人も各人に係る返還請求権を行使していないことに加え、本件被相続人の相続に係る遺産分割調停の成立調書に本件返還請求権の記載がないことから、相続税の課税財産とは認められない旨主張する。しかしながら、本件確定判決において、本件被相続人は本件返還請求権を有していたと認定され、本件確定判決において認定された事実関係と異なる事実関係があることをうかがわせる事情は見当たらず、また、本件兄以外の相続人が各人に係る返還請求権を行使していないことが相続税の課税財産に該当する旨の判断を左右するものとはいえないことに加え、本件返還請求権は可分債権であり、本件被相続人の相続開始と同時に相続分に従い当然に分割されるものであるから、遺産分割の対象にしなければならないものではない。したがって、預けた金員の返還請求を内容とする本件返還請求権は、金銭に見積もることのできる経済的価値のあるものであり、本件被相続人の相続に係る相続税の課税財産と認められる。(令4. 9. 8 関裁(諸)令4-6)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令030014
- 裁決年月日
- 令和4年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人乙と同人の祖母との間における金銭消費貸借契約(本件消費貸借契約)が有効に成立していない理由として、①請求人乙は本件消費貸借契約について作成された公正証書(本件公正証書)の存在について不知である旨、②本件公正証書に添付された委任状(本件委任状)に押印された実印に係る登録手続(本件登録手続)が請求人乙の意思に基づかないものである旨、及び③本件委任状の作成日に請求人乙は本邦にいなかったなどとして本件委任状の作成に請求人乙が関わっていない旨等を主張する。しかしながら、上記②及び③については、そもそも本件登録手続が請求人乙以外の者により行われたものであることは明らかではなく、仮に、そうであるとしても、厳格な本人確認が行われる代理人による印鑑登録手続が請求人乙の関知しないところで行われたとは考えられず、それをうかがわせる証拠も見当たらない上、本件委任状の作成日付の日に請求人乙が本邦にいなかったとしても、同日以外に本件委任状を作成することは可能であるし、また、仮に、本件委任状の署名に係る筆跡が請求人乙のものとは異なるとしても、請求人乙の了知の下、代筆することも可能であるから、それらのことが本件委任状の成立の推定を覆す事情とはならない。また、上記①については、本件において、あえて本件消費貸借契約の内容をより証明力の高い公正証書としていることなどからすれば、請求人乙は、本件消費貸借契約の締結及び本件公正証書の作成について了知していたと認めるのが相当であり、上記①については、本件公正証書の成立の真正又は本件委任状の成立の真正に係る推定を覆す事情とは認められない。(令4. 5.16 仙裁(諸)令3-14)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令030005
- 裁決年月日
- 令和4年3月2日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①贈与者を被相続人、受贈者を被相続人の孫ら(本件孫ら)とする保険料相当額の現金贈与に係る各贈与契約(本件各贈与契約)の各契約書には、被相続人の長男(本件長男)が被相続人の代理人として本件各贈与契約の事務手続を行ったことを証する顕名がないこと、②被相続人から本件長男に対して、被相続人の全ての財産について贈与手続をとるための代理権を授与していたことを裏付ける客観的証拠がないことなどからすれば、本件各贈与契約は成立しておらず、結果、本件孫らを契約者及び被保険者とする各保険契約に係る各保険料は被相続人が負担したこととなるため、本件孫らは当該各保険契約に関する権利を遺贈により取得したとみなされる旨主張する。しかしながら、①本件孫らは、本件各贈与契約当時、本件長男が本件各贈与契約に関する手続を被相続人の代理人として行っていたものと認識していたことからすると、顕名の観点からは、本件長男の代理行為が無効なものとは認められない。また、②平成5年から本件各贈与契約までの間、本件長男等が被相続人の代理人として、被相続人から被相続人の親族(本件孫らを含む)に対し土地や株式を贈与していることや、被相続人が当該贈与に対し取消しや異議を申し立てたような事実は見当たらないことに加え、被相続人が本件長男に対し本件各贈与契約に係る代理権を授与していなかったことを示す具体的・客観的証拠も見当たらないことなどからすると、本件各贈与契約が成立していなかったとは認められず、結果、本件孫らを契約者及び被保険者とする各保険契約に係る各保険料は本件孫ら自身が負担したこととなるため、本件孫らが、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第3号の規定に基づき、当該各保険契約に関する権利を遺贈により取得したとは認められない。(令4. 3. 2 広裁(諸)令3-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030026
- 裁決年月日
- 令和4年2月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№126
要旨
○ 原処分庁は、相続税の申告書(本件申告書)に計上されていない現金(本件現金)、被相続人の配偶者(本件配偶者)名義及び次男名義の預貯金(本件預貯金)は、出えん者や被相続人及び本件配偶者の収入比率などからその帰属を判断すると、いずれも被相続人に帰属する財産であると認められる旨主張する。しかしながら、①本件現金の出金元である本件申告書に計上された預貯金口座で管理運用されていた預貯金の原資が特定できないことや、本件配偶者も収入を得ていたと認められることなどからすると、本件現金には被相続人及び本件配偶者が得た収入が混在している可能性を否定できない中、審判所においても、被相続人及び本件配偶者の収入比率により本件現金を合理的にあん分することもできないことからすると、本件申告書に計上された預貯金及び現金の額を超えて、本件現金が被相続人に帰属する相続財産として存在していたと断定することはできない。また、②本件預貯金についても、本件現金と同様、それらの原資を特定することができず、本件配偶者が管理運用していたことからすると、被相続人が得た収入が混在している可能性は否定できない中、被相続人及び本件配偶者の収入比率により合理的にあん分することができないから、本件申告書に計上された預貯金及び現金の額を超えて、本件預貯金が被相続人に帰属する相続財産として存在していたと断定することはできない。(令4. 2.15 名裁(諸)令3-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030030
- 裁決年月日
- 令和4年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続に係る自己の相続分の全部を共同相続人に譲渡したことに伴って共同相続人から収受した金員(本件金員)は、被相続人から相続した財産ではないから、相続税法に規定する「相続又は遺贈により取得した財産」には当たらず、相続税の課税対象とはならない旨主張する。しかしながら、共同相続人間における相続分の譲渡は、遺産分割と類似の機能を有し、遺産分割と密接に関係するものということができるところ、本件金員は、譲受人においては相続による財産の取得に係る負担というべきであってその意味で代償分割における代償金と異なるところがなく、譲受人において、その金額を相続により取得した財産の価額から控除するのが相当であるし、譲渡人においても、その譲渡の対象となる相続分は譲渡人が相続によって取得したものであるから、自己の相続権に基因して取得したものといえる。以上によれば、共同相続人間における相続分の譲渡に伴って、その譲渡人が譲受人から収受する金員は、相続税法第11条の2《相続税の課税価格》に規定する「相続又は遺贈により取得した財産」に当たるというべきである。したがって、本件金員は「相続又は遺贈により取得した財産」に当たり、相続税の課税対象となるものと認められる。(令4. 2. 8 大裁(諸)令3-30)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令030003
- 裁決年月日
- 令和3年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の姉(本件被相続人)に帰属する相続財産であるとした請求人等名義の預金等(本件各預金等)及び相続開始前3年以内に本件被相続人から贈与により取得した財産であるとした金員(本件金員)は、請求人が、請求人の収入、請求人の兄姉からの仕送り及び請求人の母の恩給を運用して貯めたものであるから、請求人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、預金等の帰属については、単に名義人が誰であるという形式的事実のみにより判断するのではなく、その原資となった金員の出捐者、その管理及び運用の状況、贈与の事実の有無等を総合的に勘案して判断するのが相当であるところ、本件各預金等及び本件金員の原資の出捐者は本件被相続人であり、請求人は本件被相続人から本件被相続人の財産の管理運用を任されていたと認められ、本件各預金等又はその原資について、本件被相続人から請求人に対する贈与がされた事実も認められないことから、本件各預金等は本件被相続人に帰属する相続財産に該当し、また、本件金員は相続開始前3年以内に本件被相続人から贈与により取得した財産に該当する。(令3.12.15 札裁(諸)令3-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030039
- 裁決年月日
- 令和3年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父(被相続人)の死亡により請求人の母が取得した生命保険契約(本件保険契約)に係る保険金(本件保険金)について、請求人の母が、被相続人の毎月の給与のうち一定額を受け取り、その一定額から生活費を除いた残額の金員の贈与を受け、当該金員で保険料を支払っていたことから、本件保険契約に係る保険料の実質上の負担者は請求人の母であり、本件保険金は相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第1号に基づく相続により取得したものとみなされる課税財産には当たらない旨主張する。しかしながら、本件保険契約に係る保険金受取人と保険契約者との関係、本件保険契約の申込手続の締結状況、保険料の支払原資等の諸事情を踏まえると、請求人の母の自らの稼働等によって得た収入や請求人の母の特有財産をもって保険料の支払に充てていたものと認めることはできず、仮に、被相続人が毎月の生活費を除いた余剰分について自由に処分しても差し支えない旨承諾し、この余剰分で保険料を支払ったという事情があったとしても、保険料の支払に係る金員は、請求人の母の特有財産であるとは認められない。加えて、相続開始前3年以内の贈与について、相続税の申告書に記載されており、その一部について贈与税の期限後申告書が提出されていたとしても、それは相続開始前3年以内に係る事実であり、本件保険契約に係る保険料が支払われた35年以上前の期間においても同様の贈与があったと認めることはできない。したがって、保険料の負担者は被相続人と認められるから、本件保険金は同号の対象となり、相続により取得したものとみなされる。(令3.12. 6 東裁(諸)令3-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030013
- 裁決年月日
- 令和3年11月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父(本件被相続人)より前に死亡した亡母の①本件死亡保険金、②本件死亡保険金を原資とする預金から生じた預金利息(本件預金利息)及び③本件死亡退職手当の各2分の1相当額は請求人に帰属するものであるから、本件被相続人の相続財産から控除すべきである旨主張する。しかしながら、①本件死亡保険金に係る保険契約の約款では、被保険者による死亡保険金の受取人の指定がされていないときは、被保険者の配偶者を第一順位の受取人とする旨定められていたところ、亡母の相続開始時点において当該保険契約では死亡保険金の受取人が指定されていなかったのであるから、本件死亡保険金は亡母の配偶者である本件被相続人の固有の財産であると認められる。また、②本件死亡保険金が本件被相続人の固有の財産であると認められることからすると、本件死亡保険金を原資とする預金から生じた預金利息についても、本件被相続人の固有の財産であると認められる。さらに、③本件死亡退職手当に係る条例の規定によると、死亡退職手当は死亡した職員の遺族に支給され、その遺族のうち支給を受ける第一順位は配偶者と定められていることから、本件死亡退職手当は本件被相続人の固有の財産であると認められる。したがって、本件死亡保険金、本件預金利息及び死亡退職手当の各2分の1相当額を本件被相続人の相続財産から控除することはできない。(令3.11.24 名裁(諸)令3-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030007
- 裁決年月日
- 令和3年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父(被相続人)の相続に係る相続税の申告において相続財産に含めて申告していた請求人名義の預貯金等(本件預貯金等)は、いずれも請求人が出えん・管理していたものであるから、請求人固有の財産であると主張する。しかしながら、①本件預貯金等の原資の出えん者や、出入金の行為者を特定することができず、②本件預貯金等の通帳及び証書は、被相続人やその配偶者名義の預貯金の通帳及び証書と一緒に金庫に保管されており、請求人は当該金庫から自由に持ち出すことなどができない状態であったことに加え、③請求人は、本件預貯金等以外の請求人名義の預貯金の通帳を、明確に区別して保管していたことからすれば、請求人が、本件預貯金等の原資を出えんし、管理していたとは認められないため、本件預貯金等が請求人固有の財産であるとはいえない。(令3.10. 1 名裁(諸)令3-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030011
- 裁決年月日
- 令和3年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309050
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/5配当期待権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式に係る剰余金の配当の有無やその額は、当該株式を発行する会社の株主総会の決議をもって決定されるものであるところ、相続開始時点において剰余金の配当に係る当該決議がなされていない場合、被相続人は、株式を有していたとしても、これに係る剰余金の配当を受ける具体的権利をいまだ取得していないことから、当該決議以前の剰余金配当請求権は、株主であれば剰余金の配当を受け得るという意味での飽くまで観念的抽象的な権利にすぎず、相続税の課税財産に該当しない旨主張する。しかしながら、相続税法第2条《相続税の課税財産の範囲》第1項に規定する「財産」とは、金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものをいい、既に存在する物権や債権のほか、いまだ明確な権利といえない財産法上の法的地位なども含まれると解するのが相当である。そして、剰余金の配当に関する会社法の規定の下で、基準日株主は、剰余金配当請求権が配当決議によって具体的な債権となる前においても、剰余金の配当決議がなされることを条件として、剰余金の配当を受けることができる法的地位にあり、この法的地位は、将来の剰余金の配当を目的とするものであって財産的価値を有し、金銭に見積もることができるものと解されるから、基準日株主の配当期待権は、相続税法第2条第1項の「財産」に含まれるものというべきである。(令3. 9.30 大裁(諸)令3-11)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令030001
- 裁決年月日
- 令和3年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 原処分庁は、請求人の亡夫(被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった被相続人の嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証(本件贈与証)を作成した上で、長女の母を介し、長女名義の普通預金口座(本件預金口座)に平成13年から平成24年までの間、毎年入金していたことについて、長女の母は、本件贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従い本件預金口座に入金していたにすぎず、当該入金が長女へ贈与されたものとは認識していないから、被相続人から長女への贈与は成立しておらず、本件預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張する。しかしながら、本件贈与証の内容は、その理解が特別困難なものとはいえない上、長女の母は、本件贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により本件預金口座へ毎年入金し、本件預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、平成13年当時、長女の唯一の親権者であった長女の母は、長女の法定代理人として、本件贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として本件預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であり、また、本件預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、本件預金口座に係る預金は、平成13年の口座開設当初から長女に帰属するものであって、相続財産には含まれない。(令3. 9.17 金裁(諸)令3-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令030001
- 裁決年月日
- 令和3年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 請求人は、請求人の亡夫(被相続人)が代表取締役を務めていた法人(関連法人)の事務室内の金庫(本件金庫)から発見された現金(本件現金)について、本件金庫は関連法人の金庫としての機能を中心に利用されており、被相続人が本件現金を管理し、本件金庫内に被相続人の個人的な預金通帳等が混在していたとしても、本件現金が相続財産であると認定することはできない旨主張する。しかしながら、関連法人には簿外資産や使途不明金の存在をうかがわせる事情は見当たらず、関連法人の経理担当者にも本件現金が関連法人に帰属するとの認識はないから、関連法人の会計帳簿に資産計上されていない本件現金が関連法人に帰属するとは認められず、また、本件現金を本件金庫に保管し管理できたのは被相続人自身であり、本件金庫に被相続人の個人的財産も保管していたことに加え、被相続人が他から預託を受けて本件現金を保管していたことをうかがわせる事情も見当たらないから、本件現金は、被相続人が個人的な預金通帳とともに本件金庫内に保管していた自らの固有財産と認められ、被相続人の相続財産に含まれる。(令3. 9.17 金裁(諸)令3-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令030002ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和3年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 原処分庁は、請求人の亡父(被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった被相続人の嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証(本件贈与証)を作成した上で、長女の母を介し、長女名義の普通預金口座(本件預金口座)に平成13年から平成24年までの間、毎年入金していたことについて、長女の母は、本件贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従い本件預金口座に入金していたにすぎず、当該入金が長女へ贈与されたものとは認識していないから、被相続人から長女への贈与は成立しておらず、本件預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張する。しかしながら、本件贈与証の内容は、その理解が特別困難なものとはいえない上、長女の母は、本件贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により本件預金口座へ毎年入金し、本件預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、平成13年当時、長女の唯一の親権者であった長女の母は、長女の法定代理人として、本件贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として本件預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であり、また、本件預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、本件預金口座に係る預金は、平成13年の口座開設当初から長女に帰属するものであって、相続財産には含まれない。(令3. 9.17 金裁(諸)令3-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令030002ほか 2件
- 裁決年月日
- 令和3年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 請求人は、請求人の亡父(被相続人)が代表取締役を務めていた法人(関連法人)の事務室内の金庫(本件金庫)から発見された現金(本件現金)について、本件金庫は関連法人の金庫としての機能を中心に利用されており、被相続人が本件現金を管理し、本件金庫内に被相続人の個人的な預金通帳等が混在していたとしても、本件現金が相続財産であると認定することはできない旨主張する。しかしながら、関連法人には簿外資産や使途不明金の存在をうかがわせる事情は見当たらず、関連法人の経理担当者にも本件現金が関連法人に帰属するとの認識はないから、関連法人の会計帳簿に資産計上されていない本件現金が関連法人に帰属するとは認められず、また、本件現金を本件金庫に保管し管理できたのは被相続人自身であり、本件金庫に被相続人の個人的財産も保管していたことに加え、被相続人が他から預託を受けて本件現金を保管していたことをうかがわせる事情も見当たらないから、本件現金は、被相続人が個人的な預金通帳とともに本件金庫内に保管していた自らの固有財産と認められ、被相続人の相続財産に含まれる。(令3. 9.17 金裁(諸)令3-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令030004
- 裁決年月日
- 令和3年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 原処分庁は、請求人の亡父(被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった請求人に贈与する旨を記した贈与証(本件贈与証)を作成した上で、請求人の母を介し、請求人名義の普通預金口座(本件預金口座)に平成13年から平成24年までの間、毎年入金していたことについて、請求人の母は、本件贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従い本件預金口座に入金していたにすぎず、当該入金が請求人へ贈与されたものとは認識していないから、被相続人から請求人への贈与は成立しておらず、本件預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張する。しかしながら、本件贈与証の内容は、その理解が特別困難なものとはいえない上、請求人の母は、本件贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により本件預金口座へ毎年入金し、本件預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、平成13年当時、請求人の唯一の親権者であった請求人の母は、請求人の法定代理人として、本件贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として本件預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であり、また、本件預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、本件預金口座に係る預金は、平成13年の口座開設当初から請求人に帰属するものであって、相続財産には含まれない。(令3. 9.17 金裁(諸)令3-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030008
- 裁決年月日
- 令和3年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人(本件被相続人)が生前に保険契約者名義を本件被相続人から請求人に変更した各保険契約(本件各保険契約)について、本件各保険契約に係る保険料は、請求人が子供の頃から本件被相続人の配偶者である亡父より受領していた金員など請求人に帰属する財産が原資となっている旨主張する。しかしながら、亡父から請求人が当該金員を受贈していたことを認めるに足りる証拠が請求人から提出されておらず、また、当審判所の審理及び調査の結果によっても、その受贈事実は認められないことに加え、本件各保険料契約の一部については、その契約締結年に一時払いにより保険料の支払が完了しているところ、当時20歳前後の請求人が当該保険料を負担できたとは認められないことなどからすると、本件各保険契約に係る保険料は請求人に帰属する財産が原資となっているとは認められない。(令3. 9. 1 大裁(諸)令3-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030008
- 裁決年月日
- 令和3年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人名義等の預金が解約又は出金されて請求人名義の預金口座へ入金(本件各入金)されていることについて、①本件各入金の原資は、本件被相続人に帰属する財産ではなく、請求人が本件被相続人の配偶者である亡父から受贈した金員であり、また、②本件各入金の趣旨は、当該金員を請求人に返還するためにされたものである旨主張するとともに、③仮に、本件各入金の原資が本件被相続人に帰属する財産であるとしても、本件各入金は本件被相続人から請求人に対して贈与の趣旨でされたものである旨主張する。しかしながら、①本件被相続人は相当の資産を有していたと認められる一方、請求人が亡父から本件各入金の原資相当の金員を受贈した事実は認められず、また、②本件各入金は本件被相続人から預かるように言われたものである旨の請求人の当初の申述は、自身に不利益な事実を述べるものであるから信用性が認められるとともに、③本件各入金に係る金員について請求人が贈与税の申告をした事実は、当審判所の審理及び調査の結果によっても認められず、請求人が自身にとって不利益な申述を変遷させ、本件被相続人からの贈与であると主張するに至ったことについて合理的理由はうかがわれないことから、請求人の主張は採用できない。(令3. 9. 1 大裁(諸)令3-8)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020013
- 裁決年月日
- 令和3年6月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№123
要旨
○ 請求人は、被相続人の預貯金口座から出金された現金の一部が請求人以外の共同相続人等の口座に入金されていたことについて、当該共同相続人等の口座への入金額(本件入金額)は、当該共同相続人が得た不当利得であって、税法上のみなし贈与に当たる旨主張する。しかしながら、被相続人は、相続開始の時において、本件入金額に相当する金銭債権を当該共同相続人に対して有していたと認められ、実質的に贈与があったのと同様の経済的利益の移転の事実があったとは認められないから、相続税法第9条のみなし贈与には該当しない。(令3. 6.24 広裁(諸)令2-13)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020021
- 裁決年月日
- 令和3年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が営んでいた不動産賃貸業(本件事業)について、本件相続開始以前に請求人Aが被相続人から承継していたことから、本件事業の収益を原資とする財産は請求人に帰属するものである旨主張する。しかしながら、本件事業の事業主は、本件相続開始以前において被相続人であり、本件事業が被相続人から請求人に承継された事実は認められないことから、本件事業の収益を原資とする財産は相続財産に該当する。(令3. 6. 1 仙裁(諸)令2-21)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和3年5月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人Aが請求人らの父(本件被相続人)の相続財産ではなく、請求人Aの固有の財産であると主張する歯科医院(本件医院)の屋号付き請求人A名義の預金口座(本件預金口座)から出金され、本件被相続人名義の預金口座に入金された金員(本件金員)について、本件医院の事業主と認められる請求人らの母の相続に係る相続税の修正申告において相続財産とされていたものであり、また、同母の死亡後に本件被相続人名義の預金口座に入金されたものであるから、本件金員は本件被相続人の相続財産である旨主張する。しかしながら、預貯金等の帰属については、単に名義により判断するのではなく、その原資となった金員の出捐者、その管理・運用の状況、贈与の事実の有無等を総合的に勘案して判断するのが相当であるところ、本件医院の歯科医師として診療を行っていた請求人Aは、平成22年以降、請求人らの母に代わって保険医療機関(本件医院)の開設者となり、それに合わせて診療報酬の受入口座として本件預金口座を開設したと認められるから、本件預金口座に入金された金員は、本件医院の業務から生じた収入を原資とするものであり、本件預金口座の通帳及び届出印の管理を請求人Aが行っていたことに加え、請求人らの母の年齢や病状をも併せ考えれば、本件預金口座及び当該口座から引き出された本件金員は請求人Aに帰属すると認めるのが相当であるから、本件金員は、本件被相続人の相続財産とは認められない。(令3. 5.12 熊裁(諸)令2-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020073
- 裁決年月日
- 令和3年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、被相続人の生前、証券会社の同人名義の証券口座から、約1,900回にわたりコンビニエンスストア又は銀行に設置されたATMで出金された合計約14億円余りの金員について、出金したのは請求人であり、当時被相続人は認知症の疑いがあり意思能力を欠いていたため、請求人に対し当該金員の贈与等をしたとは認められないなどとして、被相続人は、相続開始時に請求人に対し当該金員に係る不当利得返還請求権を有していたとして行った更正処分について、当該出金をしたのは請求人ではないなどとして、当該不当利得返還請求権は存在しない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、①請求人は当該出金をする権限を有しており、証券会社の担当からの当該出金についての事実確認に対し当該出金を承知している旨回答したこと、②当該出金をしたATMの所在場所が、請求人の行動履歴及び請求人名義のクレジットカード、ETCカードの利用履歴と整合すること、③当該出金が最も多く行われたATMが設置されたコンビニエンスストアの店員らが請求人がATM操作をしていたのを目撃していたことからすれば、当該出金をしたのは請求人であると認められ、被相続人から請求人に対し贈与等があったとは認められないから、被相続人は、相続開始時に、請求人に対し当該出金した金員に係る返還請求権を有していたと認められる。(令3. 4.22 東裁(諸)令2-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020074
- 裁決年月日
- 令和3年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、被相続人の生前、証券会社の同人名義の証券口座から、約1,900回にわたりコンビニエンスストア又は銀行に設置されたATMで出金された合計約14億円余りの金員について、出金したのは請求人の弟であり、当時被相続人は認知症の疑いがあり意思能力を欠いていたため、請求人の弟に対し当該金員の贈与等をしたとは認められないなどとして、被相続人は、相続開始時に請求人の弟に対し当該金員に係る不当利得返還請求権を有していたとして行った更正処分について、当該出金をしたのは請求人の弟ではないなどとして、当該不当利得返還請求権は存在しない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、①請求人の弟は当該出金をする権限を有しており、証券会社の担当からの当該出金についての事実確認に対し当該出金を承知している旨回答したこと、②当該出金をしたATMの所在場所が、請求人の弟の行動履歴及び請求人の弟名義のクレジットカード、ETCカードの利用履歴と整合すること、③当該出金が最も多く行われたATMが設置されたコンビニエンスストアの店員らが請求人の弟がATM操作をしていたことを目撃していたことからすれば、当該出金をしたのは請求人の弟であると認められ、被相続人から請求人の弟に対し贈与等があったとは認められないから、被相続人は、相続開始時に、請求人の弟に対し当該出金した金員に係る返還請求権を有していたと認められる。(令3. 4.22 東裁(諸)令2-74)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020015
- 裁決年月日
- 令和3年3月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産として申告した預け金(本件預け金)の原資は、請求人A夫妻の自宅で請求人Aが保管管理していた現金(本件現金)であるところ、本件現金は、請求人Aが稼得した役員給与などの収入が原資となっているから、本件現金の原資は請求人Aに帰属する財産であり、本件預け金は相続財産に該当しない旨主張する。しかしながら、本件被相続人には、本件現金相当額の貯蓄能力が認められる一方、請求人Aが稼得したと認められる役員給与等の収入によっては、本件現金を貯蓄することは不可能であり、また、本件現金を請求人が保管管理していたとしても、そのことをもって本件現金が請求人Aに帰属していたとは認められないから、本件預け金は相続財産であるというべきである。(令3. 3. 1 仙裁(諸)令2-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020012
- 裁決年月日
- 令和3年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義の定期性貯金(本件各貯金)については、請求人の亡父(本件被相続人)から請求人が掛金の贈与を受けていたから、本件各貯金は請求人固有の財産である旨主張する。しかしながら、本件各貯金の出えん者は本件被相続人であり、その管理運用もその配偶者が本件被相続人の包括的同意の下で行っていたと認められる上、請求人が主張する贈与については書面の作成がなく、贈与の具体的な金額について話されたこともなかったことなどに照らせば、請求人に対する贈与がされたとは認められないから、本件各貯金は本件被相続人の相続財産と認められる。(令3. 1.20 関裁(諸)令2-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020012
- 裁決年月日
- 令和3年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義の定期貯金(本件貯金)の原資は請求人名義の保険契約(本件保険契約)に係る解約金であり、その保険料も請求人名義の普通貯金口座から引き落とされていることからすれば、本件貯金の原資は請求人が出えんしたから、本件貯金は請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、①本件保険契約の保険料は請求人の亡父(本件被相続人)が負担していたこと、②本件貯金の口座を開設し、本件貯金の証書及び届出印を管理していたのは請求人の母でもある本件被相続人の妻(本件配偶者)であったこと、及び③本件貯金の管理運用は本件配偶者が本件被相続人の包括的同意の下で行っていたことなどに照らせば、本件貯金は本件被相続人の相続財産と認められる。(令3. 1.20 関裁(諸)令2-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020012
- 裁決年月日
- 令和3年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309040
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/4書画、骨とう、貴金属等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、申告した美術品の一部(本件美術品等)について、再調査などの際に存否を確認することができなかったから、本件美術品等が相続開始時に存在していたとは認められない旨主張する。しかしながら、①本件美術品等を請求人の亡父(本件被相続人)が取得していたこと、②請求人は、請求人の母(本件被相続人の配偶者)らとともに本件美術品等を本件被相続人の相続財産として相続税の申告をしたこと、及び③本件被相続人が本件相続の開始時までに本件美術品等を手放したとうかがわせる事情も認められないことからすれば、本件美術品等は本件被相続人の相続財産と認められる。(令3. 1.20 関裁(諸)令2-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020011
- 裁決年月日
- 令和3年1月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人及びその妻(本件夫妻)が、請求人の亡母(本件被相続人)の生前、同人の了解を得ることなく同人の預金口座(本件口座)から引き出した金員(本件金員)は、本件夫妻が自由に使用・消費・処分することができたといえることなどから、本件夫妻は、本件被相続人の財産から利益を受け、本件被相続人に損失を与えていたといえるため、本件被相続人は本件夫妻に対し、本件金員に相当する額の不当利得返還請求権を有していた旨主張する。しかしながら、本件被相続人が本件夫妻に対し、本件金員の出金を依頼又は指示していた可能性を否定できないため、本件夫妻が、本件被相続人に無断で本件口座から本件金員を出金したとは認め難い。また、本件金員が本件夫妻によって費消されたことを認めるに足る証拠も見当たらない。したがって、本件被相続人は、本件夫妻に対して、本件金員に相当する額の不当利得返還請求権を有していたとはいえない。(令3. 1. 6 仙裁(諸)令2-11)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令020006
- 裁決年月日
- 令和2年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、本件被相続人が同族会社(本件会社)に貸し付けていた金員(本件貸付金)について、本件会社が本件被相続人に返済した金額は、本件貸付金の金額からみると僅かな金額であり、本件被相続人と本件会社との間で本件貸付金の返済についての協議がなされたことはない事実からすると、そもそも返済の合意がされていないから、金銭消費貸借契約は成立しておらず、本件貸付金は存在しなかったものと評価すべきであるなどと主張する。しかしながら、本件会社が本件被相続人に返済した金額の多寡や本件被相続人と本件会社との間における本件貸付金の返済についての協議や合意の有無にかかわらず、本件会社の決算報告書等及び総勘定元帳によれば、本件貸付金は、各事業年度を通じ、金額に変動はあるものの継続して記載されており、また、本件被相続人とともに本件会社の代表取締役であった本件被相続人の長女は、本件相続開始日における本件貸付金の存在を認める申述をするとともに、本件貸付金が本件会社の総勘定元帳の借入金勘定に記載された理由を詳細に申述しており、当該各申述は、本件会社の決算報告書等の記載と整合するから、本件貸付金は、本件相続開始日において存在していたものと認めるのが相当である。(令2.12.1札裁(諸)令2-6)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令010018
- 裁決年月日
- 令和2年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/2退職手当金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人らは、亡母(被相続人)が生前に個人事業を廃止したことによる小規模企業共済契約に基づく支払請求権等(本件共済金請求権等)は、請求人らが相続開始後の請求により支払決定されたものであり、それまで支給額はもとより、支給自体も確定していなかったので、相続開始日には発生していなかったものであるから、相続財産には該当しない旨主張する。しかしながら、小規模企業共済法は、共済契約者の事業廃止を支給事由と規定しており、共済契約者が事業を廃止した時に共済金が支給される権利及び支給額が確定されると認められるから、本件共済金請求権等は、被相続人の相続に係る相続財産に該当する。(令2.6.22仙裁(諸)令元-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010009
- 裁決年月日
- 令和元年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人(本件被相続人)の妻である請求人(請求人妻)名義の預金(本件預金)について、請求人妻固有の財産が原資であること、請求人妻が本件被相続人と共同で管理・運用していたことなどを理由に、本件被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、一般に、夫婦間において、妻が夫の財産を管理・運用していたとしても何ら不自然ではないから、この点を殊更に重視することはできないし、当審判所が認定した金員の流れなどに照らせば、本件被相続人に帰属する同人名義の預金口座から引き出された金員が本件預金の原資であったといえることなどを考慮すれば、本件預金は、本件被相続人の相続財産であると認められる。(令元.9.10 関裁(諸)令元-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300024
- 裁決年月日
- 平成31年4月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、亡母名義の預貯金(本件預貯金)について、請求人が亡母(本件被相続人)に預けた金員を原資として運用し形成されたものであり、請求人の固有財産である旨主張する。しかしながら、①本件預貯金の名義は、いずれも本件被相続人であること、②本件被相続人が、各口座を開設し、各金融機関への届出住所等の変更手続を行い、各口座で使用された印鑑を管理していたと認められること、③本件被相続人が負担すべき公租公課等が口座振替により支払われていること及び④本件預貯金の金融機関の窓口での入出金手続は本件被相続人によりされているなどからすれば、各口座の管理運用は本件被相続人が行っていたと認められる。また、⑤本件各預貯金の原資は、大部分が本件被相続人の別の預金、共済の満期金、公的年金等であること、⑥請求人の主張の根拠となる証拠は、請求人の答述しかなく、他にこれを裏付ける証拠は存在しないことを考え併せれば、本件預貯金は請求人の固有財産ではなく、本件被相続人に帰属する相続財産であると認められる。(平31. 4.19 広裁(諸)平30-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300129
- 裁決年月日
- 平成31年4月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が受領していた和解金は、和解契約上、和解金を支払う相手側法人(本件法人)の税引後利益が上がらなければ支払われないものであることなどを理由として、和解金を受ける権利(本件権利)は条件未成就の停止条件付の権利であることから相続税の課税対象となる財産とはならないが、仮に相続税の課税対象となる財産を構成するとしても、その評価額は零円である旨主張し、原処分庁は、本件権利の相続開始時における価額は、和解契約により支払を受けることができる金額(和解金の総額からすでに支払われた金額を差し引いた残額)で評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法上、相続財産の範囲は、相続により取得した財産で金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものをいうところ、本件権利は、相続により取得した財産であって、和解金の支払に関する履行状況等からすれば経済的価値が存するものと認められることから、本件権利が停止条件付債権であるか否かにかかわらず、相続税の課税財産に該当し、また、その評価額について、本件権利は無利息の金銭債権に類似するものであって、本件権利に係る支払態様は、相続開始日以降、本件法人の利益に連動して金額が決定し複数回にわたり支払われることからすれば、本件権利の相続開始日における価額を算定するに当たっては、相続開始日からそれぞれ支払期日まで個々に支払われる支払金ごとに、相続開始日から支払期日まで、各別に中間利息を控除し現在価値を算出する方法が合理的というべきである。 (平31. 4.19 東裁(諸)平30-129)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300117
- 裁決年月日
- 平成31年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、地下1階付10階建の共同住宅の地下1階ないし地上4階部分(本件建物)の売買契約により、本件建物を請求人の主宰法人(本件法人)に売却したのであるから、本件建物の従物である地上権(本件建物の存する土地(本件土地)に設定された地上権の本件建物に対応する部分。本件地上権)は、請求人から本件法人に移転した旨及び本件法人が本件地上権を取得した以上、本件土地の所有者である被相続人(本件被相続人)を貸主及び本件法人を借主とした本件土地の賃貸借契約(本件賃貸借契約)は無効であり、本件賃貸借契約を前提とした本件土地の無償返還に関する届出書も無効となるから、本件土地の価額は、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》(1)の定めにより評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、請求人が亡父(本件被相続人の配偶者)の相続により本件地上権を取得したことを前提としたものであるところ、亡父の相続により本件地上権を取得した者は請求人ではなく本件被相続人であるから、本件被相続人を貸主及び本件法人を借主とした本件賃貸借契約は有効であり、本件賃貸借契約を前提とした本件土地の無償返還に関する届出書も有効であるから、本件土地の価額は、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」8《「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の価額》の定めにより評価することが相当である。(平31. 4. 1 東裁(諸)平30-117)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300117
- 裁決年月日
- 平成31年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父の相続において、共同相続人には、共同住宅が存する土地(本件土地)に設定された地上権(本件地上権)の持分2分の1相当が亡父の相続財産であることの認識がなかったことから、その遺産分割協議書には、本件地上権の記載がなく誰が取得したのか明示されていないが、類似の裁判例では、特段の事情のない限り、建物の取得者に借地権を帰属させる旨判示されていることなどからすると、本件地上権を取得したのは、本件土地を取得した亡父の配偶者である被相続人(本件被相続人)ではなく、当該共同住宅の地下1階ないし地上4階部分(本件建物)を取得した請求人であると判断すべきであるから、本件地上権は本件被相続人の相続財産には該当しない旨主張する。しかしながら、亡父の相続税の申告において、本件土地は、本件地上権が設定された貸宅地ではなく、本件地上権が設定されていない貸家建付地として区分され、その価額は、本件地上権の価額を控除せずに評価されていることなどからすると、共同相続人は、本件地上権は本件土地の所有者に帰属するものとして亡父の相続財産である旨認識していたことは明らかであり、同認識の下、亡父の遺産分割協議を行い、本件土地の所有権を本件被相続人に帰属させる旨合意したのであるから、本件地上権についても本件被相続人に帰属させる旨合意したものと認められる。したがって、亡父の遺産分割協議においては、本件建物の移転について、本件地上権の移転を伴わない特段の事情があったものと解するのが相当であり、本件地上権は本件被相続人の相続財産に該当するものと認められる。(平31. 4. 1 東裁(諸)平30-117)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300107
- 裁決年月日
- 平成31年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、相続財産として申告した土地(本件土地)について、相続(本件相続)の直前における登記上の所有権者が本件相続に係る被相続人(本件被相続人)であり、本件相続を原因として相続人に所有権が移転した旨の登記がされており、かつ、本件被相続人に本件土地に係る固定資産税の課税がなされていたから、本件相続の相続財産でないとは認められない旨主張する。しかしながら、本件土地に係る売買契約書の記載内容や実測図等から判断すると、本件土地は、本件被相続人の生前に本件被相続人により売却されていたものと認められることから、本件相続の相続財産には該当しない。(平31. 2.26 東裁(諸)平30-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300102
- 裁決年月日
- 平成31年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の亡父(本件被相続人)の死亡により取得した各生命保険契約(本件各保険契約)の保険金は、本件被相続人よりも先に死亡した亡母がそれらの保険料(本件各保険料)を負担していたものであるから、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第1号に規定する本件被相続人の相続財産とみなされる財産には該当しない旨主張する。しかしながら、①本件被相続人と亡母は長年夫婦として同居し、本件被相続人の方がより恒常的に安定した収入を得ていたこと、②本件各保険契約は保険契約者にその保険料の支払義務を課しているところ、契約締結の数年後に、本件各保険契約の全ての保険契約者が本件被相続人に異動され、相続開始まで継続して本件被相続人が保険契約者であったことは、保険契約者と実質上の保険料負担者を一致させるためにされたものともうかがわれること及び③亡母が本件各保険料を負担していたことを明らかにする客観的証拠は提出されていないこと等から、本件各保険料は、本件被相続人の収入を主たる原資として支払われたものといえる。したがって、本件各保険契約の保険金は、相続税第3条第1項第1号の規定に基づき本件被相続人の相続税の課税対象となる。(平31. 2.21 東裁(諸)平30-102)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300087
- 裁決年月日
- 平成31年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である売買契約中であった不動産及び借地権には請求人が代表取締役を務める会社(本件法人)を債務者とする根抵当権が設定されており、①その売買代金によって本件法人の債務を代位弁済すべき義務が付着していたから、当該代位弁済により取得した求償権のうち、後に債権放棄した金額(本件債権放棄額)については、当該売買に係る残代金請求権の評価上控除すべきである旨、そうでなければ、②相続開始日において本件法人は破産状態にあったから、本件債権放棄額は被相続人の確実と認められる債務として相続税の課税価格の計算上控除すべきである旨それぞれ主張する。しかしながら、①については、相続開始日において、被相続人が当該売買代金をもって本件法人に代位して弁済すべき義務を負っていたとまでは認めらないから、請求人の主張はその前提を欠いており、採用できず、また、②については、本件法人は債務超過ではあったものの、相続開始日において、破産・会社更生若しくは強制執行等の手続の開始を受け、又は、事業閉鎖・経営者の行方不明・刑の執行等の事実はなく、債権者において催告書の発行や根抵当権の実行が具体的に検討された事実もないこと等からすれば、本件債権放棄額は確実な債務とは認められず、相続税の課税価格の計算上控除することはできない。(平31. 2. 1 東裁(諸)平30-87)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300084
- 裁決年月日
- 平成31年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、裁判上の和解において、将来、建物の賃貸借契約が終了した時点で賃借人から賃貸人に対して支払う旨合意された金員に係る権利は、建物の賃貸借契約の終了時に発生する原状回復費用相当額の請求権であるから、建物の賃貸借契約の終了前に開始した被相続人の相続財産にはならない旨主張する。しかしながら、①上記和解において、賃借人は、賃貸人である被相続人に対し、建物の原状回復費用として上記金員の支払義務があることを認め、上記金員を賃貸借契約の終了日限り支払う旨被相続人との間で合意したこと、及び②その支払を担保するため、賃借人は、被相続人に対し預託金を支払うことについて被相続人との間で合意し、現に、その支払も履行されていることからすると、上記和解によって、上記金員の支払を受ける権利(始期付債権)の存在が確定したと解するのが相当である。そして、上記金員の支払を受ける権利は、その金額が確定していること、その支払を受ける時期が確定していること及び訴訟上の和解により生じたもので、判決と同様の執行力があることからすれば、金銭に見積もることのできる経済価値のあるものであることは明らかであるから、被相続人に帰属する相続財産であると認められる。(平31. 1.25 東裁(諸)平30-84)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平300003
- 裁決年月日
- 平成31年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/2退職手当金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人に対して、被相続人が取締役であった会社(本件会社)から役員退職慰労金(本件退職慰労金)が支給されることとなったが、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第2号は「支給を受けた場合」における「当該給与」と規定していることから、本件退職慰労金のうち実際に支給を受けていない部分の額は、みなし相続財産に該当しない旨主張する。しかしながら、同号に規定する被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものとは、相続税法基本通達3-30《「被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの」の意義》で定めるとおり、被相続人に支給されるべきであった退職手当金等の額が被相続人の死亡後3年以内に確定したものをいい、実際に支給される時期が被相続人の死亡後3年以内であるかどうかを問わないものと解するのが相当であるところ、本件退職慰労金は本件被相続人の死亡後3年以内に本件会社の株主総会及び取締役会の各決議によって支給すること及び支給額が確定したものであることから、その全額がみなし相続財産に該当する。(平31. 1.24 仙裁(諸)平30-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300020
- 裁決年月日
- 平成30年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡母(本件被相続人)の相続(本件相続)に係る相続財産として申告した本件被相続人名義の財産の大部分(本件各財産)について、実際には請求人が亡父から相続(本件第一次相続)により取得したものであり、本件相続に係る相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件各財産を含む本件第一次相続に係る亡祖父、亡祖母及び亡父名義の各財産は、遅くとも平成18年10月頃までに、いずれも本件被相続人又は請求人に名義変更され、本件被相続人は自己名義に変更された各財産について自ら管理し、その状態が本件相続の開始時まで継続していることから、本件第一次相続に係る遺産分割協議は遅くとも平成18年10月頃までに成立したものと認めるのが相当である。そして、本件各財産のうち本件第一次相続後に購入されたものについても、本件被相続人が購入等の手続を自ら行い、当該手続に使用した印章を本件各財産に係る通帳とともに自己の居宅で保管していたことからすれば、本件各財産は、その名義人である本件被相続人に帰属していた財産であると認めるのが相当である。したがって、本件各財産は、いずれも本件相続に係る相続財産であると認められる。なお、上記の名義変更等の状況からすれば、本件被相続人及び請求人が作成した亡祖父の相続に係る特別受益証明書及び本件被相続人が作成した本件第一次相続に係る遺産分割協議証明書は、曽祖父名義であった土地の所有権移転登記手続のために利用されたにとどまり、当該手続を簡便に行うことを目的として作成されたものと認めるのが相当であるから、そこに記載されたとおりの事実を認めることはできない。(平30.12.18 関裁(諸)平30-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300074
- 裁決年月日
- 平成30年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が亡くなる直前に被相続人名義の口座から引き出した現金(本件金員)について、本件金員は、被相続人の同意を得て、見知らぬ男性(本件男性)から被相続人の病気に効くとされる物品(本件物品)を購入するために費消してしまい、相続開始時点において本件金員は存在しなかったから、相続税に係る課税財産に含まれない旨主張する。しかしながら、請求人の主張を裏付ける売買契約書、領収証等はなく、本件物品が入れられていたケースの保存もなく、売主である本件男性の氏名、連絡先も不明であり、唯一の証拠は請求人の申述及び答述だけであるところ、当該申述等は、当審判所が調査した事実と矛盾しており、信用することができない。そして、当事者間に本件金員が相続開始の前日に自宅に保管されていたことに争いはないところ、本件金員は本件物品の購入のために費消されておらず、他に本件金員が預金されたりした事実もみられないことからすると、本件金員は、相続開始時点において、自宅に保管されていたと推認するのが合理的であるから、相続税に係る課税財産に含まれる。(平30.12.11 東裁(諸)平30-74)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年8月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父(本件被相続人)との間で貸付金(本件貸付金)に係る消費貸借契約を締結したことがなく、本件貸付金に係る金銭を受け取ったこともないから相続(本件相続)の開始時において本件貸付金は存在していなかった旨主張する。しかしながら、①請求人及び本件被相続人の署名押印のある借用書(本件借用書)が存在しており、本件借用書の記載内容は借主とされる請求人にとって非常に重要な内容であること、及び②本件借用書の記載内容や作成時期・経緯等には特段不自然な点がないということから、本件借用書の記載のとおりに本件貸付金が存在していたとは認められない特段の事情を認めることはできない。したがって、本件貸付金は、本件相続の開始時において本件借用書に記載のとおり存在していたものというべきである。(平30. 8.31 大裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300003
- 裁決年月日
- 平成30年8月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№112
要旨
○ 原処分庁は、相続人(本件相続人)名義の銀行口座(本件預金口座)に入金された資金及び上場株式の購入資金の合計(本件資金)について、本件資金の原資(本件資金となる直前の財産)は被相続人(本件被相続人)に帰属するものと認められ、本件被相続人と本件相続人との間で、贈与やその他の債権債務関係があったとは認められないことからすると、本件被相続人は、本件相続人に対し、本件資金相当額の預け金返還請求権を有している旨主張する。しかしながら、①本件資金及び本件資金の原資の管理運用は、本件被相続人が行っていたものであり、そうであれば、本件資金を本件預金口座に入金したり、その後、本件相続人名義の上場株式の購入資金に充てたりしたことは、財産の管理運用の一環として、本件相続人の名義で本件被相続人が実質的に行っていたものと認められること、②平成18年頃に本件資金の運用から生じた化体財産は本件被相続人から本件相続人に贈与されていたことからすれば、そもそも本件資金相当額の預け金返還請求権の存在はおろか発生していたとすらいえない。したがって、本件被相続人は、相続開始日において、本件相続人に対し、本件資金相当額の預け金返還請求権を有しているとは認められない。(平30. 8.22 名裁(諸)平30-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290086
- 裁決年月日
- 平成30年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人に係る相続開始の日後に、本件被相続人の先代名義及び先々代名義の各不動産等に係る遺産分割調停及び遺産分割審判に基づき請求人の1人が取得した各不動産の持分(本件増加持分)は、本件被相続人に係る相続開始の時点においては分割されておらず、本件被相続人に帰属する財産ではなかったのであるから、課税相続財産に含まれない旨主張する。しかしながら、民法第909条《遺産の分割の効力》において遺産の分割の効力は相続開始の時に遡って生ずる旨規定しているところ、相続税法においても、遺産の分割の効力が相続開始の時に遡って生ずることを前提としていると解するのが相当であることから、本件増加持分は、本件被相続人に係る相続開始の時に遡って取得したものと認められ、課税相続財産となる。(平30. 6.25 大裁(諸)平29-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290125ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成30年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の責めに帰すべき事由なく、生命保険契約(本件生命保険契約)の存在を知らず、相続開始後、短期間のうちに満期日が徒過し、本件生命保険契約の解約及び変更をすることができなかったのであるから、私法上、本件生命保険契約に関する権利を承継していないと解すべきである旨主張する。しかしながら、相続開始日において、被相続人を保険契約者とする本件生命保険契約が存在し、その保険料の全額が支払われ、かつ、保険事故が発生していないことから、本件生命保険契約に関する権利は被相続人に帰属する財産であり、請求人は被相続人の死亡により本件生命保険契約に関する権利を承継したことになるから、本件生命保険契約に関する権利は相続税の課税財産となる。そして、請求人における本件生命保険契約の存在の不知は主観的事情をいうものにすぎず、また、解約や変更を行ったか否かは相続開始後の事情であり、いずれの主張も本件生命保険契約の権利が本件における相続税の課税財産となることについて影響を及ぼすものではない。(平30. 5.23 東裁(諸)平29-125)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290052
- 裁決年月日
- 平成30年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人が相続開始の前日に定期貯金を解約して受領した金員(本件金員)について、本件被相続人により費消又は相続人以外の第三者に手交されたものと認められるから、相続開始時点において存在せず、相続財産とはならない旨主張する。しかしながら、本件金員の受領から相続が開始するまでの期間がおよそ1日と短く、本件被相続人と同居する請求人が自宅を空けた時間帯も短いことなどから、本件被相続人が請求人らに察知されることなく外出、又は、来客と面会するなどして本件金員を費消する機会は限定的であったと認められる。そして、①不動産などの高額な資産を購入する場合に作成・保存する契約書や領収証などの本件金員の使途に繋がる書類の保管がなく、②本件被相続人や請求人らなどの名義による金融機関への預貯金の預け入れや債務の弁済及び公租公課の納付の事実もなく、また、③本件被相続人に短期間で金銭を費消するようなギャンブル等の趣味はなく、更に、④本件金員が、請求人らやその他の者へ贈与されたり、盗まれたりしたものでもないことからすると、本件被相続人が、請求人らの目の届かないわずかな機会に、何の痕跡も残さず本件金員を費消等したとは考え難い。これらのことからすると、本件金員は、相続開始時点において、本件被相続人が自宅で保管していたものと考えるのが相当であり、本件被相続人に帰属する相続財産であると認められる。(平30. 4.24 関裁(諸)平29-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290115
- 裁決年月日
- 平成30年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、租税特別措置法(平成27年法律第9号による改正前のものをいう。)第37条の5《既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建築のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例》の適用を前提とする売買契約及び取得契約の実態からすると、買換資産に係る契約上の権利義務は譲渡契約を締結したときに当事者双方に発生しているところ、本件では、相続開始前に締結した売買契約に係る特約条項(本件特約条項)等に基づき、被相続人に譲渡土地上に計画しているマンション(本件買換資産)に係る契約上の権利義務が発生していることから、買換資産の給付を受ける権利及びこれに係る未払金が相続税の課税財産及び債務控除の対象となる旨主張する。しかしながら、買換資産の給付を受ける権利及び未払金の支払義務は、その取得契約が成立したときに発生すると考えられるところ、本件特約条項は、本件買換資産の取得契約をその建築確認取得後に締結できる旨定めたにすぎず、これをもって本件買換資産の取得契約が成立したとまではいえない。他方、請求人の一人が相続開始後に本件買換資産の取得契約を締結していることからすると、本件買換資産に係る取得契約は、本件の相続開始後に成立したものと認められる。したがって、本件買換資産の給付を受ける権利及び未払金の支払義務は、本件相続開始の時においてその権利義務が発生していないことから、相続税の課税財産及び債務控除の対象とはならない。(平30. 4.18 東裁(諸)平29-115)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平290010
- 裁決年月日
- 平成30年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第三者名義の株式(本件名義株)について、被相続人に帰属していた株式ではなく、本件名義株を発行した法人に帰属していた株式であるから、被相続人に係る相続財産等に該当しない旨主張する。しかしながら、株式の帰属を認定するに当たっては、株式の名義が重要な要素とはなるが、株式取得の原資を誰が負担しているか、株式売買などの意思決定をしているのは誰か、さらに比較的長期間保有を続けている株式にあっては、その配当金を取得しているのは誰かもまた、その帰属の認定に際して重要な要素ということができる。そして、これらの諸要素及び名義人と管理、運用者との関係等を総合考慮したところ、被相続人が、本件名義株の原資を負担していたこと、本件名義株の配当金を受領していたこと、本件名義株を保管、管理していたこと、本件名義株の名義人に名義を借りたことに合理性が認められることなどから、本件名義株は、被相続人に帰属していた株式であると認められる。したがって、本件名義株は被相続人に係る相続財産等に該当する。(平30. 4.16 福裁(諸)平29-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平290011
- 裁決年月日
- 平成30年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第三者名義の株式(本件名義株)について、相続時精算課税の適用を受ける被相続人(本件被相続人)に帰属していた株式ではなく、本件名義株を発行した法人に帰属していた株式であるから、本件被相続人から贈与により取得した相続時精算課税適用財産には該当しない旨主張する。しかしながら、株式の帰属を認定するに当たっては、株式の名義が重要な要素とはなるが、株式取得の原資を誰が負担しているか、株式売買などの意思決定をしているのは誰か、さらに比較的長期間保有を続けている株式にあっては、その配当金を取得しているのは誰かもまた、その帰属の認定に際して重要な要素ということができる。そして、これらの諸要素及び名義人と管理、運用者との関係等を総合考慮したところ、本件被相続人が、本件名義株の原資を負担していたこと、本件名義株の配当金を受領していたこと、本件名義株を保管、管理していたこと、本件名義株の名義人に名義を借りたことに合理性が認められることから、本件名義株は、本件被相続人に帰属していた株式であると認められる。したがって本件名義株は、本件被相続人から贈与により取得した相続時精算課税適用財産に該当する。(平30. 4.16 福裁(諸)平29-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290111
- 裁決年月日
- 平成30年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が売主として売買契約(本件売買契約)を締結していた土地(本件土地)について、被相続人と買主との間で本件売買契約の合意による解除が成立していた結果、本件売買契約は、被相続人の相続開始(本件相続開始)前に消滅し、本件売買契約に係る残代金債権(本件残代金債権)は、本件相続開始時において既に消滅しているから相続税の課税対象となる財産は本件土地である旨主張し、仮に本件売買契約が本件相続開始後に合意による解除がされたとしても当該解除にはやむを得ない事情があるから相続税の課税対象となる財産は本件土地である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、請求人らの本件相続開始後に生じた税務面の負担軽減等の個人的な事情を理由として、請求人らと買主との間で合意により解除されたものと認められる。そして、本件売買契約の本件相続開始時までの履行状況をみるに、本件売買契約の履行手続は円滑に進められ、本件売買契約の履行に係る客観的な障害があったことを示すような事実は認められない状況からすれば、本件相続開始日において、本件売買契約が履行されることが相当程度確実になっていたものと認められ、そのような状況下においては、本件土地の所有権が被相続人に残っていたとしても、もはやその実質は本件残代金債権を確保するための機能を有するにすぎず、また、本件売買契約の解除の理由は、請求人らの本件相続開始後に生じた税務面の負担軽減のためなどの個人的な事情であって、やむを得ない事情によるものと認められないことからすれば、相続税の課税財産は、本件残代金債権と解するのが相当である。(平30. 4.12 東裁(諸)平29-111)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290112
- 裁決年月日
- 平成30年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が売主として売買契約(本件売買契約)を締結していた土地(本件土地)について、相続税の課税対象となる財産は本件土地である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は相続開始後に請求人と買主の合意により解除されたものと認められ、そして、相続開始時までの本件売買契約の履行状況をみるに、本件売買契約の履行手続は円滑に進められ、本件売買契約の履行に係る客観的な障害があったことを示すような事実は認められない状況からすれば、相続開始日において、本件売買契約が履行されることが相当程度確実になっていたものと認められ、そのような状況下においては、本件土地の所有権が被相続人に残っていたとしても、もはやその実質は本件売買契約に係る売買残代金債権を確保するための機能を有するにすぎず、また、本件売買契約の解除の理由は、請求人の相続開始後に生じた税務面の負担軽減のためなどの個人的な事情であって、本件売買契約成立後に生じたやむを得ない事情によるものとは認められないことからすれば、相続税の課税財産は、本件売買契約に係る売買残代金債権と解するのが相当である。(平30. 4.12 東裁(諸)平29-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290106
- 裁決年月日
- 平成30年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①被相続人所有の全ての株式が同人から配偶者へ、②その一部の株式(本件株式)が配偶者から親族へ順次売買されたとして、当該親族に売買されたとする本件株式につき、配当金等の利益の帰属などの各事情を総合考慮すると、被相続人に帰属する財産であった旨主張する。上記①については、当事者双方が署名押印した売買契約書が存する上、原処分庁が総合考慮すべきとする全ての事情を勘案しても、売買契約が成立していないということはできず、全ての株式は配偶者へ移転したものと認められる。しかしながら、上記②については、原処分調査時の親族の申述等からすれば、売買に関して売主である配偶者と買主である親族の間に、意思の合致があったとは認められず、売買契約は成立していたとは認められないものの、そのことは、本件株式が親族に帰属しないことを表すにとどまり、その後に被相続人が本件株式を取得したと認めるに足る証拠はないから、本件株式については、被相続人に帰属する相続財産であったとは認められない。(平30. 4. 6 東裁(諸)平29-106)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290016
- 裁決年月日
- 平成30年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309040
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/4書画、骨とう、貴金属等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金地金等(本件金地金等)は、一部を除き被相続人から生前贈与により取得したものであり、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、請求人が被相続人から本件金地金等の贈与を受けたことをうかがわせるような事実は認めることはできないから、相続財産と認めるのが相当である。なお、請求人は、本件金地金等の帰属は、その管理運用及び処分の状況から判断されるべきであるなどと主張するところ、共同相続人が本件金地金等を管理運用し、あるいは処分していた事実は認められないということも踏まえて、請求人が主張するような贈与をうかがわせる事実は認められないと判断したものである。仮に、請求人の主張が、本件金地金等の管理運用及び処分を被相続人がしていたという事実が認められない限り、本件金地金等を相続財産であると判断できないという趣旨であるとすれば、かつて被相続人が本件金地金等を所有していた事実に争いがない本件においては、当該主張は採用できない。(平30. 2.28 名裁(諸)平29-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290066
- 裁決年月日
- 平成29年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が和解によって保証債務及び連帯債務を履行したことにより主債務者であり他の連帯債務者でもある者に対して有することになった求償権(本件求償権)は相続開始前に放棄されており、相続開始日に存在しないから相続財産には該当しない旨主張する。しかしながら、和解に至った経緯、和解内容、その後の全事情によれば、本件求償権は明示、黙示を問わず放棄されていなかったものと認められるから、本件求償権は相続財産に該当する。(平29.12.15 東裁(諸)平29-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290037
- 裁決年月日
- 平成29年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人A及び請求人Bは、被相続人は、同人が代表取締役を務めていた株式会社(本件法人)の設立時に同社の株式(本件株式)を300株取得し、その後、本件株式を一切譲り受けていないから、相続開始日において被相続人が保有していた本件株式の株数は300株である旨主張する。しかしながら、①請求人Aが、昭和63年の家事調停の際に、被相続人及び本件法人と共に作成した合意書には、請求人Aが当時保有していた本件株式の全ての名義を被相続人に無償で変更する条項を定めていること、②当該条項が請求人Aが当時保有していた本件株式の全部を被相続人に譲渡する趣旨であることについては、その後の別件訴訟の際、請求人A、被相続人及び本件法人の間で争いがなかったこと、③本件法人の株主総会議事録等から、遅くとも平成2年12月31日までに請求人Aが保有する全部の株式を被相続人に譲渡したと認められること、④平成19年12月期ないし平成23年12月期に係る本件法人の法人税申告書別表二には、被相続人が本件株式を全株(1,000株)保有している旨記載されており、相続開始日までに被相続人が本件株式を他者に譲渡した事実を示す証拠もないことからすると、相続開始日において被相続人が保有する本件株式の株数は1,000株であると認められる。(平29.12.14 大裁(諸)平29-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290014ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成29年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309040
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/4書画、骨とう、貴金属等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の自宅金庫(本件金庫)に購入伝票等(本件購入伝票等)とともに保管されていた金地金について、被相続人名義で購入された金地金(本件金地金)も、収入の状況からすると被相続人の配偶者が購入した可能性があること、仮に被相続人が本件金地金を購入したとしても、本件購入伝票等に記載された金地金の重量と被相続人の相続開始日(本件相続開始日)における本件金庫内の金地金の重量が一致せず、本件金地金が本件相続開始日まで処分されずに残っていたことを示す証拠がないことから、本件金地金は本件相続に係る相続財産とはいえない旨主張する。しかしながら、被相続人の資力により本件金地金を購入することが困難であったとはいえず、配偶者が被相続人名義で本件金地金を購入するような事情もないから、本件金地金は、被相続人により取得されたものと認められる。また、本件相続開始日において、金地金が本件購入伝票等とともに本件金庫に保管され、その重量は本件購入伝票等に係る金地金の重量を上回り、本件金地金を含むものとして矛盾しないこと、被相続人が本件金地金を処分したことをうかがわせるような事情もないことなどから、本件金地金は本件相続開始日に本件金庫に保管されていたと認められる。したがって、本件金地金は、本件相続に係る相続財産といえる。(平29.10.25 関裁(諸)平29-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290010
- 裁決年月日
- 平成29年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人の配偶者名義の預金(本件預金)について、①夫婦間において生活費が配偶者の口座に入金された場合には贈与として当該預金は口座名義人の預金となる、②相続税法第21条の3《贈与税の非課税財産》第1項第2号の趣旨からしても、3億円近い流動資産を保有していた本件被相続人の贈与時の資力などに鑑みれば、1,000万円程度の額は通常の生活費といえるなどとして、本件預金は、本件被相続人から配偶者に対して、通常必要と認められる生活費として贈与済みの財産であって相続財産ではない旨主張する。しかしながら、相続財産である預貯金等の帰属については、一般的にはその名義人に帰属するのが通常であるが、預貯金等については別の名義への預け替えが容易にできることから、単に名義人が誰かという形式的事実のみにより判断するのではなく、その原資となった金員の出捐者、その管理、運用の状況、贈与の事実の有無等を総合的に勘案してその帰属を判断するのが相当であると解される。そして、本件預金については、①その出捐者は被相続人であること、②本件預金に係る口座(本件預金口座)の管理は実質的に被相続人が行っていたと認められること及び③本件預金口座の性格が振替口座(本件被相続人からの生活費を一旦受け取るための口座)としての機能を有していたにすぎないことなどを総合考慮すると、本件預金は、被相続人に帰属する財産であると認めるのが相当である。(平29. 8. 2 東裁(諸)平29-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290002
- 裁決年月日
- 平成29年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人(本件被相続人)が署名、押印した贈与に関する一覧表(本件一覧表)に基づき行われた、本件被相続人から請求人の妻の親族(本件親族)に対する贈与は有効な贈与契約に基づくものであるから、本件被相続人から本件親族の口座へ移動した預金は、被相続人に帰属する財産でない旨、また、請求人の妻が被相続人の介護報酬として被相続人の口座から引き出した金額(本件引出金)については、請求人の妻に帰属する旨主張する。しかしながら、本件被相続人から本件一覧表に基づいて本件親族に対する贈与の事実は認められず、本件親族の口座の預金等は、被相続人に帰属する財産であり、また、本件引出金について、本件被相続人と請求人の妻の間に介護料の支払に関する合意があったとは認められないことから、被相続人に帰属する財産である。(平29. 7. 5 東裁(諸)平29-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280095
- 裁決年月日
- 平成29年3月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が売主として売買契約(本件売買契約)を締結していた土地及び建物について、相続税の課税対象とすべき財産は、引渡時まで所有権が留保する特約が存する本件売買契約の下においては、売買残代金請求権ではなく土地及び建物である旨主張する。しかしながら、相続の開始時に、本件売買契約の履行に係る客観的な障害があったことを示す事実は認められず、本件売買契約を解除すべき事情もなかったことからすると、相続の開始時において、本件売買契約に係る売買は履行されることが相当程度確実になっていたものと認められ、たとえ土地及び建物の所有権が売主である被相続人に留保されていたとしても、もはやその実質は売買残代金請求権を確保するための機能を有するにすぎないのであり、相続税の課税対象とすべき財産は、売買残代金請求権であると解するのが相当である。(平29. 3. 3 東裁(諸)平28-95)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280009ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成28年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人等名義の預金(本件預金)は、請求人の母である被相続人の相続財産ではなく、請求人が亡父から生前に贈与されたものであり、また、本件預金の管理に関しても、被相続人に対し本件預金の継続手続を包括的に委任していたにすぎない旨主張する。しかしながら、本件預金について、①亡父から相続人に対する贈与に係る契約書は作成されておらず、その他これを証する書類の存在も認められないこと、②亡父の預金等の財産は、その生前に被相続人に大半を移転していたこと、③預金先の金融機関の選定や預替えの判断は被相続人が行っていたこと、④相続人は、いずれも本件預金又はその原資について、贈与税の申告や納税を行っていないことなどからすると、本件預金又は原資が亡父から贈与されたと認めることはできず、被相続人の相続財産であると認められる。(平28.12.12 広裁(諸)平28-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280029
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が入院中に、被相続人から依頼を受けて被相続人名義の預金から引き出した現金(本件金員)について、被相続人の病室(本件病室)で被相続人に交付したが、その後の管理状況は知らず、相続開始日には存在しなかったのであるから相続財産ではない旨主張する。しかしながら、そもそも入院先の病室に多額の現金を持ち込むこと自体、通常は考え難いことである上に、本件病室には多額の現金を安全に保管できるような設備はなく、また、被相続人は、本件金員が引き出された後、入院中の病院から外出したことはなかったことから、本件金員が引き出されてから死亡するまでに、これを費消することは極めて困難であったものと認めることができる。さらに、被相続人の入院中に必要な費用については、本件金員とは別に引き出された金員によって十分賄われており、その他に被相続人が多額の現金を必要としていたような事情はうかがわれない。これらの点に加え、被相続人から依頼を受けて本件金員を引き出した請求人が、本件金員の使途について何ら具体的に説明し得ないことにも照らせば、請求人は、本件金員を被相続人に交付していないものと認めるのが相当であり、相続開始日において、本件金員は、請求人の管理下にあったものと推認されるから、本件相続に係る相続財産であると認めるのが相当である。(平28.12. 7 大裁(諸)平28-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280016
- 裁決年月日
- 平成28年11月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 原処分庁は、請求人が契約者である本件保険の保険料(本件保険料)の全部を被相続人が負担していると認められるから、本件保険に関する権利の全てが相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したとみなす場合》第1項第3号の規定により相続財産とみなされる財産に該当する旨主張する。しかしながら、被相続人が本件保険料の全部を負担したとする証拠はなく、その一部については請求人が負担していると認められるから、本件保険に関する権利のうち請求人が保険料を負担したとする部分については、相続財産とみなされる財産には該当しない。(平28.11. 8 関裁(諸)平28-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280016
- 裁決年月日
- 平成28年11月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したとみなす場合》第1項第3号の規定により相続財産とみなされるとした、請求人らを契約者とする各生命保険契約等(本件各生命保険契約等)に関する権利について、本件各生命保険契約等に係る保険料(本件各保険料)は被相続人から贈与された資金等で支払ったものであり、本件各生命保険契約等に関する権利は相続財産とみなされる財産に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件各保険料の一部については、その原資が被相続人口座からの口座振替あるいは本件相続に係る相続財産として申告されている被相続人の配偶者名義の預金から引き出された金員であると認められること、②請求人らに対する贈与の事実を裏付けるような事実は証拠資料からもうかがうことができないこと、③請求人らは、本件各保険料が被相続人の負担によるものであったこと自体自認していることなどから、本件各保険料は、いずれも被相続人が負担したものと認められる。さらに、原処分庁所属の調査担当職員の調査において、請求人らは被相続人からの贈与はなかった旨申述していたことを併せ考慮すると、本件各保険料の支払に当たり保険料相当額の贈与を受けたとする請求人らの主張には理由がない。したがって、本件各保険料は被相続人が負担したものと認められ、本件各生命保険契約等に関する権利は同号の規定により相続財産とみなされる財産に該当する。(平28.11. 8 関裁(諸)平28-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280016
- 裁決年月日
- 平成28年11月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 原処分庁は、被相続人の子(P1)の配偶者(P5)名義の各貯金(P5名義各貯金)及びP1とP5の子(P10)名義の各定期預金(P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2)について、P5及びP10に当該各預貯金を形成する資力があったとは認められず、また、当該各預貯金の管理及び運用は、被相続人及び被相続人の配偶者が共同して行っていたと認められ、そのほかに贈与があったと認められる事実もないことから、当該各預貯金は被相続人に帰属する相続財産である旨主張する。しかしながら、P5名義各貯金及びP10名義定期預金1の原資は、いずれもP5名義の普通預金口座(P5名義口座)から引き出された金員、又はP5名義口座から引き出された金員を原資とする貯金の払戻金であると認められるところ、①P5名義口座においては、公共料金等の支払のほか小口の入出金が大半を占めていること、②当該口座はP1とP5が婚姻後早々に設定されたものであり、その印鑑票の筆跡はP5のものであること、③P1が生活費等の名目で受け取った金員はP5が管理していたこと及び④当該口座の通帳はP5が管理していたことなどの事実に照らせば、P5名義口座の預金はP5又はP1に帰属する財産であると認められ、P5名義口座から引き出された金員を原資とするP5名義各貯金及びP10名義定期預金1の出捐者が被相続人であるとは認められない。また、P10名義定期預金2については、P1を受取人とする保険の満期保険金を原資とするものであり、当該満期保険金をP1以外の者が受け取ったと認めるに足る事情や証拠資料もない以上、当該定期預金の出捐者はP1であると認められる。そうすると、P5名義各貯金、P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2の出捐者が被相続人であるとは認められず、他に当該各預貯金について、被相続人に帰属する財産であることを裏付ける事情や証拠資料も存しないから、P5名義各貯金、P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2は本件相続に係る相続財産と認めることはできない。(平28.11. 8 関裁(諸)平28-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280016
- 裁決年月日
- 平成28年11月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、被相続人の子P3らの名義の各定期預金(本件各預金)は、その一部については被相続人からの贈与資金等で設定した旨、その他についてはP3の自己資金で設定した旨主張する。しかしながら、①被相続人の配偶者(P2)は、被相続人の生前、被相続人の財産を管理しており、被相続人と相談しながら、銀行の手続や保険の加入の手続を行うなどしていたところ、被相続人及び請求人らの各名義の預貯金口座においては、出金された金員を別の者の名義の預貯金口座に入金したものが複数存在すること、②本件各預金の定期預金申込書の筆跡の大半はP2のものであり、使用された印鑑も大半は被相続人名義の預貯金口座の届出印と同一の印鑑であること及び③本件各預金の大半は、本件相続が開始した後に解約され、P2名義口座へ入金されたことなどが認められる。以上の事実に照らせば、本件各預金は被相続人の財産を管理してきたP2が一貫して管理及び運用してきたものといえ、本件各預金の大半が最終的にP2名義口座へ入金されるに至ったことを踏まえると、その原資が既に被相続人から贈与された資金等で構成されているとは考え難く、本件各預金の名義人が贈与税の申告をしていないこと及び請求人らの主張を裏付ける契約書等も存しないことを併せ考慮すると、被相続人からの贈与の事実があったと認めることはできない。また、本件各預金の一部についてP3が自己資金で設定した旨主張するが、①P3は被相続人の事業を手伝ってきたものの、生活費等の名目で金員を受け取っていたにすぎないこと、②P3は、本件相続の開始時において多額の財産を有していることからすると、P3が当該財産以外にも自己資金を有していたとは到底考え難く、これら各預金についても被相続人が出捐したと認めるのが相当である。そうすると、本件各預金の原資は、いずれも被相続人が出捐したものと認められるから、本件各預金は、本件相続に係る相続財産であると認められる。(平28.11. 8 関裁(諸)平28-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270068
- 裁決年月日
- 平成28年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人の財産である請求人名義の預金口座(本件各口座)から解約して受領した金員(本件金員)について、①本件被相続人は入院中も外部との連絡や外出が可能であり、自由に行動できた期間があること、及び②請求人名義の普通預金ではあったものの、本件被相続人の財産であり、現金で引き出された後の管理状況について請求人は知らなかったことを併せ考えると、本件相続の開始時に既に請求人の下に存在していなかったのであるから、本件相続に係る相続財産に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件金員は請求人名義の本件各口座の解約により受領したものであること、②本件各口座の解約手続は、本件被相続人が同行した上で、請求人が行ったこと、③本件金員は本件被相続人が入院する前日に引き出されたものであり、かつ、多額であったことに照らせば、請求人が本件金員の使途を全く知らなかったとは考え難い。また、④本件被相続人の入院が決まってから入院するまでの時間はきわめて短期間であり、本件被相続人には入院までに本件金員を費消する機会はほとんどなく、⑤本件被相続人が病室に本件金員を持ち込んでこれを費消した可能性も低いということができる。加えて、⑥本件被相続人の入院から本件相続の開始までの間に、本件被相続人、請求人を含む本件被相続人の共同相続人等の取引金融機関の預貯金口座に本件金員が入金された事実はなく、⑦本件被相続人が本件金員を贈与したり、費消した事実も確認できない。以上の検討結果を総合すれば、請求人が本件金員の保管状況及び使途を知らなかったとはいえず、また、本件被相続人が本件金員を費消したと認めることができないから、本件金員は、請求人の管理下において、本件相続の開始時に存在していたと認めるのが相当である。したがって、本件金員は、本件相続に係る相続財産に該当する。(平28. 6.28 関裁(諸)平27-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270069
- 裁決年月日
- 平成28年6月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 原処分庁は、被相続人は、生前、子に対して、不動産(本件不動産)を売却しているところ、相続開始時点において、本件不動産の売買に関する契約書(本件売買契約書)記載の代金が支払われていなかったことから、被相続人は、上記代金に相当する債権(本件代金債権)を有していた旨主張する。しかしながら、本件売買契約書は存在するものの、本件売買契約書の作成に、買主とされる子が関与していないこと、本件売買契約書において、所有権移転登記手続は、売買代金全額の支払と引替えに行うとされているが、現在に至るまで売買代金は全く支払われておらず、そうであるのに、所有権移転登記が完了しているのは不自然であること、子が請求人との間で作成した金銭消費貸借契約書記載の金員を受け取っておらず、当該金員の返済もしていないこと、請求人及び子の間では、本件不動産の子の所有名義は便宜上のものであり、真実は請求人が所有者であることを確認する旨の本件合意書が作成されていること、子が本件不動産の所有者としてこれを管理、支配している形跡がうかがわれないことの事情に照らせば、本件売買契約書は、実体を伴わない架空の内容を記載した契約書であるものと認めるのが相当であり、したがって、本件代金債権は発生していないというべきである。(平28. 6.28 大裁(諸)平27-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270128
- 裁決年月日
- 平成28年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父の妻である被相続人(本件被相続人)名義の財産が専業主婦だった本件被相続人に帰属するか否かの判断は、所得の源泉のみで判断すべきであるので、亡父の生前に本件被相続人名義で預入等されていた預貯金等(本件預貯金等)は、全て亡父に帰属していた亡父の相続財産であり、かつ、本件被相続人と請求人との間で分割を了していないから、その2分の1は請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、財産の帰属を認定するに当たっては、財産の名義、財産の原資を誰が負担しているか、財産取得の意思決定をし、その手続を実際に行っていたのは誰か、その管理又は運用による利得を収受していたのは誰かという点などの諸要素、その他名義人と実際に管理又は運用をしている者との関係等を総合考慮してすべきものと解されている。これを本件についてみると、本件預貯金等については、①その名義がいずれも本件被相続人であること、②夫婦間において、互いに自己の名義の財産が自己に帰属するとの認識の下に、本件被相続人が中心となって管理及び運用を行っていたこと、③亡父の相続の開始後の本件被相続人と請求人の行動が、かねてより財産の帰属を名義で区分していたこと、④その利息等は、本件被相続人が利得していたことを併せれば、本件預貯金等の多くが亡父の原資により構成されていたことなどの事情を踏まえても、亡父の相続の開始直前において、本件被相続人に帰属する財産であったと認めるのが相当である。そして、亡父の相続の開始直前から本件被相続人の相続の開始に至るまでの間、本件被相続人名義の財産に、本件被相続人以外の者に帰属する財産は混入していないから、通じて、本件預貯金等は本件被相続人に帰属するものであったと認められる。(平28. 4.20 東裁(諸)平27-128)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270067
- 裁決年月日
- 平成27年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母名義の有価証券等(本件有価証券等)は、請求人の収入が購入原資の一部となっていることから、その一部については請求人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、一般に預貯金や有価証券の帰属を認定するに当たっては、その名義が重要な要素となることはもちろんであるが、他人名義で預金したり有価証券等を取得したりすることは、特に親族間においてはまれではないことから、有価証券等の帰属については、単に名義人が誰であるかという形式的事実のみにより判断するのではなく、その原資となった金員の出捐者、その管理及び運用の状況、名義人と実際の管理者との関係等を総合的に勘案して判断するのが相当である。これを本件有価証券等についてみると、その管理及び運用は本件被相続人により行われていたこと、購入原資の少なくとも過半は本件被相続人の原資により構成されていることに加えて、証券口座の名義人の母と同口座を管理及び運用していた本件被相続人とは夫婦の関係にあり、家族の中でも特に夫婦間においては、配偶者の名義で自己の財産を管理することはまれではないこと、さらに、原資の出捐者の負担部分に応じた区分管理がされていないことを併せ勘案すれば、本件有価証券等の全部が本件相続に係る相続財産であると推認することができる。なお、請求人は、本件相続開始日において、保険・証券を含めた相応の財産を形成し、当該財産形成に必要な支出が請求人の収入によりなされたことがうかがえるから、請求人の収入が本件有価証券等の購入原資とされたとは認められない。(平27.12. 9 東裁(諸)平27-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270056
- 裁決年月日
- 平成27年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件被相続人が配偶者(亡配偶者)の相続の際に取得したとする同族会社(本件会社)に対する貸付金(本件貸付金)は存在しない旨、②仮に、本件貸付金が存在していたとしても、亡配偶者の死亡を不確定期限とする債務免除の意思表示があったため、本件相続開始日において本件貸付金は存在しない旨主張する。しかしながら、本件貸付金は、亡配偶者の相続に係る遺産分割協議書に記載があり、亡配偶者の本件会社に対する貸付金が存在する場合、本件被相続人がこれを相続したと認められるところ、債務者である本件会社の決算報告書及び内訳書には、亡配偶者からの借入金について継続して記載がある。また、亡配偶者の相続税申告書に添付されていた本件会社作成の残高証明書、本件会社が記載した本件相続開始日における貸付金等照会書に対する回答に、当該借入金が同額でそれぞれ記載されており、本件相続開始日までの間に本件貸付金の額に変動が生じたという事情は見当たらない。そうすると、本件会社は、本件相続開始日前後の異なる機会に一貫して本件貸付金の存在を肯定しているといえるのであるから、本件相続開始日において本件貸付金は存在したと推認することができる。さらに、請求人の主張するような、亡配偶者が死亡した場合には貸付金の返済をする必要がない旨の不確定期限付き債務免除の意思表示があったと認めるに足りる証拠はないから、本件貸付金が亡配偶者の死亡時に消滅したと認めることはできない。(平27.11. 5 東裁(諸)平27-56)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270022
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の預貯金等(本件預貯金等)及び現金(本件預貯金等と併せて本件各財産)は、請求人が亡母(本件被相続人)に預けた金銭により形成されたもので、全て請求人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、本件預貯金等の契約名義人はいずれも本件被相続人であり、これを管理、運用していたのも本件被相続人であり、その総額は5千万円程度と認められるところ、本件被相続人は、生前約28年間にわたり継続的な給与収入を得ていた上に、退職後は退職共済年金を受給し、さらに、夫の死亡後は遺族厚生年金を受給するなど、一定の収入があったことに加え、相続開始の日から遡ること約19年間は持ち家で独り暮らしをしていたことにも照らすと、その収入から本件各財産の原資を形成することは優に可能であったと考えられ、本件各財産は、いずれも本件被相続人に帰属する相続財産であると認めるのが相当である。請求人は、請求人の給与の中から総額5千万円程度を本件被相続人に預けていた旨主張するが、請求人が得ていた給与の額からすると、その給与の中から約18年間で総額5千万円以上もの金員を捻出して本件被相続人に預けることができたとは、にわかに考え難く、請求人の主張はその内容自体不自然、不合理である上に、これを裏付ける客観的証拠もないことからすると、請求人の主張は採用することができない。(平27.11. 4 大裁(諸)平27-22)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270004
- 裁決年月日
- 平成27年10月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 請求人らは、被相続人の子名義の各定期預金11口(本件各定期預金)は、被相続人が生前に子供ら(本件子供ら)に贈与したものであるから、被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件各定期預金は、被相続人が自己の有する金融資産を原資に、ペイオフ対策を念頭に置き本件子供らの名義を使って預け入れられ、その後の定期預金の継続手続や各通帳及び各印鑑の保管は、相続開始時まで全て被相続人の管理下にあったものであり、本件子供らの処分可能な状況にあったということはできない。そして、請求人らの主張に係る贈与事実は認められないことからすると、本件各定期預金は被相続人に帰属する相続財産と認められる。(平27.10. 2 広裁(諸)平27-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270021
- 裁決年月日
- 平成27年8月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№100
要旨
○ 請求人らは、米国f州に所在する法人の設立時に、当該法人の株式(本件株式)の52%の名義を被相続人としたが、本件株式の払込金の全額を請求人が負担しており、その真の所有者は請求人P2であるから、本件株式は相続税の課税価格に算入されるべきものではない旨主張する。しかしながら、米国の内国歳入庁に提出された当該法人の所得申告書によると、被相続人の当該法人の議決権株式の所有割合は52%である旨記載されており、当該申告書は、当該法人が公的機関に提出した書面であり、その性質上、一般的に信用性が高いといえるから、他の合理的な反証がない限り、本件株式は被相続人に帰属するものと認められる。そして、株式の帰属を認定するに当たっては、誰が株式購入の原資を出捐したかという点も一つの重要な要素であると解されるが、請求人らは、請求人らの主張に沿う証拠を何ら提出せず、当審判所の調査の結果によっても、同様の証拠は見当たらず、その他に当該法人の株式の全部が請求人P2に帰属すると認めるに足りる証拠はない。したがって、本件株式は、被相続人に帰属する財産であると認められるから、相続税の課税価格に算入すべきものである。(平27. 8. 4 東裁(諸)平27-21)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平260012
- 裁決年月日
- 平成27年5月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400309040
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/4書画、骨とう、貴金属等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 原処分庁は、本件被相続人が金地金を取得した以後、①相続開始日の3年前頃には本件被相続人の下に多数の金地金が保有されていたこと、②調査した金地金取扱業者等に対する売却の事実がないこと、③相続人等への金地金の贈与の事実がないことから、相続開始日において、本件被相続人又は本件被相続人の委託を受けた請求人の管理下に同人の相続財産として申告された金地金以外の金地金(本件金地金)が存在したと主張する。しかしながら、上記①から③までの事情は、相続開始日に本件金地金が本件被相続人の相続財産として存在したと認めるには十分とはいえず、他に原処分庁の主張事実を認めるに足りる証拠はないから、本件金地金は、請求人が取得した相続財産であるとは認められない。(平27. 5. 8 広裁(諸)平26-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260094
- 裁決年月日
- 平成27年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らの関係会社(本件会社)への貸付金債権(本件貸付金債権)は、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当することから、本件貸付金債権の金額は、相続税の課税価格に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、債務者の営業状況及び資産状況等からみて事業経営が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実であるといい得るときであると解されるところ、本件会社においては、同通達205の(1)ないし(3)の事由は認められず、また、本件会社の資産状況及び営業状況等について検討してみても、相続開始日時点において、これらの事由と同視できる程度に本件会社の事業経営が破綻していることが客観的に明白であって、本件貸付金債権の回収が見込めないことが客観的に確実であるとは認められないことから、同通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には該当しない。したがって、本件貸付金債権の価額は、相続税の課税価格に算入するのが相当である。(平27. 4.10 東裁(諸)平26-94)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平260016
- 裁決年月日
- 平成27年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始時点における請求人名義等の預貯金等の財産(本件家族名義財産)の帰属につき、現在、無記名、仮名及び借名の預貯金等はできず、法令により金融機関等に厳しい本人確認義務が課されているところ、このことは、金融機関等が、預貯金等がその名義人所有であることを、本人との面接、身分証明書等によって確認したものであることを意味するから、被相続人に帰属する財産か否かは、個々の財産の原資、管理状況などで判断するものではなく、その財産の名義によって判定すべきである旨主張する。しかしながら、財産が被相続人以外の者の名義になっていたとしても、当該財産が相続開始時において被相続人に帰属するものであったと認められるものであれば、当該財産は相続税の課税の対象となる相続財産となると解され、被相続人以外の者の名義である財産が相続開始時において被相続人に帰属するものであったか否かは、当該財産又はその購入原資の出捐者、当該財産の管理及び運用の状況、当該財産から生ずる利益の帰属者、被相続人と当該財産の名義人並びに当該財産を管理及び運用するものとの関係、当該財産の名義を使用することとなった経緯等を総合考慮して判断するのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できず、また、本件においては、本件家族名義財産の出捐者、本件家族名義財産の管理及び運用の状況等を総合考慮した結果、本件家族名義財産は、本件被相続人に帰属する相続財産であると認められる。(平27. 3.23 福裁(諸)平26-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260007
- 裁決年月日
- 平成26年8月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の家族名義の預貯金、国債及び現金(本件資産)は、請求人A(被相続人の妻)が昭和40年に実母から贈与により取得した多額の預貯金等を運用し、更にその一部を請求人Aが事業主体である各事業(本件各事業)に出資して本件各事業の収益から形成したものであり、その管理運用も請求人Aが行っていたものであるから、全て、請求人Aに帰属する財産である旨主張する。しかしながら、本件各事業の事業主体については、本件各事業に係る権利の取得の経緯、事業場の使用契約、事業用預貯金口座の名義、取引先等関係者の申述等から、被相続人であるものと認められ、また、実母からの請求人Aへの多額の預貯金等の贈与については、実母の生活状況からすると多額の預貯金等を形成し得るとはいえないことなどからすると、当該贈与の事実は認められないことから、本件資産の出捐者は被相続人であるものと認めらる。そして、本件資産について請求人Aが管理運用していたという点については、請求人Aが被相続人から委託を受けて同人のために行われていたものであると認められる。更に、本件資産が被相続人から各名義人に贈与された事実も認められない。したがって、本件資産は、被相続人に帰属する相続財産であるものと認められる。(平26. 8.25 大裁(諸)平26-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260020
- 裁決年月日
- 平成26年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人の子であるC(請求人の弟)が被相続人にCの借入金(本件住宅ローン)の返済資金を立て替えてもらった旨申述していることのみを理由として、被相続人はCの当該返済資金を立て替えたものであり、同額の立替金返還請求権が被相続人の相続財産である旨主張する。しかしながら、金員の交付の趣旨は、その交付を受けた者の供述のみによって直ちに認定されるものではない。本件においては、被相続人は、請求人を介してCへ本件住宅ローンの返済資金を渡した時点で、Cに対して返済を求めるつもりであったとは認められず、他方、Cも、その時点で、被相続人から返済を求められないのに自ら進んで本件住宅ローンの返済資金を返済する意思までは有していなかったものと認められるので、被相続人がCに現金を渡した趣旨は、そのうちの本件住宅ローンの返済資金については、贈与であると認められる(現金と本件住宅ローンの返済資金の差額については、Cが被相続人に返済したものと認められる。)。そうすると、被相続人は、Cに対して、本件住宅ローンの返済資金を贈与したものと認められるから、立替金返還請求権が被相続人の相続財産であると認められない。(平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260020
- 裁決年月日
- 平成26年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、原処分庁所属の調査担当職員(本件調査担当職員)に対して、被相続人の孫(B)名義の預金(本件B名義預金)の原資は、本件B名義預金とは別のB名義の預金(本件旧B名義預金)の解約金である旨申述したことを前提に、本件旧B名義預金の出捐者は被相続人であり、また、本件旧B名義預金が被相続人の妻(亡妻)からBに贈与されたことを裏付ける証拠は見当たらないから、本件旧B名義預金を原資として設定した本件B名義預金が被相続人に帰属する相続財産である旨主張する。しかしながら、①本件B名義預金が設定される前にB名義の預金が設定された記録はないことからすると、原処分庁が本件B名義預金の原資であると主張する本件旧B名義預金については、その存在を認めることはできず、②本件B名義預金の設定時のBの年齢及び本件B名義預金の預入申込書の記載からすると、本件B名義預金の預入れの申込みをしたのは、B本人ではなく代理人であると認められるが、その代理人が誰であるかについては不明といわざるを得ず、また、本件B名義預金の原資については、被相続人の現金である旨のBの父親(請求人の弟)の答述はあるが、当該原資である現金の存在を裏付ける証拠は見当たらず、当該答述のみをもって直ちに本件B名義預金の原資が被相続人の現金であると認定することもできず、③原処分庁は、ほかに本件B名義預金が被相続人に帰属する相続財産である旨の証拠を提出せず、また、当審判所の調査の結果によっても、本件B名義預金が被相続人に帰属する相続財産であることを認めるに足りる証拠はない。したがって、本件B名義預金については、被相続人の相続財産であると認めることはできない。(平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260020
- 裁決年月日
- 平成26年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人は、平成15年に、請求人及びA社に損害を与えた代償として、被相続人の退職金を請求人に贈与する旨を約束し、その履行の一部として、現金を交付する代わりに割引債券(本件旧割引債券)を交付したものである旨、また、仮にかかる主張が認められないとしても、被相続人は、平成15年に、本件旧割引債券を被相続人の亡妻の遺産と認識し、同債券を請求人の相続分の一部として交付したものであるから、いずれにしても、本件旧割引債券の償還代金で購入し又は乗り換えた割引債券(本件割引債券)は、請求人の固有の財産であり、被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件旧割引債券は、その購入資金の出捐及び取得の状況等、並びに証券の占有、管理の状況等から、被相続人が所有者であると認められる。また、相続開始日において、本件割引債券に係る証券は請求人により占有・管理されていたものの、請求人が本件旧割引債券に係る証券の占有を開始した経緯、及び被相続人が請求人に対して遺言書に被相続人の遺産として記載された本件旧割引債券等の返還を求めていたことなど、被相続人がその占有・管理を承諾していたものとは認めれないことからすると、被相続人が請求人に対して本件旧割引債券を贈与した事実は認められない。そして、本件割引債券は、本件旧割引債券を原資として購入等したものであるから、本件割引債券の出捐者は被相続人であると認められるところ、上記のとおり、被相続人は本件旧割引債券の占有・管理を承諾していたものとは認めれないことから、本件割引債券は、被相続人に帰属する相続財産であると認めるのが相当である。(平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260020
- 裁決年月日
- 平成26年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の孫(A)名義の預金(本件A名義預金)は、被相続人の妻(亡妻)が、平成12年に、亡妻の特有財産の一部を原資として、自ら手続をして作成したものであり、この作成時点で、亡妻のAに対する本件A名義預金の贈与の意思は明確であるところ、亡妻は、作成した日から平成13年7月初旬までの間の某日に、請求人に対して、Aが成人するまでの間、本件A名義預金の証書を管理するよう委託し、当該証書を交付したものであり、このときに本件A名義預金は亡妻からAに贈与されていたものである旨、また、Aの親権者である請求人の弟が平成21年に本件A名義預金に係る証書の再発行手続等を行ったことは、亡妻からの贈与について、請求人による無権代理行為(本件A名義預金に係る受贈の意思表示)を追認したものである旨主張する。しかしながら、本件A名義預金は、亡妻により設定されたものと認められるところ、本件A名義預金の預入資金の出捐者は被相続人であると認められ、また、本件A名義預金が名義人であるAに対して贈与された事実も認められないから、本件A名義預金は、被相続人に帰属する相続財産であると認めるのが相当である。なお、請求人の主張については、そもそも、届出印を併せて交付することなく預金証書のみを交付しただけでは、当該証書に係る貯金に係る管理・支配が完全に移転したとはいい難いから、仮に亡妻が請求人に本件A名義預金の証書の管理を委託し、これを交付したとしても、このことのみをもって亡妻がAに対する贈与の意思表示をしたということはできず、また、本件A名義預金の証書の再発行手続等が追認の意思表示であるともいい難いことから、理由がない。(平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250050
- 裁決年月日
- 平成26年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母名義の口座及び姉名義の各口座に係る各預金(本件各預金)について、本件各預金の一部が被相続人の貸付先(A法人)からの入金額を原資としているとしても、請求人が被相続人へ融通していた金員の返済金や被相続人から贈与を受けたものも含まれていること、また、本件各預金のうち動きのない預金までも相続財産であるとする明確な根拠がないことなどを理由に本件各預金は相続財産ではなく、請求人に帰属する財産であると主張する。しかしながら、本件各預金は、いずれも請求人が被相続人の遺産であったことを税務職員に対する申述によって自認し、請求人を含む共同相続人の生命保険の保険料に充てられるなど、その使途が遺産であることに整合している。また、被相続人からA法人への貸付金に係る同社代表者の申述や、請求人が被相続人の相続財産として申告している各預金に係る口座へのA法人等の複数の者からの入金状況等からすると、被相続人が複数の者に対し業として金を貸して高利の利息を得ていたことが推認できるところであり、これが本件各預金の原資となり得るということができる一方で、請求人は本件各預金の原資について何ら具体的主張も立証も行わず、請求人の所得税の申告状況等に照らしても、請求人が、本件各預金の原資を有していたとは認められない。以上のことから、本件各預金の原資を形成したのは被相続人であると推認され、本件各預金は相続財産に該当すると認められる。(平26. 4.14 大裁(諸)平25-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250049
- 裁決年月日
- 平成26年3月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、別件訴訟の判決によって、本件被相続人が三男夫婦(三男ら)に預託した定期預金の解約を原因とする損害賠償請求権等(本件損害賠償請求権等)は認められ、請求人らが、別件訴訟を引き継ぐことにより、本件被相続人から本件損害請求権等を相続しているが、別件訴訟の原因となった当該定期預金は返還されておらず、預金として取得していないため、請求人らの相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件被相続人の相続に係る相続財産は、三男らに預託された定期預金そのものではなく、本件損害賠償請求権等であり、未履行の債権についても相続財産となり得るのであって、当該債権の額の評価が問題となるにすぎない。そして、本件被相続人(大韓民国籍)は、遺言により日本法を相続準拠法に指定するとともに、本件被相続人の有する財産のうち特定の財産を除きその余の財産全てを請求人ら4名に各4分の1ずつ相続させる旨の相続分の指定をしているから、本件損害賠償請求権等は、請求人らが指定された相続分の割合で相続により取得したこととなる。(平26. 3.27 大裁(諸)平25-49)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250040
- 裁決年月日
- 平成26年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人の子A(相続人A)とB(相続人B)の各名義預貯金(本件各預貯金)は、生前に、相続人A及び相続人Bがそれぞれ本件被相続人から贈与されたものであり、各人の固有財産であるので、本件被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件各預貯金について、①本件被相続人から相続人A及び相続人Bそれぞれに対する贈与に係る契約書等は作成されておらず、その他これを証する書類の存在は認められないこと、②口座の開設・入金等及び預替えの判断や金融機関の選定等は、本件被相続人又はその妻が行っていたことから、管理・運用は、本件被相続人とその妻が行っていたと認められること、③②の管理状況に対し、本件被相続人の相続の開始後は、名義人である相続人A及び相続人Bがそれぞれ各人の名義の口座の入出金、解約等の手続を行っていること、④相続人A及び相続人Bは、いずれも本件各預貯金の原資となった金員について贈与税の申告や納税を行っていないことからすると、本件預貯金の原資が、本件被相続人から相続人A及び相続人Bにそれぞれ生前贈与されたとは認めることはできず、本件各預貯金は本件被相続人の相続財産であると認められる。(平26. 2. 4 大裁(諸)平25-40)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250034
- 裁決年月日
- 平成25年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人及びその妻(被相続人ら)の名義となっている関係法人(A社)に対する貸付金の一部(本件処分対象貸付金)は、請求人が所有していた各不動産(本件各不動産)の売却代金を主な原資として請求人がA社に貸し付けたものであるから相続財産には該当しない旨主張する。しかしながら、①A社の仕訳日記帳又は総勘定元帳の記載内容等からすれば、その借入先の名義を被相続人らとした借入金が、本件における相続開始の日に存在していたものと認められること、②本件各不動産は、売却されるまで被相続人らの名義で登記されていたものと認められること、③本件各不動産の購入に係る原資については、住宅ローンの借入の状況等によれば、被相続人らが負担していたと認められること、④①の借入金の設定が、本件各不動産の売却日とほぼ同時期であることからすると、当該借入金の原資は、被相続人らが所有していた本件各不動産の売却代金であると認められることから、当該借入金は、被相続人らからA社に対して貸し付けられたものと認めるのが相当である。したがって、当該借入金のうち、本件各不動産の売却に係る被相続人の共有持分に応じた金額である本件処分対象貸付金は、被相続人の相続財産に該当する。(平25.12.11 大裁(諸)平25-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250026
- 裁決年月日
- 平成25年12月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 原処分庁は、請求人ら及びその家族の名義の預貯金等(本件預貯金等)について、請求人らの申述及び代理人から提出された本件預貯金等に関する金額の移動状況等を記載した資料に基づき、その管理・運用状況、原資となった金員の出捐者及び贈与の事実等を総合的に勘案すると被相続人の相続財産に該当する旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件預貯金等の使用印鑑の状況や保管場所などの管理状況について何ら具体的に主張立証を行わず、また、その出捐者についても、相続開始日前3年間の被相続人の収入が多額であることなどを挙げるのみで、具体的な出捐の状況について何ら主張立証を行わない。そして、当審判所の調査の結果によっても、被相続人、請求人ら及びその家族の名義で取引先の金融機関に提出された印鑑届等の筆跡並びに印影から、本件預貯金等は各名義人が管理・運用していたと推認されるものの、本件預貯金等の出捐者については、誰であるか認定することはできず、また、被相続人から請求人らに対する贈与の事実の有無については、贈与がなかったと認めるには至らなかった。したがって、本件預貯金等の管理・運用の状況、原資となった金員の出捐者及び贈与の事実の有無等を総合的に勘案しても、本件預貯金等がいずれに帰属するのかが明らかでなく、ひいては、本件預貯金等が被相続人に帰属する、すなわち、相続財産に該当すると認めることはできない。(平25.12.10 関裁(諸)平25-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250012
- 裁決年月日
- 平成25年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306990
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義の利付債券(本件利付債券)は、請求人が亡父からその生前に贈与を受けた金員により取得した請求人固有の財産であり、請求人の母である被相続人(本件被相続人)に係る相続財産ではない旨主張する。しかしながら、一般に、預貯金や有価証券は、その名義人に帰属するのが通常であるが、家族の名前を使用して預金したり、有価証券等を取得することは世上稀ではないことから、預貯金等の帰属については、単に名義人が誰であるかという形式的事実のみにより判断するのではなく、その原資となった金員の出捐者、その管理及び運用の状況等を総合的に勘案して判断するのが相当であるところ、本件利付債権に関する管理及び運用の状況等をみると、本件被相続人は、本件利付債権を購入した金融機関の支店(本件支店)に近いところに居住し、本件支店において割引債券の償還金を用いて請求人やその妻子名義で割引債券等を購入し、本件支店の保護口座に預託することがあったほか、本件支店における請求人名義の取引に関する届出住所は、本件利付債権の購入の後一定期間(約2年)、本件被相続人の自宅住所とされていたことが認められる。次に、本件利付債権の購入資金の原資についてみると、請求人に本件利付債権の購入資金の原資となった資産があったとは認めれられないところ、上記贈与を受けたとの点について、請求人の答述は、贈与契約書などを作成せず、受け取った現金も本件被相続人宅で保管していたというもので、これを裏付ける客観的証拠は認められず、何より、請求人は、贈与税の申告を行っていないというのであって、係る贈与の存在を認めることはできない。そうすると、本件利付債権の購入資金の出捐者は、本件被相続人であると認めるのが相当である。以上のことから、本件利付債権は、相続財産であると認められる。(平25. 8.28 大裁(諸)平25-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240153
- 裁決年月日
- 平成25年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/2退職手当金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始後に被相続人名義口座に振り込まれた金員について、その存在が明らかでないから、相続税の課税価格に算入されるべきものではない旨主張する。しかしながら、①被相続人名義の普通預金口座へ振り込まれていることからすれば、当該金員の存在は明らかであり、また、②支給者から請求人に対して送付された書面の内容をみれば、当該金員が被相続人に支給された恩給年金であることを容易に認識することができ、更に、③上記②の書面を受けて、請求人が恩給年金の終了の手続に必要な書類を支給者に送付していることに照らすと、請求人の上記主張は前提を欠くものである。(平25. 2.12 東裁(諸)平24-153)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240154
- 裁決年月日
- 平成25年2月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/2退職手当金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始後に被相続人名義口座に振り込まれた金員について、その存在が明らかでないから、相続税の課税価格に算入されるべきものではない旨主張する。しかしながら、?被相続人名義の普通預金口座へ振り込まれていることからすれば、当該金員の存在は明らかであり、また、?支給者から請求人に対して送付された書面の内容をみれば、当該金員が被相続人に支給された恩給年金であることを容易に認識することができ、更に、?上記?の書面を受けて、請求人が恩給年金の終了の手続に必要な書類を支給者に送付していることに照らすと、請求人の上記主張は前提を欠くものである。(平25. 2.12 東裁(諸)平24-154)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240043
- 裁決年月日
- 平成24年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税の申告において、課税価格に算入しなかった請求人ら名義の預金等(本件預金等)は、請求人らが自己の労働の対価等により蓄財したものであり、管理も自ら行っていたもので、請求人らの固有の財産である旨主張する。しかしながら、①請求人らには、本件預金等を形成できるまでの収入があったと認めることはできず、本件預金等の原資の出捐者は被相続人であると認められること、②本件預金等の管理及び運用は被相続人の配偶者である請求人甲が行っていたと認められるものの、請求人甲は本件預金等のみならず、被相続人名義の預金等についても管理及び運用を行っていたことからすれば、請求人甲は被相続人から任されて本件預金等の管理及び運用を行っていたにすぎないと認められること、並びに③本件預金等又はその原資について被相続人から請求人らに対する贈与がされたとも認められないことなどを総合勘案すれば、本件預金等については、全て被相続人に帰属すべき相続財産であると認めるのが相当である。(平24.12.19 大裁(諸)平24-43)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240011
- 裁決年月日
- 平成24年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の預金口座から請求人名義の証券取引口座(請求人証券口座)へ移動した金員(本件金員)は、請求人証券口座で被相続人が取引を行うための資金であり、本件金員に係る返還請求権が相続財産に該当するとはいえない旨主張する。しかしながら、①被相続人は、請求人証券口座における株取引に関与していなかったこと、②請求人証券口座が設定されている証券会社では代理人による取引を認めていないこと及び③請求人は、請求人証券口座での株取引に係る損失の全額を、請求人の損失として所得税の確定申告をしていることからすると、請求人証券口座における株取引は、請求人自身の取引であると認められ、また、請求人は、本件金員を被相続人名義の預金から引出した際「貸し借り」として当該預金の通帳及びメモ書きに記載しているところ、これと同様に、自己の所有店舗の補強費用に必要な資金を被相続人から借用した際にも、被相続人名義の預金通帳及びメモ書きに「貸し借り」として記載していたことからすれば、請求人は、本件金員を被相続人より自己の株取引に必要な資金として借用したものと認められる。したがって、本件金員は、被相続人から請求人に対する貸付金として、相続財産に該当すると認めるのが相当である。(平24.12.17 仙裁(諸)平24-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成24年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が生前に株式を売却したことにより受領した現金(本件金員)について、一切承知しておらず管理もしていないところ、被相続人が管理し、贈与や費消等したと推認できる状況があったのであるから、これを相続財産とした原処分庁の判断には事実誤認がある旨主張する。しかしながら、①請求人である被相続人の妻及び長女は本件金員を被相続人が受領した際に同席していることから本件金員について承知していたと認められ、②被相続人が本件金員を贈与や費消等をした事実は認められず、③被相続人が入院を繰り返していたことから本件金員は請求人らが管理していたと認めるのが相当であり、④請求人らの各金融機関の各口座には本件金員を原資とする入金の事実があったことが認められることなどからすると、本件金員は被相続人から請求人らに消費寄託されたものと認めるのが相当である。したがって、本件金員の消費寄託による返還請求権は相続財産に該当すると認められる。(平24.10.29 仙裁(諸)平24-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240021
- 裁決年月日
- 平成24年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の申告において課税対象とした、請求人及びその子(請求人ら)名義の預貯金(本件預貯金)は、過去に請求人が被相続人から贈与を受けたものである旨主張する。しかしながら、被相続人は、複数の金融機関に請求人を含む相続人ら及びその家族名義の預貯金口座を多数開設して預貯金をし、これらの預貯金について、請求人ら名義のものと請求人以外の相続人ら及びその家族名義のものとを区別することなく、その証書を保管し、住所変更等の手続を行い、解約をし、その解約金を被相続人が日常使用している預金口座に入金しており、これらのことは被相続人が請求人ら名義を含む相続人ら及びその家族名義の預貯金を自らの財産として管理、支配していたことをうかがわせるものといえることに加え、請求人以外の相続人らは、自ら及びその家族名義の預貯金について、それが被相続人の相続財産であることを積極的に争ってはおらず、当該相続人らの中には、自らの名義及びその家族名義の預貯金の存在を知らない者もいることからすれば、本件預貯金の元金がおおむね贈与税の基礎控除額の範囲内であることや本件預貯金に係る届出印を請求人が所持していた様子がうかがわれるものの、これらのことをもって、被相続人の生前において本件預貯金を被相続人から請求人に贈与する旨の契約が成立していたものと認めるのは困難である。したがって、本件預貯金は相続財産であると認められる。(平24. 8.27 大裁(諸)平24-21)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平230012
- 裁決年月日
- 平成24年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
要旨
○ 本件有限会社の出資(本件出資)のうち被相続人が有していた口数につき、請求人らは、被相続人は当初500口を有しており、その後、被相続人の先妻の有していた300口のうち150口を法定相続し、さらに、二女に50口を譲渡した結果、被相続人が相続開始時に有していたのは600口であった旨主張し、他方、原処分庁は、本件有限会社の定款及び家庭裁判所に提出された後見事務報告書等によれば、被相続人が相続開始時に有していたのは900口である旨主張する。しかしながら、真正に成立したと認められる被相続人の先妻の遺産に係る遺産分割協議書によれば、被相続人の先妻が有していた本件出資は330口であり、この全部を被相続人が相続したものと認められること、また、旧有限会社法第19条《持分の譲渡、社員の先買権》第2項によれば、社員がその持分の全部又は一部を社員以外の者に譲渡する場合には社員総会の承認が必要であって、この手続を欠く譲渡は無効であるところ、請求人らの主張する上記譲渡の当時、二女は当該会社の社員ではなく、また、同社において社員総会の承認がなされたと認めるに足りる証拠は見当たらないことからすれば、被相続人が二女から50口分の金員を受領した旨の記載のある領収証の存在をもって、被相続人が二女に50口を譲渡したと認めることはできない。他方、原処分庁が主張する定款及び後見事務報告書等に記載されている900口には、被相続人が請求人らから70口を譲り受けたとする口数が含まれていると認められるところ、当該譲受けを認めるに足りる証拠はない。以上によれば、相続開始時において被相続人が有していた本件出資の口数は、当初有していた500口と先妻から相続した330口の合計830口と認められる。(平24. 6.26 熊裁(諸)平23-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230076
- 裁決年月日
- 平成24年5月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
要旨
○ 請求人は、他の相続人が本件相続の開始前に被相続人の生命保険契約を解約して得た金員のうち、被相続人名義の預金口座に入金されなかった金員について、本件相続の開始日に存在しないのであるから、被相続人の財産ではない旨主張する。しかしながら、当該金員は、被相続人の入院費や生活費等の急な支払いに備えるため、被相続人了解の下、当該他の相続人名義の預金口座に預けられていたものと認められることから、被相続人の相続財産であると認めるのが相当である。(平24. 5.15 関裁(諸)平23-76)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平230007
- 裁決年月日
- 平成24年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人による駐車場取得に際し、①被相続人による銀行からの借入金に②自己資金を加えて請求人に提供した資金について、相続開始4年以前に被相続人から贈与されたものであり、相続開始日現在において被相続人から請求人に対する貸付金として存在しない旨主張する。しかしながら、当該資金のうち、上記①については、当初の税務調査時に請求人が当該借入金を又借りした旨の申述をしており、当該申述は、他の客観的証拠から認められる事実に沿うもので信用性が高いものと認められる一方、その後の税務調査時における、当該借入金に係る資金は贈与を受けたものである旨の請求人の主張及びその理由は、客観的証拠から認められる事実に反するもので、また、金銭消費貸借の成立を妨げるものでもないから、請求人の当初の税務調査時の申述どおり、被相続人と請求人との間で当該借入金と同額の金銭消費貸借契約が成立したと認められる。また、当該資金のうち、上記②については、請求人が借用証書を作成し、被相続人に差し入れているところ、当該借用証書は請求人の意思に基づいて作成された真正なものと認められることなどを総合すれば、請求人と被相続人との間に金銭消費貸借契約が成立していたとみるのが相当である。そして、上記①及び②のいずれの資金についても、その金銭消費貸借は相続開始日においても継続しているものと認められるから、相続開始日現在において、被相続人から請求人に対する貸付金は存在しており、未返済となっている貸付金の元本及び未収利息は相続財産であると認めるのが相当である。(平24. 4.17 沖裁(諸)平23-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230199
- 裁決年月日
- 平成24年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人は関係法人の現金約1億3,200万円を個人的に使用したことに基因して関係法人に対して返還義務を有しており、これを整理する目的で、関係法人に対する被相続人の貸付金(本件貸付金)と相殺処理をしたのであるから、本件貸付金は相続財産として存在しない旨主張する。しかしながら、被相続人が関係法人に対して貸付けを行っていた事実が認められる一方、被相続人が関係法人の現金を個人的に使用していたことを裏付ける証拠は一切存在せず、被相続人の上記返還義務の存在は認められないのであるから、本件貸付金は被相続人の相続財産であると認められる。(平24. 4. 6 東裁(諸)平23-199)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230094
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続開始日の前日又は前々日に本件被相続人名義口座から出金(本件各出金)された金員は、本件被相続人の借入金の返済に充てたものであるから、本件被相続人の相続財産には当たらない旨主張する。しかしながら、本件各出金は、請求人又は請求人の夫が本件被相続人からの委任を受けて行ったものであり、本件各出金の日と同日に、本件各出金の額とほぼ同額が、請求人名義の預金口座又は請求人の夫の主宰する法人に帰属する同人名義の預金口座にそれぞれ入金されていることが認められるところ、本件被相続人が請求人又は請求人の夫に委任したのは、本件各出金の手続のみと認めるのが相当であり、その使途まで一任したとまでは認めることができないから、本件被相続人には、本件各出金の額に係る返還請求権が生じていたとみるべきであり、また、本件各出金に係る金員が、本件被相続人の借入金の返済に充てられたとは認められないから、当該返還請求権が本件被相続人の相続財産に該当するというべきである。(平24. 3.28 名裁(諸)平23-94)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230094
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の夫の主宰する法人(本件法人)の法人税の申告書類上、本件被相続人からの借入金が計上されているが、それは請求人の夫が貸し付けたものであるから、本件被相続人の貸付金として相続財産とされるべきものではない旨主張する。しかしながら、本件法人の法人税の申告書類は、同法人の関与税理士が請求人の夫から話を聞きながら決算修正をした上で作成されたものであるから、その申告書類の内容を不相当するべき理由はなく、その申告書類上、本件被相続人からの借入金があるとされているのであるから、本件被相続人は本件法人に対して貸付金を有していたというべきであり、他にこれを覆すに足りる証拠もない。したがって、当該貸付金は本件被相続人の相続財産であると認められる。(平24. 3.28 名裁(諸)平23-94)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230094
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人より先に死亡した本件被相続人の母名義の定額郵便貯金(本件定額貯金)に係る本件被相続人の相続分相当額については、本件定額貯金の払戻請求期限が過ぎており、払戻請求権が既に消滅しているから、本件被相続人の相続財産とはならない旨主張する。しかしながら、旧郵便貯金法第38条《払戻証書の有効期間》第2項は、預金者がその責に帰すべからざる事由により、同条第1項の有効期間内に払戻金の払渡の請求をすることができなかったときは、その事由により請求をすることができなかった日数は、これを同項の有効期間に算入しない旨規定していることから、「その責に帰すべからざる事由」がある場合には、払戻証書の発行日から所定の期間を経過しても預金者の権利は消滅しないことになると解されるところ、本件の場合、ゆうちょ銀行においては、①本件被相続人の母が払戻しできなかったことが、上記の「その責に帰すべからざる事由」に該当すると判断していること及び②実際に、本件相続開始日後に本件定額貯金に係る払戻証書(本件払戻証書)を再発行していることからすれば、本件被相続人の相続開始日において、本件払戻証書に係る権利は消滅していないものと解するのが相当である。したがって、本件定額貯金の元利合計額のうち、本件被相続人の相続分(3分の1)に相当する金額が本件被相続人の相続財産となる。(平24. 3.28 名裁(諸)平23-94)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230066
- 裁決年月日
- 平成23年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、養親(本件被相続人)から取得した財産(本件財産)は、本件被相続人の生前に、同人が請求人らとの間で養子離縁するに当たり財産を分与する旨の合意が成立していたことによって取得したものであるから、相続によって取得したものではない旨主張する。しかしながら、本件被相続人は、同人のめいであるAにその財産の全部を包括遺贈する旨の遺言をしており、その内容に従い、本件被相続人の財産の全部をAが取得したといえるところ、他方で、請求人らは、Aに対して遺留分減殺請求(本件遺留分減殺請求)をしており、請求人らと本件被相続人とは本件相続開始後に養子離縁しているものの、本件相続開始時において、請求人らは本件被相続人の法定相続人であったのであるから、本件遺留分減殺請求は有効であり、本件被相続人と請求人らとの養子縁組の無効に伴う権利関係の調整を求める仲裁事件において、請求人らが示した和解案の内容などからすると、請求人らは、本件遺留分減殺請求の結果として本件財産を取得したと認めるのが相当である。よって、本件財産は、相続によって取得したものと認められる。(平23.12.20 名裁(諸)平23-66)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230036
- 裁決年月日
- 平成23年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400308000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/8家庭用動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が相続財産として認定した庭園設備、普通自動車及び還付金は、本件被相続人の財産ではない旨主張する。しかしながら、①庭園設備である樹木は、本件被相続人の財産を原資として取得されたものであり、当該樹木は相続財産である宅地内に植生していること、②普通自動車は、本件被相続人の財産を原資として取得されたものであり、自動車検査証上の登録名義人は本件被相続人であることなどのこと、③還付金は、本件被相続人が納付した介護保険料の過誤納金の還付であることからすれば、これらの財産は、いずれも本件被相続人の財産であると認められる。(平23.12.19 関裁(諸)平23-36)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230008
- 裁決年月日
- 平成23年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人らは、請求人Hが取得する相続財産は現金2千万円である旨の遺産分割協議書(本件第一遺産分割協議書)を作成した後、資金繰りの関係上、請求人Aが取得する財産の価額はその半分程度になることを請求人Fから請求人Hに伝え、それに合わせた金額を請求人Fから請求人Hへ支払い、遺産分割協議書も2度訂正しており、これらのことについて他の共同相続人も特に異議を申し立てないことから、請求人Hが取得する相続財産の価額は、実際に支払われた金額である旨主張する。しかしながら、本件第一遺産分割協議書の内容は、請求人Fが請求人Hに対して代償金2千万円を支払うものと認めるのが相当であるところ、請求人らの主張する遺産分割協議書の訂正は、請求人らの主張と異なる内容のものとなっているものや、形式的に遺産分割協議書といえないものとなっており、相続人全員の合意が整い、その合意に沿って作成された遺産分割協議書は、本件第一遺産分割協議書のみであると認められるから、相続財産は、当初の遺産分割協議書のとおり請求人らに確定的に帰属しているものと言わざるを得ず、これを踏まえて請求人らの認識を合理的に解釈すれば、請求人Hと請求人Fとの間で、本件第一遺産分割協議書のとおりの遺産分割協議が成立していることを前提に、請求人Fが負っている請求人Hに対する代償債務の一部を、請求人Hが免除したとみるのが相当である。そうすると、請求人Hが相続により取得した財産の価額は、本件第一遺産分割協議書のとおり2千万円となる。(平23.11.25 仙裁(諸)平23-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230048
- 裁決年月日
- 平成23年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の申告において本件被相続人の財産に含めた請求人名義の各財産(本件各財産)は、請求人固有の財産である旨主張する。しかしながら、預貯金等の帰属を認定するに当たっては、その名義が重要な要素となるのはもちろんであるが、他人名義で口座開設することも、特に親族間においては通常みられることからすれば、その原資の負担者、口座開設の意思決定者、手続行為者、その管理運用による利得の享受者という点もまた帰属の認定の際の重要な要素であり、これらの諸要素等を総合考慮して判断すべきものと解されるところ、本件の場合、本件各財産の原資の負担者は明らかではないものの、本件相続の開始時点において本件各財産に係る預金証書を管理していたのは本件被相続人であったと認めるのが相当であること、本件各財産に係る口座開設等の手続を実際に行った者は請求人であったものの、これを主体的に行わせていたのは本件被相続人であったと認めるのが相当であること及び本件各財産の作成・書換え等の手続を実際に行った者は請求人であったものの、その意思決定をしていたのは本件被相続人であったと認めるのが相当であることなどからすると、本件各財産は、本件被相続人によって管理、運用及び支配されていたものと認められるから、本件被相続人の財産であると認められる。(平23.11.22 名裁(諸)平23-48)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230048
- 裁決年月日
- 平成23年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の申告において本件被相続人の財産に含めた請求人名義の各財産(本件各財産)は、請求人の亡祖母が請求人名義で残した定期預金等を原資としたものであって、請求人固有の財産であるから、この是正を求める本件更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、国税通則法第23条《更正の請求》の規定による更正の請求は、申告内容の過誤から生じる納税者の不利益を救済するため、租税行政の法的安定の要請を一定の要件のもとに制限する趣旨のものと考えられ、この趣旨及び同規定の文言等に照らすと、自ら計上した申告内容の更正を請求する納税者側において、その申告内容が真実に反するものであることの主張立証をすべきであると解されるところ、亡祖母が請求人名義で残したとする定期預金について、請求人からはその存在の証拠となる資料の提出がなく、当審判所の調査によってもこれを明らかにすることができないから、本件各財産の原資については、明らかでないといわざるを得ない。(平23.11.22 名裁(諸)平23-48)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230014
- 裁決年月日
- 平成23年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が売主として締結していた売買契約(本件売買契約)の目的物である土地(本件譲渡土地)について、相続開始時に農業委員会への届出がされておらず、その所有権が買主に移転していないことなどから、相続財産は本件譲渡土地である旨主張する。しかしながら、本件譲渡土地の譲渡に当たり必要な生産緑地地区の解除手続については、相続開始前に買取りの申出が行われ、それに基づき相続開始後、生産緑地地区が解除されていること、また、開発行為の許可申請及び農業委員会への届出手続についても、その後遅滞なく行われていることからすれば、売主及び買主双方において、相続開始時点で本件売買契約の履行に向けて支障なく手続を進めていたものと認められるから、相続開始時に農業委員会への届出がされていなかったことは被相続人に所有権を留保しておく必要があったためではなかったといえる。のみならず、本件売買契約の履行及び農業委員会への届出手続に当たって障害となるべき事情もなかったといえることからすると、相続開始時において本件売買契約が履行されることが確実である状況と認められ、そのような状況下にあっては本件譲渡土地の所有権が被相続人に残っていても、もはやその実質は本件売買契約に係る売買残代金請求権を確保するための機能を有するにすぎないのであるから、相続税の課税対象とすべき財産は、本件譲渡土地の所有権ではなく、本件売買契約に係る売買残代金請求権であると解するのが相当である。(平23. 9.13 関裁(諸)平23-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230004
- 裁決年月日
- 平成23年7月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人の国外預金等を死因贈与により取得した事実はない旨主張する。しかしながら、①平成11年10月以降、本件被相続人は、遠くない将来発生するであろう多額の相続税負担を意識し始め、その対策として、自らの金融資産を国外へ移動させ、最終的には顧客情報について厳格な守秘義務がある、国外の銀行の個人投資会社名義の口座(本件P口座)や口座名義を番号で設定し管理する口座(本件N口座)へ移動させることが、相続税の回避になると考え、その旨の認識の下、自らの後継者と考えていた請求人に、日本国外へ送金又は移管した本件被相続人の預金及び債券(本件国外預金等)に係る資金の移動(本件国外送金)や各口座の管理等を任せ、請求人自身においても、本件被相続人の意に沿い、本件被相続人と同様の認識の下、本件国外送金の手続に深く関与していたと認めるのが相当であること、②本件被相続人が死亡した時点において、請求人は、他の法定相続人が本件国外預金等の存在を知らない状況の下において、本件国外預金等を、請求人が少なくとも排他的に使用することができる本件P口座及び本件N口座において管理していたこと、③本件被相続人は、請求人において、本件国外預金等を他の法定相続人を排除して同人自らが排他的に管理することができる状況を作出することを了承していたものと認めるのが相当であることからすると、本件国外預金等の形成に係る本件被相続人及び請求人の意思を合理的に解釈すれば、本件被相続人は、本件国外預金等について、自らが死亡した際には請求人にこれを取得させる意思であったと解するのが自然であり、請求人もまた、本件被相続人の上記意思に応じて同財産を取得する意思があったというべきであるから、本件被相続人は、請求人に対し、包括的に本件国外預金等を死因贈与したものと認めるのが相当である。(平23. 7.14 大裁(諸)平23-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230001
- 裁決年月日
- 平成23年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の預金口座から出金して被相続人の配偶者名義の預金口座に入金された金員(本件金員)は、同配偶者が被相続人に対して有していた貸付金債権の返済を受けたものであるから、相続財産に含まれない旨主張する。しかしながら、本件金員は、その全額が被相続人に帰属する預金を原資とするものと認められ、請求人の主張する、同配偶者の被相続人に対する貸付金債権が存することを認めるに足りる証拠はなく、同配偶者は当該出金及び入金に係る資金移動を行った事実について記憶がない旨あいまいな回答をするにとどまっていることを併せ考えると、当該資金移動が請求人の主張するような被相続人から同配偶者に対する貸付金の返済としてされたものであると認め難い。加えて、本件該金員は相続開始日まで同配偶者名義の預金口座に預け入れられたままの状態であったことなどからすれば、本件金員は、被相続人の同配偶者に対する預け金として、相続財産を構成するものと認めるのが相当である。(平23. 7. 4 大裁(諸)平23-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230002
- 裁決年月日
- 平成23年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の預金口座から出金して被相続人の配偶者名義の預金口座に入金された金員(本件金員)は、同配偶者が被相続人に対して有していた貸付金債権の返済を受けたものであるから、相続財産に含まれない旨主張する。しかしながら、本件金員は、その全額が被相続人に帰属する預金を原資とするものと認められ、請求人の主張する、同配偶者の被相続人に対する貸付金債権が存することを認めるに足りる証拠はなく、同配偶者は当該出金及び入金に係る資金移動を行った事実について記憶がない旨あいまいな回答をするにとどまっていることを併せ考えると、当該資金移動が請求人の主張するような被相続人から同配偶者に対する貸付金の返済としてされたものであると認め難い。加えて、本件金員は相続開始日まで同配偶者名義の預金口座に預け入れられたままの状態であったことなどからすれば、本件金員は、被相続人の同配偶者に対する預け金として、相続財産を構成するものと認めるのが相当である。(平23. 7. 4 大裁(諸)平23-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230001
- 裁決年月日
- 平成23年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件相続開始日の約2か月前に、買主を本件被相続人、その代理人を請求人として本件不動産に係る売買契約(本件売買契約)が締結され、その購入代金を請求人が本件被相続人の預金口座から引き出したことについて、本件被相続人は本件売買契約時に意思能力がなかったから、当該預金口座からの引出しは、本件被相続人から請求人への相続税法第9条に定める利益の享受に該当し、当該利益の享受は、相続開始前3年以内の贈与財産として相続税の課税対象となる旨主張する。しかしながら、本件被相続人は本件売買契約時に不動産売買の意思能力を欠いていたことから、本件不動産は請求人が本件被相続人の代理人として無権代理により購入したものと認められるものの、本件被相続人の相続人は請求人のみであって、請求人は本件売買契約の追認を拒絶することができず、本件売買契約は有効となるから、相続財産は本件不動産であるとみるのが相当である。また、当該預金口座から引き出された金員は、すべて本件不動産の取得資金に充てられているから、本件不動産の取得に際し、請求人が利益を受けた事実はない。(平23. 7. 1 東裁(諸)平23-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220097
- 裁決年月日
- 平成23年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、相続開始の数日前に被相続人名義の預金から相続人が出金した50,000,000円(本件金員)について、出金された当日に被相続人に引き渡され、相続開始日までに被相続人によって費消されて存在していなかったから、本件相続に係る相続財産ではない旨主張する。しかしながら、被相続人が、50,000,000円という高額な金員を家族に知られないまま費消することは通常であれば考えられないことに加え、本件金員をギャンブル等の浪費によってすべて費消するには相続開始前の数日間では短すぎるのであって、被相続人の消費傾向に照らしても、本件金員がすべて費消されたとは考え難く、また、被相続人自身、数日後に死亡するとは考えておらず、多額の費用が必要な手術の準備をしていた時に、本件金員を引き出す直前の預貯金残高の8割を超え、総所得金額の2倍以上に相当する50,000,000円もの金員が、そのような短期間で軽々に費消されたとも考え難い。さらに、原処分庁及び当審判所の調査の結果によっても、本件金員が、相続開始日までに、他の預金等に入金された事実、債務の返済や貸付金に充てられた事実、資産の取得又は役務の提供の対価に充てられた事実、その他何らかの費用に充てられた事実はなく、家族以外の第三者に渡されたような事実もない。以上のとおり、通常想定し得る金員の流出先についてみても、本件金員が費消等された事実はなかったのであるから、本件金員は被相続人によって費消等されなかったと認めることができ、ほかにこれを覆すに足りる証拠はない。したがって、本件金員は、本件相続の開始時点までに被相続人の支配が及ぶ範囲の財産から流出しておらず、本件相続に係る相続財産であると認められる。(平23. 6.21 関裁(諸)平22-97)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220059
- 裁決年月日
- 平成23年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、先に発生した本件被相続人の妻を被相続人とする相続(本件第一次相続)について、本件被相続人が口頭で相続放棄の意思を示してたから、本件被相続人に帰属する本件第一次相続に係る相続財産は存在しない旨主張する。しかしながら、本件被相続人は、第一次相続について、家庭裁判所に対する相続放棄の申述をしていないから、相続放棄の法的効果が生ずることはない。また、相続放棄と同一の効果をもたらすものとして、遺産分割協議において、相続財産を取得しない旨の協議が整った場合が挙げられるところ、本件第一次相続の相続財産について、本件被相続人の分割財産をなしとする分割協議が行われたとも認められない。そうすると、本件第一次相続について、本件被相続人は単純承認したこととなり、また、共同相続人は未分割の相続財産の共有持分権を有することとなるから、本件被相続人は、本件第一次相続財産の相続財産の共有持分権を有していたと認められる。(平23. 6.14 名裁(諸)平22-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220078
- 裁決年月日
- 平成23年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aが本件被相続人の生前に同人の預金を数十回にわたり出金し(本件各出金)、1850万円の現金(本件金員)を保管していたという事実関係の下、本件各出金についてAは本件被相続人の了解を得ていたこと及び本件被相続人が各親族に対して各100万円を生前贈与する意思表示をしていたことをそれぞれAから聞いており、これに見合う本件各出金の事実の確認もできることから、少なくとも、本件金員のうち200万円については、本件被相続人からA及びBに対して贈与があったものである旨主張する。しかしながら、Aは、本件被相続人の死期が近いことを悟り、同人の死亡により同人の預金の払戻しが困難になると考えて、同人から預かり保管していたキャッシュカードを用いて本件各出金をし、その事実を他の親族に知らせずに本件金員を保管し、本件被相続人の死後、請求人から本件相続税の申告手続を任されていたCに対して本件各出金の事実を明らかにしたところ、Cから本件金員の全額を引き渡すよう求められたことから、Aとともに本件被相続人の面倒を見ていたとするBと相談の上、各自が100万円ずつそれぞれ領得することとして、本件金員から200万円を控除した残額を請求人の預金口座に入金したものと認められることからすると、Aによる本件各出金あるいはA及びBによる200万円の領得が、本件被相続人のA及びBに対する贈与の意思表示に基づいて行われたものであるとは考え難く、本件被相続人とA及びBとの間において各100万円ずつ、合計200万円の金員を生前贈与する旨の合意が成立していたとは認められない。(平23. 5.19 大裁(諸)平22-78)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220053
- 裁決年月日
- 平成23年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306000
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○請求人らは、請求人ら名義の各有価証券及び各預貯金等(本件請求人ら名義財産)について、これらの全部が請求人ら固有の財産である旨主張する。しかしながら、預貯金や有価証券等の財産の帰属を判断するためには、その名義が重要な要素となることはもちろんであるが、それら原資の負担者、取引や口座開設の意思決定を行った者、その手続を実際に行った者、その管理又は運用による利得を収受している者などの諸要素、その他名義人と管理又は運用をしている者との関係等を総合的に考慮すべきであるところ、本件請求人ら名義財産については、本件被相続人の妻である請求人G名義の一部の財産を除き、①原資の負担者は、本件被相続人であったと認めるのが相当であること、②取引や口座開設等の手続の遂行者は、実質的に本件被相続人であったと認めるのが相当であること、③本件被相続人自身又は本件被相続人が請求人Gを通じて、管理していたと認めるのが相当であること、④本件請求人ら名義財産の基となった財産の運用については、本件被相続人の指図によって行われていたとみるのが相当であること及び⑤本件請求人ら名義財産の基となった請求人らの名義の上場株式のうち、配当金に係る利得を享受し得る立場にあったのは、本件被相続人であったと認められることからすれば、いずれも本件被相続人の相続財産と認めるのが相当である。ただし、本件請求人ら名義財産のうち請求人G名義の一部の財産については、同人の所得から形成されたものと認められ、また、同人によって運用されていたものと認められるから、請求人G固有の財産であると認めるのが相当である。(平23. 5.16 名裁(諸)平22-53)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220014
- 裁決年月日
- 平成23年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、第一次遺産分割協議書の「遺産分割協議成立後に新たに発見された財産債務は請求人Bが取得する」との記載は、軽微な財産債務が発見された場合のものであり、新たに相続人間の意思決定が必要な予想外の財産を予定したものではないのであって、新たに発見された被相続人から請求人Aへの貸付金(本件貸付金)については、第二次遺産分割協議により、請求人Aが取得したものである旨主張する。しかしながら、第一次遺産分割協議は、有効に成立しており、新たに発見された財産債務の範囲についての具体的な定めや再度分割協議を必要とする財産債務についての定めがないことなどに加え、当該各遺産分割協議には、本件貸付金の債務者であり当然に本件貸付金の存在を知るべき請求人Aが参加していることからすると、本件貸付金は、第一次遺産分割協議で新たに発見された財産債務を取得するとされている請求人Bが取得したとみるのが相当であり、これと異なる第二次遺産分割協議は相続人間の新たな取引行為と認めるのが相当である。(平23. 2.17 札裁(諸)平22-14)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220015
- 裁決年月日
- 平成23年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、第一次遺産分割協議書の「遺産分割協議成立後に新たに発見された財産債務はを取得する相続人」に関する記載は、軽微な財産債務が発見された場合のものであり、新たに相続人間の意思決定が必要な予想外の財産を予定したものではないのであって、新たに発見された被相続人から請求人A及びBへの貸付金(本件各貸付金)については、第二次遺産分割協議により、請求人A及びBが取得したものである旨主張する。しかしながら、第一次遺産分割協議は、有効に成立しており、新たに発見された財産債務についての範囲の具体的な定めや再度分割協議を必要とする財産債務についての定めがないことなどに加え、当該各遺産分割協議には、本件各貸付金の債務者であり当然に本件各貸付金の存在を知るべき請求人A及びBが参加していることからすると、本件各貸付金は、第一次遺産分割協議で新たに発見された財産債務を取得するとされている相続人が取得したとみるのが相当であり、これと異なる第二次遺産分割協議は相続人間の新たな取引行為と認めるのが相当である。(平23. 2.17 札裁(諸)平22-15)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平220006
- 裁決年月日
- 平成23年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の成年後見人が相続開始前に売買契約(本件売買契約)を締結し、相続開始後に引き渡した被相続人が所有していた土地(本件土地)及び建物等について、成年後見人から相続開始後に「売買代金決済日が契約成立日となる」旨の説明を受けていたこと及び本件売買契約には「本件土地とその隣接地との一体不可分の売買」を解除条項とする定めのあることから、相続開始日時点においてはまだ本件売買契約が成立しておらず、本件相続により取得したのはあくまでも土地建物等である旨主張する。しかしながら、本件売買契約の代理権を有していた成年後見人が家庭裁判所に報告した「後見等事務報告書」の内容及び手付金の決済状況などからすると、本件売買契約は、契約日付のとおり成立したと認められ、さらに、本件土地及びその隣接地の売買当事者は契約条項を誠実に履行しており相続開始日までの間に本件売買契約の解除事由が発生することはなかったと認められることからすると、本件相続税の課税財産は本件売買契約における売買残代金請求権であると認めるのが相当である。(平23. 2. 3 仙裁(諸)平22-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220037
- 裁決年月日
- 平成22年11月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産であると認定した受遺者Aに対する預け金債権(本件債権)について、客観的証拠はなく、Aの信用性のない供述のみしか証拠がないことなどから、相続財産として存在しない旨主張する。しかしながら、数百万円の給与収入と年金収入しかないAらが、本件相続開始後に、銀行等において出金額を1億円以上も上回る入金を行い、最終的にB団体に1億円を超える金額の献金をしていること、一方で、被相続人が生前にAらに対し、1億円もの現金を贈与した事実は認められないこと、また、本件の全証拠によっても、Aらが被相続人以外から1億円もの現金の提供等を受けたことを認めるに足らず、被相続人が生前に同様の金額をAらから借入れなどをし、それを弁済したなどとする事実も認められないことからすれば、Aの申述等はこれらの事情と整合する限度で信用することができ、これらによれば、Aが本件債権に対応する1億円の現金を本件相続開始日以前に被相続人から預かり、銀行等への入金を経由した後、当該献金の原資に当てたことが認められ、当審判所の調査によっても、この認定に反する証拠は見当たらない。以上のことから、本件債権は、被相続人に帰属すべき相続財産の一部であると判断するのが相当である。(平22.11.30 大裁(諸)平22-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220037
- 裁決年月日
- 平成22年11月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産であると認定した本件相続開始時に被相続人が居住していた家屋内の各金庫に保管されていたという現金(本件各金庫内現金)について、本件各金庫内現金がいくら存在していたかは不明であり、各金庫内に現金が存在した旨の受遺者Aの供述等は信用性に欠けるから、相続財産として存在しない旨主張する。しかしながら、Aの供述等は、被相続人の死亡確認時にAと共に本件各金庫の内容物を確認したことに関する警察署の取扱記録と整合する限度では信用性を認めることができ、また、本件各金庫内に少なくとも原処分庁が主張する額の現金が存在したことも認めることができることから、請求人の主張は採用することができない。そして、本件の全証拠によっても、被相続人以外の者が被相続人の本件家屋にそのような現金を保管していたとする事情や事実は認められないから、本件各金庫内現金は、被相続人の相続財産に属するものと判断するのが相当である。(平22.11.30 大裁(諸)平22-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220100
- 裁決年月日
- 平成22年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が主張する法人3社(A社、B社、C社)に対する本件被相続人の貸付金等(本件貸付金等)の存在を裏付けるに十分な証拠はないから、本件貸付金等は本件被相続人の相続財産とは認められない旨主張する。しかしながら、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果認められる各事実を総合すれば、本件貸付金等のうち、A社に対するものの一部及びB社に対するものについては、本件被相続人が有していた本件被相続人の妹ほか3名に対する貸付金債権を両社に譲渡し、その譲渡代金相当額を両社に対する貸付金としたものであり、また、A社に対するものの残りの部分及びC社に対するものについては、両社が不動産を取得する際、その資金を本件被相続人が貸し付けあるいは立て替えたものであることが認められる。そして、本件貸付金等が弁済され又は他に譲渡された事実を認めるに足る証拠はないから、本件貸付金等は、相続開始日において、本件被相続人のこれら法人3社に対する債権として存在し、本件被相続人の相続財産であると認められる。(平22.11. 5 東裁(諸)平22-100)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220026
- 裁決年月日
- 平成22年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が相続財産と認定した請求人らなどが名義人となっている不動産、預貯金、有価証券については、名義人が取得又は被相続人から贈与を受けたものである旨、また、貸付金及び未収入金については、債権が存在しない又は債権放棄により消滅している旨主張する。しかしながら、不動産、預貯金及び有価証券については、名義人は単なる名義人であり、被相続人から贈与があったとも認められないことから、被相続人に帰属する相続財産であると認められる。また、貸付金及び未収入金については、原処分庁が貸付金と認定した債権の一部に不当利得返還請求権又は未収入金となる債権があるものの、債権自体は存在し、債権放棄は被相続人の意思によるものとはいえず、債権放棄があったとは認められないから、これらの債権はいずれも被相続人の相続財産である。(平22.10. 8 大裁(諸)平22-26)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220002
- 裁決年月日
- 平成22年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続の開始時において、本件定額貯金及び本件傷害保険契約に関する権利は、本件被相続人の前に死亡した、本件被相続人の妻で請求人の母である亡Kの相続財産であり、亡Kが死亡した時に請求人が相続したものであるから、本件被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件相続の開始時において本件定額貯金は本件被相続人の名義であったこと、請求人は、本件被相続人の相続財産に係る遺産分割協議に基づいて本件定額貯金を取得するため相続手続を行っていることからすれば、本件定額貯金は本件被相続人の相続財産であると認められ、また、本件傷害保険契約の契約者は本件被相続人であり、保険料もその全額を本件被相続人が負担していることからすれば、本件傷害保険契約に関する権利は本件被相続人の相続財産であると認められる。また、請求人は、本件定額貯金及び本件傷害保険契約に関する権利が亡Kの相続財産であることについて具体的に主張、立証せず、請求人の答述を裏付ける資料も提出しないところ、仮に、これらの財産が亡Kの相続財産であったとしても、亡Kの共同相続人が作成した遺産分割協議書によれば、本件被相続人がこれらの財産を取得したことになるから、請求人の主張には理由がない。(平22. 7. 6 広裁(諸)平22-2)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210025
- 裁決年月日
- 平成22年5月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人の配偶者である請求人名義の本件株式等について、被相続人が実質的に管理運用していた請求人名義の証券口座に保護預かりされていたことなどから、被相続人の財産である旨主張する。しかしながら、本件株式等は、請求人名義の同族会社の株式との株式交換により取得した株式の売却代金により取得されており、これらの財産は、請求人が当該同族会社の株式を取得してから相続開始日に至るまで一貫して請求人の名義財産であり、かつ、保有に伴う配当金も請求人が受領しているところ、ほかに被相続人に帰属する財産であると認められる証拠もない。したがって、本件株式等は請求人に帰属する財産と認められ、原処分は取り消すのが相当である。(平22. 5.28 仙裁(諸)平21-25)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210026
- 裁決年月日
- 平成22年5月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人の配偶者名義の本件株式等について、被相続人が実質的に管理運用していた当該配偶者名義の証券口座に保護預かりされていたことなどから、被相続人の財産である旨主張する。しかしながら、本件株式等は、当該配偶者名義の同族会社の株式との株式交換により取得した株式の売却代金により取得されており、これらの財産は、当該配偶者が当該同族会社の株式を取得してから相続開始日に至るまで一貫して当該配偶者の名義財産であり、かつ、保有に伴う配当金も当該配偶者が受領しているところ、ほかに被相続人に帰属する財産であると認められる証拠もない。したがって、本件株式等は当該配偶者に帰属する財産と認められるから、原処分は取り消すのが相当である。(平22. 5.28 仙裁(諸)平21-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210108ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成22年4月26日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が生前に作成していた「遺言書(追伸)」と題する書類(以下「本件追伸」という。)は民法第968条の自筆証書遺言に当たり、その記載内容は、被相続人の請求人らに対する立替金返還債権(以下「本件債権」という。)を放棄する意思表示をした特定遺贈に当たることから、相続税法第8条の規定に従って、本件債権を放棄したことによる債務免除相当額を被相続人の相続財産として課税すべきである旨主張する。しかしながら、遺産相続に係る事項については、既に弁護士の関与の下に遺言公正証書が作成されており、仮に遺言によって本件債権を放棄する意思表示をするならば、当該遺言公正証書作成時点において行うことができたのであり、また、本件追伸が遺言として形式的要件を満たすものであったとしても、それが法的効果を生じさせるかどうかは、その意味内容の解釈によるべきであって、本件追伸中の「放棄する」との一部分のみをことさらに取り上げて、債務免除の意思表示であると解釈すべきではなく、本件追伸は、後の紛争防止のため、被相続人が過去に請求人らに対して本件債権につき債務免除の意思表示をした事実を書面化するべく、法的効果を伴わない当該遺言公正証書の付言部分に付け加えて、過去の事実を確認する趣旨で記載されたものと解するのが相当である。したがって、本件追伸をもって被相続人が請求人らに対して本件債権を放棄したと解することはできず、本件債権についての債務免除の意思表示は、遅くとも本件追伸の作成日までにされたとみるべきであるから、原処分は取り消すのが相当である。(平22. 4.26 関裁(諸)平21-108)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年11月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①被相続人あてに作成した借用書は、請求人の弟の要求により借用書と記載したにすぎず、当該借用書に記載した金員(以下「本件金員1」という。)は被相続人が請求人に贈与したものであること、②請求人が償還した割引金融債券の原資は被相続人が請求人に支払うべき給料分であり、当該割引金融債券は請求人のものであるから当該割引金融債券を償還した金員(以下「本件金員2」という。)は請求人の財産であること、③被相続人が所有していた請求人名義の受益証券の解約金のうち3,000,000円(以下「本件金員3」という。)は被相続人が請求人に贈与したものであることから、これらの財産は貸付金として相続財産に当たらない旨主張する。しかしながら、①については、本件金員1の授受に当たり、請求人が当該借用書を作成したことは、請求人及び被相続人ともに事実として認識していたと認められ、また、本件金員1が貸付金であるという認識の下で請求人とその弟との間で相続に係る遺言状の和解が行われたことからしても、請求人と被相続人との間において金銭消費貸借契約は有効に成立しており、当該金員については、被相続人の請求人に対する貸付金として被相続人の相続財産に当たると認めるのが相当であり、②については、被相続人が当該割引金融債券のすべてについて、これを現実に支配管理していたものと認められ、また、被相続人に当該債券の原資となるような土地売却収入があったことが認められることからすると、当該債券は被相続人に帰属する財産であったものと認めるのが相当であり、また、本件金員2は被相続人から請求人に贈与されたものと認められ、贈与の日が相続開始前3年以内であることから、相続税に係る課税価格には本件金員2を相続税の課税価格に加算した金額とすべきであり、さらに、③については、本件金員3は、被相続人から請求人に贈与されたものであると認められ、当該贈与の日が相続開始前3年以内には該当しないことから、これを相続税の課税価格に加算することはできない。(平21.11.20 熊裁(諸)平21-4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年9月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人から承継した本件売買契約に係る解除権を行使した結果、本件売買契約は本件相続の開始前に遡及して消滅し、売買残代金請求権は本件相続の開始時において法律上存在していないことになるから、本件相続に係る相続税の課税対象とすべき財産は本件各土地建物である旨主張する。しかしながら、相続税の課税上、相続により取得した財産について相続開始後に生じた事情は、これを考慮すべき特段の事情と認められない限り考慮すべきものではないと解されるところ、本件のように、本件相続の開始時において、本件売買契約が履行されることが確実であると認められるような状況下にあっては、本件各土地建物の所有権が本件被相続人に残っているとしても、もはやその実質は売買残代金請求権を確保するための機能を有するにすぎないものといえ、請求人らが相続した本件各土地建物は、独立して相続税の課税財産を構成しないというべきである。そして、請求人らが本件相続の開始後に行った本件売買契約の解除により、本件売買契約の当事者間において契約の効力が遡及的に消滅すると解したとしても、当該解除は請求人らの意思によるものであり、これをもって、相続開始後に生じた考慮すべき特段の事情ということはできないから、本件相続の開始時において、売買残代金請求権は確定的に本件被相続人に帰属しているものと認めるのが相当である。以上からすれば、本件相続に係る相続税の課税対象とすべき財産は売買残代金請求権であると認められるから、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平21.9.16 広裁(諸)平21-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が請求人ら等の名義の株式(以下「本件各株式」という。)について、被相続人から各名義人に対して贈与されたものではなく、被相続人の相続財産であるとして、相続税の更正処分等をしたのに対し、本件各株式は、被相続人がそれぞれの名義とした時点で贈与されたものであり、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件は書面によらない贈与であることに争いはなく、書面によらない贈与は、その履行が終わるまでは当事者がいつでも自由にこれを取り消すことができることから、その履行前は目的財産の確定的な移転があったということはできないので、贈与の有無は、本件各株式の管理・運用の状況、配当金の帰属先等の具体的事実に基づいて総合的に判断すべきところ、本件各株式に係る株券は、被相続人の自宅寝室のたんすの中に保管され、請求人らは当該株券を持ち出したことは一度もなく、被相続人の亡くなった日から2日以内に当該たんすの中に保管されていた同株券を確認しており、それ以外の家族が当該株券を持ち出したとする事実を裏付ける証拠も認められないことから、本件各株式に係る株券は、被相続人が亡くなるまでの間、本件被相続人の支配下から離れたことは一度もないと認めるのが相当である。次に、そもそも本件各株式の取得に係る原資は、被相続人が拠出しており、請求人らの名義の各株式が新規に発生した後しばらくの間は、当該株式の存在を明らかにしないまま、被相続人が当該株式の有償増資などの運用を行っていたものと認められ、請求人らが請求人らの名義の各株式の存在を知らされた時点以降においても、請求人らがその運用を被相続人に依頼したとする事実を裏付ける証拠が認められないにもかかわらず、当該株式の増減の動きは同時に生じ、一斉にその動きを止めるなど、本件各株式の運用についての意思決定を主導する人物の存在をうかがわせる動きをしているほか、被相続人の手帳には請求人らの名義の株式の増資に係る計算が記載されている。そうすると、請求人らの名義の株式が新規に発生した時点からその存在を知らされた時点までの間の本件各株式の運用に係る意思決定は、明らかに被相続人が行っており、その後請求人らが同名義の株式の存在を知らされた以降においても、従前と同様に、被相続人が本件各株式の運用に係る意思決定を行っていたと認めるのが相当である。さらに、本件各株式の配当金は、相続財産である被相続人名義の普通預金に入金され、それが引き出された痕跡は見当たらず、請求人らに分配されたこともないので、当該配当金の帰属先は被相続人と認められる。以上によれば、本件各株式は被相続人が管理・運用し、その配当金を受け取っていたと認められるので、請求人らは被相続人から本件各株式の確定的な移転を受けたということはできず、本件各株式は、被相続人から請求人らに対して贈与されたものとはいえない。(平21. 8.25 名裁(諸)平21-3)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200020
- 裁決年月日
- 平成21年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人名義の各土地の一部は、いずれも被相続人との口頭の贈与契約により毎年年間60万円相当の土地の贈与を受けていたのであるから、相続財産とはならない旨主張するが、当該贈与契約があったとは認められず、仮に当該贈与契約があったとしても贈与の目的物が特定されていないことから、契約の履行ができないことは明らかで、この点からも当該土地の贈与があったとは認められないから、請求人らの主張は採用できない。(平21. 6.22 札裁(諸)平20-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200165
- 裁決年月日
- 平成21年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産の贈与の時期は、相続税法基本通達9−9の定めのとおり、他の者の名義で新たに株式等を取得した場合においては、原則として贈与として取り扱うのであるから、その取得の時を贈与の時期とすべきであり、本件家族名義株式及び本件投資信託は本件被相続人の資金により取得されたものであるが、請求人らの名義とされた時に贈与されたものであるから、本件家族名義株式の配当金が蓄積された普通預金及び本件投資信託の収益金が蓄積された証券会社の口座の預け金もそれらの名義人に帰属する旨主張する。しかしながら、財産の帰属の判定において、当該財産の名義は、重要な一要素となり得るものであるが、親族間においては他の親族の名義で財産を取得することも行われているところ、当該財産の名義と当該財産の帰属が一致しないことはまま見受けられる。そこで、財産の帰属の判定は、当該財産の名義のほか、当該財産の取得原資の出捐者、当該財産の管理運用の状況、当該財産から生ずる利益の帰属者、当該財産の取得原資の出捐者と当該財産の名義人並びに当該財産の管理運用をする者との関係、当該財産の贈与事実の有無等の諸要素を総合考慮して判断すべきものと解される。本件において、本件家族名義株式及び本件投資信託、並びに上記普通預金及び証券会社の口座の預け金は、上記の諸要素を総合考慮すると、本件被相続人に帰属する財産と認められる。(平21. 4.14 東裁(諸)平20-165)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200053
- 裁決年月日
- 平成21年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の父である被相続人名義の預貯金口座からその弟により引き出された金員(以下「本件引出金」という。)について、同人から弟への預け金であるとして相続税の更正処分等をしたことに対し、本件引出金は、被相続人から弟へ贈与されたものであり、相続開始の時点において請求人のところに存在しない財産であるから相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、被相続人の弟が、生前に被相続人から葬儀及び法要等を依頼され、その支出に備えて相続開始日に本件引出金を引き出し、その後葬儀費用等を支払っていることが認められ、被相続人の最も身近にいた弟が、被相続人に帰属する同金員を同人のために、預かり費消したものであるから、本件引出金は被相続人から弟への預け金として、相続財産となると認められる。なお、請求人は、被相続人の弟を被告として、本件引出金の損害賠償請求訴訟を提起し、その準備書面において弟自身が贈与を認めていることや請求人が当該訴訟を取り下げたことから、本件引出金は被相続人から弟に贈与されたものである旨主張しているところ、準備書面は証拠ではなく主張書面にすぎないこと、訴えの取下げは訴訟を終了させる訴訟行為にすぎず、被告の反論を原告である請求人が認めたことになるものではないことから、これらの事実は上記の贈与の有無の判断に影響を与えるものではない。したがって、請求人のこれらの点に関する主張には理由がない。(平21. 3. 4 名裁(諸)平20-53)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200053
- 裁決年月日
- 平成21年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が被相続人からその弟らに生前贈与されたものとは認められないことが判決により確定した不動産について、当該不動産を相続財産に含めて再更正処分をしたのに対し、当該不動産の名義が、未だに請求人に回復しておらず、第三者に占有されていることを理由に相続財産ではない旨主張する。しかしながら、上記判決において、被相続人がその弟らに贈与の意思表示をしたものと認めることができないと判断されており、当審判所においてもこの判断は相当と認められるので、当該不動産は相続の開始時点において被相続人に所有権があったということになり、被相続人からの相続財産と認められ、当該不動産の名義変更がなされていないのは、請求人側の事情によるものであって、相続財産であるか否かの判断に影響を与えるのもではないし、第三者が同不動産を占有していることも、所有権の帰属とは関係がない事柄というべきである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 3. 4 名裁(諸)平20-53)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200052
- 裁決年月日
- 平成21年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、甲社には実体がなく、甲社に帰属する資産及び負債は、すべて被相続人の相続財産であるから、甲社の本件出資持分は零円である旨主張するが、甲社は、継続的に確定申告書を提出し、多額の売上等を計上しているほか、役員報酬、従業員給与等も計上し利益を上げている事業年度もあることから甲社は実体のある会社であると認められる。また、本件各不動産は被相続人名義で登記がなされているが、甲社は本件各不動産を資産として計上し、建物の減価償却費を計上しており、被相続人名義の借入金と同額を債務として計上し、その返済の都度同額の債務を減少させており、平成13年4月以降は、甲社自らが返済金を負担していると認められる。これらの事情に加え、借入れに関する被相続人や関係者の話を総合すると、本件各不動産については、被相続人が自己名義で取得しその後甲社に帰属させることにしたが、被相続人名義で借り入れをし、担保権を設定したことから、被相続人名義のままにしているにすぎないと推認するのが相当であるから、請求人らの主張は採用できない。以上を前提に本件出資持分の評価額を検討すると、原処分と同額になると認められる。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200047
- 裁決年月日
- 平成21年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、配偶者が被相続人が生前に経営していた事業において無償で労務に従事したことが被相続人の財産形成に寄与したものであり、実質的には被相続人の経営に係る事業収入は、被相続人と同請求人が二人で生み出したものであるから、同収入を原資として形成された金融資産のうち同請求人の寄与によって形成されたものは、同請求人固有の財産と解すべきであり、本件各割引債券の3分の1は同請求人固有の財産である、また、財産分与の場合に準じて考えると、同請求人の寄与割合は、被相続人の財産の40%を下回らず、被相続人の相続財産の15.2%、各割引債券全体の35.8%を占めるにとどまる本件割引債券は、同請求人固有の財産である旨主張する。しかしながら、仮に、配偶者が、生前における被相続人の金融資産の形成に実質的に寄与したとしても、そのことをもって、被相続人の購入した割引債券が直ちに、又は本件相続の開始時に同請求人の固有財産となると解すべき法令上の根拠はない。また、財産分与は、婚姻期間中に形成された帰属が明確でない共同財産の清算等を目的とし、離婚後における配偶者への扶養的要素や有責配偶者の相手方配偶者に対する慰謝料的性質も加味して離婚時に行われるものであり、そもそも、機能する場面が全く異なる上、財産の帰属を変更するものではないから、財産分与の制度を根拠に、相続財産であることが明確な財産を相続財産から除外することの根拠になるものではない。むしろ、相続税法は、被相続人の遺産形成への寄与等に配慮して同法第19条の2において配偶者に対する相続税額を軽減する規定を設けており、請求人らが主張する配偶者の相続財産形成への寄与についても同規定の適用によって配慮されているといえる。したがって、請求人らの主張は、独自の解釈に基づくものであり、採用できない。(平21. 2.17 大裁(諸)平20-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200047
- 裁決年月日
- 平成21年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が、毎年継続的に一定の金額を預金口座の名義人に贈与する意思を示し、各名義人もこれを受諾していたのであり、本件定期預金は、各名義人の固有財産である旨主張する。確かに、被相続人が、請求人ら及び請求人らの妻子ら名義の各預金口座を積み増す際にその額を贈与税の基礎控除額と同額としていたことは、被相続人の贈与の意思をうかがわせる一事情であるとはいえる。しかしながら、本件定期預金と同様に、上記積み増しで預け入れた請求人ら名義の各普通預金があるが、本件定期預金が被相続人から贈与されたものであるならば、請求人ら名義の各普通預金も贈与されたはずであるが、請求人らは、これらを相続財産として申告しており、不自然である。さらに、贈与を受けたとされる本件各預金及びその原資となる各預金の残高が減少した事実はなく、したがって、これらが請求人ら及び請求人らの妻子らによって引き出され、費消された事実もない上、本件各預金及びその原資となる各預金の開設及び解約等の手続は被相続人が全て行い、請求人ら及び請求人らの妻子らは関与しておらず、本件各預金に係る預金通帳についても、被相続人が貸金庫において管理しており、本件各預金及びその原資となる各預金に係る預金口座の届出印が同一であることからして、被相続人が届出印を管理していたと推認されるのであって、各預金の処分及び管理権限は何ら名義人に移転しておらず、当審判所の調査によっても、贈与を受けた請求人ら及び請求人らの妻子らが、被相続人に対し、贈与されたとする預金や、本件各預金に係る預金通帳や届出印等を引き渡すよう求めた形跡はない。以上の事情等を総合すると、被相続人が本件各預金又はその原資となる各預金を各預金に係る預金口座の名義人に贈与した事実はなかったものと推認するのが相当であり、ほかに請求人ら主張の贈与の事実を認めるに足りる証拠はないから、請求人らの主張は採用できない。(平21. 2.17 大裁(諸)平20-47)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成21年1月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の共同相続人甲(以下「甲」という。)の株取引による損失は、被相続人と甲が共同で生じさせたものであり、その損失の補てん等に充てた被相続人に帰属する株式の売却代金相当額の2分の1は被相続人が自ら費消したと考えるべきであるから、本件相続開始時において甲に対する預け金として存在するのは当該売却代金の2分の1に相当する金額である旨主張する。しかしながら、被相続人が甲と共同で株取引を行っていたことを証するに足る証拠はなく、両者の間で株取引により生じた損失額の一部の負担に係る何らかの合意があったとは認められず、他に被相続人が当該売却代金の2分の1を費消したとする合理的な根拠は見い出せないところ、甲は、当該売却代金を被相続人から預かったものと自認している上、本件相続において、これを被相続人の相続財産であるとして修正申告書を提出していることからすると、被相続人と共同で株取引を行ったものではなく、甲が単独で行ったものと認めるのが相当であり、相続開始時において、被相続人は甲に対して当該金員の全額に相当する返還請求権を有していたと認めるのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平21. 1. 7 札裁(諸)平20-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成21年1月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件貸付金について、借主の申述及び当該貸付金の弁済の事実が認められないことを理由に当該貸付金が相続開始時に存在したと主張する。しかしながら、本件貸付金の返済期日の前日に借主名義の預金口座から証券会社の被相続人の顧客口座に本件貸付金と同額の金員の移動があることや本件貸付金の返済以外に当該貸付金の返済期日前後に借主から被相続人へ資金移動をすべき他の理由が認められないことなどを併せ考えると本件貸付金は相続開始前に被相続人に返済されていたものと認めるのが相当であり、この点に関する原処分庁の主張は採用できない。(平21. 1. 7 札裁(諸)平20-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成21年1月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金について、その存否及び金額について係争中であることを理由にこれを相続財産とした本件更正処分は認めることはできない旨主張する。しかしながら、本件貸付金が相続税法第2条第1項の「相続又は遺贈により取得した財産」に該当するか否かについては、納税者において、相続等の所定の理由によって課税財産を取得することが必要であり、それをもって足りるのであって、取得の効力について他と争いがないこと、あるいは取得の有効であることが判決等をもって確定していることまでも必要とすべきものではないと解すべきであり、また、納税申告書を提出した者は、その申告に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決や和解により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したときは、国税通則法第23条第2項第1号の規定により、その確定した日の翌日から起算して2月以内に税務署長に対して更正の請求をすることができることにかんがみると、相続税に係る国税債権の成立要件に関し、上記のように解したとしても、納税者に特段の不利益を強いるものではないというべきである。(平21. 1. 7 札裁(諸)平20-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190079
- 裁決年月日
- 平成20年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の姉である被相続人の相続財産として申告した各土地(以下「本件各土地」という。)は、昭和40年に贈与を原因として請求人から被相続人へ所有権移転されているが、この贈与登記(以下「本件贈与登記」という。)は、請求人の母と被相続人が無断で行ったものであり、請求人が被相続人に本件各土地を贈与した事実はないから、請求人の固有財産であり相続財産ではないと主張する。また、本件各土地の一部の上に建築された被相続人名義のマンションの持分は本件各土地の所有者である請求人の財産であり、当該マンション建築のための被相続人名義の借入金残高も請求人の債務であると主張する。しかしながら、①請求人は、いったんは登記名義に基づき本件各土地を相続財産であるとして相続税の申告をしていること、②被相続人及び請求人は、それぞれのマンションの持分に係る不動産所得の申告を行っており、被相続人が死亡した年分については、請求人が、死亡した者の所得税の確定申告書付表を添付した上で被相続人の持分に係る不動産所得について申告を行っていること、③請求人は、本件贈与登記以降、本件の相続開始日まで、自己が真の所有者であるならば当然したであろう行動を一切とっていないこと、④本件各土地以外の土地について、請求人は登記の異動内容に沿って贈与税の申告及び相続税の計算における3年内贈与加算を行っていることから、請求人は、登記上の所有者が真実の所有者であることを前提に行動していたと認められ、本件各土地及びマンションの持分の登記上の所有者は真実の所有者を反映しているとみるのが相当であり、被相続人が登記上被相続人名義の土地を担保に借り入れたマンション建築のための借入金残高もまた被相続人の債務とみるのが自然である。なお、請求人の主張には、これを裏付けるに足る資料がないから理由がない。(平20. 4.10 名裁(諸)平19-79)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成20年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が自ら主宰する同族会社に対して有していた貸付金債権のうち一部のものは、相続開始前に被相続人と当該同族会社との間の黙示的な合意により、既に消滅していた旨主張する。しかしながら、被相続人と当該同族会社との間の黙示的な合意があったとの事実は認められず、当該同族会社に対する貸付金債権のうちに弁済等により消滅したものが含まれているとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平20. 4. 1 仙裁(諸)平19-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190130
- 裁決年月日
- 平成20年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式は、被相続人が役員を務める会社のために、同社の資金事情等の理由から同人が立替え取得したものであり、同人と同社との間で「譲渡(相続を含む)するときには会社が平均取得価額で買い戻す」との約定があったのであるから、相続財産は、形式的には株式であったとしても、実質的には立替金又は貸付金と同視し得る財産である。また、仮に本件株式が相続財産であるとしても、その価額は、被相続人が本件株式を取得したときの平均取得価額を基に算出すべきである旨主張する。しかしながら、本件株式の名義が発行法人の取締役会の承認を経て被相続人に変更されていること、本件株式の取得資金は被相続人が負担していること、本件株式の配当は被相続人が受領し、自己の配当所得として申告をしていること、本件株式の一部は被相続人の金融機関からの借入金の担保として提供されていることからすれば、形式的にも実質的にも被相続人が本件株式の所有権を有していたものと認められる。そして、相続税の課税価格に算入される財産の価額については、財産評価基本通達に定めるところにより評価することが著しく不適当と認められる特段の事情がない限り、同通達に定めるところにより評価することには合理性があると解されるところ、本件株式の評価に当たり特段の事情があることを肯定する事実は認められないことから、本件株式の価額は同通達に定める方法により評価することが相当である。(平20. 3.14 東裁(諸)平19-130)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190038
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が同族会社に対し7回にわたって交付した金員について、一部は相続開始の1年半前に債権放棄され、その後のものは、提供の都度贈与されたものであり、相続開始時には存在しない旨主張する。しかしながら、当該金員は、相続開始の1年半前までにされた3回の交付のとき及びその後の4回の交付のときのいずれも当該同族会社において短期借入金勘定に計上されており、同社が当該貸付金について債務免除を受けたとして特別利益に計上したのは、相続開始の2日後であるから、当該貸付金が相続開始日現在において存在していたことは明らかである。また、被相続人が、当該同族会社に対し、債権の放棄をし、又は贈与を行ったことを裏付ける客観的な証拠はないばかりか、債権放棄や贈与の意思表示を行っていないことは、請求人も認めるとおりである。同社は、いずれもその都度短期借入金として計上し、相続開始の2日後に至り、短期借入金から債務免除益として特別利益に計上したのであるから、その時点において、債権放棄があったと認識したものと認められる。したがって、当該貸付金は、相続財産であると認められる。なお、請求人は、債権放棄又は贈与により、当該同族会社は、既に存在していなかった借入金を相続開始の2日後に特別利益として経理したにすぎない旨主張するが、上記のとおり、相続開始前に債務免除等がされた事実は認められず、また、同社代表者び顧問税理士は、当審判所に対し、相続開始の約11月前に期末が到来した事業年度の決算書に当該貸付金に係る短期借入金の計上があることについて、互いに確認した上、短期借入金とした旨答述していることからも請求人の主張は採用できない。(平20. 3. 4 大裁(諸)平19-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190100
- 裁決年月日
- 平成20年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・78ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺産は、遺言書によりすべて請求人の弟が相続したため、請求人には法定申告期限における申告義務はない旨主張する。しかしながら、被相続人の遺言書には「被相続人の全財産を請求人の弟に相続させる。ただし、同人は請求人に代償金5000万円を支払わなければならない。」旨記載されており、これは、相続財産の現物を請求人の弟に単独で相続させることを可能とするため、同人から請求人に対して代償金の支払という債務を負担させる、いわゆる代償分割により相続財産の分割を行うよう、遺産の分割方法の指定をしたものと解するのが相当であるところ、代償分割の方法により遺産分割が行われた場合、代償財産の交付を受けた者については、その代償財産は、直接被相続人から承継取得した相続財産そのものではないものの、自己の相続権に基因して取得したものであることから、その代償財産も相続により取得した財産とみるのが相当であるとともに、遺言は遺言者の死亡の時からその効力を生じ、請求人は、相続開始日に代償金を相続により取得したものと認めるのが相当であるから、請求人は法定申告期限までに相続税の期限内申告書を提出する義務のある者に該当するというべきである。(平20. 1.23 東裁(諸)平19-100)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190055
- 裁決年月日
- 平成19年12月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400304000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/4家屋、構築物
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各附属設備等は建物と構造上一体となっているものであるから、相続税の取得財産として個別に評価し、別途、相続税の課税価格に加算すべきではない旨主張する。 しかしながら、①財産評価基本通達92は、家屋の所有者が有する電気設備、ガス設備、衛生設備、給排水設備、温湿度調整設備、消化設備、避雷針設備、昇降設備、じんかい処理設備等、家屋と構造上一体となっている設備と門、塀、庭園設備などの評価方法を分けていること、②この通達は、家屋と構造上一体となっているものについては、家屋の固定資産税評価額に含めて評価されており、門、塀等家屋と一体となっていない附属設備等及び庭園設備については、それらの設備を家屋とは別にして評価する必要がある旨定めたものと解されること、また、③構築物については、同通達96において土地又は家屋と一括して評価するものは除いて、1個の構築物ごとに評価する旨定められているところ、本件各附属設備等のうち、AないしC附属設備等は構築物、D及びE附属設備等は、門、塀等、F附属設備等は庭園設備であり、そのいずれもが、家屋の固定資産税評価額又は土地の評価に含まれていないと認められることからすれば、本件各附属設備等は、個別に評価し、取得財産価額に加算する必要がある。(平19.12.25 名裁(諸)平19-55)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190019
- 裁決年月日
- 平成19年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人及び他の共同相続人ら名義の株式は、被相続人が各名義人に贈与したものであるから、本件各株式及びその配当金が振り込まれた普通預金、請求人及び他の共同相続人ら名義の株式売却代金に由来する証券投資信託、定期預金の一部及び郵便貯金の一部は相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、①被相続人は、本件各株式を含む株取引を自己名義だけでなく、請求人及び他の共同相続人らの名義を借用して自己の計算において行っており、家族名義のものを含め自己が保有する株式の銘柄・数量、配当の状況を詳細に記載した書面を残していたこと、②配偶者及び長女は、上記各財産を相続財産とする旨の修正申告をしており上記各財産が相続財産であるとの認識を有していたと認められること、③請求人は、上記各財産が相続財産に含まれる旨が記載された姉の夫が作成したメモを受領していたこと、④その後、配偶者及び長女が遺産の範囲の確認を求める訴訟を提起したものの、配偶者及び長女は、上記各財産が相続財産であることの確認を求めていなかったものであり、請求人と他の共同相続人との間においては、上記各財産が相続財産に含まれることに争いがなかったことなどの事情に照らすと、本件各株式及びこれを含む被相続人が取得した株式に由来すると認められる上記各財産は、被相続人の相続財産であると認められる。 また、請求人及び共同相続人ら名義の株式は被相続人が各名義人に贈与したものである旨の主張についての請求人の答述はあいまいで具体性に乏しく、他に請求人の主張する贈与の合意及びそれが履行されたとの事実を認めるに足りる証拠はないから請求人の主張は採用できない。(平19.11.12 大裁(諸)平19-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190020
- 裁決年月日
- 平成19年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地建物について、A法人の設立当初から同社の資産である旨主張する。しかしながら、土地の名義は、被相続人がこれを取得した昭和22年以降相続開始時まで一貫して被相続人名義であったこと、建物は被相続人が建築し、その後相続開始日の属する年に至るまで、その2階部分が被相続人の居宅とされていたこと、本件土地建物の固定資産課税台帳の名義人は被相続人であり、相続開始時の年においても、同人に固定資産税等が課税されていたことに加え、他の共同相続人が上記土地建物を相続財産に計上して申告していること、土地建物が被相続人の遺産である旨の判決が確定していることなどの事情によれば、当該土地建物は、被相続人の相続財産であると認めるのが相当である。(平19.11.12 大裁(諸)平19-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190020
- 裁決年月日
- 平成19年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人及び他の共同相続人ら名義の株式は、被相続人が各名義人に贈与したものであるから、本件各株式及びその配当金が振り込まれた普通預金、請求人及び他の共同相続人ら名義の株式売却代金に由来する証券投資信託、定期預金の一部及び郵便貯金の一部は相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、①被相続人は、本件各株式を含む株取引を自己名義だけでなく、請求人及び他の共同相続人らの名義を借用して自己の計算において行っており、家族名義のものを含め自己が保有する株式の銘柄・数量、配当の状況を詳細に記載した書面を残していたこと、②共同相続人である配偶者及び長女は、上記各財産を相続財産とする旨の修正申告をしており上記各財産が相続財産であるとの認識を有していたと認められること、③配偶者及び長女が遺産の範囲の確認を求める訴訟を提起したものの、配偶者及び長女は、上記各財産が相続財産であることの確認を求めておらず、請求人と他の共同相続人との間においては、上記各財産が相続財産に含まれることに争いはなかったことなどの事情に照らすと、本件各株式及びこれを含む被相続人が取得した株式に由来すると認められる上記各財産は、被相続人の相続財産であると認められる。 また、請求人及び他の共同相続人ら名義の株式は、被相続人が各名義人に贈与し各名義人のために占有していた旨の主張についての請求人の答述はあいまいで具体性に乏しく、他に請求人の主張する贈与の合意及びそれが履行されたとの事実を認めるに足りる証拠はないから請求人の主張は採用できない。(平19.11.12 大裁(諸)平19-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190053
- 裁決年月日
- 平成19年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の同族会社株式の一部は、自身が被相続人から贈与を受けており、相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、①請求人の株主権の確認を求める民事訴訟において、裁判所は、請求人への贈与の事実を認定しておらず、②請求人主張の株式について、請求人は、相続開始直前に被相続人へ名義変更されたことを知らなかったことからすれば、当該株式は請求人の管理下になかったと認められること、③被相続人の長男は、被相続人が請求人の名義を使用して取得したいわゆる名義株であったと申述していること等からすると、請求人の主張には理由がない。(平19.10.29 東裁(諸)平19-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190054
- 裁決年月日
- 平成19年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義の上場株式は被相続人に帰属する名義株ではないと主張するが、①二男が被相続人に命ぜられて被相続人の上場株式を整理・記載していたノートには、家族名義の株式も記載されており、この上場株式は、その名義の如何にかかわらず被相続人に帰属すると認められること、②証券会社の担当者は、被相続人は、家族名義で上場株式を購入したこともあったが、これらはすべて被相続人のものである旨申述していること等からすれば、本件相続に係る相続財産であると判断される。(平19.10.29 東裁(諸)平19-54)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190004
- 裁決年月日
- 平成19年10月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・255ページ
要旨
○ 請求人らは、本件預貯金等のうち、①妻名義のものは、妻が被相続人との婚姻前から保有していた預貯金、妻固有の収入及び生活費を節約て貯めたヘソクリを原資として形成されたものである、②子名義のものは、両親との同居期間中に子固有の収入から生活費として家計に入れていた金員等を原資として形成されたものである、また、③一部のものについては被相続人から生前に贈与を受けたものである旨主張する。 しかしながら、①本件預貯金等のうち、妻及び子名義の郵便貯金の一部については、「郵便貯金メモ」等により被相続人が管理しており、被相続人がその処分権を有していたと認められること、②本件預貯金のうち①以外の預貯金等についても原資は被相続人が出捐したものであり、その管理も被相続人により行われていたものと認められること、③妻の固有収入は本件預貯金等以外の預金に化体しており、本件預貯金等の原資たり得ないこと、④子が固有収入を生活費として家計に入れていた事実を認めるに足る客観的証拠はないこと、⑤生前に贈与を受けたと請求人らが主張する預貯金等について妻は贈与を受けたことはない旨答述している上、贈与されたと主張する預貯金等の管理運用は被相続人が行っており、贈与の事実は認められないこと等から判断すると本件預貯金等は相続財産であると認めるのが相当であり、請求人らの主張は採用できない。 なお、本件預貯金等のうち妻名義の普通預金1口については、原資が不明である上、口座開設時の印鑑届の筆跡は妻であり相続財産とは認められないから、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平19.10. 4 広裁(諸)平19-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190010
- 裁決年月日
- 平成19年9月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が相続財産であると認定した被相続人の親族の名義の貯金(以下「本件各貯金」という。)は、既に、本件各貯金の証書及び届出印を名義人の一人(以下「名義人A」という。)が、被相続人からの依頼により保管しており、被相続人が、本件各貯金と時期、原資を同じくして預入した貯金を、本件各貯金の名義人の結婚費用に充てたように、本件各貯金は、本件各貯金の名義人のいざという時に自由に使えるものであることから、各名義人が生前に贈与されたものであり、相続財産ではないと主張する。 しかしながら、名義人Aは、被相続人が病気になったため、被相続人の預貯金の通帳、証書、届出印と併せて本件各貯金の証書、届出印の保管を依頼されたのであり、被相続人の預貯金の通帳等と本件各貯金の証書等を名義人Aの家計に係る預貯金の通帳等とは別にして一律に保管していたことからすれば、被相続人から、被相続人の預貯金及び本件各貯金の管理を依頼されたに過ぎず、本件各貯金名義人が本件被相続人から本件各貯金を自由に利用処分する権限を付与されていたと認めることはできないほか、贈与者とされる者の贈与の意思を表示した書面の存在しない本件においては、その財産の帰属は、名義人がだれであるかという形式的事実のみならず、当該財産の原資、管理・運用の状況、贈与者の贈与の意思及び受贈者の贈与を受けた認識から認められる贈与事実の有無等の具体的事実に基づいて判断するのが相当であるところ、本件各貯金の原資は被相続人の財産であり、被相続人の贈与の意思及び各名義人の贈与を受けた認識を明らかにするものはなく、「贈与を受けた事実はない」旨申述している名義人もいることからすれば、本件各貯金についての贈与事実があったとは認められず、本件各貯金は相続財産であると認められる。(平19. 9. 4 名裁(諸)平19-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190010
- 裁決年月日
- 平成19年9月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が相続財産であると認定した被相続人の親族等の名義の株式(以下「本件各株式」という。)は、名義人の一人が、本件各株式のうち、当該名義人及びその家族の名義に係る株式の配当金を自己の配当所得として所得税の申告をしていることから、各名義人が生前に贈与されたものであり、相続財産ではないと主張する。 しかしながら、株式の配当金は、当該配当金に係る所得税を源泉徴収した上で各名義人に対して通知されるものであることから、配当所得の申告をもって、贈与事実を推認することはできず、贈与者とされる者の贈与の意思を表示した書面が存在しない本件においては、その財産の帰属は、名義人がだれであるかという形式的事実のみならず、当該財産の原資、管理・運用の状況、果実の帰属、贈与者の贈与の意思及び受贈者の贈与を受けた認識から認められる贈与事実の有無等の具体的事実に基づいて判断するのが相当であるところ、本件各株式の原資は被相続人の財産であり、その管理は被相続人が行っており、本件各株式の配当金は、被相続人名義の預金口座に振り込まれ、各名義人に分配されたと推認できる事実もないことから、果実は被相続人に帰属していたと認められ、また、被相続人の贈与の意思及び各名義人の贈与を受けた認識を明らかにするものはなく、「贈与を受けた時期は分からない」、「贈与を受けた事実はない」旨申述している名義人もいることからすれば、本件各株式についての贈与事実があったとは認められず、本件各株式は相続財産であると認められる。(平19. 9. 4 名裁(諸)平19-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180096
- 裁決年月日
- 平成19年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件貸付金の実態は、被相続人が甲に対して贈与したもの、又は被相続人が甲から詐取されたものであり、また、②被相続人は生前に債権放棄の意思を有し、甲との間で債権放棄に合意していたから、相続開始日において貸付金は存在しない旨を主張する。 しかしながら、貸付けの方法、被相続人に差し入れられた約束手形等の授受及びそのジャンプの状況、被相続人名義の預金口座の入金状況、甲及び甲が実質的経営者である会社名義の預金口座への入金状況等の事実関係等によれば、被相続人が本件貸付金に相当する金額を甲に贈与したり、甲から詐取された旨の請求人の主張は採用できず、被相続人は甲に対して金銭の貸付けを行ったと認めることが相当である。そして、被相続人が債権放棄の意思表示をしていたとの関係者の答述には疑問があり、他に債権放棄があったと認めるに足る証拠はない。 したがって、被相続人は、相続開始日において貸付金及び利息の債権を有していたものと認められる。(平19. 6.29 大裁(諸)平18-96)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180074
- 裁決年月日
- 平成19年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の申告において相続財産であるとした同族会社の株式(以下「本件株式」といい、本件株式の発行会社を「本件会社」という。)は、平成6年に請求人が被相続人から贈与を受けたものであるから、相続財産には含まれず、そのことは贈与税の期限内申告及び納税を済ませているとの事実により証明されるとして、本件株式の価額を相続税の課税価格から減額することを求めて行った更正の請求に対して原処分庁が行った更正をすべき理由がない旨の通知処分は違法である旨主張する。 しかしながら、贈与税の申告は贈与税額を具体的に確定させる効力は有するものの、それをもって必ずしも申告の前提となる課税要件の充足(贈与事実の存否)までも明らかにするものではなく、贈与事実の存否の判断に当たって、贈与税の申告及び納税の事実は贈与事実を認定する上での一つの証拠とは認められるものの、贈与事実の存否は飽くまでも具体的な事実関係を総合勘案して判断すべきと解するのが相当である。 これを本件についてみると、請求人が平成6年分贈与税の申告書を提出したことは推認されるものの、贈与税の申告事実をもって直ちに贈与事実があったとは認められないことに加え、贈与事実についての直接証拠は請求人の答述のみであることから、本件株式に係る贈与事実の存否については、具体的な事実関係を総合勘案して判断する必要があるところ、被相続人は、①請求人の親権者として、請求人が本件会社の株主としての権利行使ができるよう株式譲渡に係る取締役会の承認を得るための行動をとるのが通常であるところ、そのような行動をとった事実が認められないこと、②平成11年に本件会社の株券が発行された際、当該株券の記名者及びその株式数について十分に知り得る立場にあったにもかかわらず、本件株券の記名者及びその株式数が本件株式の贈与がなかったとした場合のものとなっていることについて異議を申し立てた等の事実は認められないこと、などから本件株式を自己の所有財産として認識した上で行動していたことがうかがわれる。 また、請求人は、①本件会社の株券の発行に際し、記名者及びその株式数が、贈与がなかったものとした場合のものとなっていることを、本件会社の代表取締役として知り得る立場にあったにもかかわらず、異議を申し立てたような事実が認められないこと、②本件株式が相続財産であるとされた遺産分割協議書に押印していることなどの事実からすると、本件株式が請求人に贈与されたとは認め難く、かえって請求人においても、本件株式が被相続人の財産に属するとの認識の下に、行動していたと認められる。 以上の被相続人及び請求人の行動を併せ考えると、本件株式の贈与があったと認めることはできない。したがって、本件株式は、本件相続に係る相続財産となるから、原処分庁がした本件通知処分は適法である。(平19. 6.26 名裁(諸)平18-74)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成19年6月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が相続開始直前に被相続人の定期預金を解約し、その元利金(以下、この解約された元利金を「本件預金解約金」という。)を請求人名義の普通預金(以下「本件普通預金」という。)に入金していたことから、本件預金解約金が被相続人の名義預金である旨主張する。しかしながら、本件普通預金は、請求人の名義であり本件預金解約金以外の請求人固有の資金も預入されて形成されており、かつ、請求人が支配管理している事実が認められることからすると、本件預金解約金を含む本件普通預金を被相続人の名義預金であるとする原処分庁の主張は認められない。 他方、請求人は、本件預金解約金を被相続人の請求人に対する貸付金である旨主張する。しかしながら、貸付金であれば金銭消費貸借契約が成立していなければならないところ、請求人からは金銭消費貸借契約書の提出もなく、当審判所の調査によっても金銭消費貸借契約の成立をうかがわせる証拠は何ら存在していない。したがって、本件預金解約金を請求人が本件普通預金に入金したこと自体をもって、被相続人の請求人に対する貸付金の入金と認定することは相当でないため、請求人の主張も採用できない。 ところで、相続税法第9条の趣旨は、私法上の贈与契約によって財産を取得したものではないが、贈与と同じような実質を有する場合に、贈与者につき贈与の意思がなければ贈与税を課税できないものとするならば、課税の公平を失することとなるので、この不合理を補うために、実質的に対価を支払わないで経済的利益を受けた場合においては、贈与契約の有無にかかわらず、贈与により取得したものとみなし、これを課税財産として贈与税を課税することにあると解されている。 本件の場合、請求人が被相続人の預金を実質管理していたことからすると、被相続人と請求人との間に贈与契約があったといえるまでの証拠はないものの、税理士の相続財産の確認に際しても税理士に本件預金解約金について伝えず本件預金解約金相当額を課税価格に加算していなかったことは、請求人が本件預金解約金を相続開始前において既に自己の支配管理下にあることを前提としたものと認めるのが相当であるため、本件預金解約金は、本件普通預金に入金された日に被相続人から贈与により取得したものとみなすのが相当である。 したがって、本件預金解約金に相当する金額は、相続税法第19条の規定により、相続税の課税価格に加算されるべきものと認めるのが相当である。(平19. 6.25 沖裁(諸)平18-8)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180041
- 裁決年月日
- 平成19年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件保険契約の契約者が請求人らであること、②請求人らは本件保険契約を本件相続の10年以上前から認識していたこと、③請求人らが本件保険契約に係る保険金を一時所得として所得税の申告をしていること、④被相続人が自己の所得税申告において本件保険契約に係る保険料について生命保険料控除の適用をしていないこと等から総合的に判断すると、被相続人は保険料相当額をその都度請求人らに贈与し、その金銭で請求人らが保険料を支払ったものであるから、本件保険金は相続税法第3条に規定する相続財産にならない旨主張する。 しかしながら、請求人らが本件相続開始まで本件保険契約に係る保険料の額等を承知しておらず、その支払いの手続を行ったこともなく、保険料相当額の金員について贈与税の申告を一度も行っていないこと等から判断すると、被相続人から請求人らに対して本件保険料相当額の金員の贈与があったとは認められず、本件保険料は被相続人がそのすべてを負担したものと認められることから、本件保険金は相続税法第3条の規定により相続税の課税財産となる。(平19. 6.12 広裁(諸)平18-41)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180061
- 裁決年月日
- 平成19年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、昭和56年12月10日付の贈与証書(以下「本件贈与証書」という。」)に記載された贈与契約により、請求人Aの自宅敷地である土地甲の持分16分の13は、被相続人から請求人Aへの贈与により、所有権が移転し、同日以前に、既に土地甲の持分16分の3の贈与を受けていたので、土地甲は相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、、①被相続人から請求人Aに対し、昭和54年に持分16分の1、昭和55年に同持分、昭和56年に同持分、昭和61年に持分160分の5の贈与登記が行われており、いずれも原因日の翌日に登記手続が行われていること、②請求人Aは、相続開始日に至るまで本件贈与証書を原因証書とする所有権移転登記をせずに、被相続人が、平成9年に作成した遺言公正証書(以下「本件遺言公正証書」という。」)を原因証書として、土地甲の持分160分の125の所有権移転登記を行っていることなど、請求人Aの行為は、贈与を受けた者の行動として一貫性を欠くというべきであり、また、本件贈与証書は、請求人Aの「被相続人に対し『どうせ、くれるものだったら一筆書いておいてくれよ。』と言って作られたものである」旨の答述、本件遺言公正証書の記載を知った時に、被相続人が本件贈与証書の約束を守ってくれたと思った旨の申述等からすれば、本件贈与証書は、形式的なものと認められる。 そして、本件遺言公正証書の内容は、他の相続人の自宅敷地についても、持分の一部を相続させる旨の記載となっていることに照らせば、被相続人は、本件遺言公正証書作成時において、土地甲の持分160分の125の所有者は、被相続人であることを前提としていたと認められる。 したがって、土地甲の持分160分の125は、相続財産である。(平19. 5.29 名裁(諸)平18-61)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180061
- 裁決年月日
- 平成19年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、昭和48年5月4日付の領収証(以下「本件領収証」という。」)が存在しているとおり、被相続人と請求人Bとの売買契約により、請求人Bの自宅敷地である土地乙及び土地丙は、被相続人から請求人Bへ所有権が移転したので、土地乙及び土地丙は相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、①売買契約書は作成されておらず、②権利書の授受もなく、③売買を原因とする所有権移転登記をしておらず、むしろ、土地乙については、昭和54年昭和63年にかけて、合計5回の持分の贈与登記が行われていること、④被相続人が平成9年に作成した遺言公正証書(以下「本件遺言公正証書」という。)を原因証書として、土地乙の持分11分の7及び土地丙の所有権移転登記を行っていることなど、請求人Bの行為は、売買により所有権を取得した者の行動として一貫性を欠いており、また、請求人Bの答述からすれば、本件領収証に記載された金員は、以前の別の土地の取得に際しての援助の清算というべきものであり、被相続人と請求人Bとの間に売買契約が成立したとは認められない。 そして、本件遺言公正証書の内容は、他の相続人の自宅敷地についても、持分の一部を相続させる旨の記載となっていることに照らせば、被相続人は、本件遺言公正証書作成時において、土地乙の持分11分の7及び土地丙の所有者は、被相続人であることを前提としていたと認められる。 したがって、土地乙の持分11分の7及び土地丙は、相続財産である。(平19. 5.29 名裁(諸)平18-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180254
- 裁決年月日
- 平成19年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Kが本件相続開始日に本件被相続人名義の銀行預金口座から引き出した本件300万円は、Kが所持しているものなので、相続財産ではない旨等主張する。 しかしながら、銀行が預金名義人の死亡を知った場合には、当該名義人の預金は凍結され、当該預金からの払戻しは困難となるところ、高齢者が入院等して容態が悪化等した場合において、一番身近にいる親族が万一のことを考え葬儀費用等当面の費用の支出に備えるため、当該預金から当該費用相当額を払い戻すことは一般的に見られる行動である。Kは、本件300万円について、「本件相続開始日に、本件被相続人の身に万が一のことがあったときのために同人名義の預金口座から引き出した。」旨申述しているが、当該申述は、合理的かつ自然であり、引出時間及び死亡時間の各事実とも矛盾がない。 そうすると、本件相続開始日において、Kが本件300万円を出金し所持していたとしても、Kは本件被相続人に帰属する本件300万円を本件被相続人のために所持していたものであり、本件300万円は本件被相続人の相続財産であると認められる。(平19. 5.28 東裁(諸)平18-254)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180254
- 裁決年月日
- 平成19年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件6,000万円につき、Kが本件被相続人に返還しなければならないものであり、本件被相続人はKに対してその相当額の立替金返還請求権を有しているから相続財産である旨主張する。 しかしながら、本件6,000万円の払戻手続等は、本件被相続人及びKが銀行員立会の下、本件被相続人の承知の上で行われ、①本件6,000万円のうち2,500万円については、振込名義人が本件被相続人であること及びL及びMに対する本件1,439万円の振込名義人が本件被相続人であり、これらは当事者間で贈与と認識されていることからすれば、本件被相続人からKに対する贈与があったと認めるのが相当であり、また、②本件6,000万円のうち3,500万円については、振込名義人がKであること及び当該振込日において、本件被相続人及びK、L、Mの4名の土地売買契約書が作成されていたことからすると、当該金員は本件被相続人の本件自宅に係る出資金相当額であると認めるのが相当であり、同日において当該金員を本件被相続人がKに対し贈与する意思があったとは認められないが、本件6,000万円を原資としてKらが購入した本件自宅の登記に際して、本件被相続人が自らの持分を登記するよう要求した形跡がないこと、又は当該金員の返済をKらに対し要求した事実が見当たらないことからすると、本件自宅の登記に行われたころには本件被相続人からKに対し贈与があったと認めるのが相当である。 また、贈与税を免れるために特に必要もないのに住宅資金の借入れの事実を作り出し、その旨を税務署長への回答書に記載するなど巧妙に贈与の事実を隠そうとしていたKの行為の存在自体が本件6,000万円が贈与であることの裏付となることなどからすると、本件6,000万円は、本件被相続人がKに対して贈与したものであるから、原処分庁の主張する立替金返還請求権は存在せず、本件相続に係る相続財産を構成しない。(平19. 5.28 東裁(諸)平18-254)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180254
- 裁決年月日
- 平成19年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件102,918,026円につき、Kが本件被相続人名義の銀行預金等から勝手に引き出して費消し、本件被相続人に返還しなければならないものであり、本件被相続人はKに対してその相当額の不当利得返還請求権を有しているから、当該債権は相続財産である旨主張する。 しかしながら、本件102,918,026円は、①本件被相続人がKに対し本件預金通帳等を預けた以降の平成11年秋ないし平成13年10月にかけて、本件被相続人の意思能力が欠けていたとは認められないこと、②本件被相続人とKの関係は、その関係がこじれている等の状況は認められないこと、③一般的に、預金貯金通帳、印鑑、キャッシュカードを預けることは、預貯金等を預かるものに対しそれらをいかようにも利用できる状況下に置くことになるが、本件被相続人が本件預金通帳等をKに預けた後、Kに対し、何らその使用状況等を確認しなかったことは不自然であること、④銀行員の答述によれば、本件被相続人はKに一度預けた本件預金通帳等を、再度自己の支配及び管理下における状況にあったことが推認されることなどを総合的に判断すると、本件被相続人は、Kの本件預金引出行為について了知し許諾し、又は当該行為を黙認することにより追認していたものと認めるのが相当である。 そうすると、本件102,918,026円に係る本件預金引出行為及びその金額相当額の費消は、本件被相続人からKへの贈与と認められるから、原処分庁の主張する不当利得返還請求権は存在せず、当該請求権としての相続財産を構成しない。(平19. 5.28 東裁(諸)平18-254)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180015
- 裁決年月日
- 平成19年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人から本件株式を贈与により取得したものであること及び本件株式の贈与が行われた当時、贈与契約の履行の事実がなかった特段の事情が認められないから、本件株式は、相続税法基本通達9−9により名義人である請求人に帰属する財産である旨主張する。 ところで、財産の帰属については、原則として名義人に帰属するものとみるのが相当であるが、実質所有者を名義人とすることに疑義がある場合には、当該財産の取得原資、管理・運用の状況、贈与の事実の有無及び名義人の収入の状況等の具体的事実に基づいて総合的に判断すべきである。 そして、株式等について親族間で書面によらない贈与があったか否かについては、各当事者の意思表示の有無により判断すべきであるが、これが明確でない場合には、株式等の管理・運用の状況、収益の帰属等の事情を総合的に判断して決すべきであると解される。 これを本件についてみると、①本件株式の取得原資は、被相続人の資金から充てられていたものと認められること、②医院及び家庭のお金は請求人がすべて管理していた、並びに被相続人の所得税の申告のための資料の整理は請求人が行い、申告内容等も了知していたとの請求人の申述からは、被相続人から請求人が依頼を受けて財産の管理を行っていたとみるのが自然であること、③配当金受取口座への入金、出金の状況等をみると、同口座から預金が払い出され、被相続人に帰属する財産への振替が行われ、被相続人により費消されていると認められ、本件株式の管理・運用を被相続人が請求人に行わせていたものと認めるのが相当であること、及び④贈与の事実を裏付ける証拠は、請求人の申述だけであり、贈与の事実を認定するに足りる証拠も認められないことから、本件株式は被相続人に帰属し、相続税の課税対象となる財産に該当するものと認めるのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平19. 5.17 仙裁(諸)平18-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180230
- 裁決年月日
- 平成19年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の妻名義の預貯金等について、妻が被相続人から渡された生活費等のうち余剰分を被相続人から贈与により取得し、その余剰分を数十年間にわたり貯蓄してきたものであるから妻に帰属する旨主張する。 しかしながら、①当該預貯金等の原資は被相続人が拠出したものであること、②被相続人は自己の資産の一部を他の者の名義により管理及び運用していたと認められること、③当該預貯金等の一部について、被相続人が管理使用していたと認められる印章と同一の印章を使用していたこと、④被相続人から妻への生活費の余剰金の贈与を認めるに足りる証拠は見当たらないこと等から判断すると、本件預貯金等は被相続人が管理及び運用するものであって、被相続人に帰属する財産であると認められる。 また、請求人は、妻名義の当該預貯金等から出金した金員を次女に貸し付けており、次女及びその夫も被相続人の妻からの借入れと認識しており、また、現在も妻に返済している事実は、当該預貯金等が妻に帰属するとの間接証明となる旨主張する。 しかしながら、妻の貸付けを証する客観的な証拠が見当たらず、また、現在の借入金残高が明らかでないことから、金銭消費貸借契約の存在を認めることはできない。 以上のことから総合判断すると、当該預貯金等の名義は被相続人の妻になっているものの、その原資は被相続人が拠出したものであって、当該預貯金等は被相続人に帰属すると認めるのが相当である。(平19. 4.11 東裁(諸)平18-230)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180020
- 裁決年月日
- 平成19年4月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、連帯保証人の一人である被相続人が他の連帯保証人Aに対して有する本件求償権について本件相続開始日までに債務免除等をしていると認めるに足りる証拠はないので、本件求償権相当額は相続税の課税価格に算入されるべきである旨主張する。 しかしながら、2億円を超える多額の求償債権を有する者であれば、自己の弁済前後の時期において、他の連帯保証人に対し求償権の行使に関する具体的申し出を行うことが合理的行動と考えられ、また、これを行使せずに自己が死亡した場合において、求償債権の相続の問題が生じることを考慮するのが通常であると考えられるところ、被相続人が本件求償権を取得してから死亡するまでの約1年2ケ月もの長期間、Aに対して何ら具体的な言動をとっていなかったという事実は、債務免除が明示・黙示を問わず、債権者の債務者に対する一方的な意思表示によってなされ、書面等による方式は必要でないと解されていることと併せ考えると、被相続人が本件求償権に対応するAの債務を、本件相続開始日までの間に免除していたと合理的に推認させるに十分であるというべきであるとともに、Aは、被相続人による保証債務履行日後、Aの負担すべき債務がなくなったという趣旨の発言を被相続人から聞いている旨答述しており、当該答述は、上記推認を裏付けるものといえる。 したがって、本件求償権は本件相続開始日において被相続人による債務免除により消滅していたと認められることから、原処分庁が本件求償権相当額を相続税の課税価格に算入したのは相当ではない。(平19. 4. 6 金裁(諸)平18-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180201
- 裁決年月日
- 平成19年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人が取引し、本件相続開始日において保管していた割引金融債券(以下「本件債券」という。)及び相続人名義の普通預金に入金されていた割引金融債券の償還金(以下「本件預け金」という。)は、被相続人と請求人が共同して公認会計士業務を行ってきた結果形成された共有の財産であり、それぞれの2分の1は自己の財産であるから相続財産に該当しない旨主張している。 しかしながら、請求人が他の共同相続人と争っていた被相続人の遺産確認訴訟においては、本件債券及び本件預け金のすべてが本件被相続人の遺産であることを確認する旨の和解をしており、請求人自身、本件債券等が本件被相続人に帰属する財産であることを確認している。 無記名債券である割引金融債券については、特段の事情がない限り、当該割引金融債券を占有している者が権利者であると認めるのが相当であるが、占有者以外の者がその取得資金を拠出したなどの特段の事情が認められる場合は、当該割引金融債券の取得原資、管理及び運用の状況並びに権利変動の原因となる事実の有無等を総合的に勘案してその帰属を判断すべきである。本件においては、本件被相続人が、割引金融債券の取引を開始した時期やその取得原資の拠出状況は明らかではないが、請求人が取得原資を拠出したという事実は見当たらないことから、本件債券の取得原資はすべて本件被相続人が拠出したものと認められる。一方、本件被相続人が、本件相続開始日まですべての割引金融債券を自己のものとして運用し、支配管理していたものと認められるので、本件債券は、そのすべてが本件被相続人に帰属する財産であり、また、本件被相続人が支配管理していた割引金融債券の償還金を原資とする本件預け金についても、そのすべてが本件被相続人からの預り金であると判断するのが相当である。(平19. 3. 8 東裁(諸)平18-201)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180046
- 裁決年月日
- 平成19年3月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の申告をした預貯金等(以下「請求人申告預貯金等」という。)以外に相続財産とすべき預貯金等はなく、請求人申告預貯金等の額は、被相続人が亡夫の相続時点に有していた預貯金の額にその後の財産の処分の額を加算し、被相続人が支出したことが判明している金額を減算して算定した(以下、この算定方法を「請求人主張算定方法」という。)ものである旨主張する。 しかしながら、請求人主張算定方法には何らの合理性を見出すことはできないのであり、こうした方法によって請求人申告預貯金等以外に相続財産とすべき預貯金等はないと判断することはできないといわなければならず、請求人主張算定方法により算定された請求人申告預貯金等の額は、相続財産を適正に算定しているとは認められない。 また、原処分庁が主張する相続財産を構成する預貯金等(以下「原処分庁主張預貯金等」という。)は、被相続人名義の貸金庫に保管されていた預貯金等のすべてであるが、審判所において、預貯金に係る印章の保管状況などから相続財産を構成する預貯金等を検討したところ、原処分庁主張預貯金等の一部である請求人名義などの預貯金は、請求人に帰属する預貯金であると認められるので、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平19. 3. 5 名裁(諸)平18-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180119
- 裁決年月日
- 平成18年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・517ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人の借地権が存する土地の所有権をF(請求人)が取得したことに伴い、借地権者の地位に変更がない旨の申出書(本件申出書)を提出した土地(分筆前土地)について、被相続人がその土地上に所有していた建物A及びBを老朽化のため取り壊した後の土地は、Fが自由に使用収益してよいとする合意の下で、当該建物が取り壊されたことに伴い、本件借地権が被相続人からFに無償で返還されたものであるから、本件借地権は存在しない旨等主張する。 しかしながら、本件借地権が返還されたとする請求人らの主張は、Fが被相続人から建物取壊し後の土地を自由に使用するよう言われたことに基づくもののみであって、具体的に明らかでなく、上記発言の内容からは、被相続人が本件土地の使用権利者(借地権者)であることを前提として、Fに本件借地権を自由に利用してよいとも解されるから、被相続人はFに本件借地権を使用貸借により転貸する趣旨で発言したとも認めることができる。 また、本件申出書を提出していることから、その当時、被相続人及びFは、分筆前土地に係る借地権を移転する意思はなかったものと認められる上、建物が朽廃していない本件において、借地上の建物を親族間で所有名義を変えて建て替えた場合には、従前の借地権を維持するならばこの借地権を使用貸借により転貸したとみるのが一般的であるし、転貸が使用貸借である場合には、使用貸借通達2によって贈与税の課税も生じないのであるから、このように被相続人がFに本件借地権を使用貸借により転貸する行為は、親族である貸借当事者間での合理的な行為といえる。 さらに、被相続人及びFは、分筆前土地上の建物Dを平成12年に取壊し後の土地の一部を譲渡したことによる譲渡所得の申告において、被相続人に借地権が存在していたとしている。 そうすると、被相続人が、Fに対して本件借地権を返還するという意思があったとは認められず、また、本件借地権が返還されずに存在していたことを推認させる事実はあるが、本件借地権を返還したとみるべき事実は見当たらない。 そして、被相続人及びFは、連署で本件申出書を提出しているから、貸借当事者間で借地権が土地所有者に返還されたなどその借地権が存在しないとの主張が認められるのは、贈与税の申告又は借地権の消滅の対価を土地所有者が借地権者に支払った事実が存するなど、当該借地権が存在しないことを外形上明確に示す特段の行為の存在が立証されることが必要であると解すべきであるところ、Fは建物A及びBの取壊し又は建物Cの建築を理由とした贈与税の申告をしておらず、その他本件借地権が存在しないことを外形上明確に示す特段の行為の存在を認定できる証拠もない。 以上のことからすると、本件相続開始日において、被相続人に係る相続財産として本件借地権が存在していたと認めるのが相当である。(平18.12.22 東裁(諸)平18-119)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180014
- 裁決年月日
- 平成18年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件定期預金(被相続人の家族名義)はその限度において外国人女性に送金するよう被相続人から口頭で指示を受けていたので相続財産から除外されるべきである旨主張する。しかしながら、本件定期預金は、その名義は被相続人と異なるものの被相続人の相続財産に該当し、請求人が相続により取得した財産であると認められる。そして、請求人が外国人女性に対し送金している事実はあるが、請求人の主張は、①本件定期預金は誰に帰属するものと主張するのか、②被相続人の相続財産だが相続税法第13条に規定する債務控除に該当するとの主張なのか必ずしも明らかでないばかりでなく、請求人からは、被相続人から指示を受けて事務を処理したことに関する事実を裏付ける証拠書類の提出や、請求人が指示に基づいて事務処理を履行したといった事実関係を示す詳細な主張等がされておらず、さらに、被相続人と外国人女性の関係が証拠上明らかでないにもかかわらず、請求人にとって相続財産を減少させてまで外国人女性に送金すべき理由が明らかでないことなどから、この点に関する請求人の主張を採用することはできない。(平18.12. 4 金裁(諸)平18-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180036
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・495ページ
要旨
○ 請求人らは、有料老人ホームに夫婦で入居していた被相続人が相続時点で有していた権利は、①有料老人ホームの施設を終身利用できる権利であって、入居一時金、追加入居一時金及び健康管理費(以下「入居一時金等」という。)の返還請求権ではないこと、②当該返還請求権は、終身利用権が消滅して初めて発生するものであるから、終身利用権に返還請求権が内包しているとは解されないこと、③終身利用権は、民法上の一身専属権であることなどから、被相続人が有料老人ホーム入居時に支払った入居一時金等に関する返還金及び返還見込額は、相続税法第2条に規定する本来の相続財産に該当しない旨主張する。 しかしながら、有料老人ホーム入居契約(以下「本件契約」という)の内容等によれば、被相続人及びその妻(以下「被相続人ら」という。)は、契約締結日時点において、今後、契約に定める有料老人ホームの居室等を終身にわたって利用し、各種サービスを享受する権利とともに、被相続人らの死亡又は解約権の行使を停止条件とする金銭債権を有していると認められ、当該金銭債権は、金銭に見積もることができる経済的価値のある権利であり、身分法上の権利とも性質を異にするから、一身専属的権利ということはできない。 そして、被相続人が死亡したことにより、本件契約に基づき生じる入居一時金等に関する金銭債権の一部は、被相続人に係る相続財産であり、被相続人の妻は、被相続人が死亡したことにより、死亡時点で当該金員を本件契約の内容等により取得したと認めるのが相当であるから、請求人らの主張は採用できない。(平18.11.29 大裁(諸)平18-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180076
- 裁決年月日
- 平成18年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が請求人に対し「自宅のことはすべてお前に任せる」と述べ、請求人はそれに応じて本件新建物の建築資金及び支払地代のすべてを負担することを約し、本件借地に関する権利行使の一切の事項を自己の判断と責任において取り仕切っているから、平成3年に本件旧建物が取壊された時又は平成4年に本件新建物を建築し請求人単独所有として登記した時に本件被相続人の借地権の持分は請求人に贈与された旨主張する。 しかしながら、①親族間で借地上の建物をその所有名義を変えて建替えた場合の借地権は、一般的に借地権の使用貸借又は賃貸借による転貸若しくは贈与あるいは借地権の準共有者全員の同意によって準共有者の一人が借地権を占有して使用する場合があり、被相続人の上記発言をもって同人に贈与の意思があったとは認定できないこと、②被相続人が本件賃貸借契約に係る書面を公正証書により作成していることからすると、被相続人が契約書の記載を重要なものと認識していたことが窺われるが、建物の建替え後、被相続人及び請求人のいずれも本件賃貸借契約を変更する行動をしていない上、その変更しなかった合理的な理由も見出せないこと、③贈与税は、他の税に比して高額な税負担となるから、一般的には贈与とならない方法があればそれを選択することが自然であり合理的な行為と認められるところ、本件においても被相続人は、請求人に高額な建築資金(約3億円)を負担させる状況となっているから、それに加えて高額な税負担を強いる贈与を行う意思があったとすることは一般的でなく、自然で合理的な行為とはいえない。 以上のことから、被相続人及び請求人の間では、本件新建物の建築前後において、本件借地権の贈与があったと認めることはできない。(平18.11. 6 東裁(諸)平18-76)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180014
- 裁決年月日
- 平成18年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の売買契約は、買主である同族法人が銀行からの融資を受けられなかったころ実質的に解除されているから、相続財産は当該契約に係る残代金請求権ではなく本件土地そのものであり、被相続人が受領した手付金等は債務に当たる旨主張する。 しかしながら、当該契約は具体的に解除の手続が何らとられておらず、同族法人が残代金の資金繰りに窮していなかったこと、手付金の返還が請求人が主張する解約時期の8年後(相続後)に行われたことなどからすると、当該契約は被相続人の死亡時までに合意解除されたとは認められず、したがって、残代金請求権を課税財産とした原処分は相当である。(平18.10.27 広裁(諸)平18-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180040
- 裁決年月日
- 平成18年8月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、Aとの遺留分減殺請求による遺産分割調停において、Aが、A名義である社債、証券投資信託及び預貯金等(以下「本件名義財産」という。)のうちA名義の貯金(以下「A名義貯金」という。)以外の本件名義財産(以下「A名義預金等」という。)については、被相続人から贈与されたものであると主張していたことから、当該調停の経緯及び成立を根拠として、本件名義財産は、被相続人の相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、A名義預金等は、被相続人の資金を基に蓄積されたものであり、A自身が被相続人から贈与を受けていないと認められる答述及び申述をしており、当審判所の調査によっても贈与があったとする客観的な事実は見出せないから、A名義預金等は、被相続人から贈与を受けたものではないと認められる。したがって、請求人らのA名義預金等についてAが被相続人から贈与されたものであるとの主張には理由がない。 次に、A名義貯金は、当審判所の調査によれば、A名義貯金に係る口座にはAを受取人とする郵便年金のみ入金されていることから、Aの固有財産であるものと認められる。したがって、請求人らのA名義貯金についてはAの固有財産であるとの主張には理由がある。 以上により、請求人らの納付すべき税額を計算すると、原処分額を下回ることから、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平18. 8.14 東裁(諸)平18-40)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180009
- 裁決年月日
- 平成18年7月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、A市所在の土地については、確定日付のある贈与証書(以下「本件贈与証書」という。)の存在等を根拠として、相続開始前に父(以下「被相続人」という。)から贈与を受けていたものであり、B株式等についても同様に被相続人から贈与を受けていたものであるから、被相続人に帰属する相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、A市所在の土地については、被相続人に係る相続開始日前に、本件贈与証書の内容に沿った所有権移転登記が行われた事実がなく、請求人らが、A市所在の土地を所有者として管理・運用していた事実も認められず、請求人らの贈与税の申告事実もないこと及び本件贈与証書は、相続税及び贈与税の課税を回避する目的で作成されたものと認めるのが相当であることから、本件贈与証書の存在等をもって、A市所在の土地が請求人らに贈与されていたものであると認めることはできない。 また、B株式等については、株主届出印等の状況から、被相続人がB株式等の被相続人名義から同人の親族名義への名義変更手続を行ったものと認められ、被相続人が、B株式等の配当金を、当該名義変更手続後においても死亡するまで受領していたことなどから、被相続人が管理・運用していた財産であると認められる。 したがって、請求人らの主張には理由がなく、A市所在の土地及びB株式等が被相続人に帰属する相続財産であるとして行った原処分は、いずれも適法である。(平18. 7.14 東裁(諸)平18-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成18年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・534ページ
要旨
○ 河川法第24条の規定に基づく河川区域内の土地の占用権は、特定人に対し、当該土地の本来の用法を超えて特別の継続的な使用関係を設定するものであり、当該権利は、河川管理者との関係では公法上の債権の性格を持ち、また、その権利の実質から見ると当該許可を受けた者の私的な経済的利益を満たすものであり、河川管理者の承認があれば移転性も認められ、私法上の財産権としての性質を有するので、相続税法上の財産にも該当すると認められる。 請求人は、河川法第24条に基づく占用権は、被相続人が、A社の設立時に占用権を含め、造船業に必要な資産・負債を同社に引き継いだもので、当該許可の更新が形式的に被相続人名義で行われていたにすぎないから、同社に帰属する旨主張する。 しかしながら、本件占用権は、①その許可名義は被相続人であること、②請求人が遺産分割協議書を添付した上で地位承継届を提出し、治水事務所長も同届出書を受理した旨を請求人に通知していること及び③治水事務所長の承認を受けずにした譲渡は無効であるところ、本件占用権等の譲渡の承認がされていないことからすると、相続開始時点において、本件占用権は被相続人に帰属していた財産と認められる。(平18. 7.11 大裁(諸)平18-10)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180002
- 裁決年月日
- 平成18年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人が所有していた株式は、売買契約書、覚書及び売買予約契約書に基づき、被相続人からAに移転しているから、相続財産に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人らの主張に沿うかのように思われる事実の多くは、売買契約の締結、売買代金の収受等、相続税を不当に免れるための見せかけと覚書及び売買予約契約による譲渡制限等、見せかけによる一方の危険を負担させるための行為と目される。そうすると、売買契約は、相続の開始前に、被相続人とAの間の売買の形式を借りて、被相続人が所有していた株式の所有権をAに移転したかのように作出したものであり、被相続人、相続人でB社の代表取締役でもあるC及びB社の部長で相続税の申告書の作成に関与した税理士でもあるAの三者が通謀して行ったものと解さざるを得ず、このことは、民法第94条第1項に規定する通謀虚偽表示に該当することから、売買契約は無効となる。したがって、被相続人が所有していた株式は、相続財産に該当すると認めるのが相当である。(平18. 7. 7 高裁(諸)平18-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180003
- 裁決年月日
- 平成18年7月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産であるとした割引債券(以下「本件割引債券」という。)は、請求人の給与を管理していた母親が請求人のために購入したものであるから、請求人の固有の財産であると主張する。そして、請求人の給与の額を証する証拠として、社会保険事務所が発行した被保険者記録照会回答票などを提出する。しかしながら、本件割引債券の発行銀行の顧客情報を記載したカードには、取引先の名義を被相続人と記載されているが、請求人に関する記載はない。また、取引状況を記録したトレース表にも被相続人の氏名が顧客氏名として記載されている。そして、被保険者記録照会回答票の記載内容は、請求人が勤務していた法人が作成した所得税源泉徴収簿及び給与台帳による金額と大きく相違しており、請求人の給与額を証明するものとは認められない。さらに、請求人は、請求人の給与を母親が管理していたことを証明する証拠を提出しない。これらのことを総合勘案すると、本件割引債券が請求人の固有の財産であるとする請求人の主張は採用できない。したがって、本件割引債券は、被相続人の相続財産であると認めるのが相当である。(平18. 7. 4 大裁(諸)平18-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170194
- 裁決年月日
- 平成18年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人は本件入院日以降、認知症の状態であったと認められること及び被相続人が認知症の状態になる前において、自己の預貯金の引出しについて、請求人に対して包括的に委任していたことを示す事実はないことからすると、請求人による被相続人の預貯金の引出行為は、ただ勝手に請求人が被相続人の預貯金口座から預貯金を引き出していたものと認められる旨主張する。 しかしながら、平成6年1月から本件入院日までの間、被相続人の預金口座等から引き出された現金については、すべて請求人が被相続人の自宅で受領していること及び当該現金の受領に被相続人の同席があったことも認められることからすると、請求人は、被相続人が認知症の状態にない平成6年の初めころには、既に預貯金の引出しについて被相続人の委任を受けていたと認められる。 したがって、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。 次に、原処分庁は、本件入院期間中に、請求人が引き出し、費消した被相続人の預貯金については、上記と同様の理由により、請求人が自己のために、法律上の原因なくして被相続人の財産により利益を受け、そのために被相続人の財産に損失を及ぼしたものであるから、被相続人は、請求人に対して本件金員についての不当利得返還請求権を有する旨主張する。 しかしながら、本件医療費並びに被相続人が承知していた範囲での請求人の生活費及び親戚等との交際費に費消していた部分については、請求人は何ら利益を得ていないから、これらの部分関しては、不当利得返還請求権として被相続人の相続財産を構成する部分はないので、この点に関する原処分庁の主張は採用できない。 ところで、請求人は、被相続人が認知症により入院していた約6年間にわたり、被相続人の預貯金から、請求人の親族8名に対して毎年1回、年始にお年玉と称して贈与等したものと認められるが、本件各行為は、請求人が主張するように、被相続人が同人に意思能力があった本件入院日前に請求人に対して黙示の委任を与えていたとは認められないこと及び請求人が被相続人の代理人として行っていたとする客観的な事実も認められないことからすると、本件各行為は、請求人の意思に基づく、請求人自身のための支出であったと認められ、本件金額は法律上の原因もなく請求人が被相続人の財産により利益を受け、そのために被相続人の財産に損失を及ぼしたものと認められる。 したがって、この点について被相続人は、請求人に対して不当利得返還請求権を有していたことになり、これらの金額は、不当利得返還請求権として被相続人の相続財産を構成する。(平18. 6.15 東裁(諸)平17-194) (平18. 6.15 東裁(諸)平17-194)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170053
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始前に被相続人ほか3名名義の預貯金口座から引き出された本件現金は、被相続人が管理していたもので、被相続人は身体的には不自由ではあったが、意思の疎通や外出のできる状態にあったため、被相続人が費消することは可能であったほか、原処分庁は、本件現金の存在を立証していないから、相続財産に加算すべきでないと主張する。 しかしながら、①被相続人は、身体的に不自由で、日常生活において全介助が必要であったほか、②請求人は、昭和25年ころから被相続人と同居し、同人及び相続人らと信頼関係があった状況の下、被相続人の入院以降、常時介護し、預貯金通帳、印鑑及びキャッシュカード等を預かって預貯金口座の解約及び引き出しを行い、引き出した現金も実質的に管理していたと認められ、さらに、③被相続人の入院中の身体状況等から、請求人が知ることなく本件現金の費消はできない状況にあったにもかかわらず、請求人は、本件現金について、費消されたと証明するに足る証拠を提出せず、当審判所の調査によっても、被相続人が、本件相続開始日までに本件現金を資産の取得その他の費消に充てた事実も認められないから、本件現金は、相続財産を構成し、請求人が取得したものと認めるのが相当である。(平18. 5. 8 大裁(諸)平17-53)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170045
- 裁決年月日
- 平成18年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・29ページ
要旨
○ 請求人は、相続財産として課税されるべきものは納税義務者が受領した資産であり、受領できるかどうか不確実な資産を確実に受領できるようにするために要した本件弁護士費用は、本件各生命保険金の額の評価において、必要経費として控除されるべきである旨主張する。しかしながら、相続税の課税対象となる保険金は、「取得した保険金のうち被相続人が負担した保険料の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分」であり(相続税法第3条第1項第1号)、保険金の支払を受けるための諸経費を控除した額を取得した保険金の価額とする旨の法令等の規定もないから、相続税の課税対象となる生命保険金の額の評価において保険金の支払を受けるための諸経費を考慮する余地はなく、本件各生命保険金の額の評価においても本件弁護士費用は控除されない。(平18.2.27関裁(諸)平17-45)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170045
- 裁決年月日
- 平成18年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・29ページ
要旨
○ 請求人は、生命保険会社に対する保険金請求訴訟が係属中の本件保険金請求権は、その存在が確実とはいえないから、判決確定前は課税価格の対象とならない旨主張する。しかしながら、生命保険金は、本来保険金受取人固有の財産であるが、被相続人の財産たる相続財産と経済的実質において同視すべきものであるので、租税負担の公平を図るため、相続税法は、これを相続又は遺贈による財産取得とみなすこととしたものであり、相続税法第3条第1項第1号の「保険金を取得した場合」とは、相続又は遺贈により取得した財産とその経済的実質において同価値とみられる状態となった場合をいうものと解するが、相続又は遺贈による相続財産の取得は、被相続人の死亡によりその相続財産に係る経済的利益が相続人又は受贈者に発生することをその内実とするから、保険金について、相続又は遺贈により相続財産を取得したのとその経済的実質において同視できる状態とは、保険金の経済的利益が保険金受取人に発生することをいうと解するのが相当であるところ、生命保険契約においては、生命保険契約により一義的に定められた保険金受取人が、同様に定められた被保険者の保険事故の発生を条件に、同様に定められた保険金額の請求権を取得するものであるから、その支払義務の有無について訴訟継続中であっても、保険事故の発生により、保険金請求権は、経済的利益として確定したものとみることができ、そうすると、相続税法第3条第1項第1号の「保険金を取得した」時期とは、保険金受取人が保険金請求権を取得した、保険事故(被相続人の死亡)の発生時と解するのが相当であり、請求人の主張は採用できない。(平18.2.27関裁(諸)平17-45)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成18年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義であった株式で被相続人が生前に名義書換えをした株式について、当該株式の名義の書換えが行われるまでは、請求人がこれを所有し、配当金を受領していたから、当該株式は請求人固有の財産であり、本件相続に係る相続財産ではない旨主張する。しかしながら、被相続人は、当該株式の引渡しを求めて請求人が提起した訴訟の控訴審口頭弁論終結時に当該株券を占有していたことが認められるから、商法第205条第2項の規定により、被相続人が当該株式の株券についての適法な所持人であるとの推定を受けるところ、被相続人による当該株券の占有開始及びその後の経緯からすれば、当該推定を覆すことはできない。そして、当審判所の調査によっても、当該株式が請求人に帰属すること、又は上記口頭弁論終結時以後、本件相続の開始の時までに、請求人が当該株式を取得したことを認めるに足りる証拠もない。したがって、当該株式は被相続人に帰属し、相続財産に当たると認めるのが相当である。(平18.2.22大裁(諸)平17-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170039
- 裁決年月日
- 平成18年1月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が相続財産であると認定した請求人らの名義の本件預貯金等は請求人それぞれの収入から形成された請求人ら固有のものである旨主張し、原処分庁は、本件預貯金等の全部又は一部が被相続人の預貯金を原資としていることから本件預貯金等は全て相続財産である旨主張する。ところで、預貯金等の所有者はその名義人であるのが通常であるが、その名義によって帰属を判断できない場合には、預貯金等の名義のみならず、その預貯金等の管理・運用の状況、その原資となった金員の出捐者、贈与の事実の有無等を総合勘案してその帰属を判断するのが相当である。そして、預貯金等の原資が現金であることにかんがみると、預貯金等の原資となった金員の出捐者が重要な要素となり、その出捐者の判断は、その預貯金等の設定当時における、名義人及び出捐者たり得る者の収入並びに資産の取得及び保有状況等を総合的に考慮するのが相当である。そうすると、本件預貯金等のうち、審判所が被相続人の妻固有の財産であると認定した妻の収入及び同人の資産を原資とする部分は、被相続人の相続財産とは認められない。(平18.1.27関裁(諸)平17-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170084
- 裁決年月日
- 平成17年12月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が同人の同族法人の株式(以下「本件株式」という。)を譲渡した行為は、被相続人に係る相続税を免れるために形式的に行われたものであり有効なものとは認められないことから、本件株式は、本件相続開始日において被相続人の財産であり、本件相続税の課税財産になる旨主張する。しかしながら、本件株式の譲渡については、①確定日付のある売買契約書等が存在し、同売買契約書の確定日付の日と同日に本件譲渡の代金決済が行われていること、②被相続人と譲受人との間には、本件譲渡に係る意思の合意があったものと認められること、さらに、③本件株式の譲渡の無効確認請求事件に係る判決において、本件株式の譲渡は被相続人の意思に基づくものと認められる旨判示されていることなどからすれば、本件株式の譲渡は有効になされたものと認められる。したがって、本件株式は、本件相続開始日において被相続人の財産であるとは認められないから、本件株式を本件相続税の課税財産として行われた原処分は、その全部を取り消すべきである。(平17.12.20東裁(諸)平17-84)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/2退職手当金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、業務上の死亡の判定に当たり、①本件被相続人(経営者)の死亡を労災の認定基準に当てはめることは誤りであり、業務上の死亡は社会通念に従って判定すべきであること、②本件被相続人の自殺は、相続税法基本通達3−22の業務上の死亡に該当し、本件弔慰金は相続税法第3条第1項第2号の退職手当金等に該当しない旨主張する。しかしながら、業務上の死亡の判定を、業務遂行性及び業務起因性といった労働法の判定基準に準拠することは合理的と認められ、役員についても「業務上の死亡」かどうかは同様に判定すべきところ、労働法における自殺の取扱いでは、自殺は原則故意の死亡とされ、業務上の理由による発病がなければ業務起因性がないものとされている。これを本件についてみると、本件被相続人が業務上の理由により、発病していたという事実は確認することができないから、本件被相続人の自殺は、業務上の死亡とは認められない。(平17.9.12福裁(諸)平17-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160021
- 裁決年月日
- 平成17年6月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・217ページ
要旨
○ 請求人は、更正処分の公定力を前提とする限り、請求人が所得税還付請求権を「相続により取得した」ものではなく、課税処分取消訴訟の判決が確定した時に初めて所得税還付請求権が確定したものであり、そのときに所得税還付請求権を請求人自らの財産権として取得したものであるから、その権利が発生していない相続開始日に存在していたとして、還付請求権が相続財産を構成することはあり得ない旨主張する。しかしながら、被相続人は、課税処分取消訴訟を提起し、その訴訟を通じて過納金の還付を受けるべき旨を主張していたと認められるところ、訴訟継続中に被相続人が死亡したため、相続人である請求人が被相続人から相続により訴訟上の地位を承継したものであり、この場合の訴訟上の地位とは、一身専属的なものではなく、財産的性格をもつもの、すなわち、過納金の還付を求める権利であると解されるから、過納金の還付を求める権利は、請求人が被相続人から相続により取得した財産であるということができる。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平17.6.20熊裁(所・諸)平16-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160094
- 裁決年月日
- 平成17年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件各土地の価額は、価額の著しい下落及び変電所の立地等の評価通達等による評価が不合理と認められる特別の事情があるから、不動産鑑定士の鑑定評価額であると主張する。路線価は、毎年1月1日を評価時点として、売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、地価事情精通者の意見価格等を参酌し、かつ、隣接地域間における均衡をも考慮して評定し、さらに、公示価格の8割程度の水準を目途として設定されていることから、路線価方式による土地の評価額には、一応の合理性があると認められ、時価を上回る場合のみ例外的に路線価によることが違法となると解される。当審判所が調査した結果、本件の各土地の価額について、相続開始日までに20%を超える下落があった事実は認められず、また、変電所の立地等は評価通達等による評価が不合理と認められる特別の事情に該当しない。(平17.6.8大裁(諸)平16-94)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人死亡前日に被相続人名義から長男名義に預け替えられた定期預金は、被相続人から生前に長男へ贈与したものであり、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、被相続人は死亡数週間前から危篤状態であり、当該定期預金を生前に被相続人が長男に対し贈与したとの具体的な証拠はなく、死亡前日に贈与する旨の意思表示をしたとは通常考えられないことから、名義変更は被相続人の意思に基づくものではなかったと推認できるので、当該定期預金は被相続人の相続財産であるとするのが相当である。(平17.5.17大裁(諸)平16-84)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が被相続人の相続財産としたA法人に対する貸付金は、A法人に対する査察調査において法人に帰属するとされた現金等の不正資金を原資とするものであるから、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、査察調査において把握された不正資金は、被相続人及び親族名義の架空借入金としてA法人に資金導入されているが、その修正申告仕訳処理をするに当たり、被相続人名義の借入金勘定から親族名義の架空借入金に相当する価額をも誤って過大に減算(消却)していると認められることから、本件相続開始時における被相続人名義の借入金勘定の残高は、帳簿上零円となっているが、少なくとも、誤って経理処理された親族名義の架空借入金の減算(消却)額に見合う金額は残額があると判断するのが相当であるので、請求人らの主張には理由がない。(平17.5.17大裁(諸)平16-84)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160216
- 裁決年月日
- 平成17年3月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が管理運用していたことなどを理由に、被相続人の親族名義の本件預貯金は被相続人の相続財産であると判断しているが、当審判所で本件預貯金の原資について調査したところ、被相続人が残した備忘録(手帳、大学ノート)に記載された内容及びその信用性並びに請求人の保有する預貯金通帳等の入出金状況等から判断して、本件預貯金の一部については請求人固有の財産と認められることから、原処分の一部を取り消すべきである。(平17.3.22東裁(諸)平16-216)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平160028
- 裁決年月日
- 平成17年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、形式的には被相続人の財産となっているものの、先々代当時から第三者に占有されており、相続開始日には事実上の所有権はなく、相続財産には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件土地について本件遺産分割協議書に基づいて本件相続登記を行い登記済権利証を保管しており、また、固定資産税についても被相続人が納付しており、請求人らが主張するとおり、本件土地が長期間にわたって第三者に占有されていたとしても、そのことをもって、本件土地の所有権が第三者に移転していたと認めることはできない。また、本件相続開始日前に第三者から時効の援用があったとする事実は認められない。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平17.3.8仙裁(諸)平16-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160059
- 裁決年月日
- 平成17年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人Yが亡父Xから相続により取得していた本件建物(工場等)の敷地である本件土地の賃借権は、土地の実際の使用者で賃借料を実質的に負担してきた法人Aに帰属する、仮にAに帰属しない場合には、地主との間で賃借人であることを確認し、賃借料の支払及び不動産所得の申告を行ってきたYの長男Zに帰属する旨主張する。しかしながら、本件土地の賃借権は、建物所有を目的とするものであり、本件建物の所有者Yが、借地借家法第5条の規定により、土地の賃借人の地位を引き継いでいると認められることから、本件借地権がYに帰属するとした原処分は適法である。(平17.3.4大裁(諸)平16-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160101
- 裁決年月日
- 平成16年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・144ページ
要旨
○ 請求人らは、①金融機関が本件債務者に対する貸付債権と被相続人の本件定期預金とを相殺したことにより、本件定期預金は相続開始日に遡及して消滅したので相続財産にならない、②当該預金が相続開始日に存在したとしても、その価額は本件保証債務の額を控除した零円とすべきである旨主張する。しかしながら、①民法第506条第2項により、本件相殺の効力は本件債務の返済期日に遡ることから、本件定期預金は本件相続開始日には存在していることは明らかであり、②本件債務者は、相続開始日においても営業を継続し、平成12年9月期末及び平成13年9月期末において債務超過の状態とは認められないことから、相続開始日において、本件債務の弁済が不能の状態であったとは認められないので、本件定期預金の価額から本件保証債務の額を控除すべき事由はなく、また、本件保証債務を相続税第13条第1項に規定する債務控除の対象とすべき事由もない。(平16.11.19東裁(諸)平16-101)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160019
- 裁決年月日
- 平成16年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400304000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/4家屋、構築物
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物について①本件建物が建っている本件土地は、一般定期借地権契約に基づきA社に貸し付けていること、②本件建物のうちの借家人及び借地人はA社が預かり保証金の一部で立ち退かせることとなっていること及び③本件建物等に係る賃貸料が一般定期借地権契約における賃貸料から差引き相殺されていることから、所有権は実質A社に移っており、相続財産には当たらない旨主張する。しかしながら、本件建物は、相続開始時における登記簿上の所有者は被相続人であること、被相続人は本件一般定期借地権契約後も本件建物に係る家賃を不動産収入として申告していたことなどの事実に照らすと、相続開始時における所有権は被相続人に帰属していることは明らかである。よって本件建物は相続財産であると認められることから請求人の主張は採用できない。(平16.10.19大裁(諸)平16-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150303ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の各郵便貯金について、被相続人夫婦が協力して形成した共有財産であったところ、本件相続開始日の数年前に被相続人の妻が被相続人から贈与により取得したものであり、相続税の課税対象とされる財産とはならない旨主張する。しかしながら、民法第762条は、夫婦の財産関係についてはいわゆる別産性を採っているものと解されており、婚姻中に相互の協力、寄与によって得た資産であっても、いずれか一方の名義になっている場合には、その取得資金の拠出等の事実に基づき、他方の特有財産であることが明らかであるとき若しくは夫婦の共有財産であることが明らかであるときなど、当該名義が単なる名義借りであることが明らかである場合を除き、その名義人を当該所有者とするのが相当である。これを本件についてみると、①当該各郵便貯金は、預入当初から被相続人名義であること、②被相続人の妻が当該各郵便貯金の贈与を受けたとする証拠資料の提示がないこと、並びに③当該各郵便貯金の資金の拠出等が不明であるところ、請求人が数年前に被相続人から贈与により取得し、これを同人固有の財産として管理していたとする事実が明らかでないことからすれば、当該各郵便貯金は、その名義人である被相続人に帰属する財産と認めるのが相当である。(平16.5.24東裁(諸)平15-303)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150304ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306990
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過去に被相続人から有価証券及び預貯金等(以下「本件有価証券等」という。)を贈与により取得したという認識をもっているから、本件有価証券等は請求人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、①遺産分割協議書には、不動産及び本件有価証券等が記載されているところ、共同相続人が各自署名し実印が押されていること、②共同相続人は、当該遺産分割協議書に基づき相続税の申告書を作成し提出しており、また、請求人は、当該申告書において、相続税法第19条の2に規定する配偶者に対する相続税額の軽減を適用していること、③不動産及び本件有価証券等は、当該遺産分割協議書の分割内容のとおり各相続人に所有権移転登記、名義変更、入庫又は入金されていることからすると、請求人を含め共同相続人は、当該遺産分割協議書に記載した不動産及び本件有価証券等が被相続人に帰属する財産であると認識し、これらの財産を各相続人に分割することに合意の上、当該遺産分割協議書を作成したのであると認めるのが相当であるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.5.24東裁(諸)平15-304)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150270
- 裁決年月日
- 平成16年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人名義以外の名義の上場株式、貸付信託等及び預貯金等(以下「本件被相続人名義以外の財産」という。)は、被相続人から各名義人に生前贈与されたものであるから、各名義人の固有の財産である旨主張する。しかしながら、①上場株式、貸付信託等及び預貯金等の登録住所は、いずれも被相続人が居住していた住所地であり、また、その登録印鑑の印影は、上場株式の銘柄又は同姓ごとに同一であり、貸付信託等及び預貯金等の取扱支店又は同姓ごとに同一であるなど、被相続人名義の財産と被相続人名義以外の名義の財産とに区別して管理されていないこと、②請求人らは、第一回親族会議の前に、被相続人が管理していた被相続人名義の財産及び本件被相続人名義以外の財産のほとんどを確認していること、並びに③共同相続人名義の各財産が、被相続人から贈与されたものであるとする証拠資料の存在が認められないことからすると、本件被相続人名義以外の財産は、被相続人から各名義人に対し贈与されたものとは認められず、財産は、被相続人の固有の財産であると認めるのが相当である。(平16.4.21東裁(諸)平15-270)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150063
- 裁決年月日
- 平成16年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が経営する法人に対する被相続人名義の本件貸付金は、請求人が売却した土地の売却代金から貸し付けたものであり、被相続人が貸し付けることは不可能であったから、請求人の固有の財産であり、被相続人の相続財産ではない旨主張する。しかしながら、請求人の答述によれば、金銭の貸付けに関する書類を作成せず、返済方法や利息の取決めもなく、また、相続開始まで返済を受けたことも返済を求めたこともないというのであり、また、請求人が金銭を貸付けたこと及び被相続人が貸付けを行うことができなかったことを明らかにする証拠資料を提出しないのであるから、請求人の主張には理由がなく、本件貸付金は、借主である法人の帳簿に計上されているとおり、被相続人の相続財産であると認めるのが相当である。(平16.4.15関裁(諸)平15-63)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150070
- 裁決年月日
- 平成16年4月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、相続開始時に請求人名義の保護預かり口座(以下「本件保護預かり口座」という。)に保護預りとなっていた割引債券については、①請求人はこれを相続財産として修正申告書を提出していること、②請求人の申述は変遷を繰り返しており、首尾一貫していないことから、修正申告書提出後の主張は採用できないこと、③当該割引債券取得時において贈与税の申告がないことから、相続財産である旨主張する。しかしながら、①本件保護預かり口座の開設に関する届出書等の署名及び印影は請求人のものであること、②その後の割引債券の乗換えの手続を請求人が行っていることからすると、当該割引債券については、請求人が、被相続人から購入資金の贈与を受け取得し、その後の管理・運用も請求人自ら行っていたと認められることから、請求人の固有の財産であり、相続財産であるとは認められない。(平16.4.12名裁(諸)平15-70)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150010
- 裁決年月日
- 平成16年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 別件訴訟事件において、他の共同相続人は過去に被相続人から贈与を受けたものが本件割引債券の原資となっていると主張しており、その主張が正当なものであれば、本件割引債券は相続財産でなかったことになる旨請求人らは主張する。しかしながら、①本件割引債券の伝票には被相続人の苗字が記載されていること、②共同相続人が過去に贈与税の申告書を所轄税務署に提出した事実は認められないこと及び③被相続人が共同相続人に本件割引債券を贈与したとの事実を認めるに足りる証拠がないことから、他の共同相続人が過去に被相続人から贈与を受けていたとは認められず、この点についての請求人らの主張には理由がない。(平16.3.25金裁(諸)平15-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150061
- 裁決年月日
- 平成16年3月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、内縁の妻が生前贈与を受けたものであるから相続財産に該当しない旨主張する。ところで、一般的に財産の名義人がその真の所有者であり、預貯金は原則として名義人に帰属するものとみるのが相当であるが、実質所有者を名義人とすることに疑義がある場合には、当該預金の原資、運用管理の状況、贈与の事実の有無、名義人の収入の状況及び利息の収受状況等から、総合的に判断することになる。これを本件についてみると、本件預金の原資は被相続人の預金であり、その管理運用及び払戻等はすべて被相続人の判断によって行われ、一方、内縁の妻は、その名義が使用されたほかは本件預金の形成、管理運用又は使用に関与することはなく、生前に本件預金が内縁の妻に贈与された事実も認められないから、本件相続開始時点において、本件預金は被相続人に帰属し、相続財産に該当すると認めるのが相当である。(平16.3.18大裁(諸)平15-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150220
- 裁決年月日
- 平成16年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人以外の名義となっている預金等の財産は、同族法人が架空経費等で形成したものであるから、同族法人に帰属する財産であると主張する。しかしながら、当該預金等は、被相続人の借名口座であると認められるところ、被相続人は、これを自己に帰属する個人財産として管理支配し、自己の財産形成の目的のために管理運用していたと認められることから、当該預金等は、被相続人に帰属する財産であるとした原処分は適法である。なお、当該預金は、同族法人の架空経費等により形成された事実は認められるものの、その実態は個人の財産形成の目的のために、被相続人が経営支配していた同族法人で架空経費等を計上し、これにより捻出した簿外資金を社外流出させ、同族法人の関与が及ばない、被相続人個人が管理支配する本件預金へ入金したものと認められる。(平16.3.16東裁(諸)平15-220)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150221
- 裁決年月日
- 平成16年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産と認定した借名預金の一部は、請求人の家族が生前贈与を受けた預金及び請求人の配偶者に帰属する資金が含まれていることから、本件更正処分は誤りである旨主張する。しかしながら、①借名預金の管理・運用等の実態からして、被相続人から請求人の家族に生前贈与があったとの事実は認められないこと、②請求人の夫の個人口座からの出金は認められるが、この資金が借名預金で運用された事実が確認できる証拠もない。したがって、借名預金は、これを管理・運用し、自己の財産形成を行っていた被相続人の相続財産であると認めるのが相当であることから、本件更正処分は適法である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平16.3.16東裁(諸)平15-221)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150221
- 裁決年月日
- 平成16年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件不動産を被相続人が主宰する同族法人に帰属する財産であると認定しているが、本件不動産は当該法人の会計帳簿に記載がないこと、当該法人には本件不動産を取得する資金がなかったこと、及び被相続人が作成した財産管理書類には相続財産との記載があることから、本件不動産は被相続人に帰属する相続財産である旨主張する。しかしながら、不動産の登記は、制度上その手続きにおいて、真正な、すなわち有効に存立する実質的な関係に基づくものであることが保障され、かつ、公の機関によって管理されているから、登記がなされているとこれに対応する実質的関係の存在が推定されることから、登記上の所有名義人は反証がない限り当該不動産の所有者と推定することが相当であるところ、本件の場合、請求人から本件不動産が被相続人に帰属する財産であるとの証拠資料の提出がなく、当該不動産のほとんどが売買契約書等によって当該法人が取得している事実が認められ、また、本件不動産の登記名義人が当該法人であることからすると、当該法人に帰属する財産であると認めるのが相当である。(平16.3.16東裁(諸)平15-221)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150203
- 裁決年月日
- 平成16年3月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税の課税価格に算入される同族法人に対する本件貸付金の価額について、原処分庁は、当該法人の事業年度末の借入金残高を基として算定した金額である旨主張し、請求人らは、被相続人が過去に受領した譲渡代金から算定した貸付可能額で算定すべき旨主張する。しかしながら、当審判所で検討したところ、当該法人の事業年度末の借入金残高に、ゴルフ会員権及び建物付属設備に伴う貸付金の消滅に係る会計処理誤りの額を加減算した金額が本件貸付金の価額であると認められるので、双方の主張は採用できない。また、請求人らは、本件貸付金と相続人の同族法人に対する貸付金とに混同がある旨主張するので検討したところ、相続人が被相続人の負担すべき税金等を負担しており、当該金員は、被相続人と相続人との間の金銭消費貸借に基づく金銭の授受と認められ、被相続人の債務額となるので、原処分の一部を取り消すべきである。(平16.3.5東裁(諸)平15-203)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150051
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400304000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/4家屋、構築物
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・543ページ
要旨
○ 請求人らは、本件構築物は建物に含めて評価されていると考えても課税の公平は保たれるから、本件構築物を申告漏れとした本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件構築物は、家屋の固定資産税評価額に含まれていないから、家屋とは別に評価する必要があり、また、相続税法第2条第1項は、相続により取得した財産の全部に相続税を課する旨規定しているから、請求人の主張は採用できない。構築物の相続税の課税価格に算入すべき価額は、財産評価基本通達97の定めにより、再建築価額から、取得の時期から課税時期までの期間に応ずる定率法による償却費の額の合計額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価すべきところ、原処分庁は、これを被相続人から引き継いだ未償却残高の100分の70に相当する金額によって評価していることが認められる。しかしながら、構築物の再建築価額の見積計算が著しく困難を伴い、これを算定することができないことからすると、原処分庁がやむを得ず財産評価基本通達に準ずる上記方法によって評価をしたことは相当である。(平16.2.27名裁(諸)平15-51)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150021ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年10月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産であるとする被相続人の妻名義の本件預金等は原資の出所が単純ではなく、また、被相続人の妻が生前贈与を受けたとしていることなどから、相続財産であるか疑義がある旨主張し、原処分庁は、本件預金等の大部分は被相続人の譲渡代金を原資とする相続財産である旨主張している。ところで、相続財産である預貯金の帰属については、その名義人に帰属するのが通常であるが、その名義によって帰属を判断できない場合には、預貯金の原資、管理・運用状況、贈与の事実の有無を総合的に勘案して判断するのが相当である。そして、その名義や管理・運用状況から帰属を判断できない場合は、預貯金の原資がだれに帰属していたかが重要な要素となる。そうすると、本件預金等のうち、審判所が妻固有の財産であると認定した本件譲渡前預金を原資とするものは、被相続人の相続財産とは認められない。(平15.10.27大裁(諸)平15-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150020
- 裁決年月日
- 平成15年10月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義の本件預金等は請求人固有の財産と被相続人から生前に贈与を受けた財産で構成されるので、被相続人の相続財産ではないと主張し、原処分庁は、本件預金等の大部分は被相続人の譲渡代金を原資とする相続財産である旨主張している。ところで、相続財産である預貯金の帰属については、その名義人に帰属するのが通常であるが、その名義によって帰属を判断できない場合には、預貯金の原資、管理・運用状況、贈与の事実の有無を総合的に勘案して判断するのが相当である。そして、その名義や管理・運用状況から帰属を判断できない場合は、預貯金の原資がだれに帰属していたかが重要な要素となる。そうすると、本件預金等のうち、審判所が請求人固有の財産であると認定した預金を原資とするものは、被相続人の相続財産とは認められない。(平15.10.24大裁(諸)平15-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成15年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件交換により先代が本件土地を政府から取得したものであり、請求人は、本件土地の正当な権利者である先代との間で、昭和35年末に口頭による本件土地の売買の契約を締結し、本件土地の所有権を取得したが、所有権移転の登記は行われなかったものである旨主張する。しかしながら、基礎事実及び認定事実によれば、昭和25年に農地委員会から本件交換の指示を受けたのは、被相続人であり、また、本件交換により政府から本件土地を取得した者も、被相続人と認められる。そして、本件土地を先代が取得したと認定するための資料がない本件について、本件土地を先代のものであったと認定することはできない。また、①本件土地は、昭和25年に被相続人が取得したものであること、②本件土地の死因贈与に係る本件贈与契約書が作成されていること、③請求人と被相続人が通謀して虚偽の本件贈与契約を締結すべき合理的な理由は見当たらないこと及び④請求人が被相続人の弟であって、本件相続に係る法定相続人ではないことなどの点からみて、請求人の本件土地の取得原因は、本件贈与契約以外には存在しないといわざるを得ない。(平15.9.29関裁(諸)平15-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成15年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①被相続人は、請求人に対する所有権移転登記がされるべきことを認識しており、本件土地について所有の意思がなく、②本件贈与契約書の作成は、被相続人の贈与意思の表明ではなく、所有権移転登記の便宜のためだけを目的に行われたものであるから、本件贈与契約は、民法第94条第1項の通謀虚偽表示により無効である旨主張する。しかしながら、被相続人は、請求人に対して本件土地の買取りを求めていることからすると、被相続人は本件土地について所有の意思がなかったとはいえず、また、被相続人が請求人に対する所有権移転登記がされるべきことを認識しているというのであれば、被相続人の生存中に所有権移転登記をすれば足りるのであって、あえて請求人と被相続人が通謀して虚偽の本件贈与契約を締結すべき合理的な理由は見当たらない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.9.29関裁(諸)平15-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成15年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、予備的に、本件土地の所有権が被相続人にあったとしても、請求人は、本件土地を所有の意思をもって10年間又は20年間、平穏かつ公然と占有しており、遅くとも、昭和55年末には、本件土地を時効により取得したから、本件土地が被相続人の遺産を構成するはずがない旨主張する。しかしながら、一定の課税処分がされた後、新たな事情が発生して課税処分が前提とした法律状態が遡及的に変動した場合でも、そのような事由の発生を理由として課税処分の取消しを求めることはできないというべきである。請求人は、本件決定処分前に時効の利益を享受する旨の請求人の意思表示があったことを認めるに足る証拠資料を提出せず、当審判所の調査によっても、そのような事実を認定するための証拠資料は見当たらない。よって、時効取得の主張は、本件決定処分の違法理由とすることはできず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.9.29関裁(諸)平15-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150063
- 裁決年月日
- 平成15年9月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、現物が確認されていない割引国債及び投資信託受益証券について、紛失したとしても、「承認払」、「除権判決」により救済されるとの理由で課税するのは違法であると主張する。しかしながら、有価証券については、証券がなくとも証券に存在していた権利が喪失するものではないと解されているところ、本件の場合、本件有価証券の譲渡や盗難などの事実がないから、一般の有価証券と何ら変わるものではない。さらに、①当初は所在不明と主張していた割引国債が相続人である配偶者Aの保管財産にまぎれていたこと、②被相続人名義の上場株式の株券が行方不明となったときはAが再取得した等の事実があり、証券等の保管がAにおいて適切にされていないことが認められるが、このことは評価通達の適用に当たっての特別な事情に当たらないから一般の有価証券の評価方法により評価するのが相当である。(平15.9.19東裁(諸)平15-63)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件簡易保険等はその保険料が請求人らの固有収入から払い込まれたものであるので、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、請求人らの固有収入と被相続人の収入を勘案すると、払込保険料の原資は被相続人の収入であると推認される。そうすると、一部保険事故の発生により贈与税の課税対象となる定期年金保険及びその定期年金保険を原資として払い込まれた簡易保険を除きその他の簡易保険については、相続財産と認定すべきであり、本件簡易保険等すべてが相続財産ではないとする請求人の主張は採用することはできない。(平15.7.7仙裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件銀行預金及び本件定額郵便貯金は、請求人らの固有収入から預入れしたものであることから相続財産には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人らの固有収入と被相続人の収入を勘案すると、その預入れの原資は被相続人の収入によるものと推認されることから、本件銀行預金及び本件定額郵便貯金については、相続財産と認定するのが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平15.7.7仙裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式の一部は祖父等より遺贈又は贈与により取得したものであり、残りは請求人らの固有収入により取得したものであることから、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、請求人らは遺贈又は贈与の事実を認めるに足る書証等を何ら提出せず、また、請求人らの固有収入と被相続人の収入とを併せ勘案すると、株式の取得は、被相続人が祖父から相続により取得し、その後も被相続人の収入を資金として取得されたと推認されること、並びに、株式の配当金が被相続人で確定申告されていることから判断すると本件株式は相続財産として認定するのが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平15.7.7仙裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/3投資(貸付)信託
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件受益証券について、その運用資金は請求人らの固有収入によるものであることから、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、請求人らの固有収入と被相続人の収入を勘案すると、その運用資金は被相続人の収入によるものと推認されることから、本件受益証券については相続財産と認定するのが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平15.7.7仙裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人は借入金があったことから、本件割引債券を取得する資金は有せず、割引債券は被相続人に帰属しないことから、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、被相続人は、昭和50年代に多くの土地を譲渡し、多額の譲渡収入を得たことが認められ、本件割引債券は被相続人が当該譲渡収入を原資に取得したものと認めるのが相当であり、当該割引債券の管理運用は、昭和63年以降においては、相続人らの一人が行っているものの、被相続人に逐一報告していることにかんがみれば、その管理運用も被相続人の意思で行われていたと認められ、更に、請求人らは、原処分庁の更正処分によって増加した相続財産を遺言執行者が再分配したときに、他の相続人とともに受領しており、他の相続人から異議も出ていないことを総合的に勘案すると本件割引債券を相続財産と認定した原処分は適法である。(平15.7.4福裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140067
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・533ページ
要旨
○ 請求人は、本件不動産について、本件相続開始前に、本件公正証書に基づいて請求人の孫らが被相続人から生前贈与を受けたものであり、本件相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件不動産の所有権移転登記手続及び使用収益の状況などに照らすと、被相続人は、本件公正証書に基づいて、孫らに対し本件不動産を真に贈与する意思を有していたとは認め難く、孫らも、本件不動産の所有権を取得したとする認識があったとは認められない。また、公正証書を作成した目的が、請求人が主張するように、孫らに対する相続税の節税のための生前贈与等にあるとするならば、孫らの親権者である請求人を含めた当事者は、本件不動産についての贈与税の申告が必要であるとの認識を有していたと見るのが自然であるところ、本件不動産に係る贈与税の申告はされていない。そうすると、本件公正証書は、将来の相続税の負担を回避することなど、何らかの意図を持って作成された、実体の伴わない形式的な文書と見るのが、自然かつ合理的であり、本件公正証書によって、被相続人と孫らの間に贈与の合意が成立していたものとは到底認められず、請求人の主張は採用できない。(平15.03.25.大裁(諸)平14-67)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140067
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・533ページ
要旨
○ 請求人は、関係法人に対する本件貸付金について、本件相続開始前に作成された本件基本合意書及び本件修正合意書に基づいて放棄されており、本件相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件基本合意書においては、その放棄に関する内容及び関係者の答述などに照らし、本件相続開始時に、どの債権が放棄されるのかが具体的に確定しているものとは認められないことから、本件貸付金は本件相続財産を構成する。また、本件修正合意書は、関係者の答述に照らし、その作成日付である本件相続開始前ではなく、本件相続開始後に作成されたものとするのが相当であり、本件相続開始時において、本件修正合意書は存在していないのであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.大裁(諸)平14-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140222
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人ら名義の本件各株式(銘柄AないしL)はいずれも被相続人から贈与により取得したもので被相続人の相続財産には該当しないと主張する。しかしながら、本件各株式はいずれも被相続人が管理運用していたものであり、銘柄AないしGについては、その取得資金の原資は被相続人の資金が充てられ、又は、当初の取得が被相続人名義の取引口座を利用して被相続人名義でされているものであることからして、被相続人に帰属していたものであると認められる。また、銘柄HないしLについては、管理運用していたのは被相続人であるが、これらの株式の取得資金の原資は明らかに被相続人の資金であると認めるまでに至らない資金、換言すれば、請求人甲の資金が充てられていると認められ、その取得資金の出捐割合を特定するに足りる証拠もなく、共同生活を営む夫婦という関係に照らしてその出捐割合を同等とすることに合理性が認められ、これらの株式は各2分の1が被相続人と相続人甲に所有に係るものと認めるのが相当である。(平15.03.25.東裁(諸)平14-222)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140064
- 裁決年月日
- 平成15年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始日現在において存在した第三者名義の預金について、被相続人は、その原資の稼得、金融機関への預け入れ、証書及び印鑑等の保管のいずれにも関与しておらず、また、証書及び印鑑は、長期間にわたり請求人の自宅に保管されていたことなどからすれば、この本件預金は相続開始日以前から請求人に帰属しているというべきである旨主張する。しかしながら、本件預金は、被相続人が主宰法人グループの実権を握っていたころ、同グループに将来不測の事態が発生したときに使うことを考え、主にその代表者であった時期に、自ら預入に係る資金を確保するなどし、被相続人から同人の財産の管理等に関する委任を受けていた被相続人の妻に、その預入に関する手続を委託するなどして預け入れたものと認めるのが相当であって、その証書等は、同グループに不測の事態が発生したときに使うようにとの条件がつけられた上で、被相続人から同人の妻を通じて請求人に預けられたものと解されるから、本件預金の証書等の保管の事実のみをもって本件預金が請求人に帰属すると認定することはできない。(平15.02.06.関裁(諸)平14-64)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140005
- 裁決年月日
- 平成15年1月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・566ページ
要旨
○ 原処分庁は、土地の売買契約締結後、契約完了までの間に相続が発生した場合、同土地の価額は売買残代金請求権(債権)として評価すべきと主張し、確かに当該売買契約が、売主、買主の双方が誠実に義務を履行され、同債権が確定的に被相続人に帰属していることを肯定できる場合であれば、そのように解釈すべきである。しかしながら、本件の場合は、当該不動産売買契約は、売主(被相続人)側の責めに帰すべき理由が何等ないにもかかわらず、もっぱら買主側の事情により履行が遅延し、契約締結後約2年8か月経過した相続発生の日においても履行遅延の状態にあり、最終的に契約締結後約4年4か月、予定された契約履行の日から約3年4か月、相続開始から約1年7か月経過後に解除されたことからすれば、相続開始時点において、同契約に係る売買残代金請求権が確定的に被相続人に帰属していたことを肯定できないため、土地として評価するのが相当である。(平15.01.24.金裁(諸)平14-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140076
- 裁決年月日
- 平成14年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件山林等のうち代物弁済として譲渡した本件乙土地は、本件相続開始日現在において宅地造成業者に引渡義務が発生しているから、本件乙土地を相続財産に含めるのは不当である旨主張する。しかしながら、譲渡における資産の移転の時期は、資産の引渡しがあったときと解するのが相当であり、本件においては、本件相続開始日現在において、宅地造成工事は完了しておらず、その引渡しは完了していないから、本件乙土地の所有権は、被相続人に帰属すると認められるから請求人らの主張には理由がない。(平14.10.29.東裁(諸)平14-76)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140001
- 裁決年月日
- 平成14年9月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人の総代であるA名義で設定されている定額郵便貯金(本件定額貯金)は、被相続人の妻に用立てていた現金を、被相続人の指示により被相続人名義の定額郵便貯金をAの妻が解約した際に返済を受け、設定したものであるからA固有の財産であり、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、Aが被相続人の妻に被相続人の病気治療費等を用立てていた事実は認めることができず、また、本件定額貯金は被相続人名義の定額郵便貯金をAの妻が解約し、それを原資として、同日、同郵便局において設定されたものであると認められ、また、被相続人からAに対して贈与があったとも認められないことから、名義はAとなってはいるものの、被相続人の相続財産と認められる。(平14.09.10.熊裁(諸)平14-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140001
- 裁決年月日
- 平成14年9月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人名義の土地の一部(本件土地)は、請求人らの総代であるAが祖父から贈与を受けていたA固有の財産であり、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、Aが祖父から本件土地の贈与を受けていたとする証拠書類等はなく、贈与の履行があったとも認められない。また、本件土地の固定資産税は、相続開始日までは被相続人が負担していた事実が認められ、さらに、本件土地は、被相続人所有の貸店舗の敷地として、被相続人において使用され、その家賃収入について確定申告書を提出するなど被相続人が使用収益していたことから、相続財産と認められる。(平14.09.10.熊裁(諸)平14-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140037
- 裁決年月日
- 平成14年9月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件生命保険契約は、その存在を確認していないから、本件相続に係る財産ではない旨及び仮に、当該契約が存在したとしても、その契約に関する権利の価額は、相続人一人当たり500万円の控除が認められるのであるから、課税対象となる価額は零円である旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、被相続人を契約者とする本件生命保険契約が存在すること及び請求人らの主張する相続人一人当たり500万円の控除の根拠と認められる、相続税法第12条第1項に規定する保険金とは、被相続人の死亡により相続人が受け取った保険金に係る規定であり、本件生命保険契約は、被相続人以外の者を被保険者とし、保険事故も発生していないから、同項に規定する保険金には該当しない。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平14.09.05.東裁(諸)平14-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株券の発行のない同族会社であるT社(本件株式)について贈与を行うことを承認した取締役会の議事録が存在していることから、口頭による贈与契約が成立していることは明らかであり、また、受贈者の親権者が同社に対し本件株式の名義変更を申請した時点で履行が終了しているから、本件株式は相続開始日以前に被相続人から受贈者に贈与されたものであり、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、被相続人が同様に贈与したとする他の議事録に係る2件の贈与については、①株式名簿の変更記載がされ、②贈与税の申告も、被相続人の指示により受贈者の親権者が提出しているにもかかわらず、本件株式については、③株主名簿株の変更記載もされておらず、④贈与税の申告もなされていない。また、⑤本件株式の贈与後にT社が行った利益配当について、被相続人自身が、本件株式を含めて配当所得を計算した確定申告書を提出していること等の事実関係を総合勘案すると、被相続人は何らかの理由で本件株式について贈与の意思表示を留保したものと認められる。したがって、本件贈与契約はなかったと見るのが相当であり、本件株式は相続財産であると認められるから、この点に関する請求人らの主張は採用することができない。(平14.07.16.大裁(諸)平14-8)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130041
- 裁決年月日
- 平成14年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人名義の商標に係る商標権を、(1)法人が利用して多額の商標使用料を収受している、(2)被相続人が法人に対し商標権を無償貸与したことを証する書類が確認できない、(3)法人設立以来、多額の商標使用料を得て、利益積立金が約18億円となっている、(4)商標権は法人に帰属すると自認して相続税の修正申告をしているという事実から、実質課税でとらえて、商標権は法人に帰属する旨主張する。しかしながら、被相続人と法人との間の本件商標の無償貸与を約した協定書及び当該法人と商標使用法人との間の商標使用契約書は真正なものであると認められることから、法人は被相続人から商標の通常使用権の無償使用の許諾を受け、それを商標使用法人に有償で使用許諾をし、商標使用料を収受していたものと認めるのが相当であり、その結果として、法人は商標使用料を収入として申告し、利益積立金が約18億円になったものと認められ、また、請求人は自認行為を撤回しており、修正申告書の提出は商標権の帰属には影響を与えるものではなく、商標権は被相続人に帰属すると認めるのが相当である。(平14. 6.26福裁(諸)平13-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130264
- 裁決年月日
- 平成14年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件貸付金等の発生及び存在を知らないので、本件貸付金等は本件被相続人に帰属する財産でなく、また、仮に、当該貸付金等が本件被相続人に帰属する財産であるとしても、貸付先の法人は、未処理損失があること並びに根抵当権及び連帯保証に伴う負担により債務超過の状態になるので、本件貸付金等の回収は不可能又は著しく困難であると認められる旨主張するが、本件貸付金等は、同法人に継続して計上されていることなどから、本件被相続人に帰属する財産であり、また、本件貸付金等は、同社が事業を継続していること及び本件貸付金等の回収の見込みのないことが客観的に確実であると認められる事実が発生していないことから、請求人の主張は認められない。(平14. 6.10東裁(諸)平13-264)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130044
- 裁決年月日
- 平成14年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の定額郵便貯金は、請求人が被相続人と共に大工工事業に従事していた期間において被相続人から本来受け取るべきであった大工収入などにより形成されたものであるから、請求人の固有の財産である旨主張する。しかしながら、記名式の預金の場合には預金名義人を預金者であると一応推定すべきであり、真実の預金者と預金名義人が異なる場合には、当該預金の形成の経緯、管理、運用、支配していたものは誰かなどを総合的に検討して、真実の預金者が誰かを判断するのが相当であるところ、請求人は、被相続人の財産形成に寄与した旨主張するのみで、定額郵便貯金が請求人に帰属する具体的、かつ、客観的な証拠資料を提出せず、しかも、定額郵便貯金は被相続人が管理、運用、支配をもしていたものであることから、定額郵便貯金が請求人に帰属する余地はない。(平14. 5. 9.広裁(諸)平13-44)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130007
- 裁決年月日
- 平成14年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・495ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人の同族会社に対する債権は、共同相続人の間で遺産分割調停が成立し、その調停条項に、本件債権は消滅時効の完成により消滅しており、同族会社に対して請求権が存在しないことを相互に確認すると記載されており、相続人全員が同意している。すなわち、同事件において時効が援用され、時効の効力がその起算日に遡るから相続開始の時には本件債権は存在しない旨主張する。しかしながら、本件債権については、被相続人と同族会社との間では毎期決算書類の作成によって、その存在を相互に確認していることから、消滅時効は少なくても、毎期、決算書類の作成により中断され、相続開始の時において消滅時効はその要件を満たしておらず、消滅時効は完成していないことになるので、本件債権は存在し、請求人の主張は採用することができない。また、調停において当事者は任意に、真実の権利関係とは異なる権利関係を進めることができるから、調停条項に本件債権は消滅時効により消滅し、これを相続人間で確認するとの記載の事実をもって、本件債権が消滅時効により消滅したので相続開始時には存在しなかったということにはならない。(平14. 4.10沖裁(諸)平13-7)裁決事例集NO63・495ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130060
- 裁決年月日
- 平成14年3月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与契約に係る物件につき、本件贈与証書作成時に贈与を受けたものであり、相続税の課税対象とならない旨主張する。しかしながら、本件贈与契約は、贈与契約に係る物件の所有権移転時期について、契約締結と同時に請求人が所有権を取得したとするのではなく、請求人が贈与税の納付資金の手当てができ、所有権移転登記手続請求が可能となったときに、請求人の財産取得の効果が生じるとする旨の特約をした(停止条件を付した)ものであると解されるが、被相続人は、死亡時まで、当該物件の所有権が自己に帰属することを前提として、賃貸したり請求人への所有権移転登記義務の存在について争っていたと認められるので、当該贈与契約の当事者間においては、請求人への所有権移転登記が未だ実現可能といえず、当該贈与契約に関する停止条件は未成就であり、請求人への所有権移転の効力は生じていなかったと認められる。そうすると、当該物件は、被相続人の死亡直前まで同人に帰属していたといえるから、相続税の課税対象となる財産に含まれる。(平14. 3.13大裁(諸)平13-60)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130022
- 裁決年月日
- 平成14年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件定額郵便貯金は請求人の祖父から贈与されたものであり、被相続人に帰属するものではないから、被相続人に係る相続税の課税財産には当たらない旨主張する。しかしながら、(1)請求人から贈与の事実を証明する証拠の提出がない、(2)本件定額郵便貯金について、請求人の母が被相続人名義及び他の家族名義の定額郵便貯金とともにその存在を認め証書を提示した、(3)本件定額郵便貯金は被相続人名義及び他の家族名義の定額郵便貯金と同日に預入れされており、預入申込書の筆跡及び印影も同一である、(4)請求人の母は、これらの本件定額郵便貯金等の各証書は被相続人が保管していた旨申述していることから、本件定額郵便貯金は被相続人が管理・支配していたものであり、被相続人に帰属していたものと認められ、被相続人に係る相続税の課税財産に該当するから、請求人の主張には理由がない。(平14. 3.12福裁(諸)平13-22)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130027
- 裁決年月日
- 平成14年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・576ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の申告に当たり被相続人が代表者を務める同族法人に対する貸付金を申告していたが、その要因となる被相続人が行った法人への資金提供は本来は贈与であり、そのことは、生前、被相続人がその資金提供の原資である個人預金は、当該法人のものであるといっていたことなどからもいえるが、法人の会計処理において、法人税の負担の関係から法人と代表者との貸借を表す勘定科目で処理していたものであるところ、これを相続開始日直後の法人の決算期において、一部受贈益として確定させたものであるから、少なくともこの部分は貸付金に当たらない旨主張するが、請求人は、この資金提供が贈与であったということを認めるに足りる証拠を提出せず、また、資金原資は被相続人の定期預金等の解約からのものであり、その定期預金等が当該法人のものであると認めるに足りる証拠もない。また、相続人らにおいて貸付金が相続財産であるとの認識がなかったことなどをもって、この資金提供の際、被相続人から当該法人へ贈与があったとすることもできない。これに対し、法人がこの資金提供を贈与でなく、負債として処理していたことに特段の不合理性はないことや、関係者の答述を考慮すれば、本件相続の開始時において貸付金は存在し、その後、法人の決算時において、同社の資金繰りの関係から受贈益の計上をしたと認めるのが相当である。(平14. 2.26広裁(諸)平13-27)裁決事例集NO63・576ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130016
- 裁決年月日
- 平成14年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が関係法人に対して有していた貸付金債権の経済的価値はなかったから、それを相続税の課税財産に加算した更正処分は誤りである旨主張する。しかしながら、関係法人の総勘定元帳等を調査したところ、相続開始日において本件貸付金の存在していた事実が認められ、また、関係法人は、貸付金発生当時から相続開始時まで継続的に事業活動を行っており、手形交換所における取引停止処分や会社更生手続の開始等の決定等を受けた事実もないことから、本件貸付金債権の回収が不可能又は著しく困難であるとは認められない。したがって、本件貸付金債権が、相続開始時において現に存する貸付金債権であり、金銭に見積もることができる経済的価値があるものとして、それを相続税の課税財産に加算した本件更正処分は適法である。(平14. 1.30福裁(諸)平13-16)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130005
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が葬式費用相当額2621740円を手持現金から支払ったと認定して相続財産である現金・預貯金等に加算したこと並びに甲支店長自己宛小切手及び乙支店長自己宛小切手合計27547326円が相続開始の時に残存していたか不明であるのに現金・預貯金等に加算したことは不当である旨主張する。しかしながら、手持現金は確認できなかったので、相続開始の時の現金・預貯金等に加算したことは不当であるが、両支店長自己宛小切手は、被相続人の依頼を受けて発行されたもので、両小切手が金融機関に持ち込まれたのは相続開始後であり、相続開始の時において両小切手は残存していたことが認められる。この結果、相続開始の時における現金・預貯金等の金額は、異議決定を経た後の更正処分の金額を上回るので更正処分は適法である。(平13.10.25沖裁(諸)平13-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130011
- 裁決年月日
- 平成13年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309990
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、建物更生共済契約に関する権利については、相続税の課税の対象となる財産として認識できない旨主張する。しかしながら、当該共済契約については、被相続人が契約者及び掛金負担者であると認められることから、当該共済契約に関する権利は被相続人の相続財産として相続人に相続されることになる。なお、当該権利の評価額は、相続開始時の解約返戻金相当額とするのが相当である。(平13. 8.29名裁(諸)平13-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130011
- 裁決年月日
- 平成13年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人名義の郵便貯金の一部は、昭和59年ころに被相続人が配偶者に贈与したもので、現在は存在しないが贈与する意思を記した書類もあったことから、相続財産ではない旨主張するが、(1)贈与する意思を記した書類の存在の有無及び贈与の内容は確認できないこと、(2)配偶者は贈与税の申告をしていないことから、当該郵便貯金は贈与されたものとは認められず、また、当該郵便貯金の預け入れはいずれも平成3年以降でその名義は被相続人であり、一部の定額郵便貯金については取得資金は明らかに被相続人のものと認められることから、当該郵便貯金は被相続人の相続財産であると認めるのが相当である。(平13. 8.29名裁(諸)平13-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130008
- 裁決年月日
- 平成13年8月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、相続人名義の本件預貯金につき、(1)名義人らは、経常的な収入がなく、被相続人と同居し、被相続人の扶養親族となっていたこと、(2)本件預貯金の使用印鑑は、専ら被相続人が使用していたこと、及び(3)本件預貯金の証書の保管・管理を被相続人が行っていたこと、を理由にすべて被相続人の財産である旨主張する。しかしながら、本件預貯金のうち証書あるいは使用印鑑の確認を行っていないものについては、被相続人が必ずしも管理・運用を行っていたということができないため、相続財産から除外するのが相当である。(平13. 8. 2.大裁(諸)平13-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130002
- 裁決年月日
- 平成13年7月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件相続に係る相続税の課税価格に算入すべき相続財産は、本件株式ではなく代償金である旨主張する。しかしながら、Aの和解調書の内容の債務不履行があった場合の予防策である本件和解条項第三項3の解除条件の成就により、本件代償金は無効となり、本件相続に係る課税財産が未分割の本件株式となったことが認められることから、本件更正処分の一部を取り消すのが相当である。(平13. 7.17東裁(諸)平13-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130003
- 裁決年月日
- 平成13年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人ら相続人は、同族会社の各相続人名義の株式100株は、名義どおり被相続人及び請求人ら5名合計6名に帰属するから、相続財産は被相続人が保有する100株の6分の1である旨主張する。しかしながら、当該株式100株のうち、増資以前の株式については、(1)株券を各自が保管管理していたこと、(2)当該同族法人の法人税申告書別表二に、各人1株である旨長期間にわたって記載されていたこと、などから被相続人及び請求人ら相続人5名が各1株ずつを所有していたと認められる。残りの増資以後の94株については、(1)当該増資払込金の全額を被相続人が負担していること、(2)当該増資に係る請求人らの認識が希薄であること、(3)増資後の株主、株式数について、株主原簿等に記載がなく新株式の株券も発行されていないことなどから総合的に判断すると、当該94株は被相続人に帰属するものと認められる。したがって、相続財産に含めるべき株式は請求人らの株式5株を除く95株となる。(平13. 7. 6.大裁(所)平13-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130003
- 裁決年月日
- 平成13年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、同族会社の株式20000株について、請求人らが主張するような被相続人が売却した事実は認められないから、当該株式は被相続人に帰属する旨主張する。しかしながら、20000株のうち5000株については、明らかに被相続人が他の同族法人に譲渡している事実が認められるから、相続財産に該当しない。また、5000株については、当該同族法人の株主名簿において、相続人の1人に名義変更されているが、当時、当該相続人が同5000株について自己所有の株式であるとの認識を持っていたとは認められず、贈与税の申告もされていないことからすると、同5000株は被相続人に帰属するものと認められる。残りの10000株については、株主名簿を利用して、欄外に他の同族法人ほかに異動させるとして記載しているが、異動の事実はまったくないことから、同様に被相続人に帰属するものと認められる。以上のことから、20000株のうち5000株を除いた15000株は、相続財産と認められる。(平13. 7. 6.大裁(所)平13-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120201
- 裁決年月日
- 平成13年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式について、被相続人の妻が本件資金を本件被相続人に株式等投資資金として預託し、これを本件被相続人が自己の資金と合同で運用した結果形成されていたものであって、妻に帰属する財産であるから、本件株式を申告しなかったことに仮装又は隠ぺいの事実はない旨主張する。しかしながら、本件株式については、本件被相続人の預金を原資として取得された後、直前の所有者から本件被相続人の名義に変更されていること、一旦出庫した本件株式を再度本件被相続人名義の取引口座に入庫したことが認められ、仮に、本件株式が妻に帰属するものであるならば、これらのことは不自然であり、そして、本件株式のうちA株については、贈与税の問題を懸念して本件被相続人の名義に変更し、さらには、本件株式を自ら管理保管していながら遺産分割の対象から除外したというのであるから、妻は、本件株式が相続財産であることを認識しつつ、本件株式を相続財産から除外して課税標準額及び納付すべき税額を過少に申告したと認められる。(平13.6.29東裁(諸)平12−201)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120122
- 裁決年月日
- 平成13年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 業種
- 呉服卸
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人以外の家族名義が使用された預貯金について、自身が独自の事業により得た利益に基づき形成したものであり、相続財産ではないと主張する。しかしながら、請求人の主張を正当とする根拠が認められず、また、本件預貯金に係る通帳及使用印章を保管し、これらを管理、運用していたのは被相続人であったことが認められるから、当該預貯金は本件相続に係る相続財産であると認められる。(平13.6.27大裁(諸)平12−122)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120166
- 裁決年月日
- 平成13年5月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、相続人らの名義の上場株式(以下「本件上場株式」という。)について、他の相続財産と一元的に保管され、相続財産である他の株式と異動状況が類似していることから、相続財産である旨主張する。しかしながら、(1)財産の帰属は保管状況及び異動状況だけで判断することができず、(2)原処分庁が確認した本件上場株式の保管状況は相続開始前のものでなく、さらに、(3)証券代行部に届け出た住所及び印鑑はいずれも請求人らのものであり、その届出も相続開始の3年以上前にされており、その届出の後、請求人らは、当該届け出た印鑑及び住所により本件上場株式の配当金を各人ごとに受領しているから、相続開始の3年以上前から本件上場株式を管理していたと認められ、本件上場株式を相続財産であると認めることはできない。したがって、原処分は取り消すのが相当である。(平13.5.28東裁(諸)平12−166)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120070ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年4月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 受遺者である請求人は、株式出資及び割引債券は名義人の固有財産であって、相続財産ではないから、「取得」していない旨主張するが、名義人が利益を享受していることが明らかな株式及び割引債券の封筒に記載された名義人が取得資金を支出していると認められる一部の割引債券を除いては、被相続人が支配管理を行っており、かつ、名義人等が取得資金を支出したと認められる事実もないことなどから、相続財産と認められ、遺言書に基づき「取得」したこととなる。(平13.4.26名裁(諸)平12−70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120071
- 裁決年月日
- 平成13年4月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、(1)出資証券は名義人が被相続人から贈与されていたものであり、(2)株式は名義人が、また、割引債券は封筒に記載された名義人が取得したものであって、それぞれの者の固有財産である旨主張する。しかしながら、名義人が利益を享受していることが明らかな株式及び封筒の名義人が取得資金を支出していると認められる一部の割引債券を除いては、(1)出資証券については、贈与契約が成立していたことも、その引き渡しが行われていたとも認められないこと、(2)割引債券については、被相続人が支配管理を行っており、かつ、封筒の名義人が取得資金を支出したと認められる事実もないことから、それぞれの者の固有財産とは認められない。(平13.4.26名裁(諸)平12−71)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平120003
- 裁決年月日
- 平成13年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した貸付金について、相続開始の時において、借主が無資産であり返済する資力も意思もなく、仮に、回収可能であるとしてもそれは、請求人が相続により承継した会社債務に係る保証債務の履行に当てられることが確実であるから、貸付金としての価値をゼロとして評価するか、確実な債務として相続財産から控除するのが相当であると主張する。しかしながら、相続開始の時において、借主が破産の宣告を受けた等の事実は認められず、又借主は、担保権の設定されていない宅地を所有しているから返済する資力がないとはいえないため、貸付金の回収が不可能又は著しく困難であったとは認められない。また、相続開始の時に、会社が弁済不能の状態にあるとは認められないから、当該保証債務は「確実と認められる債務」に該当しないため、貸付金より保証債務の金額を控除して評価することもできない。(平13.4.17沖裁(諸)平12−3)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平120003
- 裁決年月日
- 平成13年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した株券には、請求人の銀行からの借入に係る質権が設定されており、債務超過の状況にある請求人にとっては事実上相続し得ない財産であるから、相続財産と認定することは不当であると主張する。しかしながら、相続した株券は、相法第11条の2の規定により、相続税の課税価格に含めて計算すべきものであり、また、相続開始時において、担保権が実行されるか否かが不確実であるので、質権が設定されていないものとした場合の株券の評価額により評価すべきである。(平13.4.17沖裁(諸)平12−3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120092ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年3月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 業種
- 会社員、一般貨物自動車運送
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・512ページ
要旨
○ 原処分庁が相続財産と認定した請求人名義の本件定期預金は、(1)その管理運用を被相続人の配偶者が行っていた事実は認められるものの、被相続人が管理運用を行っていた事実が認められないこと、(2)利息を享受していた事実が認められないこと、及び(3)書換えの際に増額した部分の金額を被相続人が拠出したとは認められないことから、相続財産に該当しない。(平13.3.29大裁(諸)平12−92)裁決事例集NO61・512ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120034
- 裁決年月日
- 平成13年3月16日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・482ページ
要旨
○ 原処分庁は、相続財産として申告した土地(本件土地)について、その所在が現況において確認できないから相続財産でないとして行った請求人の更正の請求に関し、本件土地は、登記簿上、被相続人の所有土地として登記されており、現況において本件土地に該当すると目される土地(A土地)が存在するから、原処分は適法である旨主張する。しかしながら、公図上の位置関係や固定資産税の課税状況等から判断して、A土地をもって本件土地に該当するという事実を認めることができず、また、周辺土地が過去に合分筆を繰り返していることからすると、本件土地の表示登記の閉鎖もれの可能性があることも否定できず、結局のところ、本件土地が現時点において実在するか否かを確定できないから、これを相続財産に含めることはできない。(平13.3.16広裁(諸)平12−34)裁決事例集NO61・482ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120104
- 裁決年月日
- 平成13年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が認定した本件相続財産の中には、本件被相続人が管理していたにすぎない本件共同相続人の共有状態にあるAの未分割遺産が多く含まれており、本件相続財産を過大に認定している旨主張する。しかしながら、当審判所が認定した事実及びAの協議書等の有効性を総合勘案した結果、以下のとおりである。本件被相続人名義の財産は本件被相続人が管理運用していたものであり、また、A名義の株式には、本件被相続人と本件共同相続人の取得しているものが含まれていると認められるものの、その中から本件被相続人に帰属する銘柄を特定することはできない。したがって、本件被相続人名義の財産は本件相続財産であると解するのが相当であり、他方本件被相続人に帰属するA名義の株式は、請求人が本件申告書で本件相続財産であるとしている株式とその他のA名義の株式の合計額の3分の1である、とするのが相当である。(平13.3.16東裁(諸)平12−104)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120095
- 裁決年月日
- 平成13年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺産に請求人の寄与分が存在すること、及び遺産の価額が相続後に急激に下落したことから、相続税が減額されるべきである旨主張する。しかしながら、寄与分に相当する財産は被相続人の遺産であり、これを非課税とする規定はないこと、また、財産の価額は取得の時の時価と規定しており、その他の時点を捕らえて時価を査定することはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平13.3.8東裁(諸)平12−95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120092
- 裁決年月日
- 平成13年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件認定財産等は請求人ら固有の財産である旨主張するが、(1)請求人らの主張するような、本件被相続人からの給与の支払又は贈与の事実が認められないこと、(2)印章の使用状況等からみて、請求人らが本件認定財産等の運用を行っていたと認めることはできないこと、また、(3)本件認定財産等は本件被相続人の収入を基礎として形成されたものであることを併せ考えると、本件認定財産等は本件被相続人に帰属すると認めざるを得ない。(平13.3.7東裁(諸)平12−92)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120092
- 裁決年月日
- 平成13年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、割引債にかかる償還金が請求人固有の財産であること、また、預貯金等の解約金を医療費等に費消し、本件相続開始日には存在していないことを理由に相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件償還金は管理運用等からみて本件被相続人の財産であると認められ、また、預貯金等の解約金については、これを費消した事実が認められず、現金として課税することに違法はない。(平13.3.7東裁(諸)平12−92)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120094
- 裁決年月日
- 平成13年3月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人が生前甲と交わした金銭貸借証書に記載された金額25.000.000円(以下「本件金員A」という。)及び乙と交わした金銭貸借契約書に記載された金額49.400.000円(以下「本件金員B」という。)について、請求人らは、いずれも被相続人からの贈与財産であるため、相続財産とはならない旨主張し、原処分庁は、いずれも被相続人からの貸付金と解すべきであり、相続財産となる旨主張する。しかしながら、本件金員Aについては、本件金員Aの借主自身が債務の存在を認めており、かつ、返済の意思及び返済能力を有していることが認められる以上、本件契約書は、依然として有効に成立しているものと認められ、これを否認すべき証拠資料の提出もない。また、本件金員Bについては、本件契約書が親と子という特殊関係の中の無利子の金銭貸与であること及び返済することが困難になったときは、贈与されたものとみなすこととなっていることなどの内容からすると、本件金員Bの借主は、当初から受贈するという意思の基に、本件金員Bを自由に管理運用し、被相続人においても、本件契約書という外見上貸与であることを示す文書を作成したものの、当初から贈与する意思があったもので、本件契約書における返済方法及び返済条件、その後の返済状況並びに本件金員Bの借主が行った一連の管理運用の行為等は、本件金員Bに係る多額な贈与税の課税回避を図ろうとしたものであって、本件契約書は、実体が贈与であるにもかかわらず、貸与の形式をとったものにすぎない可能性が高いというべきである。以上のとおり、本件金員Aについては、その全額を被相続人の貸付金と解すべきであり、本件金員Bについては、その全額が被相続人から贈与されたものと解するのが相当であるから、更正処分はその一部を取り消すべきである。(平13.3.1関裁(諸)平12−94)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120069
- 裁決年月日
- 平成13年2月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・496ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人兄弟らの共同名義の本件貸金庫に保管されていた本件株式358.400株について、株主名簿、配当金の受領状況及び名義人の申述等から、元役員及び元顧問弁護士の名義を除きその名義人に帰属するものである旨主張する。しかしながら、本件貸金庫に入庫する前の本件株式の管理・保管状況、共同名義で本件貸金庫を開設した理由、本件株式は昭和29年に死亡した父の未分割の相続財産であるとの認識が認められること等からすると、本件株式はその全部が請求人兄弟らの父の相続に係る未分割の相続財産であると認めるのが相当である。そうすると、請求人が遺贈により取得した本件株式は、本件株式のうち請求人兄弟らの父の相続に係る本件被相続人の法定相続分の8分の1に相当する44.800株と認められ、これを基に請求人の課税価格及び納付すべき税額を計算すると、本件更正処分はその全部を取り消すのが相当である。(平13.2.7東裁(諸)平12−69)裁決事例集NO61・496ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120050ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 業種
- 不動産貸付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損害保険契約に係る権利は相続財産に該当しない旨主張するが、本件損害保険契約は火災保険と積立保険を組み合わせた契約であるところ、本件については、死亡の事実の連絡のないまま満期を迎えていることから、保険契約者の変更に関し何らの手続も経なかったことからすれば、本件相続によって特に手続を経ることなく当該保険契約上の一切の権利義務を法定相続人である共同相続人らが承継したと認めることができる。そうすると、本件損害保険契約に関する権利は相続財産ということができ、この価額は本件相続開始日に当該契約を解除した場合に支払われることとなる解約返戻金相当額とすることが相当である。(平13.1.30大裁(諸)平12−50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120057
- 裁決年月日
- 平成12年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 業種
- 会社役員他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式の名義人が本件被相続人から両社の経営権を譲り受けて代表取締役に就任した際に、本件株式は実質的に各名義人に帰属したものであり、経営者が自己名義の株式を所有していないことは、例外的なケースを除き商慣習より見てあり得ない旨主張する。しかしながら、仮に、本件被相続人が業務執行権たる代表取締役を辞任し、その地位を株式の名義人である相続人に移譲したとしても、そのことをもって直ちに、会社財産の所有権の表象である株式の所有権が本件被相続人から株式の名義人に移転したことの証拠とはならない。すなわち、株式の所有権は、代表取締役の地位の移譲等の経営権の移転行為とは別個の株式の譲渡や贈与等の所有権を移転する行為があって初めて移転するものというべきであり、両社は株主への配当をしておらず、また、本件株式に係る株券が発行されていることが確認できないのに加え、本件被相続人がその名義人へ本件株式を贈与したこと、あるいはこれを各名義人が本件被相続人から取得したことを明らかにする証拠は存しない。したがって、請求人らの主張は、単に、請求人らの憶測を述べているのにずきないと認められる。(平12.12.22東裁(諸)平12−57)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120026
- 裁決年月日
- 平成12年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 業種
- 同族会社関係者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、証券会社の被相続人名義の取引口座で管理されていた相続人名義株式について、請求人らが自己資金を出して購入した請求人ら固有の財産である旨主張する。しかしながら、証券会社の取引状況、相続人名義株式の配当金の収受管理状況、相続人名義株式の取得資金の状況から、相続人名義株式は被相続人の相続財産であると認められるが、被相続人名義の株式のうち一部の銘柄については、被相続人死亡前に売却処分されていることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平12.12.14名裁(諸)平12−26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120015
- 裁決年月日
- 平成12年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/1生命保険金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・491ページ
要旨
○ 請求人らは、役員である被相続人の会社が保険料負担者で、被相続人を被保険者とする養老生命保険契約等に基づき保険金受取人である請求人らが受け取った保険金総額191.073.183円のうち109.450.000円は、本件相続開始後に、相続人である被相続人の妻が当該会社との間で取り交わした本件贈呈協定書に基づき当該会社に贈与しているのであるから、原処分庁は、請求人らの手元に残った80.550.000円に対して課税すべきであり、しかも、当該金額は当該会社の役員退職慰労金内規に準じて計算されたものであるから、退職手当金に該当する旨主張するが、(1)当該会社は被相続人の生存中に本件保険契約を締結し、保険料を負担するのみで、本件保険金については何らの権利がなく、被相続人の死亡により請求人らは当然に本件保険金を取得することができるところ、請求人らは本件保険金を取得した上、本件相続開始日後の本件贈呈協定書に基づき本件保険金の一部を当該会社に贈与したものにすぎないこと、(2)本件保険金が相続税法第3条第1項第2号に掲げる退職手当金等に該当するためには、雇用主である企業の定款、株主総会、社内規程、就業規則、労働協約等において、本件保険金が退職給付金として支給されるものである旨の意思が明らかにされているか否か等を考慮して行うのが相当であるところ、被相続人に対する役員退職慰労金の支給については、株主総会において何ら決議されておらず、しかも、当該会社の役員退職慰労金内規及び退職金規程のいずれにも本件保険金を退職手当金等として支給する旨の定めがないことからすれば、本件保険金は役員退職慰労金とは認められないというべきであり、本件保険金の全額が相続税法第3条第1項第1号に規定する生命保険金に該当するものと認められるから、本件保険金の全額を相続税法第3条第1項第1号に規定する生命保険金に該当するものとしてなされた本件更正処分は適法である。(平12.9.20関裁(諸)平12−15)裁決事例集NO60・491ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110115
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人から相続開始前3年前に交付を受けた本件金員は贈与を受けたものであり、相続税を課すことはできない旨主張する。しかしながら、本件金員を贈与する旨の意思表示が明示された事実は認められず、また、贈与を受けたのであれば、贈与税を申告納付するのが、申告納税制度を採用している我が国にあっては当然の責務であり、しかも請求人の社会的地位等に照らし贈与税を含めた税に対しての知識を有しているとみるのが相当であるところ、贈与税の申告はされておらず、除斥期間も経過している。さらに、被相続人が贈与の趣旨で本件金員の交付を行ったのであれば、極めて多額の贈与税のことを考慮の外におくことは考えられないが、同人は贈与税のことを格別話題にしておらず、贈与税の申告及び多額の贈与税の資金の調達について、請求人や関係者に何ら指示していないことが認められる。一方、被相続人は、本件金員交付の事実については他の相続人に知らせず、その清算については、請求人との間で処理し、被相続人の死後は相続人間で請求関係が生じることを避けようとしていたことが認められ、請求人も本件金員交付の事実が他の相続人との間の遺産分割の対象と考えていないことが認められる。以上のことを総合すると、本件金員交付に伴い、被相続人の請求人に対する本件金員の返還請求権が生じており、請求人は当該返還請求権を被相続人から死因贈与により取得したとする原処分庁の認定は相当と認められる。(平12. 6.29名裁(諸)平11-115)、(平12. 6.29名裁(諸)平11-116、117)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110116
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人名義の取引口座で行われた信用取引は請求人自身の取引であり、その損失を被相続人が決済したことは代位弁済に当たる旨主張する。しかしながら、①本件信用取引はいずれも100万株単位の取引であり、請求人自身が行っている取引とは取引の規模が著しく異なること、②被相続人及び証券会社の担当者は、株数、金額などの詳細について、請求人に伝えなかったこと、③信用代用証券はすべて被相続人が手当てしていること、④取引の清算は、請求人と事前に相談することもなく被相続人のみの指示に基づいて行われたこと、⑤請求人は、本件決済について何ら知らされていないことから、本件信用取引は被相続人自身の取引として同人が行ったものと認められ、被相続人が行った本件決済は同人自らが負うべき債務を履行したものにすぎない。(平12. 6.29名裁(諸)平11-116)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110105
- 裁決年月日
- 平成12年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件相続の開始時において本件土地の売買に係る本件未収入金は存在しない旨主張するが、①本件土地の譲渡所得についての税務調査において、本件未収入金の存在をうかがわせるメモが発見されていること、②請求人らは、税務調査の結果を踏まえ譲渡所得の修正申告に応じていること、③本件土地の譲受人の契約担当者が本件未収入金の存在を認めていること、④請求人らは、本件未収入金の存在を前提にその支払を求める本件訴訟を提起し、その結果、請求認容の判決を得ており、本件未収入金の存在が確認されていることから判断すると、本件未収入金は、本件相続の開始時において存在していたと認めるのが相当であり、請求人らの主張は採用することができない。(平12. 5.26名裁(諸)平11-105)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110139
- 裁決年月日
- 平成12年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①被相続人所有のA土地に対する出店計画に伴い預かった保証金は、請求人かつ相続人である甲が主宰する乙法人に帰属するものであるから、当該保証金が被相続人に帰属することを前提に被相続人から乙法人に対して貸付金が存在するという原処分庁の認定は誤りであり、また、②B土地は、当初から被相続人の所有に属するものであって、そのことは、被相続人が所有者として登記がなされていることからも明らかであり、B土地の取得に要した資金も被相続人が負担すべきものである旨主張する。しかしながら、当該保証金については、①それを被相続人が受託したこと、②それが乙法人に帰属するとする覚書は、甲が違約損害金を乙法人に帰属させるために仮装したものと認められること、③その支払者は、被相続人との間で被相続人にそれを預託するとする覚書を作成した旨答述していること及び④③の覚書を当審判所においても確認していることから、被相続人に帰属すると認めるのが相当である。また、B土地については、①乙法人が売主との間でその売買契約を締結していること、②乙法人は、その取得資金を被相続人から借り入れたとする経理をしていること、③売主は、乙法人からその売買代金を受領していること、④当初、乙法人がその所有者として登記され、その後被相続人に移転登記されたが、その移転登記後も乙法人の資産として計上されていること、⑤それは、複数の不動産と併せて一度に売買取得されているにもかかわらず、それらのうちB土地のみが被相続人の所有であるとする合理的な理由も証拠も認められないことから、被相続人に帰属すると認めるのが相当であって、乙法人がB土地の取得に要した資金(被相続人拠出)は、被相続人の乙法人に対する貸付金となる。(平12. 5.12東裁(諸)平11-139)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110028
- 裁決年月日
- 平成12年4月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が行っていた決済未了の取引に係る財産を相続をしたが、請求人において相続したのは「観念的な取引上の地位」であり、その地位の価値は、具体的決済行為を介してはじめて顕在化するものであるから、当該取引に係る相続財産の価額は、被相続人の死亡後において実際に決済し実現したところの差益金の額を基礎として評価すべきである旨主張する。しかしながら、取引は、法令上の制約はあるものの、その本質は商品の売買であり、そこには、売買取引における債権債務の関係をみることができる。そうすると、請求人が相続した当該取引は、その新規取引として行われていた約定が売付けに係る約定であるから、その債権債務は、①対価の支払いを受ける権利(債権)及び②現物の引渡し義務(債務)であると認められ、したがって、それぞれの価額は、①については売付けに係る約定金額により、また、②については課税時期における市場価格(終値)により評価するのが相当である。(平12. 4.27札裁(諸)平11-28)、(平12. 4.27札裁(諸)平11-29)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110086
- 裁決年月日
- 平成12年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、本件判決により昭和37年に被相続人から甲に売却されていたものであると認定されたのであるから、相続財産として申告した本件土地に係る持分は相続財産に当たらないので、更正をすべき理由がない旨の原処分は取り消されるべき旨主張する。しかしながら、本件判決が上記売却の事実を認定したのは請求人が本件訴訟(原告乙(甲の相続人)、被告(請求人))において積極的な反論及び反証を一切行わず、上記売却の事実を積極的に否定しなかったことが大きな要因となっているものと認められ、このことに、本件訴訟において上記売却の事実が認められる証拠が提出されていないことなどを併せて考えれば、本件土地に係る持分が相続財産であるか否かは本件判決の事実認定のみならず本件訴訟において検討対象とされなかった事項をも総合して判断するのが相当と認められる。そうすると、①平成2年及び平成3年に本件土地の所有権の一部が被相続人から甲及び乙らに贈与され本件土地の売買の事実と矛盾する行為が行われていること、②被相続人及び乙は、昭和61年当時本件土地について貸借関係があると認識していたことなどから判断すれば、本件土地が甲に売却されたとの事実は認めることはできないから請求人の主張は採用することができない。(平12. 3.30名裁(諸)平11-86)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110010
- 裁決年月日
- 平成12年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の同族会社に対する貸付金は被相続人が死亡する前に債務免除しており、相続開始時点において存在しない旨、また、被相続人の相続人に対する貸付金については、相続人名義の借入金の実質債務者は被相続人であり、同額の貸付金と債務が存在するため、貸付金は存在しない旨主張する。しかしながら、相続開始前に債務免除があったという具体的な証拠がないこと、同族会社が債務免除益を修正申告したのは、本件処分に係る異議申立ての日であることから、請求人らの主張には理由がない。また、相続人名義の借入金の実質債務者については、請求人らは、被相続人の融資限度枠が超過したため、相続人の名義で借入れしたと主張し、信用組合発行の融資限度枠が低く記載された証明書を証拠として審判所に提出したが、当審判所の調査によって、その証明書が真実ではないことが判明したため、請求人らの主張は採用することができない。(平12. 3.27金裁(諸)平11-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110069
- 裁決年月日
- 平成12年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400301000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/1財産の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地及び本件預金等の帰属は判決によって確定するまで明らかでなく相続税の課税要件を充足していなかったこと及びこれらの財産の帰属が確定するまで管理処分権を有しておらず担税力を欠く財産であったことから、当該課税処分は無効である旨主張するが、相続税の納税義務の成立要件としては、納税義務者において相続を原因として財産を取得することが必要であり、かつ、それをもって足りると解される。また、国税通則法第23条第2項第1号では、判決や和解等により、その申告、更正又は決定に係る課税標準又は税額等の計算の基礎となった事実が異なることとなった場合には、その判決等により当該事実の異なることが確定した日の翌日から起算して2月以内に更正の請求をすることができる旨規定されていることからすると、相続税については、相続財産の帰属につき争いがある場合であっても、相続人は、当該財産を相続財産として申告する義務があり、仮に、後日、当該財産が判決等により相続財産として帰属しないことが確定した場合には、更正の請求を行うことにより、過大な相続税額が減額されることになると解するのが相当であり、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平12. 2.25名裁(諸)平11-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110071
- 裁決年月日
- 平成12年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・203ページ
要旨
○ 請求人らは、請求人らの父が昭和25年12月に死亡した際、その相続について、口頭による遺産分割協議を行い請求人らの内1名を除く父の共同相続人が相続権を放棄したので、本件相続開始の時の本件土地の登記簿上の所有者が被相続人をはじめ父の共同相続人となっているとしても、真実の所有者は当該請求人である旨主張するが、父の相続において遺産分割協議を行ったことを直接証明する証拠書類の提出がなく、当該請求人以外の父の共同相続人が家庭裁判所に相続を放棄する旨の申述を行ったとする証拠の提出もないし、本件土地について、所有権のない被相続人を共有者として登記した理由は登記に時間のかからない方法を採ったためである旨主張するが、登記手続に要する時間の長短を理由として真実の所有者でない者の名義とすることは不合理であり、当該請求人の単独登記としなかった理由としては相当でない。したがって、本件土地が請求人の固有のものであるとする証明がないので、この点に関する請求人らの主張を採用することはできないことから、被相続人は、父の相続によって登記簿の記載どおり法定相続分に従い所有権を取得したものと認められるから当該土地の共有持分は本件相続の開始時点における被相続人の相続財産であると認められる。(平12. 2.17大裁(諸)平11-71)裁決事例集 №59・203ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110071
- 裁決年月日
- 平成12年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400304000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/4家屋、構築物
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・203ページ
要旨
○ 原処分庁が、本件家屋の登記持分を被相続人の財産として本件決定処分を行ったところ、請求人らは、被相続人は本件家屋の建築資金を負担していないからその所有権はない旨主張するが、建築資金を負担していない者が新築された建物の所有者になれないという法律上の規定はなく、当該登記は無効なものとなるわけではない。さらに、請求人らは本件家屋について、所有権のない被相続人を共有者とした理由は固定資産税の減額の適用を受けるために当該家屋の名義人を敷地の名義人と同一にした旨主張するが、このことをもって当該登記が無効なものと判断できるものではない。したがって、被相続人に本件家屋の共有持分の所有権がないとする特段の事情は認められず、この点に関する請求人らの主張を採用することはできない。そうすると、本件家屋の所有権は、被相続人が共有者として登記された以降現在まで変更されていないことから、当該家屋の共有持分は本件相続の開始時点における同人の相続財産であると認められる。(平12. 2.17大裁(諸)平11-71)裁決事例集 №59・203ページ
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110013
- 裁決年月日
- 平成12年2月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が相続開始日の1ケ月後に解約した被相続人名義の定期預金は、請求人の給与収入の一部から認定され、請求人とその家族名義預金を被相続人名義に一本化したものであり、相続財産ではない旨主張するが、請求人の給与収入から設定された事実は認められず、かつ、被相続人が相続直前まで管理していたこと及び届出印鑑も被相続人が管理していた他の預金の印鑑と同じである事実が認められることから、被相続人に帰属する預金と認められ、当該預金を相続財産とした原処分は相当である。(平12. 2. 4仙裁(諸)平11-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110068
- 裁決年月日
- 平成12年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件売買契約は本件相続開始後に締結をしたものであるから、請求人らが本件相続により取得したのは本件土地そのものである旨主張するが、①売買契約は、本件相続開始前に授受された金員がその領収書の記載や売買残代金の決済額などからみて手付金の一部というべきであり、当該金員が授受された日に当事者の合意により成立したと認められること、②相続開始前に農地法第5条1項第3号の規定による届出が受理されていること及び③相続開始の約50日後に売買残代金を決済していることから、たとえ土地の所有権が相続開始時に売主である被相続人に残っているとしても、もはやその実質は売買代金債権を確保するための機能を有するにすぎないものであり、独立して相続税の課税財産を構成しないというべきであるから、本件相続において相続税の課税財産となるのは、売買契約に係る売買残代金請求権であると解するのが相当である。(平12. 1.31大裁(諸)平11-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110068
- 裁決年月日
- 平成12年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、当審判所に対し、本件定期預金等の名義書換え等の手続を被相続人に任せていたので請求人らの預金がどの名義で預け入れられていたかを知らないとか、被相続人は家族の預金の合計額が平等になるよう調整していた旨答述しており、このことからみれば、本件定期預金は、請求人らが自己の管理の下に被相続人へ各自の意向を伝え、その名義書換え等の手続を依頼していたという状況にはなく、専ら被相続人の管理支配の下で運用されていたというべきであり、そして、N信用金庫では本件定期預金を真正名義人が被相続人であるとして管理していること、被相続人が管理する印章には多数の家族名義の預金が使用されているものがあることなどの事実を総合すると、本件定期預金は、その全てが被相続人に帰属すると認められ、かつ、相続開始前に贈与された事実がないから、本件相続に係る相続財産と認めるのが相当である。(平12. 1.31大裁(諸)平11-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110073
- 裁決年月日
- 平成12年1月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が現物出資により取得した出資の52パーセントに相当する本件売買出資を額面相当額で譲渡したことは通常の経済的取引と比べて不自然かつ不合理な譲渡であり、恣意的に相続財産を圧縮せんがために意図的に行われた何ら経済的実態を伴わないものであって、かつ、同出資の発行会社に対する実質的な支配権は被相続人がいまだ保持していたものと認められるから、本件相続に係る相続財産である旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、①現実に譲渡代金の授受が行われていること及び②譲受人らがいずれも会社資産として同出資を計上し、かつ、配当金を受領していること等から、譲渡は行われたものと認めるのが相当であり、また、著しく低い価額の取引であったとしても税法の規定による課税関係は発生するが、そのことと譲渡等の有効性とは関連しないとするのが相当である。したがって、同出資は本件相続に係る財産ではないから、その部分を取り消すべきである。(平12. 1.18東裁(諸)平11-73)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は被相続人の関係会社に対する資金援助(本件金員)を貸付金と認定しているが、被相続人は当初から本件金員が返済されることを予定しておらず、本件金員は、実質的には被相続人が関係会社に贈与したものであるから、貸付金ではなく相続財産に当たらない旨主張する。しかしながら、①当該関係会社は、本件金員を被相続人からの借入金と認識し、これに見合う経理処理をしており、被相続人に対して一部返済をしていたことからも、被相続人に対して本件金員を返済する意思を有していたと認められること、②当該関係会社の平成7年12月期における本件金員の決算修正仕訳の経緯からも、請求人は、本件金員が同社の被相続人からの借入金であることを十分認識していたことがうかがわれること、③被相続人が当該関係会社に本件金員を贈与した事実を認めるに足りる証拠もないことの事情を総合すれば、本件金員は、当該関係会社に贈与されたものではなく、同社に対する貸付金であると認めるのが相当である。また、請求人は、仮に、本件金員が関係会社に対する貸付金であったとしても、同社は、本件相続の開始日において大幅な債務超過の状態にあり、経営が破たんしていたのであるから、本件金員は回収の見込みがなかったことは明らかである旨主張する。しかしながら、当該関係会社は、本件相続の開始当時、債務超過の状態が継続しているものの、事業活動を継続しており、事業閉鎖等の事実、会社更生又は強制執行の申立て等を受けた事実はなく、弁済不能の状態にあったとは認められない。したがって、当該関係会社に対する貸付金である本件金員は、本件相続の開始時点において、その回収が不可能又は著しく困難であったとは認められず、本件金員に係る貸付金債権は、本件相続に係る相続財産であると認められる。(平11. 9.27名裁(諸)平11-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100117
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意書及び本件覚書の作成は本件相続開始の後であり、本件売買契約が本件相続開始の時点において有効に成立していたとはいえないから、売買代金債権は確立していない旨主張する。しかしながら、本件売買契約は結果的に約定どおり履行されたものと認められ、同契約は解約されずに継続していたものとみるのが相当であり、本件合意書及び本件覚書は、本件売買契約を解約し賃貸借契約に変更したように仮装するために作成されたものと推認されることから、本件売買契約は本件相続開始の時点において有効に成立していたものと認められる。したがって、本件土地は、本件相続開始の時において所有権の移転が完了していないが、もはやその実質は売買代金債権を確保するための権能を有するにすぎないものであり、請求人の相続した本件土地は独立して相続税の課税財産を構成しないというべきであって、本件相続の課税財産となるのは、本件土地に係る本件売買残代金債権であるから、請求人の主張には理由がない。(平11. 6.30関裁(諸)平10-117)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100117
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件貸付金を放棄したのは本件相続開始の後である旨主張する。しかしながら、共同相続人は、本件相続開始前に被相続人に代わって本件債権放棄通知へ署名押印した旨答述しており、この答述に矛盾する点はなく、信用できると認められること、本件債務免除受贈益の本件借入金補助元帳への記録が本件相続開始日以降であるとしても、このことをもって、本件債権放棄通知書への代理署名及び押印した日が本件相続開始の後であるとするのは相当でないこと並びに本件債権放棄通知書の債務者名の間違いは単なる記載誤りと認められるので、このことをもって、同通知書の存在を否定することは相当でなく、本件債権放棄通知書への代理署名及び押印が本件相続開始の後にされたとは断定できない。したがって、被相続人は、本件相続開始前に作成された本件債権放棄通知書によって本件貸付金を放棄する旨の意思表示をしたものと認めるのが相当であるから、原処分庁の主張には理由がない。(平11. 6.30関裁(諸)平10-117)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100137
- 裁決年月日
- 平成11年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式は、株券の存在が確認できず、除権判決を得て株券の再発行が可能となるまでは相続財産として確定していないものであるから、原処分庁が、法的根拠もなく本件株式を本件相続に係る相続財産と認定したのは違法である旨主張する。しかしながら、株式は、株券の喪失によって直ちに株主としての権利自体をも喪失するものではなく、株主は喪失した株券の除権判決が得られれば、株券の再発行を受けることが可能であるから、それが相続財産に該当するかどうかは、相続人の手元に株券が存在するか否かのみによって決定することは相当でない。そうすると、本件株式は、本件相続開始日現在の株主名簿に株主として記載されている被相続人がその所有者であると推認することができるのであるから、本件相続に係る相続財産に該当するというべきである。(平11. 6.15大裁 (諸) 平10-137)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100149
- 裁決年月日
- 平成11年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・395ページ
要旨
○ 請求人らは、相続人らに帰属する株式数は明らかであり、配当金の管理状況のみで本件株式が被相続人に帰属するとすることには納得できず本件株式の帰属については、形式的な面からではなく、実質的な面から判断すべきである旨主張する。しかしながら、①被相続人の妻は被相続人の主宰する法人の設立資金や新株引受の払込資金を用意したこともないこと、②相続人らは同法人の株式を取得したことはないとしていること、③平成元年8月の増資払込資金は請求人ら名義に係る分を含め被相続人が一括して負担していること、④同法人の新株引受の際に提出された被相続人の妻に係る株式申込証に押印されている印影は、毎回同じで、かつ、被相続人のそれと同一のものであり、その印影に係る印章は、被相続人が普段所持し使用していたものであること及び⑤被相続人は平成元年に相続人らが同法人の株主名義人となった後も配当金を従前と同様に本件株式の分と併せ一括して受け取っていたこと、また、被相続人が配当金受領書も本件株式の分を含め一括して同法人の担当者に交付していたことが認められるから、本件株式の取得資金のすべてを被相続人が負担し、本件株式の新株引受の手続も行い、本件株式の配当金収入も得ていたと推認され、本件株式は被相続人に帰属する株式と認めるのが相当である。(平11. 3.29東裁(諸)平10-149)裁決事例集 №57・395ページ
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100030
- 裁決年月日
- 平成11年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、宗教法人名義の本件預貯金は宗教法人固有の財産であるので、相続財産とした更正処分は違法である旨主張するが、本件預貯金は、被相続人が宗教法人から受給した退職金の一部であり、被相続人が相続開始まで宗教法人名義のまま支配・管理していたものと認められ、被相続人固有の財産であると解するのが相当である。(平11. 3. 8札裁(諸)平10-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100069
- 裁決年月日
- 平成10年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・291ページ
要旨
○ 請求人は、本件財産の存在について全く承知しておらず、その確認もできないものである旨主張する。しかしながら、①他の相続人らは香港所在財産が申告もれであったとする修正申告をしていること、②請求人は本件財産が香港所在財産であることを前提として他の相続人らとの間で遺産分割の調停を行っていること及び③香港政庁に提出した遺産宣誓書には、本件財産が記載されていることから、本件相続開始日において少なくとも本件財産が本件被相続人の遺産として香港に存在したと認めるのが相当である。(平10.12. 8東裁(諸)平10-69)裁決事例集 №56・291ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100027
- 裁決年月日
- 平成10年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地上に借地権は発生していない旨主張するが、建物の所有を目的とした土地の賃貸借により賃借人が有することになる賃借権は、借地借家法に規定する借地権に当たるから、本件賃貸借において当事者に借地権の設定をしないとする合意(特約)は成り立たないので、請求人らの主張には理由がない。(平10.11. 6大裁 (諸) 平10-27)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・328ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件仮名預金が被相続人に帰属するものであるから、相続財産を構成するものであると判断しているが、本件仮名預金もしくはその原資である預金は遅くとも本件相続開始時点には包括受遺者の支配下において管理運用されていたと認められること、その帰属に関し、請求人らと包括受遺者との間の訴訟に係る判決では、預金先の銀行員の本件仮名預金の原資が包括受遺者に対して贈与されたものであると認識していた旨の供述及び包括受遺者の贈与目的に係る供述などを根拠とし、包括受遺者に対して生前贈与ないし死因贈与がされたと認める旨判断していることなどからすると、本件仮名預金は被相続人の生前に包括受遺者に対して贈与されたと解するのが相当である。したがって、本件仮名預金は相続財産を構成するものではない。(平10.11. 5大裁 (諸) 平10-25)裁決事例集 №56・328ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・328ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人の本件法人に対する貸付金は存在しない旨主張するが、本件法人の相続開始直前の決算書には被相続人からの借入金が計上されていること、相続開始後の本件法人の取締役会において、当該借入金の処理方針が決議され、その決議を基に本件仕訳が作成されていること、請求人らと包括受遺者の相続財産の分配に関する協議において当該貸付金の存在が前提となっていたこと、原処分庁からの指摘の際に請求人らは当該貸付金が包括受遺者に帰属すると認識していることなどが認められ、これらを総合すると、被相続人の本件法人に対する貸付金は存在していたものと解するのが相当であり、その額は本件仕訳に記載された金額であると解するのが相当である。なお、原処分庁は、上記貸付金のほかに、被相続人名義の預金から本件法人名義の預金に振り替えられた金員についても、被相続人の本件法人に対する貸付金であると認定しているが、当該金員については、名義変更の行為者が包括受遺者であること、請求人らと包括受遺者との間の訴訟に係る判決において、包括受遺者あるいは同人が主宰する本件法人に贈与されたものと判断されていること、本件法人は当該金額相当額の受贈益を計上していないことなどから判断すると、名義上本件法人に変更されているものの、実質的には管理運用していた包括受遺者に対して、その全額が贈与されたと解するのが相当であるから、この点に関する原処分庁の認定は誤りであるというべきである。(平10.11. 5大裁 (諸) 平10-25)裁決事例集 №56・328ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・328ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件土地が本件相続財産を構成するものと認定しているが、本件土地は本件法人の帳簿に計上されていないものの、登記簿上は本件法人名義となっていること、本件土地に係る固定資産税は本件法人が負担していることなどが認められ、これらの事実によれば、特段の事情がない限り、本件土地の所有権は本件法人に帰属すると推認するのが相当である。(平10.11. 5大裁 (諸) 平10-25)裁決事例集 №56・328ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090030
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・452ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人の先代の相続財産の遺産分割について、家庭裁判所の調停が成立し、代償分割による代償金を受領したことは、既に本件相続に係る相続税の申告に含め課税された不動産に係る持分権の一部を失う代わりに、先代の共同相続人の一人から代償金を受領したものであるから、代償金は持分権の譲渡代金であって相続財産ではなく、また、これにより生じた所得は、所得税法第9条第1項第15号により非課税となる旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件調停によって被相続人に代位して代償金を取得したのであり、このことは、被相続人が先代から相続により取得した代償債権を、被相続人の死亡を原因として、請求人らが被相続人から取得したと解するのが相当であるので、本件相続開始日における代償債権の価額を評価して、当該価額を本件相続税の課税価格とすることが相当である。(平10. 6.23福裁(諸)平 9-30) 裁決事例集No55・452ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090096
- 裁決年月日
- 平成10年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件不動産は被相続人の生前に同人から本件贈与証書により請求人Aに贈与されたものであり、本件相続財産には含まれない旨主張するが、本件贈与証書は、いずれも被相続人のものと思われる印影はあるものの、被相続人の記名あるいは署名は一切なく、作成日付の記載もない不完全なものであり、本件贈与証書をもって生前贈与があったと認めることはできず、一方、本件相続には、本件遺言書が存在し、これには本件不動産をAに相続させる旨の記載があり、本件不動産の固定資産税は被相続人が納付していたこと及び本件不動産についてAは贈与税の申告をしていなかったことなどの事実を総合考慮すれば、本件不動産についてAが被相続人から生前に贈与された事実は認めることができないというべきである。(平10. 4.15大裁 (諸) 平 9-96)、(平10. 4.15大裁 (諸) 平 9-97)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090068
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・425ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人名義の株式は請求人の父である被相続人が亡母(請求人の祖母)の相続により取得したものであるから、被相続人の相続財産である旨主張する。しかしながら、祖母が購入した他の株式と請求人名義株式とは同一の銀行の貸金庫に保管されていたこと、請求人名義株式に係る有償増資に応じ、配当金は専ら祖母が受領していたと推認されることからすると、請求人名義で購入したことをもって、祖母が請求人名義株式を贈与したと認めることはできないが、祖母は、(1)請求人名義株式を被相続人のために相続財産として残す意思はなかったとうかがえること、(2)請求人に同株式の購入目的は、請求人が医師になる際の出資に備えるためである旨告げていること及び(3)死期の近づいた祖母は同居の縁者に同株式を預け、その縁者は祖母の死亡後に請求人に引き渡していることからすると、祖母と請求人との間において、祖母が死亡したら同株式を贈与する旨の黙示の死因贈与契約が成立していたと認められるから、同株式は請求人の固有財産であり、相続財産の課税価格から差し引くべきである。(平10. 3.31名裁(諸)平 9-68) 裁決事例集No55・425ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090079
- 裁決年月日
- 平成10年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件割引債券について、調査担当職員から何の説明も受けておらず、どのような経緯で誰が所有していたのか不明であり、かかる更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件割引債券は被相続人が自ら財産として管理運用していたものと認められ、また、更正処分をするに当たり、納税者に対して調査の内容を説明しなければならない旨を定めた法令上の規定はないから、調査担当職員が、請求人に対し、本件割引債券の扱いやその経緯などについて説明しなかったとしても、更正処分は違法となるものではない。(平10. 3.19関裁(諸)平 9-79)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090055
- 裁決年月日
- 平成10年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の売買契約は成立後3年経過しても進展がなく、売買取引が完了する見込みも予想できず、残代金を受領する期日も確定していなかったのであるから、相続財産は残代金請求権ではなく、本件土地そのものであり、評価基本通達により評価すべきである旨主張するが、売買契約は成立時から完了時まで継続して有効であったこと及び相続開始時までに本件土地の引渡しがなされていないことから、相続税の課税上、本件土地の売買契約中に本件相続が発生したと認められ、そうすると、本件土地の所有権は、本件相続開始の時点において本件売買契約上の売主に残っているとしても、その実質は、本件残代金請求権を確保するための機能を有しているに過ぎないものであり、原処分庁が、本件残代金請求権を課税財産としたことは相当と認められる。(平10. 2.27名裁(諸)平 9-55)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090054
- 裁決年月日
- 平成10年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件遺言書において遺贈されることとなっている(1)本件現金は、請求人が主宰する音楽教室の運営資金の残余金の返還であり、(2)本件株式は、同教室の運営資金により取得したものであることから同教室に帰属するものであり、また、(3)本件不動産は請求人の養母が実質の所有者であって、同人が死亡したことにより事実上請求人が相続していたものであるから、これらの財産はいずれも請求人が遺贈により取得したものではない旨主張する。しかしながら、本件遺言書は偽造、変造がされていない真正なものと認められ、本件現金及び本件株式に係る請求人の主張は、認定事実によれば信用できず、また、同主張を認めるに足りる証拠資料がないことから、本件現金及び本件株式は被相続人の財産であると認めるのが相当である。また、本件不動産は、昭和46年に被相続人の名義で取得されてから同人が死亡するまで何ら登記事項に変更はなく、被相続人の死亡により請求人に対し遺贈による所有権移転登記がされていること及び本件不動産の維持管理状況を併せて判断すれば、本件不動産は被相続人の財産であると認めるのが相当である。(平10. 1.26関裁(諸)平 9-54)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090044
- 裁決年月日
- 平成9年12月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件預金等は、生前に被相続人から請求人であるAに対し支払われた慰謝料であり、相続財産には当たらない旨主張する。しかしながら、被相続人は、(1)被相続人が死んだ時は、同人の全財産がAのものになると明言していたこと、(2)平成3年5月20日までに本件慰謝料を支払う旨の意思表示をしていたこと、(3)平成3年4月15日、請求人らに本件小切手を渡したこと、(4)平成3年5月11日、本件仮登記承諾書を作成し、本件仮登記を設定したことからすると、Aに本件預金等の保管を依頼していただけと認められ、また、Aは、本件預金等について、被相続人からその保管を依頼されたのみで、それを本件慰謝料として受領し、管理及び運用していたという認識がなかったことから、被相続人に対して、本件慰謝料の支払を請求して、本件小切手を受領し、かつ、本件仮登記を設定させたものと認められる。したがって、本件預金等のうち、請求人らが被相続人から平成3年4月15日に受領した本件小切手は相続財産ではないと認められるものの、それを差し引いた残額は、相続財産と認めるのが相当である。(平 9.12.19関裁(諸)平 9-44)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090037
- 裁決年月日
- 平成9年12月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400309030
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/9生命保険金等/3貸付金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・94ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人のA社及びB社に対する本件貸付金は、真実は請求人の貸付金であり、相続財産ではない旨主張する。しかしながら、これらの貸付金はA社及びB社の帳簿上も被相続人のものとして計上されているのであるから、特段の事情のない限り、被相続人の相続財産であると推認するのが相当であり、また、請求人が主張する、自己の貸付金を被相続人名義にした経緯及び事情は合理性を欠くものであり、請求人が名義振替えの事実を証するものとして当審判所に提出した資料は、その真実性を担保する資料がなく、これをもって振替えの事実を認めることはできず、請求人の主張を採用することはできない。(平 9.12. 9大裁 (諸) 平 9-37) 裁決事例集No54・94ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090064
- 裁決年月日
- 平成9年11月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、第一次本件土地売買契約書は、被相続人の二男の配偶者Aが自己の借入金返済のため、被相続人所有の本件土地を売却するおそれがあったことから、本件土地の保全を目的として、土地に条件付所有権移転の仮登記をするため、形式的に作成されたものであり、本件土地の売買があったものとは認められないから、本件土地の相続税の課税価格に算入される価額は路線価方式により評価した価額となる旨主張する。しかしながら、Aは被相続人の相続人の地位になく、被相続人が同人の債務を保証していたとの事実も認められないから、本件土地の保全を目的として当該契約書が作成されたとの原処分庁の認定は根拠に乏しいものといわざるを得ない。そして、本件土地については、相続開始前に当該土地売買契約が成立し、相続開始後にこの契約を確認するために第二次本件土地売買契約を締結したと解するのが相当であるので、本件相続開始日において本件土地の所有権がまだ売主である被相続人に残っていたとしても、もはやその実質は売買代金債権を確保するための機能を有するにすぎないものであるから、本件土地の所有権は、独立して相続税の課税財産を構成せず、相続税の課税財産となるのは、売買残代金であると解するのが相当である。 よって、原処分はその全部を取り消すべきである。(平 9.11.19東裁 (諸)平 9-64)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090020
- 裁決年月日
- 平成9年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の相続人である被相続人の夫Aから本件相続に係る遺産約2,000万円を受領したものであり、領収書に記載の金額6,725万円は受領していない旨主張する。しかしながら、請求人は、自己の権利義務に関する事項を記載した書面である領収書及び誓約書に自ら署名捺印したのであるから、民事訴訟法第326条により、特段の事情がない限り、請求人は当該書面の記載内容を了解してこれに署名捺印をしたものと解される。また、Aは貸付信託等の一部を解約し払い出していることが認められ、これらの合計金額は、請求人が作成した領収書に記載の金額を上回ることから、請求人に現金6,725万円を手渡すことができる状態であったと認められ、これらの事実を総合すると、請求人は6,725万円を受領したと認めるのが相当である。また、請求人は、偽造された受益証明書により行った遺産分割は、合法的な手続を踏んでいないから確定していない旨主張するが、仮に受益証明書が偽造され、遺産分割が確定していないとしても、そのことは請求人が相続財産のうち6,725万円を受領したことを前提としてされた本件決定処分に何ら影響を及ぼすものではない。 よって、原処分は適法である。(平 9.11.14大裁 (諸) 平 9-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080141
- 裁決年月日
- 平成9年9月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が「借地権の使用貸借に関する確認書」を提出していること等を理由に、借地権のすべてが被相続人に帰属している旨主張する。しかしながら、(1)確認書は、宅地に係る事実関係の実態を反映したものとは判断できないこと、(2)建物は、その持分の2分の1が請求人名義で登記されていること、(3)宅地に係る使用許可及び使用料の支払の状況からすれば、請求人は使用者としてその2分の1を負担していたと認められること、(4)土地の所有者であるA市は、宅地上の権利は建物の所有者に伴って移転すると認識していること等から判断すれば、賃借権の2分の1は請求人に帰属しているとみるのが相当である。(平 9.9.24東裁(諸)平 8-141)、(平 9. 2.24東裁(諸)平 8-142)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080124
- 裁決年月日
- 平成9年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、自作農創設特別措置法第16条の規定に基づく売渡処分によって被相続人名義に所有権移転登記がなされている甲土地については、当該売渡処分に瑕疵があり無効であるから、被相続人の所有ではなく相続財産でない旨主張するが、被相続人は、当該売渡処分当時、当該土地の耕作者であり、同処分の前後を通じて実際に耕作に従事していたことから、同法及び同法施行令に規定する売渡しの相手方として適格を有していたことが強く推認され、他に当該売渡処分に重大かつ明白な瑕疵があったと認められるような事情はなく、この点についての請求人らの主張は採用できない。また、請求人らは、乙土地について、請求人の一人であるAが時効取得したものであるから、相続財産ではない旨主張するが、Aが自主占有していた事実を認めることはできないから、当該主張についても採用できない。さらに、請求人らは丙土地についても、Aの固有財産であるから、相続財産でない旨主張するが、丙土地は、被相続人がBから賃借していた土地の一部であり、被相続人がBとの賃貸借の合意解約に伴い、賃借権との交換によって取得した土地であることが認められるから、当該主張についても採用できない。(平 9. 6.12大裁 (諸) 平 8-124)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080124
- 裁決年月日
- 平成9年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、農協の被相続人名義の普通貯金は、請求人の一人であるAが電気料金の支払のために毎月2万ないし3万円を振り込んでいたものであるから、相続財産ではなくAの固有財産である旨主張するが、(1)Aが振り込んでいたことを認めるに足りる証拠はないこと、(2)電気の契約者は被相続人となっていること、(3)当該電気料金は、被相続人とAの家族が同居する建物についてのものであり、被相続人が支払っていたとしても何ら不自然ではないことなどを併せ考えると、当該普通貯金は、相続財産と解すべきである。(平 9. 6.12大裁 (諸) 平 8-124)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080124
- 裁決年月日
- 平成9年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400399000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、建物更生共済契約に係る債権は、請求人の一人であるAがその掛金を支払ってきたものであるから、Aの固有財産であり相続財産ではない旨主張するが、当該契約者、被共済者年金受取人及び満期共済金受取人は、いずれも相続時において被相続人名義となっており、また、Aが掛金を支払ってきたことを認めるに足りる証拠もないから、相続財産と解するのが相当である。(平 9. 6.12大裁 (諸) 平 8-124)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080122
- 裁決年月日
- 平成9年6月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、(1)A社と被相続人は、A社及び被相続人が共有する土地等の上に存する建物に係る基本契約書及び土地賃貸借契約書の各定めからみると、それぞれ相互に借地法に規定する借地権を有していることは明らかであり、(2)法基通13−1−6及び所基通33−15の2の各定めからみても相互に借地権の設定等はなかったものとみることはできないことから、A社の所有する土地の上に存する建物に係る被相続人の共有持分割合に応じた借地権は被相続人に帰属することとなり、相続税の課税財産を構成する旨主張する。しかしながら、建物に係る被相続人の共有持分の割合は、合理的な根拠に基づく各人の所有地の価額により定められたものであり、上記各通達に定める各人の所有する部分の床面積の比が各人の所有地の価額の比とおおむね等しいときに該当すると認められることから、建物の建築時において法人税法及び所得税法上課税原因たる借地権の設定等はなかったと判定するのが相当であり、当該借地権は、課税財産とならないと判断するのが相当である。(平 9. 6. 5大裁 (諸) 平 8-122)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080121
- 裁決年月日
- 平成9年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400306020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/2公債、社債
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、公社債及び信託の受益証券は、証券の名義人は存在しない点で被相続人との関連は希薄であり、被相続人の相続財産でない旨主張する。しかしながら、無記名の債券及び信託の受益証券の所有者がだれであるかについては、特設の事情のない限り、それを現実に支配管理している者がその債券等の所有者であると推定するのが相当であると解すべきところ、本件においては、認定事実から、当該債券等を支配管理していたのは被相続人であると認められ、当該公社債及び信託の受益証券は、被相続人の相続財産であると認定するのが相当である。(平 9. 6. 4大裁 (諸) 平 8-121)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080121
- 裁決年月日
- 平成9年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件不動産は請求人ら及び被相続人の長男が被相続人の先妻から相続によって取得したものであるから、被相続人が無断で錯誤を原因として先妻から相続したとして行った所有権移転登記は無効であり、本件不動産は被相続人の遺産ではない旨主張する。しかしながら、(1)所有権の移転登記に際しては印鑑証明付の委任状を要すること、(2)当時の請求人らの年齢からして被相続人が親権者として当該所有権の移転登記を無断で行ったものとは認められないこと、(3)被相続人の生前に被相続人と請求人らとの間で本件不動産の帰属について争ったことがないことから、当該所有権の移転登記を無効と認める理由はなく、本件不動産は被相続人の遺産と認めるのが相当である。(平 9. 6. 4大裁 (諸) 平 8-121)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080121
- 裁決年月日
- 平成9年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人名義の財産は、被相続人が、請求人ら及び被相続人の長男が所有していた山林を無断で売却した代金で取得したものであるから、被相続人の財産でない旨主張する。しかしながら、一般的に財産の帰属については特段の事情がないかぎり、それを現実に支配管理している者がその所有者であると推定され、この特段の事情を主張する場合には、それを主張する者がその立証責任を負うべきものと解されるところ、請求人らが提出した資料では、被相続人名義の財産がどのように請求人らの土地の売却代金と結び付いているのかは立証されていないので、請求人らの主張は採用できない。(平 9. 6. 4大裁 (諸) 平 8-121)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080203
- 裁決年月日
- 平成9年5月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400303000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/3売買契約に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・334ページ
要旨
○ 請求人らは、売買契約締結後に相続が開始した借地権及び建物については、第一回中間金受領の際に建物は買主に所有権移転登記をしたが、建物には引き続き被相続人等が居住しており、さらに、相続開始後も妻や長男等が居住して建物を明け渡すまでの間地代を支払い、明渡しと同時に土地の賃借権の敷金の返還を受けたので、相続開始時には借地権及び建物は引渡し未了であるから、被相続人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、相続開始時までに売買代金の総額の7割を受領していること並びに建物の所有権移転登記及び移転登記に伴う固定資産税の負担等が売買契約の定めのとおり履行されていることから判断すれば、相続開始時において、借地権及び建物は既に買主に帰属しているものと解され、請求人らが明渡しまでの間地代として支払った金員は、借地権が譲受人へ移転した以降は、建物の家賃に実質的に変化したもの又は借地権等の引渡遅延損害金とみるのが相当であり、敷金の返還の時期については、当事者間の賃貸借の一切が終了した時期として据えるのが相当である。そうすると、請求人らが相続により取得した財産は、この売買契約に基づく残代金請求権と認められるから、請求人らの主張は採用できない。(平 9. 5.14東裁(諸)平 8-203) 裁決事例集No53・334ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080191
- 裁決年月日
- 平成9年5月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが納付すべき先代の相続税は、請求人及び本件審査請求に係る相続税における被相続人の連名預金から納付しているが、当該連名預金は請求人及び被相続人が2分の1ずつ所有していた土地の譲渡代金を原資としていることからすれば、当該連名預金は請求人らの共有の預金となり、その2分の1は請求人らに帰属するから、当該連名預金のすべてが被相続人に帰属するとしてした原処分は、取り消すべきである旨主張する。しかしながら、上記譲渡代金の使途をみると、当該相続税の納付や譲渡に伴って生じた支出に充てられていることからすれば、請求人が主張するように、当該相続税の納付時に納付額の2分の1を被相続人から贈与等がされたとみるよりも、当該連名預金は、これらの支出に充てるためのプール預金であり、請求人らは、このプール預金のうち自己に帰属する分を必要に応じて費消したものと解するのが相当である。そこで、当該連名預金の請求人らの費消状況をみると、請求人は、昭和59年分の所得税を納付した時点で、上記譲渡代金のうち請求人に帰属する分を超えて費消しているから、その後の当該連名預金はそのすべてが被相続人に帰属するとみることができる。したがって、相続開始時において現存する連名預金は、その全額が被相続人に帰属するとした原処分は適法である。(平 9. 5. 6東裁(諸)平 8-191)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平080025
- 裁決年月日
- 平成9年4月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が遺贈により取得した株式は、被相続人が(1)株式発行会社の設立時から所有していたこと、(2)増資の資金の一部は、銀行からの借入金で取得したことが明らかであることから、当該株式の一部は、被相続人の固有の財産であると推認されるところ、共同審査請求人のうちのAは、当該株式を調停申立人に遺留分の減殺請求により現物返還したものと認められ、また、A及びBが調停申立人に支払った金員は、遺留分の減殺請求により価格弁償したものである。したがって、当該株式を遺留分対象財産とは認められないとした原処分は、その一部を取り消すべきである。(平 9. 4. 8高裁(諸)平 8-25)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080083
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・317ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地を亡父から昭和58年に相続したものの、誤って平成6年3月に死亡した被相続人である母が相続する旨の遺産分割協議書を作成したため、その内容に錯誤があったとして平成6年3月に所有権更正登記を行った旨主張するが、(1)亡父の相続税の申告は、遺産分割協議書の内容に基づいて行われ、また、被相続人は、配偶者に対する相続税の軽減の規定を適用していること、(2)請求人以外の相続人は、遺産分割協議は請求人を含めた亡父の各相続人全員の合意でなされ、この合意に基づき遺産分割協議書が作成された旨申述していることなどからすると、遺産分割協議書の内容に錯誤はないものと認められ、原処分庁が、本件土地を被相続人の相続財産と認定したことは相当である。(平 9. 3.28広裁(諸)平 8-83) 裁決事例集No53・317ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080036
- 裁決年月日
- 平成9年2月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400306010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/6有価証券/1株式、出資
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義の株式等は請求人固有の資金を原資として、昭和25年ころ株式を取得した後、増資による株式の増加及び売買による利益により形成されたものであること、また、本件財産のうち株式以外の有価証券等は、株式の運用から生じたものである旨主張する。しかしながら、請求人が本件財産の管理運用を行っていたことは認められるものの、本件財産の一部について、被相続人名義の預金等の口座から払い出された金員及び出庫した有価証券をもって形成されていることが認められ、当該金員等は、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けたものと認めることが相当であることから、相法第19条に基づき、これらの金員を相続財産の課税価格に加算することとなる。(平 9. 2.17名裁(諸)平 8-36)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平080005
- 裁決年月日
- 平成8年12月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400302000
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/2土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義になっている本件土地等は、昭和20年に、当時未成年者であった請求人が祖父から家督相続により取得したものを、被相続人が家産保護の見地から自己の名義にしていたもので、相続財産には含まれない旨主張する。しかしながら、祖父が所有していた本件土地等を請求人が家督相続により取得したことを証明する証拠はなく、一方、被相続人は、本件土地等を自己の名義で所有権保存登記をしてから死亡するまでの間に、本件土地等の分筆及び所有権移転の登記をし、本件土地等の賃貸料及びその一部を売却した際の売却代金を自己の所得として所轄税務署長に申告し、これらの金員を被相続人名義で預金するなど、一貫して、その所有者として行動しているのであるから、本件土地等は被相続人の財産と認めるのが相当である。(平 8.12.27沖裁(諸)平 8-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080032
- 裁決年月日
- 平成8年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307020
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/2預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続に係る相続財産として原処分庁が認定した請求人ら名義の預貯金等のうちに、請求人らの固有の財産が存する旨主張するものの、請求人らは、請求人らの主張を具体的に証することができる資料を当審判所に提出しない。しかしながら当審判所の調査によれば、原処分庁が相続財産と認定した請求人ら名義の預貯金等の原資の一部は、請求人へ母の死亡に伴う遺族年金等を充てたものと認められるから、当該原資に係る部分の財産は、請求人らの固有の財産と認めるのが相当である。したがって、請求人らの相続税の課税価格及び納付すべき税額が、更正処分の額を下回ることとなるから、更正処分は、その一部を取り消すのが相当である。(平 8.12.10大裁 (諸) 平 8-32)
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